JP5369736B2 - 新規エナミン系化合物を含有する電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
近年、電子写真複写機等の画像形成装置の用途は拡大しており、画像品質への市場の要望は一段と高い水準を求めるものになってきている。特に、事務用の書類等においても、入力における写像技術、潜像形成技術の発展に加え、出力時においても、文字の象形の種類はより豊富に、より微細化されており、またプレゼンテーションソフトウェアの普及と発達により、印刷画像に欠陥や不鮮明さの少ない、極めて高画質な潜像の再現性が求められている。
系化合物群が電荷輸送材料として使用できると提案されている。
しかしながら、特許文献1または2に記載されている化合物群は、電気特性や移動度が比較的良い一方、電子写真機器に装着し、繰り返し使用する場合に、ブレード反転、摺擦音の発生等の問題が起きやすかった。この課題は、円形度の大きい、懸濁重合トナーを用いた場合、特に顕著であった。また、これらの化合物群は、製造コストも比較的高く、経済的にも不利である。
置換基定数σpが0.20以下であって、炭素数1〜6の有機基置換されたベンゼン環、または
市販の縮合多環式炭化水素系化合物に置換基最適化してエナミン系化合物の部分構造として導入することによって、光感度、残留電位、電荷移動度などの特性を比較的良く改善され、電子写真感光体に用いた場合に、クリーニング不良、フィルミング、汚れ、残像(ゴースト)、濃度低下等が少ない電子写真感光体を提供することができ、また、この電子写真感光体を用いることにより、印刷時において、ブレード反転、摺擦音の発生しない電子写真カートリッジ及び画像形成装置を提供することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の要旨は、導電性支持体の上に、感光層を有する電子写真感光体
において、該感光層が、一般式[I]で表されるエナミン系化合物を少なくとも一種含有す
ることを特徴とする、電子写真感光体に存する。
であって、炭素数1〜6の有機基を示し、mは0〜5の整数を示す。Ar1は、Hammett則におけ
る置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有機基を少なくとも一つ有するフェニル基、またはHammett則における置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有
機基を有していても良い縮合多環式炭化水素基を示す。Ar2は、Hammett則における置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有機基を有していても良いアリール基を示し、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、Ar2と互いに環を形成していても良い。)
本発明の第2の要旨は、上記本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させ
る帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、前記トナーを被転写体に転写する転写手段、前記被転写体に転写された前記トナーを定着させる定着手段、及び、前記電子写真感光体に付着した前記トナーを回収するクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つとを備えた電子写真カートリッジに存する。
る帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記トナーを被転写体に転写する転写手段とを備えることを特徴とする、画像形成装置に存する。
本発明の第4の要旨は、下記一般式[I]で表されるエナミン系化合物、に存する。
であって、炭素数1〜6の有機基を示し、mは0〜5の整数を示す。Ar1は、Hammett則におけ
る置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有機基を少なくとも一つ有するフェニル基、またはHammett則における置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有
機基を有していても良い縮合多環式炭化水素基を示す。Ar2は、Hammett則における置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有機基を有していても良いアリール基を示し、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、Ar2と互いに環を形成していても良い。)
<エナミン系化合物>
本発明のエナミン系化合物は、下記一般式で表される化合物である。
であって、炭素数1〜6の有機基を示し、mは0〜5の整数を示す。Ar1は、Hammett則におけ
る置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有機基が少なくとも一つ有するフェニル基、またはHammett則における置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有
機基を有していても良い縮合多環式炭化水素基を示す。Ar2は、Hammett則における置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有機基を有していても良いアリール基を示し、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、Ar2と互いに環を形成していても良い。)
前記一般式[1]中、Rとしては、Hammett則における置換基定数σp が0.20以下であっ
て、炭素数1〜6の有機基が好ましく、炭素数1〜2の有機基がより好ましく、それぞれ同一でも異なっていてもよい。例えば、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、メトキシ、エトキシなどが挙げられる。電気特性や製造コストの面から、Rは、炭素数1の有機基を有するものが特に好ましい。
構造を形成してもよい。
前記一般式[1]中、Ar1は、Hammett則における置換基定数σp が0.20以下であって、炭
素数1〜6の有機基を少なくとも一つ有するフェニル基、またはHammett則における置換基
定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有機基を有していても良い縮合多環式炭化水素基である。例えば、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニルが挙げられる。製造コストの面で、フェニル、ナフチル、フルオレニルのような6〜13の炭素原子を有する縮合多環式炭化水素基が特に好ましい。さらに、置換基を有
する場合、該置換基としては、Hammett則における置換基定数σp が0.20以下であって、
炭素数1〜6の有機基が好ましく、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のジアルキルアミノ基などが挙げられ、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ、N, N−ジメチルアミノ、N, N−ジエチルアミノなどが挙げられる。中でも、電気特性や製造コストの面から、炭素数1〜2の置換基が特に好ましい。
、プロポキシ、ブトキシ、N, N−ジメチルアミノ、N, N−ジエチルアミノなどが挙げ
られる。中でも、電気特性や製造コストの面から、置換基のない場合が特に好ましい。
チル基、またはAr2と互いに環構造を形成できる置換基が特に好ましい。
なお、前記一般式[1]に示されたエナミン化合物は、下記のように、Ar2とR1は、互いに異なるため、エナミン構造の二重結合に対して、シス型(Z体)とトランス型(E体)の両方は同時に存在する。本発明の合成方法では、シス型(Z体)とトランス型(E体)に対する選択性はなく、いずれの異性体も同様な割合でできる。従って、本発明に関わるエナミン系化合物は、エナミン構造の二重結合に対して、シス型(Z体)、トランス型(E体)、またはこれらの任意比率の混合型のどちらでも良く、各異性体の含有比率を限定されるものではない。
<電子写真感光体>
以下に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。本発明の電子写真感光体は
、導電性支持体上に、上述したエナミン系化合物を含有する感光層を設けたものであれば、その構造は特に制限されない。中でも、電荷発生層と、電荷輸送層とが積層された積層型の感光体が好ましく、特に、電荷輸送層が、上述したエナミン系化合物を含有することが好ましい。
導電性支持体については特に制限はないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性等の制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いても良いし、複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン
、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタンアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性を向上させる観点から、通常は0.1μm以上20μm以下の範囲が好ましい。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。画像欠陥防止等を目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いても良い。
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、本発明における感光層は、いずれの形式であってもよい。
(積層型感光層)
・電荷発生層
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。
シド等の配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類等が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
塗布液の作製に用いられる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解させるものであれば特に制限されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶
媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等の鎖状又は環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状又は環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水等が挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。なお、上述の下引き層を設ける場合には、この下引き層を溶解しないものが好ましい。
・電荷輸送層
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
また、本発明のエナミン系化合物に加えて、公知の他の電荷輸送物質を併用してもよい。他の電荷輸送物質を併用する場合、その種類は特に制限されないが、例えば、カルバゾール誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましい。更に具体的には、特開平2−230255号、特開昭63−225660号、特開昭58−198043号、特公昭58−32372号、および、特公平7−21646号の各公報に記載の化合物が好ましく使用される。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、複数種のものを任意の組み合わせで併用しても良い。なお、本発明のエナミン化合物と、公知の他の電荷輸送物質とを併用する場合、電荷輸送物質全量における、併用する電荷輸送物質の含有比率(質量%)は、特に制限されないが、1%以上20%以下の範囲内であることが好ましく、本発明のエナミン化合物の役割をより効果的に発揮させるために、3%以上10%
以下の範囲内であることが特に好ましい。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を十分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下の範囲とする。
<その他の機能層>
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させる目的で、周知の酸化防止剤、
可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させても良い。
例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。
保護層は、導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報に記載のトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いて形成することができる。
保護層に用いるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることもできる。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含有させても良い。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を使用時の温度において通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、通常500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下の範囲とする。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行っても良い。
次に、本発明の電子写真感光体(以下、適宜「感光体」と言う。)を用いた画像形成装置(以下、適宜「本発明の画像形成装置」と言う。)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図2を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変更して実施することができる。
感光体1は、上記した本発明の感光体であれば特に制限はないが、図2ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上記した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
た、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光等で露光を行なえばよい。これらの中で380〜500nmの短波長光を用いると解像度が高くなり好ましい。中でも405nmの単色光が好適である。 また、書き込み解像度は、現在は600dp
i以上が主流であるが、高性能機種では1200dpiのものも存在する。書き込み解像度により、静電潜像、トナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られるので、1200dpi以上の解像度が好ましい。例えば、600dpi、1200dpiの解像度を持つLEDで書き込んだ場合、最小ドット形成間隔は、それぞれ、42μm、21μmとなる。
現像ローラ44は、感光体1と供給ローラ43との間に配置され、感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、感光体1の表面に接触させる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体)Pに転写するものである。
ーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
以上のような条件にブレードを設定すると、感光体とブレードとの間における摺擦音が発生する可能性があるが、本発明の感光体を使用することにより、回避することが可能である。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着等、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5
によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。この際、上記のクリーニング装置を用いることにより、本発明の電子写真感光体を感光体1として用いた場合、クリーニング不良発生の抑制、より効率良くトナーTを回収できる等のような利点が得られる。
なお、画像形成装置は、上記した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、感光体に露光を行なうことで感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という。)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
<エナミン化合物の製造>
(合成例1:例示化合物CT-2の製造)
窒素雰囲気下、還流管、Dean-stark分水器を順次に反応器にセットし、N,N-ジ(3,4-
キシリル)アミン6.76 g (30 mmol)、2-フェニルプロピオンアルデヒド(ラセミ体)4.43
g (33 mmol)、酢酸30 ml、トルエン30 mlをそれぞれ反応器に仕込み、攪拌をしながら、2時間還流脱水し、室温まで冷却した。反応液とトルエン/脱塩水 (v/v = 1:1)を混合攪拌し、分液した。得られた有機層を1 N NaOHの水溶液で洗浄、分液し、さらに有機層を脱塩水2〜3回で洗浄、分液した。得られた有機層の溶媒を減圧留去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー[45μm活性アルミナ(住友化学株式会社製)400g、展開溶媒:トルエン/ヘキサン=1/3]に通し、さらにメタノールによる再沈で精製した。真空乾燥した後、上記の例示化合物CT-2を白色結晶として得た(収量8.91g、収率84%、純度99.5%)。なお、純度は、高速液体クロマトグラフィーのチャートの単純面積比率値から算出した。この化合物の核磁気共鳴スペクトル(300 MHz、Varian Gemini-2000 NMR spectrometer)を添付図3に示す。
N-(6-メトキシ-2-ナフチル)-N-(p-トリル)アミンを原料として使用した以外は、合成例1と同様な操作で、例示化合物CT-18を薄黄色粉末として得た。この化合物の核磁気共鳴スペクトル(300 MHz、Varian Gemini-2000 NMR spectrometer)を添付図4に示す。
(合成例3:例示化合物CT-6の製造)
N, N’-ジ(p-トリル)アミンと下記構造のアルデヒド体(ラセミ体)を原料として使
用した以外は、合成例1と同様な操作で、例示化合物CT-6を白色結晶として得た。この化
合物の核磁気共鳴スペクトル(300 MHz、Varian Gemini-2000 NMR spectrometer)を添付図5に示す。
N-(6-メトキシ-2-ナフチル)-N-(p-メトキシフェニル)アミンと製造例3に用いられた
アルデヒド体(ラセミ体)を原料として使用した以外は、合成例1と同様な操作で、例示
化合物CT-31を薄黄色粉末として得た。この化合物の核磁気共鳴スペクトル(300 MHz、Varian Gemini-2000 NMR spectrometer)を添付図6に示す。
N-(6-メトキシ-2-ナフチル)-N-(3,4-キシリル)アミンと製造例3に用いられたアルデ
ヒド体(ラセミ体)を原料として使用した以外は、合成例1と同様な操作で、例示化合物CT-33を薄黄色粉末として得た。この化合物の核磁気共鳴スペクトル(300 MHz、Varian Gemini-2000 NMR spectrometer)を添付図7に示す。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(厚み75μm)の表面にアルミニウム蒸着層(厚み70nm)を形成した導電性支持体を用い、その導電性支持体のアルミニウム蒸着層上に、以下の下引き層用分散液をバーコーターにより、乾燥後の膜厚が1.25μmとなるように塗布し、乾燥させ下引き層を形成した。
)メタン[下記式(D)で表される化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(E)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(F)で表される化合物]/オクタ
デカメチレンジカルボン酸[下記式(G)で表される化合物]の組成モル比率が、60%
/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの質量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層分散液とした。
次に、エナミン化合物CT-2の電荷輸送材料50部、下記のポリカーボネート樹脂(5)100部、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05部をテトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。この液を上述の電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターを用いて塗布し、125 ℃で20分間乾燥して電荷輸
送層を形成して、感光体シートA1を作製した。なお、ポリカーボネート樹脂(H)の粘
度平均分子量は30,000であった。
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
(実施例2:電子写真感光体A2)
例示化合物CT-2に代え、CT-18を電荷輸送物質として使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例としての電子写真感光体A2を得た。
例示化合物CT-2に代え、CT-6を電荷輸送物質として使用した以外は、実施例1と同様に
して、実施例としての電子写真感光体A3を得た。
(実施例4:電子写真感光体A4)
例示化合物CT-2に代え、CT-31を電荷輸送物質として使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例としての電子写真感光体A4を得た。
例示化合物CT-2に代え、CT-33を電荷輸送物質として使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例としての電子写真感光体A5を得た。
(比較例1:電子写真感光体P1)
例示化合物CT-2に代え、下記の電荷輸送物質(J)を使用した以外は、実施例1と同様
にして、比較例としての電子写真感光体P1を得た。
例示化合物CT-2に代え、下記の電荷輸送物質(K)を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例としての電子写真感光体P2を得た。
例示化合物CT-2に代え、下記の電荷輸送物質(L)を使用した以外は、実施例1と同様に
して、比較例としての電子写真感光体P3を得た。
製造した電子写真感光体A1〜A5,P1〜P3について以下の電気特性試験を行なった。
<電気特性試験>
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体シートを外径80mmのアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体シートのアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が−(マイナス。以下同じ。)700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを1.0μJ/cm2で露光したときの100ミリ秒後の露光後表面電位(以下、Vlと呼ぶことがある。)を測定した。Vl測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとし、高速応答の条件とした。また、感光体表面電位が、−700Vから−350
Vになるまでに要した半減露光エネルギーE1/2(μJ/cm2)を求めた。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。
光体は、エナミン系電荷輸送物質J、K、Lに比べ、優れた電気特性を示すことがわかる。
(製造例1)
下記の繰返し構造を有するポリアリレート樹脂100部(樹脂1、粘度平均分子量43000)、電荷輸送物質としてCT-2を80部、及びレベリング剤としてシリコーンオイル0.05部を、THF/トルエン(8/2(重量比))の混合溶媒640部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCT-2の代わりに、電荷輸送物質としてCT-18を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
(製造例3)
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCT-2の代わりに、電荷輸送物質としてCT-6を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCT-2の代わりに、電荷輸送物質としてCT-31を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
(製造例5)
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCT-2の代わりに、電荷輸送物質としてCT-33を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、下記の繰返し構造を有するポリアリレート樹脂(樹脂2、粘度平均分子量43200)を用いた以外は、製造例1〜5と同様にして、製造例6〜10として、それぞれ電荷輸送層形
成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、下記の繰返し構造を有するポリアリレート樹脂(樹脂3、粘度平均分子量44000)を用
いた以外は、製造例1〜5と同様にして、製造例11〜15として、それぞれ電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)を50重量
部とし、更に、下記の繰返し構造を有するポリカーボネート樹脂(樹脂4、粘度平均分子量50000)50重量部を用いた以外は、製造例1〜5と同様にして、製造例16〜20として、それぞれ電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、実施例1に用いたポリカーボネート樹脂5を用いた以外は、製造例1〜5と同様にして、製造例21〜25として、それぞれ電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
(比較製造例1〜5)
製造例1〜25の電荷輸送層形成用塗布液に用いた本発明のエナミン化合物の代わりに、
特許文献1に例示された下記のエナミン系電荷輸送物質Mを用い、さらに、製造例1、6、11、16、21に用いた樹脂を用いて、同様の順番で電荷輸送層形成用塗布液をそれぞれ調製した。
製造例1〜25の電荷輸送層形成用塗布液に用いた本発明のエナミン化合物の代わりに、
特許文献1に例示された下記のエナミン系電荷輸送物質Nを用い、さらに、製造例1、6、11、16、21に用いた樹脂を用いて、同様の順番で電荷輸送層形成用塗布液をそれぞれ調製した。
製造例1〜25の電荷輸送層形成用塗布液に用いた本発明のエナミン化合物の代わりに、
特許文献2に例示された下記のエナミン系電荷輸送物質Qを用い、さらに、製造例1、6、11、16、21に用いた樹脂を用いて、同様の順番で電荷輸送層形成用塗布液をそれぞれ調製した。
製造例1〜25の電荷輸送層形成用塗布液に用いた本発明のエナミン化合物の代わりに、
下記のエナミン系電荷輸送物質Rを用い、さらに、製造例1、6、11、16、21に用いた樹脂
を用いて、同様の順番で電荷輸送層形成用塗布液をそれぞれ調製してみたが、樹脂との相溶性が悪くて溶けきれず、濁った液が得られ、使用できなかった。
製造例1〜25の電荷輸送層形成用塗布液に用いた本発明のエナミン化合物の代わりに、
下記のエナミン系電荷輸送物質Sを用い、さらに、製造例1、6、11、16、21に用いた樹脂
を用いて、同様の順番で電荷輸送層形成用塗布液をそれぞれ調製した。
製造例1〜25の電荷輸送層形成用塗布液に用いた本発明のエナミン化合物の代わりに、
下記のエナミン系電荷輸送物質Tを用い、さらに、製造例1、6、11、16、21に用いた樹脂
を用いて、同様の順番で電荷輸送層形成用塗布液をそれぞれ調製した。
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、実施例1に記載の下引き層形成用塗布液、下記の電荷発生層
形成用塗布液、上記の各製造例または比較製造例で得た電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、1.3μm、0.4μm、25μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、感光体ドラムA6〜A30、P4〜P33を得た。
チタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで4時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Vを調製した。
ここで、作製した感光体ドラムと平均円形度0.990のトナーWとを用いて、画像特
性試験を行った。
画像特性試験は、ヒューレットパッカード社製カラープリンターHP Color LaserJet 4700dn(クリーニングブレード、カウンター当接方式)を用いて行った。
実施例6〜30の電子写真感光体を用いた画像形成装置においては、画像形成前及び10
000枚画像形成後においても、ゴースト、カブリ、濃度低下、フィルミング、クリーニング不良等の画像劣化のない良好な画像が得られた。また、印刷時の異音の発生もなかった。
たは印刷時の異音が発生した。
以上の結果を、エナミン系電荷輸送材料、バインダー樹脂と共に、表3にまとめた。
0000枚画像形成後においても、ゴースト、カブリ、濃度低下、フィルミング、クリーニング不良等の画像劣化のない良好な画像が得られた。また、印刷時の異音の発生もなかった。一方、公知のエナミン系電荷輸送物質を含有した電子写真感光体を用いた画像形成装置においては、種種の画像劣化、または印刷時の異音が発生することが確認された。
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (3)
- 導電性支持体の上に、感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、一般式[I]で表されるエナミン系化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする、電子写真感
光体。
であって、炭素数1〜2の有機基を示し、mは0〜5の整数を示す。Ar1は、Hammett則におけ
る置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜2の有機基を少なくとも一つ有するフェニル基、またはHammett則における置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜2の有
機基を有していても良い縮合多環式炭化水素基を示す。Ar2は、Hammett則における置換基定数σp が0.20以下であって、炭素数1〜6の有機基を有していても良いアリール基を示し、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、Ar2と互いに環を形成していても良い。) - 請求項1に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、前記トナーを被転写体に転写する転写手段、前記被転写体に転写された前記トナーを定着させる定着手段、及び、前記電子写真感光体に付着した前記トナーを回収するクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つとを備えた電子写真カートリッジ。
- 請求項1に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記トナーを被転写体に転写する転写手段とを備えることを特徴とする、画像形成装置。
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