JP6495031B2 - 飲み応えと厚みを有するノンアルコールビールテイスト飲料 - Google Patents

飲み応えと厚みを有するノンアルコールビールテイスト飲料 Download PDF

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Description

本発明は、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料およびその製造方法に関する。
近年の健康志向の高まりの中でアルコール摂取量を自己管理する消費者が増加している。また、飲酒運転に対する罰則の強化など道路交通法の改正により、自動車等の運転に従事する者のアルコール摂取に対する関心が高まっている。このような中でアルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料への需要が一段と高まっている。
これまで発売されたアルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料の商品群では、ビールの原料である麦芽や大豆タンパク質などの穀物タンパク分解物を含む原料が用いられている。これらの穀物タンパク分解物に含まれるアミノ酸やペプチドにより、ビールテイスト飲料にビール様の飲み応えを付与することができる。例えば、特許文献1には、非発酵ビール風味炭酸飲料の製造工程において、植物性タンパク分解物および麦芽抽出物を原料として用いることにより、ビール様の苦みやコク感を付与し、香味に厚みとまとまりを加えることができることが記載されている。
このような、穀物タンパク分解物を用いたビールテイスト飲料に、さらにビールらしい風味を付与する方法として、例えば特許文献2のように、ビールテイスト飲料の製造工程においてデンプン分解物および甘味料を添加する方法が知られている。
特開2011−142901号公報 国際公開第2013/80354号
しかしながら、ビールテイスト飲料には、含有するアミノ酸やペプチドに起因する、後残りする渋みが感じられるという問題がある。従って、本発明は、後渋味が少なく味の厚み感がある、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ビールテイスト飲料において、含有するアミノ酸やペプチドに起因する後残りする渋みが感じられるという問題を解決するための新たな解決手段を鋭意探索したところ、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料において総アミノ酸含有量におけるプロリン含有量の比率を所定の範囲に制御することにより、アミノ酸やペプチド由来の渋みを抑えつつ、味の厚みを付与できることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料であって、該飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%である、ビールテイスト飲料。
(2)前記飲料中の総アミノ酸含有量が300mg/L〜1560mg/Lである、(1)に記載のビールテイスト飲料。
(3)原料として穀物タンパク分解物を用いる、(1)または(2)に記載のビールテイスト飲料。
(4)アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料を製造する方法であって、該飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%となるようにプロリン含有量を調整する工程を含む、方法。
(5)前記飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%となるようにプロリンを添加する工程を含む、(4)に記載の方法。
(6)アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料に、該飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%となるようにプロリンを含有させることによる、ビールテイスト飲料の渋みを抑える、および/またはビールテイスト飲料に味の厚みを付与する方法。
本発明のビールテイスト飲料は、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料でありながら、飲み応えと共にビールらしい味の厚みが付与されている点で有利である。特に、本発明によれば、アルコールをほとんど含まない点と豊かなビール風味という需要者のニーズに同時に応えることができる点で有利であるといえる。
発明の具体的説明
定義
本発明における「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ飲料をいう。「ビール様の風味」とは、通常にビールを製造した場合、すなわち、酵母等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有の味わい、香りを、その飲料が呈することを意味する。本発明のビールテイスト飲料は、特に断りがない場合、酵母による発酵工程の有無にかかわらず、いずれの飲料をも包含する。
本発明において「アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料」とは、酵母発酵に由来するアルコールの含量が極めて少ないビールテイスト飲料であり、具体的にはアルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料である。このことから、発酵工程を経ないで製造される飲料、すなわち、非発酵のビールテイスト飲料であってもよい。また、アルコール濃度0.00%(v/v)のノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。ここで「発酵工程」とは、酵母等の微生物が有機物を分解することによってアルコール等の代謝産物を生成する工程をいう。
本発明における「穀物タンパク分解物」とは、大豆、エンドウ、トウモロコシ、小麦、大麦、米、落花生等の穀物から得られたタンパク質を多く含む穀物成分を、酸、アルカリ、または酵素によって加水分解したものをいう。従って、この穀物タンパク分解物中には多くのアミノ酸やペプチドが含まれる。ビールテイスト飲料の風味との適合性からは、酵素的に分解したものが好ましい。加水分解に使用する酵素は、外部から添加するのでもよく、あるいは、例えば麦芽中の加水分解酵素のごとく穀物に内在し発芽時に誘導される加水分解酵素を利用するものであってもよい。本発明における「穀物タンパク分解物を含む原料」には、麦芽や大豆タンパク分解物などが含まれる。
ビールテイスト飲料
本発明によれば、ビールテイスト飲料の製造過程において、総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率を所定の範囲に調整することにより、渋みを抑えつつ、味の厚みを付与することが可能となる。
本発明のビールテイスト飲料は、アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料であって、該飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%、好ましくは30質量%〜62質量%、さらに好ましくは37質量%〜62質量%であるビールテイスト飲料である。
本発明における「総アミノ酸含有量」とは、本飲料に含まれるニンヒドリンにより呈色しUV−VIS検出器で検出・定量される22種類(アスパラギン酸、スレオニン、セリン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アラニン、バリン、シスチン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、γ-アミノ酪酸、トリプトファン、オルニチン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、プロリン)のアミノ酸含量の総和のことを示す。この場合、総アミノ酸含有量の測定は、例えば、陽イオン交換樹脂(サイズ:4.6mmI.D×60mm樹脂:日立カスタムイオン交換樹脂)でアミノ酸を分離した後、ニンヒドリン反応液を加えて130℃で反応させUV−VIS検出器でアミノ酸22成分を定量することができる。また、この方法によりプロリン単独の含有量を測定することができる。
ビールテイスト飲料の製造方法
本発明のビールテイスト飲料は、飲料中の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率を所定の範囲に調整することにより製造することができる。
総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率を調整するにあたっては、ビールテイスト飲料の製造過程においてプロリンを外から添加してもよく、また、発酵工程を経て製造されたビールテイスト飲料中間製品中に生成されたプロリンを利用してもよい。後者の場合、本発明の効果を発揮するための所定量に調整するため、プロリンを外から添加して補充したり、あるいは、公知の方法を用いて希釈したりすることができる。ここで外から添加する際に用いられるプロリンは、例えば、協和発酵バイオ株式会社から入手することができる。
本発明のビールテイスト飲料における総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率は30質量%〜70質量%であり、好ましくは30質量%〜62質量%であり、さらに好ましくは37質量%〜62質量%である。よって、ビールテイスト飲料の製造過程で添加されるプロリンの量および該製造過程で生成され使用されるプロリンの量は、完成したビールテイスト飲料がこのような比率でプロリンを含有するように決定される。
本発明のビールテイスト飲料の総アミノ酸含有量は、好ましくは300mg/L〜1560mg/Lであり、さらに好ましくは426mg/L〜1220mg/Lに調整される。
必要に応じて、ビールテイスト飲料のpHを調整してもよい。ビールテイスト飲料のpHは、pH調整剤を用いて調整することができる。pH調整剤としては公知のものを用いることができ、食品に添加することが認められているものを好適に用いることができる。pH調整剤としては、アルカリ化剤や酸味料を用いることができる。酸味料としては、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、アスコルビン酸、酒石酸、フィチン酸、グルコノデルタラクトンを含むグルコン酸、炭酸などがあげられる。これらの中で、リン酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、フィチン酸が好ましい。これらの酸味料は、カリウム塩やナトリウム塩といった塩の形態で使用することも可能であるし、緩衝液の形で用いることも可能である。また、これらのpH調整剤は単独で用いてもよく、2またはそれ以上を組み合わせて用いてもよい。
発酵工程を経ないビールテイスト飲料の一般的な製造方法は、当技術分野においてよく知られており、特に制限されないが、典型的には麦汁の調製工程および麦芽飲料の濾過工程を含む。例えば、これらの工程は、以下のように実行することができる。
麦汁の調製工程は、常法に従って行うことができ、例えば、(a)麦芽粉砕物と水の混合物を糖化し、濾過して、麦汁を得る工程、(b)得られた麦汁にホップを添加した後、煮沸する工程、(c)煮沸した麦汁を冷却する工程を行うことにより得ることができる。
工程(a)において、麦芽粉砕物は、大麦、例えば二条大麦を、常法により発芽させ、これを乾燥後、所定の粒度に粉砕したものであれば良い。
麦芽粉砕物と水の混合物には副原料を添加してもよい。副原料としては、例えば、米、コーンスターチ、コーングリッツ、糖類(例えば、果糖ブドウ糖液糖などの液糖)、食物繊維などが挙げられる。副原料が糖類の場合には麦汁を糖化ないし濾過した後に添加してもよい。また、水はその全量を麦芽粉砕物と混合しても、あるいはその一部を麦芽粉砕物と混合し、残りを全部または分割して糖化後の麦汁に添加してもよい。
麦汁を構成する麦芽粉砕物、副原料および水の割合は適宜決定することができるが、工程(c)の後に得られる麦汁の糖度が3〜20%、好ましくは7〜14%となるように麦芽粉砕物、副原料および水の割合を決定してもよい。麦芽粉砕物、副原料および水の割合は、例えば、麦芽粉砕物100重量部に対して、副原料0〜100重量部、水400〜2000重量部、好ましくは、副原料0〜30重量部、水600〜1300重量部とすることができる。副原料が果糖ブドウ糖液糖および食物繊維の場合には、麦芽粉砕物、副原料および水の割合は、例えば、麦芽粉砕物100重量部に対して、副原料10〜40重量部、水800〜1500重量部、好ましくは、副原料20〜30重量部、水1000〜1200重量部とすることができる。この場合、果糖ブドウ糖液糖と食物繊維の重量比(固形分)は1:0.1〜10とすることができる。
上記混合物の糖化および濾過は常法に従って実施することができる。
工程(b)では、(a)で得られた麦汁にホップを添加した後、煮沸することによりホップの風味・香気を煮出することができる。煮沸後、沈殿により生じたタンパク質などの粕を除去してもよい。
工程(c)では、煮沸した麦汁を冷却する。この冷却は、麦汁が凍らない程度の極力低い温度、通常、1〜5℃まで冷却するのが望ましい。
麦汁には、香料、色素、起泡・泡持ち向上剤などの添加剤を添加してもよい。これらの添加剤は、麦汁の糖化前に添加しても、麦汁を糖化ないし濾過した後に添加してもよい。
上記のようにして得られた麦汁を濾過して不要なタンパク質や吸着剤を除去することができる。濾過は常法に従って行うことができるが、好ましくは、珪藻土濾過機を用いて行うことができる。濾過に当たっては、麦汁飲料に脱気水を加えて希釈後に濾過し、最終製品の糖度を3〜8%に調整してもよい。
濾過の後、通常のビールまたは発泡酒の製造において行われる工程、例えば、脱気水などによる最終濃度の調節、炭酸ガスの封入、容器(例えば樽、壜、缶)への充填(パッケージング)、容器のラベリングなど、を適宜行うことができる。
麦芽以外の穀物タンパク分解物を含む原料を利用して、発酵工程を経ないでビールテイスト飲料を製造する方法も、当技術分野でよく知られており、当業者はそのうちのいくつかを適宜選択して上述の「(a)麦芽粉砕物と水の混合物を糖化し、濾過して、麦汁を得る工程」の全部または一部と置き換えることができる。
発酵工程を経るビールテイスト飲料の一般的な製造方法も、当技術分野においてよく知られており、特に制限されないが、典型的には麦汁の調製工程、酵母添加による発酵工程および麦芽飲料の濾過工程を含む。特に、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料の製造においては、上述の発酵工程において公知の方法でアルコールの生成を抑制する手段、あるいは、上述の濾過工程の段階で公知の方法でアルコールを希釈もしくは除去する手段をさらに追加する。
本発明の他の態様によれば、プロリンを含んでなる、ビールテイスト飲料においてアミノ酸やペプチド由来の渋みを抑えつつ味の厚みを付与するための添加剤が提供される。この添加剤は、水に溶解しやすい形態で提供されてもよい。
本発明のさらに他の態様によれば、以下の穀物タンパク分解物を含む原料を用いて製造され、アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料、その製造方法、その呈味改良方法が提供される。
(1)穀物タンパク分解物を含む原料を用いて製造され、アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料であって、該飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%であるビールテイスト飲料。
(2)前記飲料中の総アミノ酸含有量が300mg/L〜1560mg/Lである、(1)に記載のビールテイスト飲料。
(3)穀物タンパク分解物を含む原料が麦芽である、(1)または(2)に記載のビールテイスト飲料。
(4)穀物タンパク分解物を含む原料を用いて製造され、アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料を製造する方法であって、該飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%となるようにプロリン含有量を調整する工程を含む、方法。
(5)前記飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%となるようにプロリンを添加する工程を含む、(4)に記載の方法。
(6)穀物タンパク分解物を含む原料を用いて製造され、アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料に、該飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%となるようにプロリンを含有させることによる、ビールテイスト飲料の穀物タンパク分解物由来の渋みを抑える、および/またはビールテイスト飲料に味の厚みを付与する方法。
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:ビールテイスト飲料のプロリン含有量/総アミノ酸含有量比率による風味への影響
(1)サンプルの調製
1500mLの温水に、市販の大豆タンパク(フジプロテイン社)を30g用意し、市販の食品用プロテアーゼ(ウマミザイム)を適当量加え、そのまま50℃で100分保持した。その後78℃まで昇温後、濾紙を用いて濾過を行い、タンパク分解液を作成した。このタンパク分解液にプロリン(協和発酵バイオ社製)を各種濃度になるよう添加したが、その際、すべてのサンプルにおいて総アミノ酸含有量が約500mg/Lとなるようにプロリンとタンパク分解液の比率を調整した。製造スケールを1Lとし、ホップを約1g、添加し、100℃で60分間煮沸した。煮沸後の液を濾紙を用いて濾過を行い、約2℃に冷却した。煮沸中に減少した水分については後程加えて調整した。得られた溶液にビール風味香料、カラメル色素、リン酸を加え、24時間貯蔵した。こうして、試験区1〜9までの各サンプルを得た。
(2)官能評価
官能評価の評価項目として、飲み応え、後に残る渋みの少なさの2つの項目を設定した。以下に、それぞれの評価項目の具体的な評価基準を示す。
a.飲み応え:ボディ感および口当たりが適度に強くコクがある風味。A:ビールらしいボディ感が十分感じられる、B:ビールらしいボディ感が感じられる、C:ビールらしいボディ感があまり感じられない、D:ビールらしいボディ感が全く感じられない、の4段階で評価。
b.後に残る渋みの少なさ:ビールらしい後キレが感じられて嫌な渋味、雑味が少ない風味。A:嫌な渋味が全く感じられない、B:嫌な渋味があまり感じられない、C:嫌な渋味を感じる、D:嫌な渋味を強く感じる、の4段階で評価。
官能評価は、訓練された4名のパネルによって実施した。
また、これら2項目の結果を基に、後渋味が少なく味の厚み感があるといった総合評価を、A:十分強く感じられる、B:やや強く感じられる、C:感じられる、D:感じられない、の4段階で導き出した。
(3)結果
上記の官能評価の結果を、各試験区における総アミノ酸含有量に対するプロリン含有量の比率とともに表1に示す。
Figure 0006495031
官能評価の結果、全ての試験区において飲み応えは「A」か「B」の評価であった。一方で、プロリン含有量/総アミノ酸含有量比率が0か非常に少ない試験区1〜3では渋みの残り具合が大きく、総合評価として「D」となった。次に試験区4〜7でプロリン含有量/総アミノ酸含有量比率が大きくなると渋みの残り具合が小さくなるといった傾向がみられた。試験区8および9では、苦みが増してきて、総合評価として「C」もしくは「D」となった。
従って、後渋味が少なく味の厚み感があると総合評価された試験区は、試験区4、試験区5、試験区6、試験区7および試験区8であり、好ましくは試験区4、試験区5、試験区6および試験区7であり、さらに好ましくは試験区5、試験区6および試験区7であった。
(4)市販品の分析結果
表2に、国内で販売されている各社ノンアルコールビールテイスト飲料の、製品中のプロリン含有量/総アミノ酸含有量比率を示した。その比率は、本発明の好ましい比率範囲と比較して顕著に低いことがわかった。
Figure 0006495031
実施例2:プロリン添加ビールテイスト飲料の総アミノ酸含有量による風味への影響
(1)サンプルの調製
麦芽1kgを適当な粒度に粉砕して仕込槽に入れ、これに3Lの温水を加え、65℃で10分保持後、77℃で30分間、糖化を行った。糖化終了後、85℃まで昇温後、濾紙を用いて濾過を行い、濾液を得た。この濾液に温水を加え、エキス分が12.0重量%になるよう調整した。製造スケールを1Lとし、100℃で60分間煮沸した。煮沸後の液を濾紙を用いて濾過を行い、約2℃に冷却した。適宜、エキス分が4.0%になるよう、水を加えて麦汁を調整した。この麦汁のアミノ酸を分析し、分析結果を基に、プロリン含有量/総アミノ酸含有量比率が約50%となるよう、プロリンを添加した。プロリン添加後の麦汁は、総アミノ酸含有量が各種濃度になるよう希釈され、その後ビール風味香料(高砂香料社)、カラメル色素、異性化ホップエキスを適量加え、24時間貯蔵した。この溶液をpH4.0になるよう、リン酸でpHを調整した。こうして、試験区10〜17までの各サンプルを得た。
(2)官能評価
実施例1と同じ手法を用いて、訓練された4名のパネルによって実施した。
(3)結果
上記の官能評価の結果を、各試験区における総アミノ酸含有量とともに表3に示す。
Figure 0006495031
総アミノ酸含有量が少ない、試験区10および11では飲み応えが悪く、総合評価は「D」となった。試験区12〜16ではボディがありつつ、渋みが抑えられており、良好であった。試験区17では、苦みが突出して感じられ、総合評価は「D」となった。従って、後渋味が少なく味の厚み感があると総合評価された試験区は、試験区12、試験区13、試験区14、試験区15および試験区16であり、好ましくは試験区13、試験区14および試験区15であった。

Claims (5)

  1. アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料であって、該飲料の総アミノ酸含有量が300mg/L〜1560mg/Lであり、該飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%である、ビールテイスト飲料。
  2. 原料として穀物タンパク分解物を用いる、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料を製造する方法であって、該飲料の総アミノ酸含有量が300mg/L〜1560mg/Lとなるように総アミノ酸含有量を調整し、該飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%となるようにプロリン含有量を調整する工程を含む、方法。
  4. 前記飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%となるようにプロリンを添加する工程を含む、請求項に記載の方法。
  5. アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料に、該飲料の総アミノ酸含有量が300mg/L〜1560mg/Lとなるように総アミノ酸含有量を含有させ、該飲料の総アミノ酸含有量に占めるプロリン含有量の比率が30質量%〜70質量%となるようにプロリンを含有させることによる、ビールテイスト飲料の渋みを抑える、および/またはビールテイスト飲料に味の厚みを付与する方法。
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