JP6489172B2 - 車両の音振エネルギー減衰構造 - Google Patents
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Description
本発明は、エンジン及びトランスミッションからなるパワーユニットから発生して、キャビンに伝達される音振エネルギーを減衰するための、車両の音振エネルギー減衰構造に関する技術分野に属する。
従来より、車両の静粛性の向上のために、エンジン及びトランスミッションからなるパワーユニットから発生してキャビンに伝達される音振エネルギーを減衰させる構造が知られている。
例えば、特許文献1には、閉断面構造のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームに取り付けられ、パワーユニットを支持する支持装置と、上記フロントサイドフレームにおける該支持装置が取り付けられた部分の内側部分に設けられる補強部材とを備えた、自動車の前部構造が開示されている。
また、特許文献2には、車体を構成する閉断面状のフレーム内に節部材を設け、該節部材に振動減衰部材を配設することで、キャビンに伝達される振動(音振エネルギー)を減衰させる構造が開示されている。
ところで、パワーユニットから伝達される音振エネルギーには、エンジンの振動に基づくものや、トランスミッションからのギヤノイズに基づくものがある。これらの音振エネルギーが上記キャビンに伝達されると、NVH(Noise Vibration Harshness)の問題を顕著にする。
上記特許文献1のように、支持装置が設けられる部分に補強部材を設けたり、上記特許文献2のように、フレーム内に節部材内の節部材に振動減衰部材を配設したりするだけでは、上記のような音振エネルギーを減衰できる領域が小さく、音振エネルギーの減衰効果が小さい。
これに対して、補強部材の配設領域を大きくしたり、節部材の数を増やしたりすることも考えられるが、この場合、車体重量の大幅な増加が懸念される。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車体重量の増加を出来る限り抑えつつ、音振エネルギーを効率的に減衰させることにある。
本発明者らの検討によると、パワーユニットで発生する音振エネルギーのうちの少なくとも一部の音振エネルギーを、該音振エネルギーをキャビンに伝達する音振エネルギー伝達部材から別の部材に遷移させることによって、キャビンに伝達される音振エネルギーを減衰させることができることが分かった。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、エンジン及びトランスミッションからなるパワーユニットで発生してキャビンに伝達される音振エネルギーを減衰するための、車両の音振エネルギー減衰構造を対象として、上記パワーユニットを支持する支持装置が取り付けられ、該支持装置を介して上記音振エネルギーが入力されて振動し、上記音振エネルギーを上記キャビンに伝達する伝達経路を構成する音振エネルギー伝達部材と、上記音振エネルギー伝達部材における上記音振エネルギーの伝達経路上に取り付けられ、上記音振エネルギー伝達部材を伝達する上記音振エネルギーのうちの少なくとも一部を、該音振エネルギー伝達部材から遷移させる音振エネルギー遷移部材とを備え、上記音振エネルギー遷移部材は、上記音振エネルギーによる上記音振エネルギー伝達部材の振動の伝達方向に、略沿うように配設され、上記音振エネルギー遷移部材の上記伝達方向における長さが、上記音振エネルギー伝達部材の上記振動の波長の半分以上の長さであり、上記音振エネルギー伝達部材において、上記音振エネルギー遷移部材が取り付けられる取付部は、上記音振エネルギー伝達部材の上記振動の腹に対応する位置に設けられている、という構成とした。
この構成によると、音振エネルギー遷移部材によって、支持装置を介して音振エネルギー伝達部材を伝達する音振エネルギーの少なくとも一部を、該音振エネルギー遷移部材に遷移させることができる。すなわち、音振エネルギー伝達部材に音振エネルギー遷移部材を取り付けることで、音振エネルギー伝達部材の振動が音振エネルギー遷移部材に伝達され、これにより、音振エネルギー伝達部材から音振エネルギー遷移部材へ音振エネルギーが遷移される。そして、音振エネルギー伝達部材からは、音振エネルギー遷移部材に遷移した分だけ音振エネルギーが減少する。この結果、音振エネルギー遷移部材によって、音振エネルギー伝達部材からキャビンに伝達される音振エネルギーが減衰される。
また、音振エネルギー遷移部材は、上記音振エネルギーによる音振エネルギー伝達部材の振動の伝達方向における長さが、該振動の波長の半分以上の長さであり、音振エネルギー遷移部材を音振エネルギー伝達部材に取り付ける取付部は、上記音振エネルギーによる上記音振エネルギー伝達部材の振動の腹に対応する位置に設けられているため、音振エネルギー遷移部材は、音振エネルギー伝達部材の上記振動における複数の腹のうち、少なくとも1箇所の腹の位置に取り付けられる。これにより、音振エネルギー遷移部材は、音振エネルギー伝達部材の振動における、振幅の大きな部分に取り付けられるため、音振エネルギー伝達部材の振動が音振エネルギー遷移部材に効率良く伝達される。この結果、音振エネルギー伝達部材から音振エネルギー遷移部材へ音振エネルギーが効率良く遷移される。これらの結果、パワーユニットから発生してキャビンに伝達される音振エネルギーを効率的に減衰させることができる。
さらに、音振エネルギー遷移部材は、音振エネルギー伝達部材の上記振動の伝達方向における長さが、該振動の波長の半分以上の長さであればよいので、音振エネルギー遷移部材を設けることによる車体の重量増加を出来る限り抑えることができる。
したがって、車体重量の増加を出来る限り抑えつつ、音振エネルギーを効率的に減衰させることができる。
上記車両の音振エネルギー減衰構造において、上記音振エネルギー遷移部材は、上記音振エネルギー伝達部材から遷移させた上記音振エネルギーを熱エネルギーに変換するためのエネルギー変換機能を有する、ことが好ましい。
この構成によると、音振エネルギー伝達部材から音振エネルギー遷移部材へ遷移した音振エネルギーを他の部材に音振エネルギーとして伝達させることなく、音振エネルギー遷移部材で熱エネルギーとして消費することができる。これにより、音振エネルギーの減衰をより確実行うことができる。
上記音振エネルギー遷移部材が上記エネルギー変換機能を有する、車両の音振エネルギー減衰構造において、上記音振エネルギー遷移部材は、板状をなし、さらに上記音振エネルギー遷移部材は、上記取付部を固定端とするフィンを構成するように上記音振エネルギー伝達部材に取り付けられていて、上記音振エネルギー伝達部材から遷移した上記音振エネルギーによって、上記フィンが振動することで、該音振エネルギーを熱エネルギーに変換するように構成されている、ことが好ましい。
すなわち、音振エネルギー遷移部材がフィンを構成していれば、音振エネルギー伝達部材から音振エネルギー遷移部材へ遷移した音振エネルギーによるフィンの振動によって、該音振エネルギーを熱エネルギーに変換することができる。また、上記音振エネルギー遷移部材が板状をなしていれば、フィンを簡単に構成することができるため、音振エネルギーの減衰を単純な構成で行うことができる。
上記音振エネルギー遷移部材がフィンを構成する、上記車両の音振エネルギー減衰構造における一実施形態では、上記音振エネルギー伝達部材は、上記車両のフロントサイドフレームであり、上記フロントサイドフレームは、車両前後方向に延びかつ断面矩形状をなしており、上記支持装置は、上記フロントサイドフレームの車両前後方向の中間に設けられており、上記音振エネルギー遷移部材は、上記フロントサイドフレームの車幅方向両側の側壁部のうちの少なくとも一方の側壁部における、上記支持装置と上記キャビンとの間の前後位置に取り付けられている。
すなわち、フロントサイドフレームは、通常、ダッシュパネルに連結されているため、パワーユニットから発生した音振エネルギーによる振動は、フロントサイドフレームを介してキャビン内に伝達されやすい。そのため、フロントサイドフレームにおける、支持装置とキャビンとの間の前後位置に音振エネルギー遷移部材を設ければ、エンジン及びトランスミッションからなるパワーユニットから発生してキャビンに伝達される音振エネルギーをより効果的に減衰させることができる。また、フロントサイドフレームは、通常、該フロントサイドフレームの上側に設けられたエプロンメンバ及び該フロントサイドフレームの下側に設けられたサスペンションクロスメンバに対して、上下方向に連結されるため、上下の壁部よりも、車幅方向両側の側壁部の振動の方がキャビンに伝達されやすい。よって、音振エネルギー遷移部材を、フロントサイドフレームの車幅方向両側の側壁部のうちの少なくとも一方に取り付けることで、フロントサイドフレームから音振エネルギー遷移部材への音振エネルギーの遷移を効率的に行うことができる。この結果、音振エネルギーを一層効率的に減衰させることができる。
さらに、フロントサイドフレームよりも車幅方向外側は、フロントサイドフレームよりも車幅方向内側と比較して、配設される車載部品の量が少ないため、フロントサイドフレームの車幅方向外側の側壁部に音振エネルギー遷移部材を取り付けるようにすれば、音振エネルギー遷移部材のレイアウトの自由度を高くすることができる。これにより、音振エネルギーをさらに効率的に減衰させるような、音振エネルギー遷移部材のレイアウトが可能となる。
上記音振エネルギー遷移部材がフィンを構成する、上記車両の音振エネルギー減衰構造における他の実施形態では、上記音振エネルギー伝達部材は、上記車両に設けられた左右一対のフロントサイドフレームを車幅方向に連結するサスペンションクロスメンバであり、上記サスペンションクロスメンバにおける、上記音振エネルギーが入力される入力点は、上記サスペンションクロスメンバにおける車幅方向の略中央に設けられた、上記支持装置の支持部であり、上記音振エネルギー遷移部材は、車幅方向に延びかつ上記サスペンションクロスメンバにおける上記支持部を含むように、上記サスペンションクロスメンバに取り付けられている。
すなわち、サスペンションクロスメンバは、通常、フロアパネルに連結されるフロアフレームに連結されているため、パワーユニットから発生した音振エネルギーによる振動は、サスペンションクロスメンバを介してキャビン内に伝達されやすい。また、サスペンションクロスメンバは、フロントサイドフレームにも連結されているため、パワーユニットから発生した音振エネルギーによる振動が、サスペンションクロスメンバを介してフロントサイドフレームに伝達されて、その後キャビンに伝達されるおそれもある。そのため、サスペンションクロスメンバに、音振エネルギー遷移部材を設ければ、エンジン及びトランスミッションからなるパワーユニットから発生してキャビンに伝達される音振エネルギーを一層効果的に減衰させることができる。また、サスペンションクロスメンバにおける支持装置の支持部を含むように音振エネルギー遷移部材を取り付けることにより、該音振エネルギー遷移部材により、サスペンションクロスメンバにおける該支持部周辺の実効的な厚みが厚くなるため、サスペンションクロスメンバにおける支持装置の支持剛性を向上させることもできる。
以上説明したように、本発明に係る車両の音振エネルギー減衰構造によると、音振エネルギー伝達部材を伝達する音振エネルギーのうちの少なくとも一部を、該音振エネルギー伝達部材から遷移させる音振エネルギー遷移部材を備え、該音振エネルギー遷移部材は、上記音振エネルギーによる上記音振エネルギー伝達部材の振動の伝達方向に、略沿うように配設され、上記音振エネルギー遷移部材の上記伝達方向における長さが、上記音振エネルギー伝達部材の上記振動の波長の半分以上の長さであり、上記音振エネルギー伝達部材における、上記音振エネルギー遷移部材が取り付けられる取付部は、上記音振エネルギー伝達部材の上記振動の腹に対応する位置に設けられているため、上記音振エネルギー伝達部材から上記音振エネルギー遷移部材への音振エネルギーの遷移を効率的に行うことができ、この結果、音振エネルギー伝達部材を介してキャビンに伝達される音振エネルギーを効率的に減衰させることができる。また、上記音振エネルギー遷移部材は、上記音振エネルギー伝達部材の上記伝達方向における長さが、上記音振エネルギー伝達部材の上記振動の波長の半分以上の長さであればよいので、音振エネルギー遷移部材を設けることによる車体の重量増加を出来る限り抑えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の説明では、自動車1についての前、後、左、右、上及び下を、それぞれ単に前、後、左、右、上及び下という。
図1は、本発明の実施形態1に係る音振エネルギー減衰構造を適用した車両1の前部を示す。この車両1の前部には、該車両1の前輪(図示省略)を駆動するエンジンE及びトランスミッションTからなるパワーユニットPを配設するためのエンジンルーム2が設けられている。エンジンEは、該エンジンルーム2内に横置きされており、上記トランスミッションTはエンジンの左側に配設される。
エンジンルーム2の車幅方向の両側端部には、左右一対のフロントサイドフレーム3が前後方向に延びるように配設されている。上記エンジンは、これら左右のフロントサイドフレーム3の間に配設される。
左右一対のフロントサイドフレーム3は、それぞれ略矩形状の閉断面形状をなしている。詳しくは、各フロントサイドフレーム3は、車幅方向外側に開口する断面ハット状(図3参照)をなすフレームインナ3aと、該フレームインナ3aの上壁部及び下壁部の車幅方向外側の端部を上下に連結する略平板状のフレームアウタ3bとで閉断面を構成している。各フロントサイドフレーム3の後部は、その高さ位置が後側に向かって徐々に低くなるキック部とされており、このキック部と対応する前後位置には、エンジンルーム2と車室とを仕切るダッシュパネル4が設けられている。各フロントサイドフレーム3のキック部は、ダッシュパネル4に接合されている。
各フロントサイドフレーム3の前側端部には、フランジ3cがそれぞれ形成されている。図示は省略しているが、各フランジ3cには、前側端部がバンパービームに連結されるクラッシュカンの後側端部が締結される。
各フロントサイドフレーム3のフレームインナ3aお前後方向の中間部分には、パワーユニットPをマウント支持する側方支持装置5がエンジンルーム2側に突出するように取り付けられている。右側の側方支持装置5はエンジンEを直接マウント支持し、左側の側方支持装置5は、エンジンEと連結されたトランスミッションTをマウント支持することで、エンジンEを間接的にマウント支持している。
尚、本実施形態1では、フロントサイドフレーム3は、側方支持装置5を介して、パワーユニットPで発生した音振エネルギーが入力されて振動し、該音振エネルギーを車両1のキャビン(図示省略)に伝達する伝達経路を構成する音振エネルギー伝達部材に相当する。
車両1の前部における、各フロントサイドフレーム3よりも下方でかつフロントサイドフレーム3の上記各キック部と略同じ前後位置には、左右の上記前輪をそれぞれ支持する左右一対の前輪サスペンションアーム7と、車幅方向に延びかつ各サスペンションアーム7を支持するサスペンションクロスメンバ8(以下省略して、サスクロス8という)とが配設されている。
サスクロス8は、上下方向から見てX字形状をなしかつ車幅方向に延びるサスクロス本体8aを有している。このサスクロス本体8aの左後側端部及び右後側端部に、左右のサスペンションアーム7の後側端部がそれぞれ取付支持されている。これにより、各サスペンションアーム7を介して上記前輪がサスクロス本体8aにそれぞれ支持される。サスクロス本体8aの左前側端部及び右前側端部には、車幅方向の外側かつ上側へ向かって延びかつフロントサイドフレーム3(厳密には、フレームインナ3a)の下壁部に連結される後側フレーム結合部9がそれぞれ設けられている。これにより、サスクロス本体8aと左右のフロントサイドフレーム3とが連結されて、サスクロス本体8aにより、左右一対のフロントサイドフレーム3が車幅方向に連結される。
サスクロス本体8aの左前側端部及び右前側端部からは、前側に向かって前方延設部10がそれぞれ延びている。左右の前方延設部10の前側端部における車幅方向の内側面同士は、車幅方向に延びるフロントクロスメンバ11によって連結されている。また、各前方延設部10の前側端には、結合部材12を介して、歩行者保護用のスティフナー13が前側に突出するように固定されている。さらに、左右の前方延設部10の前側端部と左右のフロントサイドフレーム3(厳密には、フレームインナ3a)の前側端部における下壁部とは、上下に延びる前側フレーム部14を介して連結されている。
サスクロス本体8aの前側かつ車幅方向の中央の部分には、パワーユニットを支持する後側支持装置6が前側に突出するように設けられている。後側支持装置6は、トランスミッションTの後側の部分から後側に延びるトルクロッド(図示省略)介して、パワーユニットPと連結されている。後側支持装置6は、パワーユニットPがロール軸周りに回転してしまうのを抑制している。尚、後側支持装置6がエンジンEと連結される構成であってもよい。
各前輪サスペンションアーム7は、図1に示すように、前側に向かうに連れて車幅方向の外側に位置するように湾曲しており、各前輪サスペンションアーム7の前側かつ車幅方向の外側の端部に、ホイールハブ51がハブキャリア50を介してそれぞれ結合されている。このホイールハブ51にハブボルトを介して上記左右の前輪がそれぞれ接続される。尚、図1では、右側のホールハブ51等は、右側のフロントサイドフレーム3と重なって見えていない。
左右のハブキャリア50には左右のフロントダンパ15(図1では、左側のフロントダンパ14のみが見えている)のロッド15aの下側端部がそれぞれ結合されており、各フロントダンパ15に対応する位置には、左右のサスペンションタワー30(以下、省略してサスタワー30という)が設けられている。
左右のサスタワー30は、フロントサイドフレーム3と、フロントサイドフレーム3よりも上側かつ車幅方向外側に配設され、車両前後方向に延びる左右一対のエプロンレインフォースメント16(以下、省略してエプロンレイン16という)とを、左側同士及び右側同士でそれぞれ連結するように立設されている。左右のサスタワー30は、それぞれ、エプロンレイン16よりも車幅方向内側(つまり、エンジンルーム2側)に膨出するように形成されている。
サスタワー30の側壁部30aの後部における反エンジンルーム2側の面には、図2に示すように、第1の補強メンバ31が設けられている。第1の補助メンバ31はそれぞれ上下方向に延びており、サスタワー30の側壁部と協働して閉断面構造をなすように構成されている。第1の補助メンバ31の下端部は、フロントサイドフレーム3のフレームアウタ3bにそれぞれ接合されている。
左右のエプロンレイン16の後側端部は、左右のヒンジピラー(図示省略)の上側端部におけるそれぞれ接合されている。
各サスワー30の上端部の後側の部分には、エプロンガセット17の前側端部が接合されている。図1に示すように、各エプロンガセット17は、上側から見て、左側及び右側のそれぞれにおいて、サスタワー30の上端部の後部とエプロンレイン16との間の角部を埋めるように広がっており、エプロンガセット17の車幅方向外側の端部は、エプロンレイン16に接合されている。
各エプロンガセット17には、エプロンレイン16と略同じ高さ位置において、車幅方向に延びるカウルメンバ18の車幅方向外側の両側端部がそれぞれ2つのボルト103によって結合されている。これにより、エプロンガセット17を介して、カウルメンバ18とエプロンレイン16とが連結されるようになる。
サスタワー30の前側端部には、左右一対のフロントサイドフレーム3と左右一対のエプロンレイン16とを、左側同士及び右側同士でそれぞれ連結するように、上下方向に延びるホイールエプロンパネル20がそれぞれ接合されている。また、ホイールエプロンパネル20の反エンジンルーム2側の面(つまり、車幅方向外側の面)には、図2に示すように、該ホイールエプロンパネル20と協働して閉断面を構成する第2の補強メンバ32が設けられている。
ここで、パワーユニットPの作動時には、該パワーユニットPで発生した音振エネルギー、特に、エンジンEの振動や、トランスミッションTのギヤノイズ等に関連する音振エネルギーが、側方支持装置5及びフロントサイドフレーム3を介して上記キャビンに伝達される。上記音振エネルギーが上記キャビンに伝達されると、該音振エネルギーに基づく騒音が車両1の乗員に伝達され、NVH(Noise Vibration Harshness)の問題を顕著にする。
そこで、本実施形態1では、上記音振エネルギーを減衰させるために、上記音振エネルギーを上記キャビンに伝達する伝達経路を構成するフロントサイドフレーム3、特に、フロントサイドフレーム3のフレームアウタ3b上に、該フロントサイドフレーム3を伝達する上記音振エネルギーのうちの少なくとも一部を遷移させるための音振エネルギー遷移パネル20を取り付けている。
以下、音振エネルギー遷移パネル20の構成及び音振エネルギー遷移パネル20のフロントサイドフレーム3への取付構造について詳細に説明する。尚、以下の説明では、左側のフロントサイドフレーム3のフレームアウタ3bに音振エネルギー遷移部材を取り付けた場合について説明する。以下の説明において、単にフロントサイドフレーム3といったときには左側のフロントサイドフレーム3を示す。
音振エネルギー遷移パネル20は、フロントサイドフレーム3の振動を該音振エネルギー遷移パネル20に伝達させることで、フロントサイドフレーム3を介して上記キャビンに伝達される音振エネルギーの少なくとも一部を音振エネルギー遷移パネル20に遷移させて、上記キャビンに伝達される音振エネルギーを減衰させるためのものである。
音振エネルギー遷移パネル20は、本実施形態1では、フロントサイドフレーム3のフレームアウタ3bと同じ材質の金属板で構成されている。また、音振エネルギー遷移パネル20の厚みは、図3に示すように、フレームアウタ3bの厚みと同じ厚みである。尚、音振エネルギー遷移パネル20の材質は、必ずしもフレームアウタ3bと同じ材質である必要はなく、後述するように、音振エネルギー遷移パネル20が上記音振エネルギーによって振動するフィンを構成すれば、音振エネルギー遷移パネル20の材質とフレームアウタ3bとが異なっていてもよい。また、音振エネルギー遷移パネル20の厚みは、必ずしもフレームアウタ3bと同じ厚みである必要はなく、後述するように、音振エネルギー遷移パネル20が上記音振エネルギーによって振動するフィンを構成すれば、音振エネルギー遷移パネル20の厚みとフレームアウタ3bとが異なっていてもよい。例えば、音振エネルギー遷移パネル20の厚みは、フレームアウタ3bの厚みの0.5倍〜1.2倍の厚みにすることができる。
音振エネルギー遷移パネル20は、フロントサイドフレーム3における、側方支持装置5と上記キャビンとの間の前後位置に設けられている。詳しくは、音振エネルギー遷移パネル20は、前側端が、側方支持装置5と略同じ前後位置に位置し、該前側端から、上記音振エネルギーによるフレームアウタ3bの振動の伝達方向である前後方向に略沿って、後側に延びている。
音振エネルギー遷移パネル20は、車両1の前部に設けられた他の部材を避けるように切り欠かれている。具体的には、本実施形態1では、音振エネルギー遷移パネル20における前後方向の略中央でかつ下側の部分に設けられた切欠は、フロントサイドフレーム3に対して燃料の配管を支持する配管支持部材(図示省略)を避けるために形成されており、音振エネルギー遷移パネル20における後部でかつ上側の部分の切欠は、第1の補強メンバ31の一部を避けるために形成されている。
フロントサイドフレーム3のフレームアウタ3bにおける、音振エネルギー遷移パネル20が取り付けられる取付部21は、図2及び図3に示すように、複数(本実施形態1では5つ)設けられている。具体的には、複数の取付部21は、音振エネルギー遷移パネル20の前端部近傍でかつ上下方向の略中央の部分に2つ、第2の補強メンバ32と略同じ前後位置でかつ下端部近傍に1つ、上記配管支持部材を避ける切欠よりもやや上側に1つ、上記配管支持部材を避ける切欠の後側でかつ下端部近傍に1つ、それぞれ配設されている。
各取付部21は、図3に示すように、それぞれリベット22とナット23とで構成されている。音振エネルギー遷移パネル20は、リベット22の頭部22aとナット23とで挟持された状態で、リベット22の脚部22bによってフレームアウタ3bに取付支持されている。また、音振エネルギー遷移パネル20は、ナット23の高さの分だけフレームアウタ3bに対して車幅方向に離間して取り付けられている。詳しくは後述するが、複数の取付部21は、上記音振エネルギーによるフロントサイドフレーム3(厳密には、フレームアウタ3b)の振動(以下、単に音振ということがある)の腹に対応する位置に、それぞれ配設されている。
音振エネルギー遷移パネル20が、上述のように、フレームアウタ3bに対して車幅方向に離間して取り付けられることにより、音振エネルギー遷移パネル20の外周縁部は、取付部21を固定端とするフィンを構成する。本実施形態1では、取付部21がリベット22とナット23とで構成され、音振エネルギー遷移パネル20は、フレームアウタ3bに対して、点で取り付けられたような状態となっているとともに、音振エネルギー遷移パネル20の外周縁部の全体がフレームアウタ3bと離間しているため、音振エネルギー遷移パネル20の外周縁部の全体がフィンとして構成されている。該フィンは、フロントサイドフレーム3から音振エネルギー遷移パネル20に遷移してきた上記音振エネルギーによって振動し、該音振エネルギーを熱エネルギーに変換する。つまり、フロントサイドフレーム3から音振エネルギー遷移パネル20に遷移してきた上記音振エネルギーは、音振エネルギー遷移パネル20出構成されたフィンによって熱エネルギーとして消費される。つまり、音振エネルギー遷移パネル20は、音振エネルギーを熱エネルギーに変換するエネルギー変換機能を有する。これにより、音振エネルギー遷移パネル20から他の部材に上記音振エネルギーが伝達されることがなくなる。
音振エネルギー遷移パネル20の、上記音振エネルギーによるフロントサイドフレーム3(厳密には、フレームアウタ3b)の上記音振の伝達方向の長さL1(つまり前後方向の長さ)は、本実施形態1では、フロントサイドフレーム3(厳密には、フレームアウタ3b)の上記音振の略2波長分の長さに設定されている。音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さの詳細については後述する。
本実施形態1では、特に、音振エネルギー遷移パネル20の各取付部21の配設位置と、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さL1を工夫することで、上記音振エネルギーを効率的に減衰させている。
これらのことについて、図4〜図8を参照しながら詳細に説明する。
図7は、音振エネルギー遷移パネル20のフロントサイドフレーム3に対する取付部21の配設位置と、上記キャビン内の騒音の音圧レベルの減衰量をシミュレーションにより計算した結果であり、図4〜図6は上記シミュレーションに用いた各モデルを示す。
図4〜図6では、それぞれ、音振エネルギー遷移パネル20の、形状、前後方向の長さ、前後方向の位置を一定にして、音振エネルギー遷移パネル20のフロントサイドフレーム3のフレームアウタ3bに対する取付部21の位置のみを変更している。具体的には、音振エネルギー遷移パネル20の形状は矩形状とし、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さは、フレームアウタ3bの上記音振の2波長分の長さと仮定し、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の位置は、音振エネルギー遷移パネル20の前側端が、側方支持装置5の後側端と同じ前後位置に位置する位置と仮定している。
図4に示す第1のモデルは、音振エネルギー遷移パネル20の全体に亘って、取付部21を設けたと仮定したモデルである。
図5に示す第2のモデルは、音振エネルギー遷移パネル20の四隅の位置にのみ取付部21を設けたと仮定したモデルである。
図6に示す第3のモデルは、取付部21を、音振エネルギー遷移パネル20の四隅に加えて、フレームアウタ3bの上記音振の腹に対応する位置を選択して、それぞれ配設したと仮定したモデルである。フレームアウタ3bの上記音振の腹の位置は、別途のシミュレーションによって予め算出している。尚、本シミュレーションでは、音振エネルギー遷移パネル20の四隅の位置のうち、下側の2つの隅の位置は、フレームアウタ3bの上記音振の腹に対応する位置であった。
ここで、実際の側方支持装置5のフロントサイドフレーム3への取付位置は、図1及び図2に示すように、フロントサイドフレーム3の上下方向の中央よりも上側に位置している。このため、音振エネルギーの入力点(つまり、上記音振の加振点)も、フロントサイドフレーム3の上下方向の中央よりも上側に位置する。この結果、フレームアウタ3bの上側の部分の振動とフレームアウタ3bの下側の部分の振動とは、腹の位置が前後方向にずれる。図4〜図7に示すシミュレーションでも上記の点を考慮しており、このため、図6に示す第3のモデルにおいて、音振エネルギー遷移パネル20の上端と下端とで取付部21の位置が異なっている。
図7に示す、上記の第1〜第3のモデルでシミュレーションを行った結果よると、取付部21の配設位置により、上記キャビン内の騒音の音圧レベルの減衰量が異なることが分かる。
具体的には、音振エネルギー遷移パネル20の全体に取付部21を配設した第1のモデルの場合、上記音圧レベルは僅かに減衰する程度であることが分かる。これは、音振エネルギー遷移パネル20の全体に取付部21を配設すると、必ずフレームアウタ3bの上記音振の腹に対応する位置に、取付部21が配設されることになるが、音振エネルギー遷移パネル20がフィンとして機能しにくくなって、フレームアウタ3bから音振エネルギー遷移パネル20に伝達された音振エネルギーを消費しにくくなるためである。
これに対して、音振エネルギー遷移パネル20の四隅にのみ取付部21を配設した第2のモデルの場合、第1のモデルと比較すると上記音圧レベルの減衰が大きいことが分かる。これは、取付部21の数が減ったことにより、音振エネルギー遷移パネル20の外周縁部がフィンとして十分に振動することができるようになったためである。
そして、取付部21を、フレームアウタ3bの上記音振の腹に対応する位置に、それぞれ選択的に配設したと第3のモデルでは、第1及び第2のモデルと比較して、上記音圧レベルの低減量が2倍以上になっていることが分かる。これは取付部21が、フレームアウタ3bの上記音振の腹の位置に配設されることにより、音振フレームアウタ3bから音振エネルギー遷移パネル20への上記音振エネルギーの遷移を効率的に行うことができることに加えて、音振エネルギー遷移パネル20により構成されるフィンが適度に振動することで、音振エネルギー遷移パネル20へ遷移してきた上記音振エネルギーを適切に熱エネルギーとして消費させることができるためである。
以上のシミュレーションの結果から、本実施形態1では、複数の取付部21を、上記音振エネルギーによるフロントサイドフレーム3のフレームアウタ3bの振動の腹に対応する位置に、選択的にそれぞれ配設している。上記音振エネルギーによるフレームアウタ3bの振動の腹の位置は、別途シミュレーションにより計算して求めている。尚、上述したように、実際の側方支持装置5のフロントサイドフレーム3への取付位置の関係上、フレームアウタ3bの上側の部分の振動とフレームアウタ3bの下側の部分の振動とは、腹の位置が前後方向にずれるため、図2に示すように、フレームアウタ3bの上側の部分とフレームアウタ3bの下側の部分とで、取付部21の位置が前後にずれている。
ここで、上記の「選択的に配設している」とは、例えば、図4に示す第1のモデルのように、音振エネルギー遷移パネル20の全体に亘って取付部21を設けた結果、フレームアウタ3bの上記音振の腹に対応する位置に取付部21が配設されるような場合を含まず、フレームアウタ3bの上記音振の腹に対応する位置を選択して、取付部21を配設していることを意味する。
図8は、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さL1と、上記キャビン内の騒音の音圧レベルの減衰量との関係をシミュレーションにより計算した結果を示す。この計算は、音振エネルギー遷移パネル20の形状を矩形状として、音振エネルギー遷移パネル20の前側端が、側方支持装置5の後側端と同じ前後位置に位置していると仮定して、該前側端から、音振エネルギー遷移パネル20を後側に向かって延ばしていった際の上記音振エネルギーの減衰量を算出したものである。また、取付部21の配設位置については、音振エネルギー遷移パネル20が配設される領域に、フレームアウタ3bの上記音振の腹の位置が含まれている場合には、音振エネルギー遷移パネル20の四隅及びフレームアウタ3bの上記音振の腹に対応する位置に取付部21が配設されていると仮定しており、音振エネルギー遷移パネル20が配設される領域に、フレームアウタ3bの上記音振の腹の位置が含まれていない場合には、音振エネルギー遷移パネル20の四隅にのみに取付部21が配設されていると仮定している。尚、グラフ中の記号λは、フレームアウタ3bの上記音振の波長を表し、例えば、2λとは、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さL1が、2波長分の長さであることを表している。
図8によると、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さL1が、上記音振の波長の半分よりも小さいとき(図8の<0.5λ)には、上記音振エネルギーの減衰量が小さく、音振エネルギー遷移パネル20による上記音振エネルギーの減衰効果が小さいことが分かる。これは、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さL1が短すぎると、フレームアウタ3bの上記音振の腹となる部分を含まないようになり、フレームアウタ3bから音振エネルギー遷移パネル20に上記音振エネルギーが遷移しにくいためである。また、仮に、音振エネルギー遷移パネル20が、フレームアウタ3bの上記音振の腹となる部分を含んでいたとしても、音振エネルギー遷移パネル20の長さL1が短すぎると、音振エネルギー遷移パネル20で構成されるフィンが振動しにくくなり、音振エネルギー遷移パネル20に遷移してきた上記音振エネルギーを、熱エネルギーとして適切に消費することができないためである。
一方で、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さL1が、フレームアウタ3bの上記音振の波長の半分以上の長さであるとき(図8の0.5λ〜2.5λ)には、上記音圧レベルの減衰量が大きくなり、特に、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さが、フレームアウタ3bの上記音振の1波長分以上の長さになると、上記音圧レベルの減衰効果が顕著に高くなっていることが分かる。これは、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さL1が、上記音振の波長の半分以上の長さになると、音振エネルギー遷移パネル20は、フレームアウタ3bの上記音振における複数の腹のうち、少なくとも1箇所の腹に対応する位置に取り付けられるようになり、フレームアウタ3bから音振エネルギー遷移パネル20への音振エネルギーの遷移が効率的に行われるようになるためである。また、音振エネルギー遷移パネル20の前後方向の長さL1が、フレームアウタ3bの上記音振の1波長分以上の長さの場合には、音振エネルギー遷移パネル20で構成されるフィンが適切に振動するための十分な長さを確保することができるようになるため、上記音圧レベルの減衰効果が顕著に高くなったと考えられる。
以上のシミュレーションの結果から、本実施形態では、上記音振エネルギーによるフロントサイドフレーム3のフレームアウタ3bの上記音振の伝達方向(つまり、前後方向)の長さL1を、フレームアウタ3bの上記音振の波長の半分以上の長さ、具体的には、略2波長分の長さに設定している。
図9には、以上のような、音振エネルギー遷移パネル20の構成及び音振エネルギー遷移パネル20のフロントサイドフレーム3への取付構造で構成された、本実施形態1の音振エネルギー減衰構造による、キャビン内の騒音の音圧レベルの実際の減衰効果を示す。ここでは、音振エネルギー遷移パネル20は、左側のフロントサイドフレーム3のフレームアウタ3bに取り付けられており、各取付部21は、図2に示す位置にそれぞれ設けられている。この図9のグラフでは、実際のエンジンEの振動やトランスミッションTのギヤノイズと同等の周波数を含む、500kHz〜3000kHzの周波数領域におけるキャビン内の騒音の音圧レベルを示している。また、図9のグラフの縦軸の刻みは1dB毎に設けている。つまり、図9のグラフの縦軸における下限と上限との差は5dBである。
図9によると、上述のように音振エネルギー遷移パネル20を設けたことにより、音振エネルギー遷移パネル20を設けない場合と比較して、音圧レベルが約2.5dB減衰していることが分かる。これは、音振エネルギーでいうと、上記キャビンに伝達される音振エネルギーが約半分に減衰されたことに相当する。したがって、本実施形態1の音振エネルギー減衰構造によって、音振エネルギーを効率的に減衰させることができることが確認できた。
したがって、本実施形態1では、パワーユニットPを支持する側方支持装置5が取り付けられ、該側方支持装置5を介して音振エネルギーが入力されて振動し、上記音振エネルギーを上記キャビンに伝達する伝達経路を構成するフロントサイドフレーム3と、該フロントサイドフレーム3における上記音振エネルギーの伝達経路上に設けられ、フロントサイドフレーム3を伝達する上記音振エネルギーのうちの少なくとも一部を、該フロントサイドフレーム3から遷移させる音振エネルギー遷移パネル20とを備え、該音振エネルギー遷移パネル20は、上記音振エネルギーによるフロントサイドフレーム3の振動の伝達方向に、略沿うように配設され、上記音振エネルギー遷移パネル20の上記伝達方向における長さL1が、フロントサイドフレーム3の上記振動の波長の半分以上の長さであり、上記フロントサイドフレーム3における、上記音振エネルギー遷移パネル20が取り付けられる取付部21は、フロントサイドフレーム3の上記振動の腹に対応する位置に設けられているため、パワーユニットPで発生した上記音振エネルギーを、フロントサイドフレーム3から音振エネルギー遷移パネル20に効率的に遷移させることができ、この結果、フロントサイドフレーム3を介して上記キャビンに伝達される音振エネルギーを効率的に減衰させることができる。
また、本実施形態1では、音振エネルギー遷移パネル20が板状をなしているとともに、フロントサイドフレーム3の上記音振の波長の半分以上の長さであればよいので、音振エネルギー遷移パネル20を設けることによる車体の重量増加を出来る限り抑えることができる。
さらに、本実施形態1では、取付部21は、リベット22とナット23とで構成され、音振エネルギー遷移パネル20は、フレームアウタ3bに対して車幅方向に離間しかつ点状に取り付けられているため、音振エネルギー遷移パネル20の外周縁部の全体がフィンを構成するようになる。これにより、音振エネルギー遷移パネル20の略全体で、フロントサイドフレーム3から音振エネルギー遷移パネル20に遷移してきた音振エネルギーを熱エネルギーとして消費することができるようになる。この結果、フロントサイドフレーム3を介して上記キャビンに伝達される音振エネルギーをより効率的に減衰させることができる。
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において上記実施形態1と共通の部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
以下、本発明の実施形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において上記実施形態1と共通の部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態2は、図10に示すように、音振エネルギー遷移パネル220をサスクロス8に取り付けた点で、上記実施形態1とは異なる。すなわち、本実施形態2では、サスクロス8が音振エネルギー伝達部材に相当する。
先ず、後側支持装置6の構成及び後側支持装置6のサスクロス8に対する取付構造について説明する。本実施形態2の後側支持装置6も、上記実施形態1と同様に、トランスミッションTの後側の部分から後側に延びるトルクロッド(図示省略)介して、パワーユニットPと連結されている。
後側支持装置6は、図10及び図11に示すように、サスクロス本体8aの車幅方向の略中央、詳しくは、車幅方向の中央よりも左側寄りの部分に設けられている。後側支持装置6は、2本のアーム部6aと、サスクロス本体8a内に配置された筒状部材6b(図11参照)と、アーム部6aと筒状部材6bとの間を埋めるように配設された弾性部材8cとを有している。2本のアーム部6aは、後側の部分がサスクロス本体8a内に入り込んでおり、該サスクロス本体8a内で互いに連結されている。2本のアーム部6aの前側端には、支持軸6dが取り付けられており、パワーユニットP(厳密にはトランスミッションT)から延びる上記トルクロッドの後側端部が該支持軸6dを介して後側支持装置6に取り付けられる。
後側支持装置6は、ボルト201によって、サスクロス8に取付支持されている。具体的には、サスクロス本体8aの上壁部8bにはウェルドナット202が溶接されており、サスクロス本体8aの上壁部8b及び下壁部8cにおけるウェルドナット202の孔部203に対応する位置にボルト孔がそれぞれ形成されている。後側支持装置6は、図11に示すように、筒状部材6bの孔部が、上下のボルト孔及びウェルドナット202の孔部203と連通するように配置された後、下側からボルト201が挿通されて、該ボルト201がウェルドナット202に締結されることでサスクロス8に取付支持される。このことから、ウェルドナット202は、後側支持装置6の支持部を構成する。
次に、音振エネルギー遷移パネル220の構成及び該音振エネルギー遷移パネル220のサスクロス8への取付構造について説明する。
本実施形態2では、図10〜図12に示すように、音振エネルギー遷移パネル220は、上側から見て、車幅方向が長手方向になる長方形状の金属板で構成されている。サスクロス8は車幅方向の延びていることから、パワーユニットPからの音振エネルギーによるサスクロス8の振動の伝達方向は車幅方向となる。すなわち、本実施形態2でも、音振エネルギー遷移パネル220は、上記音振エネルギーによるサスクロス8(音振エネルギー伝達部材)の振動の伝達方向に略沿って延びている。
音振エネルギー遷移パネル220は、サスクロス本体8aの上壁部8bにおける上記音振エネルギーが入力される入力点(つまり、ウェルドナット202)を含むように配設されている。より詳しくは、音振エネルギー遷移パネル220は、長手方向の中央よりも左側寄りの部分に孔を有し、該孔にウェルドナット202が位置するように配設されている。これにより、図10及び図11に示すように、音振エネルギー遷移パネル220は、ウェルドナット202よりも右側の部分が、ウェルドナット202よりも左側の部分よりも長くなるようになる。
音振エネルギー遷移パネル220の、上記音振エネルギーによるサスクロス本体8aの上壁部8bの振動(以下、単に音振ということがある)の伝達方向(ここでは、車幅方向)の長さL2は、上記実施形態1と同様に、上記上壁部8bの上記音振の波長の半分以上の長さに設定されている。
本実施形態2では、音振エネルギー遷移パネル220は、溶接によりサスクロス本体8aの上壁部8b及びウェルドナット202に取り付けられている。具体的には、音振エネルギー遷移パネル220は、図10及び図11に示すように、ウェルドナット202が挿入される孔の内周縁部における左側及び右側の一部がウェルドナット202の側面に溶接により接合されている。また、音振エネルギー遷移パネル220の前側端部における、2本のアーム部6aと上下に重複する2箇所の位置は、サスクロス本体8aの上壁部8bに溶接によりそれぞれ接合されている。さらに、音振エネルギー遷移パネル220の後側端部における、後側支持装置6と略同じ車幅方向位置に位置する部分も、上記上壁部8bに溶接によりそれぞれ接合されている。さらにまた、図10及び図12に示すように、音振エネルギー遷移パネル220の長手方向の中央よりも右側の部分には、矩形状の孔211が設けられており、該孔211の内周縁部の前側端部、後側端部、及び左側端部は、上記上壁部8bに溶接によりそれぞれ接合されている。これらによって、音振エネルギー遷移パネル220は、音響エネルギーの伝達経路であるサスクロス本体8aの上壁部8b上に取り付けられる。
本実施形態2では、上述した各溶接部位が、それぞれ取付部221を構成する。各取付部221は、実施形態1と同様に、サスクロス本体8aの上壁部8bの上記音振の腹に対応する位置にそれぞれ設けられている。該音振の腹の位置は、別途シミュレーションにより計算して求めている。
図11及び図12に示すように、音振エネルギー遷移パネル220の外周縁部における、取付部221が設けられた部分以外の部分は、サスクロス本体8aの上壁部8bに対して上側に離間している。これにより、本実施形態2でも、音振エネルギー遷移パネル220は、取付部221を固定端とするフィンを構成している。
本実施形態2でも、音振エネルギー遷移パネル220は、上記音振エネルギーによるサスクロス本体8aの上壁部8bの振動の伝達方向の長さL2が、上記音振エネルギーによるサスクロス8の振動の波長の半分以上の長さであり、上記音振エネルギー遷移パネル220をサスクロス8に取り付ける取付部221が、サスクロス8の上記振動の腹に対応する位置に設けられているため、上記音振エネルギーを、サスクロス8から音振エネルギー遷移パネル20に効率的に遷移させることができ、この結果、サスクロス8を介して上記キャビンに伝達される音振エネルギーを効率的に減衰させることができる。
さらに、本実施形態2では、音振エネルギー遷移パネル220における、後側支持装置6のウェルドナット202(支持部)の近傍部分は、前側端部及び後側端部が、サスクロス本体8aの上壁部8bに接合されているため、フィンとしては機能しにくいが、音振エネルギー遷移パネル220の上記近傍部分によって、サスペンションクロスメンバにおけるウェルドナット202の近傍部分の実効的な厚みを厚くすることができる。これにより、サスペンションクロスメンバにおける後側支持装置6の支持剛性を向上させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、本実施形態1及び2では、複数の取付部21(221)を、上記音振エネルギーによる音振エネルギー伝達部材(フロントサイドフレーム3及びサスクロス8)の振動の腹に対応する位置に、選択的にそれぞれ配設していたが、これに限らず、複数の取付部21(221)のうちの一部の取付部21(221)が、上記音振エネルギーによる上記音振エネルギー伝達部材の上記振動の腹に対応する位置に設けられてさえいれば、該腹に対応する位置以外の位置にも、取付部21(221)が配設されていてもよい。図7のシミュレーションの結果に示すように、取付部21(221)を、上記腹の位置に選択的に配設した場合と比較すると効果は小さいが、上記音振エネルギーの減衰効果を得ることができる(図7における第1のモデル及び第2のモデルの結果を参照)。
例えば、上記実施形態1では、音振エネルギー遷移パネル20をリベット22とボルト23とでフロントサイドフレーム3に取り付けていたが、これに限らず、実施形態2のように、音振エネルギー遷移パネル20を溶接によりフロントサイドフレーム3に取り付けてもよい。この場合、音振エネルギー遷移パネル20の周縁部がフロントサイドフレーム3から離間するように、音振エネルギー遷移パネル20を折り曲げるなどする必要がある。また、上記とは逆に、上記実施形態2において、音振エネルギー遷移パネル220をリベット22とボルト23とでサスクロス8に取り付けるようにしてもよい。
また、実施形態1では、左側のフロントサイドフレーム3のフレームアウタ3bにのみ音振エネルギー遷移パネル20を取り付けていたが、これに限らず、右側のフロントサイドフレーム3のフレームアウタ3bにも、音振エネルギー遷移パネル20を取り付けてよく、左右のフロントサイドフレーム3のフレームインナ3aにおける車幅方向内側の側壁部や、上壁部及び下壁部にも音振エネルギー遷移パネル20を取り付けてよい。
さらに、実施形態1と実施形態2とを組み合わせて、フロントサイドフレーム3とサスクロス8との両方に音振エネルギー遷移パネル20(220)を取り付けるようにしてもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、エンジン及びトランスミッションからなるパワーユニットから発生してキャビンに伝達される音振エネルギーを減衰するための、車両の音振エネルギー減衰構造として有用である。
1 車両
5 側方支持装置
6 後側支持装置
3 フロントサイドフレーム(音振エネルギー伝達部材)
3b フレームアウタ
8 サスペンションクロスメンバ(音振エネルギー伝達部材)
8b 上壁部
20,220 音振エネルギー遷移パネル(音振エネルギー遷移部材)
21,221 取付部
202 ウェルドナット(サスペンションクロスメンバにおける支持装置の支持部)
E エンジン
T トランスミッション
P パワーユニット
L1,L2 音振エネルギー遷移部材の、音振エネルギーによる音振エネルギー伝達部材の振動の伝達方向における長さ
5 側方支持装置
6 後側支持装置
3 フロントサイドフレーム(音振エネルギー伝達部材)
3b フレームアウタ
8 サスペンションクロスメンバ(音振エネルギー伝達部材)
8b 上壁部
20,220 音振エネルギー遷移パネル(音振エネルギー遷移部材)
21,221 取付部
202 ウェルドナット(サスペンションクロスメンバにおける支持装置の支持部)
E エンジン
T トランスミッション
P パワーユニット
L1,L2 音振エネルギー遷移部材の、音振エネルギーによる音振エネルギー伝達部材の振動の伝達方向における長さ
Claims (5)
- エンジン及びトランスミッションからなるパワーユニットで発生してキャビンに伝達される音振エネルギーを減衰するための、車両の音振エネルギー減衰構造であって、
上記パワーユニットを支持する支持装置が取り付けられ、該支持装置を介して上記音振エネルギーが入力されて振動し、上記音振エネルギーを上記キャビンに伝達する伝達経路を構成する音振エネルギー伝達部材と、
上記音振エネルギー伝達部材における上記音振エネルギーの伝達経路上に取り付けられ、上記音振エネルギー伝達部材を伝達する上記音振エネルギーのうちの少なくとも一部を、該音振エネルギー伝達部材から遷移させる音振エネルギー遷移部材とを備え、
上記音振エネルギー遷移部材は、上記音振エネルギーによる上記音振エネルギー伝達部材の振動の伝達方向に、略沿うように配設され、
上記音振エネルギー遷移部材の上記伝達方向における長さが、上記音振エネルギー伝達部材の上記振動の波長の半分以上の長さであり、
上記音振エネルギー伝達部材において、上記音振エネルギー遷移部材が取り付けられる取付部は、上記音振エネルギー伝達部材の上記振動の腹に対応する位置に設けられていることを特徴とする車両の音振エネルギー減衰構造。 - 請求項1に記載の車両の音振エネルギー減衰構造において、
上記音振エネルギー遷移部材は、上記音振エネルギー伝達部材から遷移した上記音振エネルギーを熱エネルギーに変換するためのエネルギー変換機能を有することを特徴とする車両の音振エネルギー減衰構造。 - 請求項2に記載の車両の音振エネルギー減衰構造において、
上記音振エネルギー遷移部材は、板状をなし、
さらに上記音振エネルギー遷移部材は、上記取付部を固定端とするフィンを構成するように上記音振エネルギー伝達部材に取り付けられていて、上記音振エネルギー伝達部材から遷移した上記音振エネルギーによって、上記フィンが振動することで、該音振エネルギーを熱エネルギーに変換するように構成されていることを特徴とする車両の音振エネルギー減衰構造。 - 請求項3に記載の車両の音振エネルギー減衰構造において、
上記音振エネルギー伝達部材は、上記車両のフロントサイドフレームであり、
上記フロントサイドフレームは、車両前後方向に延びかつ断面矩形状をなしており、
上記支持装置は、上記フロントサイドフレームの車両前後方向の中間部分に設けられており、
上記音振エネルギー遷移部材は、上記フロントサイドフレームの車幅方向両側の側壁部のうちの少なくとも一方の側壁部における、上記支持装置と上記キャビンとの間の前後位置に取り付けられていることを特徴とする車両の音振エネルギー減衰構造。 - 請求項3に記載の車両の音振エネルギー減衰構造において、
上記音振エネルギー伝達部材は、上記車両に設けられた左右一対のフロントサイドフレームを車幅方向に連結するサスペンションクロスメンバであり、
上記サスペンションクロスメンバにおける、上記音振エネルギーが入力される入力点は、上記サスペンションクロスメンバにおける車幅方向の略中央に設けられた、上記支持装置の支持部であり、
上記音振エネルギー遷移部材は、車幅方向に延びかつ上記サスペンションクロスメンバにおける上記支持部を含むように、上記サスペンションクロスメンバに取り付けられていることを特徴とする車両の音振エネルギー減衰構造。
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