JP6485143B2 - ポリオキサミド樹脂の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオキサミド樹脂の製造法に関するものである。
ポリオキサミド樹脂は、シュウ酸もしくはシュウ酸ジエステルと脂肪族、脂環族もしくは芳香族ジアミンとの重縮合反応により得られ、これまでに、種々のジアミンを用いたポリオキサミド樹脂が提案されている。
一方、シュウ酸ジアルキルのようなシュウ酸ジエステルをモノマーとして用いたポリオキサミド樹脂の製造法も公知であり、種々のジアミンとの重縮合反応によるポリオキサミド樹脂が提案されている。例えば、ジアミン成分として1,10−デカンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,8−オクタンジアミンを用いたポリオキサミド樹脂(いずれも特許文献2)や1,6−ヘキサンジアミンを用いたポリオキサミド樹脂(非特許文献1)など数多くのポリオキサミド樹脂が提案されている。
また、耐圧容器内でシュウ酸ジエステルとジアミンとを混合し、重縮合反応により生成するアルコール存在下で加圧重合する工程を含むポリオキサミド樹脂の製造法が開示されている(特許文献3)。本方法は、従来のポリオキサミド樹脂の製造に必要であった溶媒中での前重縮合工程を行うことなく、ポリオキサミド樹脂を製造する方法であり、工業的な製造に適する方法であった。
特開2006−57033 特表平5−506466 WO2008−123531 S. W. Shalaby., J. Polym. Sci., 11, 1(1973)
しかしながら、耐圧容器内でシュウ酸ジエステルとジアミンとを混合し、重縮合反応により生成するアルコール存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、高分子量のポリオキサミド樹脂が得られない場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、ポリオキサミド樹脂の製造法において、より高分子量のポリオキサミド樹脂を得る製造法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、
耐圧容器内でシュウ酸ジエステルとジアミンとを混合し、重縮合反応により生成するアルコール存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、
シュウ酸ジエステルとジアミンとを混合する前に、ジアミン1kgに対し、50gから100gのn−ブタノールを添加・加熱し、気化成分を除去する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法により、より高分子量のポリオキサミド樹脂を製造できることを見出し、本発明を完成した。
本発明のポリオキサミド樹脂の製造法により、より高分子量のポリオキサミド樹脂を製造することが可能となった。
本発明は、耐圧容器内でシュウ酸ジエステルとジアミンとを混合し、重縮合反応により生成するアルコール存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、
前記シュウ酸ジエステルと前記ジアミンとを混合する前に、前記ジアミン1kgに対し、50gから100gのn−ブタノールを添加・加熱し、気化成分を除去する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法である。
以下、本発明のポリオキサミド樹脂の製造法を具体的に説明する。まず耐圧容器に原料のジアミンを仕込み、n−ブタノールを添加する。n−ブタノールの添加量は、ジアミン1kgに対し50gから100gが好ましい。この添加量の範囲より多く添加すると、ジアミンを加熱して気化成分を留去する工程に時間がかかり、生産性の観点から好ましくない。一方この添加量の範囲より少ないと高分子量のポリオキミドが得られない為好ましくない。容器内を窒素のような不活性ガスで置換した後、容器内のジアミンを加熱し、気化成分を留去する。加熱温度は、n−ブタノールの沸点である117℃以上が好ましい。気化成分を留去した後、封圧下にて容器内のジアミンをシュウ酸ジエステルと混合する温度まで昇温し、シュウ酸ジエステルをフィードして反応を開始させる。容器は重縮合反応の温度および圧力に耐え得るものであれば特に制限されない。混合するシュウ酸ジエステルとジアミンの比率は、シュウ酸ジエステル/ジアミン(モル比)で、0.8〜1.2(モル比)、好ましくは0.91〜1.09、更に好ましくは0.98〜1.02(モル比)である。
ジアミンにシュウ酸ジエステルをフィードし、混合を開始すると、直ちに反応が始まり、低分子量のポリオキサミド樹脂およびアルコールが生成する。シュウ酸ジエステルとしてシュウ酸ジn−ブチルを用いる場合には、n−ブタノールが生成する。次いで、アルコールが呈する加圧下で撹拌することにより、生成した低分子量ポリオキサミド樹脂がアルコールに溶解する。すなわち、アルコール存在下でポリオキサミド樹脂を溶解させながら効率的に重縮合反応を進めるためには、ポリオキサミド樹脂のアルコール溶液がより均一であることが望ましい。したがって、ジアミンにシュウ酸ジエステルをフィードする際の容器内の初期温度や熱媒昇温速度が、高分子量ポリオキサミド樹脂を得るために重要な因子となる。
ジアミンにシュウ酸ジエステルをフィードする際の温度は、シュウ酸ジエステルおよびジアミンの融点以上、沸点未満の温度であり、かつシュウ酸ジエステルとジアミンの重縮合反応によって生じるポリオキサミドが熱分解しない温度である。例えば、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物からなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が1:99〜99:1であるジアミンとシュウ酸ジn−ブチルを原料とするポリオキサミド樹脂の場合、混合時の温度は40℃から240℃である。しかし、高分子量のポリオキサミド樹脂を得るためには、混合の初期温度が150℃から240℃であることが好ましい。
ジアミンにシュウ酸ジエステルをフィードする際には、耐圧容器内を撹拌することが望ましい。撹拌速度は10〜300rpm、好ましくは20〜200rpm、更に好ましくは30〜150rpmである。フィード時の撹拌速度が10〜300rpmであると、ジアミンとシュウ酸ジn−ブチルがよく混合され、かつ、生成するポリオキサミド樹脂が耐圧容器内で飛び散らず穏やかに混合される点で良い。
ジアミンにシュウ酸ジエステルをフィードすると低分子量のポリオキサミド樹脂およびアルコールが生成し、耐圧容器内はアルコールが呈する圧力により加圧状態となる。耐圧容器内の圧力は、生成したアルコールを留去させながら0〜1.0MPa(ゲージ圧)の範囲で一定に調節することが好ましい。圧力を保持したまま、生成したポリオキサミド樹脂の融点以上の温度へ昇温する。例えば、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15であるジアミンを用いたポリオキサミド樹脂の場合、融点は235℃である。したがってこの場合、耐圧容器内が235℃以上に到達した段階で、アルコールを留去させ、常圧窒素気流下もしくは必要に応じて減圧下において継続して重縮合反応を行う。常圧もしくは減圧重合するときの温度は245℃〜315℃、好ましく245℃〜285℃、更に好ましくは245℃〜265℃ある。また、減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は760〜0.1Torrである。
シュウ酸ジエステルとしては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル、シュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチル等の脂肪族1価アルコールのシュウ酸ジエステル、シュウ酸ジシクロヘキシル等の脂環式アルコールのシュウ酸ジエステル、シュウ酸ジフェニル等の芳香族アルコールのシュウ酸ジエステル等が挙げられる。これらのうち、重縮合反応により発生するアルコールに生成ポリオキサミド樹脂が良好に溶解し、続く溶融重合、固相重合温度においてアルコールを完全に取り除くことができるアルコールを生成するシュウ酸ジエステルが好ましく用いられる。このようなシュウ酸ジエステルの例としては、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル、シュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチルを挙げることができる。則ち、シュウ酸ジエステルとして、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル及びシュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチルからなる群より選択される少なくとも1種のシュウ酸ジエステルを用いるのが好ましい。その中でもシュウ酸ジn−ブチルを用いるのがより好ましい。
ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン、さらにシクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン、さらにp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミン等から選ばれる1種または2種以上の任意の混合物が挙げられる。ジアミンの入手のしやすさや得られるポリオキサミド樹脂の成形性と機械強度の観点から、炭素数6〜12のジアミンであることが好ましく、炭素数9のジアミンであることより好ましい。
(3)本発明の製造方法により製造されるポリオキサミド樹脂の性状および物性
本発明により得られるポリオキサミドの分子量に特別の制限はないが、数平均分子量が10000〜50000の範囲内である。数平均分子量が10000以上であると成形物の靭性が増す。一方、数平均分子量が50000以下であると溶融粘度が成形加工に適しており望ましい。また、本発明により得られるポリオキサミド樹脂の末端基は、アミノ基、アルコキシ基、ホルムアミド基のうちのいずれかである。ホルムアミド基は下記式1で示される末端基で、下記式2に示されるように、原料中および反応系中の(1)水分とアルコキシ基の反応、または、(2)アミノ基とアルコキシ基の反応により生成する。
(式1)

Figure 0006485143
(式2)
ホルムアミド基生成反応式
(1)水とアルコキシ基の反応

Figure 0006485143

(2)アミノ基とアルコキシ基の反応
Figure 0006485143
式中のR1はポリマーの残基、または脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンのアミノ基を1つ除いた残基のうちいずれかを示し、R2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基のうちいずれかを示す。
(4)本発明の製造法により得られるポリオキサミド樹脂に配合できる成分
本発明の製造法により得られるポリオキサミド樹脂には本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリオキサミドや、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドなどポリアミド類を混合することが可能である。更に、ポリアミド以外の熱可塑性ポリマー、エラストマー、フィラーや、補強繊維、各種添加剤を同様に配合することができる。則ち、本発明の製造方法により製造されるポリオキサミド樹脂を含む組成物にすることができる。
さらに、本発明の製造法により得られるポリオキサミド樹脂には必要に応じて、銅化合物などの安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、ガラス繊維、可塑剤、潤滑剤などを重縮合反応時、またはその後に添加することもできる。
(5)ポリオキサミド樹脂の成形加工
本発明の製造法により得られるポリオキサミド樹脂及びそのポリオキサミド樹脂を含む組成物の成形方法としては、射出、押出、中空、プレス、ロール、発泡、真空・圧空、延伸などポリアミドに適用できる公知の成形加工法はすべて可能であり、これらの成形法によってフィルム、シート、成形品、繊維などの成形品に加工することができる。
(6)ポリオキサミド成形物の用途
本発明の製造法によって得られるポリオキサミド及びそのポリオキサミド樹脂を含む組成物からなる成形品は、従来ポリアミド成形物が用いられてきた各種成形品、シート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器等として自動車部材、コンピューター及び関連機器、光学機器部材、電気・電子機器、情報・通信機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品など広範な用途に使用できる。
[評価方法]
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例中の構造解析、数平均分子量の算出、末端基濃度の算出、相対粘度の測定は以下の方法により行った。
(1)構造解析
一次構造の同定は、1H−NMRにより行った。1H−NMRは、ブルカー・バイオスピン社製 AVANCE500を使用して、溶媒:重硫酸、積算回数:1024回の条件で測定した。
(2)数平均分子量(Mn)
数平均分子量(Mn)は、H−NMRスペクトルから求めたシグナル強度をもとに、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15であるジアミンとシュウ酸ジn−ブチルを原料とするポリオキサミド樹脂〔以下、PA92(NMDA/MODA=85/15)と略称する〕の場合は下式により算出した。
Mn=np×212.30+n(NH2)×157.28+n(OBu)×129.14+n(NHCHO)×29.14
また、前記式中の各項は以下のように規定される。
・np=Np/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NH2)=N(NH2)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NHCHO)=N(NHCHO)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(OBu)=N(OBu)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・Np=[(Sp/sp)−1]/sp−N(NHCHO)
・N(NH2)=S(NH2)/s(NH2)
・N(NHCHO)=S(NHCHO)/s(NHCHO)
・N(OBu)=S(OBu)/s(OBu)
但し、各項は以下の意味を有する。
・Np:PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ユニットを除いた、分子鎖中の繰り返しユニット総数。
・np:分子1本当たりの分子鎖中の繰り返しユニット数。
・Sp:PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端を除いた、分子鎖中の繰り返しユニット中のオキサミド基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(3.1ppm付近)の積分値。
・sp:積分値Spにカウントされる水素数(2個)。
・N(NH2):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端アミノ基の総数。
・n(NH2):分子1本当たりの末端アミノ基の数。
・S(NH2):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端アミノ基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(2.6ppm付近)の積分値。
・s(NH2):積分値S(NH2)にカウントされる水素数(2個)。
・N(NHCHO):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ホルムアミド基の総数。
・n(NHCHO):分子1本当たりの末端ホルムアミド基の数。
・S(NHCHO):PA92(NMDA/MODA=85/15)のホルムアミド基のプロトンに基づくシグナル(7.8ppm)の積分値。
・s(NHCHO):積分値S(NHCHO)にカウントされる水素数(1個)。
・N(OBu):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ブトキシ基の総数。
・n(OBu):分子1本当たりの末端ブトキシ基の数。
・S(OBu):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ブトキシ基の酸素原子に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(4.1ppm付近)の積分値。
・s(OBu):積分値S(OBu)にカウントされる水素数(2個)。
(3)末端基濃度:蓚酸ジブチルを用いた場合、末端アミノ基濃度[NH]、末端ブトキシ基濃度[OBu]、末端ホルムアミド基濃度[NHCHO]は次の式に従ってそれぞれ求めた。
・末端アミノ基濃度[NH]=n(NH)/Mn
・末端ブトキシ基濃度[OBu]=n(OBu)/Mn
・末端ホルムアミド基濃度[NHCHO]=n(NHCHO)/Mn
(4)相対粘度(ηr)
ηrはポリオキサミドの96%硫酸溶液(濃度:1.0g/dL)を使用してオストワルド型粘度計を用いて25℃で測定した。
[実施例1]
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、放圧口および冷却トラップ、ポリマー取出口、および直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器に、1,9−ノナンジアミン698g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.779モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、およびn−ブタノール50.1g仕込み、窒素ガスで3.0MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返した。次に、50mL/分の窒素気流下において耐圧容器内を120℃で2時間加熱することにより、気化成分を留去させた。撹拌速度は100rpmとした。次いで、耐圧容器内の初期温度を210℃にした後、原料フィードポンプにより、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)のフィードを開始し、同時に熱媒を昇温させた。撹拌速度は100rpmであった。重縮合反応により生成したn−ブタノールによる圧力を0.5MPaに調節した。耐圧容器内が235℃に到達した後、放圧口よりn−ブタノールを留去させ、撹拌速度50rpm、50mL/分の窒素気流下において常圧重合を行った。耐圧容器内の最終的な到達温度は260℃とし、撹拌トルクが一定になったところで重合を終了した。その後、撹拌を止めて系内を窒素で3.0MPaに加圧して10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重合物を圧力容器下部より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、ペレタイザーによりペレット化した。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
[比較例1]
1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を使用し、n−ブタノールを仕込まなかったこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
[実施例2]
1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.78モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を使用し、n−ブタノールを50.0g仕込み、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の耐圧容器内の初期温度を190℃にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
[比較例2]
1,9−ノナンジアミン699g(4.42モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.780モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.20モル)を使用し、n−ブタノールを仕込まなかったこと以外は、実施例2と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
実施例1、2および比較例1、2によって得られたポリオキサミド樹脂のηr、数平均分子量、および末端基濃度を表1に示す。
Figure 0006485143
本発明の製造方法は、以上詳述したように、耐圧容器内でシュウ酸ジエステルとジアミンとを混合し、重縮合反応により生成するアルコール存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、シュウ酸ジエステルとジアミンとを混合する前にジアミンにn−ブタノールを添加・加熱し、気化成分を留去する工程を設けることにより、より高分子量のポリオキサミド樹脂を製造することができる。

Claims (3)

  1. 耐圧容器内でシュウ酸ジエステルとジアミンとを混合し、重縮合反応により生成するア
    ルコール存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、
    前記シュウ酸ジエステルと前記ジアミンとを混合する前に、前記ジアミン1kgに対し
    、50gから100gのn−ブタノールを添加・加熱し、気化成分を除去する工程を有す
    るポリオキサミド樹脂の製造法であって、
    前記ジアミンが、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン
    、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、
    1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,
    12−ドデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメ
    チル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン
    、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる1種または2種以上の任意の混合物である、ポリオキサミド樹脂の製造法。
  2. 前記ジアミンが炭素数6〜12のジアミンである請求項1に記載のポリオキサミド樹脂
    の製造法。
  3. 前記ジアミンが炭素数9のジアミンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポ
    リオキサミド樹脂の製造法。
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