JP6483043B2 - モータ制御装置及びモータ駆動回路の制御方法 - Google Patents

モータ制御装置及びモータ駆動回路の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータ制御装置及びモータ駆動回路の制御方法に関し、詳しくは、3相ブラシレスモータの相電流を検出する技術に関する。
特許文献1には、ブリッジ回路の下アームスイッチング素子が全てオンで上アームスイッチング素子が全てオフであるとき、又は、その逆であるときに、DC電源とブリッジ回路およびモータとの間に流れる電流を計測し、このときの電流計測値と理想値との差に基づいて電流計測値を修正して出力するよう構成されたモータ制御方法が開示されている。
特許第5653779号公報
ところで、相電流を検出するための電流検出器を備え、前記電流検出器の出力に基づきインバータをPWM制御するモータ制御において、上アームスイッチング素子又は下アームスイッチング素子の全てがオン制御状態であるときの電流検出値に基づき電流検出器のオフセット誤差を検知する場合、オフ制御対象であるスイッチング素子のいずれかにショート故障が発生していると、オフセット誤差を誤検出し、これにより、誤ったオフセット補正を設定して相電流の検出精度を低下させてしまう。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、インバータのスイッチング素子にショート故障が発生しているときに、誤った電流検出値に基づきオフセット補正が設定されることを抑制できる、モータ制御装置及びモータ駆動回路の制御方法を提供することを目的とする。
そのため、本願発明に係るモータ制御装置は、その一態様として、3相ブラシレスモータと、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との直列接続回路を前記3相ブラシレスモータの相毎に備えるインバータと、前記インバータの各相の前記下アームスイッチング素子と接地点との間にそれぞれ配置され各相の前記下アームスイッチング素子に流れる電流をそれぞれに検出する電流検出器と、を備えたモータ駆動回路の制御装置であって、全相の前記上アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器でそれぞれに検出された第1電流検出値の総和と、全相の前記下アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器でそれぞれに検出された第2電流検出値の総和との差が閾値よりも小さいときに、前記第1電流検出値に基づき前記電流検出器それぞれの検出出力のオフセット補正を設定するオフセット補正部を含む。
また、本願発明に係るモータ駆動回路の制御方法は、その一態様として、3相ブラシレスモータと、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との直列接続回路を前記3相ブラシレスモータの相毎に備えるインバータと、前記インバータの各相の前記下アームスイッチング素子と接地点との間にそれぞれ配置され各相の前記下アームスイッチング素子に流れる電流をそれぞれに検出する電流検出器と、を備えたモータ駆動回路の制御方法であって、全相の前記上アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器それぞれによる電流検出値を第1電流検出値として検出するステップと、全相の前記下アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器それぞれによる電流検出値を第2電流検出値として検出するステップと、前記第1電流検出値の総和と前記第2電流検出値の総和との差と、閾値とを比較するステップと、前記差が前記閾値よりも小さいときに前記第1電流検出値に基づき前記電流検出器それぞれの検出出力のオフセット補正を設定するステップと、を含む。
上記発明によると、インバータのスイッチング素子にショート故障が発生している状態での電流検出値に基づき、オフセット補正が誤設定されることを抑制して、相電流の検出精度の低下を抑制できる。
本発明の実施形態における3相ブラシレスモータの駆動回路の一態様を示す回路図である。 本発明の実施形態における3相ブラシレスモータのPWM制御の一態様を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態における相電流の検出タイミングの一態様を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるオフセット補正値の設定処理の一態様を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるオフセット誤差の検出タイミングの一態様を示すタイムチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、3相ブラシレスモータ1の駆動回路2の一態様を示す回路図である。
図1の3相ブラシレスモータ1は、例えば、車両の電動パワーステアリング装置において操舵のアシストトルクを発生する電動アクチュエータや、車両の各種ポンプを駆動する電動アクチュエータとして用いられる。
3相ブラシレスモータ1を駆動するモータ駆動回路2は、駆動部212と制御装置(制御部)213とを備える。
制御装置213は、A/D変換器213aとマイクロコンピュータ213bとを備え、マイクロコンピュータ213bは、CPU,MPUなどのマイクロプロセッサ(演算処理装置)、及び、ROM、RAMなどのメモリデバイス(記憶媒体)を含んで構成される。
3相ブラシレスモータ1は、スター結線されるU相、V相及びW相の3相巻線215u、215v、215wを図示省略した円筒状の固定子に備え、該固定子の中央部に形成した空間に永久磁石回転子(ロータ)216を回転可能に備える、3相DCブラシレスモータである。
3相ブラシレスモータ1は回転子216の位置情報を検出するセンサを備えず、制御装置213は、3相ブラシレスモータ1の駆動制御を回転子216の位置情報を検出するセンサを用いないセンサレス駆動方式によって行う。
但し、3相ブラシレスモータ1に磁極位置センサを備え、制御装置213は、係る磁極位置センサの出力に基づきロータの角度(磁極位置)を検出して3相ブラシレスモータ1を駆動制御することができる。
駆動部212は、逆並列のダイオード(寄生ダイオード)218a〜218fを含んでなるスイッチング素子217a〜217fを3相ブリッジ接続したインバータ212aと、直流の電源回路219とを有する。
インバータ212aは、上アームスイッチング素子217a、217c、217eと下アームスイッチング素子217b、217d、217fとの直列接続回路を3相ブラシレスモータ1の相毎に備え、3相ブラシレスモータ1に交流電力を供給する。
インバータ212aのスイッチング素子217a〜217fは例えばFETで構成され、スイッチング素子217a〜217fの各制御端子(ゲート端子)は制御装置213の出力ポートに接続される。そして、スイッチング素子217a〜217fのオン/オフは制御装置213によって制御される。
制御装置213は、インバータ212aのスイッチング素子217a〜217fのオン/オフを三角波比較方式のPWM(Pulse Width Modulation)によって制御して、3相ブラシレスモータ1に印加する電圧を制御する。
三角波比較方式のPWM制御においては、三角波(キャリア)と、指令デューティ比(指令電圧)に応じて設定されるPWMタイマとを比較することで、各スイッチング素子217a〜217fをオン/オフさせるタイミング、換言すれば、各相のスイッチング素子の制御信号であるPWMパルスの立ち上げ及び立ち下げのタイミングを検出する。
なお、制御装置213は、各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eのオン/オフを制御するPWMパルスに対し、各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fのオン/オフを制御するPWMパルスを逆相とする相補方式で、インバータ212aのスイッチング素子217a〜217fをPWM制御する。
つまり、制御装置213は、1つの相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eのオン/オフを制御するPWMパルスを論理レベルでハイに制御するとき、同じ相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fのオン/オフを制御するPWMパルスを論理レベルでローになるように制御する。
したがって、全相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eがオン制御状態であるときには全相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fがオフ制御状態になり、全相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eがオフ制御状態であるときには全相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fがオン制御状態になる。
また、インバータ212aには、下アームスイッチング素子217b、217d、217fに流れる電流をそれぞれに検出するための電流検出器220U、220V、220Wを設けてある。
電流検出器220U、220V、220Wは、インバータ212aの各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fと接地点GNDとの間にそれぞれ配置される。
電流検出器220U、220V、220Wは、それぞれ、下アームスイッチング素子217b、217d、217fに直列に接続したシャント抵抗220aU、220aV、220aWと、オペアンプなどを含む検出回路220bU、220bV、220bWとから構成される。
各検出回路220bU、220bV、220bWは、それぞれ、シャント抵抗220aU、220aV、220aWの抵抗分で発生する電流に比例した電圧を検出し、係る電圧のアナログ信号(電流検出信号)を制御装置213に出力する。
検出回路220bU、220bV、220bWそれぞれの電圧アナログ信号、つまり、下アームスイッチング素子217b、217d、217fそれぞれに流れている電流の検出信号は、A/D変換器213aでA/D変換されてマイクロコンピュータ213bに読み込まれる。
制御装置213は、例えば、回転子位置と指令トルクとに基づくベクトル制御方式によって3相指令電圧Vu、Vv、Vwを決定し、この指令電圧に基づきインバータ212aをPWM制御する。
制御装置213は、電流検出器220U、220V、220Wの出力をそれぞれ入力して各相の相電流Iu、Iv、Iwを検出し、検出した相電流Iu、Iv、Iwを用いてベクトル制御を実施する。
電流検出器220U、220V、220Wの各出力と各相のPWMパルスとから、制御装置213は、各相の相電流を検出する。
例えば、U相の上アームスイッチング素子217aがオンで、V相の上アームスイッチング素子217c及びW相の上アームスイッチング素子217eが共にオフである場合は、U相に流れた電流がV相及びW相に分かれて流れる。
このため、U相の上アームスイッチング素子217aがオンで、V相の上アームスイッチング素子217c及びW相の上アームスイッチング素子217eが共にオフであるときに、制御装置213は、電流検出器220Vの出力及び電流検出器220Wの出力から、V相の相電流Iv及びW相の相電流Iwを直接的に検出することができ、また、V相の相電流IvとW相の相電流IwとからU相の相電流Iuを演算で求めることができる。
つまり、各相の上アームスイッチング素子のうちの1つがオンで他の2つがオフであるPWMパルスの組み合わせ状態において、3相のうちの2相の相電流が電流検出器220U、220V、220Wで直接的に検出され、制御装置213は、残る1相の相電流を2相の電流検出値から演算で求めることができる。
また、例えば、U相の上アームスイッチング素子217a及びV相の上アームスイッチング素子217cが共にオンで、W相の上アームスイッチング素子217eがオフである場合は、U相に流れた電流及びV相に流れた電流が合流してW相に流れることになり、制御装置213は、電流検出器220Wの出力からW相の相電流Iwを検出することができる。
また、U相の上アームスイッチング素子217a及びW相の上アームスイッチング素子217eが共にオンで、V相の上アームスイッチング素子217cがオフである場合は、U相に流れた電流及びW相に流れた電流が合流してV相に流れることになり、制御装置213は、電流検出器220Vの出力からV相の相電流Ivを直接的に検出することができる。
そして、制御装置213は、W相の相電流IwとV相の相電流Ivとから、U相の相電流Iuを演算で求めることができる。
つまり、各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eのうちの2つがオンで他の1つがオフであるPWMパルスの組み合わせ状態において、3相のうちの1相の相電流が電流検出器220U、220V、220Wで直接的に検出され、制御装置213は、オン制御される上アームスイッチング素子の組み合わせが異なるときにそれぞれ検出された2相の相電流から、残る1相の相電流を演算で求めることができる。
このように、各相の上アームスイッチング素子のうちの1つ又は2つがオンであるPWMパルスの組み合わせ状態において、制御装置213は、電流検出器220U、220V、220Wの出力から各相の相電流を検出することができ、検出した各相の相電流Iu、Iv、IwをPWM制御に用いる。
図2は、制御装置213の制御機能の一態様を示す機能ブロック図であり、ベクトル制御方式による3相指令電圧Vu、Vv、Vwの設定処理を示す。
図2において、相電流検出部501は、各電流検出器220U、220V、220Wの出力のA/D変換値を入力し、各相の相電流Iu、Iv、Iwを検出する。
つまり、相電流検出部501は、各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eのうちの1つ又は2つがオンであるPWMパルス区間を相電流検出区間とし、また、どの相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eがオンであるかに基づき相電流検出区間で電流検出器220U、220V、220Wによって相電流が直接的に検出される相を特定し、各相の相電流Iu、Iv、Iwを検出して出力する。
角度・角速度演算部502は、モータ角度(磁極位置)及び角速度(モータ回転数)を推定する。
ここで、制御装置213がセンサレス駆動方式で3相ブラシレスモータ1をPWM制御する場合、角度・角速度演算部502は、モータの逆起電力に基づき回転子位置を推定し、推定した回転子位置に基づき角速度を演算する。
一方、3相ブラシレスモータ1が磁極位置センサを有する場合、角度・角速度演算部502は、磁極位置センサの出力から回転子位置を検出し、検出した回転子位置に基づき角速度を演算する。
また、3相−2軸変換器503は、相電流検出部501による相電流検出値Iu、Iv、Iwを、そのときのモータ角度(磁極位置)θに基づいて2軸の回転座標系(d−q座標系)の実電流Id,Iqに変換する。
ベクトル制御部504には、指令トルクに応じたd軸指令電流及びq軸指令電流、角度・角速度演算部502で算出された角速度、3相−2軸変換器503で求めたd−q座標系の実電流Id,Iqが入力される。
そして、ベクトル制御部504は、d軸,q軸指令電流、角速度、及び実電流Id,Iqに基づきd−q座標系の指令電圧Vq,Vdを決定し、決定した指令電圧Vq,Vdを2軸−3相変換器505に出力する。
2軸−3相変換器505は、ベクトル制御部504が出力する指令電圧Vq,Vdを3相指令電圧Vu、Vv、Vwに変換してPWM変調部506に出力する。
なお、2軸−3相変換器505は、指令電圧Vu、Vv、Vwを補正することにより、三角波キャリアの谷を中心として生成されるPWMパルスを前後にシフトさせるパルスシフト処理機能を有する。上記のパルスシフト処理は、相電流の検出区間を生成するために実施される処理であり、後に詳細に説明する。
そして、PWM変調部506では、各相のスイッチング素子(上アーム及び下アーム)を駆動するためのスイッチングゲート波形(PWMパルス)の立ち上げタイミング及び立ち下げタイミングを、変調波としての3相指令電圧Vu、Vv、Vwと三角波キャリアとの比較によって決定し、生成したスイッチングゲート波形(PWMパルス)をインバータ212aのスイッチング素子217a〜217fの各制御端子に出力する。
PWM変調部506によるスイッチングゲート波形の設定は、例えば、以下のようにして実施される。
PWM変調部506は、U相指令電圧Vuと三角波キャリアとを比較し、U相指令電圧Vuが三角波キャリアよりも大きいときに、U相の上アームスイッチング素子217aを駆動するためのスイッチングゲート波形を論理レベルとしてハイレベルに設定し、U相指令電圧Vuが三角波キャリアよりも小さいときにU相の上アームスイッチング素子217aを駆動するためのスイッチングゲート波形を論理レベルとしてローレベルに設定する。
更に、PWM変調部506は、U相の上アームスイッチング素子217aを駆動するためのスイッチングゲート波形の反転信号を、U相の下アームスイッチング素子217bを駆動するためのスイッチングゲート波形として生成する。
同様にして、PWM変調部506は、V相の上下アームスイッチング素子217c、217dを駆動するためのスイッチングゲート波形、及び、W相の上下アームスイッチング素子217e、217fを駆動するためのスイッチングゲート波形を生成する。
次に、相電流検出部501における相電流Iu、Iv、Iwの検出処理を詳述する。
3相ブラシレスモータ1の3相のうちの2相の相電流を電流検出器220U、220V、220Wの出力に基づき直接的に検出できれば、残りの1相の相電流は、相電流の総和が零になることを用いて演算により求めることができる。
そこで、2軸−3相変換器505は、PWMパルスの位相を相毎に制御して2相の相電流を電流検出器220U、220V、220Wの出力から検出するためのパルスシフトを実施する。
例えば、PWMパルスの位相を進角させる場合、2軸−3相変換器505は、キャリアの谷よりも前の半周期で指令電圧を増大補正し、キャリアの谷よりも後の半周期で指令電圧を減少補正する。また、PWMパルスの位相を遅角させる場合、2軸−3相変換器505は、キャリアの谷よりも前の半周期で指令電圧を減少補正し、キャリアの谷よりも後の半周期で指令電圧を増大補正する。
ここで、相電流検出部501は、上記のパルスシフトによって生成されたPWMパルスの組み合わせが異なる2つの相電流検出区間で電流検出器220の出力をそれぞれサンプリングして2相の相電流を検出する。
そして、ベクトル制御部504は、指令電圧Vq,Vdの演算処理を、電流検出器220U、220V、220Wの出力から検出した2相の相電流検出値と、これらに基づき演算した残る1相の相電流検出値とを用いて行う。
なお、相電流検出部501は、PWM周期毎にパルスシフト処理のパターンを切り替えることで、PWMの2周期で電流検出器220U、220V、220Wの出力から3相それぞれの相電流を直接的に検出することが可能である。
図3は、パルスシフトの一態様を示すタイムチャートであり、U相のPWMパルスはキャリアの谷を中心に生成されるが、V相のPWMパルスは位相が進角されてキャリアの谷よりも進角された位置を中心に生成され、W相のPWMパルスは位相が遅角されてキャリアの谷よりも遅角された位置を中心に生成される。
係るパルスシフトによって、キャリアの谷よりも前の期間で、U相の上アームスイッチング素子217a及びV相の上アームスイッチング素子217cがオンでW相の上アームスイッチング素子217eがオフである電流検出期間が生成され、係る電流検出期間(時刻t2)で、相電流検出部501は、電流検出器220Wの出力からW相の相電流Iwを検出することができる。
また、キャリアの谷よりも後の期間では、U相の上アームスイッチング素子217a及びW相の上アームスイッチング素子217eがオンでV相の上アームスイッチング素子217cがオフである電流検出期間が生成され、係る電流検出期間(時刻t4)で、相電流検出部501は、電流検出器220Vの出力からV相の相電流Ivを検出することができる。
更に、相電流検出部501は、各相の相電流の総和が零になることに基づき、W相の相電流検出値Iw及びV相の相電流検出値Ivから残るU相の相電流Iuを算出して3相全ての相電流Iu、Iv、Iwを求める。
また、制御装置213は、電流検出器220U、220V、220Wのオフセット誤差(零点誤差)をそれぞれに補正するためのオフセット補正部507を備える。
オフセット補正部507は、各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eが全てオン制御状態で、各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fが全てオフ制御状態であるときの各電流検出器220U、220V、220Wによる電流検出値が零になるように、各電流検出器220U、220V、220Wの出力をそれぞれに補正するための相毎のオフセット補正量を設定する。
つまり、各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eが全てオン制御状態で、各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fが全てオフ制御状態であるときには、上アームスイッチング素子217a、217c、217eを通って電流が還流し、理論的にはシャント抵抗220aU、220aV、220aWに電流が流れないが、実際には、シャント抵抗220aU、220aV、220aWに微小電流が流れ、係る微小電流分だけ電流検出値の誤差(零点誤差、オフセット誤差)が生じることになる。
そこで、オフセット補正部507は、各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eが全てオン制御状態であって各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fが全てオフ制御状態であるときの各電流検出器220U、220V、220Wによる電流検出値(オフセット補正無しの検出値)それぞれの零からのずれを各相のオフセット誤差として検出し、当該オフセット誤差を相殺するためのオフセット補正量を相毎に更新設定する。
そして、オフセット補正部507は、相毎のオフセット補正量によって電流検出器220U、220V、220Wの出力をそれぞれに補正し、補正後の検出出力を相電流検出部501に入力させることで、オフセット誤差が補償された出力に基づき各相電流Iu、Iv、Iwが検出され、インバータ212aのPWM制御は、オフセット誤差が補償された相電流Iu、Iv、Iwに基づき実施されるようにする。
なお、オフセット補正処理は、電流検出器220U、220V、220Wの出力信号の補正に限定されず、相電流検出部501において電流検出器220U、220V、220Wの出力信号を変換して求めた電流値を補正する処理や、相電流検出部501において前記出力信号を電流値に変換する変換テーブルを補正する処理など、オフセット誤差を補償するための種々の処理が含まれる。
ところで、各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fのいずれかにショート故障(短絡)が発生している場合、各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eが全てオン制御状態で各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fが全てオフ制御状態であっても、ショート故障している下アームスイッチング素子217b、217d、217fを通ってシャント抵抗220aに電流が流れる。
このため、下アームスイッチング素子217b、217d、217fのいずれかがショート故障(短絡)している場合、オフセット補正部507は、ショート故障が発生している相について、ショート故障によってシャント抵抗220aに流れた電流をオフセット誤差として誤検出して電流検出値を誤って補正してしまう。
更に、インバータ212aを構成するスイッチング素子のいずれかにショート故障が発生しているインバータ212aの故障状態で、インバータ212aのPWM制御(インバータ212aの動作)が継続されると、3相ブラシレスモータ1の制御精度が悪化してアシストトルクの異常が発生し、車両の操舵性を低下させる場合がある。
そこで、オフセット補正部507は、インバータ212aを構成するスイッチング素子のショート故障によってオフセット誤差を誤検出すること(オフセット補正処理を誤って実施すること)を抑制し、また、スイッチング素子のショート故障が発生しているインバータ212aが駆動制御されること(ショート故障状態のインバータ212aが動作すること)を抑制するための機能を備えている。
具体的には、オフセット補正部507は、各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eが全てオンに制御されていて各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fが全てオフに制御されているときの電流検出器220U、220V、220Wによる検出電流値(以下では、第1電流検出値A1u、A1v、A1wと称する)の総和S1を求める。更に、オフセット補正部507は、各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fが全てオンに制御されていて各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eが全てオフに制御されているときの電流検出器220U、220V、220Wによる検出電流値(以下では、第2電流検出値A2u、A2v、A2wと称する)の総和S2を求める。
そして、オフセット補正部507は、総和S1と総和S2とを比較し、比較結果からインバータ212aを構成するスイッチング素子のいずれかにショート故障が発生しているか否かを検出し、ショート故障が発生していないときには第1電流検出値A1u、A1v、A1wに基づき相毎のオフセット補正量を更新設定し、ショート故障が発生しているときにはインバータ212aのPWM制御(インバータ212aの動作)を停止させる。
以下では、オフセット補正部507による総和S1、S2に基づくショート故障の検出(オフセット補正の設定/中止の切り替え制御)を詳細に説明する。
各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fのうちのいずれかがショート故障している場合、各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eが全てオフに制御され各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fが全てオンに制御されたときには、ショート故障に影響されることなく第2電流検出値A2u、A2v、A2wの総和S2は理論的に零になる。
つまり、上記制御状態では、下アームスイッチング素子217b、217d、217fを通って電流が還流し、電流が上アーム側に向けて流れるかグランド側に向けて流れるかの電流方向の違いによって第2電流検出値A2u、A2v、A2wをプラス/マイナスで示すと、総和S2は理論的に零になる。
一方、各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fのうちのいずれかにショート故障している場合に、各相の上アームスイッチング素子217a、217c、217eが全てオンに制御され各相の下アームスイッチング素子217b、217d、217fが全てオフに制御されると、ショート故障している下アームスイッチング素子に電流が流れ、ショート故障が発生している相の電流検出器220の検出電流が零からずれることになり、各電流検出器220U、220V、220Wによる第1電流検出値A1u、A1v、A1wの総和S1は零からずれる(S1≠0)ことになる。
また、上アームスイッチング素子217a、217c、217eのいずれかにショート故障が発生している場合、第1電流検出値A1u、A1v、A1w及び総和S1は影響を受けないが、上アームスイッチング素子217a、217c、217eのオフ制御状態でもショートしている上アームスイッチング素子を介して電源電流の下アーム側への流れ込みが発生するため、第2電流検出値A2u、A2v、A2wの総和S2は零からずれる(S2≠0)ことになる。
つまり、インバータ212aを構成するスイッチング素子の全てがショート故障していない場合、総和S1及び総和S2は共に零になり、総和S1と総和S2との間での差が理論的には零になる。
一方、インバータ212aの上アームスイッチング素子217a、217c、217eのいずれかにショート故障が発生すると総和S2が零からずれ、インバータ212aの下アームスイッチング素子217b、217d、217fのいずれかにショート故障が発生すると総和S1が零からずれる。
したがって、インバータ212aを構成するスイッチング素子のいずれかにショート故障が発生すると、総和S1と総和S2とが一致しなくなって両者間に差が生じるようになる。
そこで、総和S1と総和S2とが一致して両者間に差が無い場合、オフセット補正部507は、インバータ212aを構成するスイッチング素子の全てがショートしていない状態であることを検知(推定)し、第1電流検出値A1u、A1v、A1wに基づき各相のオフセット補正量を更新設定するオフセット誤差学習を実行する。
一方、総和S1と総和S2との間に電流検出のばらつき誤差を超える差が生じている場合、オフセット補正部507は、インバータ212aを構成するスイッチング素子の上アーム側又は下アーム側にショート故障が発生していることを検知(推定)し、オフセット補正量の更新設定を中止し、更に、インバータ212aの動作を停止させる。
係るオフセット補正部507の処理機能により、インバータ212aを構成するスイッチング素子にショートが発生している異常状態でインバータ212aがPWM制御され、3相ブラシレスモータ1が異常なアシストトルクを発生することが抑制され、また、スイッチング素子のショート故障に影響された第1電流検出値A1u、A1v、A1wに基づき、オフセット補正部507がオフセット誤差を誤検出し、誤ったオフセット補正を実施してしまうことを抑制できる。
図4のフローチャートは、制御装置213(オフセット補正部507)によるオフセット補正値(零点補正値)の更新処理(オフセット補正設定処理)の一態様を示す。
制御装置213は、まずステップS101で、各相の上アームスイッチング素子217a,217c,217eが全てオンに制御され、各相の下アームスイッチング素子217b,217d,217fが全てオフに制御されている状態での電流検出器220U、220V、220Wそれぞれによる検出電流値を、第1電流検出値A1u、A1v、A1wとしてサンプリングしてメモリに格納(記憶)する処理を実施する。
各相の上アームスイッチング素子217a,217c,217eが全てオンに制御され、各相の下アームスイッチング素子217b,217d,217fが全てオフに制御されている状態とは、例えば、図5における時刻t2の状態であり、制御装置213(オフセット補正部507)は、時刻t2において電流検出器220U、220V、220Wの出力からそれぞれに検出した各相の電流値を、第1電流検出値A1u、A1v、A1wとして記憶する。
なお、第1電流検出値A1u、A1v、A1wは、オフセット補正がキャンセルされている状態での電流検出値であり、第1電流検出値A1u、A1v、A1wの記憶値は、各相の上アームスイッチング素子217a,217c,217eが全てオンに制御されているときの電流値が新たに検出される毎に最新値に更新されるものとする。
次いで、制御装置213は、ステップS102に進み、各相の上アームスイッチング素子217a,217c,217eが全てオフに制御され、各相の下アームスイッチング素子217b,217d,217fが全てオンに制御されている状態での電流検出器220による電流検出値を、第2電流検出値A2u、A2v、A2wとしてサンプリングしてメモリに格納(記憶)する処理を実施する。
各相の上アームスイッチング素子217a,217c,217eが全てオフに制御され、各相の下アームスイッチング素子217b,217d,217fが全てオンに制御されている状態とは、例えば、図5における時刻t3の状態であり、制御装置213(オフセット補正部507)は、時刻t3において電流検出器220U、220V、220Wの出力からそれぞれに検出した各相の電流値を、第2電流検出値A2u、A2v、A2wとして記憶する。
なお、第2電流検出値A2u、A2v、A2wは、オフセット補正がキャンセルされている状態での電流検出値であり、第2電流検出値A2u、A2v、A2wの記憶値は、各相の下アームスイッチング素子217b,217d,217fが全てオンに制御されているときの電流値が新たに検出される毎に最新値に更新されるものとする。
また、第1電流検出値A1u、A1v、A1w及び第2電流検出値A2u、A2v、A2wは、電流の向きに応じたプラス/マイナスの符号が付いたデータである。
制御装置213は、上記のようにして第1電流検出値A1u、A1v、A1w及び第2電流検出値A2u、A2v、A2wをサンプリングすると、ステップS103に進み、第1電流検出値A1u、A1v、A1wの総和S1から第2電流検出値A2u、A2v、A2wの総和S2を減算した値の絶対値と閾値SL(SL>0)とを比較する。
なお、総和S1から総和S2を減算した値の絶対値とは、換言すれば、総和S1、総和S2のうちの大きい方から小さい方を引いた値である総和S1と総和S2との差である。
また、閾値SLは、総和S1と総和S2との差が、電流検出のばらつき範囲内の値であるか、ばらつき範囲を超えていてショート故障などの回路異常がインバータ212aに発生している状態を示す値であるかを区別するための値であり、予め実験やシミュレーションに基づき適合され、制御装置213のメモリに格納される。
ここで、総和S1から総和S2を減算した値の絶対値(総和S1と総和S2との差)が閾値SL以下である場合、インバータ212aのスイッチング素子にショート故障などの異常がなく、第1電流検出値A1u、A1v、A1wは各電流検出器220U、220V、220Wのオフセット誤差を示すので、制御装置213は、オフセット補正値の更新設定を行うステップS104に進む。
ステップS104で、制御装置213は、第1電流検出値A1u、A1v、A1wに基づき各相のオフセット補正値HOSu、HOSv、HOSwを更新設定する。
第1電流検出値A1u、A1v、A1wは、オフセット誤差がない場合、理論的には零値となるから、制御装置213は、第1電流検出値A1u、A1v、A1wを補正するときに補正後の電流検出値を零に近づける補正値として、各相のオフセット補正値HOSu、HOSv、HOSwを設定する。
例えば、U相の第1電流検出値A1uがA1u>0である場合は、電流検出器220Uが検出したU相電流Iuを第1電流検出値A1uの絶対値分だけ減算補正(減少方向のシフト補正)すれば、実際のU相電流Iuが零であるときにオフセット補正後のU相電流検出値Iuは零になってオフセット誤差が補償されたことになる。
そこで、制御装置213は、U相の第1電流検出値A1uがA1u>0である場合、第1電流検出値A1uの絶対値分(若しくは絶対値近傍の値)だけの減算補正値(マイナス補正値)をU相のオフセット補正値HOSuに設定する。
また、オフセット補正値HOSu、HOSv、HOSwを更新設定において、制御装置213は、前回までのオフセット補正値HOSuold、HOSvold、HOSwoldと、最新の第1電流検出値A1u、A1v、A1wに基づき演算したオフセット補正値HOSunew、HOSvnew、HOSwnewとを加重平均などの平均化処理して、平均化処理後の値をオフセット補正に用いるオフセット補正値HOSu、HOSv、HOSwに設定することができる。
また、制御装置213は、第1電流検出値A1u、A1v、A1wを前回までのオフセット補正値HOSu、HOSv、HOSwで補正した値のプラス/マイナスに基づきオフセット誤差を補償するためのオフセット補正値HOSの変化方向を特定し、当該方向に向けてオフセット補正値HOSu、HOSv、HOSwを所定のステップ幅だけ変化させることができる。
また、オフセット補正値HOSu、HOSv、HOSwの可変範囲を予め設定したマイナス側の限界値とプラス側の限界値とで挟まれる領域内に制限することができる。
また、制御装置213は、第1電流検出値A1u、A1v、A1wの絶対値が上限値(所定値)をよりも大きい相については、当該相に対応するオフセット補正値HOSの更新を中止することができる。これにより、第1電流検出値A1u、A1v、A1wの誤検出に伴ってオフセット補正値が誤設定されることを抑制できる。
更に、制御装置213は、第1電流検出値A1u、A1v、A1wの絶対値のうちの少なくとも1つが上限値(所定値)をよりも大きいときに、インバータ212aの動作(インバータ212aによる3相ブラシレスモータ1への交流電力の供給)を停止させることができる。これにより、例えば電流検出器220U、220V、220Wに異常が発生し相電流の検出精度が低下しているときに、実際とは異なる相電流検出値に基づき3相ブラシレスモータ1が制御されてしまうことを抑制できる。
一方、総和S1から総和S2を減算した値の絶対値(総和S1と総和S2との差)が閾値SLを超える場合は、インバータ212aのスイッチング素子にショート故障などの異常が発生していて、第1電流検出値A1u、A1v、A1wは各電流検出器220U、220V、220Wのオフセット誤差とは異なる値を示している可能性があり、また、インバータ212aの異常により3相ブラシレスモータ1が異常なアシストトルクを発生させてしまう可能性がある。
そこで、制御装置213は、総和S1から総和S2を減算した値の絶対値が閾値SLを超える場合、ステップS105に進み、第1電流検出値A1u、A1v、A1wに基づくオフセット補正値HOSu、HOSv、HOSwの更新設定を中止し、かつ、インバータ212aの動作を停止させる。
これにより、インバータ212aのスイッチング素子にショート故障などの異常が発生していて、第1電流検出値A1u、A1v、A1wが実際のオフセット誤差とは異なる値を示すときに、係る第1電流検出値A1u、A1v、A1wに基づきオフセット補正値HOSu、HOSv、HOSwが誤って更新されることが抑制される。
また、スイッチング素子にショート故障などの異常が発生しているインバータ212aの動作が停止されるので、ショート故障などの異常によって3相ブラシレスモータ1に指示電流とは異なる電流が流れることを抑制でき、以って、3相ブラシレスモータ1が異常なアシストトルクを発生することが抑制される。
なお、制御装置213は、インバータ212aの動作(インバータ212aによる3相ブラシレスモータ1への交流電力の供給)を、インバータ212aの電源リレーのオフ制御やPWM出力の停止(デューティ比を0%に設定する処理)などによって停止させる。
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば種々の変形態様を採り得ることは自明である。
例えば、制御装置213は、第1電流検出値A1u、A1v、A1w及び第2電流検出値A2u、A2v、A2wのサンプリング、及び、サンプリングした電流検出値に基づくオフセット補正値HOSu、HOSv、HOSwの設定をPWM周期毎に毎回実施する必要はなく、制御装置213は、電流検出値のサンプリング及びオフセット補正値の設定を、PWM周期の複数周期毎に1回実施したり、所定時間毎に実施したり、3相ブラシレスモータ1の起動時に実施したりすることができる。
ここで、上述した実施形態から把握し得る技術的思想について、以下に記載する。
モータ制御装置は、その一態様において、3相ブラシレスモータと、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との直列接続回路を前記3相ブラシレスモータの相毎に備えるインバータと、前記インバータの各相の前記下アームスイッチング素子と接地点との間にそれぞれ配置され各相の前記下アームスイッチング素子に流れる電流をそれぞれに検出する電流検出器と、を備えたモータ駆動回路の制御装置であって、全相の前記上アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器でそれぞれに検出された第1電流検出値の総和と、全相の前記下アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器でそれぞれに検出された第2電流検出値の総和との差が閾値よりも小さいときに、前記第1電流検出値に基づき前記電流検出器それぞれの検出出力のオフセット補正を設定するオフセット補正部を含む。
前記モータ制御装置の好ましい態様において、前記オフセット補正部は、前記差が前記閾値よりも大きいときに、前記オフセット補正の設定を中止し、前記インバータの動作を停止させる。
別の好ましい態様では、前記オフセット補正部は、前記第1電流検出値が所定値よりも大きい相についてオフセット補正の設定を中止する。
さらに別の好ましい態様では、前記オフセット補正部は、少なくとも1相において前記第1電流検出値が所定値よりも大きいときに前記インバータの動作を停止させる。
また、モータ駆動回路の制御方法は、その一態様において、3相ブラシレスモータと、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との直列接続回路を前記3相ブラシレスモータの相毎に備えるインバータと、前記インバータの各相の前記下アームスイッチング素子と接地点との間にそれぞれ配置され各相の前記下アームスイッチング素子に流れる電流をそれぞれに検出する電流検出器と、を備えたモータ駆動回路の制御方法であって、全相の前記上アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器それぞれによる電流検出値を第1電流検出値として検出するステップと、全相の前記下アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器それぞれによる電流検出値を第2電流検出値として検出するステップと、前記第1電流検出値の総和と前記第2電流検出値の総和との差を閾値と比較するステップと、前記差が前記閾値よりも小さいときに前記第1電流検出値に基づき前記電流検出器それぞれの検出出力のオフセット補正を設定するステップと、を含む。
前記モータ駆動回路の制御方法の好ましい態様において、前記差が前記閾値よりも大きいときに、前記第1電流検出値に基づく前記オフセット補正の設定を中止し、前記インバータの動作を停止させるステップを更に含む。
また、モータ制御装置は、その一態様において、3相ブラシレスモータと、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との直列接続回路を前記3相ブラシレスモータの相毎に備えるインバータと、前記インバータの各相に流れる電流を検出する電流検出器と、を備えたモータ駆動回路の制御装置であって、
前記電流検出器による電流検出値をオフセット補正する補正部と、
全相の前記上アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器で検出された電流検出値を第1電流検出値として求める第1電流検出部と、
前記第1電流検出値に基づき前記補正部によるオフセット補正を設定する設定部と、
全相の前記下アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器で検出された電流検出値を第2電流検出値として求める第2電流検出部と、
前記第1電流検出値と前記第2電流検出値とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づき前記設定部によるオフセット補正の設定と設定中止とを切り替える切り替え部と、
を含む。
前記モータ制御装置の好ましい態様において、前記電流検出器は、前記インバータの各相の前記下アームスイッチング素子と接地点との間にそれぞれ配置され各相の前記下アームスイッチング素子に流れる電流をそれぞれに検出する。
別の好ましい態様では、前記比較部は、相毎の前記第1電流検出値の総和と相毎の前記第2電流検出値の総和とを比較する。
さらに別の好ましい態様では、前記切り替え部は、相毎の前記第1電流検出値の総和と相毎の前記第2電流検出値の総和との差が閾値よりも小さいときに前記設定部によるオフセット補正の設定を許可し、前記差が前記閾値よりも大きいときに前記設定部によるオフセット補正の設定を中止する。
さらに別の好ましい態様では、前記切り替え部は、前記設定部によるオフセット補正の設定を中止するときに、前記インバータの動作を停止させる。
1…3相ブラシレスモータ、2…モータ駆動回路、212…駆動部、212a…インバータ、213…制御装置、213a…A/D変換器、213b…マイクロコンピュータ、220U,220V,220W…電流検出器、220aU,220aV,220aW…シャント抵抗、220bU,220bV,220bW…検出回路

Claims (6)

  1. 3相ブラシレスモータと、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との直列接続回路を前記3相ブラシレスモータの相毎に備えるインバータと、前記インバータの各相の前記下アームスイッチング素子と接地点との間にそれぞれ配置され各相の前記下アームスイッチング素子に流れる電流をそれぞれに検出する電流検出器と、を備えたモータ駆動回路の制御装置であって、
    全相の前記上アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器でそれぞれに検出された第1電流検出値の総和と、全相の前記下アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器でそれぞれに検出された第2電流検出値の総和との差が閾値よりも小さいときに、前記第1電流検出値に基づき前記電流検出器それぞれの検出出力のオフセット補正を設定するオフセット補正部を含む、モータ制御装置。
  2. 前記オフセット補正部は、前記差が前記閾値よりも大きいときに、前記オフセット補正の設定を中止し、前記インバータの動作を停止させる、請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記オフセット補正部は、前記第1電流検出値が所定値よりも大きい相についてオフセット補正の設定を中止する、請求項1又は請求項2記載のモータ制御装置。
  4. 前記オフセット補正部は、少なくとも1相において前記第1電流検出値が所定値よりも大きいときに前記インバータの動作を停止させる、請求項1から請求項3のモータ制御装置。
  5. 3相ブラシレスモータと、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との直列接続回路を前記3相ブラシレスモータの相毎に備えるインバータと、前記インバータの各相の前記下アームスイッチング素子と接地点との間にそれぞれ配置され各相の前記下アームスイッチング素子に流れる電流をそれぞれに検出する電流検出器と、を備えたモータ駆動回路の制御方法であって、
    全相の前記上アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器それぞれによる電流検出値を第1電流検出値として検出するステップと、
    全相の前記下アームスイッチング素子がオン制御状態であるときに前記電流検出器それぞれによる電流検出値を第2電流検出値として検出するステップと、
    前記第1電流検出値の総和と前記第2電流検出値の総和との差を閾値と比較するステップと、
    前記差が前記閾値よりも小さいときに前記第1電流検出値に基づき前記電流検出器それぞれの検出出力のオフセット補正を設定するステップと、
    を含む、モータ駆動回路の制御方法。
  6. 前記差が前記閾値よりも大きいときに、前記第1電流検出値に基づく前記オフセット補正の設定を中止し、前記インバータの動作を停止させるステップを更に含む、請求項5記載のモータ駆動回路の制御方法。
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