JP6482410B2 - エンジンの行程判別装置、制御装置及びエンジンの行程判別方法 - Google Patents

エンジンの行程判別装置、制御装置及びエンジンの行程判別方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンの行程判別装置、制御装置及びエンジンの行程判別方法に関する。
エンジンの動作を適切に制御するため、運転中のエンジンの現在の行程を判別する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4093682号公報
しかし、エンジン始動時においてスタータモータによりクランク軸が回転し始めた初期段階では、行程を判別することが難しい。例えば、4サイクルエンジンでは、クランク軸が2回転することで4つの行程(吸気、圧縮、燃焼及び排気)からなる1サイクルの動作を行うため、クランク角度情報が取得可能となり且つ燃焼による吸気圧変化が生じるまでは、行程を判別することができない。また、2ストロークエンジンでは、クランク角度センサがクランク軸のロータの切欠部を検出できる回転角度までクランク軸が回転しないと、行程を判別することができない。
そこで本発明は、エンジン始動時において早期に行程判別できるようにすることを目的とする。
本発明の一態様に係るエンジンの行程判別装置は、少なくともクランク角度に基づいてエンジンの運転中の行程を判定する判定器と、クランク軸が回転停止したときの行程を認識するための停止時行程情報を記憶装置に記録する記録制御器と、を備え、前記判定器は、前記記憶装置に記録された前記停止時行程情報に基づいて前記クランク軸が回転開始したときの行程を判定する。
前記構成によれば、クランク軸の回転開始時には、停止時行程情報を参照することで、エンジンの動作が何れの行程から開始されるかを把握することができ、早期の行程判別を実現することが可能となる。
前記判定器は、前記クランク軸が回転開始して燃焼行程での燃焼が開始した後は、前記エンジンの気筒内の燃焼によって変化する物理量に基づいて、前記エンジンの運転中の行程を判定してもよい。
前記構成によれば、燃焼によって変化する物理量(例えば、吸気圧やエンジン振動等)に基づくことで、より精度良く行程判別することができる。具体的には、クランク軸の回転開始時は、記憶装置に記録された停止時行程情報とクランク角度情報とを参照することで行程を判別し、燃焼行程での燃焼が開始した後は、クランク角度情報と前記物理量とを参照することで行程を判別することができる。
前記停止時行程情報は、基点となる行程に設定される基点角度からのクランク角度の情報を含んでもよい。
前記構成によれば、クランク軸の回転開始時において、停止時行程情報を参照することにより、センサにより基点角度を検出する前に、基点角度をゼロとしたクランク角度(エンジンの行程動作の1サイクル(1周期)内の角度であって、例えば、4ストロークエンジンであれば0°〜720°の範囲内の角度)を把握することができる。また、基点角度からのクランク角度を停止時行程情報として記録することで、クランク軸の回転開始時から制御タイミングを細かく設定することができる。
前記記憶装置は、不揮発性メモリであってもよく、前記記録制御器は、前記停止時行程情報を前記不揮発性メモリに記録してもよい。
前記構成によれば、電源がOFFされても、停止時行程情報の記録を維持することができる。
前記記録制御器への給電を制御する給電制御器を更に備え、前記給電制御器は、前記記録制御器が前記クランク軸の回転停止時の行程を前記記憶装置に記録するまで、前記記録制御器への給電を維持してもよい。
前記構成によれば、クランク軸の回転停止時の行程を記憶装置に記録するまでに、記録制御器への給電が停止されることを防ぐことができる。
本発明の別態様に係るエンジンの制御装置は、前記行程判別装置と、前記行程判別装置の前記判定器の判定結果に基づいて前記エンジンを制御するエンジン制御器と、を備え、前記エンジンは、4ストロークエンジンである。
前記構成によれば、早期に判別された行程に応じて適切なエンジン制御を早期に開始することができる。
前記エンジン制御器は、前記クランク軸が回転開始してから前記判定器により吸気行程が判定されると、前記エンジンの燃料インジェクタに燃料噴射を指令してもよい。
前記構成によれば、4ストロークエンジンのクランク軸の回転開始時から判別される行程に基づいて、吸気行程で燃料噴射を指令することにより、吸気行程以外の行程での無用な燃料噴射を削減することができ、排ガス改善に寄与することができる。
前記エンジン制御器は、所定の始動性向上条件が成立すると、前記始動性向上条件の非成立時に比べて1サイクル内の燃料噴射量を増加させてもよい。
前記構成によれば、吸気行程以外の行程での無用な燃料噴射を削減しながらも、所定条件成立時には始動性を向上させることができる。
前記エンジン制御器は、前記クランク軸が回転開始してから前記判定器により燃焼行程が判定されると、前記エンジンの点火装置に点火を指令してもよい。
前記構成によれば、4ストロークエンジンのクランク軸の回転開始時から判別される行程に基づいて、燃焼行程で点火を指令することにより、燃焼行程以外の行程での無用な点火を無くすことができ、燃焼行程以外の行程において未燃ガスが着火することを防止できる。
本発明の別態様に係るエンジンの行程判別方法は、少なくともクランク角度に基づいてエンジンの運転中の行程を判定する行程判定工程と、クランク軸が回転停止したときの行程を認識するための停止時行程情報を記録する記録工程と、を備え、前記判定工程は、前記記録された前記停止時行程情報に基づいて前記クランク軸が回転開始したときの行程を判定する。
前記方法によれば、クランク軸の回転開始時には、停止時行程情報を参照することで、エンジンの動作が何れの行程から開始されるかを把握することができ、早期の行程判別を実現することが可能となる。
本発明によれば、エンジン始動時において早期に行程判別することができる。
第1実施形態に係る乗り物のエンジン及びECU等を説明するブロック図である。 図1に示すエンジン停止時の停止時行程の記録手順を説明するフローチャートである。 図1に示すエンジン始動時の行程判別及びエンジン制御の手順を説明するフローチャートである。 (a)は比較例のエンジン始動時の燃料噴射及び点火の時期を説明するタイミングチャートであり、(b)は図1に示すエンジン始動時の燃料噴射及び点火の時期を説明するタイミングチャートである。 第2実施形態に係るエンジン停止時の停止時行程の記録手順を説明するフローチャートである。 第3実施形態に係るエンジン始動時の行程判別及びエンジン制御の手順を説明するフローチャートである。 第4実施形態に係るエンジン始動時の行程判別及びエンジン制御の手順を説明するフローチャートである。 第4実施形態に係るエンジン始動時の燃料噴射及び点火の時期を説明するタイミングチャートである。 第5実施形態に係るエンジン始動時のエンジン制御の手順を説明するフローチャートである。 第6実施形態に係るエンジン停止時の停止時行程の記録手順を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る乗り物1のエンジンE及びECU20等を説明するブロック図である。図1に示すように、乗り物1は、走行駆動源である4ストロークエンジンEと、当該エンジンEを制御するECU20とを備える。乗り物1は、例えば、自動二輪車である。エンジンEは、シリンダ2を備え、シリンダ2にはピストン3が往復動可能に収容されている。ピストン3には、コンロッド4を介してクランク軸5が接続されている。クランク軸5には、クランク角センサ7に対向してロータ6が固定されている。ロータ6の外周縁には、複数の突起が周方向に所定間隔をあけて設けられており、当該外周縁の一部には前記所定間隔よりも倍以上に広い間隔の欠落部(切欠部)が1つ設けられている。
クランク角センサ7は、電磁ピックアップ式であり、欠落部を検出することでクランク角度の基点角度(例えば、ピストン上死点)を検出可能としている。クランク角センサ7は、ロータ6の欠落部を検出した後に検出されるロータ6の突起をカウントすることで、基点角度からの角変位量を検出可能としている。なお、本実施形態では、「クランク角度」は、クランク軸5の回転角を意味し、0°以上360°未満の値で定義される。
シリンダ2内には、ピストン3の上側に燃焼室8が形成されている。エンジンEには、燃焼室8と連通する吸気ポート9及び排気ポート10が設けられている。吸気ポート9には、吸気弁11が配置され、排気ポート10には排気弁12が配置されている。吸気ポート9には、その吸気通路に燃料を噴射する燃料インジェクタ13が設けられている。また、吸気ポート9には、その吸気通路を流れる吸気の圧力(吸気圧)を検出するための吸気圧センサ14が設けられている。また、エンジンEには、燃焼室8の混合気を着火するための点火装置15が設けられている。
ECU20は、クランク角検出部21と、吸気圧検出部22と、判定部23(判定器)と、エンジン制御部24(エンジン制御器)と、記録制御部25(記録制御器)と、不揮発性メモリ26(記憶装置)とを備える。クランク角検出部21は、クランク角センサ7からの信号によりクランク角度を検出する。吸気圧検出部22は、吸気圧センサ14からの信号により吸気ポート9の吸気の圧力を検出する。
判定部23は、クランク角検出部21で検出されたクランク角度と、エンジンEの燃焼室8での燃焼によって変化する物理量とに基づいて、エンジンEの運転中の行程(吸気・圧縮・燃焼・排気)を判定する。即ち、クランク角センサ7からの情報のみでは、吸気行程と燃焼行程とのピストン位置が同じで且つ圧縮行程と排気行程とのピストン位置が同じであるために、表回転(吸気・圧縮)と裏回転(燃焼・排気)との何れが実施されているのか判別できず、例えば、検出された基点角度が、吸気行程の開始時におけるピストン上死点位置であるか、燃焼行程の開始時におけるピストン上死点位置であるかを判別することはできない。しかし、表回転と裏回転とで異なる値が現れる物理量も参照することで、運転中のエンジンEの現在の行程を特定することが可能となる。
本実施形態では、判定部23は、エンジンEの燃焼室8での燃焼によって変化する物理量として、例えば、吸気圧検出部22で検出される吸気圧を用いる。吸気圧は、燃焼する行程の変化に応じて変化し、例えば、吸気行程中に吸気圧が最小となる。よって、判定部23は、吸気圧が極小値に達した時点を吸気行程であると判定することができる。
判定部23は、基点となる行程の開始時に設定された基点角度を0°とし、吸気・圧縮・燃焼・排気の4行程からなる1サイクル中のクランク角度を、0°以上720°未満の範囲の値からなるクランク位相角とし、当該クランク位相角から現在の行程を特定するとよい。例えば、判定部23は、1サイクル中において、吸気行程開始直前でのピストン上死点となるクランク位相角を0゜とし、その後の燃焼行程開始直前でのピストン上死点となるクランク位相角を360゜とし、その次のサイクルの吸気行程開始直前のピストン上死点が到来するとクランク位相角を0゜にリセットする。即ち、本実施形態では、「クランク位相角」は、行程に対応して設定され、クランク軸5が基点角度に対して角変位した角変位量を意味し、0°以上720°未満の値で定義される。
エンジン制御部24は、判定部23の判定結果に基づいてエンジンEを制御する。具体的には、エンジン制御部24は、判定部23で判定された行程(クランク位相角)に基づいて燃料インジェクタ13及び点火装置15の動作時期を制御する。エンジン制御部24は、判定部23で判定された吸気行程において燃料インジェクタ13に燃料噴射を指令し、判定部23で判定された燃焼行程において点火装置15に点火を指令する。
記録制御部25は、運転中のエンジンEに停止指令がなされてクランク軸5が回転停止したときの行程を認識可能な停止時行程情報を不揮発性メモリ26(記憶装置)に記録する。具体的には、記録制御部25は、クランク軸5の回転停止時のクランク位相角を停止時行程情報として不揮発性メモリ26に記憶させる。不揮発性メモリ26は、電力が供給されなくても記憶内容が保持される記憶装置である。本実施形態では、不揮発性メモリ26は、電力供給時に書込み及び上書き可能に構成され、例えば、EEPROM又はフラッシュメモリなどが用いられる。
乗り物1は、給電制御装置30(給電制御器)と、電源31と、ON−OFF操作器32とを更に備える。給電制御装置30は、運転者によるON−OFF操作器32の操作に応じて電源31(例えば、バッテリ)からECU20への給電をON−OFF制御する。例えば、運転者がON−OFF操作器32を操作して電源OFF指令を出すと、エンジン制御部24にエンジン停止指令が出されて記録制御部25がクランク軸の回転停止時の行程を不揮発性メモリ26に記録するまで、給電制御装置30はECU20(記録制御部25)への給電を維持し、所定時間経過後に当該給電を停止する。
なお、本実施形態では、クランク角検出部21、吸気圧検出部22、判定部23、記録制御部25、不揮発性メモリ26及び給電制御装置30がエンジンの行程判別装置27に相当し、ECU20及び給電制御装置30がエンジンの制御装置28に相当する。
次に、運転中のエンジンEを停止させるときの停止時行程の記録手順を説明する。図2は、図1に示すエンジンEの停止時の停止時行程の記録手順を説明するフローチャートである。図1及び2に示すように、ECU20は、クランク角検出部21からの信号によりエンジンEが運転中か否かを判定する(ステップS1)。なお、エンジンEの運転中とは、燃焼行程を経てエンジンEが内燃機関として運転している状態を意味する。Noの場合には、ステップS1に戻る。Yesの場合には、ECU20は、ON−OFF操作器32から電源OFF指令が出されているか否かを判定する(ステップS2)。Noの場合には、ステップS2に戻る。Yesの場合には、ECU20は、エンジン制御部24によるエンジン制御を停止し、エンジンEを停止させる(ステップS3)。このとき、エンジン制御部24によるエンジン制御が停止しても、クランク軸5は慣性により暫く回転してから自然に停止することになる。
次いで、ECU20は、電源OFF指令が出されてから所定の待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS4)。前記待機時間は、エンジンEの制御を停止してからクランク軸5が停止するまでに要する時間又はそれ以上の時間に設定される。Noの場合には、クランク軸5の慣性回転が終わっていない可能性があると判断してステップS4に戻る。Yesの場合には、記録制御部25は、電源OFF指令から十分な時間が経過したためクランク軸5が停止しているものとみなし、前記待機時間の経過時の行程(クランク位相角)を停止時行程情報として不揮発性メモリ26に記録する(ステップS5)。次いで、記録制御部25は記録完了を給電制御装置30に通知し、その通知を受けた給電制御装置30が、ECU20への給電を停止する(ステップS6)。
次に、停止中のエンジンEを始動させるときの行程判別の手順を説明する。図3は、図1に示すエンジンEの始動時の行程判別及びエンジン制御の手順を説明するフローチャートである。図1及び3に示すように、給電制御装置30は、ON−OFF操作器32から電源ON指令が出されているか否かを判定する(ステップS11)。Noの場合には、ステップS11に戻る。Yesの場合には、給電制御装置30は、ECU20への給電を開始する(ステップS12)。次いで、記録制御部25は、前回のエンジン停止時に不揮発性メモリ26に記録(ステップS5)された停止時行程情報を不揮発性メモリ26から読み出す(ステップS13)。
判定部23は、この読み出された停止時行程情報に基づいて前回のエンジン停止時の行程(クランク位相角)を、今回のエンジン始動時におけるクランク軸5の回転開始直前の行程(初期クランク位相角)と判定する。なお、エンジンEは、運転中以外でもクランク軸5が回転し得る。即ち、エンジンEの始動時には、最初の燃焼行程を経る前(エンジン運転前)に、セルモータ又は運転者からクランク軸5に動力が与えられてクランク軸5が角変位する状態が存在する。
次いで、判定部23は、エンジン始動の指令が出されているか否かを判定する(ステップS14)。Noの場合には、ステップS14に戻る。Yesの場合には、判定部23は、行程判別を行う(ステップS15)。判定部23は、クランク軸5の回転開始直前では、不揮発性メモリ26から読み出した前回の停止時行程情報の行程を初期行程とし、クランク軸5が回転開始してから最初の燃焼行程が行われるまで(エンジンEが始動するまで)は、クランク角検出部21で検出されるクランク角度から現在の行程を判定する。
即ち、判定部23は、クランク軸5の回転停止状態からクランク検出部21によってカウントされたクランク位相角をカウント角度(N°)とすると、クランク位相角として停止時行程情報で示される初期角度(n°)にカウント角度(N°)を加算した合算角度(n°+N°)を、エンジン始動前のクランク位相角として判断する。その合算角度が、予め各行程の開始角度として夫々設定される角度の何れかに達した場合に、対応する行程に達したと判断する。
そして、エンジン制御部24は、その行程判別結果に基づいて燃料インジェクタ13及び点火装置15の動作時期を制御する(ステップS16)。即ち、ここでのエンジン制御は、最初の燃焼行程が行われる前の制御である。
次いで、判定部23は、エンジン始動の指令が出されてから最初の燃焼行程が実施されたか否かを判定する(ステップS17)。例えば、判定部23は、吸気圧検出部22にて吸気圧が所定の閾値未満であることが検出されると、現在が吸気行程であり且つその2行程前に最初の燃焼行程が実施されたと判定する。なお、当該閾値は、燃焼室8で実際に燃焼が発生した直後の吸気行程の吸気圧よりも大きい値であり、かつ、最初の燃焼行程が実施されていない(クランク軸5が回転し始めてから未だ1度も燃焼室8での燃焼が発生していない)段階での吸気行程の吸気圧よりも小さい値に設定される。
ステップS17でNoの場合は、ステップS15に戻る。ステップS17でYesの場合は、判定部23は、クランク角検出部21で検出されるクランク角度と吸気圧検出部22で検出される吸気圧とに基づいてエンジンEの行程を判定する(ステップS18)。即ち、燃焼行程が行われた後は、判定部23は、合算角度ではなく、基点角度からカウントしたカウント角度α゜と、吸気圧検出部22で検出される吸気圧から分かる行程情報とに基づいてクランク位相角を求める。具体的には、判定部23は、基点角度を通過したと判断した後に吸気圧が低下したことを判断すると、吸気圧低下前の基点角度(吸気行程開始直前のピストン上死点)を0°とし、その基点角度からのカウント角度α゜をクランク位相角して判断する。このように、最初の燃焼行程の前後で行程判別の手法を切り換えることで、最初の燃焼行程が行われる前に判定されたクランク位相角に誤差が生じている場合でも、エンジン始動後に精度良く行程判別することができる。例えば、停止時行程情報が不揮発性メモリ26に記録された後に車体が動かされるなどして、クランク軸5が角変位した場合でも、判定結果を修正することができる。
そして、エンジン制御部24は、その行程判別結果に基づいて燃料インジェクタ13及び点火装置15の動作時期を制御する(ステップS19)。即ち、ここでのエンジン制御は、最初の燃焼行程が行われた後の制御である。
図4(a)は、比較例のエンジンの始動時の燃料噴射及び点火の時期を説明するタイミングチャートであり、図4(b)は図1に示すエンジンEの始動時の燃料噴射及び点火の時期を説明するタイミングチャートである。図4(a)に示すように、行程判別に停止時行程情報を用いずにクランク角度及び吸気圧の情報のみを用いる比較例では、エンジン始動時にクランク軸5が回転し始めてクランク角検出部21により基点角度BAが検出されても、最初の燃焼行程が未実施であり吸気圧検出部22により検出される吸気圧が前記閾値未満にならなければ、現在の状態が、表回転(吸気・圧縮)であるのか裏回転(燃焼・排気)であるのかが判別できない。よって、比較例では、最初の燃焼行程が実施されたと判定されるまでは吸気行程と燃焼行程との両方で燃料噴射と点火とが指令される。即ち、燃焼行程で実施された燃料噴射は無駄になり、吸気行程で実施された点火により不所望な燃焼が起こり得る。そして、最初の燃焼行程が実施されて吸気圧検出部22で検出される吸気圧が前記閾値未満になってから、クランク角度と吸気圧とにより行程判別が行われ、その後は、吸気行程のみで燃焼噴射が実施され、燃焼行程のみで点火が実施される。
他方、図4(b)に示すように、本実施形態では、不揮発性メモリ26から読み出した停止時行程情報により、エンジン始動時の初期行程が既知であるため、判定部23は、吸気圧変動が検出される前から現在の行程を判別することができる。即ち、判定部23は、停止時行程情報を参照することで、クランク軸5が回転開始して最初の燃焼行程を迎える前から現在の行程を把握することができる(なお、判定部23は、停止時行程情報を参照することで、クランク角検出部21により基点角度BAが検出される前から現在のクランク角度を把握することができる。)。そのため、エンジン制御部24は、吸気行程のみで燃料噴射を指令し、燃焼行程のみで点火を指令する。そして、燃焼行程後に十分な吸気圧変動が現れると、クランク角度と吸気圧とにより行程判別が行われ、エンジン制御が行われる。
以上に説明した構成によれば、クランク軸5の回転開始時には、不揮発性メモリ26に記録していた停止時行程情報を参照することで、最初の燃焼行程の前にエンジンEの動作が何れの行程から開始されるかを把握することができ、早期の行程判別を実現することが可能となる。また、行程に応じたエンジン制御を早期に開始することができる。更に、クランク軸5の回転開始時は、不揮発性メモリ26に記録された停止時行程情報とクランク角度情報とを参照することで行程を判別し、燃焼行程後は、クランク角度情報と燃焼によって変化する物理量とを参照することで精度良く行程判別することができる。また、クランク軸5が2回転以上回転することで全ての行程が完了するエンジン(本実施形態では、4ストロークエンジン)が用いられ、クランク角センサ7のみでは行程判別が難しいが、前述した行程判別手法によって行程を容易に判別することができる。
また、不揮発性メモリ26に記録される停止時行程情報は、基点となる行程に設定される基点角度からのクランク位相角の情報を含むものであるので、クランク軸5の回転開始時において、停止時行程情報を参照することにより、クランク角センサ7により基点角度を検出する前に、基点角度をゼロとしたクランク位相角を把握することができる。そして、基点角度からのクランク位相角を停止時行程情報として記録することで、クランク軸5の回転開始時から制御タイミングを細かく設定することができる。即ち、停止時行程情報としてクランク位相角を記録することで、行程自体を記録するよりも詳細な情報を得ることができ、細やかな制御又は判断に利用することができる。
また、電源OFF指令が出されてからクランク軸5の回転停止時の行程を不揮発性メモリ26に記録するまで、ECU20への給電が維持されるので、クランク軸5の回転停止時の行程を不揮発性メモリ26に記録するまでに、ECU20への給電が停止されることを防止できる。給電制御装置30は、電源OFF指令が出されてから所定の待機時間の経過後にECU20への給電を停止するので、電源OFF指令後にエンジンEのクランク角が慣性等で変化した場合にも、当該変化が待機時間中に生じたものであれば、エンジンEの停止時における実際の最終行程を不揮発性メモリ26に正確に記録することができる。
また、早期の行程判別が実現されることから、吸気行程以外の行程での無用な燃料噴射を削減することができ、排ガス改善に寄与することができるとともに、燃焼行程以外の行程での無用な点火を無くすことができ、燃焼行程以外の行程で未燃ガスが着火することを防止できる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係るエンジンの停止時行程の記録手順を説明するフローチャートである。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。図5に示すように、ステップS1〜S3は、図2(第1実施形態)のステップS1〜S3と同じである。ステップS3にてエンジン制御が停止すると、ECU20は、クランク軸5の回転が停止したか否かを判定する(ステップS21)。例えば、ECU20は、クランク角検出部21で検出されるクランク角度の変化が無くなった場合(例えば、クランク角センサ7から所定時間以上にわたってパルス信号を受信しない場合等)に、クランク軸5の回転が停止したと判定する。Noの場合には、ステップS4に戻る。Yesの場合には、記録制御部25は、最新の行程(クランク角度)を停止時行程情報として不揮発性メモリ26に記録し(ステップS5)、ECU20から記録完了の通知を受けた給電制御装置30が、ECU20への給電を停止する(ステップS6)。
即ち、給電制御器30は、記録制御器25がクランク軸5の回転停止時の行程を不揮発性メモリ26に記録するまで、ECU20への給電を維持する。この構成によれば、クランク角度の変化が無くなることを確認してからECU20への給電を停止するので、電源OFF指令後にエンジンEのクランク角度が慣性等で変化した場合にも、エンジンEの停止時における実際の最終行程を正確に記録することができる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係るエンジン始動時の行程判別及びエンジン制御の手順を説明するフローチャートである。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。本実施形態のステップS11〜S15及びステップS16〜S19の各内容は、第1実施形態のステップS11〜S15及びステップS16〜19の各内容と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図6に示すように、判定部23は、不揮発性メモリ26から読み出した停止時行程情報と、クランク角検出部21で検出されるクランク角度とに基づいて、クランク位相角を求め(ステップS15)、そのクランク位相角が補正タイミングであるか否かを判断する(ステップS31)。例えば、補正タイミングは、クランク角センサ7がロータ6の欠落部を検出した時点、即ち、クランク角度の基点角度を検出した時点とする。ステップS31でYesの場合は、判定部23は、補正タイミングでのクランク位相角が0°又は360°でないときは、そのクランク位相角を0°又は360°のいずれか近い方の値に補正し(ステップS32)、ステップS15に戻る。ステップS31でNoの場合には、判定部23は、クランク位相角がエンジン制御タイミングであるか否かを判断する(ステップS33)。具体的には、判定部23は、点火時期又は燃焼噴射時期であるかを判断する。Yesの場合は、エンジン制御部24が点火又は燃焼噴射を実施し(ステップS16)、Noの場合は、ステップS15に戻る。以上のようにすれば、エンジン始動時において最初の燃焼行程が実施されたと判定される前から、クランク位相角の精度を高めることができる。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係るエンジン始動時の行程判別及びエンジン制御の手順を説明するフローチャートである。図8は、第4実施形態に係るエンジン始動時の燃料噴射及び点火の時期を説明するタイミングチャートである。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。本実施形態のステップS11〜S15及びステップS16〜S19の各内容は、第1実施形態のステップS11〜S15及びステップS16〜19の各内容と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図7及び8に示すように、判定部23は、不揮発性メモリ26から読み出した停止時行程情報と、クランク角検出部21で検出されるクランク角度とに基づいて、クランク位相角を求め(ステップS15)、所定の始動性向上条件が成立したか否かを判定する(ステップS41)。始動性向上条件は、外気温度が所定値(例えば、10度)未満の低温であるとの条件、前回のエンジン停止時から今回のエンジン始動時までの時間が所定時間以上の長時間であるとの条件、運転者から始動性向上を要求する入力がなされたとの条件のうち少なくとも1つの条件を含む。
ステップS41でYesの場合、エンジン制御部24は、燃料噴射量を増加させるタイミングを決定し(ステップS42)、燃料噴射制御を含むエンジン制御を行う(ステップS43)。本実施形態では、エンジン制御部24は、吸気行程以外の行程、例えば、クランク軸5の始動直後を、燃料噴射量を増加させるタイミングとして決定する(図8参照)。これにより、始動性向上条件の成立時には、始動性向上条件の非成立時に比べて1サイクルあたりの燃料噴射量が増加することになる。その結果、正確な行程判別により無用な燃料噴射を削減しながらも、適切な時期での燃料噴射量の増量によりエンジンの始動性を向上させることができる。なお、ステップS42では、燃料噴射量を増加させるタイミングを吸気行程とし、吸気行程での燃料噴射量を一時的に増量するようにしてもよい。
また、ステップS43のエンジン制御では、前述の制御に代えて又は加えて、公知の燃料カット制御を実施しないとの制御内容を含んでもよいし、点火時期を遅角するとの制御内容を含んでもよい。エンジン始動時に燃料カット制御を実施しないことで、始動性の低下を防ぐことができ、また、エンジン始動時の点火時期を遅角することで、クランク軸5の慣性が大きくなってから混合気を燃焼させて始動性を向上させることができる。
(第5実施形態)
図9は、第5実施形態に係るエンジン始動時のエンジン制御の手順を説明するフローチャートである。本実施形態のエンジン制御は、第1実施形態のステップS16(燃焼前エンジン制御)の制御内容のバリエーションである。図9に示すように、エンジン制御部24は、クランク角検出部21からの情報からクランク角速度を算出する(ステップS51)。次いで、エンジン制御部24は、そのクランク角速度が所定値より大きいか否かを判定する(ステップS52)。Yesの場合、エンジン制御部24は、点火時期において点火を実施する(ステップS53)。Noの場合、エンジン制御部24は、点火時期において点火を行わない。このようにすれば、キックスタート時において、クランク角速度が小さいために最初の燃焼でクランク軸5が不意に勢いよく反転する現象(いわゆるケッチン(Kickback in starting the engine))の発生を防止することができる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第6実施形態)
図10は、第6実施形態に係るエンジン停止時の停止時行程の記録手順を説明するフローチャートである。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。本実施形態のステップS1〜S3及びS6の各内容は、第1実施形態のステップS1〜S3及びS6の各内容と同様であるため、詳細な説明を省略する。図10に示すように、判定部23は、エンジン制御部24によりエンジン制御が停止された後に、クランク軸5の回転が停止するときのクランク位相角を推定する(ステップS54)。その推定に際しては、エンジンのポンピングロスを考慮して、エンジン制御停止時のクランク角速度及び角加速度に基づいてクランク軸の回転が停止するときのクランク位相角を推定するようにしてもよい。そして、判定部23は、その推定されたクランク位相角を停止時行程情報として不揮発性メモリ26に記録する(ステップS55)。このようにすれば、エンジン制御が停止してから待機時間を待たずにECU20への給電を停止することができる。
(他の例)
なお、本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、その構成を変更、追加、又は削除することができる。前記各実施形態は互いに任意に組み合わせてもよく、例えば1つの実施形態中の一部の構成又は方法を他の実施形態に適用してもよい。
本発明は、装置及び方法に限られず、行程判別方法又はエンジン制御方法を実行するためのプログラムでもよい。即ち、既に販売された乗り物に搭載された制御装置に、当該プログラムを記憶(例えば、ダウンロード)させてもよい。本発明は、燃焼状態を制御可能なエンジン制御装置全般に適用することができる。自動二輪車用に限らず、不整地走行車、ユーティリティビークル、小型滑走艇、自動車等に搭載されるエンジン制御装置にも適用可能である。特に、燃費向上や排ガスに含まれる大気汚染物質の低減が望まれるエンジンに好適に適用される。
前述した実施形態では、4ストロークエンジンを例示したが、2ストロークエンジンが用いられてもよい。即ち、前述した行程判別手法によれば、クランク軸が1回転で全ての行程が終了するエンジンにおいて、基点角度を判断する前から行程判別することができ、エンジン始動時における初期の制御を精度良く行うことができる。
不揮発性メモリ26に記録される停止時行程情報は、行程を判別可能なクランク位相角の代わりに、行程情報自体でもよい。例えば、停止時行程情報は、表回転(クランク位相角=0°以上360°未満)又は裏回転(クランク位相角=360°以上720°未満)の何れの行程であるかの情報でもよい。そうすれば、基点角度に到達したときに、その基点角度が表回転か裏回転かを判断することができ、燃焼行程に達するまでに行程判別を行うことができる。
電力が供給し続けられなくても停止時行程情報を記憶できる構造として、不揮発性メモリに代えて、機械式のカウンタを用いてもよい。具体的には、行程ごとにカウンタ構造が変化する機械式のカウンタ構造を形成し、電力供給が停止したとしても、カウンタ構造が保持されるようにしてもよい。これにより、エンジン始動時に、既に保持されているカウンタ構造を読み取ることで、停止時行程を把握することができる。例えば、カウンタ構造は、基点角度に対するクランク位相角を機械的に保持する構成としてもよい。
クランク角センサは、基点角度と、基点角度からの角度が求められる構成であればよく、ホールICセンサなど電磁ピックアップ式以外の形式の角度センサであってもよい。前述した実施形態では、インクリメント型のクランク角センサを用いてクランク角度を求めたが、アブソリュート型のクランク角センサを用いてクランク角度を求めてもよい。具体的には、4サイクルエンジンの場合、アブソリュート型のクランク角センサのみでは、インクリメント型のクランク角センサと同様に、クランク軸が回転し始めた時の初期行程を判別することができないが、前述した行程判別手法を用いることで、初期行程を判別することができる。また、クランク角度はカム角センサを用いて求められてもよい。カム角センサにおいても、それだけでは欠落部(ノッチ)を用いて基点角度を検出するまでは正確に行程判断できないが、前述した行程判別手法を用いることで、欠落部の検出前に行程判別して、早期に適切な制御を行うことができる。
前述した実施形態では、エンジンEの運転中の行程判別は、吸気圧検出部22で検出される吸気圧に基づいて行われたが、吸気圧以外の物理量に基づいて行われてもよい。例えば、行程変化に応じてエンジン振動が変化する揚合には、エンジン振動を検出することによって行程を判別してもよい。具体的には、燃焼時の爆発によって生じる振動を検出することで、燃焼行程を判断してもよい。また、クランク角速度の時間変化に基づいて行程を判別してもよい。具体的には、燃焼行程でクランク角速度の変化が大きくなるので、クランク角速度の時間変化が極大となったときを燃焼行程と判断してもよい。この場合、燃焼行程でのクランク角速度の時間変化が大きくなるように、複数の気筒のうち爆発させる気筒数を減らすよう制御してもよい。例えば、各気筒の行程が180°ずれた4気筒エンジンの場合には、上死点に達する2つの気筒のうち一方を不燃状態とすることで、行程判断を行いやすくしてもよい。その他、燃焼によって変化する他の物理量として、排気圧又は排気温度を用いてもよい。
E エンジン
5 クランク軸
13 燃料インジェクタ
15 点火装置
23 判定部(判定器)
24 エンジン制御部(エンジン制御器)
25 記録制御部(記録制御器)
26 不揮発性メモリ(記憶装置)
27 行程判別装置
28 制御装置
30 給電制御装置(給電制御器)

Claims (9)

  1. 少なくともクランク角度に基づいてエンジンの運転中の行程を判定する判定器と、
    クランク軸が回転停止したときの行程を認識するための停止時行程情報を記憶装置に記録する記録制御器と、を備え、
    前記判定器は、
    前記エンジンの燃焼前における前記クランク軸の回転開始時は、前記記憶装置に記録された前記停止時行程情報に基づいて行程を判定する燃焼前行程判別を行い、
    前記エンジンの気筒内の燃焼によって変化する物理量に基づいて、前記クランク軸の回転開始後に前記エンジンで最初の燃焼行程が実施されたか否かを判定し、
    前記最初の燃焼行程が実施されたと判定されると、前記エンジンの気筒内の燃焼によって変化する物理量に基づいて、前記エンジンの運転中の行程を判定する燃焼後行程判別を行う、エンジンの行程判別装置。
  2. 前記判定器は、前記エンジンの気筒内の燃焼によって変化する物理量としての前記エンジンの吸気圧に基づいて、前記クランク軸の回転開始後に前記エンジンで最初の燃焼行程が実施されたか否かを判定する、請求項1に記載のエンジンの行程判別装置。
  3. 前記エンジンは、4ストロークエンジンであり、
    前記判定器は、前記クランク軸の回転開始後に前記エンジンの吸気圧が所定の閾値未満であることが検出されると、現在が吸気行程であり且つその2行程前に前記最初の燃焼行程が実施されたと判定する、請求項2に記載のエンジンの行程判別装置。
  4. 前記記録制御器は、
    電源OFF指令が出されてから所定の待機時間が経過したと判定されると、前記待機時間の経過時の行程又はクランク位相角を停止時行程情報として前記記憶装置に記録する、又は、
    前記エンジンのクランク角度の変化が無くなったと判定されると、最新の行程又はクランク角度を前記停止時行程情報として前記記憶装置に記録する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエンジンの行程判別装置。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のエンジンの行程判別装置と、
    前記行程判別装置の前記判定器の判定結果に基づいて前記エンジンを制御するエンジン制御器と、を備える、エンジンの制御装置。
  6. 前記エンジン制御器は、エンジン始動時に前記エンジンのクランク角速度が所定値より大きいと判定されると、点火時期において点火を実施し、エンジン始動時に前記クランク角速度が前記所定値よりも大きくないと判定されると、点火時期において点火を行わない、請求項に記載のエンジンの制御装置。
  7. 前記エンジン制御器は、所定の始動性向上条件が成立すると、前記始動性向上条件の非成立時に比べて1サイクル内の燃料噴射量を増加させ、
    前記始動性向上条件は、前回のエンジン停止時から今回のエンジン始動時までの時間が所定時間以上の長時間であるとの条件、又は、運転者から始動性向上を要求する入力がなされたとの条件を含む、請求項又はに記載のエンジンの制御装置。
  8. 少なくともクランク角度に基づいてエンジンの運転中の行程を判定する判定器と、クランク軸が回転停止したときの行程を認識するための停止時行程情報を記憶装置に記録する記録制御器と、を有する行程判別装置と、
    前記行程判別装置の判定結果に基づいて前記エンジンを制御するエンジン制御器と、を備え、
    前記判定器は、前記記憶装置に記録された前記停止時行程情報に基づいて前記クランク軸が回転開始したときの行程を判定し、
    前記エンジン制御器は、エンジン始動時に前記エンジンのクランク角速度が所定値より大きいと判定されると、点火時期において点火を実施し、エンジン始動時に前記クランク角速度が前記所定値よりも大きくないと判定されると、点火時期において点火を行わない、エンジンの制御装置。
  9. 少なくともクランク角度に基づいてエンジンの運転中の行程を判定する行程判定工程と、
    クランク軸が回転停止したときの行程を認識するための停止時行程情報を記録する記録工程と、を備え、
    前記判定工程は、
    前記エンジンの燃焼前における前記クランク軸の回転開始時は、前記記録された前記停止時行程情報に基づいて行程を判定する燃焼前行程判別を行い、
    前記エンジンの気筒内の燃焼によって変化する物理量に基づいて、前記クランク軸の回転開始後に前記エンジンで最初の燃焼行程が実施されたか否かを判定し、
    前記最初の燃焼行程が実施されたと判定されると、前記エンジンの気筒内の燃焼によって変化する物理量に基づいて、前記エンジンの運転中の行程を判定する燃焼後行程判別を行う、エンジンの行程判別方法。
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