JP6481587B2 - スイッチトリラクタンスモータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スイッチトリラクタンスモータの制御装置に関する。
特許文献1には、スイッチトリラクタンスモータの制御方法として、低負荷時、中負荷時、高負荷時の各制御モードで励磁開始角および励磁終了角を切り替えることが開示されている。特許文献1の構成では、スイッチトリラクタンスモータの運転効率とエネルギー密度を改善するために、上述した制御方法を実行する制御装置を備えている。
特開2013−240200号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、励磁区間内の電流の立上げ時と立下げ時との間において、印加電圧が電流の立上げ時と同じ大きさで一定のため、その間の励磁電流の変化勾配が急峻になってしまう。スイッチトリラクタンスモータの駆動時、励磁電流の変化勾配が急峻になると、起振力の変化が大きくなり、振動と騒音が悪化する虞がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、励磁区間内における電流の立上げ時と電流の立下げ時の間で、適切な印加電圧の大きさに制御し、振動と騒音を低減できるスイッチトリラクタンスモータの制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、スイッチトリラクタンスモータの制御装置において、励磁区間内における電流立上げ区間と電流立下げ区間との間のヒステリシス区間で、前記スイッチトリラクタンスモータに印加する電圧を昇圧する必要があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により昇圧は必要ないと判定された場合、前記ヒステリシス区間で印加電圧の昇圧を行わない制御を実行する制御手段とを備えていることを特徴とする。
本発明では、スイッチトリラクタンスモータの制御装置において、励磁区間内における電流の立上げ区間と電流の立下げ区間の間のヒステリシス区間で、印加電圧の昇圧が必要であるか否かを判定し、適切な印加電圧の大きさに制御することができる。ヒステリシス区間で印加電圧を昇圧しない制御を実行することによって、電流が急激に変化することを抑制でき、起振力の変化が大きくなることを抑制でき、振動と騒音を低減させることができる。
図1は、本発明の実施形態におけるスイッチトリラクタンスモータの制御装置のシステム構成を示す概略図である。 図2は、インバータ回路の一例を示す説明図である。 図3は、制御装置が実行するモータ制御の一例を示すフローチャートである。 図4(a)は、制御装置がヒステリシス区間で電圧を昇圧しない制御を実行した場合の電圧波形および電流波形を示す図である。図4(b)は、制御装置が全励磁区間で電圧を昇圧する制御を実行した場合の電圧波形および電流波形を示す図である。 図5は、SRモータの特性を示すマップである。 図6は、ヒステリシス区間で必要な昇圧が行われなかった場合の電圧波形と電流波形を説明するための図である。 図7は、制御装置が実行するモータ制御の変形例を示すフローチャートである。 図8は、適用例1の車両を示すスケルトン図である。 図9は、適用例2の車両を示すスケルトン図である。 図10は、適用例3の車両を示すスケルトン図である。 図11は、適用例4の車両を示すスケルトン図である。 図12は、適用例5の車両を示すスケルトン図である。 図13は、適用例6の車両を示すスケルトン図である。 図14は、適用例7の車両を示すスケルトン図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態におけるスイッチトリラクタンスモータの制御装置について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるシステム構成例を示す概略図である。本実施形態のシステム構成は、スイッチトリラクタンスモータ(SRM)1と、インバータ2と、昇圧部3と、バッテリ4と、制御装置100とを含む。
スイッチトリラクタンスモータ(以下「SRモータ」という)1は、発電機およびモータとして機能するものであり、インバータ2および昇圧部3を介してバッテリ4と電気的に接続されている。昇圧部3は、インバータ2とバッテリ4との間に設けられており、SRモータ1に印加する電圧を昇圧するものである。例えば、昇圧コンバータにより昇圧部3が構成される。制御装置100は、SRモータ1を制御するものであり、CPUや記憶部を有する電子制御装置(ECU)によって構成されている。制御装置100は、インバータ2と昇圧部3を制御することによって、SRモータ1を制御するように構成されている。
図2は、インバータ回路の一例を示す説明図である。まず、インバータ2と電気的に接続されたSRモータ1は、ステータ10と、ロータ20とを備えている。
ステータ10は、環状の内周部に突極としてのステータ歯11を複数備えている。SRモータ1では、一対のステータ歯11,11によって1つの相を成すため、ステータ10には、三相のうち1つの相をなす一対のステータ歯11,11が、径方向で対向する位置となるように三組設けられている。各ステータ歯11には、インバータ2に接続されたコイル12が巻き付けられている。
ロータ20は、ステータ10の径方向内側に配置されて、環状の外周部に突極としてのロータ歯21が複数設けられている。ロータ20は、図示しないロータ軸と一体回転するように構成されている。要は、ステータ10およびロータ20は、いずれも周知の突極構造に形成されている。SRモータ1は、図2に示す例では、六極のステータ10と四極のロータ20とにより構成されている。
また、SRモータ1は、三相交流式であるため、一対のステータ歯11a,11aとコイル12aによるA相、一対のステータ歯11b,11bとコイル12bによるB相、一対のステータ歯11c,11cとコイル12cによるC相とを含むように構成されている。ロータ20は、一対のロータ歯21x,21xと、一対のロータ歯21y,21yを備える。
次に、インバータ2の電気回路(インバータ回路)は、三相交流を通電できるように6つのスイッチング素子を備え、それぞれのコイル12に対して相毎に電流を印加するように構成されている。図2に示すインバータ回路では、スイッチング素子としてのトランジスタTrを有し、各相とも2つのトランジスタと2つのダイオードで構成される。インバータ2は、それぞれの相において、2つのトランジスタを同時にオン又はオフにすることで、コイル12に流れる電流値を変更する。インバータ2は、図2に示す例では、A相においては、トランジスタTra1,Tra2とダイオードDa1,Da2を備える。B相においては、トランジスタTrb1,Trb2とダイオードDb1,Db2を備える。C相においては、トランジスタTrc1,Trc2とダイオードDc1,Dc2を備える。
制御装置100は、非励磁対象のステータ歯11とこれに最も近づいてきているロータ歯21との位置関係に基づいて、そのステータ歯11のコイル12に対する電流の印加を始める。制御装置100には、SRモータ1の回転数を検出する回転数センサ51からの信号が入力される。制御装置100は、各種のプログラムが格納された記憶部を有し、回転数センサ51から入力される信号に基づいてSRモータ1を制御するめの各種の演算を行い、インバータ2と昇圧部3とに指令信号を出力する。
SRモータ1は、ある相のコイル12に電流を印加してステータ歯11を励磁させ、ステータ歯11とステータ歯11の近くのロータ歯21との間に磁気吸引力を発生させることで、SRモータ1のトルクが発生する。磁気吸引力は、周方向と径方向の分力に分解できる。その周方向の分力は、回転力である。径方向の分力は、ラジアル力である。つまり、周方向の分力がロータ20に作用することによってモータトルクが発生する。例えば、ステータ歯11とロータ歯21とが周方向で完全に重なる位置となる場合(ステータ歯11とロータ歯21とが径方向で完全に対向する位置となる場合)、磁気吸引力は径方向のみに作用することになる。すなわち、そのロータ歯21には回転力が作用せずラジアル力のみが作用する。
また、SRモータ1は、制御装置100の制御によって、電流印加中の相のコイル12に対する通電を止め、通電対象を別の相のコイル12に切り替えて、新たな相のステータ歯11と近くのロータ歯21との間に径方向と周方向の分力を持つ磁気吸引力を発生させる。制御装置100では、回転数センサ51の信号から、ステータ歯11とロータ歯21との位置関係(回転方向の相対位置)に基づいて、通電対象の切り替えを相毎に繰り返す制御を実行することによって、ロータ20を回転運動させる。なお、制御装置100は、コイル12への電流の印加に伴って励磁対象になっているステータ歯11が、ロータ歯21と径方向で対向して完全に重なった位置となったとき、または完全に重なる前後に、コイル12への通電停止による非励磁対象とし、その後、次のロータ歯21が所定の位置まで近づいてきたときに、再び励磁対象とするように制御可能である。
ところで、SRモータ1では、騒音と振動を低減することが求められる。磁気吸引力における径方向の分力(ラジアル力)が騒音や振動の要因になっている。騒音について、駆動中のSRモータ1で生じる音圧は、ラジアル力が大きくなるにつれて高くなっていく。振動について、SRモータ1に作用するラジアル力が大きくなると、ステータ10やロータ20の変位が大きくなる。そこで、制御装置100は、ラジアル力を低減させることによって、SRモータ1の騒音や振動を低減させるモータ制御を実行するように構成されている。
図3は、制御装置100が実行するモータ制御の一例を示すフローチャートである。制御装置100は、SRモータ1への印加電圧を決定する際に用いる情報を読み込む(ステップS1)。その情報には、回転数センサ51から入力されるレゾルバ信号が含まれる。SRモータ1が車両に搭載される場合、アクセル開度センサから入力されるアクセル開度信号や、車速センサから入力される車速信号などが、ステップS1の情報に含まれる。
制御装置100は、ステップS1で読み込んだ情報を用いて、SRモータ1の回転数(SRM回転数)を演算し(ステップS2)、SRモータ1のトルク指令値(SRM指令トルク)を導出する(ステップS3)。ステップS2では、回転数センサ51からのレゾルバ信号に基づいて、モータ回転数を演算する。ステップS3では、ステップS1で読み込んだ要求トルクに関する情報に応じたSRモータ1のトルク指令値を導出する。SRモータ1が走行用動力源として車両に搭載されている場合、ステップS3では、アクセル開度信号と車速信号と所定の要求トルク用マップとを用いて、要求トルクを演算し、その要求トルクに応じたモータトルク指令値を導出する。
制御装置100は、ステップS2のモータ回転数と、ステップS3のモータトルク指令値とに基づいて、励磁区間内のヒステリシス区間を決定する(ステップS4)。励磁区間とは、励磁対象のコイル12に電流を印加する区間である。その励磁区間は、電流立上げ区間、ヒステリシス区間、電流立下げ区間の三つの区間からなる。ヒステリシス区間とは、電流立上げ区間と電流立下げ区間との間の区間のことである。なお、ヒステリシス区間の決定方法は周知の方法であってよい。
制御装置100は、全励磁区間のうちヒステリシス区間において、SRモータ1に印加する電圧を昇圧する必要があるか否かを判定する(ステップS5)。制御装置100は、ステップS5の判定処理を実行する判定部を含む。ステップS5では、ステップS2のモータ回転数(回転角度)とインダクタンスとの関係を示す所定のマップを用いて、励磁電圧が要求トルクを満たすために必要な電圧(所定値)を満たすか否かを判定するように構成されてもよい。この場合には、その励磁電圧が所定値よりも小さい場合には、昇圧部3での電圧の昇圧が必要になる。一方、その励磁電圧が所定値よりも大きい場合には、昇圧部3での昇圧は必要なしと判断される。また、ステップS5の他の例として、制御装置100の判定部は、モータ回転数が所定値以下の低速回転であり、かつ要求パワーが所定値以下の低出力要求時であるか否かを判定するように構成されてもよい。この場合、モータ回転数が所定値以下の低速、かつ要求パワーが所定値以下の低出力の場合、ステップS5で肯定的に判定される。
SRモータ1が走行用動力源として車両に搭載されている場合、ステップS5では、回転数センタ51からのレゾルバ信号と、要求パワーとに基づいて、SRモータ1が高速回転、かつ要求パワーが高出力であるか否かを判定する。要求パワーは、上述した要求トルクと、車速センサからの車速信号と、所定の要求パワー用マップとを用いて導出することができる。つまり、この場合のステップS5では、車両が高車速、かつ高負荷の走行状態であるか否かを判定するように構成されてもよい。
ヒステリシス区間での昇圧が必要ないことによりステップS5で否定的に判定された場合、制御装置100は、励磁区間のうち電流の立上げ区間と立下げ区間とでのみ電圧を昇圧し、かつヒステリシス区間では電圧を昇圧しない制御を実行する(ステップS6)。すなわち、制御装置100は、全励磁区間のうちヒステリシス区間のみ電圧の昇圧を行わないように制御する。制御装置100は、ステップS6の制御を実行する制御部を含む。例えば、制御部は、ヒステリシス区間において昇圧部3での昇圧を禁止する制御を実行し、SRモータ1の印加電圧を昇圧なしに制御するように構成されてもよい。なお、ステップS6の制御を実行した場合の印加電圧と電流との関係を後述する図4(a)に示す。
ヒステリシス区間での昇圧が必要であることによりステップS5で肯定的に判定された場合、制御装置100は、全励磁区間で電圧を昇圧する制御を実行する(ステップS7)。ステップS7では、電流立上げ区間と、ヒステリシス区間と、電流立下げ区間とにおいて、昇圧部3で昇圧された電圧をSRモータ1に印加することになる。なお、ステップS7の制御を実行した場合の印加電圧と電流との関係を後述する図4(b)に示す。
図4は、制御装置100によるモータ制御を実行した場合の電圧波形および電流波形を示す図である。図4(a)には、制御装置100がヒステリシス区間で電圧を昇圧しない制御を実行した場合の電圧波形および電流波形を示す。図4(b)には、制御装置100が全励磁区間で電圧を昇圧する制御を実行した場合の電圧波形および電流波形を示す。
図4(a)に示すように、あるロータ歯21が電流立上げ区間(所定の角度範囲)に入ったとき、すなわち励磁開始角(励磁ON角)となったとき、制御装置100は、励磁対象となるステータ歯11のコイル12に対して電流の立上げを開始する。制御装置100は、回転数センサ51から入力された信号に基づいてロータ20の回転角度が励磁ON角となった場合、対象となるコイル12へ電流を通電し始める。電流立上げ区間では、SRモータ1に印加する電圧が、昇圧部3によって昇圧された電圧Vである。そして、ロータ歯21がヒステリシス区間に入ると、制御装置100は、昇圧部3での昇圧を行わないように制御し、SRモータ1への印加電圧を昇圧なしの電圧Vに制御する。昇圧なしの電圧Vを印加した場合、電流の上昇率は、昇圧後の電圧Vを印加した場合よりも小さくなる。その制御が実行された場合、ヒステリシス区間内の電流変化は、電流立上げ区間内の電流変化よりも緩やかになる。図4(a)に示すヒステリシス区間内での電流変化は、後述する図4(b)に示すヒステリシス区間内での電流変化よりも緩やかになる。これにより、ヒステリシス区間内において、電流波形の勾配が急峻になることを抑制できるとともに、その変化勾配が緩やかになることによりスイッチング回数を低減させることができる。また、ロータ歯21が電流立下げ区間に入ったとき、すなわち励磁終了角(励磁OFF角)になったとき、制御装置100は、上述した励磁対象のステータ歯11のコイル12に対して印加中の電流を立下げ始める。電流立下げ区間において、制御装置100は、SRモータ1に負の電圧(絶対値の大きさが昇圧後電圧Vとなる)を印加するように制御する。
図4(b)に示すように、全励磁区間で電圧を昇圧する場合には、ヒステリシス区間において、電流変化が急峻になる。また、電流変化が急峻であることにより、ヒステリシス区間内で複数回スイッチングを行うことになる。なお、電流立上げ区間と電流立下げ区間とについては、上述した図4(a)に示す場合と同様である。
ここで、制御装置100が、所定の励磁条件に応じてヒステリシス区間で、昇圧なしの電圧Vを印加する制御と、昇圧後の電圧Vを印加する制御とを使い分けるように構成されている技術的な意義について説明する。図5は、SRモータ1の特性を示すマップである。図5に示すように、SRモータ1の回転数が高回転数の場合、出力可能なトルクは、定格トルクよりも小さくなる。つまり、高回転数の状態で大きな要求パワーとなった場合には、SRモータ1に印加する電圧を昇圧する必要がある。仮に、そのような高速回転時に大きな要求パワーとなった場合に、上述したステップS6の電圧を昇圧しない制御を実行してしまうと、図6に破線で示すように、実線の目標電流値よりも実際の電流値が小さくなってしまう。これでは、SRモータ1に意図した励磁電流が流れないことになり、意図した磁気吸引力が発生しないことになる。つまり、トルク指令値(目標トルク)に応じたトルクがSRモータ1から出力されないことになり、出力不足になるおそれがある。なお、図6は、ヒステリシス区間で必要な昇圧が行われなかった場合の電圧波形と電流波形を説明するための図である。図6に実線で示す電圧波形および電流波形は、上述した図4(a)と同様である。
以上説明した通り、本実施形態のスイッチトリラクタンスモータの制御装置では、所定の励磁条件に応じて、励磁区間内のヒステリシス区間で印加電圧を、昇圧なしの場合と昇圧ありの場合に制御することができる。これにより、ヒステリシス区間における印加電圧の大きさが適切に制御される。よって、ヒステリシス区間で印加電圧を昇圧しない制御を実行する場合には、電流の急激な変化を抑制でき、磁気吸引力の径方向成分(ラジアル力)の変動を抑制できる。そのラジアル力は、SRモータ1における起振力となるため、上述したようにヒステリシス区間で昇圧しない制御を実行することによって、振動と騒音を低減させることができる。
なお、制御装置100は、上述した図3に示す制御フローの変形例として、図7に示す制御フローを実行するように構成されてもよい。なお、図7に示すステップS11〜S14、S17〜S19は、図3に示すステップS1〜S7と同様である。図7に示すように、制御装置100は、ステップS14でヒステリシス区間を決定すると、電流立上げ時(電流立上げ区間)と電流立下げ時(電流立下げ区間)で、SRモータ1に印加する電圧の昇圧が必要であるか否かを判定する(ステップS15)。電流立上げ時(電流立上げ区間)と電流立下げ時(電流立下げ区間)で電圧の昇圧が必要であることによりステップS15で肯定的に判定された場合、ステップS17に進む。一方、電流立上げ時(電流立上げ区間)と電流立下げ時(電流立下げ区間)で電圧の昇圧が必要ないことによりステップS15で否定的に判定された場合、制御装置100は、電流立上げ区間および電流立下げ区間において、昇圧部3での電圧の昇圧を行わない制御を実行し(ステップS16)、この制御ルーチンを終了する。
[適用車両]
また、SRモータ1を走行用駆動源として車両に搭載した場合を上述したが、その適用例として、図8〜図14に示す適用例1〜7がある。
[適用例1]
図8は、適用例1の車両を示すスケルトン図である。適用例1の車両200は、エンジン201と、車輪202と、変速機(T/M)203と、デファレンシャルギヤ204と、駆動軸205と、走行用動力源としてのSRモータ1とを備えている。車両200は、四輪駆動車であり、エンジン201が左右の前輪202FL,FRを駆動し、リヤモータであるSRモータ1が左右の後輪202RL,RRを駆動する。
エンジン201は、周知の内燃機関である。車両200のフロント側駆動装置では、エンジン201が、変速機203およびデファレンシャルギヤ204を介して左右の駆動軸205,205に接続されている。変速機203は、例えば有段や無段の自動変速機や、手動変速機である。左右の駆動軸205,205の一方は左前輪202FLに接続されており、他方は右前輪202FRに接続されている。前輪202FL,202FRは、エンジン201の出力トルク(エンジントルク)によって駆動される。なお、適用例1の車両200は、エンジン201に加えて、前輪202FL,FRを駆動させるモータ・ジェネレータ(MG)を備えていてもよい。
SRモータ1は、いわゆるインホイールモータであり、左右の後輪202RL,202RRにそれぞれ一つずつ設けられている。車両200のリヤ側駆動装置では、左後輪202RLには左後SRモータ1RLが接続され、かつ右後輪202RRには右後SRモータ1RRが接続されている。後輪202RL,202RRは、互いに独立して回転可能である。左後SRモータ1RLの出力トルク(モータトルク)によって左後輪202RLが駆動される。右後SRモータ1RRの出力トルク(モータトルク)によって右後輪202RRが駆動される。各SRモータ1RL,1RRは、インバータ2および昇圧部3を介してバッテリ(B)4に接続されている。SRモータ1は、バッテリ4から供給される電力によって電動機として機能し、および後輪202RL,202RRから伝達されるトルク(外力)を電力に変換する発電機として機能する。なお、インバータ2には、左後SRモータ1RL用の電気回路と、右後SRモータ1RR用の電気回路とが含まれる。
制御装置100は、各SRモータ1RL,1RRと、エンジン201を制御する。例えば、制御装置100には、SRモータ用制御部(SRモータ用ECU)と、エンジン用制御部(エンジンECU)とが含まれる。この場合、エンジンECUは、吸気制御、燃料噴射制御、点火制御等によって、エンジン201の出力トルクを目標とするトルク値に調節するエンジントルク制御を実行する。また、SRモータ用ECUは、回転数センサ51から入力される信号に基づいて、各SRモータ1RL,1RRについてのモータ制御を実行する。回転数センサ51には、左後SRモータ1RLの回転数を検出する左後回転数センサ51RLと、右後SRモータ1RRの回転数を検出する右後回転数センサ51RRとが含まれる。
[適用例2]
図9は、適用例2の車両を示すスケルトン図である。適用例2の車両200は、適用例1とは異なり、全ての車輪202にSRモータ1が設けられている。なお、適用例2の説明では、上述した適用例1と同様の構成については説明を省略し、その符号を引用する。
図9に示すように、SRモータ1には、前後左右に四つのインホイールモータとしてのSRモータ1FL,1FR,1RL,1RRが含まれる。左前モータ1FLは、左前輪202FLに接続されており、左前輪202FLを駆動する。右前モータ1FRは、右前輪202FRに接続されており、右前輪202FRを駆動する。左後モータ1RLは、左後輪202RLに接続されており、左後輪202RLを駆動する。右後モータ1RRは、右後輪202RRに接続されており、右後輪202RRを駆動する。各SRモータ1FL,1FR,1RL,1RRは、インバータ2および昇圧部3を介してバッテリ4に電気的に接続されている。
回転数センサ51には、左後回転数センサ51RLと、右後回転数センサ51RRと、左前モータ1FLの回転数を検出する左前回転数センサ51FLと、右前モータ1FRの回転数を検出する右前回転数センサ51FRとが含まれる。各回転数センサ51FL,51FR,51RL,51RRは、レゾルバ信号を制御装置100に出力する。
制御装置100は、各SRモータ1FL,1FR,1RL,1RRを制御する。制御装置100は、ドライバの要求トルクに基づいて、各SRモータ1FL,1FR,1RL,1RRのモータトルク指令値を決定する。制御装置100は、各SRモータ1FL,1FR,1RL,1RRの回転数とモータトルク指令値とに応じた励磁パターンとなるように各SRモータ1FL,1FR,1RL,1RRの印加電圧を制御する。
[適用例3]
図10は、適用例3の車両を示すスケルトン図である。適用例3の車両200は、上述した適用例1および適用例2の変形例であり、例えば適用例1とは異なり駆動装置の配置が前後で逆である。適用例3の車両200では、SRモータ1が左右の前輪202FL,202FRを駆動し、エンジン201が左右の後輪202RL,202RRを駆動する。なお、適用例3の説明では、上述した適用例1と適用例2と同様の構成については説明を省略し、その符号を引用する。
図10に示すように、車両200のフロント側駆動装置では、左前輪202FLには左前SRモータ1FLが接続され、かつ右前輪202FRには右前SRモータ1FRが接続されている。車両200のリヤ側駆動装置では、エンジン201が、変速機203、デファレンシャルギヤ206、左右の駆動軸207,207を介して、左後輪202RLおよび右後輪202RRに接続されている。
[適用例4]
図11は、適用例4の車両を示すスケルトン図である。適用例4の車両200は、上述した適用例1の変形例であり、適用例1とは異なりフロント側駆動装置が設けられていない後輪駆動車である。すなわち、適用例4では、上述した適用例1〜3とは異なり、車両200の走行用動力源は、インホイールモータとしてのSRモータ1のみである。なお、適用例4の説明では、上述した適用例1〜3と同様の構成については説明を省略し、その符号を引用する。
図11に示すように、車両200では、左右の前輪202FL,202FRが従動輪である。制御装置100は、リヤ側駆動装置に含まれる各SRモータ1RL,1RRからの出力トルクによって、ドライバの要求トルクを満たすように走行制御を実行する。例えば、左後SRモータ1RLの出力トルクと、右後モータ1RRの出力トルクとの分配を制御する制御を実行可能である。この場合、モータトルク指令値が左右のSRモータ1RL,1RRに均等に振り分けられてもよい。
[適用例5]
図12は、適用例5の車両を示すスケルトン図である。適用例5の車両200は、上述した適用例4の変形例であり、適用例4同様に走行用動力源はSRモータ1のみであるが、適用例4とは異なりSRモータ1がインホイールモータではない。なお、適用例5の説明では、上述した適用例1〜4と同様の構成については説明を省略し、その符号を引用する。
図12に示すように、適用例5の車両200は、走行用動力源として1つのSRモータ1のみを備え、そのSRモータ1によって左右の後輪202RL,202RRを駆動する。SRモータ1は、デファレンシャルギヤ206および左右の駆動軸207,207を介して、左後輪202RLおよび右後輪202RRに接続されている。
制御装置100は、ドライバの要求トルクに基づいて、要求トルクを満たせるSRモータ1のモータトルク指令値を算出する。例えば、制御装置100は、デファレンシャルギヤ206の減速比に基づいて、後輪202RL,202RRの合計軸トルクを要求トルクと等しくするように、SRモータ1のモータトルク指令値を決定する。
[適用例6]
図13は、適用例6の車両を示すスケルトン図である。適用例6の車両200は、上述した適用例1および適用例5の変形例であり、適用例5とは異なりフロント側駆動装置として適用例1の構成が搭載されている。なお、適用例6の説明では、上述した適用例1〜5と同様の構成については説明を省略し、その符号を引用する。
図13に示すように、車両200は、エンジン201を含むフロント側駆動装置と、リヤモータとしてのSRモータ1を含むリヤ側駆動装置とを備える。フロント側駆動装置では、エンジン201が、変速機203およびデファレンシャルギヤ204を介して左右の駆動軸205,205に接続されている。リヤ側駆動装置では、SRモータ1が、デファレンシャルギヤ206および左右の駆動軸207,207を介して、左後輪202RLおよび右後輪202RRに接続されている。
[適用例7]
図14は、適用例7の車両を示すスケルトン図である。適用例7の車両200は、上述した適用例3および適用例4の変形例である。例えば、適用例7は、適用例3とは異なりリヤ側駆動装置が設けられていない、あるいは適用例4とは異なり駆動装置の配置が前後で逆である。なお、適用例7の説明では、上述した適用例1〜6と同様の構成については説明を省略し、その符号を引用する。
図14に示すように、適用例7の車両200は、前輪駆動車である。フロント側駆動装置では、インホイールモータであるSRモータ1FL,1FRが左右の前輪202FL,202FRを駆動する。
1 スイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)
2 インバータ
3 昇圧部
4 バッテリ
10 ステータ
11 ステータ歯
12 コイル
20 ロータ
21 ロータ歯
51 回転数センサ
100 制御装置

Claims (1)

  1. インバータおよび昇圧部を介してバッテリと電気的に接続されているスイッチトリラクタンスモータの制御装置において、
    励磁区間内における電流立上げ区間と電流立下げ区間との間のヒステリシス区間で、前記スイッチトリラクタンスモータに印加する電圧を前記昇圧部によって昇圧する必要があるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記ヒステリシス区間での昇圧は必要ないと判定された場合、前記電流立上げ区間および前記電流立下げ区間でのみ前記昇圧部による印加電圧の昇圧を行い、かつ前記ヒステリシス区間では前記昇圧部による印加電圧の昇圧を行わない制御を実行する制御手段とを備え
    前記制御手段は、前記判定手段により前記ヒステリシス区間での昇圧が必要であると判定された場合、前記電流立上げ区間、前記ヒステリシス区間、前記電流立下げ区間の全励磁区間で前記昇圧部による印加電圧の昇圧を行う制御を実行する
    とを特徴とするスイッチトリラクタンスモータの制御装置。
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