JP6478603B2 - 面形状測定方法及び面形状測定装置 - Google Patents

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Description

本発明はレンズに代表される光学素子、またはそれに類する構造物の三次元形状を測定する形状測定装置の測定方法に関する。
光の波長以下の加工精度、形状精度が要求される対象物としてレンズ等の光学素子がある。このような高い精度が要求される対象物は、接触式または非接触式の形状測定装置で形状を計測し、加工精度、形状精度が満たされているかどうかを評価することが広く行われている。
光学素子は、軸対称で非球面の形状のものが多い。このような軸対称非球面の光学素子を製造する際には、まず所望の軸対称非球面の設計形状を決定し、その設計形状に従って加工が行われ、光学素子を得る。この光学素子の形状を形状測定装置で測定し、測定データと設計形状のデータとを比較することで、光学素子のできを評価する。
軸対称非球面の設計形状は、対象物の回転中心軸の一点を原点とし、原点から端に向かう径方向の座標に対する高さ方向の座標を表す多項式として表現される。
測定データと多項式で表わされる設計形状のデータとを比較するためには、まず被測定物(以下ワークと呼ぶことがある)の回転中心軸を通り、径に沿った二次元の断面を測定(以下、断面測定と呼ぶことがある)し測定データを得ることが求められる。
ワークが理想的な軸対称の形状である場合、ワークの回転中心軸を通り、径に沿った断面の形状はどの方向でも同じ形状となる。したがってこのような理想的なワークの場合は形状の測定データをただ一つ得れば十分である。
しかし、実際には加工工程における加工誤差などが原因で完全に軸対称な仕上がりのワークが得られることは稀である。このような現実のワークの形状は、軸対称な設計形状に対し、部分的な凹凸などの非軸対称な形状誤差が含まれている場合が多い。
したがって現実的にはひとつの方位の測定データだけでは、ワークの形状を正しく評価することができない。
そこで従来、プローブをワークに対して一方向に走査する機構とワークが載置される回転ステージを使用して複数の方位に対するワークの測定データを得てそれらの合成データからワークの形状を評価する形状測定装置があった。このような形状測定装置は、ワークを回転させながら複数の同心円状のデータを得たり、螺旋状に測定したりすることで、ワークの形状を取得して評価することもできる。(特許文献1)
このような、形状測定装置では、直交ステージ機構に設けられたプローブの座標と回転ステージの回転角に基づき、ワーク回転ステージの回転軸上を原点とした直交座標系へと測定データを座標変換する。なお、この座標変換は回転ステージの回転軸とワークの回転軸とを十分な位置合わせがなされており、その上でプローブと回転ステージの回転軸も十分な精度で位置調整されていることを前提としている。
そのため、直交ステージ機構でプローブを回転ステージの回転軸に対して厳密に配置する調整工程が必要であった。上述したような光の波長以下の精度で機械的精度を追求すると、さらに精度の高い位置計測装置を別途設ける必要があるなど装置が大掛かりになる。また、たとえ機械的精度を達成したところで温度環境や経時変化により、ずれは生じえる。
プローブを回転ステージの回転軸に厳密に配置する調整工程を行わずにワークの形状を測定する方法が特許文献2に開示されている。
すなわち、円周または螺旋状の測定を、直交ステージのプローブの座標が回転軸に対しプラスの範囲とマイナスの範囲で行うことで解決していた。この方法では、プラスの範囲で得られた形状データとマイナスの範囲で得られた形状データの差が、許容値以下となるように、プローブのオフセット量を修正しながら繰り返し補正をかけることでワーク全面の形状データを取得している(特許文献2)。しかし、この方法は、ワークを測定する工程で、プローブがプラスの範囲とマイナスの範囲で、合計2回の測定をしなければならないため、2倍の測定時間を要し生産性が低いという課題があった。
特公平07−003331号 特許第4242700号
上記事項を鑑み、一方向に走査可能なプローブと回転ステージを備えた形状測定装置にて、プローブを回転軸上に厳密に位置決めすることなく、かつ測定時間を大幅に増やさずに形状データを正確に取得することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の形状測定方法は、一方向に走査可能なプローブと回転テーブルを備えた形状測定装置を用いて、ワークの表面を前記プローブで倣い走査するとともに前記プローブの位置を計測することで前記ワークの形状を測定する形状測定方法であって、前記ワークを前記回転テーブルにセットする工程と、前記回転テーブルの異なる回転角度でそれぞれ測定データを得る工程と、前記測定データのうち少なくとも一つの順方向測定データに対応する回転角度に対して180°回転させた状態で前記ワークの反転測定データを得る工程と、前記順方向測定データと前記反転測定データとから前記回転テーブルの回転中心Xcを算出する工程と、前記回転中心Xcのデータに基づき前記測定データを補正した上で座標変換して、前記ワークの表面の形状を算出し、前記回転中心Xcは前記順方向測定データと前記反転測定データとを前記ワークの設計形状データにそれぞれフィッティングした際に生じた移動量xとxに基づき、下記一般式1によって求めることを特徴とする。
Figure 0006478603
形状測定機にて、プローブを回転軸上に厳密に位置決めすることなく、かつ測定時間を大幅に増やすことなく正し形状データを取得することが可能となる。
本発明の第一の実施例を構成する形状測定装置を示す図 本発明の測定シーケンスを示す図 本発明の装置座標系とワーク座標系の関係を示す図 本発明の断面測定を表した図 本発明の測定断面のフィッティングを表した図
(実施例1)
本発明にかかる一つの実施例について、図面を適宜参照しつつ以下に説明する。図1に形状測定装置を示す。なお、図1においては回転ステージ2あるいは回転ステージにさらに設けられたチルトステージ等が描かれており、これらステージに対してワークが取り付けられていない状態を示している。ワークを形状測定装置に載置するためのこれらステージの一群を“ワークステージ”と呼ぶことがある。
ワークは、雇(ヤトイ)を介してワークステージに載置されてもよいし、直接にワークステージに載置されてもよい。
図1の(a)は前方から見た斜視図であり、(b)は後方から見た斜視図である。
以下、図1にそって本発明の形状測定装置の本体構成と作用について説明する。
基準ベース1に回転ステージ2が固定され、回転ステージ2上にXワークステージ3とYワークステージ4が固定されている。Yワークステージ4上には雇取付面5、雇取付基準6、7が設置されている。これらの一群からなるワークステージに対してワークを載置する。
ワークをワークステージに載置する際には、雇にワークを保持して図1中の雇取付面5、雇取付基準6、7に取り付けることもできる。雇を使用せずに、ワークを直接ワークステージに取り付けてももちろん良い。そのほか形状測定装置に対するワークの載置は使用者の希望にあわせて様々な構成をとることができる。
基準ベース1にはコラム12、13が固定されており、この2つのコラムがXガイド固定部14の端部を支持している。Xガイド可動部16は、図示しない静圧パッドによりXガイド固定部14上に支持される。図1(b)に示すようにXガイド可動部16はXガイド固定部に固定されたXリニアモータ固定子17とXガイド可動部16に固定されたXリニアモータ可動子19の間に発生する力によって図中のX方向に駆動する。Xガイド可動部16上にXレーザスケールヘッド20が取り付けられ、基準ベース1上に取り付けられたXスケールベース21上のXレーザスケール22を基準としたXの座標を測定する。
再び図1(a)を参照すると、Xガイド可動部16にはZガイド固定部23、Zリニアモータ固定子25、26、Zレーザスケールヘッド27、28が固定されている。Zガイド固定部23は図示しない静圧パッドを介してZガイド可動部30を支持している。Zガイド可動部30にはZリニアモータ可動子31、32が取り付けられ、Zリニアモータ固定子25、26との間に力が発生し、駆動する。
Zガイド可動部30にはZレーザスケール33、34が固定されており、Zレーザスケールヘッド27、28を基準としたZの座標を測定する。また、ワークを測定するためのプローブ38が固定されている。
回転ステージ2は図示しないエアベアリング、カップリング、サーボモータを使用した回転ステージである。しかし、どのような機構を用いた回転ステージでも構わず、特に限定をするものではない。また、回転ステージ2は回転角を検出するエンコーダが取り付けられている。
Xワークステージ3、Yワークステージ4は図示しないクロスローラガイド、ボールネジ、カップリング、ステッピングモータを使用した一般的な一軸ステージである。駆動機構やガイドについて特に限定をするものではなく、どのような機構を用いても構わない。Xワークステージ3、Yワークステージ4があることにより、並進方向のワークや雇の取付誤差を補正しアライメントすることが可能であるが、補正をしない場合、どちらもなくても構わない。Xワークステージ3とYワークステージ4は概略直交に調整されていることが望ましい。
XガイドとZガイドとして圧縮空気による静圧ガイドを使用したが、LMガイドやクロスローラガイドなど他のガイドを用いても構わない。
X駆動モータとしてシャフトタイプのリニアモータ、Z駆動モータとして2つのリニアモータを使用したが、回転モータとボールネジの組合せなど、駆動機構について特に限定をするものではない。
またXZの座標測定、駆動制御にはレーザスケールを用いたが、位置の測定ができれば、レーザ干渉計とミラー、変位計、磁気スケールなど、どのような位置測定手段を用いても良く、特に限定をするものではない。
プローブは板ばね(不図示)にて支持した接触子と、基準位置から接触子までの距離を測定するレーザ変位計(不図示)にて構成されている公知のプロ―ブを用いると良い。接触子は板ばねに支持されており、形状測定を行う際に接触圧を一定になるよう制御される。レーザ変位計は板ばねに支持された接触子の変位を測定することで接触圧を制御できる。したがって、フォーカスによって距離を測定する非接触測長機構など、どのような機構を採用しても構わない。
モータや各スケール、センサの配線、静圧パッドの配管については図示しないが、適宜ケーブルベア(登録商標)などを用意して支持する。また、モータに電流を供給するドライバ、測定者や上位のコントローラからの指示を出すインタフェースについても図示しないが、適宜準備する。
他方、制御部74における駆動処理部70では以下の動作を司る。すなわち回転ステージ2を任意の角度に回転させる動作、プローブをワーク表面に接触させた状態で、Xリニアモータ可動子19およびZリニアモータ可動子31、32を駆動させて倣い走査する動作である。
また、プローブ38を回転ステージ2の回転軸中心から所望の径だけ移動させ、プローブ38をワークに接触させた状態で、回転ステージ2によりワークを回転させてワークを円状に走査する動作も同様である。
その際、回転ステージ2の回転角はエンコーダで検知される。
同様に、Xリニアモータ可動子19とZリニアモータ可動子31、32の位置は、Xレーザスケールヘッド20とXレーザスケール35とZレーザスケールヘッド27、28とZレーザスケール33、34で検知される。
検知した各値は測定データ処理部71によってデータ処理され、記憶部72に保存される。さらに、解析処理部73では、測定データ処理部71によって記憶部72に保存された各センサの検出値を、ワーク表面の座標に座標変換し、設計形状へのフィッティング処理を行い、形状誤差を算出する。形状誤差とは測定データと設計形状データとの差分を指すものであり、この差分に基づきワークの形状精度の良否判定を行ったり、差分を小さくするために再加工したりしてもよい。
図3(A)は装置座標系とワーク座標系の関係を示しており、図中の51は装置座標系の原点であり、52はワーク座標系の原点である。なお、回転ステージ2に搭載されているXワークステージ3、Yワークステージ4などは説明の簡略化のため省略している。装置座標系とは、形状測定装置における既知の位置を原点にとり、原点からX軸、Y軸、Z軸を定めた座標系である。
本実施例ではXガイド可動部16とZガイド可動部30の駆動方向にそれぞれX軸とZ軸をとった直交座標系である。
一般的には、各軸の計測器の原点を装置座標系の原点とするのが通例であり、本実施例においてもそのように原点をとっている。
また本実施例の形状測定装置においてはプローブやXレーザスケール22を取り付ける際にはワークステージの回転軸に対してXレーザスケール22のX方向の軸ずれを1μm以下となるように微調整してある。
ただし、前述したようにXレーザスケール22をさらに光の波長以下の精度で機械的精度を追求しようとすると、装置が大掛かりになり現実的ではない。また、光学素子の測定に適用できるほどの機械的精度を追求したとしても温度環境や経時変化により、ずれは生じ得ることも前述した。以下に、具体的に本実施例における技術的特徴を説明する。
本願発明は一方向に走査可能なプローブと回転テーブルを備えた形状測定装置を用いて、ワークの表面を前記プローブで倣い走査するとともに前記プローブの位置を計測することで前記ワークの形状を測定する形状測定を行う。
具体的な形状測定工程としては、ワークを回転テーブルにセットする工程と、回転テーブルの異なる回転角度でそれぞれ測定データを得る工程を備えている。
さらに本発明のひとつの技術的特徴として、測定データのうち少なくとも一つの順方向測定データに対応する回転角度に対して180°回転させた状態でワークの反転測定データを得る点が大切である。
その結果、順方向測定データと反転測定データとから回転テーブルの回転中心Xcを算出することができるので、回転中心Xcのデータに基づき測定データを補正した上で座標変換し、ワークの表面の形状を算出することができる。
図3(A)に示したワーク座標系とは、ワークの回転軸に沿った方向にZ軸をとり、Z軸と直交する平面にそれぞれX軸、Y軸をとった直交座標系である。
図3(A)を参照して説明すると、理想的には装置座標系のY軸とワーク座標系のY軸とは同一直線上にある場合、あるいはこのふたつのY軸の相対位置が既知の場合には、そもそも本発明および本実施例が解決する課題は生じない。
このような理想的な状態は、装置座標系と回転ステージの回転軸とが高い精度でアライメントされていて、かつ回転ステージの回転軸とワークの回転軸とが良い精度で一致していることに対応する。
しかし現実的には機械的精度を追求するのにも限界があり、光の波長以下の精度で形状計測する場合に必要な精度を考慮すると、図示した2つのY軸は同一直線上にはないし、相対位置も既知ではないとみなされる。これはすなわちX軸方向の原点の位置に、無視できないズレが存在することを意味している。
本装置において、装置座標系におけるプローブ38の測定原点は、回転ステージ2の回転軸上に概略一致するように調整されている。仮に、プローブ38の測定原点が、回転ステージ2の回転軸上に厳密に一致するように調整されていれば、次の一般式1が成り立つ。
Figure 0006478603
(1)式において、Xw、Ywはワーク座標系のXY座標であり、Xpは装置座標系のプローブの測定原点に対するプローブ38のX座標であり、θcは形状測定装置に対する回転ステージ2の回転角であり、反時計回りを正の向きとしている。例えば、図3(B)にそれぞれ示したように、装置座標系で回転ステージ2を+θ回転させた状態で断面測定した測定データは、ワーク座標系では、回転ステージ2の回転軸を中心に−θ回転する座標変換を受ける。
(1)式に基づけば、プローブ38による測定データであるXpと、回転ステージ2の回転角θからワーク表面上の座標Xw、Ywに変換することが可能となる。
つまり、いくつかの回転角θにて測定データをそれぞれ得て、ワーク座標系を基準に得られた複数の測定データを合成すれば、ワークの三次元的な面形状を示すデータを算出することができる。
しかし、プローブ38の測定原点を、回転ステージ2の回転軸上に厳密に一致するように調整することは困難であり、また温度環境などの変化によってプローブ38の測定原点と回転ステージ2の回転軸の位置関係は変化し得る。
プローブ38の測定原点の位置と回転ステージ2の回転軸の位置との間にズレ(誤差)がある場合、測定点列を三次元に回転させる座標変換の軸と、実際にワークが回転した軸がずれているため、測定データを正しく取得することができなくなる。
このとき、プローブ38の測定原点と回転ステージ2の回転軸の位置関係が分かっていれば、次の一般式2を使用することによって、実際にワークが回転した回転ステージ2の回転軸上で測定点列を座標変換することが可能である。
Figure 0006478603
(2)式において、Xcは回転ステージ2の回転軸の回転中心である。
したがってXp−Xcとは、回転ステージ2の回転軸を原点とする測定データに対応している。つまりXpではなくXp−Xcを用いてワーク座標を算出することは、回転中心を正しい位置に補正することに対応している。
本実施例では、面形状を測定するたびに、測定時のプローブ38の測定原点に対する回転ステージ2の回転軸のX座標を測定結果から算出し、(2)式による座標変換を行うことで、残次元の面形状を正しく取得することが可能となる。
なお、本実施例に代表されるいわゆる断面測定機においては、軸対称の測定物の赤道径を測定して評価を行うケースが多い。したがって、本実施例の形状測定装置の測定対象となる軸対称のレンズや型は、赤道径を僅か(ワークの径の数%)に外れた測定ラインに沿って形状を測定しても、誤差はごく僅かである。したがってまず、軸対称のワークを、回転ステージ2を180°回転させたときに、中心軸が回転ステージ2の回転軸にY方向が概略一致するようワークを形状測定装置にセットする。断面形状の変化が、ワークの形状精度に対して十分小さくなる程度にセットすることが肝要である。
このような前提のもとで以下、本実施例の形状測定装置について、図2に示すフローチャートを参照し説明する。
ステップS101では、駆動処理部70と測定データ処理部71によって、予め定めた複数方位の断面測定を行う。このときの方位は測定する断面数に応じた等分割の方位でも、自由に定めた方位でも構わない。図5(B)はステップS101の複数断面測定の模式図である。図4(A)(a)は複数断面測定の様子を表しており、図4(A)(b)は複数断面測定の軌跡を表している。回転ステージ2を指定した各方位で割り出し、それぞれの方位でプローブ38をワーク41に接触させ、倣い走査させることで、複数方位の断面測定を行う。
ステップS102では、計測した測定断面201をひとつ選び、測定した際の方位から回転ステージ2を180°回転させた状態(反転)で反転測定断面202を測定する(反転測定)。図4(B)はステップS102の反転断面測定の模式図である。図4(B)(a)は反転断面測定の様子を表しており、図4(B)(b)は反転断面測定の軌跡を表している。ワークの中心軸と回転ステージ2の回転軸を概略一致させているため、測定断面201と反転測定断面202はワークの左右が反転した概略同一の断面となる。
ステップS103では、解析処理部73によって、ステップS101で測定した測定断面201をワーク座標系の原点を原点にもつ設計形状にフィッティングする計算を行う。フィッティングは最小二乗法などで行われ、この際にフィッティングした際の座標の移動量についても算出する。
ステップS104では、解析処理部73によって、ステップS102で測定した反転測定断面202を、ステップS103と同様にワーク座標系の原点を原点にもつ設計形状にフィッティングする計算を行う。フィッティングは最小二乗法などで行われ、この際にフィッティングした際の座標の移動量についても算出する。
ステップS105では、解析処理部73によって、ステップS103とステップS104で算出したフィッティングした際の各座標の移動量からプローブの原点に対する回転ステージの回転軸の相対位置を算出する。
実際の計測を行う際には、ワーク中心軸は回転ステージ2の回転軸と厳密には一致してセットされていない場合がほとんどである。図5(A)は、そのときのワークの状態とフィッティングの様子を示した図である。回転ステージ2の回転軸304に対してワークの中心軸301がX方向にaという量ずれている場合を想定する。図5(A)(a)は、ステップS101で測定した複数の断面のうちの一つの測定断面201を、ステップS103で、設計形状203にフィッティングする際の様子を表している。一方、図5(A)(b)は、ステップS102で測定した、反転測定断面202を、ステップS104で、設計形状203にフィッティングする際の様子を表している。いずれも、設計形状203の中心軸303はプローブのX原点である。回転ステージ2の回転軸304に対してワークの中心軸301がX方向にaという量でずれている場合、測定断面201と反転測定断面202のフィッティング時のX方向の移動量はそれぞれ次の(3)式となる。
Figure 0006478603
(3)式をXcについて解くと次の(4)式となり、測定断面201と反転測定断面202のフィッティング時のX方向の移動量を平均することで、ワークの中心軸と回転ステージ2の回転軸のずれによって生じる誤差は打ち消される。
Figure 0006478603
また、ワークに非対称な形状誤差がある場合、フィッティングによって収束する位置に誤差が生じる。図5(B)は、そのときの断面測定とフィッティングを示した模式図である。
図5(B)の(a)及び(b)はステップS101で測定した複数の断面のうちの一つの測定断面201(順方向測定データ)を、ステップS103で、設計形状203(設計形状データ)にフィッティングする際の様子を表している。測定断面201に非対称な形状誤差がある場合、最小二乗法によってフィッティングした際に、形状誤差により設計形状203に対してdという量ずれた位置の収束断面211に収束する。
一方、図5(B)の(c)及び(d)はステップS102で測定した反転測定断面202を、ステップS104で、設計形状203にフィッティングする際の様子を表している。180°異なる方位で測定した場合、ワークの形状データ(反転測定データ)は回転ステージ2の回転軸304に対してX方向に反転し、測定した断面は反転測定断面202のようになる。フィッティングした際の収束位置は、形状がX方向に反転したことによって、設計形状データに対し収束位置も収束断面211と反転し、−dという量ずれた反転収束断面311に収束する。したがって、フィッティングした際のX方向移動量xとxはそれぞれ次の(5)式となる。
Figure 0006478603
(5)式を解くと次の(6)式となり、測定断面201と反転測定断面202のフィッティング時のX方向の移動量を平均することで、ワークの非対称な形状誤差によって生じるフィッティング誤差は打ち消される。
Figure 0006478603
以上のように、ワークの中心軸と回転ステージ2の回転軸のセッティングずれによる誤差aも、ワークの非対称な形状誤差による誤差dも、本実施例における反転測定を利用することで、その悪影響を抑制できる。すなわち測定断面201と反転測定断面202のフィッティング時のX方向の移動量を平均することで打ち消される。したがって、プローブ38の測定原点に対する回転ステージ2の回転軸の回転中心Xcは順方向測定と反転測定とで得られた測定データをフィッティングした際のX方向の移動量x、xを平均することで求めることができる。
ステップS106では、解析処理部73によって、ステップS101で測定した複数の断面を、それぞれ測定した際の回転ステージの回転角によって(2)式を用いて座標変換を行う。
このとき、(2)式において、ステップS105で算出したプローブ38の測定原点に対する回転ステージ2の回転中心Xcを用いて回転中心を補正する。この補正によりワークの三次元の面形状をより正確に算出することが可能となる。
以上のように、従来の複数の方位で断面測定する工程に、反転測定の工程を追加するだけで、プローブ38の原点の位置と回転ステージ2の回転軸の位置を補正して座標変換し、三次元の面形状を正しく取得することができる。
また、プローブ38の測定原点を回転ステージ2の回転軸上に厳密に一致するような煩雑な調整をする工程を省略することもできる。
なお、ステップS106で取得した三次元の面形状はワークの中心軸と回転ステージ2の回転軸のセッティング後、差分オフセットしている。
解析処理部73によって、面の形状誤差を評価する場合は、面形状にフィッティングした後、残差計算を行うという公知の手法を用いてユーザーは測定データを所望の用途に活用して良い。
また、上述では一対の順方向測定データと反転測定データとからXcを算出したが、複数の方向のデータでそれぞれ反転測定を行って算出したXc1、Xc2・・から、平均値を出したりすることでより正確なXcを算出することももちろん行って良い。
上述の形状測定方法にかかる制御プログラムをあらかじめ制御部に蓄積しておき、形状測定機の制御部をして実行させ自動制御する構成をとってももちろん良い。そのようなプログラムが格納されたコンピュータ読みとり可能な記録媒体に記録しておいても良い。
上記方法によれば、形状測定する際に、従来の複数の方位で断面を測定する工程に、反転した一断面を追加で測定するだけで、プローブの原点と回転軸の位置関係を算出することができる。そして、複数の方位で測定した各断面を、算出したプローブの原点と回転軸の位置関係をもとに補正して、三次元の面形状に座標変換することができる。したがって、プローブを回転軸上に正確に位置決めすることなく、かつ測定時間を大幅に増やすことなく軸対称非球面形状を取得することが可能となる。
1 基準ベース
2 回転ステージ
9 雇側取付基準
10 雇側取付基準
15 Xガイド固定部
16 Xガイド可動部
20 Xレーザスケールヘッド
38 プローブ
41 ワーク
51 装置座標系の原点
52 ワーク座標系の原点

Claims (7)

  1. 一方向に走査可能なプローブと回転テーブルを備えた形状測定装置を用いて、
    ワークの表面を前記プローブで倣い走査するとともに前記プローブの位置を計測することで前記ワークの形状を測定する形状測定方法において、
    前記ワークを前記回転テーブルにセットする工程と、
    前記回転テーブルの異なる回転角度でそれぞれ測定データを得る工程と、
    前記測定データのうち少なくとも一つの順方向測定データに対応する回転角度に対して180°回転させた状態で前記ワークの反転測定データを得る工程と、
    前記順方向測定データと前記反転測定データとから前記回転テーブルの回転中心Xcを算出する工程と、
    前記回転中心Xcのデータに基づき前記測定データを補正した上で座標変換して、前記ワークの表面の形状を算出し、
    前記回転中心Xcは前記順方向測定データと前記反転測定データとを前記ワークの設計形状データにそれぞれフィッティングした際に生じた移動量xとxに基づき、下記一般式1によって求めることを特徴とする形状測定方法。
    Figure 0006478603
  2. 前記ワークは軸対称な形状であることを特徴とする請求項1記載の形状測定方法。
  3. 測定データをXp、回転ステージの回転角θcワーク座標系におけるXY座標をXw、Ywとしたとき、ワーク座標系における前記ワークの形状データは、下記一般式2に基づいて算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の形状測定方法。
    Figure 0006478603
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項記載の各工程を形状測定装置の制御部に実行させるプログラム。
  5. 請求項4記載のプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  6. 一方向に走査可能なプローブと回転テーブルを備え、ワークの表面を前記プローブで倣い走査するとともに前記プローブの位置を計測することで前記ワークの形状を測定する形状測定装置であって、
    前記回転テーブルにセットされた前記ワークを、前記回転テーブルの異なる回転角度でそれぞれ測定して測定データを得る測定手段と、
    前記測定手段で測定された一つの順方向測定データと、前記順方向データに対応する回転角度に対して180°回転させた状態の測定データである反転測定データとから前記回転テーブルの回転中心Xcを算出する算出手段と、
    前記回転中心Xcのデータに基づき前記測定データを補正した上で座標変換して、前記ワークの表面の形状を算出する補正手段とを有し、
    前記回転中心Xcは前記順方向測定データと前記反転測定データとを前記ワークの設計形状データにそれぞれフィッティングした際に生じた移動量xとxに基づき、下記一般式1によって求めることを特徴とする形状測定装置。
    Figure 0006478603
  7. 測定データをXp、回転ステージの回転角θcワーク座標系におけるXY座標をXw、Ywとしたとき、ワーク座標系における前記ワークの形状データは、下記一般式2に基づいて算出されることを特徴とする請求項6に記載の形状測定装置。
    Figure 0006478603
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