JP6473474B2 - 避難用構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、津波や洪水に際し避難所として用いられる避難用構造物に関する。
従来、この種の避難用構造物として、津波発生時に避難所として用いられる津波避難用タワーが知られている(特許文献1参照)。
この津波避難用タワーは、鉄骨造の建築物であり、2階に相当する床面と3階に相当する床面とを有すると共に、地盤と2階との間および2階と3階との間に手すり付階段を有している。そして、2階に相当する床面を予想津波高さとしている。各床面には、手すり付階段に連なる出入り部と、出入り部を除く四周に安全柵が設けられている。さらに、3階には、人および資材を昇降させるウインチ等の巻上機が設けられており、地盤上の人および資材を直接3階に引き上げ得るようになっている。これにより、身障者や高齢者であっても容易に避難させることができる。
特開2006−83549号公報
このような、従来の津波避難用タワーでは、避難者は、少なくとも5m程度(2階)の高さまで避難することとなる。このため、身障者や高齢者の避難には人員と手間がかかり、迅速かつ確実な避難は不可能であった。すなわち、階段やスロープ、或いは巻上機を使うにしても、身障者や高齢者の5mの高さへの避難には、1人につき数人の手助けが必要となる。したがって、避難者のなかで身障者や高齢者に対し健常者の比率が十分に高くないと、迅速かつ確実な避難は不可能であった。このことは、高台等への避難も同様で、避難路、階段、手すり等を整備しても、実際の避難が円滑に行われる保証はない。
一方で、この種の避難施設は、津波発生時(緊急時)の避難所としてのみ用いられるものである。したがって、この種の施設の宿命でもあるが、非常時(緊急時)以外では全く経済的効果が見込めない無用な施設(建築物)であり、普及が進まない原因ともなっている。
本発明は、第1に、非常時においた迅速かつ確実な避難が可能であり、第2に、平常時において経済的効果が見込み得る避難用構造物を提供することを課題としている。
本発明の避難用構造物は、平常時に特定用途の屋外施設として利用されると共に、津波を含む非常時に避難場所として利用される避難用構造物であって、屋外施設のランドと避難場所のフロアとを兼ねる基盤部と、基盤部を支持する台座部と、台座部に組み込まれ、来襲した津波により、台座部と共に基盤部を浮上させるフロート部と、基盤部の浮上を案内する複数のガイド支柱と、台座部の下部を納めるピットが形成された基礎と、を備え、台座部は、1.0〜1.5mの高さを有し、ピットの底は、地盤より低いことを特徴とする。
この構成によれば、津波が来襲すると、フロート部により避難場所となる基盤部が浮上する。このため、基盤部は、津波に高さに応じて上下するだけで水没することがなく、基盤部上の避難者の安全を図ることができる。また、基盤部の浮上が、複数のガイド支柱により案内されるため、浮上した基盤部が津波に乗って流されることがなく、この点でも基盤部上の避難者の安全を図ることができる。さらに、津波に対し基盤部が浮上する構造であるため、避難時の基盤部は低い位置に設けられていればよい。より好ましくは、来襲する津波の初期において波を被らない程度の高さであればよい。このため、基盤部の地盤からの高さを十分に低く抑えることができ、基盤部上への避難が容易であって迅速かつ確実に避難を行うことができる。なお、基盤部がフロート部に直接支持される「筏」様のものであってもよいし、基盤部が台座に支持され、この台座にフロート部が組み込まれたものであってもよい。
また、津波を含む非常時おいて、避難場所としての機能を十分に果たし、且つ迅速かつ確実に避難を可能とする一方、平常時において、特定用途の施設として利用することができる。したがって、経済的効果が見込み得る施設として機能する避難場所を提供することができる。また、平常時の利用は、経済的効果が見込めるだけでなく、施設の利用そのものが避難訓練の一部ともなる。さらに、施設の日々の管理は、塩害等による老朽化等の抑制にもなる。なお、「屋外施設」の語は、日除け・雨除け等の簡易な屋根を有するもの含む概念である。また、「ランド」は、屋外施設を利用する人が活動するための盤面の総称として用いている。
さらに、台座部により、避難場所のフロアとなる基盤部が安定に支持される。このため、フロート部が部分フロート集合体であっても、基盤部を安定に浮上させることができる。したがって、避難者をして、ストレスを感じさせることなく非難させることができる。なお、台座部に床下収納の形で、避難者用のライフジャケット等を装備しておくことが好ましい。
この場合、屋外施設が、屋外型のイベント施設、屋外型のスポーツ施設、屋外型の遊戯施設および屋外型の駐車施設のいずれかであることが好ましい。
この構成によれば、身近に利用される施設が非常時(緊急時)の避難場所となるため、精神的にも避難を容易に行うことができ、いわゆる「オオカミ少年」的な事態を回避することができる。なお、屋外型のイベント施設としては、地盤から一段高いステージフロアを有するイベントステージ等が好適である。屋外型のスポーツ施設としては、適度な面積のコート(ランド)とフェンスとを有するテニスコート等が好適である。屋外型の遊戯施設としては、遊戯具等のある広場等が好適である。屋外型の駐車施設としては、2階建てまでの自走式の駐車場等が好適である。
この場合、台座部は、複数のガイド支柱に対しスライド自在に係合する複数のガイド係合部を、有することが好ましい。
この構成によれば、津波による浮上に際し、基盤部を傾くことなく安定に上昇および下降させることができ、安心・安全な避難場所とすることができる。
これらの場合、基盤部および台座部のいずれか一方から外方に張り出した波返し部を、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、浮上開始時や浮上時において、基盤部が津波で洗われるのを抑制することができ、安心・安全な避難場所とすることができる。
また、基盤部と地盤との間に設けられた複数のスロープを、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、地盤に対し基盤部が低い位置にあるため、従来の避難場所に比して、身障者や高齢者の避難を極めて容易に行うことができる。特に、車いすでの避難を容易に行うことができる。
さらに、基盤部の周縁部に設けられたフェンスを、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、基盤部の面積に比して多くの避難者を収容することができると共に、安心・安全な避難場所とすることができる。
この場合、フェンスは、基盤部に対し出没自在に構成された複数の部分フェンスを有することが好ましい。
この構成によれば、平常時の施設の利用に際し、フェンスが邪魔になることがない。また、非常時には、避難者により、簡単且つ迅速にフェンスを構築することができる。
一方、フロート部は、相互に連結された複数の部分フロートを有することが好ましい。
この構成によれば、フロート部が大きくても施工を容易に行うことができる。また、津波に伴うガレキ等によりフロート部の一部が損傷しても、全体の浮力が極端に減ずることがない。なお、基盤部に機器、器具、食糧等の床下収納庫を設けることが好ましいが、この床下収納庫をFRP(繊維強化プラスチック)製とし、部分フロートの一部としてもよい。
また、複数のガイド支柱を上端部で連結する横架材を、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、横架材により、複数のガイド支柱を、津波の水平波力に十分に耐え得るように強固に設置することができる。
第1実施形態に係る避難用構造物であって、イベントステージを兼ねる避難用構造物の平面図である。 イベントステージを兼ねる避難用構造物の正面から見た立面図である。 イベントステージを兼ねる避難用構造物の側面から見た立面図である。 浮上した避難用構造物の正面から見た立面図である。 浮上した避難用構造物の側面から見た立面図である。 第2実施形態に係る避難用構造物であって、テニスコートを兼ねる避難用構造物の平面図である。 テニスコートを兼ねる避難用構造物の正面から見た立面図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る避難用構造物について説明する。この避難用構造物は、津波に対し避難場所となる構造物であるが、平常時には、特定用途の屋外施設(イベントステージ、テニスコート等)として利用されるものである。したがって、構造物としては、避難場所ともなる屋外施設であるが、避難場所としての機能に技術的な意義があるため、以下、第1実施形態のイベントステージおよび第2実施形態のテニスコートのいずれについても、「避難用構造物」として説明を進める。
[第1実施形態]
第1実施形態は、避難用構造物を屋外型のイベントステージに適用したものである。
図1は避難用構造物の平面図、正面図(正面立面図)、図2は避難用構造物の正面図(正面立面図)、図3は避難用構造物の側面図(側面立面図)である。これらの図に示すように、避難用構造物10(イベントステージIS)は、イベントステージISのフロア(ランド)と避難場所のフロアとを兼ねる基盤部11と、基盤部11を支持する台座部12と、津波に対し基盤部11および台座部12を浮上させるフロート部13と、基盤部11および台座部12の浮上を案内する複数(実施形態のものは、4本)のガイド支柱14と、を備えている。そして、この基盤部11、台座部12およびフロート部13により、イベントステージISの主体となる、いわゆるステージSが構成されている。
また、避難用構造物10は、コンクリート製の基礎16(ベタ基礎)と、ステージSに三方から臨むように基礎16上に設けた4箇所のステージステップ17と、ステージSの後方に設けたバックウォール18と、バックウォール18とステージSとの間に設けたテラス19と、を備えている。各ステージステップ17は、地盤GとステージS(基盤部11)との間において、横並びに配置した階段21とスロープ22とを有している。階段21およびスロープ22は、車いすの身障者や高齢者の昇降を考慮して緩い勾配に形成されている。バックウォール18は、ステージS側の面にバックパネル23を有し、鉄骨造や鉄筋コンクリート造で構築されている。そして、テラス19には、特に図示しないが常用電源等の電源設備が設けられている。
基盤部11は、耐候性の床材で構成されており、台座部12に支持されている。台座部12は、鋼材やアルミ材等を組んで構成され、1.0〜1.5mの高さ(厚み)を有している。この台座部12の高さは、一般的なステージSの高さであると共に、津波によりステージSが浮上を開始するまでの間に、基盤部11が波(津波)を被らない程度に設定されている。また、台座部12(ステージS)の下部は、基礎16に形成された浅いピット16aに納まっており、津波によりステージSが浮上を開始するまでの間に津波から受ける水平波力を、ガイド支柱14ではなく基礎16で受け得るようになっている。
フロート部13は、ステージS(基盤部11および台座部12)を浮上させる浮力を持たせた部分であり、台座部12に組み込んだ複数の部分フロート25で構成されている。図示では省略したが、台座部12は、鋼材等により骨組みされると共に、外郭や隔板等で仕切られた複数のフロート用スペースを有している。そして、この複数のフロート用スペースには、それぞれ部分フロート25が収容されている。
各部分フロート25は、発泡スチロールや発泡ウレタン等の樹脂独立発泡体や注入型の樹脂独立発泡体で構成され、或いはFRP(繊維強化プラスチック)製のエアータンク等で構成されている。これにより、部分フロート25は、水に触れても水を吸収することがなく、その浮力を維持する。そして、実施形態のフロート部13は、基盤部11が津波の水面より十分に高い位置に浮上するように設計されている(図4および図5参照)。なお、ステージSには、津波に先立つ地震動を吸収する制振ゴム等の制振部材を組み込んでもよい。
図1ないし図3に示すように、ステージSには、基盤部11の四周を縁取るように波返し27(波返し部)が設けられている。波返し27は、例えば断面「L」字状の金属製或いは樹脂製の波返し片28を、周方向に複数連ねて構成されている。各波返し片28は、一方のリブ片が基盤部11から外方に突出した状態で、他方のリブ片の部分で台座部12に固定されている。来襲した津波は、ステージSの蹴込みに衝突して上方に跳ね上がるが、跳ね上がった津波は波返し27(一方のリブ片)により押し返される。これにより、基盤部11の上面が津波で洗われるのを防止することができる。
なお、各波返し片28の他方のリブ片を、ステージSの下部まで延ばして、ステージSのケコミパネルを構成するようにしてもよい。また、波返し27にソーラーパネルを組み込み、夜間の避難に備えた常夜灯の電源としてもよい。さらに、各波返し片28は、後述する部分フェンス32の引上げ動作に連動して、外方に突出する構造のものであってもよい。
同様に、ステージSの四周縁部には、基盤部11に対し出没自在に構成されたフェンス31が埋め込まれている。フェンス31は、ステージSの四周縁部に沿って連なる複数の部分フェンス32で構成され、この部分フェンス32が、基盤部11に対し個々に出没自在に構成されている(図4および図5参照)。津波に備えて避難してきた避難者は、手分けして全ての部分フェンス32を突出させ(引き出して)フェンス31を構成し、ステージSの浮上に備える。なお、言うまでもないが、部分フェンス32は、下端部に設けたクリック等により引き上げた状態で固定される。
また、図1に示すように、ステージSには、蓋付きの4つの収納庫34(床下収納庫)と、マンホール付きの排水槽35が組み込まれている。各収納庫34および排水槽35は、例えばPRP(繊維強化プラスチック)で構成されており、上述した部分フロート25としても機能する。実施形態のものは、1の収納庫34について2枚の蓋が設けられているが、収納庫34の大きさおよび数、蓋の数や形態は、収納物により決定される。そして、収納庫34の蓋および排水槽35のマンホールは、水密性の高いものであることが好ましい。
第1収納庫34Aには、例えば小型発電機、バッテリー、照明器具、懐中電灯、通信機、携帯ラジオ等が収容されている。詳細は後述するが、4本のガイド支柱14の上端部には横架材41が掛け渡され、この横架材41にはステージS用の照明が取り付けられている(図示省略)。小型発電機は、被災時に常用電源に代わって(切替えて)この照明の電源として機能する。第2収納庫34Bには、非常食、飲料水、カセットコンロ等が収容されている。これにより、避難用構造物10は、津波が去った後、或いは津波の発生に関係なく避難所としての機能を有している。
第3収納庫34Cには、簡易組立てトイレ、トイレットペーパー、医薬品、衣類、その他の日用品等が収納されている。簡易組立てトイレは、マンホールに設置するタイプのものであり、組み立ててマンホールを外した排水槽35上に設置する。第4収納庫34Dには、ヘルメット、ライフジャケット、救命ロープ、救命ボート、発煙筒等が収容されている。ヘルメットおよびライフジャケットは、避難者がステージSの浮上に備えて身に着ける。救命ロープおよび救命ボートは、逃げ遅れて津波に流されてゆく被災者等を救出するために用いられる。浮上するステージSは、水面との高さが一定しており、この種の救出作業に適している。
一方、ステージSの四隅には、台座部12に支持するようにして、各ガイド支柱14に対し上下方向にスライド可能に係合する4つのガイド係合部37が設けられている。各ガイド係合部37には、ガイド支柱14を囲繞するスライドリング38が装着されており、スライドリング38は、わずかな間隙を存してガイド支柱14にスライド自在に係合している。また、スライドリング38は、防振ゴム等から成る防振部材で構成されている。これにより、各ガイド支柱14との接点となる4つのスライドリング38は、スライド部材として機能するだけでなく、地震動や津波によるステージSの横揺れ等を吸収する。また、ステージSの浮上時にステージS(台座部12)が傾くことがあっても、防振部材で構成されスライドリング38は、ガイド支柱14との間の「かしぎ」を抑制する。
図1ないし図5に示すように、4本のガイド支柱14は、ステージSの四隅を貫通して上方に延びている。各ガイド支柱14は、例えば杭地業に用いる鋼杭や既製鉄筋コンクリート杭で構成することが好ましく、実施形態ものは、鋼管杭(鋼杭の一種)で構成されている。各ガイド支柱14の下部は、基礎16を貫通して地盤Gに深く打ち込まれている。ガイド支柱14の地盤Gへの打込み深さは、津波の水平波力や地盤Gの耐力を考慮して設計され、またガイド支柱14の地盤Gからの高さは、想定される最大級の津波の高さを考慮して設計されている。すなわち、ガイド支柱14の地盤Gからの高さは、想定される最大級の津波の高さを越えるものとなっている。
図1および図2に示すように、4本のガイド支柱14の上端には、これらを矩形に連結する横架材41が設けられている。横架材41は、鋼材等で構成され、梁および桁の形態を為して4本のガイド支柱14を相互に補強および位置決めしている。4本のガイド支柱14は、下部を基礎16および地盤Gに定着され且つ上端を横架材41で連結されることにより、自身およびステージSが受ける津波の水平波力に抗して、ステージSの浮上(実際には、昇降動)を案内する(図4および図5参照)。
また、横架材41は、ステージSの浮上端位置を規制するストッパーとして機能し、ステージSがガイド支柱14から離脱(流出)するのを防止する。そして、図示しないが、横架材41にはステージS用の照明等が取り付けられている。なお、ステージS上には、日除け・雨除けの簡単な屋根が設けられていてもよい。
ここで、避難用構造物10における避難の手順について簡単に説明する。津波警報が発令されると、避難誘導のマニュアルに従って、周辺住民の避難用構造物10への避難が開始される。避難の初期において、フェンス31を引き出す者、ライフジャケットを準備する者および高齢者等の避難を手助けする者、に手分けして適宜作業を開始する。フェンス31を引き出す作業者は、先ず4箇所のステージステップ17が臨む部分を除き、部分フェンス32を引き出してフェンス31を確立してゆく。
ライフジャケットを準備する作業者は、第4収納庫34Dからヘルメットおよびライフジャケットを取り出して、避難者に渡し装着を促す。避難を手助けする作業者は、ステージステップ17の基部で避難者を待ち、ステージステップ17を利用して順次、避難者をステージS上に運び上げる。そして、ステージステップ17が臨む4箇所の部分フェンス32は、津波の来襲を確認してから引き出すようにする。以降、避難者は浮上するステージSに身を任せるが、無線機等により、常に役所との連絡を取り合う。
以上のように、第1実施形態の避難用構造物10によれば、津波が来襲すると、フロート部13より基盤部11および台座部12、すなわちステージS全体が浮上する。これにより、津波に対しステージS上の避難者を適切に避難させることができる。また、ステージSの浮上が、4本のガイド支柱14により案内されるため、ステージSが津波に流されることがなく、避難者の安全を図ることができる。さらに、ステージS(基盤部11)が地盤Gから比較的に低い位置にあるため、避難者のステージS上への避難を容易に行うことができる。特に、避難者が車いすの身障者や高齢者であっても、スロープ22を利用することで、ステージS上への避難を迅速かつ確実に行うことができる。
一方、平常時における第1実施形態の避難用構造物10は、イベントステージISとして利用される。このため、この避難用構造物10は、単なる避難専用の施設ではなく、施設の所有者をして経済的効果が見込み得る施設となる。したがって、施設建設の意義が高く、対象となる市町村において普及の一助となる。なお、ステージSは、コストを抑えるべく、フロート部13が台座部12を兼ねる「筏」様のシンプルな形態であってもよい。
[第2実施形態]
次に、図6および図7を参照して、第2実施形態に係る避難用構造物50について説明する。第2実施形態は、避難用構造物50を屋外型のテニスコートTCに適用したものである。
図6および図7に示すように、この避難用構造物50(テニスコートTC)では、本来のメインコートMC(線引きした部分)に、前後のバックコートBCおよび左右のサイドコートSCを加えたテニスコートTCの全域表面(ランド)が、避難場所のフロアとなる。
第1実施形態と同様に、第2実施形態の避難用構造物50は、このテニスコートTCの盤面を兼ねる基盤部51と、基盤部51を支持する台座部52と、津波に対し基盤部51および台座部52を浮上させるフロート部53と、基盤部51および台座部52の浮上を案内する複数(実施形態のものは、14本)のガイド支柱54と、を備えている。そして、この基盤部51、台座部52およびフロート部53により、浮上コートCが構成されている。また、避難用構造物50は、浮上コートCの四周縁部に立設して高いコートフェンス56を備えている。
浮上コートCは、第1実施形態と同様に、コンクリート製の基礎58(ベタ基礎)に支持されており、基礎58には、地盤Gから浮上コートCに上るための10箇所の連絡通路59が設けられている。各連絡通路59は、横並びに配置した階段61とスロープ62とから成り、10箇所の連絡通路59は、前後のバックコートBCに面して2箇所ずつ、および左右のサイドコートSCに面して3箇所ずつ配設されている。この場合も、階段61およびスロープ62は、車いすの身障者や高齢者の昇降を考慮して緩い勾配に形成されている。
コートフェンス56は、10箇所の連絡通路59に臨む10箇所の開閉フェンス部64と、それ以外の固定フェンス部65と、を連ねて構成されている。各開閉フェンス部64は、外開き(観音開き)の形式で開閉可能に構成されており、10箇所の開閉フェンス部64のうち2〜3箇所の開閉フェンス部64を、平常時の出入り口として使用する。
第1実施形態と同様に、基盤部51はコート材で構成されており、台座部52に支持されている。台座部52は、鋼材やアルミ材等を組んで構成され、1.0〜1.5mの高さ(厚み)を有している。また、台座部52(浮上コートC)の下部は、基礎58に形成された浅いピット58aに納まっている。この場合も、フロート部53は、台座部52に組み込んだ複数の部分フロート67で構成されている。
台座部52は、基盤部51を直接支持する台座部本体71と、台座部本体71から外方に突設し、14本のガイド支柱54と係合する14箇所の支柱係合部72(ガイド係合部)と、を有している。各支柱係合部72は、ガイド支柱54を囲繞するスライドリング73と、スライドリング73を保持するリング保持部74とで構成されている。スライドリング73は、わずかな間隙を存してガイド支柱54にスライド自在に係合しており、第1実施形態と同様に、防振ゴム等から成る防振部材で構成されている。なお、この場合も、台座部52には波返し(図示省略)を設けることが好ましい。
図6および図7に示すように、14本のガイド支柱54は、前後のバックコートBCに面してそれぞれ3本ずつ、および左右のサイドコートSCに面してそれぞれ4本ずつ配設されている。各ガイド支柱54は、第1実施形態と同様に、鋼管杭(鋼杭の一種)で構成されている。この場合も、ガイド支柱54の地盤Gからの高さは、想定される最大級の津波の高さを越えるものとなっている。また、14本のガイド支柱54の上端には、これらを矩形に連結する横架材76が設けられている。
横架材76は、浮上コートCの浮上端位置を規制するストッパーとして機能し、浮上コートCがガイド支柱54から離脱(流出)するのを防止する。そして、図示しないが、横架材76にはナイター用の照明等が取り付けられている。また、この場合も、浮上コートCに床下型の或いは物置型の収納庫を設けることが好ましい。
以上のように、第2実施形態の避難用構造物50によれば、津波が来襲すると、フロート部53より基盤部51および台座部52、すなわち浮上コートC全体が、14本のガイド支柱54により案内されて浮上する。これにより、津波に対し浮上コートC上の避難者を適切に避難させ、避難者の安全を図ることができる。また、避難者は、スロープ62を利用することで、低い位置にある浮上コートC上への避難を容易に行うことができる。
一方、平常時における第2実施形態の避難用構造物50は、テニスコートTCとして利用される。このため、この避難用構造物50は、単なる避難専用の施設ではなく、施設の所有者をして経済的効果が見込み得る施設となる。したがって、施設建設の意義が高く、対象となる市町村において普及の一助となる。
なお、これらの実施形態においては、避難用構造物10,50がそれぞれイベントステージISおよびテニスコートTCを兼ねているが、その他の屋外施設として、各種イベント施設、各種スポーツ施設、各種遊戯施設および各種駐車施設等を兼ねる構成であってもよい。
もっとも、避難用構造物10,50を津波(加えて洪水や高波)対策専用の構造物としてもよい。例えば、避難用構造物10では、バックウォール18やテラス19すると共に、フェンス31を固定部分と出入口部分との構成とし、非常時に出入口部分を開放する。このような構成では、経済的効果は見込めないが、避難については迅速かつ確実に行うことができる。
10…避難用構造物、11…基盤部、12…台座部、13…フロート部、14…ガイド支柱、17…ステージステップ、22…スロープ、25…部分フロート、27…波返し、28…波返し片、31…フェンス、32…部分フェンス、37…ガイド係合部、41…横架材、50…避難用構造物、51…基盤部、52…台座部、53…フロート部、54…ガイド支柱、56…コートフェンス、59…連絡通路、62…スロープ、67…部分フロート、71…台座部本体、72…支柱係合部、76…横架材、G…地盤、IS…イベントステージ、S…ステージ、TC…テニスコート、C…浮上コート

Claims (9)

  1. 平常時に特定用途の屋外施設として利用されると共に、津波を含む非常時に避難場所として利用される避難用構造物であって、
    前記屋外施設のランドと前記避難場所のフロアとを兼ねる基盤部と、
    前記基盤部を支持する台座部と、
    前記台座部に組み込まれ、来襲した前記津波により、前記台座部と共に前記基盤部を浮上させるフロート部と、
    前記基盤部の浮上を案内する複数のガイド支柱と、
    前記台座部の下部を納めるピットが形成された基礎と、を備え、
    前記台座部は、1.0〜1.5mの高さを有し、
    前記ピットの底は、地盤より低いことを特徴とする避難用構造物。
  2. 前記屋外施設が、屋外型のイベント施設、屋外型のスポーツ施設、屋外型の遊戯施設および屋外型の駐車施設のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の避難用構造物。
  3. 前記台座部は、前記複数のガイド支柱に対しスライド自在に係合する複数のガイド係合部を、有することを特徴とする請求項1または2に記載の避難用構造物。
  4. 前記基盤部および前記台座部のいずれか一方から外方に張り出した波返し部を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の避難用構造物。
  5. 前記基盤部と地盤との間に設けられた複数のスロープを、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の避難用構造物。
  6. 前記基盤部の周縁部に設けられたフェンスを、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の避難用構造物。
  7. 前記フェンスは、前記基盤部に対し出没自在に構成された複数の部分フェンスを有することを特徴とする請求項6に記載の避難用構造物。
  8. 前記フロート部は、相互に連結された複数の部分フロートを有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の避難用構造物。
  9. 前記複数のガイド支柱を上端部で連結する横架材を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の避難用構造物。
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