JP6468491B2 - インテークマニホールドの遮熱装置 - Google Patents
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Description
車両に搭載されるエンジンのインテークマニホールドの遮熱装置であって、
放熱源と、
前記エンジンの吸気が流れる吸気管であって、前記放熱源に最も近接する最近接部を含む所定の範囲で湾曲する湾曲部を有する少なくとも1つの吸気管からなるインテークマニホールドと、
前記湾曲部の放熱源側の外周壁に沿って移動可能に配置される遮蔽板と、
前記遮蔽板を、前記最近接部を覆う状態である閉位置と前記最近接部を覆わない状態である開位置との間において前記吸気管に沿って移動させる駆動機構と、を備える。
前記駆動機構は、
モータと、
前記モータによって回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸と前記遮蔽板とを連結するアーム部と、を有し、
前記エンジンのクランク軸視において、
前記モータは、前記吸気管の湾曲部の内側に形成される内側領域に設置され、
前記駆動軸は、前記エンジンのクランク軸の軸方向に沿って延在する。
上記(2)の構成によれば、クランク軸視において、吸気管の湾曲部の内側(湾曲部を有する吸気管によって囲まれた内側空間)に形成される内側領域にモータが設置されると共に、クランク軸の軸方向に沿って駆動軸が延在する。また、遮蔽板は、吸気管を挟んだ湾曲部の外側(放熱源側)に設けられる。このため、アーム部は、吸気管と交差しながら駆動軸と遮蔽板とを連結することになる。つまり、アーム部により所定の間隔だけ離されて駆動軸に連結された遮蔽板を、駆動軸を回転中心として回動することができ、吸気管の湾曲部に沿った遮蔽板の移動を容易に行うことができる。
前記モータは、前記放熱源から前記エンジンのクランク軸と直交する方向に前記吸気管を視認したときに、前記吸気管と重ならない位置に設置される。
上記(3)の構成によれば、駆動機構のモータは、吸気管の湾曲部の内側に形成される内側空間の外側に設置される。このため、モータは吸気管の湾曲部に囲まれておらず、モータのメンテナンスの容易化を図ることができる。
前記モータは、前記放熱源から前記エンジンのクランク軸と直交する方向に前記吸気管を視認したときに、前記吸気管と前記モータの少なくとも一部が重なる位置に設置される。
上記(4)の構成によれば、駆動機構の体積の大部分を占めるモータを、吸気管の湾曲部の内側に形成される内側空間を利用して設置するので、狭いエンジンルームであっても駆動機構を設置することができる。
前記最近接部を含む少なくとも一部の前記吸気管の前記放熱源側の外周壁を所定の隙間を有しながら覆うと共に、前記最近接部に通じる開口である窓部を有するカバー壁をさらに備え、
前記遮蔽板は、前記吸気管と前記カバー壁との間の前記隙間によって形成される収納空間において移動可能に設置され、
前記閉位置は前記窓部を覆う状態であり、前記開位置は前記窓部を覆わない状態である。
上記(5)の構成によれば、遮蔽板はカバー壁と吸気管の外壁との間に形成される空間(収納空間)に設置される。このため、遮蔽板が開位置にある状態では、遮蔽板が収納空間に収納され、遮蔽板の汚損を防止することができる。
前記インテークマニホールドは、複数の前記吸気管からなる。
上記(6)の構成によれば、複数の吸気管に対して、上記(1)〜(5)と同様の効果を得ることができる。
前記駆動機構を制御する制御部を、さらに備え、
前記制御部は、
前記エンジンの暖機度合いを判定する判定部と、
前記判定部による前記暖機度合いの判定結果に基づいて前記駆動機構を駆動する駆動部と、を有する。
上記(7)の構成によれば、制御部によって、エンジンの暖機度合に応じて遮蔽板は閉位置と開位置との間で移動されるので、エンジンの状態に応じて遮蔽板の位置を自動で制御することができる。
前記判定部は、エンジンの冷却水の温度である冷却水温と、前記最近接部の下流の吸気温度と、に基づいて前記暖機度合を判定し、
前記駆動部は、前記冷却水温が水温閾値より高く、かつ、前記吸気温度が所定の吸気温閾値より高い場合には前記遮蔽板を閉位置とし、前記冷却水温が前記水温閾値以下、あるいは、前記吸気温度が前記吸気温閾値以下の場合には、前記遮蔽板を開位置とするように前記駆動機構を駆動する。
上記(8)の構成によれば、冷却水温と吸気温度とに基づいて判定される暖機度合の判定結果に基づいて、遮熱板の位置が決定される。これによって、暖機運転時には遮熱板を開位置とすることでエンジンルーム内の熱を積極的に暖機に利用し、暖機を促進することができる。逆に、暖機後には遮熱板を閉位置とすることで、最近接部を介した放熱源からの受熱による吸気温の上昇を低減することができ、ノックなどの防止を図ることができる。また、最近接部の下流における吸気温度に基づいて暖機度合は判定される。このため、冷却水温は高くても、吸気温が低い場合には、遮蔽板を開位置にして燃料の噴霧化および暖機を促進するなど、最近接部を通過した吸気の温度に基づいて遮蔽板の位置を自動で制御することができる。
前記遮熱板の前記開位置は、前記閉位置よりも、前記エンジンのシリンダブロックと離れた位置にある。
上記(9)の構成によれば、遮蔽板の開位置はシリンダヘッドから離された位置にある。例えば、車両の前方に吸気管が位置する後方排気のエンジンにおいて、吸気管がシリンダヘッドの上方に伸びるように設置される場合には、遮蔽板の開位置は、閉位置に比べて、吸気流れの上流側(バルブ装置側)となる。そして、暖気時は遮蔽板を開位置とするような場合には、シリンダブロックと吸気管の間に遮蔽板が位置するようなことがない。このため、エンジンから吸気管へ伝わる熱が遮蔽板によって遮られることがなく、暖機を迅速に行うことができる。
前記放熱源は、ラジエータまたはエアコンデンサである。
上記(10)の構成によれば、ラジエータやエアコンデンサから吸気管の湾曲部に到達する放射熱などを遮蔽板によって遮ることができる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
このアーム部54は、その一端が上述の通り、駆動軸52に連結されると共に、アーム部54の他端が遮蔽板4に連結される。このアーム部54によって、駆動軸52と遮蔽板4は所定の間隔を有して連結される。つまり、駆動軸52と遮蔽板4との離間距離が一定の間隔となるような固定長を有するアーム部54によって駆動軸52と遮蔽板4とが連結されることで、モータ51による駆動軸52の回転駆動に伴って、アーム部54及びこれに連結される遮蔽板4が回動するように移動する。
上記の構成によれば、制御部7によって、エンジン9の暖機度合に応じて遮蔽板4は閉位置Cと開位置Uとの間で移動されるので、エンジン9の状態に応じて遮蔽板4の位置を自動で制御することができる。
図8のステップS81において、エンジン9の暖機度合を判定する。このステップS81は、例えば、イグニッションスイッチがON(投入)状態になったり、キーが回転されたときなど、暖機運転が判定される場合に行われる。この暖機度合は、図8の例示では、冷却水温と所定の閾値(水温閾値Tw)との比較、および、吸気温と所定の閾値(吸気温閾値Ti)との比較により行われている。次のステップS82において、遮蔽板4の位置を閉位置Cと開位置Uのどちらにすべきかを、エンジン9の暖機度合(S81)に基づいて判定する。図8の例示では、冷却水温が水温閾値Tw(例えば、60度〜80度の値)以下、あるいは、吸気温が吸気温閾値Ti以下であるとの条件(開位置条件)を満たす場合には、遮蔽板4の位置は開位置Uとされている。逆に、冷却水温が水温閾値Twより大きく、かつ、吸気温が吸気温閾値Tiより大きいとの条件(閉位置条件)を満たす場合には、遮蔽板4の位置は閉位置Cとされている。
上記の構成によれば、遮蔽板4の開位置Uはシリンダヘッド91から離された位置にある。例えば、車両の前方に吸気管31が位置する後方排気のエンジン9において、吸気管31がシリンダヘッド91の上方に伸びるように設置される場合には、遮蔽板4の開位置Uは、閉位置Cに比べて、吸気流れの上流側(スロットル装置82側)となる。そして、暖気時は遮蔽板4を開位置Uとするような場合には、シリンダブロック92と吸気管31の間に遮蔽板4が位置するようなことがない。このため、エンジン9から吸気管31へ伝わる熱が遮蔽板4によって遮られることがなく、暖機を迅速に行うことができる。
2 放熱源
3 インテークマニホールド
31 吸気管
31a 吸気管
32 湾曲部
34 最近接部
4 遮蔽板
5 駆動機構
51 モータ
52 駆動軸
54 アーム部
55 モータ連結部
55a 連結部材
55b 補強部材
56 遮蔽板連結部
57 支持部材
57a 第1支持部
57b 第2支持部材
6 カバー壁
62 隙間
63 収納空間
64 窓部
7 制御部
71 判定部
72 駆動部
74 水温センサ
75 センサ
81 サージタンク
82 スロットル装置
9 エンジン
91 シリンダヘッド
92 シリンダブロック
94 クランク軸
C 遮蔽板の閉位置
U 遮蔽板の開位置
L 距離
S 内側空間
Ti 吸気温閾値
Tw 水温閾値
A 内側領域
Claims (10)
- 車両に搭載されるエンジンのインテークマニホールドの遮熱装置であって、
放熱源と、
前記エンジンの吸気が流れる吸気管であって、前記放熱源に最も近接する最近接部を含む所定の範囲で湾曲する湾曲部を有する少なくとも1つの吸気管からなるインテークマニホールドと、
前記湾曲部の放熱源側の外周壁に沿って移動可能に配置される遮蔽板と、
前記遮蔽板を、前記最近接部を覆う状態である閉位置と前記最近接部を覆わない状態である開位置との間において前記吸気管に沿って移動させる駆動機構と、を備えることを特徴とするインテークマニホールドの遮熱装置。 - 前記駆動機構は、
モータと、
前記モータによって回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸と前記遮蔽板とを連結するアーム部と、を有し、
前記エンジンのクランク軸視において、
前記モータは、前記吸気管の湾曲部の内側に形成される内側領域に設置され、
前記駆動軸は、前記エンジンのクランク軸の軸方向に沿って延在すること
を特徴とする請求項1に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。 - 前記モータは、前記放熱源から前記エンジンのクランク軸と直交する方向に前記吸気管を視認したときに、前記吸気管と重ならない位置に設置されることを特徴とする請求項2に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。
- 前記モータは、前記放熱源から前記エンジンのクランク軸と直交する方向に前記吸気管を視認したときに、前記吸気管と前記モータの少なくとも一部が重なる位置に設置されることを特徴とする請求項2に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。
- 前記最近接部を含む少なくとも一部の前記吸気管の前記放熱源側の外周壁を所定の隙間を有しながら覆うと共に、前記最近接部に通じる開口である窓部を有するカバー壁をさらに備え、
前記遮蔽板は、前記吸気管と前記カバー壁との間の前記隙間によって形成される収納空間において移動可能に設置され、
前記閉位置は前記窓部を覆う状態であり、前記開位置は前記窓部を覆わない状態であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。 - 前記インテークマニホールドは、複数の前記吸気管からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。
- 前記駆動機構を制御する制御部を、さらに備え、
前記制御部は、
前記エンジンの暖機度合いを判定する判定部と、
前記判定部による前記暖機度合いの判定結果に基づいて前記駆動機構を駆動する駆動部と、を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。 - 前記判定部は、エンジンの冷却水の温度である冷却水温と、前記最近接部の下流の吸気温度と、に基づいて前記暖機度合を判定し、
前記駆動部は、前記冷却水温が水温閾値より高く、かつ、前記吸気温度が所定の吸気温閾値より高い場合には前記遮蔽板を閉位置とし、前記冷却水温が前記水温閾値以下、あるいは、前記吸気温度が前記吸気温閾値以下の場合には、前記遮蔽板を開位置とするように前記駆動機構を駆動することを特徴とする請求項7に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。 - 前記遮熱板の前記開位置は、前記閉位置よりも、前記エンジンのシリンダブロックと離れた位置にあることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。
- 前記放熱源は、ラジエータまたはエアコンデンサであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。
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