JP5505331B2 - 内燃機関冷却システム - Google Patents

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Description

本発明は、冷却水を流通させることによって内燃機関を冷却する内燃機関冷却システムに関する。
従来、車両走行用の駆動力を出力する内燃機関(エンジン)の内部に冷却水を流通させることによってエンジンを冷却する車両用の内燃機関冷却システムが知られている。
例えば、特許文献1に開示された内燃機関冷却システムでは、エンジンの内部に、シリンダヘッドを冷却するための冷却水を流通させるヘッド側流路およびシリンダブロックを冷却するための冷却水を流通させるブロック側流路を設け、エンジンの暖機時には、ヘッド側流路に冷却水を流通させないようにして、シリンダヘッド側の昇温を促進することによって、エンジン全体の早期暖機を実現しようとしている。
また、一般的に、この種の内燃機関冷却システムを流通する冷却水は、車両用空調装置において空調対象空間となる車室内に送風される送風空気を加熱する加熱用熱交換器(ヒータコア)の熱源として利用されている。
そこで、特許文献2に記載された車両用の内燃機関冷却システムでは、エンジンの暖機中に車室内の暖房要求があった場合に、ヘッド側流路から流出した冷却水をヒータコアへ導き、さらに、ヒータコアから流出した冷却水をブロック側流路を迂回させてヘッド側流路へ流入させることによって、車室内の暖房を実現しようとしている。
特開2010−163920号公報 特開2010−163897号公報
しかしながら、特許文献1の内燃機関冷却システムでは、エンジンの暖機時に暖房要求があると、ブロック側流路から流出した冷却水をヒータコアに流入させなければならないので、シリンダブロック側の暖機が遅れてしまう。このため、シリンダブロック内のシリンダとピストンとの摺動部(ライナー部)の暖機が遅れてしまい、フリクションロスによる燃費悪化を招いてしまう。
また、特許文献2の内燃機関冷却システムでは、ヘッド側流路から流出した冷却水をヒータコアに供給しているので、送風空気を充分に加熱する熱量を確保するためには、ヘッド側流路を流通させるヘッド側冷却水流量を増加させなければならない。しかしながら、ヘッド側冷却水流量を増加するとヘッド側流路から流出した冷却水の温度が低下してしまうので、送風空気の温度を充分に上昇させることができず、即効暖房を実現できない。
本発明は、上記点に鑑みて、内部を流通する冷却水が加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる内燃機関冷却システムにおいて、内燃機関の早期暖機の実現および暖機時に暖房要求があった際の即効暖房の実現の両立を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷却水を流通させることによって通常作動時の内燃機関(10)自体の温度を予め定めた所定温度範囲内となるように冷却するとともに、冷却水の少なくとも一部が空調対象空間へ送風される送風空気を加熱する熱源として用いられる内燃機関冷却システムであって、
内燃機関(10)の内部には、シリンダブロック(11)を冷却するための冷却水を流通させるブロック側流路(11a)、および、シリンダヘッド(12)を冷却するための冷却水を流通させるヘッド側流路(12a)が形成されており、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)へ冷却水を圧送する冷却水圧送手段(21)と、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)の少なくとも一方から流出した冷却水と送風空気とを熱交換させる加熱用熱交換器(31、31a、31b)と、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)から流出した冷却水を外気と熱交換させて放熱させる放熱用熱交換器(24)と、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)から流出した冷却水を加熱用熱交換器(31)および放熱用熱交換器(24)を迂回させて冷却水圧送手段(21)の吸入側へ導くバイパス通路(25)と、ブロック側流路(11a)を流通するブロック側冷却水流量(Qbk)およびヘッド側流路(12a)を流通するヘッド側冷却水流量(Qhd)の少なくとも一方を調整する流量調整手段(23、23a)とを備え、
内燃機関(10)の暖機時には、流量調整手段(23、23a)が、ヘッド側冷却水流量(Qhd)を、通常運転時のヘッド側冷却水流量(Qhd)以下の値に設定された第1上限値以下にするとともに、ブロック側冷却水流量(Qbk)を第1上限値以下の値に設定された第2上限値以下とし、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)から流出した冷却水を主にバイパス通路(25)へ流入させる燃費優先モードで作動し、
内燃機関(10)の暖機時に、加熱用熱交換器(31)にて送風空気を加熱する暖房要求がなされた際には、流量調整手段(23、23a)が、ヘッド側冷却水流量(Qhd)を通常運転時のヘッド側冷却水流量(Qhd)以下で、かつ、第1上限値よりも高い値に設定された第3上限値以下とするととともに、ブロック側冷却水流量(Qbk)を第3上限値以下の値に設定された第4上限値以下とし、少なくともヘッド側流路(12a)から流出した冷却水を加熱用熱交換器(31)へ流入させる暖房優先モードで作動することを特徴とする。
これによれば、内燃機関(10)の暖機時には、燃費優先モードおよび燃料優先モードのいずれの作動モードにおいても、通常作動時に対してヘッド側冷却水流量(Qhd)とブロック側冷却水流量(Qbk)の合計値(すなわち内燃機関(10)を流通する冷却水流量)が減少させることができる。従って、内燃機関(10)の暖機時には、通常作動時よりも内燃機関(10)の廃熱が外部に流出する量を減少させることができる。その結果、通常作動時よりも内燃機関(10)を早期に暖機できる。
さらに、第2上限値が第1上限値以下の値に設定され、第4上限値が第3上限値以下の値に設定されているので、いずれの作動モードにおいても、ブロック側冷却水流量(Qbk)をヘッド側冷却水流量(Qhd)よりも少なくすることができる。これにより、シリンダブロック(11)側のシリンダとピストンとの摺動部の暖機を効率的に促進でき、内燃機関(10)の燃費を向上させることができる。
さらに、燃費優先モードでは、内燃機関(10)から流出した冷却水を主にバイパス通路(25)へ流入させるので、内燃機関(10)の外部へ流出した廃熱を外部に放熱してしまうことなく、冷却水全体の温度を上昇させるために有効に利用できる。
従って、燃費優先モードでは、内燃機関(10)の燃費の向上と内燃機関(10)の早期暖機を実現することができる。
一方、暖房優先モードでは、第3上限値が第1上限値よりも高い値に設定されているので、燃費優先モードよりもヘッド側冷却水流量(Qhd)を増加させた状態で、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水を加熱用熱交換器(31)へ流入させることができる。これにより、内燃機関(10)の外部へ流出した廃熱を、加熱用熱交換器(31)へ流入する冷却水の温度を上昇させるために有効に利用できる。
従って、暖房優先モードでは、燃費の向上に加えて、内燃機関(10)の早期暖機の実現および即効暖房の実現の両立を図ることができる。
さらに、燃費優先モードでの作動中に、暖房要求がなされて暖房優先モードに切り替えられることで、より一層効果的に、内燃機関(10)の早期暖機の実現および暖機時に暖房要求があった際の即効暖房の実現の両立を図ることができる。
なお、請求項に記載された「通常運転時のヘッド側冷却水流量(Qhd)」とは、通常運転時にエンジン(10)の作動が安定した状態におけるヘッド側冷却水流量を意味しており、燃費優先モードから通常運転へ移行した直後や、暖房優先モードから通常運転へ移行した直後のような、エンジン(10)の作動が安定した状態へ移行する過渡期におけるヘッド側冷却水流量を意味するものではない。
また、請求項に記載された「冷却水を主にバイパス通路(25)へ流入させる」とは、冷却水の全流量をバイパス通路(25)に流入させることに限定されることなく、配管接続の都合等によって僅かに他の冷却水通路等へ流入させてしまうことが許容されることを意味している。
また、エンジン(10)自体の温度としては、請求項2に記載の発明のように、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)のいずれか一方から流出した冷却水の温度(TWbk、TWhd)を用いることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の内燃機関冷却システムにおいて、暖房優先モードでは、流量調整手段(23、23a)が、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)のいずれか一方から流出した冷却水の温度(TWbk、TWhd)の上昇に伴って、第3上限値以下の範囲でヘッド側冷却水流量(Qhd)を減少させることを特徴とする。
これによれば、冷却水の温度(TWbk、TWhd)が送風空気を充分に加熱できる程度まで上昇した後に、ヘッド側冷却水流量(Qhd)を減少させることで、燃費優先モードと同様に、内燃機関(10)の早期暖機を実現できる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、暖房優先モードでは、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水のヘッド側出口温度(TWhd)が、ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のブロック側出口温度(TWbk)よりも低い温度となっていることを特徴とする。
これによれば、シリンダヘッド側の温度を低下させて、内燃機関(10)の耐ノッキング性能を向上させることができるとともに、シリンダヘッド側に対してシリンダブロック側の温度を上昇させて、内燃機関(10)の燃費をより一層向上させることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、暖房優先モード時に、内燃機関(10)の作動状態が、内燃機関(10)の排気経路に接続されて内燃機関(10)の排気ガスを浄化する触媒の冷却を行うために噴射燃料の増量を必要とする作動状態となった際には、第3上限値を上昇させることを特徴とする。
ここで、内燃機関(10)が触媒の冷却を必要となる作動状態では、後述する実施形態で説明するように、噴射燃料が増加して内燃機関(10)の燃費が悪化してしまう。これに対して、第3上限値を上昇させてヘッド側冷却水流量(Qhd)を増加させることができるので、内燃機関(10)の作動状態を、触媒の冷却を必要となる作動状態から触媒の冷却を必要としない作動状態へ移行させることができる。
その結果、内燃機関(10)の燃費の悪化を抑制できる。なお、本請求項に記載された「第3上限値を上昇させる」は、第3上限値を通常運転時のヘッド側冷却水流量(Qhd)よりも上昇させることを含む意味である。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、暖房優先モードでは、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)から流出した冷却水の双方を、放熱用熱交換器(24)へ流入させることなく加熱用熱交換器(31)へ流入させることを特徴とする。
これによれば、暖房優先モード時に、冷却水が放熱用熱交換器(24)にて外気へ放熱してしまうことを抑制して、加熱用熱交換器(31)にて効率的に送風空気を加熱できるので、より一層、暖房性能を向上できる。
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、燃費優先モードでは、流量調整手段(23、23a)が、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)のいずれか一方から流出した冷却水の温度(TWbk、TWhd)の上昇に伴って、第1上限値の範囲内で、ヘッド側冷却水流量(Qhd)を増加させることを特徴とする。
これによれば、冷却水の温度(TWbk、TWhd)が、内燃機関(10)の廃熱を外部に流出させる量を増加させたとしても内燃機関(10)の早期暖機に悪影響を与えない程度まで上昇した後に、内燃機関(10)の廃熱を外部に流出させる量を増加させて、冷却水回路内の冷却水全体の温度を効率的に上昇させることができる。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、燃費優先モードでは、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水のヘッド側出口温度(TWhd)が、ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のブロック側出口温度(TWbk)よりも低い温度となっていることを特徴とする。
これによれば、シリンダヘッド側の温度を低下させて、内燃機関(10)の耐ノッキング性能を向上させることができるとともに、シリンダヘッド側に対してシリンダブロック側の温度を上昇させて、内燃機関(10)の燃費をより一層向上させることができる。
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、燃費優先モード時に、内燃機関(10)の作動状態が、内燃機関(10)の排気経路に接続されて内燃機関(10)の排気ガスを浄化する触媒の冷却を行うために噴射燃料の増量を必要とする作動状態あるいは内燃機関(10)のノッキングを生じうる作動状態となった際に、第1上限値を上昇させることを特徴とする。
これによれば、第1上限値を上昇させてヘッド側冷却水流量(Qhd)を増加させることができるので、内燃機関(10)の作動状態を、触媒の冷却を必要となる作動状態から触媒の冷却を必要としない作動状態へ移行させることができるとともに、燃焼室の温度を低下させて内燃機関(10)の耐ノッキング性を向上させることができる。
その結果、内燃機関(10)の燃費の悪化を抑制できるとともに、安定した作動を実現できる。なお、本請求項に記載された「第1上限値を上昇させる」は、第1上限値を通常運転時のヘッド側冷却水流量(Qhd)よりも上昇させることを含む意味である。
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、燃費優先モードでは、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)から流出した冷却水の双方を、加熱用熱交換器(31)へ流入させることなくバイパス通路(25)へ流入させることを特徴とする。
これによれば、燃費優先モード時に、冷却水が加熱用熱交換器(31)にて放熱してしまうことを防止して、より一層、早期に内燃機関(10)の暖機を完了できる。
また、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、加熱用熱交換器(31)は、請求項11に記載の発明のように、ブロック側流路(11a)から流出した冷却水とヘッド側流路(12a)から流出した冷却水とを合流させた冷却水と送風風気とを熱交換させるようになっていてもよいし、請求項12に記載の発明のように、送風空気とヘッド側流路(12a)から流出した冷却水とを熱交換させる第1熱交換部(31a)、および、第1熱交換部(31a)を通過した送風空気とブロック側流路(11a)から流出した冷却水とを熱交換させる第2熱交換部(31b)を有していてもよい。
また、請求項13に記載の発明のように、請求項1ないし12のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、流量調整手段は、ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のうち、バイパス通路(25)側へ流出させる冷却水流量と加熱用熱交換器(31)側へ流出させる冷却水流量とを調整する流量調整弁(23)によって構成されていてもよい。
また、請求項14に記載の発明のように、請求項1ないし13のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、流量調整手段は、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水のうち、バイパス通路(25)側へ流出させる冷却水流量と加熱用熱交換器(31)側へ流出させる冷却水流量とを調整する流量調整弁(23a)によって構成されていてもよい。
さらに、請求項15に記載の発明のように、請求項1ないし14のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システムにおいて、ユーザの操作によって、送風空気を加熱することを要求する暖房要求入力手段を備え、暖房要求がなされた際とは、暖房要求入力手段によって送風空気を加熱することが要求された際としてもよい。
また、暖房要求がなされた際としては、請求項16に記載の発明のように、外気温が予め定めた基準外気温以下となっている際としてもよいし、請求項17に記載の発明のように、空調対象空間内の内気温が予め定めた基準内気温以下となっている際としてもよい。これらの基準内気温あるいは基準外気温としては、ユーザが空調対象空間の暖房を望む温度が採用できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の内燃機関冷却システムの燃費優先モードを示す全体構成図である。 第1実施形態の内燃機関冷却システムの暖房優先モードを示す全体構成図である。 第1実施形態のエンジン制御装置の制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の燃費優先モード時における冷却水温度変化を示すタイムチャートである。 第1実施形態の暖房優先モード時における冷却水温度変化を示すタイムチャートである。 第1実施形態の燃費優先モードから暖房優先モードへ以降する場合の冷却水温度変化を示すタイムチャートである。 第2実施形態の内燃機関冷却システムの全体構成図である。 第3実施形態の内燃機関冷却システムの全体構成図である。 一般的なエンジンの性能特性図である。 第4実施形態の燃費優先モード時におけるエンジンの作動状態に応じた第1、第2上限値を示す図表である。 第4実施形態の燃費優先モード時におけるエンジンの作動状態に応じた第3、第4上限値を示す図表である。第1、第2上限値を示す図表である。 第5実施形態の内燃機関冷却システムの燃費優先モードを示す全体構成図である。 第5実施形態の内燃機関冷却システムの暖房優先モードを示す全体構成図である。 第6実施形態の内燃機関冷却システムの全体構成図である。 第7実施形態の内燃機関冷却システムの全体構成図である。
(第1実施形態)
図1〜図6により、本発明の第1実施形態を説明する。図1、図2は、本実施形態の内燃機関冷却システム1の全体構成図である。本実施形態では、この内燃機関冷却システム1を、内燃機関(エンジン)10および走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る、いわゆるハイブリッド車両に適用している。従って、本実施形態の内燃機関冷却システム1は、ハイブリッド車両のエンジン10を冷却する機能を果たす。
具体的には、内燃機関冷却システム1は、エンジン10内部に形成された冷却水流路11a、12aに冷却水を流通させることによってエンジン10を冷却する。さらに、この冷却水は、車両用空調装置において、空調対象空間である車室内に送風される送風空気を加熱する暖房用の熱源としても用いられる。この冷却水としては、例えば、エチレングリコール水溶液等を採用できる。
さらに、本実施形態の内燃機関冷却システム1は、エンジン10の暖機時には、車両燃費を悪化させることなく暖機を促進する燃費優先モード(図1)で作動し、エンジン10の暖機時であって車室内の暖房要求がなされている際には、車室内の即効暖房を実現するための暖房優先モード(図2)で作動するように構成されている。この燃費優先モードおよび暖房優先モードにおける内燃機関冷却システム1の作動については後述する。
また、本実施形態の内燃機関冷却システム1が適用されるハイブリッド車両のエンジン10としては、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12を有して構成されるガソリンエンジンが採用されている。
シリンダブロック11は、ピストンが往復運動するシリンダを形成するとともに、車両搭載状態におけるシリンダの下方側に、クランクシャフトおよびピストンとクランクシャフトを連結するコンロッド等を収容するクランクケースが設けられた金属ブロック体である。シリンダヘッド12は、シリンダの上死点側の開口部を閉塞して、シリンダおよびピストンとともに燃焼室を形成する金属ブロック体である。
さらに、このエンジン10では、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12を一体に組み付けることにより、内部にシリンダブロック11を冷却するための冷却水を流通させるブロック側流路(ブロック側ウォータージャケット)11a、およびシリンダヘッド12を冷却するための冷却水を流通させるヘッド側流路(ヘッド側ウォータージャケット)12aが形成される。
ブロック側流路11aの入口側およびヘッド側流路12aの入口側は、エンジン10の内部に配置された分流部10dにて接続されており、この分流部10dは、エンジン10の外部から冷却水を流入させる流入ポート10aに連通している。ブロック側流路11aの出口側およびヘッド側流路12aの出口側は、それぞれエンジン10から冷却水を流出させるブロック側、ヘッド側流出ポート10b、10cに連通している。
エンジン10の流入ポート10aには、水ポンプ21の吐出口が接続されている。水ポンプ21は、内燃機関冷却システム1において、ブロック側流路11aおよびヘッド側流路12aへ冷却水を圧送する冷却水圧送手段である。
より具体的には、水ポンプ21は、ポンプ室を形成するケーシング内に配置された羽根車を電動モータで駆動する電動式ポンプである。なお、この水ポンプ21の電動モータは、後述するエンジン制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(冷却水圧送能力)が制御される。
一方、ブロック側流出ポート10bおよびヘッド側流出ポート10cには、ブロック側流路11aから流出した冷却水とヘッド側流路12aから流出した冷却水とを合流させて、後述するラジエータ24側の冷却水入口側へ流出させる合流部22が設けられている。さらに、ブロック側流出ポート10bから合流部22へ至る冷却水通路には、流量調整弁23が配置されている。
流量調整弁23は、ブロック側流路11aから流出した冷却水のうち、合流部22(後述するバイパス通路25)側へ流出させる冷却水流量と後述するヒータコア31の冷却水入口側へ流出させる冷却水流量を調整する機能を果たすものである。
より具体的には、流量調整弁23は、ブロック側流出ポート10bと合流部22とを接続する冷却水通路の通路断面積およびブロック側流出ポート10bとヒータコア31の冷却水入口側とを接続する冷却水通路の通路断面積を、それぞれ独立して調整可能に構成されている。このような構成は、複数のリニアソレノイドバルブを組み合わせる構成によって実現できる。
さらに、流量調整弁23が、ブロック側流出ポート10bと合流部22とを接続する冷却水通路の通路断面積を調整することによって、ブロック側流路11aを流通するブロック側冷却水流量Qbkとヘッド側流路12aを流通するヘッド側冷却水流量Qhdとの流量比を変化させることもできる。従って、本実施形態の流量調整弁23は、ブロック側冷却水流量Qbkおよびヘッド側冷却水流量Qhdを調整する流量調整手段を構成している。
また、ヘッド側流出ポート10cから合流部22へ至る冷却水通路には、ヘッド側流路12aから流出した冷却水の流れを分流して、ヒータコア31の冷却水入口側へ導くヘッド側バイパス通路27が接続されている。従って、本実施形態のヒータコア31には、内燃機関冷却システムの作動モードによらず、少なくともヘッド側流路12aから流出した冷却水の一部が流入する。
ヒータコア31は、車両用空調装置において送風空気の空気通路を形成する室内空調ユニットのケーシング30内に配置されて、その内部を流通する冷却水と送風空気とを熱交換させて送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。さらに、ヒータコア31の冷却水出口側は、後述するサーモスタット26を介して、水ポンプ21の吸入口側へ接続されている。
合流部22の冷却水出口側には、ラジエータ24の冷却水入口側が接続されている。ラジエータ24は、ブロック側流路11aから流出した冷却水およびヘッド側流路12aから流出した冷却水と外気とを熱交換させて、冷却水の有する熱量を外気に放熱させる放熱用熱交換器である。ラジエータ24の冷却水出口側は、サーモスタット26を介して、水ポンプ21の吸入口側へ接続されている。
さらに、本実施形態の内燃機関冷却システム1には、合流部22から流出した冷却水を、ラジエータ24およびヒータコア31を迂回させて水ポンプ21の吸入側へ導くバイパス通路25が設けられている。このバイパス通路25の出口側についても、サーモスタット26を介して、水ポンプ21の吸入口側へ接続されている。
サーモスタット26は、温度によって体積変化するサーモワックス(感温部材)によって複数の弁体を変位させ、複数の冷却水通路の開度(通路断面積)を同時に変化させる複合型の冷却水温度応動弁である。
より具体的には、サーモスタット26には、ラジエータ24の冷却水出口側と水ポンプ21の吸入口側とを接続するラジエータ側冷却水通路、バイパス通路25の出口側と水ポンプ21の吸入口側とを接続するバイパス通路側冷却水通路、および、ヒータコア31の冷却水出口側とポンプ21の吸入口側とを接続するヒータコア側冷却水通路の3つの冷却水通路が設けられている。
さらに、サーモスタット26は、ラジエータ側冷却水通路およびバイパス通路側冷却水通路の開度を変化させる第1の弁体、並びに、ヒータコア側冷却水通路の開度を変化させる第2の弁体を有して構成されている。
第1の弁体は、サーモスタット26の内部を流通する冷却水の温度が上昇し、サーモワックスの体積が増加するに伴って、ラジエータ側冷却水通路の開度を増加させるとともに、バイパス通路側冷却水通路の開度を減少させるように変位する。逆に、サーモスタット26の内部を流通する冷却水の温度が低下し、サーモワックスの体積が減少するに伴って、ラジエータ側冷却水通路の開度を減少させるとともに、バイパス通路側冷却水通路の開度を増加させるように変位する。
従って、冷却水の温度が上昇するに伴って、ラジエータ24における冷却水の外気への放熱量が増加し、冷却水の温度が低下するに伴って、ラジエータ24における冷却水の外気への放熱量が減少する。これにより、サーモスタット26から流出する冷却水の温度を、予め定めた流入側基準温度TWin(本実施形態では、65℃)に近づけることができる。
第2の弁体は、サーモスタット26の内部を流通する冷却水が温度低下して、サーモワックスの体積が減少するに伴って、ヒータコア側冷却水通路の開度を減少させるように変位する。また、第2の弁体は、ヒータコア側冷却水通路を完全に閉塞しないように、その稼働範囲が規制されている。
従って、例えば、エンジン10の暖機時のように冷却水の温度が充分に昇温していない場合であっても、ヒータコア31へ冷却水を流入させることができ、さらに、冷却水の温度低下に伴って、ヒータコア31へ流入する冷却水流量を絞る(減少させる)こともできる。
次に、本実施形態の車両用空調装置について説明する。本実施形態の車両用空調装置は、上述したケーシング30内に配置された冷却用熱交換器(本実施形態では、蒸気圧縮式冷凍サイクルの蒸発器33)にて冷却された冷風とヒータコア31にて加熱された温風との混合割合をエアミックスドア34にて調整して車室内送風空気の温度を調整する、いわゆるエアミックス方式のものである。
エアミックスドア34は、エアミックスドア用の電動アクチュエータ34aによって駆動され、この電動アクチュエータは、空調制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。また、ケーシング30内の空気通路最上流側には、車室内に向けて空気を送風する送風機35が配置されている。この送風機35も、空調制御装置40から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
次に、エンジン制御装置50および空調制御装置40について説明する。エンジン制御装置50および空調制御装置40は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。そして、このROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、それぞれ出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
具体的には、エンジン制御装置50の出力側には、エンジン10を始動させるスタータ、エンジン10に燃料を噴射供給する燃料噴射弁(インジェクタ)の駆動回路、水ポンプ21の電動モータ等が接続されている。
一方、エンジン制御装置50の入力側には、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ、車速Vvを検出する車速センサ、ヘッド側流路12aから流出した冷却水の温度(以下、ヘッド側出口温度TWhdという)を検出するヘッド側サーミスタ41、ブロック側流路11aから流出した冷却水の温度(以下、ブロック側出口温度TWbk)を検出するブロック側サーミスタ42等のエンジン制御用のセンサ群が接続されている。
また、空調制御装置40の出力側には、前述のエアミックスドア用の電動アクチュエータ、送風機35、蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成する各種構成機器等が接続されている。一方、空調制御装置40の入力側には、車室内の内気温Trを検出する内気センサ、外気温Tamを検出する外気温センサ、車室内の日射量Tsを検出する日射センサ、蒸発器33からの吹出空気温度(冷媒蒸発温度)Teを検出する蒸発器温度センサ等の空調制御用のセンサ群が接続されている。
さらに、空調制御装置40の入力側には、車室内に配置された図示しない操作パネルが接続されている。この操作パネルには、車両用空調装置の作動スイッチ、車室内の温度設定スイッチ、乗員(ユーザ)が車室内の暖房を行うか否かを選択する暖房スイッチ(暖房要求入力手段)等が設けられている。
なお、本実施形態のエンジン制御装置50および空調制御装置40は、互いに電気的に接続されて、通信可能に構成されている。これにより、一方の制御装置に入力された検出信号あるいは操作信号に基づいて、他方の制御装置が出力側に接続された各種機器の作動を制御することもできる。従って、エンジン制御装置50および空調制御装置40を1つの制御装置として一体的に構成してもよい。
また、エンジン制御装置50および空調制御装置40は、その出力側に接続された各種の制御機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、各制御装置40、50のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御手段を構成している。
例えば、本実施形態では、エンジン制御装置50のうち、水ポンプ21の冷却水圧送能力を制御するために電動モータの作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が圧送能力制御手段を構成し、流量調整弁23の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が流量調整弁制御手段を構成している。
次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。まず、エンジン10の基本的作動について説明する。車両スタートスイッチが投入(ON)されて車両が起動すると、エンジン制御装置50が、入力側に接続された各種エンジン制御用のセンサ群の検出信号を読み込み、読み込まれた検出値に基づいて車両の走行負荷を算出する。さらに、算出された走行負荷に応じてエンジン10を作動あるいは停止させる。
その後、車両停止スイッチにより車両が停止状態となるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号の読み込み→走行負荷の算出→エンジンの作動制御といった制御ルーチンを繰り返す。
これにより、ハイブリッド車両では、エンジン10および走行用電動モータの双方から駆動力を得て走行する、いわゆるHV走行と呼ばれる走行状態や、エンジンを停止させて走行用電動モータのみから駆動力を得て走行する、いわゆるEV走行と呼ばれる走行状態等が切り替えられる。その結果、ハイブリッド車両では、車両走行用の駆動源としてエンジン10のみを有する通常の車両に対して燃費を向上させることができる。
次に、車両用空調装置の基本的作動について説明する。車両スタートスイッチが投入された状態で、車両用空調装置の作動スイッチが投入(ON)されると、空調制御装置40が上述の空調制御用のセンサ群の検出信号および操作パネルの操作信号を読み込む。そして、検出信号および操作信号の値に基づいて車室内へ吹き出す空気の目標温度である目標吹出温度TAOを算出する。
さらに、空調制御装置40は、算出された目標吹出温度TAOおよびセンサ群の検出信号に基づいて、空調制御装置40の出力側に接続された各種空調制御機器の作動状態を決定する。
例えば、送風機35の目標送風量、すなわち送風機35の電動モータに出力する制御電圧については、目標吹出温度TAOに基づいて予め空調制御装置40に記憶された制御マップを参照して、目標吹出温度TAOが高温時および低温時に中間温度時よりも高くなるように決定される。
さらに、本実施形態では、暖房時にヘッド側出口温度TWhdが加熱開始温度TW1(本実施形態では、40℃)以下になっている場合には、送風機35の送風能力を0とする。すなわち、送風機35の作動を停止させる。これにより、暖房時にヒータコア31にて充分に加熱されていない送風空気が車室内に吹き出されてしまうことを防止している。
また、エアミックスドア34の電動アクチュエータ34aへ出力される制御信号については、目標吹出温度TAO、蒸発器33からの吹出空気温度Teの検出値およびヘッド側サーミスタ41の検出値を用いて、車室内へ吹き出される空気の温度が温度設定スイッチによって設定された乗員の所望の温度となるように決定される。
なお、乗員が暖房スイッチによって車室内の暖房を行うことを選択している場合には、送風機35から送風された送風空気の全風量がヒータコア31を通過するようにエアミックスドア34の開度を制御してもよい。さらに、冷凍サイクルの圧縮機の作動を停止させてもよい。
そして、上記の如く決定された制御電圧および制御信号を各種空調制御機器へ出力する。その後、操作パネルによって車両用空調装置の作動停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種空調制御機器の作動状態決定→制御電圧および制御信号の出力といった制御ルーチンを繰り返す。
これにより、車両用空調装置では、送風機35から送風された送風空気を蒸発器33にて冷却し、冷却された一部の送風空気をヒータコア31にて再加熱することにより、乗員の所望の温度となった送風空気(空調風)を車室内へ送風して車室内の空調を行う。
次に、図1、図2に加えて、図3〜図5を用いて、本実施形態の内燃機関冷却システム1の作動について説明する。
ここで、例えば、エンジン10の起動時のように、エンジン10自体の温度が低くなっていると、エンジンオイルの粘度増加によってフリクションロスが増大し、車両燃費が悪化してしまう。さらに、排気ガスの温度の低下によって排気ガス浄化用触媒の作動不良を招いてしまう。従って、エンジン10の暖機時には、エンジン10自体の温度を速やかに上昇させることが望ましい。
そこで、本実施形態の内燃機関冷却システム1では、エンジン10自体の温度として、ヘッド側出口温度TWhdを採用し、このヘッド側出口温度TWhdが基準暖機完了温度TW0(本実施形態では、65℃)より低くなっている際には、エンジン10自体の温度を速やかに上昇させる燃費優先モードで作動する。
さらに、この内燃機関冷却システム1では、冷却水を車室内暖房用の熱源として利用しているため、燃費優先モードでの作動中であっても、乗員から暖房要求があった際には、早期に車室内の温度を上昇させる即効暖房の実現が求められる。そこで、燃費優先モードでの作動中であっても、乗員が暖房スイッチを投入(ON)とする暖房要求があった際には、冷却水の温度を車室内の暖房を実現可能な温度となるまで速やかに上昇させて即効暖房を実現する暖房優先モードで作動する。
一方、エンジン10自体の温度が上昇し過ぎると、エンジン10のオーバーヒートを招くおそれがあるとともに、排気ガス浄化用触媒の過昇温による熔損を防止するためのエンジン出力に寄与しない触媒冷却用の燃料を消費してしまうので、車両燃費が悪化する。そこで、暖機終了後にはエンジン10の作動状態に応じて、エンジン10自体の温度を予め定めた所定温度範囲内(本実施形態では、ヘッド側出口温度TWhdが65℃以上、75℃以下)に維持するエンジン要求モードで作動する。
具体的には、各作動モードは図3のフローチャートに示すように切り替えられる。なお、図3は、内燃機関冷却システム1の制御フローを示すフローチャートであり、図3に示す制御フローは、エンジン制御装置50の記憶回路(ROM)に記憶されており、上述したエンジン10の作動制御を実行する制御フローのサブルーチンとして実行される。
まず、ステップS1では、所定の制御周期毎に読み込まれる冷却水温度の検出値(具体的には、ヘッド側出口温度TWhd)が、予め定めた基準暖機完了温度TW0より低くなっているか否かが判定される。ステップS1にて、ヘッド側出口温度TWhdが基準暖機完了温度TW0よりも低くなっていると判定された場合は、エンジン10の暖機が完了していないものとして、ステップS2へ進む。
一方、ステップS1にて、ヘッド側出口温度TWhdが基準暖機完了温度TW0よりも低くなっていない(すなわち、ヘッド側出口温度TWhdが基準暖機完了温度以上になっている)と判定された場合は、エンジン10の暖機が完了しているものとして、ステップS3へ進み、エンジン要求モードでの作動状態となってメインルーチンへ戻る。
ステップS3のエンジン要求モードは、暖機終了後の通常作動時の作動モードであり、このモードでは、エンジン制御装置50が、エンジン10の作動状態に応じて、冷却水の温度が予め定めた所定温度範囲内に維持されるように、水ポンプ21および流量調整弁23の作動を制御する。
具体的には、ヘッド側出口温度TWhdが基準ヘッド側出口温度KTWhd(本実施形態では、70℃)に近づくように、フィードバック制御手法等により水ポンプ21の作動が制御される。さらに、ブロック側出口温度TWbkが基準ブロック側出口温度KTWbk(本実施形態では、90℃)に近づくように、フィードバック制御手法等により流量調整弁23の作動が制御される。
さらに、サーモスタット26が、その内部を流通する冷却水の温度に応じて、ラジエータ24およびバイパス通路25へ流入する冷却水流量を調整するので、サーモスタット26から流出してエンジン10へ圧送される冷却水の温度が、予め定めた流入側基準温度TWinに近づく。これにより、エンジン10自体の温度が、予め定めた所定温度範囲内に維持される。
なお、本実施形態のエンジン要求モードでは、上記の如く、具体的な温度として、ヘッド側出口温度TWhdがブロック側出口温度TWbkよりも低くなるようにしている。その理由は、ヘッド側出口温度TWhdを低下させることによって、燃焼室の温度を低下させて耐ノッキング性能を向上させることができるからである。
さらに、ブロック側出口温度TWbkをヘッド側出口温度TWhdよりも高くすることで、シリンダブロック11内のシリンダとピストンとの摺動部(ライナー部)の温度を上昇させて潤滑用のエンジンオイルの粘度を低下させることができるので、エンジン10のフリクションロスを抑制して、車両燃費を向上させることができるからである。
また、エンジン要求モードでは、サーモスタット26を流通する冷却水の温度が基準暖機完了温度TW0以上となるので、サーモスタット26のヒータコア側冷却水通路の開度が、ヒータコア31へ車室内暖房を行うために充分な冷却水を供給することができる程度に増加する。従って、エンジン要求モード時に、暖房要求があった場合には、速やかに車室内暖房を行うことができる。
次に、ステップS2では、暖房スイッチが投入(ON)されているか否かが判定される。ステップS2にて、暖房スイッチが投入(ON)されていると判定された場合は、乗員による暖房要求がなされているものとして、ステップS5へ進み、暖房優先モードでの作動状態となってメインルーチンへ戻る。
一方、ステップS2にて、暖房スイッチが投入されていないと判定された場合は、乗員による暖房要求がなされていないものとして、ステップS4へ進み、燃費優先モードでの作動状態となってメインルーチンへ戻る。ステップS4の燃費優先モードでは、エンジン制御装置50が、エンジン10自体の温度を速やかに上昇させるように、水ポンプ21および流量調整弁23の作動を制御する。
具体的には、エンジン10へ流入する冷却水流量がエンジン要求モードよりも少なくなるように、水ポンプ21の作動が制御される。さらに、ヘッド側冷却水流量Qhdが予め定めた第1上限値(本実施形態では、6L/min)以下となり、ブロック側冷却水流量Qbkが予め定めた第2上限値(本実施形態では、2L/min)以下となるように、流量調整弁23の作動が制御される。
この第1、第2上限値は、それぞれ通常作動時(エンジン要求モード)におけるヘッド側冷却水流量Qhdおよびブロック側冷却水流量Qbkに対して、少ない流量に設定されている。また、燃費優先モードでは、暖房要求がなされていないので、ブロック側流路11aから流出した冷却水の全流量を合流部22側へ流出させるように流量調整弁23の作動が制御される。
さらに、燃費優先モードでは、ヘッド側出口温度TWhdが基準暖機完了温度TW0よりも低くなるので、サーモスタット26では、ラジエータ側冷却水通路が略全閉となり、バイパス通路側冷却水通路が略全開となる。従って、エンジン10から流出した冷却水は、主にバイパス通路25へ流入することになる。
なお、ヘッド側出口温度TWhdが基準暖機完了温度TW0よりも低くなっていても、サーモスタット26のヒータコア側冷却水通路が完全に閉塞することはないので、エンジン10のヘッド側流路12aから流出した冷却水の一部は、ヘッド側バイパス通路27を介してヒータコア31へ流入するものの、暖房要求がなされていない状態では、送風機35が停止しているので、ヒータコア31では冷却水は殆ど放熱しない。
従って、燃費優先モードでは、図1の実線矢印に示すように、冷却水が流れる。さらに、燃費優先モードでは、図4に示すように、ヘッド側出口温度TWhdの温度上昇に伴って、第1上限値以下の範囲内で、ヘッド側冷却水流量Qhdを増加させる。なお、図4は、燃費優先モードにおけるヘッド側冷却水流量Qhd、ブロック側冷却水流量Qbkおよびヘッド側出口温度TWhdの変化を示すタイムチャートである。
具体的には、ヘッド側出口温度TWhdが予め定めた基準暖機過程温度TW2以下になっている際には、ヘッド側冷却水流量Qhdを2L/minとし、ヘッド側出口温度TWhdが基準暖機過程温度TW2よりも上昇するに伴って、6L/min以下の範囲でヘッド側冷却水流量Qhdを増加させる。
従って、ヘッド側出口温度TWhdが基準暖機過程温度TW2よりも上昇すると、ヘッド側出口温度TWhdがブロック側出口温度TWbkよりも低くなる。なお、基準暖機過程温度TW2としては、エンジン10の廃熱を外部に流出させる量を増加させたとしても、エンジン10の早期暖機に悪影響を与えない冷却水温度の最小値(本実施形態では、40℃)を採用できる。
また、ステップS5の暖房優先モードでは、エンジン制御装置50が、車室内の即効暖房を実現するように、水ポンプ21および流量調整弁23の作動を制御する。
具体的には、エンジン10へ流入する冷却水流量がエンジン要求モードよりも少なくなるように、水ポンプ21の作動が制御される。さらに、ヘッド側冷却水流量Qhdが予め定めた第3上限値(本実施形態では、10L/min)以下となり、ブロック側冷却水流量Qbkが予め定めた第4上限値(本実施形態では、2L/min)以下となるように、流量調整弁23の作動が制御される。
この第3、第4上限値は、それぞれ通常作動時(エンジン要求モード)におけるヘッド側冷却水流量Qhdおよびブロック側冷却水流量Qbkに対して、少ない流量に設定されている。また、暖房優先モードでは、暖房要求がなされているので、ブロック側流路11aから流出した冷却水の全流量をヒータコア31側へ流出させるように流量調整弁23の作動が制御される。
さらに、暖房優先モードでは、燃費優先モードと同様に、ヘッド側出口温度TWhdが基準暖機完了温度TW0よりも低くなるので、サーモスタット26のラジエータ側冷却水通路が略全閉となり、バイパス通路側冷却水通路が略全開となる。従って、エンジン10から流出した冷却水は、主にバイパス通路25へ流入することになる。
なお、暖房優先モードにおいても燃費優先モードと同様に、サーモスタット26のヒータコア側冷却水通路の開度は小さくなるものの、流量調整弁23が、ブロック側流路11aから流出した冷却水の全流量をヒータコア31側へ流出させるので、ヒータコア31を流通する冷却水流量は燃費優先モードよりも多くなる。
従って、暖房優先モードでは、図2の実線矢印に示すように、冷却水が流れる。さらに、暖房優先モードでは、図5に示すように、ヘッド側出口温度TWhdの温度上昇に伴って、第3上限値以下であって、かつ、ヒータコア31へ流入する冷却水の有する熱量が暖房用の加熱源として充分な熱量となる範囲で、ヘッド側冷却水流量Qhdを低下させる。なお、図5は、暖房優先モードにおけるヘッド側冷却水流量Qhd、ブロック側冷却水流量Qbkおよびヘッド側出口温度TWhdの変化を示すタイムチャートである。
具体的には、ヘッド側出口温度TWhdが予め定めた加熱開始温度TW1以下になっている際には、ヘッド側冷却水流量Qhdを10L/minとし、ヘッド側出口温度TWhdが加熱開始温度TW1より上昇するに伴って、6L/min程度までヘッド側冷却水流量Qhdを減少させる。
従って、暖房優先モードでは、ヘッド側冷却水流量Qhdがブロック側冷却水流量Qbkよりも多くなり、ヘッド側出口温度TWhdがブロック側出口温度TWbkよりも低くなる。なお、加熱開始温度TW1は、送風機35を作動させて、ヒータコア31にて冷却水と送風空気とを熱交換させて送風空気の加熱を開始する温度であって、車室内の暖房を実現可能な冷却水温度の最小値(本実施形態では、40℃)を採用することができる。
本実施形態の内燃機関冷却システム1は、以上の如く作動するので、エンジン要求モード時に、エンジン10自体の温度を予め定めた所定温度範囲内に維持できるだけでなく、以下のような優れた効果を得ることができる。
まず、燃費優先モードおよび暖房優先モードでは、ヘッド側冷却水流量Qhdおよびブロック側冷却水流量Qbkをエンジン要求モードよりも減少させるので、エンジン10の廃熱が外部に流出する量を減少させることができる。従って、エンジン要求モードで暖機する場合に対して、エンジン10を早期に暖機できる。
この際、燃費優先モードおよび暖房優先モードのいずれにおいても、ブロック側冷却水流量Qbkをヘッド側冷却水流量Qhdよりも少なくしているので、シリンダブロック11内のシリンダとピストンとの摺動部(ライナー部)の暖機を効率的に促進できる。従って、エンジン10のフリクションロスを効果的に抑制して、車両燃費を向上させることができる。
さらに、燃費優先モードでは、エンジン10から流出した冷却水を主にバイパス通路25側へ流入させるので、エンジン10の外部へ流出した廃熱を、エンジン10の冷却水出口(具体的には、ブロック側、ヘッド側流出ポート10b、10c)から冷却水入口(具体的には、流入ポート10a)へ至る冷却水回路内の冷却水全体の温度を上昇させるために有効に利用できる。
さらに、燃費優先モードでは、ヘッド側出口温度TWhdが基準暖機過程温度TW2より上昇した際に、ヘッド側冷却水流量Qhdを増加させるので、エンジン10の早期暖機に悪影響を与えることなく、ブロック側流路11aから流出した冷却水よりも高い温度となるヘッド側流路12aから流出した冷却水の有する熱によって、冷却水回路内の冷却水全体の温度を効率的に上昇させることができる。
その結果、燃費優先モードでは、車両燃費の向上とエンジンの早期暖機を実現することができる。
一方、暖房優先モードでは、燃費優先モードよりもヘッド側冷却水流量Qhdを増加させるので、エンジン10の外部へ流出する廃熱が増加し、燃費優先モードよりも暖機時間が長くなってしまうものの、ヘッド側流路12aから流出した冷却水をヒータコア31側へ導くので、この廃熱をヒータコア31へ流入する冷却水の温度を上昇させるために有効に利用できる。
さらに、暖房優先モードでは、ヘッド側出口温度TWhdの温度上昇に伴って、ヘッド側冷却水流量Qhdを減少させるので、ヒータコア31へ流入する冷却水の温度が車室内の暖房を実現可能な温度となるまで速やかに上昇させた後は、燃費優先モードと同様に、エンジン10の早期暖機を実現できる。
その結果、暖房優先モードでは、車両燃費の向上に加えて、エンジンの早期暖機の実現および即効暖房の実現の両立を図ることができる。
さらに、燃費優先モードおよび暖房優先モードでは、エンジン要求モードと同様に、ヘッド側出口温度TWhdがブロック側出口温度TWbkよりも低くなるので、エンジン10の耐ノッキング性能を向上させることができるとともに、車両燃費を向上させることができる。
さらに、本実施形態の内燃機関冷却システムは、燃費優先モードでの作動中に、暖房要求がなされて暖房優先モードに切り替えることで、より一層効果的に、エンジン10の早期暖機の実現および暖機時に暖房要求があった際の即効暖房の実現の両立を図ることができる。
このことを図6のタイムチャートを用いて説明する。なお、図6は、燃費優先モードから暖房優先モードへ以降する場合のヘッド側冷却水流量Qhd、ブロック側冷却水流量Qbkおよびヘッド側出口温度TWhdの変化を示すタイムチャートである。また、図6では、ヘッド側出口温度TWhdが加熱開始温度TW1以下になっている際に暖房要求1がなされた場合の変化を実線で示し、ヘッド側出口温度TWhdが加熱開始温度TW1より高くなっている際に暖房要求2がなされた場合の変化を破線で示している。
図6の実線から明らかなように、ヘッド側出口温度TWhdが加熱開始温度TW1以下になっている際に暖房要求がなされた場合は、既に燃費優先モード時に速やかに温度上昇している冷却水を、TW1より高い値まで昇温させるだけで暖房を開始できる。さらに、図6の破線から明らかなように、ヘッド側出口温度TWhdが加熱開始温度TW1より高くなっている際に暖房要求がなされた場合は、即時に送風機35を作動させることができるので、暖房要求と同時に暖房を開始できる。
(第2実施形態)
本実施形態では、図7の全体構成図に示すように、第1実施形態に対して、ヘッド側バイパス通路27を開閉する開閉手段としての開閉弁27aを追加したものである。なお、図7では、本実施形態の燃費優先モードにおける冷却水の流れを実線矢印で示している。また、図7では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。
本実施形態の開閉弁27aは、エンジン制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される電磁弁で構成されている。具体的には、エンジン要求モードおよび暖房優先モードでは開弁し、燃費優先モードでは閉弁するように制御される。これにより、燃費優先モードでは、図7に示すように、ヘッド側流路12aから流出した冷却水の全流量をヒータコア31側へ流出させることなく、合流部22(バイパス通路25)側へ流出させることができる。
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の内燃機関冷却システム1によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、燃費優先モード時に、冷却水がヒータコア31にて放熱してしまうことを防止して、効率的に冷却水回路内の冷却水全体の温度を上昇させることができる。
なお、本実施形態の如く、開閉弁27aを採用する場合は、サーモスタット26の第2の弁体による、ヒータコア側冷却水通路の開度調整(流量調整)機能を廃止してもよい。
(第3実施形態)
本実施形態は、図8の全体構成図に示すように、第1実施形態に対して、ヘッド側流出ポート10cから合流部22へ至る冷却水通路に、ヘッド側流量調整弁23aを配置した例を説明する。なお、図8では、本実施形態の燃費優先モードにおける冷却水の流れを実線矢印で示している。このヘッド側流量調整弁23aの基本的構成は、第1実施形態の流量調整弁23(本実施形態では、ブロック側流量調整弁23と表記する)と同様である。
具体的には、ヘッド側流量調整弁23aは、ヘッド側流路12aから流出した冷却水のうち、合流部22(バイパス通路25)側へ流出させる冷却水流量とヘッド側バイパス通路27側へ流出させる冷却水流量を調整する機能を果たす。
さらに、このヘッド側流量調整弁23aが、ヘッド側流出ポート10cと合流部22とを接続する冷却水通路の通路断面積を調整することによって、ブロック側流路11aを流通するブロック側冷却水流量Qbkとヘッド側流路12aを流通するヘッド側冷却水流量Qhdとの流量比を変化させることもできる。従って、本実施形態の流量調整手段は、ヘッド側流量調整弁23aおよびブロック側流量調整弁23によって構成される。
また、ヘッド側流量調整弁23aの具体的作動としては、エンジン要求モードでは、ヘッド側流出ポート10cと合流部22とを接続する冷却水通路およびヘッド側流出ポート10cとヘッド側バイパス通路27とを接続する冷却水通路の双方を略全開とする。これにより、エンジン要求モードでは、ヘッド側流路12aから流出した冷却水を、ヒータコア31側と合流部22側との双方へ流出させることができる。
燃費優先モードでは、ヘッド側流出ポート10cと合流部22とを接続する冷却水通路を全開状態とするとともに、ヘッド側流出ポート10cとヘッド側バイパス通路27とを接続する冷却水通路を全閉状態とする。これにより、燃費優先モードでは、ヘッド側流路12aから流出した冷却水の全流量を、ヒータコア31側へ流出させることなく、合流部22(バイパス通路25)側へ流出させることができる。
暖房優先モードでは、ヘッド側流出ポート10cと合流部22とを接続する冷却水通路を全閉とし、ヘッド側流出ポート10cとヘッド側バイパス通路27とを接続する冷却水通路を略全開とする。これにより、暖房優先モードでは、ヘッド側流路12aから流出した冷却水の全流量を合流部22(バイパス通路25)側へ流出させることなく、ヒータコア31へ流入させることができる。
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の内燃機関冷却システム1では、第1実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、暖房優先モードには、ヒータコア31にて効率的に送風空気を加熱できるので、より一層、暖房性能を向上できる。
さらに、燃費優先モードには、冷却水がヒータコア31にて放熱してしまうことを防止して、効率的に冷却水回路内の冷却水全体の温度を上昇させることができる。なお、本実施形態の如く、ヘッド側流量調整弁23aを採用する場合は、サーモスタット26の第2の弁体によるヒータコア側冷却水通路の開度調整(流量調整)機能を廃止してもよい。
(第4実施形態)
本実施形態では、エンジン10の作動状態に応じて、第1実施形態にて説明した第1〜第4上限値を変更する例を説明する。ここで、図9を用いてエンジン10の作動状態について説明する。なお、図9は、一般的なエンジンの回転数とトルクとの関係を示す性能特性図である。
一般的なエンジンでは、エンジンの回転数に対して適切なトルクを出力できるように、燃焼室内の噴射燃料と燃料用空気との混合機の点火時期が調整されている。これに対して、エンジンに出力させるトルクを増大させようとすると、燃焼室の温度上昇による圧縮比の増加等によって、点火時期の調整だけでは、ノッキングを防止できなくなってしまう。
また、一般的なエンジンでは、回転数やトルクの増加に伴って燃焼室の温度が過剰に上昇してしまうと、排気ガス浄化用触媒の過昇温による熔損が生じてしまうため、これを防止するために触媒冷却用の燃料を噴射する。このような触媒冷却用の燃料は、エンジン出力に寄与しないため、車両燃費を悪化させる原因となる。
なお、図9では、適切なトルクを出力できるエンジンの作動状態を示す領域をMBT領域(点ハッチング領域)と表し、ノッキングが生じうる作動状態を示す領域をTK領域(斜線ハッチング領域)と表し、さらに、触媒の過昇温を防止するために触媒冷却用の燃料を噴射する作動状態を示す領域をOT領域(網ハッチング領域)と表している。
これに対して、上述したノッキングを抑制する手段としては、シリンダヘッド12側のヘッド側流路12aを流通するヘッド側冷却水流量Qhdを増加させて、燃焼室を冷却することにより、エンジンの作動状態をTK領域からMBT領域へ移行させればよい。また、触媒冷却用の燃料噴射を抑制するためには、さらに、ヘッド側冷却水流量Qhdを増加させて、エンジンの作動状態をOT領域からMBT領域へ移行させればよい。
そこで、本実施形態では、図10、図11の図表に示すように、エンジンの作動状態に応じて、第1〜第4上限値を変更している。具体的には、エンジンの回転数およびトルクに基づいて、予めエンジン制御装置50に記憶されたエンジンの性能特性を示す制御マップを参照することによって、第1〜第4上限値を変更している。
なお、図10は、燃費優先モードにおける各作動領域の第1、第2上限値を示している。さらに、図10の「微」は2L/min、「小」は2L〜10L/min、「中」は10L〜20L/min、「大」は20L/min以上に設定できることを表している。
また、図11は、暖房優先モードにおける各作動領域の第3、第4上限値を示している。さらに、図11の第3上限値(ヘッド側)の「小」は6L〜10L/min、「中」は10L〜20L/min、「大」は20L/min以上に設定できることを表しており、第4上限値(ブロック側)の「微」は2L/min、「小」は2L〜10L/min、「中」は10L〜20L/min、「大」は20L/min以上に設定できることを表している。
従って、本実施形態では、エンジンの作動状態がMBT領域の作動状態となっている場合には、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、図10から明らかなように、燃費優先モード時には、エンジンの作動状態がOT領域あるいはTK領域の作動状態となると、第1上限値を上昇させるので、OT領域あるいはTK領域での作動状態からMBT領域での作動状態へ移行させることができるので、車両燃費の悪化を抑制できるとともに、エンジン10の耐ノッキング性を向上させることができる。
さらに、図11から明らかなように、暖房優先モード時には、エンジンの作動状態がOT領域の作動状態となると第3上限値を上昇させるので、車両燃費の悪化を抑制できる。なお、本実施形態で説明したエンジン10の作動状態に応じた第1〜第4上限値の変更は、もちろん第2、第3実施形態の内燃機関冷却システムに適用してもよい。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図12、図13の全体構成図に示すように、ヒータコア31として、第1熱交換部31aおよび第2熱交換部31bの2つの熱交換部を有するものを採用した例を説明する。なお、図12は、本実施形態の燃費優先モードにおける冷却水の流れを実線矢印で示し、図13は、本実施形態の暖房優先モードにおける冷却水の流れを実線矢印で示している。
第1熱交換部31aは、ヘッド側バイパス通路27に配置されて、ヘッド側流路12aから流出した冷却水の一部と送風機35から送風された送風空気とを熱交換させて送風空気を加熱する機能を果たす。一方、第2熱交換部31bは、流量調整弁23から流出した冷却水と第1熱交換部31a通過後の送風空気とを熱交換して、送風空気をさらに加熱する機能を果たす。従って、第1熱交換部31aは、第2熱交換部31bに対して送風空気流れ上流側に配置されている。
さらに、本実施形態のヘッド側バイパス通路27は、ヘッド側流路12aから流出した冷却水の流れを分流して、第2熱交換部31bの冷却水出口側へ導くように接続されている。これにより、本実施形態では、第1熱交換部31aから流出した冷却水と第2熱交換部31bから流出した冷却水とを合流させて、サーモスタット26側へ流すことができる。
その他の構成および作動は第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の内燃機関冷却システム1では、第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、暖房優先モードおよび通常運転時(エンジン要求モード時)の暖房時に、エンジン10の廃熱を送風空気を加熱するために有効に活用することができる。
つまり、本実施形態では、ヘッド側流路12aから流出した冷却水および高いブロック側流路11aから流出した冷却水のうち、温度の低いヘッド側流路12aから流出した冷却水を送風空気の風上側に配置される第1熱交換部31aへ流入させ、温度の高いブロック側流路11aから流出した冷却水を送風空気の風下側に配置される第2熱交換部31bへ流入させている。
これにより、双方の熱交換部31a、31bにおいて、内部を流通する冷却水と送風空気との温度差を確保することができ、冷却水と送風空気との効率的な熱交換を行うことができる。その結果、車室内の暖房時に、エンジン10の廃熱を有効に活用することができる。
なお、このようにエンジン10の廃熱を有効に活用できることは、車両走行時にエンジン10が停止することによって冷却水温度が上昇しにくいハイブリッド車両においては、車室内の効率的な暖房を行うために極めて有効である。また、本実施形態の内燃機関冷却システム1に対して、第4実施形態で説明したエンジン10の作動状態に応じた第1〜第4上限値の変更を行ってもよい。
(第6実施形態)
本実施形態では、図14の全体構成図に示すように、第5実施形態に対して、ヘッド側バイパス通路27の第1熱交換部31aの上流側に、第2実施形態と同様の開閉弁27aを追加した例である。その他の構成および作動は、第5実施形態と同様である。
従って、本実施形態の内燃機関冷却システム1によれば、第5実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、第2実施形態と同様に、燃費優先モード時に、冷却水がヒータコア31にて放熱してしまうことを防止して、効率的に冷却水回路内の冷却水全体の温度を上昇させることができる。
なお、本実施形態においても、第2実施形態と同様に、サーモスタット26の第2の弁体による、ヒータコア側冷却水通路の開度調整(流量調整)機能を廃止してもよい。さらに、本実施形態の内燃機関冷却システム1に対して、第4実施形態で説明したエンジン10の作動状態に応じた第1〜第4上限値の変更を行ってもよい。
(第7実施形態)
本実施形態では、図15の全体構成図に示すように、第5実施形態に対して、ヘッド側流出ポート10cから合流部22へ至る冷却水通路に、第3実施形態と同様のヘッド側流量調整弁23aを配置した例である。その他の構成および作動は、第5実施形態と同様である。
従って、本実施形態の内燃機関冷却システム1によれば、第5実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、第3実施形態と同様に、暖房優先モードには、ヒータコア31にて効率的に送風空気を加熱できるので、より一層、暖房性能を向上できる。また、燃費優先モード時には、冷却水がヒータコア31にて放熱してしまうことを防止して、効率的に冷却水回路内の冷却水全体の温度を上昇させることができる。
なお、本実施形態においても、第3実施形態と同様に、サーモスタット26の第2の弁体による、ヒータコア側冷却水通路の開度調整(流量調整)機能を廃止してもよい。さらに、本実施形態の内燃機関冷却システム1に対して、第4実施形態で説明したエンジン10の作動状態に応じた第1〜第4上限値の変更を行ってもよい。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、エンジン10自体の温度として、ヘッド側出口温度TWhdを採用した例を説明したが、エンジン10自体の温度としては、他の温度を用いてもよい。例えば、ブロック側出口温度TWbkを用いてもよいし、エンジン10自体の表面温度あるいは第1〜第4実施形態では、ヒータコア31へ流入する冷却水の温度を用いることもできる。
また、上述の実施形態では、加熱開始温度TW1および基準暖機過程温度TW2の具体的な温度(40℃)を同一の値とした例を説明したが、加熱開始温度TW1および基準暖機過程温度TW2の具体的な温度は異なる値であってもよい。
(2)上述の実施形態では、内部を流通する冷却水の温度に応じて冷却水流量を調整可能に構成されたサーモスタット26を採用して、エンジン10へ圧送される冷却水の温度を流入側基準温度TWinに近づけるようにした例を説明したが、サーモスタット26を廃して、冷却水通路面積を連続的に変更可能なリニアソレノイドバルブ等からなる電気式のアクチュエータを採用してもよい。
この場合は、エンジン10へ圧送される冷却水の温度を検出する温度検出手段を採用し、この検出手段の検出値が流入側基準温度TWinに近づくように、フィードバック制御手法等によりアクチュエータの作動を制御すればよい。
(3)上述の実施形態では、乗員が暖房スイッチを投入(ON)した際に、暖房要求がなされたものとしているが、暖房要求はこれ限定されない。例えば、車両スタートスイッチが投入された際に、外気温が予め定めた基準外気温以下の場合には、暖房要求がなされたものとしてもよいし、車室内の内気温が予め定めた基準内気温以下の場合には、暖房要求がなされたものとしてもよい。
この基準外気温あるいは基準内気温としては、乗員が車室内の暖房を欲する温度として、例えば、15℃程度を採用できる。さらに、この外気温および内気温に基づく暖房要求と、暖房スイッチによる暖房要求とを併用してもよい。
10 内燃機関
11 シリンダブロック
11a ブロック側流路
12 シリンダヘッド
12a ヘッド側流路
21 水ポンプ
23 流量調整弁(ブロック側流量調整弁)
23a ヘッド側流量調整弁
24 ラジエータ
25 バイパス通路
26 サーモスタット
31 ヒータコア
31a 第1熱交換部
31b 第2熱交換部

Claims (17)

  1. 冷却水を流通させることによって通常作動時の前記内燃機関(10)自体の温度を予め定めた所定温度範囲内となるように冷却するとともに、前記冷却水の少なくとも一部が空調対象空間へ送風される送風空気を加熱する熱源として用いられる内燃機関冷却システムであって、
    前記内燃機関(10)の内部には、シリンダブロック(11)を冷却するための冷却水を流通させるブロック側流路(11a)、および、シリンダヘッド(12)を冷却するための冷却水を流通させるヘッド側流路(12a)が形成されており、
    前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)へ冷却水を圧送する冷却水圧送手段(21)と、
    前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)の少なくとも一方から流出した冷却水と前記送風空気とを熱交換させる加熱用熱交換器(31、31a、31b)と、
    前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水を外気と熱交換させて放熱させる放熱用熱交換器(24)と、
    前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水を前記加熱用熱交換器(31)および前記放熱用熱交換器(24)を迂回させて前記冷却水圧送手段(21)の吸入側へ導くバイパス通路(25)と、
    前記ブロック側流路(11a)を流通するブロック側冷却水流量(Qbk)および前記ヘッド側流路(12a)を流通するヘッド側冷却水流量(Qhd)の少なくとも一方を調整する流量調整手段(23、23a)とを備え、
    前記内燃機関(10)の暖機時には、
    前記流量調整手段(23、23a)が、前記ヘッド側冷却水流量(Qhd)を、前記通常運転時のヘッド側冷却水流量(Qhd)以下の値に設定された第1上限値以下にするとともに、前記ブロック側冷却水流量(Qbk)を前記第1上限値以下の値に設定された第2上限値以下とし、前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水を主にバイパス通路(25)へ流入させる燃費優先モードで作動し、
    前記内燃機関(10)の暖機時に、前記加熱用熱交換器(31)にて前記送風空気を加熱する暖房要求がなされた際には、
    前記流量調整手段(23、23a)が、前記ヘッド側冷却水流量(Qhd)を前記通常運転時のヘッド側冷却水流量(Qhd)以下で、かつ、前記第1上限値よりも高い値に設定された第3上限値以下とするととともに、前記ブロック側冷却水流量(Qbk)を前記第3上限値以下の値に設定された第4上限値以下とし、少なくとも前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水を前記加熱用熱交換器(31)へ流入させる暖房優先モードで作動することを特徴とする内燃機関冷却システム。
  2. 前記エンジン(10)自体の温度として、前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)のいずれか一方から流出した冷却水の温度(TWbk、TWhd)が用いられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関冷却システム。
  3. 前記暖房優先モードでは、前記流量調整手段(23、23a)が、前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)のいずれか一方から流出した冷却水の温度(TWbk、TWhd)の上昇に伴って、前記第3上限値以下の範囲で前記ヘッド側冷却水流量(Qhd)を減少させることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関冷却システム。
  4. 前記暖房優先モードでは、前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水のヘッド側出口温度(TWhd)が、前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のブロック側出口温度(TWbk)よりも低い温度となっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  5. 前記暖房優先モード時に、前記内燃機関(10)の作動状態が、前記内燃機関(10)の排気経路に接続されて前記内燃機関(10)の排気ガスを浄化する触媒の冷却を行うために噴射燃料の増量を必要とする作動状態となった際には、前記第3上限値を上昇させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  6. 前記暖房優先モードでは、前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水の双方を、前記放熱用熱交換器(24)へ流入させることなく前記加熱用熱交換器(31)へ流入させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  7. 前記燃費優先モードでは、前記流量調整手段(23、23a)が、前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)のいずれか一方から流出した冷却水の温度(TWbk、TWhd)の上昇に伴って、前記第1上限値の範囲内で、前記ヘッド側冷却水流量(Qhd)を増加させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  8. 前記燃費優先モードでは、前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水のヘッド側出口温度(TWhd)が、前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のブロック側出口温度(TWbk)よりも低い温度となっていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  9. 前記燃費優先モード時に、前記内燃機関(10)の作動状態が、前記内燃機関(10)の排気経路に接続されて前記内燃機関(10)の排気ガスを浄化する触媒の冷却を必要とする作動状態あるいは前記内燃機関(10)のノッキングを生じうる作動状態となった際に、前記第1上限値を上昇させることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  10. 前記燃費優先モードでは、前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水の双方を、前記加熱用熱交換器(31)へ流入させることなく前記バイパス通路(25)へ流入させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  11. 前記加熱用熱交換器(31)は、前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水と前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水とを合流させた冷却水と前記送風風気とを熱交換させることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  12. 前記加熱用熱交換器(31)は、前記送風空気と前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水とを熱交換させる第1熱交換部(31a)、および、前記第1熱交換部(31a)を通過した送風空気と前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水とを熱交換させる第2熱交換部(31b)を有していることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  13. 前記流量調整手段は、前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のうち、前記バイパス通路(25)側へ流出させる冷却水流量と前記加熱用熱交換器(31)側へ流出させる冷却水流量とを調整する流量調整弁(23)によって構成されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  14. 前記流量調整手段は、前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水のうち、前記バイパス通路(25)側へ流出させる冷却水流量と前記加熱用熱交換器(31)側へ流出させる冷却水流量とを調整する流量調整弁(23a)によって構成されていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  15. ユーザの操作によって、前記送風空気を加熱することを要求する暖房要求入力手段を備え、
    前記暖房要求がなされた際とは、前記暖房要求入力手段によって前記送風空気を加熱することが要求された際であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  16. 前記暖房要求がなされた際とは、外気温(Tam)が予め定めた基準外気温以下となっている際であることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
  17. 前記暖房要求がなされた際とは、前記空調対象空間内の内気温が予め定めた基準内気温以下となっている際であることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載の内燃機関冷却システム。
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