JP6460835B2 - コンクリート構造物の補強構造及びその補強方法 - Google Patents

コンクリート構造物の補強構造及びその補強方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート構造物を補強するために導入されるコンクリート構造物の補強構造、及び、コンクリート構造物を補強するためのコンクリート構造物の補強方法に関する。
従来から、コンクリート構造物の打ち継ぎ面のずれ防止効果を高くすることを目的に、複数回に分けてコンクリートが打ち継がれて形成された新設の打ち継ぎコンクリート構造体に適用されるものとして、特許文献1に開示されるコンクリート構造物が提案されている。
特許文献1に開示されたコンクリート構造物は、新設の打ち継ぎコンクリート構造体の外面から打ち継ぎコンクリート構造体の打ち継ぎ面を貫通するように設けられた孔と、打ち継ぎ面を貫通するように孔内に設置されたPC鋼材、鋼管等の補強体と、補強体の設置された孔内に充填された充填材とを備えるものである。
特許文献1に開示されたコンクリート構造物は、充填材を橋脚の上端面まで到達させてから、孔の一端開口より上方に突出させた注入管の他端を切断するものであるため、注入管が鋼管等の補強体の内側に残置されるものとなり、残置された注入管の内部の充填材を以ってして、鋼管等の補強体の管内に充填材が充填されたものとなる。
特開2011−80240号公報
しかし、特許文献1に開示されたコンクリート構造物は、補強体として剛性の低いPC鋼材が用いられる場合に、PC鋼材が孔内で湾曲等することから、PC鋼材を孔内の所定の位置に設置することが困難なものとなるおそれがあった。特許文献1に開示されたコンクリート構造物は、充填材を孔内に充填するために注入管が用いられるときに、補強体として中実状のPC鋼材が用いられることで、注入管とPC鋼材とが孔内で干渉することから、孔内への充填材の充填作業に支障をきたすおそれがあった。
また、特許文献1に開示されたコンクリート構造物は、残置された注入管が鋼管の内周面に密着して、注入管の側面と鋼管の内周面との間に間隙が形成されないものとなることから、注入管の側面と鋼管の内周面との間に充填材が充填されず、注入管の側面と鋼管の内周面との間にずれが生じて、注入管の内部の充填材と鋼管とが一体化しないおそれがあった。特許文献1に開示されたコンクリート構造物は、補強体として鋼管が用いられる場合であっても、鋼管側面に窪み部が形成されない直管状の鋼管が用いられて、鋼管側面が平滑状に形成されることから、硬化した充填材と鋼管とが孔内で十分に付着しないおそれがあった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、鋼管本体の管内部で充填材を一体的に硬化させることで、橋脚等のコンクリート構造物を十分に補強することのできるコンクリート構造物の補強構造及びその補強方法を提供することにある。
第1発明に係るコンクリート構造物の補強構造は、コンクリート構造物を補強するために導入されるコンクリート構造物の補強構造であって、コンクリート構造物の孔部に挿入され、コンクリート構造物の孔部の底面に当接して設置される鋼管本体と、コンクリート構造物の孔部に充填される充填材とを備え、前記鋼管本体は、前記鋼管本体の内側で中空状に形成された管内部を有し、前記充填材は、前記管内部で一体的に硬化されるものであることを特徴とする。
第2発明に係るコンクリート構造物の補強構造は、第1発明において、前記鋼管本体の内径は、前記充填材をコンクリート構造物の孔部に充填するときに用いられる注入管の外形よりも大きいことを特徴とする。
第3発明に係るコンクリート構造物の補強構造は、第1発明又は第2発明において、前記鋼管本体は、管軸直交方向で前記鋼管本体の内側に向けて、鋼管外側面から凹状に形成された1又は複数の窪み部を有することを特徴とする。
第4発明に係るコンクリート構造物の補強方法は、コンクリート構造物を補強するためのコンクリート構造物の補強方法であって、コンクリート構造物の孔部に鋼管本体を挿入するとともに、前記鋼管本体の内側で中空状に形成された管内部に、充填材を供給するための注入管が挿通されて、前記注入管を用いて前記充填材をコンクリート構造物の孔部に充填する充填工程と、前記充填材をコンクリート構造物の孔部に充填した後に、前記注入管を前記管内部から引き抜いて撤去し、前記鋼管本体をコンクリート構造物の孔部の底面に当接して設置させた状態で、前記充填材を硬化させる撤去工程とを備えることを特徴とする。
第1発明〜第4発明によれば、管内部で充填材を充填、硬化させた鋼管本体が、コンクリート上部とコンクリート下部とに架設するように設けられることで、鋼管本体の管軸方向に作用する引張力又は圧縮力に、鋼管本体及び硬化した充填材を十分に抵抗させるものとして、コンクリート上部が横方向に傾倒して倒壊しないように、橋脚等のコンクリート構造物を補強することが可能となる。
第1発明〜第4発明によれば、コンクリート上部から横方向のせん断力が鋼管本体に作用して、鋼管本体の鋼管側面と硬化した充填材とが鋼管接触面で接触した場合であっても、鋼管本体の鋼管接触面が大きく確保されることで、せん断力に抵抗して鋼管側面から硬化した充填材に作用する支圧力が緩和されて、硬化した充填材の破損、崩壊を防止することが可能となり、また、鋼管本体の管内部で硬化した充填材が鋼管側面を拘束するため、せん断力に対する抵抗力を鋼管側面に確実に発揮させることが可能となる。
第1発明〜第4発明によれば、孔部の間隙部及び鋼管本体の管内部に充填材を充填した後に、トレミー管等の注入管が鋼管本体の管内部から撤去されるため、鋼管本体の管内部で硬化した充填材が、注入管の側面により管軸直交方向で分断されないものとして、鋼管本体の管内部で充填材を一体的に硬化させることで、横方向のせん断力等に対する硬化した充填材の抵抗力を著しく向上させることが可能となる。
第1発明〜第4発明によれば、鋼管本体の管内部が略中空状に形成されるため、従来の鉄筋、PC鋼棒等と比較して、部材剛性を著しく向上させたものとなり、コンクリート構造物の孔部の他端側から一端側まで、部材剛性の高い鋼管本体を直立させて設置して、孔部における鋼管本体の位置合わせを正確に実施することが可能となる。
特に、第2発明によれば、管内部が略中空状に形成された鋼管本体に注入管が挿通されて、注入管の側面が鋼管内側面から所定の間隔で離間するため、孔部に充填材を充填するときに注入管と鋼管本体とを干渉させないものとして、孔部の所定の位置に注入管及び鋼管本体を設置することで、孔部への充填材の充填作業を円滑に実施することが可能となる。
特に、第2発明によれば、注入管の側面が鋼管内側面から所定の間隔で離間するため、鋼管本体の管内部に充填材を充填するときに、充填材を鋼管内側面に直接に接触させながら硬化させることができるため、鋼管本体の管内部で硬化した充填材と鋼管本体とを強固に一体化させて、鋼管本体の管軸方向の引張力又は圧縮力に対する鋼管本体及び硬化した充填材の抵抗力を著しく向上させることが可能となる。
特に、第3発明によれば、1又は複数の窪み部を鋼管本体が有することで、硬化した充填材に対して窪み部が管軸直交方向で凹凸状に形成されて、コンクリート構造物の孔部の間隙部及び鋼管本体の管内部で硬化した充填材が、鋼管本体の鋼管側面に凹凸状に接触することで、鋼管本体と硬化した充填材との一体性を向上させて、鋼管本体と充填材との付着を十分なものとすることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造が導入されるコンクリート構造物を示す斜視図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造を示す斜視図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造を示す正面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造の鋼管本体を示す拡大正面図であり、(b)は、そのD−D線縦断面図である。 (a)は、図4に示す鋼管本体のA−A線横断面図であり、(b)は、そのB−B線横断面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造で横長の窪み部が形成された鋼管本体を示す拡大正面図であり、(b)は、略直管状の通常鋼管の鋼管本体を示す拡大正面図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造で鋼管本体の管内部にトレミー管等の注入管が挿入される状態を示す正面図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造で注入管の先端部から充填材が吐出される状態を示す正面図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造で注入管の先端部から吐出された充填材がコンクリート構造物の孔部に充填される過程を示す正面図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造で鋼管本体の管内部から注入管を撤去する過程を示す正面図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造でコンクリート構造物の孔部に充填材が充填された状態を示す正面図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造が導入されたコンクリート構造物に外力が作用した状態を示す正面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造で鋼管本体の鋼管接触面を示す拡大横断面図であり、(b)は、従来のPC鋼棒の鋼棒接触面を示す拡大横断面図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造で鋼管側面の窪み部が一対の充填材の凹凸体に挟み込まれた状態を示す拡大縦断面図である。
以下、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、図1に示すように、例えば、鉄筋等が内部8bに配設されることなく構築された橋脚8等の無筋のコンクリート構造物に、別途の鋼管本体2を設けることで、コンクリート構造物を補強するものである。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、例えば、鉄道橋、道路橋等の橋梁の橋脚8や、コンクリート護岸壁等として構築されたコンクリート構造物に導入されて、特に、構築されてから数年以上経過した既設のコンクリート構造物を補強するために導入されるものであり、複数の鋼管本体2がコンクリート構造物に0.3m〜1m程度の間隔で設けられる。
コンクリート構造物は、図2に示すように、複数回に分けてコンクリートを打ち継ぐことによって、所定の規模のものとなるように構築されるため、コンクリートを打ち継いだ境界に、コンクリートが一体化されていない不連続面85が形成される。また、コンクリート構造物は、コンクリートを複数回に分けずに連続して打設した場合であっても、コールドジョイント等の発生によって、コンクリートが一体化されていない不連続面85が形成されることもある。
コンクリート構造物は、不連続面85が形成されることによって、打設されたコンクリートが不連続面85を境界として内部8bで分断されたものとなる。コンクリート構造物は、図3に示すように、橋脚8等の外面8aから内部8bに向けて連続してコンクリートの削孔作業等をすることで、コア抜きされた断面略円形状等の孔部80が、不連続面85を貫通させて形成されるものとなる。
孔部80は、例えば、橋脚8等の外面8aに配置される一端側80aから、橋脚8等の内部8bに配置される他端側80bまで、2m〜30m程度の延長を有する。孔部80は、特に、不連続面85を境界とした両側で、少なくとも2m〜3m程度の延長を有する。孔部80は、例えば、一端側80aから他端側80bまで、断面略円形状等となるように孔部内側面81が形成されて、15cm〜30cm程度の孔径を有するものとなる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、コンクリート構造物の孔部80に挿入される鋼管本体2と、コンクリート構造物の孔部80に充填される充填材6とを備える。鋼管本体2は、断面略円形状となるように鋼管側面21が形成されて、5cm〜20cm程度の外径を有する。鋼管本体2は、孔部80の一端側80aに設けられる第1端部2aから、孔部80の他端側80bに設けられる第2端部2bまで、2m〜30m程度の延長を有する。
鋼管本体2は、橋脚8等のコンクリート構造物の孔部80に挿入したときに、鋼管本体2の鋼管側面21と孔部80の孔部内側面81とが離間することで、鋼管本体2の外側の孔部80に間隙部82が形成される。鋼管本体2は、例えば、鋼管側面21から管軸直交方向Xの外側に向けて複数方向に延びる複数の鋼板等のスペーサーや、略円形状の鋼板等が取り付けられることで、鋼管本体2の鋼管側面21と孔部80の孔部内側面81とを離間させることができる。鋼管本体2は、鋼管本体2の内側で略中空状に形成されて、鋼管側面21に取り囲まれた管内部22を有するものとなる。
鋼管本体2は、図4、図5に示すように、管軸直交方向Xの内側に向けて熱間加工等で形成された窪み部3と、管軸方向Yに延びて略直管状に形成された直管部4とを有する。直管部4は、鋼管側面21を鋼管本体2の管軸直交方向Xに凹凸させることなく、管軸方向Yで略同一面上に鋼管側面21が連続することで、管軸方向Yに延びる略直管状に形成される。
窪み部3は、鋼管本体2の管軸方向Y及び管周方向Wで、1又は複数形成される。このとき、鋼管本体2の管周方向Wに所定の間隔を空けて形成された複数の窪み部3は、管軸直交方向Xに凹凸させていない鋼管側面21と交互となるように、管周方向Wに連続させることなく、管周方向Wで断続的に形成される。鋼管本体2の管軸方向Yに所定の間隔を空けて形成された複数の窪み部3は、管軸方向Yで直管部4と交互に形成されて、管軸方向Yに連続させることなく、管軸方向Yに断続的に形成される。
窪み部3は、鋼管側面21を湾曲加工等することで、管軸直交方向Xで鋼管本体2の内側に向けて、鋼管外側面21aから凹状に形成されるとともに、鋼管内側面21bから凸状に形成される。窪み部3は、図5に示すように、管軸直交方向Xで鋼管本体2の内側に向けて、鋼管内側面21bから凸状に形成されることで、管内部22の管軸直交方向Xの断面積が、直管部4と比較して狭小なものとなる。
鋼管本体2は、図4に示すように、鋼管本体2の管軸方向Yに延びる略楕円形状等に各々の窪み部3が形成されて、管周方向Wの3〜9程度の箇所で、鋼管本体2の管軸方向Yに沿って縦長に窪み部3が形成される。鋼管本体2は、これに限らず、図6(a)に示すように、各々の窪み部3が鋼管本体2の管周方向Wに延びる横長に形成されてもよく、また、図6(b)に示すように、鋼管側面21が略同一面上に連続して形成されて管軸方向Yに延びる略直管状の通常鋼管等が用いられてもよい。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、図7〜図11に示すように、充填材6をコンクリート構造物の孔部80に充填するときに、充填材6を供給するための注入管7が鋼管本体2の管内部22に挿通されるとともに、充填材6をコンクリート構造物の孔部80に充填した後に、注入管7が鋼管本体2の管内部22から撤去されるものとなる。ここで、充填材6は、モルタル、コンクリート等のセメント系材料等の経時硬化性材料や、ウレタン系材料等の経時硬化性材料が用いられて、孔部80の間隙部82及び鋼管本体2の管内部22に充填した後に、所定の時間を経過してから硬化する。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強方法は、橋脚8等のコンクリート構造物の孔部80に鋼管本体2を挿入して、注入管7を用いて充填材6をコンクリート構造物の孔部80に充填する充填工程と、注入管7を鋼管本体2の管内部22から引き抜いて撤去する撤去工程とを備えて、コンクリート構造物を補強するために導入されるものとなる。
充填工程では、最初に、図7に示すように、橋脚8等のコンクリート構造物が削孔等されて形成された孔部80に鋼管本体2を挿入するとともに、鋼管本体2の内側で略中空状に形成された管内部22に、トレミー管等の注入管7が挿通される。このとき、充填工程では、例えば、注入管7の側面71若しくは鋼管内側面21bから管軸直交方向Xに延びる複数の鋼板等のスペーサー、又は、注入管7の先端部7bに略円形状の鋼板等が設けられることで、注入管7の側面71と鋼管内側面21bとが離間される。注入管7は、鋼管本体2の第1端部2aから第2端部2bまで、注入管7の側面71を鋼管内側面21bから所定の間隔dで離間させた状態で、鋼管本体2の第2端部2bに注入管7の先端部7bを到達させて設けられる。
充填工程では、次に、図8に示すように、注入管7の基端部7aから供給された充填材6を、鋼管本体2の第2端部2bに到達させた注入管7の先端部7bから孔部80に吐出させる。このとき、充填材6は、注入管7の先端部7bから吐出されることで、孔部80の他端側80bに注入されて、孔部80の他端側80bから一端側80aにかけて、孔部80の間隙部82及び鋼管本体2の管内部22に充填される。
充填工程では、孔部80の間隙部82及び鋼管本体2の管内部22に充填材6を充填させるときに、図9に示すように、孔部80の他端側80bから一端側80aにかけて、注入管7の側面71と鋼管内側面21bとの間の鋼管本体2の管内部22、及び、孔部80の間隙部82を充填材6が通過する。
撤去工程では、図10に示すように、注入管7の側面71と鋼管内側面21bとの間の鋼管本体2の管内部22、及び、孔部80の間隙部82に充填材6を充填した後に、孔部80の他端側80bから一端側80aにかけて、注入管7を引き上げる。このとき、注入管7は、鋼管本体2の第2端部2bから第1端部2aまで引き抜かれながら、注入管7の先端部7bから鋼管本体2の管内部22に充填材6を吐出させるものとなる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強方法は、最後に、図11に示すように、橋脚8等のコンクリート構造物の孔部80に鋼管本体2が設置された状態で、鋼管本体2の管内部22、及び、孔部80に充填した充填材6を硬化させて、コンクリート構造物の不連続面85を貫通するようにして、鋼管本体2及び硬化した充填材6が孔部80に設けられる。
このとき、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、管内部22で充填材6を充填、硬化させた鋼管本体2が、橋脚8等のコンクリート構造物の不連続面85を境界として、コンクリート上部83とコンクリート下部84とに架設するように設けられるものとなる。
橋脚8等のコンクリート構造物は、図12に示すように、地震等によって横方向の外力Fが作用することで、不連続面85を境界としてコンクリート上部83とコンクリート下部84とが分断されて、コンクリート上部83が横方向に傾倒するように変位しようとするものとなる。橋脚8等のコンクリート構造物は、横方向の外力Fが左右両側から交互に作用することから、コンクリート上部83が横方向で交互に傾倒するように変位しようとするものとなる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、コンクリート上部83が傾倒しようとするときに、コンクリート構造物の不連続面85において、鋼管本体2に管軸方向Yの引張力P又は圧縮力Cが作用するものとなる。このとき、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、鋼管本体2の管内部22に充填材6が充填されるため、鋼管本体2が管軸方向Yの引張力Pに抵抗するとともに、硬化した充填材6が管軸方向Yの圧縮力Cに抵抗する。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、管軸方向Yの圧縮力Cに対して硬化した充填材6が抵抗するものとなるため、管軸方向Yの圧縮力Cを鋼管本体2に負担させないものとして、鋼管本体2の座屈変形を防止することが可能となる。さらに、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、コンクリート上部83が横方向で交互に傾倒するように変位することで、管軸方向Yの引張力Pと圧縮力Cとが鋼管本体2に交互に作用するものの、鋼管本体2の管内部22で充填材6が硬化するため、硬化した充填材6で鋼管側面21が拘束されて、鋼管本体2の座屈変形を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、管内部22で充填材6を充填、硬化させた鋼管本体2が、コンクリート上部83とコンクリート下部84とに架設するように設けられることで、鋼管本体2の管軸方向Yに作用する引張力P又は圧縮力Cに、鋼管本体2及び硬化した充填材6を十分に抵抗させるものとして、コンクリート上部83が横方向に傾倒して倒壊しないように、橋脚8等のコンクリート構造物を補強することが可能となる。
また、橋脚8等のコンクリート構造物は、地震等によって横方向の外力Fが作用することで、不連続面85を境界としてコンクリート上部83とコンクリート下部84とが分断されて、不連続面85で横方向のせん断力Sが鋼管本体2に作用するものとなる。
ここで、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、鋼管本体2の管軸方向Yに作用する引張力Pに抵抗するために、図13(a)に示すように、鋼管側面21を形成する管体の断面部分のみで、所定の鋼管断面積を有する鋼管本体2が必要となる。また、従来のPC鋼棒9も、同程度の引張力Pに抵抗するために、図13(b)に示すように、鋼管本体2の鋼管側面21を形成する管体の断面部分と同程度の鋼棒断面積を有することが必要となる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、図13に示すように、鋼管本体2に略中空状の管内部22が形成されるため、鋼管本体2の鋼管側面21を形成する管体の断面部分の鋼管断面積と従来のPC鋼棒9の鋼棒断面積とを同程度のものとしながら、鋼管本体2の鋼管側面21と硬化した充填材6との鋼管接触面23を、従来のPC鋼棒9と硬化した充填材6との鋼棒接触面90より大きくすることができる。
これにより、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、図12、図13に示すように、コンクリート上部83から横方向のせん断力Sが鋼管本体2に作用して、鋼管本体2の鋼管側面21と硬化した充填材6とが鋼管接触面23で接触した場合であっても、鋼管本体2の鋼管接触面23が大きく確保されることで、せん断力Sに抵抗して鋼管側面21から硬化した充填材6に作用する支圧力が緩和されて、硬化した充填材6の破損、崩壊を防止することが可能となる。さらに、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、鋼管本体2の管内部22で硬化した充填材6が鋼管側面21を拘束するため、せん断力Sに対する抵抗力を鋼管側面21に確実に発揮させることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、孔部80の間隙部82及び鋼管本体2の管内部22に充填材6を充填した後に、図10に示すように、トレミー管等の注入管7が鋼管本体2の管内部22から撤去されるため、鋼管本体2の管内部22で硬化した充填材6が、注入管7の側面71により管軸直交方向Xで分断されないものとすることができる。これにより、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、鋼管本体2の管内部22で硬化した充填材6を注入管7で分断させないものとして、鋼管本体2の管内部22で充填材6を一体的に硬化させることで、横方向のせん断力S等に対する硬化した充填材6の抵抗力を著しく向上させることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、鋼管本体2の管内部22が略中空状に形成されるため、従来の鉄筋、PC鋼棒9等と比較して、部材剛性を著しく向上させたものとなる。これにより、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、孔部80の他端側80bから一端側80aまで、部材剛性の高い鋼管本体2を直立させて設置して、孔部80における鋼管本体2の位置合わせを正確に実施することが可能となる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、図9に示すように、管内部22が略中空状に形成された鋼管本体2に注入管7が挿通されて、注入管7の側面71が鋼管内側面21bから所定の間隔dで離間するため、孔部80に充填材6を充填するときに注入管7と鋼管本体2とを干渉させないものとすることができる。これにより、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、孔部80で注入管7と鋼管本体2とを干渉させないものとして、孔部80の所定の位置に注入管7及び鋼管本体2を設置することで、孔部80への充填材6の充填作業を円滑に実施することが可能となる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、注入管7の側面71が鋼管内側面21bから所定の間隔dで離間するため、鋼管本体2の管内部22に充填材6を充填するときに、充填材6を鋼管内側面21bに直接に接触させながら硬化させることができる。これにより、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、鋼管本体2の管内部22で硬化した充填材6と鋼管本体2とを強固に一体化させて、鋼管本体2の管軸方向Yの引張力P又は圧縮力Cに対する鋼管本体2及び硬化した充填材6の抵抗力を著しく向上させることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、図14に示すように、鋼管本体2の管軸直交方向Xの内側に向けて、鋼管外側面21aから凹状に窪み部3が形成されるとともに、鋼管内側面21bから凸状に窪み部3が形成される。このとき、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、窪み部3の形状に沿って充填材6が硬化することで、鋼管本体2の管軸直交方向Xに凹凸状となる一対の充填材6の凹凸体60が形成されて、一対の充填材6の凹凸体60に窪み部3が挟み込まれる。これにより、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、一対の充填材6の凹凸体60に窪み部3が挟み込まれることで、鋼管本体2と硬化した充填材6との一体性を向上させて、鋼管本体2と充填材6との付着性を著しく向上させることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、孔部80の他端側80bから一端側80aにかけて、孔部80の間隙部82及び鋼管本体2の管内部22に充填材6が充填されるため、孔部80の他端側80bから一端側80aに向けて順番に、充填材6の自重を利用して充填材6を隙間なく孔部80に充填させることが可能となる。
なお、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、コンクリート構造物の孔部80の延長が長くなった場合において、複数の鋼管本体2を管軸方向Yに連結させたものとすることもできる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
例えば、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、新設のコンクリート構造物に導入することもできる。また、本発明を適用したコンクリート構造物の補強構造1は、鉄筋等が内部に配設された鉄筋コンクリート構造物をさらに補強するものとして、新設又は既設のコンクリート構造物に導入することもできる。
1 :コンクリート構造物の補強構造
2 :鋼管本体
2a :第1端部
2b :第2端部
21 :鋼管側面
21a :鋼管外側面
21b :鋼管内側面
22 :管内部
23 :鋼管接触面
3 :窪み部
4 :直管部
6 :充填材
60 :凹凸体
7 :注入管
7a :基端部
7b :先端部
71 :側面
8 :橋脚
8a :橋脚の外面
8b :橋脚の内部
80 :孔部
80a :一端側
80b :他端側
81 :孔部内側面
82 :間隙部
83 :コンクリート上部
84 :コンクリート下部
85 :不連続面
W :管周方向
X :管軸直交方向
Y :管軸方向

Claims (4)

  1. コンクリート構造物を補強するために導入されるコンクリート構造物の補強構造であって、
    コンクリート構造物の孔部に挿入され、コンクリート構造物の孔部の底面に当接して設置される鋼管本体と、コンクリート構造物の孔部に充填される充填材とを備え、
    前記鋼管本体は、前記鋼管本体の内側で中空状に形成された管内部を有し、前記充填材は、前記管内部で一体的に硬化されるものであること
    を特徴とするコンクリート構造物の補強構造。
  2. 前記鋼管本体の内径は、前記充填材をコンクリート構造物の孔部に充填するときに用いられる注入管の外形よりも大きいこと
    を特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物の補強構造。
  3. 前記鋼管本体は、管軸直交方向で前記鋼管本体の内側に向けて、鋼管外側面から凹状に形成された1又は複数の窪み部を有すること
    を特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート構造物の補強構造。
  4. コンクリート構造物を補強するためのコンクリート構造物の補強方法であって、
    コンクリート構造物の孔部に鋼管本体を挿入するとともに、前記鋼管本体の内側で中空状に形成された管内部に、充填材を供給するための注入管が挿通されて、前記注入管を用いて前記充填材をコンクリート構造物の孔部に充填する充填工程と、
    前記充填材をコンクリート構造物の孔部に充填した後に、前記注入管を前記管内部から引き抜いて撤去し、前記鋼管本体をコンクリート構造物の孔部の底面に当接して設置させた状態で、前記充填材を硬化させる撤去工程とを備えること
    を特徴とするコンクリート構造物の補強方法。
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