JP6374762B2 - せん断力伝達構造群、せん断力伝達構造の構築方法 - Google Patents

せん断力伝達構造群、せん断力伝達構造の構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6374762B2
JP6374762B2 JP2014224098A JP2014224098A JP6374762B2 JP 6374762 B2 JP6374762 B2 JP 6374762B2 JP 2014224098 A JP2014224098 A JP 2014224098A JP 2014224098 A JP2014224098 A JP 2014224098A JP 6374762 B2 JP6374762 B2 JP 6374762B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel plate
shear force
force transmission
transmission structure
underground
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014224098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016089449A (ja
Inventor
安永 正道
正道 安永
松浦 正典
正典 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2014224098A priority Critical patent/JP6374762B2/ja
Publication of JP2016089449A publication Critical patent/JP2016089449A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6374762B2 publication Critical patent/JP6374762B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)

Description

本発明は、土留壁と地下構造躯体の間のせん断力伝達構造、及びせん断力伝達構造の構築方法に関する。
立坑、地下タンクなどの地下構造躯体を構築する際は、例えば、図14(a)、(b)に示すように土留壁としてRC連壁3(鉄筋コンクリート製地中連続壁)を構築した後、その内側を掘削し、地下構造躯体の構築を行う。
図14(a)は立坑の例であり、地下構造躯体としてRC側壁4と底版5を構築する。図14(b)は地下タンクの例であり、地下構造躯体としてRC側壁6と底版7を構築し、RC側壁6の頂部に屋根8を設ける。RC連壁3及びRC側壁4、6は略円筒状であり、RC側壁4、6はRC連壁3の内周面に接するように設けられる。
近年、地下構造躯体は大型化、大深度化する傾向にあり、その部材寸法は、土圧や水圧などの外力だけではなく、浮力に対する安全性から決まることも多くなっている。この傾向は、上記のような隔壁を持たない略円筒状の地下構造躯体では特に顕著である。そのため、地下構造躯体と土留壁の間にせん断力伝達構造を設け、土留壁の重量で地下構造躯体の浮力に抵抗させる設計が行われることがある。
例えば特許文献1では、RC連壁の内側を掘削した後、予めRC連壁に埋設されたせん断鉄筋の機械継手に新たなせん断鉄筋を連結し、この箇所でコンクリートを打設してRC連壁に突出部分を形成しせん断力伝達構造とした後、RC連壁の内側にコンクリートを打設して地下構造躯体を構築することが記載されている。また特許文献2、3には、鋼矢板や鋼管矢板、H形鋼などの鋼製土留壁に設けた孔開き鋼板ジベルによって、鋼製土留壁とその内側の地下構造躯体を一体化することが記載されている。
特許第3028053号公報 特開2001-146756号公報 特開2002-13134号公報
しかしながら、特許文献1の方法ではせん断鉄筋の本数が膨大になり、取付けに時間がかかるという問題があった。せん断力伝達構造の工事はクリテイカルな工種であり、その間地下構造躯体の工事等ができず、せん断力伝達構造の形成に時間がかかると全体工程に影響する。
また、RC連壁の構築時に打設したコンクリートがせん断鉄筋の機械継手の部分に流れ込むと、接続できないせん断鉄筋が出てくるため、ある程度の不良を考慮して多めに配置することになり、無駄が生じるという問題もあった。この点、特許文献2、3は鋼矢板などの鋼製土留壁に関するものであり、上記のようなRC連壁に関するものではなかった。
また、特許文献1ではせん断力伝達構造が地下構造躯体側に突出した形状となっており、地下構造躯体が断面欠損となることから強度低下の問題があった。さらに、せん断力伝達構造周りの地下構造躯体の鉄筋が複雑な形状となり、加工、組み立てに時間がかかるとともに、型枠設置、コンクリート打設、養生に時間を要するという問題があった。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたもので、簡易に形成できるせん断力伝達構造を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、土留壁と地下構造躯体の接触面交差するように設けられるせん断力伝達構造であって、前記土留壁と前記地下構造躯体に渡って埋設され、前記地下構造躯体側に係止部を有する鉛直方向の第1の鋼板と、前記地下構造躯体に埋設された鉛直方向の第2の鋼板と、前記地下構造躯体の上昇時の前記第2の鋼板の上昇に伴って前記係止部に係止されることにより、せん断力の伝達を行う被係止部と、前記被係止部と前記係止部の間に配置された緩衝材と、を有するせん断力伝達構造が、鉛直方向に間隔を空けて複数配置され、前記第1の鋼板、前記第2の鋼板が平板状であることを特徴とするせん断力伝達構造である。
前記第1の鋼板は、前記土留壁の前記地下構造躯体側の面における窪み部に配置されることが望ましい。
また、前記第1の鋼板には、前記係止部である孔が設けられ、前記被係止部は、前記孔に通されることが望ましい。
さらに、前記第2の鋼板には、孔が設けられ、前記第1、第2の鋼板は、孔の位置を重ねて配置され、前記被係止部は、軸部の周囲に前記緩衝材を設けたボルトであり、前記軸部を前記第1、第2の鋼板の孔に通し、前記ボルトの頭部と前記軸部の端部に取付けたナットとで前記第1、第2の鋼板が挟まれることが望ましい。
加えて、前記第1、第2の鋼板は鉄筋挿通孔を有し、前記第1の鋼板は前記鉄筋挿通孔に前記土留壁の横鉄筋を通して配置され、前記第2の鋼板は前記鉄筋挿通孔に前記地下構造躯体の横鉄筋を通して配置されることが望ましい。
第2の発明は、土留壁と地下構造躯体の接触面交差するように設けられるせん断力伝達構造の構築方法であって、土留壁を地盤に構築する工程(a)と、前記土留壁の側方の地盤を掘削した掘削部に地下構造躯体を構築する工程(b)と、を具備し、前記工程(a)において、前記土留壁に、前記土留壁から前記地下構造躯体側に突出し、突出箇所に係止部を有する鉛直方向の第1の鋼板が埋設され、前記工程(b)において、前記地下構造躯体に、鉛直方向の第2の鋼板と、前記地下構造躯体の上昇時の前記第2の鋼板の上昇に伴って前記係止部に係止されることにより、せん断力の伝達を行う被係止部と、前記被係止部と前記係止部の間に配置される緩衝材と、が埋設され、前記第1の鋼板、前記第2の鋼板、前記被係止部、前記緩衝材を有する前記せん断力伝達構造を、鉛直方向に間隔を空けて複数構築し、前記第1の鋼板、前記第2の鋼板が平板状であることを特徴とするせん断力伝達構造の構築方法である。

前記工程(a)において、前記第1の鋼板の前記地下構造躯体側の端部の周囲に型枠を配置してコンクリートを打設することで前記土留壁を構築し、前記工程(b)において、前記型枠を撤去して前記地下構造躯体のコンクリートを打設することで前記地下構造躯体を構築することが望ましい。
本発明のせん断力伝達構造を、土留壁と地下構造躯体が接している箇所に配置することで、地下構造躯体に浮力が作用し上昇した場合には、地下構造躯体内の第2の鋼板も上昇し、緩衝材が潰れて被係止部が第1の鋼板の係止部に係止される。第1の鋼板は土留壁と地下構造躯体に渡って埋設されており、被係止部の係止時には、地下構造躯体に加わる浮力がせん断力として土留壁側に伝達され、土留壁の重力によって浮力に抵抗できる。このように、本発明では2枚の鋼板等を用いて簡易に形成できる構造によりせん断力の伝達が可能となり、地下構造躯体と土留壁との一体化による部材厚の低減も実現でき、施工面やコスト面で有利になる。
また、箱抜き用の型枠を用いてコンクリートを打設するなどして窪み部を有する土留壁を構築し、この窪み部にせん断力伝達構造を配置することで、地下構造躯体に断面欠損が無く壁厚を薄くでき、コスト的に有利である。また鋼板は、土留壁と地下構造躯体の横鉄筋を用いて容易に固定できる。
また、2枚の鋼板を孔の位置を合わせて配置し、連結ボルトの軸部を挿入してナットを締め込むことで、連結ボルトを被係止部、鋼板の孔を係止部としてせん断力伝達構造を簡易に形成でき、工期短縮、コスト低減が可能である。また連結ボルトとナットを用いて両鋼板を保持して離間を防ぐことができる。さらに、連結ボルトの軸部の周囲に緩衝材を設けることで、地下構造躯体の構築時に、せん断力伝達構造近傍の地下構造躯体の部分が上方の荷重により多少下降した場合も、連結ボルトの軸部の下方の緩衝材が簡単につぶれることから上記部分の下降幅程度を吸収でき、荷重が連結ボルトに掛らない。
本発明により、簡易に形成できるせん断力伝達構造を提供することができる。
せん断力伝達構造10の配置を示す図 せん断力伝達構造10の構成を示す図 鋼板11、12を示す図 せん断力伝達構造10によるせん断力の伝達について説明する図 せん断力伝達構造10の構築方法について説明する図 せん断力伝達構造10の構築方法について説明する図 せん断力伝達構造10の構築方法について説明する図 せん断力伝達構造10の構築方法について説明する図 せん断力伝達構造10の構築方法について説明する図 せん断力伝達構造10の構築方法について説明する図 せん断力伝達構造10aを示す図 せん断力伝達構造10aによるせん断力の伝達について説明する図 せん断力伝達構造10bを示す図 土留壁と地下構造躯体を示す図
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.せん断力伝達構造10)
図1は本発明の第1の実施形態に係るせん断力伝達構造10の配置を示す図である。本実施形態では、地盤2に土留壁であるRC連壁3aが設けられ、その内側を掘削した掘削部22に地下構造躯体が設けられる。本実施形態の地下構造躯体は立坑であり、RC側壁4a、底版5を有する。
RC連壁3a、RC側壁4aは、鉛直方向の縦鉄筋や水平方向の横鉄筋などの補強筋を配置してコンクリートを打設し、構築されたものである。RC連壁3a、RC側壁4aは略円筒状であり、平面において、内外のRC連壁3a、RC側壁4aが全周で接している。せん断力伝達構造10は、この接触面を交差するように設けられる。
せん断力伝達構造10は、地下構造躯体(RC側壁4a、底版5)に加わる浮力をせん断力としてRC側壁4aからRC連壁3aに伝達し、RC連壁3aの重力で抵抗させるものである。
図1に示すように、本実施形態では鉛直方向に間隔を空けて複数のせん断力伝達構造10が設けられる。また、せん断力伝達構造10は、RC連壁3aの周方向に沿って等間隔に複数配置される。図1では周方向の一部のせん断力伝達構造10を示している。しかしながら、せん断力伝達構造10の配置はこれに限らない。例えば、1個の長いせん断力伝達構造10を鉛直方向に連続して配置することも可能である。
(2.せん断力伝達構造10の構成)
図2はせん断力伝達構造10の構成を示す図である。図2(a)はせん断力伝達構造10の水平方向断面、図2(b)はせん断力伝達構造10の鉛直方向断面を示す。図2(a)は図2(b)の線B−Bによる断面であり、図2(b)は図2(a)の線A−Aによる断面である。
図2(a)、(b)に示すように、せん断力伝達構造10は、鋼板11(第1の鋼板)、12(第2の鋼板)、連結ボルト13(被係止部)、ナット14等を有する。せん断力伝達構造10は、RC連壁3aの内面(RC側壁4a側の面)の窪み部30に配置される。
鋼板11は鉄筋挿通孔111、孔112(係止部)を有し、窪み部30において鉛直方向に配置される。図3(a)に示すように、鉄筋挿通孔111、孔112は、平行する2列のそれぞれに沿って鉛直方向に複数並べて設けられる。鋼板11は、RC連壁3a、RC側壁4aに渡って埋設される。すなわち、鉄筋挿通孔111を含む一部がRC連壁3aに埋設され、孔112を含む残りの部分がRC側壁4aに埋設される。
鋼板12はRC側壁4aに埋設される。鋼板12は鉄筋挿通孔121、孔122を有し、鉛直方向に配置される。図3(b)に示すように、鉄筋挿通孔121、孔122は、平行する2列のそれぞれに沿って鉛直方向に複数並べて設けられる。
RC連壁3a内には、縦鉄筋31と横鉄筋32からなる鉄筋籠が埋設されており、鋼板11の鉄筋挿通孔111には横鉄筋32が通される。RC側壁4a内にも縦鉄筋41と横鉄筋42が埋設されており、鋼板12の鉄筋挿通孔121に横鉄筋42が通される。これにより、鋼板11、12の位置が固定される。
鋼板11、12は、孔112、122の位置を合わせ、重ねて配置される。鋼板11、12は、連結ボルト13とナット14を用いて離間しないように保持される。
連結ボルト13は、頭部と、頭部より径の小さい軸部を有し、連結ボルト13の軸部が、鋼板11、12の重なった孔112、122に鋼板12側から挿入される。軸部の先端は鋼板11から突き出ており、この先端にナット14が締め込まれる。これにより、鋼板11、12が連結ボルト13の頭部とナット14で挟まれ、離間するのが防がれる。なお、ここではナット14をきつく締め付けるようなことはせず、鋼板11、12を連結ボルト13の頭部やナット14に対して摺動可能にしておく。
連結ボルト13の軸部の周囲には緩衝材であるゴムリング131が設けられ、軸部を孔112、122に挿入した時に、軸部と孔112、122の内周面との間がゴムリング131で埋められる。なお、緩衝材としてはゴムリング131の他、発泡スチロール製リングなども使用できる。
(3.せん断力伝達構造10によるせん断力の伝達)
本実施形態のせん断力伝達構造10は、連結ボルト13(被係止部)が鋼板11の孔112(係止部)に係止されることにより、せん断力を伝える構造となっている。これを説明するのが図4であり、図4(a)、(b)はそれぞれ、せん断力伝達構造10の要部の鉛直方向断面を示す図である。
すなわち、図4(a)に示す初期の状態から、RC側壁4aと底版5による地下構造躯体が浮力により上昇すると、図4(b)に示すように鋼板12が上昇して連結ボルト13を押し上げる。すると、ゴムリング131が潰れて連結ボルト13の軸部が鋼板11の孔112の上部で係止される。これにより、地下構造躯体に加わる浮力が、せん断力としてRC連壁3a側に伝達され、RC連壁3aの重力によって抵抗できる。
(4.せん断力伝達構造10の構築方法)
次に、図5〜10を参照してせん断力伝達構造10の構築方法について説明する。図5〜9において、(a)図は図1と同様の鉛直方向断面であり、(b)図は(a)図の線C−Cに沿った水平方向断面である。また図10(a)、(b)は、図5〜9の(b)図と同様の水平方向断面を示す図である。
本実施形態では、まず図5(a)、(b)に示すように、RC連壁3aを構築するため、地盤2を掘削して掘削溝21を設ける。
その後、図6(a)、(b)に示すように、鋼板11を掘削溝21内に配置する。鋼板11は縦鉄筋31と横鉄筋32を有する鉄筋籠に予め取り付けられ、鉄筋籠を掘削溝21内に建て込むことで鋼板11の配置も行われる。なお、(a)図では縦鉄筋や横鉄筋等の図示を省略している。以降の図7〜9でも同様である。
鋼板11は横鉄筋32を鉄筋挿通孔111に通して鉄筋籠に取り付けられる。鋼板11の内側(RC側壁4a側)の、孔112を含む端部の周囲には、箱抜き用の型枠40が予め設けられている。
その後、掘削溝21にコンクリートを打設する。図7(a)、(b)に示すようにコンクリートは型枠40内を除く部分で充填され、コンクリートが硬化するとRC連壁3aが構築される。RC連壁3aには鋼板11が埋設されるが、鋼板11の内側の端部はRC連壁3aから突出している。この突出箇所には孔112が含まれる。
本実施形態では、RC連壁3aの構築後、図8(a)、(b)に示すように、RC連壁3aの内側を掘削して掘削部22とするとともに、型枠40を撤去する。型枠40を撤去した部分は窪み部30となる。掘削部22の底部には、コンクリート等による底版5を構築する。
次に、図9(a)、(b)に示すように、鋼板12を、鋼板11の突出箇所に重ねて配置する。この時、鋼板11、12の孔112、122の位置を合わせる。そして、図10(a)に示すように、鋼板11、12の重なった孔112、122に、鋼板12側から連結ボルト13の軸部を通し、鋼板11から突き出た軸部の先端にナット14を締め込む。前記したように、連結ボルト13の軸部の周囲にはゴムリング131が取り付けられている。
また、RC連壁3aの内側では、RC側壁4aの縦鉄筋41と横鉄筋42の配置を行う。この時、鋼板12の鉄筋挿通孔121に横鉄筋42を通しておく。
その後、図10(b)に示すように、RC連壁3aの内側にてRC側壁4aのコンクリートを打設する。コンクリートが硬化するとRC側壁4aが構築される。RC側壁4a内には鋼板12、連結ボルト13、ゴムリング131やナット14等が埋設される。こうして、図1等で説明したせん断力伝達構造10が構築される。
なお、RC側壁4aのコンクリートは、数ロットに分けて下から上へと順に打設する。この時、せん断力伝達構造10の近傍のコンクリートが、上方のロットのコンクリートの荷重によって多少下降した場合も、連結ボルト13の軸部の下方のゴムリング131が簡単につぶれることから上記側壁のコンクリートの下降幅程度を吸収でき、荷重が連結ボルト13に掛ることはなく、底版5等で支持される。
以上説明したように、本実施形態では、RC連壁3aとRC側壁4aが接している箇所にせん断力伝達構造10を配置することで、RC側壁4aと底版5からなる地下構造躯体に浮力が作用し上昇した場合には、鋼板12も上昇して前記したようにゴムリング131が潰れ、連結ボルト13が鋼板11の孔112に係止される。これにより、地下構造躯体に加わる浮力がせん断力としてRC連壁3a側に伝達され、RC連壁3aの重力によって浮力に抵抗できる。このように、本実施形態では2枚の鋼板11、12や連結ボルト13等を用いて簡易に形成できる構造によりせん断力の伝達が可能となり、地下構造躯体とRC連壁3aとの一体化による部材厚の低減も実現でき、施工面やコスト面で有利になる。
また、箱抜き用の型枠40を用いてコンクリートを打設するなどして窪み部30を有するRC連壁3aを構築し、この窪み部30にせん断力伝達構造10を配置することで、RC側壁4aに断面欠損が無く壁厚を薄くでき、コスト的に有利である。また、鋼板11、12は、RC連壁3aとRC側壁4aの横鉄筋32、42を用いて容易に固定できる。
また、本実施形態では、2枚の鋼板11、12を孔112、122の位置を合わせて配置し、連結ボルト13の軸部を挿入してナット14を締め込むことで、せん断力伝達構造10を簡易に形成でき、工期短縮、コスト低減が可能である。また連結ボルト13とナット14を用いて両鋼板11、12を保持して離間を防ぐことができる。
さらに、連結ボルト13の軸部の周囲にゴムリング131を設けることで、RC側壁4aの構築時に、せん断力伝達構造10の近傍のコンクリートが上方のロットのコンクリートの荷重によって多少下降した場合も、連結ボルト13の軸部の下方のゴムリング131が簡単につぶれることから上記側壁のコンクリートの下降幅程度を吸収でき、荷重が連結ボルト13に掛らず、底版5等で支持される。同様に、連結ボルト13は、RC側壁4aの温度低下や乾燥収縮等に伴う鉛直方向の変位や径方向の変位も拘束しない。従って、これらのケースでもRC側壁4aに応力が発生せず、応力に伴うひび割れも発生しない。連結ボルト13の軸部と孔112、122の内周面との間隔(ゴムリング131の厚さ)は、前記したRC側壁4aの構築時のコンクリートの下降幅や、RC側壁4aの温度低下、乾燥収縮等による変位等を考慮して予め定めることができる。例えば、20-30mm程度とする。
しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、本実施形態ではRC連壁3aとRC側壁4aが全周で接しているが、少なくとも一部で接しており、その隣接箇所にせん断力伝達構造10が設けられていればよい。また、本実施形態ではRC連壁3a、RC側壁4aを略円筒状としたが、その他の形状、例えば角筒状であってもよい。加えて、本実施形態は、立坑だけでなく図14(b)で説明したような地下タンクなどにも適用可能である。
次に、本発明のせん断力伝達構造の別の例について、第2、第3の実施形態として説明する。各実施形態は第1の実施形態と異なる点について主に説明し、同様の点については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。
[第2の実施形態]
図11は第2の実施形態のせん断力伝達構造10aを示す図である。図11(a)はせん断力伝達構造10aの水平方向断面、図11(b)はせん断力伝達構造10aの鉛直方向断面を示す。図11(a)は図11(b)の線D−Dによる断面であり、図11(b)は図11(a)の線C−Cによる断面である。
図11に示すように、せん断力伝達構造10aは、鋼板11(第1の鋼板)、12a(第2の鋼板)を有する。鋼板11については第1の実施形態と同様である。
鋼板12aはRC側壁4aに埋設される。鋼板12aは鉄筋挿通孔121と突起124(被係止部)を有し、鉛直方向に配置される。図11(b)に示すように、鉄筋挿通孔121、突起124は、平行する2列のそれぞれに沿って鉛直方向に複数並べて設けられる。突起124の周囲には緩衝材としてゴムリング125が設けられる。鋼板11、12aは、鋼板12aの突起124を鋼板11の孔112(係止部)に通した状態で重ねて配置され、この時、孔112の内周面と突起124との間がゴムリング125で埋められる。
また、第1の実施形態と同じく、RC連壁3a内には縦鉄筋31と横鉄筋32が埋設されており、鋼板11の鉄筋挿通孔111には横鉄筋32が通される。RC側壁4a内にも縦鉄筋41と横鉄筋42が埋設されており、鋼板12aの鉄筋挿通孔121に横鉄筋42が通される。これにより、鋼板11、12aが固定される。
本実施形態のせん断力伝達構造10aは、鋼板12aの突起124(被係止部)が鋼板11の孔112(係止部)に係止されることにより、せん断力を伝える構造となっている。これを説明するのが図12であり、図12(a)、(b)はそれぞれ、せん断力伝達構造10aの要部の鉛直方向断面を示す図である。
すなわち、図12(a)に示す初期の状態から、RC側壁4aと底版5による地下構造躯体が浮力により上昇すると、図12(b)に示すように鋼板12aが上昇し、ゴムリング125が潰れて突起124が鋼板11の孔112の上部で係止される。これにより、前記と同様、地下構造躯体に加わる浮力が、せん断力としてRC連壁3a側に伝達され、RC連壁3aの重力によって抵抗できる。
[第3の実施形態]
図13(a)、(b)はそれぞれ、第3の実施形態のせん断力伝達構造10bの要部の鉛直方向断面と水平方向断面を示す図である。図13(a)は図13(b)の線F−Fによる断面であり、図13(b)は図13(a)の線E−Eによる断面である。
本実施形態のせん断力伝達構造10bは、鋼板11b(第1の鋼板)、12b(第2の鋼板)を有し、鋼板12bに設けたかぎ状部126(被係止部)が鋼板11bに設けた函状部115(係止部)に係止されることにより、せん断力を伝える構造となっている。
図に示すように、かぎ状部126は鋼板12bの側面から突出し、先端が上方へ折れ曲がった形となっている。函状部115は鋼板11bの側面に設けられ、下面が開口している。函状部115の内部空間の上部および側部には緩衝材116a、116bがそれぞれ配置され、函状部115の前面の下部には緩衝材116cが設けられる。
鋼板12bは、図13(c)に示すように、かぎ状部126の先端の折れ曲がり部を鋼板11bの函状部115の下から挿入して配置する。この時、図13(a)、(b)に示すように、かぎ状部126と函状部115の間に緩衝材116a、116b、116cが配置される。
なお、説明を省略した構成については第1の実施形態と略同様である。例えば、鋼板11bは第1の実施形態と同様、RC連壁3aとRC側壁4aに渡って埋設され、鋼板12bはRC側壁4aに埋設される。図13(a)、(b)に示した部分はRC側壁4a内に位置する。また、鋼板11b、12bには第1の実施形態と同様の鉄筋挿通孔も設けられ、それぞれRC連壁3a、RC側壁4aの横鉄筋32、42が通される。
本実施形態では、RC側壁4aと底版5による地下構造躯体が浮力により上昇すると、図13(d)に示すように鋼板12bが上昇し、函状部115の内部空間の上部の緩衝材116aと函状部115の前面の下部の緩衝材116cが潰れ、かぎ状部126が鋼板11bの函状部115で係止される。これにより、前記と同様、地下構造躯体に加わる浮力が、せん断力としてRC連壁3a側に伝達され、RC連壁3aの重力で抵抗できる。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
2;地盤
3、3a;RC連壁
4、4a、6;RC側壁
5、7;底版
8;屋根
10、10a、10b;せん断力伝達構造
11、11b、12、12a、12b;鋼板
13;連結ボルト
14;ナット
21;掘削溝
22;掘削部
30;窪み部
31、41;縦鉄筋
32、42;横鉄筋
40;型枠
111、121;鉄筋挿通孔
112、122;孔
124;突起
125、131;ゴムリング
126;かぎ状部
115;函状部
116a、116b、116c;緩衝材

Claims (7)

  1. 土留壁と地下構造躯体の接触面交差するように設けられるせん断力伝達構造であって、
    前記土留壁と前記地下構造躯体に渡って埋設され、前記地下構造躯体側に係止部を有する鉛直方向の第1の鋼板と、
    前記地下構造躯体に埋設された鉛直方向の第2の鋼板と、
    前記地下構造躯体の上昇時の前記第2の鋼板の上昇に伴って前記係止部に係止されることにより、せん断力の伝達を行う被係止部と、
    前記被係止部と前記係止部の間に配置された緩衝材と、
    を有するせん断力伝達構造が、鉛直方向に間隔を空けて複数配置され、
    前記第1の鋼板、前記第2の鋼板が平板状であることを特徴とするせん断力伝達構造
  2. 前記第1の鋼板は、前記土留壁の前記地下構造躯体側の面における窪み部に配置されることを特徴とする請求項1記載のせん断力伝達構造
  3. 前記第1の鋼板には、前記係止部である孔が設けられ、
    前記被係止部は、前記孔に通されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のせん断力伝達構造
  4. 前記第2の鋼板には、孔が設けられ、
    前記第1、第2の鋼板は、孔の位置を重ねて配置され、
    前記被係止部は、軸部の周囲に前記緩衝材を設けたボルトであり、前記軸部を前記第1、第2の鋼板の孔に通し、前記ボルトの頭部と前記軸部の端部に取付けたナットとで前記第1、第2の鋼板が挟まれることを特徴とする請求項3記載のせん断力伝達構造
  5. 前記第1、第2の鋼板は鉄筋挿通孔を有し、
    前記第1の鋼板は前記鉄筋挿通孔に前記土留壁の横鉄筋を通して配置され、
    前記第2の鋼板は前記鉄筋挿通孔に前記地下構造躯体の横鉄筋を通して配置されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のせん断力伝達構造
  6. 土留壁と地下構造躯体の接触面交差するように設けられるせん断力伝達構造の構築方法であって、
    土留壁を地盤に構築する工程(a)と、
    前記土留壁の側方の地盤を掘削した掘削部に地下構造躯体を構築する工程(b)と、
    を具備し、
    前記工程(a)において、
    前記土留壁に、
    前記土留壁から前記地下構造躯体側に突出し、突出箇所に係止部を有する鉛直方向の第1の鋼板が埋設され、
    前記工程(b)において、
    前記地下構造躯体に、
    鉛直方向の第2の鋼板と、
    前記地下構造躯体の上昇時の前記第2の鋼板の上昇に伴って前記係止部に係止されることにより、せん断力の伝達を行う被係止部と、
    前記被係止部と前記係止部の間に配置される緩衝材と、
    が埋設され
    前記第1の鋼板、前記第2の鋼板、前記被係止部、前記緩衝材を有する前記せん断力伝達構造を、鉛直方向に間隔を空けて複数構築し、
    前記第1の鋼板、前記第2の鋼板が平板状であることを特徴とするせん断力伝達構造の構築方法。
  7. 前記工程(a)において、前記第1の鋼板の前記地下構造躯体側の端部の周囲に型枠を配置してコンクリートを打設することで前記土留壁を構築し、
    前記工程(b)において、前記型枠を撤去して前記地下構造躯体のコンクリートを打設することで前記地下構造躯体を構築する
    ことを特徴とする請求項6記載のせん断力伝達構造の構築方法。
JP2014224098A 2014-11-04 2014-11-04 せん断力伝達構造群、せん断力伝達構造の構築方法 Active JP6374762B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014224098A JP6374762B2 (ja) 2014-11-04 2014-11-04 せん断力伝達構造群、せん断力伝達構造の構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014224098A JP6374762B2 (ja) 2014-11-04 2014-11-04 せん断力伝達構造群、せん断力伝達構造の構築方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016089449A JP2016089449A (ja) 2016-05-23
JP6374762B2 true JP6374762B2 (ja) 2018-08-15

Family

ID=56016477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014224098A Active JP6374762B2 (ja) 2014-11-04 2014-11-04 せん断力伝達構造群、せん断力伝達構造の構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6374762B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114033027B (zh) * 2021-10-22 2022-08-05 河南耐睿特实业有限公司 一种超低能耗集成保温装配式多层房屋及安装方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5833142Y2 (ja) * 1979-04-09 1983-07-23 株式会社クボタ 鋼管矢板
JPH0493413A (ja) * 1990-08-10 1992-03-26 Taisei Corp 鉄筋籠仕切プレートのコンクリート漏れ防止構造
JP3237076B2 (ja) * 1994-04-28 2001-12-10 株式会社竹中工務店 鉄骨鉄筋コンクリート造連続地下壁
JP3165880B2 (ja) * 1995-03-07 2001-05-14 株式会社スリー・ユー 地下構築物の構築方法
JP3543140B2 (ja) * 1995-08-11 2004-07-14 株式会社竹中工務店 鉄骨鉄筋コンクリート造連続地下壁を利用した合成壁及びその施工方法
JP3028053B2 (ja) * 1995-12-06 2000-04-04 鹿島建設株式会社 躯体と地中連続壁の接合工法
JP3327454B2 (ja) * 1996-11-07 2002-09-24 株式会社大林組 地中連続壁工法
JP3552534B2 (ja) * 1998-05-21 2004-08-11 株式会社大林組 地中壁の構築工法
US6240700B1 (en) * 1999-10-12 2001-06-05 Chyi Sheu Constructing method for underground continuous double-row walls and the structure of continuous double-row walls
JP4349708B2 (ja) * 1999-12-21 2009-10-21 五洋建設株式会社 構造物の地下外壁およびその構築工法
JP2002047671A (ja) * 2000-08-01 2002-02-15 Taisei Corp 地下壁の構築方法
JP2002250031A (ja) * 2000-12-19 2002-09-06 Kensetsu Kikaku Consultant:Kk 地下構造壁の構築方法および地下構造壁
JP2006052823A (ja) * 2004-08-16 2006-02-23 Sugimoto Sangyo Kk 緩衝ワッシャ付きボルト
JP2009299292A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Shimizu Corp 地下タンクにおける側壁と連続地中壁とのせん断伝達構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016089449A (ja) 2016-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20130006420A (ko) 신설 지하 구조물의 시공 방법
JP5728301B2 (ja) 基礎構造
JP5634931B2 (ja) 地下構造物の構築方法
KR20170131604A (ko) 지주 하단부와 콘크리트 말뚝의 강성연결 구조체
JP5208904B2 (ja) 袋体を用いた壁面工構築方法
JP2018168600A (ja) コンクリート構造物及びその構築方法
JP2016205051A (ja) 構造物の施工方法
JP6374762B2 (ja) せん断力伝達構造群、せん断力伝達構造の構築方法
KR100657655B1 (ko) 지반안정공법용 조립식 파일
JP4890217B2 (ja) 地中構造物の構築方法及び地中構造物
JP6785591B2 (ja) 先行エレメントの端部構造および地中連続壁の施工方法
JP6390360B2 (ja) 鉄筋コンクリート梁と鋼管柱との接合構造及び方法
JP2017125322A (ja) 基礎構造
JP6230272B2 (ja) 耐震壁、およびその形成方法
JP2007277910A (ja) 軽量盛土用ブロックおよび軽量盛土構造物ならびにその構築方法
JP5367452B2 (ja) 地下壁体構築方法および地下壁体
JP6083788B2 (ja) 基礎の仮支持方法
JP5551943B2 (ja) 地盤改良体を用いた基礎構造
KR102098141B1 (ko) 흙막이벽체를 이용한 구조물 지하벽체 시공방법 및 이에 의해 시공되는 구조물 지하벽체
KR200436405Y1 (ko) 버팀보 보강용 브레이싱 서포트 체결구조
JP6774774B2 (ja) 杭基礎構造
JP4885039B2 (ja) 軽量盛土構造
JP6032568B2 (ja) 中空深礎基礎及びその施工方法
KR102638704B1 (ko) 지하공간 구조물 벽체를 위한 강재 지중연속벽 및 이의 시공방법
JP5267242B2 (ja) 橋脚基礎構造及び橋脚基礎施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180710

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6374762

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250