JP6459813B2 - 新規なアゾ系二色性色素、並びに、該アゾ系二色性色素を含有する液晶組成物及び液晶素子 - Google Patents
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(1)下記一般式(I)で表される、アゾ系二色性色素。
Ar1、Ar2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基、又は置換基を有していてもよい1,4−ナフチレン基を表し、但しAr2のうち少なくとも1つは、置換基を有する1,4−フェニレン基であって、該置換基は、1,4−フェニレン基の2位及び3位、5位及び6位、2位及び5位、並びに3位及び6位のいずれかで置換する、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルコキシ基である。ただし、該置換基は共に連結して環を形成してもよく、
X1は、酸素原子又は−NR1−を表し、ここでR1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表し、
L1は、環状構造及びアゾ結合を含まない、二価の連結基又は直接結合を表し、
A1は、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、
B1、B2は、環状構造及びアゾ結合を含まない、二価の連結基又は直接結合を表し、
n1は、1以上の整数を表し、ここでn1が2以上の場合、一般式(I)中に存在する2以上のAr1は同一であっても異なっていてもよく、
n2は、1以上の整数を表し、ここでn2が2以上の場合、一般式(I)中に存在する2以上のAr2は同一であっても異なっていてもよく、
n3は、0以上の整数を表し、ここでn3が2以上の場合、一般式(I)中に存在する2以上のA1は同一であっても異なっていてもよい。)
但し、Y1、Y2は、それぞれ独立して、下記一般式で表される一価の置換基である。
A2〜A5は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、
B3、B4は、それぞれ独立して、環状構造及びアゾ結合を含まない、二価の連結基又は直接結合を表し、
R2、R3は、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表し、
n4〜n7は、それぞれ独立して、1以上の整数を表し、ここでn4〜n7が2以上の場合、式中に存在する2以上のA2〜A5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
(3)前記一般式(I)が、下記一般式(II);
(4)下記一般式(Ia)〜(Ic)のいずれかで表される、上記(1)又は(2)に記載のアゾ系二色性色素。
(6)前記X1が、酸素原子又は−NH−である、上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。
(7)前記n1が1であり、前記Ar1が置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である、上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。
(8)前記n3が1又は2であり、前記A1が置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である、上記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。
(9)前記B2が、アルカンジオールの水酸基から水素を除いた、炭素数2〜8のアルカンジオール残基である、上記(1)乃至(8)のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。
(10)前記n4〜n7が2であり、前記A2及びA5は置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基であり、前記A3及びA4は置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である、上記(1)乃至(9)のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。
(11)前記R2及びR3が、炭素数3〜8のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルコキシ基である、上記(1)乃至(10)のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。
(13)上記(12)に記載の液晶組成物を含む液晶層を有する、液晶素子。
置換基が環を形成している場合には、その環を構成する一部に酸素、窒素、硫黄等を含む複素環であってもよい。また環を構成する原子数は、フェニレン基と共有する原子を除き、通常3〜12、好ましくは3〜6、特に好ましくは3又は4である。
またかかる環は、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、キノンなどで置換されていても良い。
また、例えば2位及び3位の位置に炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルコキシ基で置換されている1,4−フェニレン基が、更に5位や6位を、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又アルコキシ基で置換されていてもよい。
また、X1は、酸素原子又は−NR1−を表し、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表す。さらに、L1は、環状構造及びアゾ結合を含まない二価の連結基又は直接結合を表す。A1は、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。また、B1、B2は、環状構造及びアゾ結合を含まない二価の連結基又は直接結合を表す。
したがって、このAr2とその周辺の構造の他、例えばY1、Y2等は、本発明の効果を発現することに大きな障害にならない、つまり大きくオーダーパラメーター(S値)に影響を与えない範囲を考え、選択している。
また本発明の置換基の導入では、極大吸収波長の変化がほとんどないことから、液晶組成物とした時の色調等の制御が容易になるという利点も持っている。
Ar2が置換基を有する1,4−フェニレン基又は1,4−ナフチレン基である場合、その置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。そして置換基を有する1,4−フェニレン基であって、該置換基は、1,4−フェニレン基の2位及び3位、5位及び6位、2位及び5位、並びに3位及び6位のいずれかで置換する、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルコキシ基である。ただし、該置換基は共に連結して環を形成してもよい。その具体例としては、2,3の位置が共に炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルキル基又は炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルコキシ基で置換されている1,4−フェニレン基、5,6の位置が共に炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルキル基又は炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルコキシ基で置換されている1,4−フェニレン基、2,5の位置が共に炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルキル基又は炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルコキシ基で置換されている1,4−フェニレン基、3,6の位置が共に炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルキル基又は炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルコキシ基で置換されている1,4−フェニレン基が挙げられ、これら置換基はいずれも共に連結して環を形成してもよい。
必須となる置換基が共に連結して環を形成している場合には、得られた環が好ましくは置換基を有していてもよい炭素数5又は6のシクロアルカンであり、具体的には、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、メチルエチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンである。
また、2位及び3位、5位及び6位、2位及び5位、並びに3位及び6位のいずれかで置換する、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルコキシ基は、環を形成しない場合、2,3の位置、5,6の位置、2,5の位置、3,6の位置のいずれかが同じアルキル基又はアルコキシ基で置換されていることが好ましく、特に好ましくは、これがメチル基又はエチル基であることである。
ここで、n2が1の場合、ホスト液晶に対する溶解性を高める観点から、Ar2は、置換基を有していてもよい1,4−(5,6,7,8−テトラヒドロ)ナフチレン基又は置換基を有していてもよい4,7−インダン基であることが好ましい。
また、n2が2の場合、ホスト液晶に対する溶解性を高める観点から、一般式(I)中に存在する2つのAr2のうち少なくも一方のAr2は、置換基を有していてもよい1,4−(5,6,7,8−テトラヒドロ)ナフチレン基又は置換基を有していてもよい4,7−インダン基であることが好ましい。また、他方のAr2は、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよい1,4−ナフチレン基であることが好ましい。このとき2以上のAr2の結合順は任意である。
Ar1は、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよい1,4−ナフチレン基を表す。n1は、1以上の整数を表す。ここでn1が2以上の整数の場合、上記一般式(I)中に複数のAr1が存在することになるが、このとき複数存在するAr1は、同一であっても異なっていてもよい。特に好ましくは、n1が1であり、Ar1が置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。Ar1の置換基としては、前述のとおり、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。このうち好ましくはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子である。
X1は、酸素原子又は−NR1−を表す。ここでR1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルコキシ基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられるが、これらに限定されない。また、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、アルキニル基としては、エチニル基、プロパ−2−イン−1−イル基等が挙げられるが、これらに限定されない。また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、へキシルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、R1は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
L1は、環状構造及びアゾ結合を含まない、二価の連結基又は直接結合を表す。この二価の連結基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基;ビニレン基、プロペニレン基、イソプロペニレン基、ブテニレン基、イソブテニレン基、sec−ブテニレン基、tert−ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基等の炭素数2〜10の直鎖状又は分岐状のアルケニレン基;エチニレン基、プロピニレン基、イソプロピニレン基、ブチニレン基、イソブチニレン基、sec−ブチニレン基、tert−ブチニレン基、ヘキシニレン基、オクチニレン基等の炭素数2〜10の直鎖状又は分岐状のアルキニレン基;オキシカルボニル基、メチレンオキシカルボニル基、エチレンオキシカルボニル基、プロピレンオキシカルボニル基、イソプロピレンオキシカルボニル基、tert−ブチレンオキシカルボニル基等のアルキレン基で置換されていてもよいオキシカルボニル基;カルボニルオキシ基、メチレンカルボニルオキシ基等のアルキレン基で置換されていてもよいカルボニルオキシ基、アルキレンオキシ基、アルキレンカルボニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、L1は、メチレン基が好ましい。
A1は、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。n3は、0以上の整数を表す。ここでn3が2以上の整数の場合、上記一般式(I)中に複数のA1が存在することになるが、このとき複数存在するA1は、同一であっても異なっていてもよい。好ましくはn3が0であるか、又は、n3が1又は2であり且つA1が置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。ここで、n3が2の場合、上記一般式(I)中に存在する2つのA1がともに無置換の1,4−フェニレン基(すなわち、ビフェニル)であるか、又は、少なくとも一方のA1が置換基として1〜4個のハロゲン原子を有する1,4−フェニレン基であり且つ他方のA1が無置換の1,4−フェニレン基である(すなわち、ハロゲン置換ビフェニル)であることが好ましい。このとき2以上のA1の結合順は任意である。
B1及びB2は、それぞれ独立して、環状構造及びアゾ結合を含まない二価の連結基又は直接結合を表す。この二価の連結基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基;ビニレン基、プロペニレン基、イソプロペニレン基、ブテニレン基、イソブテニレン基、sec−ブテニレン基、tert−ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基等の炭素数2〜10の直鎖状又は分岐状のアルケニレン基;エチニレン基、プロピニレン基、イソプロピニレン基、ブチニレン基、イソブチニレン基、sec−ブチニレン基、tert−ブチニレン基、ヘキシニレン基、オクチニレン基等の炭素数2〜10の直鎖状又は分岐状のアルキニレン基;1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルカンジオールの水酸基から水素を除いた、アルカンジオール残基;オキシカルボニル基、メチレンオキシカルボニル基、エチレンオキシカルボニル基、プロピレンオキシカルボニル基、イソプロピレンオキシカルボニル基、tert−ブチレンオキシカルボニル基等のアルキレン基で置換されていてもよいオキシカルボニル基;カルボニルオキシ基、メチレンカルボニルオキシ基等のアルキレン基で置換されていてもよいカルボニルオキシ基、アルキレンオキシ基、アルキレンカルボニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、B1及びB2のいずれか一方が炭素数2〜8のアルカンジオール残基であり且つ他方が直接結合であることが好ましく、より好ましくは、B1及びB2のいずれか一方が炭素数4〜6のアルカンジオール残基であることである。
R2及びR3は、各々独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられるが、これらに限定されない。また、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、アルキニル基としては、エチニル基、プロパ−2−イン−1−イル基等が挙げられるが、これらに限定されない。また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、へキシルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されない。R2及びR3は、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状のアルコキシ基がより好ましく、炭素数3〜8の直鎖状のアルキル基、炭素数3〜8の直鎖状のアルコキシ基がさらに好ましい。とりわけ、ホスト液晶に対する溶解性を高める観点から、R2及びR3は、低極性で極性分子長を伸張する構造、液晶分子の部分構造などが好ましく、炭素数4〜7の直鎖状のアルキル基が特に好ましく、炭素数5〜7の直鎖状のアルキル基が特に好ましい。また、ホスト液晶に対する溶解性を高める観点から、R2及びR3の炭素数の総和は、7〜13が好ましく、より好ましくは10〜12である。また、これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基は、ハロゲン原子で置換されていても良く、特に水素が全てハロゲン原子で置き換えられたフルオロアルキル基、フルオロアルコキシ基が好ましい。
A2及びA5は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基、又は置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。n4及びn7は、各々独立して、1以上の整数を表す。ここでn4又はn7が2以上の整数の場合、上記一般式(I)中に複数のA2又はA5が存在することになるが、このとき複数存在するA2又はA5は、同一であっても異なっていてもよい。特に好ましくは、n4及びn7が1であり、A2及びA5が置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基である。
A3及びA4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基、又は置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。n5及びn6は、各々独立して、1以上の整数を表す。ここでn5又はn6が2以上の整数の場合、上記一般式(I)中に複数のA3又はA4が存在することになるが、このとき複数存在するA3又はA4は、同一であっても異なっていてもよい。特に好ましくは、n5及びn6が1であり、A3及びA4が置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。
B3及びB4は、それぞれ独立して、環状構造及びアゾ結合を含まない、二価の連結基又は直接結合を表す。B3及びB4の好ましい態様は、B1及びB2と同様である。
また、より好ましくは、下記一般式(Ia)〜(Ic)のいずれかで表されるアゾ系二色性色素である。
上記のアゾ系二色性色素は、ホスト液晶への溶解性及び応答速度の点から、分子量は通常3000以下であり、好ましくは1500以下である。また、分子量は450以上が好ましく、550以上がより好ましい。
上記一般式(I)又は(Ia)〜(Ic)で表されるアゾ系二色性色素の部分構造例を以下に例示するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらに特に限定されるものではない。
上記一般式(I)で表されるアゾ系二色性色素は、既知の方法、例えばA.V.Ivashchenko著「Dichroic Dye for Liquid Crystal Display」(CMC社、1994年発行)、堀口博著「総説合成染料」(三共出版、1968年発行)、特開平10−60446号公報及びこれらに引用されている文献に記載の方法等を用いて反応させることにより合成できる。
上記一般式(I)で表されるアゾ系二色性色素の1種又は2種以上を、各種のホスト液晶化合物、又はそれらの化合物を含有するホスト液晶組成物に公知の方法で混合することにより、液晶組成物を調製することができる。具体的には、日本学術振興会第142委員会編「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年発行)の第154〜192頁及び第715〜722頁記載のネマチック或いはスメクチック相を示すビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、フェニルピリミジン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系等の各種のホスト液晶化合物、又はそれらの化合物を含有するホスト液晶組成物等が挙げられる。また、例えば特開平3−14892号公報などに記載の化合物も好適に使用可能である。
S=(A//−A⊥)/(2A⊥+A//)
ここで、「A//」及び「A⊥」は、それぞれ、液晶の配向方向に対して平行及び垂直に偏光した光に対する色素の吸光度を示す。S値は、理論上は0〜1の範囲の値をとり、その値が1に近づく程、ゲストホスト型液晶素子としてのコントラストが向上することとなる。
上記一般式(I)で表されるアゾ系二色性色素を含有する前記液晶組成物を含む液晶層を、少なくとも一方が透明な2枚の電極付基板間に挟持することにより、液晶素子とすることができる。液晶素子としては種々の種類があるが、本実施形態の液晶素子は、その適用範囲は特に限定されず、例えば、松本正一、角田市良著「液晶の最新技術」(工業調査会、1983年発行)第34頁、J.L.Fergason,SID85Digest,68(1985)、日本学術振興会第142委員会編「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989発行)第315〜329頁等に記載されているHeilmeier型ゲストホスト、相転移型ゲストホスト等のゲストホスト効果を利用した各種液晶素子として構成することができる。
実施例1〜8及び比較例1〜5に使用される中間体は、以下の手順で合成した。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3):7.12-7.16(m, 2H), 6.82-6.86(m, 2H), 4.00(t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.51(t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.39-2.47(m, 1H), 2.05-2.12(m, 2H), 1.87-1.98(m, 6H), 1.21-1.48(m, 13H), 1.00-1.11(m, 2H), 0.92(t, J = 7.0 Hz, 3H)
1H-NMR(400 MHz, CDCl3):8.10-8.11(m, 2H), 7.62-7.64(m, 2H), 7.54-7.56(m, 2H), 6.95-6.97(m, 2H), 4.40-4.45(m, 2H), 1.44(t, J = 7.2 Hz, 3H)
1H-NMR(400 MHz, CDCl3):7.45-7.54(m, 4H), 7.09-7.15(m, 3H), 6.80-6.87(m, 3H), 4.77(d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.11(t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.98(t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.39-2.46(m, 1H), 1.81-1.92(m, 8H), 1.55-1.60(m, 2H), 1.22-1.48(m, 13H), 1.03-1.10(m, 2H), 0.92(t, J = 6.4 Hz, 3H)
1H-NMR(400 MHz, CDCl3):7.46-7.49(m, 2H), 7.40-7.43(m, 2H), 7.24-7.27(m, 2H), 6.74-6.78(m, 2H), 3.71(br-s, 2H), 2.48-2.52(m, 1H), 1.88-1.97(m, 5H), 1.46-1.57(m, 2H), 1.24-1.37(m, 8H), 1.07-1.12(m, 2H), 0.93(t, J = 7.2 Hz, 3H)
1H-NMR(400 MHz, CDCl3):8.40-8.43(m, 2H), 8.05-8.09(m, 4H), 7.78-7.82(m, 2H), 7.62-7.65(m, 2H), 7.35(d, J = 5.6 Hz, 2H), 2.53-2.57(m, 1H), 1.91-1.99(m, 5H), 1.48-1.56(m, 2H), 1.26-1.36(m, 8H), 1.09-1.15(m, 2H), 0.93 (t, J = 6.4Hz, 3H)
〔二色性色素のλmaxおよび電圧無印加時のS値の評価〕
得られた二色性色素「実施例化合物1−8」および「比較例化合物1−5」を、フッ素系化合物を主成分とするNn型液晶混合物で、NI点が90℃でΔεが−4.2のものにそれぞれ0.1重量%の濃度で溶解させ、ゲストホスト液晶組成物を調製した。これを、ポリイミド系樹脂を塗布、硬化、ラビング処理した透明電極付きガラス基板を対向させ、液晶が平行配向となるように構成したギャップ50μmのセルに封入した。この着色したセルの配向方向に平行な直線偏光に対する吸光度(A//)及び配向方向に垂直な偏光に対する吸光度(A⊥)を測定し、その吸収ピーク(λmax)におけるオーダーパラメーター(S値)を下記の式から求めた。
S=(A//−A⊥)/(2A⊥+A//)
得られた二色性色素「実施例化合物1−8」および「比較例化合物1−5」をフッ素系化合物を主成分とするNn型液晶混合物で、NI点が91℃でΔεが−4.1のものにそれぞれ0.5重量%の濃度で溶解させ、ゲストホスト液晶組成物を調製した。これを、ポリイミド系樹脂を塗布、硬化、ラビング処理した透明電極付きガラス基板を対向させ、液晶が垂直配向となるように構成したギャップ12μmのセルに封入した。セルにファンクションジェネレーター33120A(アジレント社製)で矩形波1Kz5Vをバイポーラ電源(菊水電子社製)で増幅し振幅20Vを印加したときの吸光度(A20V)及び電圧無印加時の吸光度(A0V)を測定し、その吸収ピーク(λmax)におけるオーダーパラメーター(S*値)を下記の式から求めた。
S*=(A20V−A0V)/(2A0V+A20V)
各化合物の液晶に対する溶解度を次の通り測定した。−10℃に冷却下液晶を振とう器で振とうさせているところへ、化合物を2%添加し、−10℃、100hr振とうさせた。シリンジフィルター0.2ミクロンで濾過した。得られた液晶溶液を適当な濃度にクロロホルムで希釈して、測定光路長10mmの石英セルを使用して、日立分光光度計U−4100にて吸収スペクトルの測定を行い、吸収極大波長λmax(nm)における吸光度とあらかじめ測定したモル吸光係数ε(Lmol−1・cm−1)との関係から各化合物の濃度を求めた。
以上の結果を、それぞれ対比の対象となる群に分けて、表1〜表6に示す。
3・・・透明ガラス基板
4・・・透明電極
5・・・配向膜
6・・・ホスト液晶化合物分子
7・・・二色性色素分子
9・・・反射層
10・・・反射光
Claims (12)
- 下記一般式(I)で表される、アゾ系二色性色素であって、
(式中、Ar1、Ar2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基、又は置換基を有していてもよい1,4−ナフチレン基を表し、但しAr2のうち少なくとも1つは、2位及び3位、又は5位及び6位に、置換基を有していてもよいシクロペンタン又はシクロヘキサンが置換している1,4−フェニレン基であって、
X 1は、酸素原子又は−NR1−を表し、ここでR1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表し、
L1は、環状構造及びアゾ結合を含まない、二価の連結基又は直接結合を表し、
A1は、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、
B1、B2は、環状構造及びアゾ結合を含まない、二価の連結基又は直接結合を表し、
n1は、1以上の整数を表し、ここでn1が2以上の場合、一般式(I)中に存在する2以上のAr1は同一であっても異なっていてもよく、
n2は、1以上の整数を表し、ここでn2が2以上の場合、一般式(I)中に存在する2以上のAr2は同一であっても異なっていてもよく、
n3は、0以上の整数を表し、ここでn3が2以上の場合、一般式(I)中に存在する2以上のA1は同一であっても異なっていてもよい。)
但し、Y1、Y2は、それぞれ独立して、下記一般式で表される一価の置換基である。
A2〜A5は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、
B3、B4は、それぞれ独立して、環状構造及びアゾ結合を含まない、二価の連結基又は直接結合を表し、
R2、R3は、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表し、
n4〜n7は、それぞれ独立して、1以上の整数を表し、ここでn4〜n7が2以上の場合、式中に存在する2以上のA2〜A5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
上記一般式(I)が、下記一般式(Ia)〜(Ic)のいずれかで表される、アゾ系二色性色素。
- 前記R2、R3が、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基である、
請求項1に記載のアゾ系二色性色素。 - 前記B1又はB2が、アルカンジオール、アルケンジオール又はアルキンジオールから水素を除いた残基である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。 - 前記X1が、酸素原子又は−NH−である、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。 - 前記n1が1であり、前記Ar1が置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。 - 前記n3が1又は2であり、前記A1が置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。 - 前記B2が、アルカンジオールの水酸基から水素を除いた、炭素数2〜8のアルカンジオール残基である、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。 - 前記n4〜n7が2であり、前記A2及びA5は置換基を有していてもよい(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基であり、前記A3及びA4は置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。 - 前記R2及びR3が、炭素数3〜8のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルコキシ基である、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアゾ系二色性色素。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のアゾ系二色性色素及び液晶化合物を含有する、
液晶組成物。 - 請求項11に記載の液晶組成物を含む液晶層を有する液晶素子。
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