JP6456099B2 - バイクライダー用衣服 - Google Patents
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Description
例えば下記特許文献1には、バイクライダー用衣服の裏地に袋状の収容部が設けられ、この収容部に板状のプロテクターが着脱可能に収容されることにより、転倒時にバイクライダーが受ける衝撃を緩和し、身体を保護する技術が開示されている。
また、転倒時などにおいて、バイクライダーの身体の安全性をより高めることにも改善の余地があった。
すなわち本発明は、板状のプロテクターを収容する収容部が裏地に設けられたバイクライダー用衣服であって、前記収容部が立体メッシュ布地で形成されており、前記立体メッシュ布地は、布地の厚さ方向に互いに離間して配置され、それぞれ網状をなす上層及び下層と、前記上層と前記下層を繋ぎつつ、前記厚さ方向に離間させるように支持する複数の支持糸と、を有し、前記支持糸は、その両端部に対して中央部が、前記厚さ方向に垂直な方向に膨出するように湾曲し形成されていて、弾性変形可能であり、前記立体メッシュ布地は、前記厚さ方向において、1〜3N/cm 2 の外力を受けたときに弾性変形し始めることを特徴とする。
また本発明は、板状のプロテクターを収容する収容部が裏地に設けられたバイクライダー用衣服であって、前記収容部が立体メッシュ布地で形成されており、前記立体メッシュ布地は、布地の厚さ方向に互いに離間して配置され、それぞれ網状をなす上層及び下層と、前記上層と前記下層を繋ぎつつ、前記厚さ方向に離間させるように支持する複数の支持糸と、を有し、前記支持糸は、その両端部に対して中央部が、前記厚さ方向に垂直な方向に膨出するように湾曲し形成されていて、弾性変形可能であり、前記立体メッシュ布地は、10cm×10cmの単位面積当たりに10〜30kgfの均等荷重を前記厚さ方向に受けたときに、弾性変形し始めることを特徴とする。
また、本発明のバイクライダー用衣服において、複数の前記支持糸が、前記上層及び前記下層のハニカム構造の六角形の辺に沿うように配列していることとしてもよい。
本実施形態のバイクライダー用衣服1は、例えばオートバイ(自動二輪、自動三輪等)や自転車等のバイクに乗るバイクライダーが着用する衣服(衣類)の一種である。
図1に示されるように、本実施形態においては、バイクライダー用衣服1として、上着10とズボン30を用いた一例について説明する。
これらの後身頃11、前身頃12及びアームスリーブ13が縫い合わされて、ネックホール14、袖口15、及び裾口16が形成されている。
なお、本明細書でいう上記「裏地」とは、バイクライダー用衣服1を構成する布地の表面及び裏面のうち、布地の厚さ方向に沿うバイクライダーの身体側を向く裏面を指す。
プロテクター2は、転倒時にバイクライダーが受ける衝撃を緩和し、身体を保護する部材であって、例えばプラスチック、炭素繊維複合材料、金属材料、弾性材料、及びこれらを組み合わせてなる材料等により、平板や湾曲板(例えばカップ状の板)など種々の板状に形成される。プロテクター2は、上着10とバイクライダーの身体(上半身)の間に配置(介装)される。
つまり、プロテクター収容部17は、プロテクター2とバイクライダーの身体(上半身)の間に挟まれるように配置されているとともに、対応するプロテクター2がバイクライダーの身体における所定の箇所から移動しないように、該プロテクター2の移動を規制しつつ保持している。
プロテクター収容部17においてプロテクター2を出し入れする開口部には、面ファスナー(不図示)等の開閉部が設けられる。
上層21及び下層22は、それぞれ網状をなしており、立体メッシュ布地20の布地の厚さ方向(図4における上下方向)に互いに離間して配置される。
複数の支持糸23は、上層21と下層22を繋ぎつつ、上層21と下層22を厚さ方向に離間させるように支持する。
また、上層21及び下層22のうち、少なくともバイクライダーの身体に接触する層は、撚糸により形成される。本実施形態では、上層21及び下層22の両方が、撚糸によって網状に形成されている。
また、複数の支持糸23同士は、上層21及び下層22に縫い合わされて、互いに接続されている。つまり、布地の厚さ方向に交互に折り返されつつ布地の面方向に延びる支持糸23を介して、上層21と下層22とが、縫い合わされている。具体的に、本実施形態の支持糸23は、上層21及び下層22の網形状(六角形の辺)に沿うように、前記厚さ方向に折り返されつつ縫われて、面方向に延びている。
このように、立体メッシュ布地20は、布地の厚さ方向から外力を受けることにより、その厚さ寸法を縮小させるように弾性変形し、前記外力が減少又は消滅すると、復元変形して元の形状に戻る。
なお、立体メッシュ布地20の厚さ寸法は、弾性変形前の状態において、例えば3〜15mm程度であり、本実施形態では、5〜10mm程度となっている。
プロテクター収容部37は、前述のプロテクター収容部17と同様の構成及び機能を有する。つまり、プロテクター収容部37は、板状のプロテクター2を着脱可能に収容するものであって、立体メッシュ布地20を用いて袋状に形成される。
プロテクター収容部37は、ズボン30の複数個所に設けられる。具体的に、プロテクター収容部37は、腰部(側腰部)、及び膝部(前脛部)に設けられる。
プロテクター2は、ズボン30とバイクライダーの身体(下半身)の間に配置(介装)される。
一方、冬季には、プロテクター2と身体の間にスペースを作る立体メッシュ布地20の内部に空気を保持して、空気断熱による保温効果を得ることができ、暖かく感じられる。
従って、例えばバイクライダーが身体を動かすなどにより立体メッシュ布地20が弾性変形させられた場合に、上層21と下層22とを、前記厚さ方向に垂直な方向への相対位置は変えずに、前記厚さ方向に接近移動させることができる。つまり、上層21と下層22が布地の面方向(布面方向)にずれにくいので、着心地に影響しにくい。またこれにより、繰り返し安定した弾性変形が得られ、衝撃を確実に緩和できる。
すなわち、立体メッシュ布地20が、前記厚さ方向に1N/cm2以上の外力を受けたときに弾性変形し始める強度を有する(つまり軟らか過ぎることがない)ので、プロテクター収容部17、37が、プロテクター2と身体との間で外力により容易につぶれてしまうようなことが防止され、上述した空気の流通性、空気の保持性(断熱効果)、衝撃緩和などの機能を安定して発揮できる。
なお、本実施形態のように、上着10とズボン30の両方にプロテクター2を装着可能に、プロテクター収容部17、37を設けた場合には、バイクライダーの身体(上半身、下半身)の安全性を高めつつ、快適な着心地を実現できる。
また、立体メッシュ布地20における上層21及び下層22のうち、少なくともバイクライダーの身体に接触する層が、撚糸により形成されるので、肌触りがよくなる。
また、複数の支持糸23同士が、上層21及び下層22に縫い合わされて、互いに接続されており、より詳しくは、上層21と下層22とが、布地の厚さ方向に交互に折り返されつつ布地の面方向に延びる支持糸23を介して、縫い合わされているので、立体メッシュ布地20が製造しやすく、かつ、破損しにくくなる。
2 プロテクター
10 上着(バイクライダー用衣服)
17、37 プロテクター収容部(収容部)
20 立体メッシュ布地
21 上層
22 下層
23 支持糸
23c 中央部
30 ズボン(バイクライダー用衣服)
Claims (4)
- 板状のプロテクターを収容する収容部が裏地に設けられたバイクライダー用衣服であって、
前記収容部が立体メッシュ布地で形成されており、
前記立体メッシュ布地は、
布地の厚さ方向に互いに離間して配置され、それぞれ網状をなす上層及び下層と、
前記上層と前記下層を繋ぎつつ、前記厚さ方向に離間させるように支持する複数の支持糸と、を有し、
前記支持糸は、その両端部に対して中央部が、前記厚さ方向に垂直な方向に膨出するように湾曲し形成されていて、弾性変形可能であり、
前記立体メッシュ布地は、前記厚さ方向において、1〜3N/cm 2 の外力を受けたときに弾性変形し始めることを特徴とするバイクライダー用衣服。 - 板状のプロテクターを収容する収容部が裏地に設けられたバイクライダー用衣服であって、
前記収容部が立体メッシュ布地で形成されており、
前記立体メッシュ布地は、
布地の厚さ方向に互いに離間して配置され、それぞれ網状をなす上層及び下層と、
前記上層と前記下層を繋ぎつつ、前記厚さ方向に離間させるように支持する複数の支持糸と、を有し、
前記支持糸は、その両端部に対して中央部が、前記厚さ方向に垂直な方向に膨出するように湾曲し形成されていて、弾性変形可能であり、
前記立体メッシュ布地は、10cm×10cmの単位面積当たりに10〜30kgfの均等荷重を前記厚さ方向に受けたときに、弾性変形し始めることを特徴とするバイクライダー用衣服。 - 請求項1又は2に記載のバイクライダー用衣服であって、
前記上層及び前記下層が、ハニカム構造の網状であることを特徴とするバイクライダー用衣服。 - 請求項3に記載のバイクライダー用衣服であって、
複数の前記支持糸が、前記上層及び前記下層のハニカム構造の六角形の辺に沿うように配列していることを特徴とするバイクライダー用衣服。
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