JP6406020B2 - ステアリングホイールの位置調節装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイールの前後位置を調節する為のステアリングホイールの位置調節装置の改良に関する。
自動車用の操舵装置は、図10に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定しており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持している。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。尚、本明細書及び特許請求の範囲全体で、前後方向、左右方向(幅方向)、及び上下方向は、特に断らない限り、車両の前後方向、左右方向(幅方向)、及び上下方向を言う。
上述の様な操舵装置で、運転者の体格や運転姿勢に応じ、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節する為のチルト機構や、前後位置を調節する為のテレスコピック機構が、従来から広く知られている。このうちのチルト機構を構成する為に、前記ステアリングコラム6の前端部を車体10に対して、左右方向に設置した枢軸11を中心とする揺動変位を可能に支持している。又、前記ステアリングコラム6の後端寄り部分に固定した変位ブラケット12を、前記車体10に支持した支持ブラケット13に対して、上下方向及び前後方向の変位を可能に支持している。このうち、前後方向の変位を可能とするテレスコピック機構を構成する為に、前記ステアリングコラム6を、アウタコラム14とインナコラム15とをテレスコープ状に伸縮自在に組み合わせた構造とし、前記ステアリングシャフト5を、アウタシャフト16とインナシャフト17とを、スプライン係合等により、トルク伝達可能に、且つ、伸縮可能に組み合わせた構造としている。尚、図示の例は、電動モータ18を補助動力源として前記ステアリングホイール1を操作する為に要する力の低減を図る、電動式パワーステアリング装置も組み込んでいる。
チルト機構やテレスコピック機構で、電動式のものを除く手動式の構造の場合には、調節レバーの操作に基づいて、前記ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態としたり、調節後の位置に固定できる様にしている。この様な手動式のチルト機構やテレスコピック機構の構造に就いては、従来から各種構造のものが広く知られており、且つ、実施されている。例えば、図10に示した構造の場合には、前記アウタコラム14に固設した変位ブラケット12に、前後位置調節方向であるこのアウタコラム14の軸方向に伸長する、前後方向長孔19を形成している。又、前記支持ブラケット13は、前記変位ブラケット12を左右両側から挟む、1対の支持板部20を備えており、これら両支持板部20の互いに整合する部分に、それぞれ上下方向に伸長する、上下方向長孔21を形成している。これら両上下方向長孔21は、一般的には、前記枢軸11を中心とする部分円弧状である。そして、これら両上下方向長孔21と前記前後方向長孔19とに、調節ロッド22を挿通している。この調節ロッド22には、前記両支持板部20を左右方向両側から挟む状態で1対の押圧部を設けており、調節レバーの操作に基づいて作動する拡縮装置により、前記両押圧部同士の間隔を拡縮可能としている。
前記ステアリングホイール1の上下位置又は前後位置を調節する際には、前記調節レバーを所定方向(一般的には下方)に揺動させる事により、前記両押圧部同士の間隔を拡げる。これにより、前記両支持板部20の内側面と前記変位ブラケット12の幅方向両外側面との間に作用している摩擦力を小さくする。そして、この状態で、前記調節ロッド22が、前記両上下方向長孔21及び前記前後方向長孔19内で変位できる範囲で、前記ステアリングホイール1の位置を調節する。調節後は、前記調節レバーを前記所定方向とは逆方向(一般的には上方)に揺動させる事により、前記両押圧部同士の間隔を縮める。これにより、前記摩擦力を大きくして、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する。
又、上述したステアリング装置は、衝突事故の際に、運転者の身体が前記ステアリングホイール1にぶつかる、二次衝突が発生した場合に、運転者に加わる衝撃荷重を緩和すべく、このステアリングホイール1が前方に変位する事を許容する機能を備える。この為に、具体的には、前記支持ブラケット13を前記車体10に対し、二次衝突時の衝撃により前方への離脱を可能に支持する構造を採用している。この様な構造を備えたステアリング装置の場合、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力、即ち、前記支持ブラケット13に対する前記アウタコラム14の保持力が弱いと、二次衝突の発生時に、このアウタコラム14が前記支持ブラケット13に対し不用意に移動する可能性がある。そして、移動した場合には、この支持ブラケット13に対する衝撃の加わり方が変化する為、この支持ブラケット13を前記車体10から離脱させる事に基づく衝撃吸収機構の設計が難しくなる可能性がある。
一方、前記調節レバーの操作量や操作力を大きくする事なく、前記支持ブラケット13に対する前記アウタコラム14の保持力を大きくする為には、この保持力を確保する為の摩擦係合部の数を増やす事が好ましい。この様な事情に鑑みて、特許文献1には、ステアリングコラムに支持した摩擦板と、支持ブラケットに支持した摩擦板とを、左右方向に重ね合わせる事により、前記摩擦係合部の数を増やす構造が記載されている。ところが、この特許文献1に記載された構造の場合には、前記各摩擦板を、前記ステアリングコラム又は前記支持ブラケットに対し、左右方向の変位のみを可能に支持する構成を採用している。この為、前記摩擦係合部の数を増やす為に必要となる摩擦板の枚数が多くなる。従って、前記摩擦係合部を増やす事に伴って生じる、左右方向寸法、部品点数及び重量の増大量が、それぞれ大きくなる。
特開平10−35511号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、少ない摩擦板によりステアリングホイールを調節後の位置に保持する力を大きくできて、小型・軽量化及び設計の自由度の向上を図り易いステアリングホイールの位置調節装置の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のステアリングホイールの位置調節装置は、ステアリングコラムと、変位ブラケットと、前後方向長孔と、支持ブラケットと、車体側貫通孔と、調節ロッドと、1対の押圧部と、拡縮装置とを備える。
このうちのステアリングコラムは、後端部にステアリングホイールを支持固定したステアリングシャフトをその内側に回転自在に支持するもので、筒状である。
又、前記変位ブラケットは、前記ステアリングコラムの一部に固設されている(このステアリングコラムと一体に、又は、別体の部材を介して設けられている)。
又、前記前後方向長孔は、前記変位ブラケットに、この変位ブラケットを幅方向に貫通する状態で設けられたもので、前後方向(前記ステアリングコラムの軸方向)に伸長している。
又、前記支持ブラケットは、前記変位ブラケットを幅方向両側から挟持する1対の支持板部を備え、車体に支持される。
又、前記車体側貫通孔は、前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられている。
又、前記調節ロッドは、前記前後方向長孔及び前記車体側貫通孔を幅方向に挿通する状態で設けられている。
又、前記両押圧部は、前記調節ロッドの両端部で、前記両支持板部の外側面から突出した部分に設けられている。
更に、前記拡縮装置は、前記両押圧部同士の間隔を拡縮する為のもので、例えば、調節レバーを、前記調節ロッドの一端部に設け、この調節ロッドを中心として回転する(調節ロッドと共に回転する場合も含む)事により、前記両押圧部同士の間隔を拡縮する。
特に、本発明のステアリングホイールの位置調節装置の場合には、前記両支持板部の内側面と前記変位ブラケットの幅方向両外側面との間部分のうちの少なくとも一方の間部分に、第一(テレスコ用)揺動摩擦板と第二(テレスコ用)揺動摩擦板とが互いに重ね合わされた状態で挟持されている。
このうちの第一揺動摩擦板は、その基端部又は中間部(後述する第一ガイド長孔が形成された先端部を除く、何れかの部分)を、前記変位ブラケット又は前記ステアリングコラムの幅方向外側面に設けられた、前記調節ロッドと平行な第一揺動支持軸に枢支されると共に、その先端部に、前記調節ロッドと前記第一揺動支持軸とを結ぶ直線方向に伸長する状態で形成された第一ガイド長孔に前記調節ロッドを、この第一ガイド長孔に沿った変位のみを可能に係合させた状態で、前記ステアリングホイールの前後位置を調節する際に、前記第一揺動支持軸を中心として揺動する。
又、前記第二揺動摩擦板は、その基端部を、前記第一揺動摩擦板のうち、前記第一揺動支持軸及び前記第一ガイド長孔から外れた部分に設けられた、前記調節ロッドと平行な第二揺動支持軸に枢支されると共に、その先端部に設けられた第二ガイド長孔に前記調節ロッドを、この第二ガイド長孔に沿った変位のみを可能に係合させた状態で、前記ステアリングホイールの前後位置を調節する際に、前記第二揺動支持軸を中心として揺動する。
又、前記第一揺動支持軸は、前記変位ブラケット又は前記ステアリングコラムの幅方向外側面のうち、前記前後方向長孔の長さ方向に関する中央位置を通り、この前後方向長孔の長さ方向に直交する直線上若しくはその近傍に位置する部分に設けられる。即ち、前記ステアリングホイールの前後位置に拘わらず、前記第一ガイド長孔の長さ方向と、前記前後方向長孔の長さ方向との成す角度が60〜90度の範囲に収まる位置に、前記第一揺動支持軸を設ける。
又、前記ステアリングホイールの前後位置に拘わらず、前記調節ロッドの中心軸と、前記第一揺動支持軸の中心軸と、前記第二揺動支持軸の中心軸とを、ほぼ同一直線上に位置させる。
本発明を実施する場合に、具体的には、前記第二揺動支持軸を、前記第一揺動摩擦板のうち、前記調節ロッドの中心軸と、前記第一揺動支持軸の中心軸とを結ぶ直線上若しくはその近傍で、これら調節ロッドと第一揺動支持軸との間に位置する部分に設ける。
或いは、前記第二揺動支持軸を、前記第一揺動摩擦板のうち、前記調節ロッドの中心軸と、前記第一揺動支持軸の中心軸とを結ぶ直線上若しくはその近傍で、この第一揺動支持軸を挟んで前記調節ロッドと反対側に位置する部分に設ける。
即ち、前記ステアリングホイールの前後位置に拘わらず、前記第二揺動摩擦板の一部が、前記支持板部の前後方向端縁から前後方向に大きく突出しない(最も突出した状態でも突出量が20mm以下、好ましくは10mm以下となる)様に、前記第二揺動支持軸の位置を、前記第二揺動摩擦板の形状や前記第一揺動摩擦板の揺動範囲等に応じて設計的に定める。
本発明を実施する場合に、好ましくは、前記ステアリングホイールの前後位置の調節方向が同じ場合に於ける、この前後位置の調節可能範囲のうちの一部の範囲(例えば、この調節可能範囲の片半部)での前記第二揺動摩擦板の揺動方向と、それ以外の範囲(例えば、この調節可能範囲の他半部)での前記第二揺動摩擦板の揺動方向とを、互いに反対方向とする。
本発明を実施する場合に、好ましくは、前記第二揺動支持軸を、前記第一揺動摩擦板の中間部のうち、前記第一ガイド長孔の中心線の延長線上に位置する部分に設ける。又、前記第二ガイド長孔を、前記第二揺動摩擦板の先端部に、前記第二揺動支持軸を中心とする揺動方向片端部から他端部に向かうに従って、この第二揺動支持軸との間の距離が長くなる方向に形成する。
又、本発明を実施する場合には、前記第一、第二両揺動摩擦板同士を、前記調節ロッドに外嵌支持されたワッシャを介して互いに重ね合わせる事もできる。
又、本発明を実施する場合に、好ましくは、前記第一、第二両揺動摩擦板を、鋼板若しくはステンレス鋼板、又は、アルミニウム系合金板製とする。
又、好ましくは、前記第一、第二両揺動摩擦板の側面に、対向する面との間の摩擦係数を大きくする為の表面処理を施す。
上述の様に構成する本発明のステアリングホイールの位置調節装置によれば、少数の摩擦板によっても、ステアリングホイールを調節後の位置(前後方向位置)に保持する力を大きくできて、小型・軽量化及び設計の自由度の向上を図り易くできる。
即ち、本発明の場合、ステアリングホイールを調節後の位置に保持すべく、1対の押圧部同士の間隔を縮めた状態では、互いに重ね合せた第一、第二両揺動摩擦板が、支持板部の内側面と変位ブラケットの幅方向外側面との間で強く挟持された状態となる。この状態から前記ステアリングホイールの前後位置を動かそうとすると、前記第一、第二両揺動摩擦板の両側面と相手面とが強く擦れ合う事となる。要するに、前記ステアリングホイールを所望の位置に保持した状態から、このステアリングホイールの前後位置を動かそうとした場合、前記第一、第二両揺動摩擦板の両側面(これら第一、第二両揺動摩擦板同士をワッシャを介して互いに重ね合わせる場合には、これら第一、第二両揺動摩擦板の両側面のうち、互いに反対側の側面、及び、互いに対向する側面のうちの少なくとも一方の側面)である摩擦面を、相手面に対して滑らせつつ、これら第一、第二両揺動摩擦板を揺動させる必要がある。この為、前記ステアリングホイールを調節後の位置に保持する力を強くできる。
又、本発明の場合、この様なステアリングホイールを調節後の位置に保持する力を強くできる構造を、前述した特許文献1に記載された構造に比べて、少ない摩擦板(揺動摩擦板)で実現できる。従って、前記ステアリングホイールの位置調節装置の左右方向寸法、部品点数及び重量が増大するのを抑えて、このステアリングホイールの位置調節装置の小型・軽量化を図れる。
更に、本発明の場合には、前記第二揺動摩擦板の揺動中心である第二揺動支持軸を、前記第一揺動摩擦板のうち、前記第一揺動支持軸及び前記第一ガイド長孔から外れた部分に設ける事により、この第一揺動摩擦板の揺動に伴って前記第二揺動支持軸が変位ブラケットに対して変位する様にしている。この為、この第二揺動支持軸をこの変位ブラケットに対して変位しない部分に設ける場合に比べて、前記第二揺動摩擦板の揺動に伴う移動範囲を、狭い範囲に収める事が可能となる。従って、その分、設計の自由度の向上を図り易くできる。
、ステアリングホイールの前後位置の調節可能範囲のうちの一部の範囲での第二揺動摩擦板の揺動方向と、それ以外の範囲での第二揺動摩擦板の揺動方向とを、互いに反対方向にすれば、この第二揺動摩擦板の揺動方向を前記調節可能範囲の全体で同じとする場合に比べて、この第二揺動摩擦板の揺動に伴う移動範囲を、より狭い範囲に収める事が可能となる。従って、その分、設計の自由度の向上を更に図り易くできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す側面図。 図1の拡大a−a断面図。 ステアリングホイールを調節可能範囲の前端位置に移動させた状態(A)と、中間位置に移動させた状態(B)と、後端位置に移動させた状態(C)とで、それぞれ支持ブラケット及び調節レバーを省略して示す、図1の中央部に相当する側面図。 第一、第二両揺動摩擦板の分解斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同第3例を示す、第一、第二両揺動摩擦板及びワッシャの分解斜視図。 同第4例を示す、図3と同様の図。 同じく図4と同様の図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図6と同様の図。 従来から知られているステアリングホイールの位置調節装置の1例を示す、部分切断略側面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のステアリングホイールの位置調節装置は、ステアリングコラム6aと、変位ブラケット12aと、前後方向長孔19aと、ステアリングシャフト5aと、支持ブラケット13aと、それぞれが特許請求の範囲に記載した車体側貫通孔である、左右1対の上下方向長孔21a、21aと、調節ロッド22aと、1対の押圧部23a、23bと、調節レバー24と、第一揺動支持軸25と、第一揺動摩擦板26と、第二揺動支持軸27と、第二揺動摩擦板28とを備える。
このうちのステアリングコラム6aは、前側に配置されたインナコラム15aの後端部と、後側に配置されたアウタコラム14aの前端部とを、軸方向の変位を可能に嵌合して成るテレスコピックステアリングコラムであり、全体を円筒状としている。
又、前記変位ブラケット12aは、アルミニウム系合金等の軽合金をダイキャスト成形する事により、前記アウタコラム14aの前端部上側に、このアウタコラム14aと一体に設けられている。本例の場合、前記変位ブラケット12aは、図2に示す様に、軸方向から見た形状が、略矩形となる様に、前記アウタコラム14aの外周面から突出(膨出)した状態で設けられている。この変位ブラケット12aは、上端部の幅方向中央部に形成したスリット29により、全幅を弾性的に拡縮可能としている。又、前記前後方向長孔19aは、前記変位ブラケット12aの一部で、前記スリット29を挟んで互いに整合する位置に、この変位ブラケット12aを幅方向に貫通する状態で設けられている。
又、前記ステアリングシャフト5aは、後側に配置したアウタシャフト16aの前端部と前側に配置したインナシャフト17aの後端部とを、スプライン係合等により、トルクの伝達を可能に、且つ、伸縮可能に組み合わせて成る。この様なステアリングシャフト5aは、前記アウタシャフト16aの中間部後端寄り部分を前記アウタコラム14aの後端部に、前記インナシャフト17aの中間部前端寄り部分を前記インナコラム15aの前端部に、それぞれ単列深溝型の玉軸受の如く、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承可能な転がり軸受により、回転自在に支持している。従って、前記ステアリングシャフト5aは、前記ステアリングコラム6aの伸縮と共に伸縮する。尚、前記アウタシャフト16aの後端部で前記アウタコラム14aの後端開口よりも後方に突出した部分には、ステアリングホイール1(図10参照)を支持固定する。
又、前記支持ブラケット13aは、鋼板等、必要とする強度及び剛性を確保できる金属板を曲げ形成して成るもので、車体に支持する為の取付板部30と、この取付板部30の下面から垂下された、互いに平行な1対の支持板部20a、20bとを備える。これら両支持板部20a、20bの内側面同士の間隔は、前記変位ブラケット12aの幅寸法と、前記第一、第二両揺動摩擦板26、28の板厚との和に、ほぼ一致する。又、前記両上下方向長孔21a、21aは、前記両支持板部20a、20bの互いに整合する部分に形成されており、前記ステアリングコラム6aの前端部を車体に対して揺動変位可能に支持する為の枢軸11aを中心とする部分円弧状である。但し、前記両上下方向長孔21a、21aは、後方に向かう程上方に向かう方向に傾斜する直線状とする事もできる。何れにしても、この様な構成を有する支持ブラケット13aは、車体に対して、二次衝突時に加わる衝撃荷重により前方への脱落を可能に、但し、通常時には前記ステアリングコラム6aを十分な剛性を確保できる状態で支持する。
又、前記調節ロッド22aは、前記前後方向長孔19a及び前記両上下方向長孔21a、21aを幅方向に挿通する状態で設けられている。そして、この様な調節ロッド22aの両端部で、前記両支持板部20a、20bの外側面から突出した部分に、前記両押圧部23a、23bを設け、前記調節レバー24により、これら両押圧部23a、23b同士の間隔を拡縮可能としている。この調節レバー24によりこれら両押圧部23a、23b同士の間隔を拡縮する為の構造は特に問わない。例えば1対のカム部材のカム面同士の係合により軸方向寸法を拡縮可能としたカム装置や、調節ロッド22aの先端部に設けた雄ねじ部にナットを螺合する構造を採用する事ができる。何れの構造を採用した場合でも、前記調節レバー24は前記調節ロッド22aの一端部に設け、この調節ロッド22aを中心として回転する事により、前記両押圧部23a、23b同士の間隔を拡縮する。
又、前記第一揺動支持軸25は、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節する際に、前記調節ロッド22aに対し相対変位する部分である、前記変位ブラケット12aの幅方向に関する一方の外側面である片側面(図2の左側面)に、前記調節ロッド22aと平行に設けられている。前記第一揺動支持軸25の設置位置は、前記変位ブラケット12aの片側面のうち、前記前後方向長孔19aの長さ方向に関する中央位置を通り、この前後方向長孔19aの長さ方向に直交する直線α{図1、図3の(A)参照}上で、この前後方向長孔19aよりも下方としている。尚、本例の構造に関して、例えば、この前後方向長孔19a及び前記スリット29の形成位置を、前記変位ブラケット12a(前記アウタコラム14a)の上端部から下端部に変更する場合には、前記第一揺動支持軸25の設置位置は、前記仮想直線α上で、前記前後方向長孔19aよりも上方とする事ができる。又、前記第一揺動支持軸25を設ける位置に変位ブラケットが存在しない場合には、この第一揺動支持軸25は、アウタコラム14aの幅方向外側面から突出する状態で設ける事もできる。
何れにしても、この様な構造により、前記調節ロッド22a及び前記第一揺動支持軸25の中心軸同士の間の距離L(図1参照)を、この調節ロッド22aが前記前後方向長孔19a内で移動可能な範囲のうちの中央部に位置する場合{図3の(B)に示す状態の場合}に、最小値LMINとなる様にしている。これと共に、同じく後端部に位置する場合{図3の(A)に示す状態の場合}の距離L(=L)と、同じく前端部に位置する場合{図3の(C)に示す状態の場合}の距離L(=L)とを、互いに等しく(L=L>LMINと)している。即ち、本例の場合、前記ステアリングホイール1の前後位置の調節に伴い、前記調節ロッド22aが前記前後方向長孔19aに沿って移動する過程で、前記調節ロッド22aと前記第一揺動支持軸25との間の距離Lが変化する方向(伸長する方向か短縮する方向か)が、前記調節ロッド22aが前記前後方向長孔19a内で移動可能な範囲のうちの中央部を境に互いに反対方向となる。
又、本例の場合には、前記変位ブラケット12aの片側面と、前記両支持板部20a、20bのうちの一方(図2の左方)の支持板部20aの内側面との間部分に、前記変位ブラケット12aの側から順番に、前記第一揺動摩擦板26と、前記第二揺動摩擦板28とを、互いに重ね合せた状態で挟持している。
このうちの第一揺動摩擦板26は、鋼板、ステンレス鋼板或いはアルミニウム系合金板等の、必要とする強度及び剛性を確保でき、且つ、相手面である、前記変位ブラケット12aの片側面、及び、前記第二揺動摩擦板28の内側面との当接部の摩擦係数を大きくできる金属板により形成された、長円形の平板部材である。この様な第一揺動摩擦板26は、その基端部(図1、3の下端部)に設けられた第一円孔34を前記第一揺動支持軸25に、がたつきなく、且つ、揺動変位可能に外嵌している(前記第一揺動摩擦板26の基端部を、前記第一揺動支持軸25に枢支している)。これと共に、この第一揺動摩擦板26の先端部(図1、3の上端部)に設けられた第一ガイド長孔31に前記調節ロッド22aを、この第一ガイド長孔31に沿った変位のみを可能に係合させている。この第一ガイド長孔31は、前記調節ロッド22aと前記第一揺動支持軸25とを結ぶ直線方向に伸長する状態で形成されている。更に、前記調節ロッド22aが、前記前後方向長孔19a内で移動可能な範囲のうちの中央部に位置する場合に、この調節ロッド22aと前記第一ガイド長孔31の基端部(図1、3の下端部)とが、同じく前記前後方向長孔19a内の端部(前端部及び後端部)に位置する場合に、前記調節ロッド22aと前記第一ガイド長孔31の先端部(図1、3の上端部)とが、それぞれ係合する様に、各部の寸法が規制されている。又、前記第一揺動摩擦板26の外側面の長さ方向中間部{前記第一円孔34(第一揺動支持軸25)と前記第一ガイド長孔31との間に位置する部分}のうち、前記第一ガイド長孔31の中心線の延長線であるβ{図3の(A)参照}上に位置する部分(前記調節ロッド22aと前記第一揺動支持軸25とを結ぶ直線上に位置する部分)に、前記第二揺動支持軸27が、前記調節ロッド22aと平行に設けられている。
又、前記第二揺動摩擦板28は、前記第一揺動摩擦板26と同様の金属板により形成された、略扇形の平板部材である。この様な第二揺動摩擦板28は、その基端部(扇の要に相当する部分)に設けられた第二円孔35を前記第二揺動支持軸27に、がたつきなく、且つ、揺動変位可能に外嵌している(前記第二揺動摩擦板28の基端部を、前記第二揺動支持軸27に枢支している)。これと共に、この第二揺動摩擦板28の先端部(扇面に相当する部分)に設けられた第二ガイド長孔32に前記調節ロッド22aを、この第二ガイド長孔32に沿った変位のみを可能に係合させている。この第二ガイド長孔32は、前記第二揺動支持軸27を中心とする揺動方向の片端部(図3の時計方向後側の端部、前後方向の前端部)から他端部(同図の時計方向前側の端部、前後方向の後端部)に向かうに従って、この第二揺動支持軸27との間の距離が長くなる方向に(更には、この第二揺動支持軸27側が凹となる円弧状に)形成されている。更に、前記調節ロッド22aが、前記前後方向長孔19a内で移動可能な範囲のうちの中央部に位置する場合に、この調節ロッド22aと前記第二ガイド長孔32の揺動方向片端部(前端部)とが、同じく前記前後方向長孔19a内の端部(前端部及び後端部)に位置する場合に、前記調節ロッド22aと前記第二ガイド長孔32の揺動方向他端部(後端部)とが、それぞれ係合する様に、各部の寸法が規制されている。尚、前記第二揺動支持軸27は、先端部(図2の左端部)が、前記第二揺動摩擦板28の外側面(図2の左側面)から突出しない様に、その長さが規制されている。
又、前記第一、第二両揺動摩擦板26、28の両側面には、対向する相手面との間の摩擦係数を大きくする為の表面処理を施している。この様な表面処理として、例えば粗面加工(ショットブラスト、ローレット加工等)を施して前記両側面の表面粗さを大きくしたり、或いは、これら両側面に摩擦剤を被覆したりする事ができる。この摩擦剤は、これら両側面の摩擦係数を大きくするものであれば、特に限定されない。この様な摩擦剤としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム等の高分子材料や、粘着性接着剤、セラミックコーティング等が望ましい。
本例の場合、前記ステアリングホイール1の前後位置又は上下位置を調節する際には、前記調節レバー24を所定方向に揺動させる事により、前記両押圧部23a、23b同士の間隔を拡げる。この結果、前記変位ブラケット12aのスリット29の存在に基づき、前記アウタコラム14aの前端部の内径が弾性的に拡がって、このアウタコラム14aの前端部内周面と前記インナコラム15aの後端部外周面との嵌合部の面圧が、低下乃至は喪失する。同時に、前記第一、第二両揺動摩擦板26、28の両側面と、前記一方の支持板部20aの内側面及び前記変位ブラケット12aの片側面とのうちの、互いに対向する各側面同士の当接部の面圧、並びに、前記両支持板部20a、20bのうちの他方の支持板部20bの内側面と、前記変位ブラケット12aの幅方向に関する他方の側面である他側面(図2の右側面)との当接部の面圧、及び、前記両支持板部20a、20bの外側面と、前記両押圧部23a、23bの内側面との当接部の面圧が、それぞれ低下乃至は喪失する。この状態で、前記調節ロッド22aが、前記前後方向長孔19a及び前記両上下方向長孔21a、21a内で変位できる範囲で、前記ステアリングホイール1の位置を調節する。
上述の様な本例の構造に於いて、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節する場合の、前記第一、第二両揺動摩擦板26、28の動きに就いて、次に説明する。
図3の(A)は、前記ステアリングホイール1(アウタコラム14a)を調節可能な前端位置まで移動させた状態を示している。この状態では、前記調節ロッド22aが、前記前後方向長孔19aの後端部と、前記第一ガイド長孔31の先端部と、前記第二ガイド長孔32の揺動方向他端部(後端部)とに係合する。この状態から、図3の(A)→(B)に示す様に、前記ステアリングホイール1(アウタコラム14a)を調節可能な中央位置まで後方に移動させると、これに伴って、前記調節ロッド22aと前記第一揺動支持軸25との中心軸同士の間の距離、及び、この調節ロッド22aと前記第二揺動支持軸27との中心軸同士の間の距離Lが、それぞれ短くなる。この為、この際には、図3の(A)→(B)に示す様に、前記第一揺動摩擦板26が前記第一揺動支持軸25を中心として、図3の反時計方向に揺動すると共に、前記第二揺動摩擦板28が前記第二揺動支持軸27を中心として、図3の時計方向に揺動する。そして、前記調節ロッド22aが、前記前後方向長孔19aの中央部と、前記第一ガイド長孔31の基端部と、前記第二ガイド長孔32の揺動方向片端部(前端部)とに係合した状態となる。この状態から、図3の(B)→(C)に示す様に、前記ステアリングホイール1(アウタコラム14a)を調節可能な後端位置まで更に後方に移動させると、これに伴って、前記調節ロッド22aと前記第一揺動支持軸25との中心軸同士の間の距離、及び、この調節ロッド22aと前記第二揺動支持軸27との中心軸同士の間の距離Lが、それぞれ長くなる。この為、この際には、図3の(B)→(C)に示す様に、前記第一揺動摩擦板26が前記第一揺動支持軸25を中心として、図3の反時計方向に揺動すると共に、前記第二揺動摩擦板28が前記第二揺動支持軸27を中心として、図3の反時計方向に揺動する。そして、前記調節ロッド22aが、前記前後方向長孔19aの前端部と、前記第一ガイド長孔31の先端部と、前記第二ガイド長孔32の揺動方向他端部(後端部)とに係合した状態となる。
これに対し、前記ステアリングホイール1(アウタコラム14a)を、後端位置から前端位置まで前方に移動させる場合には、上述した後方に移動させる場合とは逆に、図3の(C)→(B)→(A)の順に、前記第一、第二両揺動摩擦板26、28が揺動する。
上述の様に構成する本例のステアリングホイールの位置調節装置によれば、少数の摩擦板によっても、前記ステアリングホイール1を調節後の位置(前後方向位置)に保持する力を大きくできて、小型・軽量化及び設計の自由度の向上を図り易い。即ち、本例の場合、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持すべく、1対の押圧部23a、23b同士の間隔を縮めた状態では、前記第一、第二両揺動摩擦板26、28が、前記一方の支持板部20aの内側面と、前記変位ブラケット12aの片側面との間で強く挟持された状態となる。この状態から前記ステアリングホイール1の前後位置を動かそうとすると、前記第一、第二両揺動摩擦板26、28の両側面と、対向する相手面とが強く擦れ合う事となる。要するに、前記ステアリングホイール1を所望の位置に保持した状態から、このステアリングホイール1を前後方向に動かそうとした場合、前記第一、第二両揺動摩擦板26、28の両側面である摩擦面を滑らせつつ、これら第一、第二両揺動摩擦板26、28を揺動させる必要がある。この為、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力(前記支持ブラケット13aに対する前記アウタコラム14aの保持力)を強くできる。この結果、二次衝突時に、前記ステアリングホイール1に加わる前方に向いた衝撃荷重に基づき、このステアリングホイール1が調節可能範囲の前端位置まで、勢い良く移動するのを防止でき、支持ブラケット13aを車体から離脱させる為に要する離脱荷重の調節を容易化できて、運転者の身体の保護充実を図れる。
又、本例の場合、前記第二ガイド長孔32を、前記第二揺動摩擦板28の揺動方向片端部(前端部)から他端部(後端部)に向かうに従って、前記第二揺動支持軸27との間の距離Lが長くなる方向に形成している。この為、前記ステアリングホイール1の前後位置の調節に伴い、前記調節ロッド22aを前記第二ガイド長孔32に沿って変位させ、この調節ロッド22aと前記第二揺動支持軸27との間の距離Lを変化させる事で、前記第二揺動摩擦板28を揺動変位させるのに要する力を、前記第二ガイド長孔32を、前記調節ロッド22aと前記第二揺動支持軸27とを結ぶ直線方向に形成した場合と比較して、大きくできる。この面からも、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力を強くする事ができる。
又、本例の場合には、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力を強くできる構造を、前述した特許文献1に記載された構造に比べて、少ない摩擦板(第一、第二両揺動摩擦板26、28)で実現できる。即ち、本例の場合には、これら2枚の摩擦板(第一、第二両揺動摩擦板26、28)を設ける事によって、前記ステアリングホイール1を調節後の位置(前後方向位置)に保持する力を発揮する摩擦係合部の数を、2つ増やす事ができる。これに対して、前述した特許文献1に記載された構造の場合、ステアリングホイールを調節後の前後方向位置に保持する力を発揮する為の摩擦係合部の数を2つ増やす為には、より多くの枚数の摩擦板を設ける必要がある。従って、本例の場合には、前記ステアリングホイール1の位置調節装置の左右方向寸法、部品点数及び重量を、前記特許文献1に記載された構造よりも小さく抑えられ、ステアリングホイールの位置調節装置の小型・軽量化を図れる。
更に、本例の場合には、前記第二揺動摩擦板28の揺動中心である第二揺動支持軸27を、前記第一揺動摩擦板26の外側面の中間部に設ける事により、この第一揺動摩擦板26の揺動に伴って前記第二揺動支持軸27が前記変位ブラケット12aに対して変位する様にしている。この為、この第二揺動支持軸27をこの変位ブラケット12aに対して変位しない部分に設ける場合に比べて、前記第二揺動摩擦板28の揺動に伴う移動範囲を、狭い範囲に収める事ができる。従って、その分、部品のレイアウト性に関して、設計の自由度の向上を図り易くできる。更に、本例の場合には、前記ステアリングホイール1を前端位置から中央位置まで移動させる場合の前記第二揺動摩擦板28の揺動方向(図3の時計方向)と、同じく中央位置から後端位置まで移動させる場合のこの第二揺動摩擦板28の揺動方向(図3の反時計方向)とを、互いに反対方向としている。この為、この第二揺動摩擦板28の揺動方向を前後方向の調節可能範囲の全体で同じとする場合に比べて、この第二揺動摩擦板28の揺動に伴う移動範囲を、より狭い範囲に収める事が可能となる。従って、その分、部品のレイアウト性に関して、設計の自由度の向上を更に図り易くできる。
又、本例の場合、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節する際には、前記調節ロッド22aが前記第一ガイド長孔31の内側縁を大きな交差角度{特に、図3の(B)に示した状態では90度の交差角度}で押圧する。この為、前記第一揺動摩擦板26を円滑に揺動させる事ができる。
又、本例の場合には、前記第二揺動摩擦板28の揺動中心である、前記第二揺動支持軸27が、前記第一揺動摩擦板26の外側面のうち、前記第一ガイド長孔31の延長線上に存在する。この為、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節する際に、前記第二揺動摩擦板28を円滑に揺動させる事ができる。
即ち、本例と異なり、前記第二揺動支持軸27が、前記第一揺動摩擦板26の外側面のうち、前記第一ガイド長孔31の延長線上に存在せず、この延長線よりも前方又は後方に存在する構造(比較例の構造)の場合には、前記調節ロッド22aとの係合部に於ける第一ガイド長孔31の長さ方向(この第一ガイド長孔31の接線方向)と、同じく前記第二ガイド長孔32の長さ方向(この第二ガイド長孔32の接線方向)との成す角度は、前記ステアリングホイール1の前後位置に拘わらず、(本例の構造に比べて)小さくなる。この為、このステアリングホイール1の前後位置の調節時に、前記調節ロッド22aの外周面と、前記第一ガイド長孔31の内周縁及び前記第二ガイド長孔32の内周縁との係合部(摺接部)にくさび効果が発生し、これら各係合部に作用する摩擦力が大きくなる。
これに対し、本例の様に、前記第二揺動支持軸27が、前記第一揺動摩擦板26の外側面のうち、前記第一ガイド長孔31の延長線上に存在する構造の場合には、前記調節ロッド22aとの係合部に於ける前記第一ガイド長孔31の長さ方向と、同じく前記第二ガイド長孔32の長さ方向(この第二ガイド長孔32の接線方向)との成す角度を、(上述した比較例の構造に比べて)大きくできる。この為、前記ステアリングホイール1の前後位置の調節時に、前記調節ロッド22aの外周面と、前記第一ガイド長孔31の内周縁及び前記第二ガイド長孔32の内周縁との係合部にくさび効果が発生するのを抑えられ、これら各係合部に作用する摩擦力を小さくできる。従って、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節する際に、前記第二揺動摩擦板28を円滑に揺動させる事ができる。
この結果、本例の場合には、前記ステアリングホイール1の前後位置の調節作業を軽い力で円滑に行える。
又、本例の場合には、前記第一揺動摩擦板26の揺動中心である、前記第一揺動支持軸25が、前記変位ブラケット12aの片側面のうち、前記前後方向長孔19aの長さ方向に関する中央位置を通り、この前後方向長孔19aの長さ方向に直交する直線α上に存在する。この為、前記第一揺動摩擦板26に設ける第一ガイド長孔31の長さを短くでき、延いては、この第一揺動摩擦板26の全体の長さを短くできる。従って、この点からも、ステアリングホイールの位置調節装置の小型・軽量化を図れる。
但し、本発明を実施する場合に、第一揺動摩擦板の揺動中心である第一揺動支持軸を、前後方向長孔の長さ方向に関する中央位置を通り、この前後方向長孔の長さ方向に直交する直線上から、前後方向に僅かにずれた位置に設ける事もできる。この場合、ステアリングホイールの前後位置に拘わらず、前記第一揺動支持軸と調節ロッドとを結ぶ直線方向に伸長する状態で形成された第一ガイド長孔の長さ方向と、前記前後方向長孔の長さ方向との成す角度が60〜90度の範囲に収まる様に、各部の寸法を規制する。
尚、本例のステアリングホイールの位置調節装置は、チルト機構を省略した、単なるテレスコピック装置で実施する事もできる。この場合には、車体側貫通孔を(上下方向長孔21a、21aに代え、)単なる円孔とする。
[実施の形態の第2例]
図5は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、第一、第二両揺動摩擦板26、28を、左右1対の支持板部20a、20bの内側面と、変位ブラケット12aの両側面との間に、それぞれ挟持している。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図6は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、第一、第二両揺動摩擦板26、28同士の間に、調節ロッド22a(図1〜3参照)に外嵌支持された円輪状のワッシャ33を挟持している。即ち、本例の場合には、前記第一、第二両揺動摩擦板26、28同士を、このワッシャ33を介して互いに重ね合わせている。又、これに伴い、本例の場合には、第二揺動支持軸27aの長さを、前記ワッシャ33の厚さ分だけ長くしている。尚、このワッシャ33は、例えば前記第一、第二両揺動摩擦板26、28と同様の金属板により造られている。
この様な構成を有する本例のステアリングホイールの位置調節装置の場合には、このワッシャ33の両側面のうちの少なくとも一方の側面が、ステアリングホイールの前後位置を調節する際に、対向する相手面(前記第一揺動摩擦板26の外側面、又は、前記第二揺動摩擦板28の内側面)に対して摺動する摩擦面となる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1〜2例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図7〜8は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例のステアリングホイールの位置調節装置の場合も、前述した実施の形態の第1例と同様に、変位ブラケット12aの片側面と、支持ブラケット13aを構成する1対の支持板部20a、20bのうちの一方の支持板部20a(図2参照)の内側面との間に、前記変位ブラケット12aの側から順番に、第一揺動摩擦板26aと、第二揺動摩擦板28aとを、互いに重ね合わせた状態で挟持している。このうちの第一揺動摩擦板26aは、長円形の平板状で、その中間部に設けられた第一円孔34aを、前記変位ブラケット12aの片側面に設けられた第一揺動支持軸25に、がたつきなく、且つ、揺動変位可能に外嵌している(前記第一揺動摩擦板26aの中間部を、前記第一揺動支持軸25に枢支している)。これと共に、この第一揺動摩擦板26aの先端部(図7の上端部)に、調節ロッド22aと前記第一揺動支持軸25とを結ぶ直線方向に伸長する状態で形成された第一ガイド長孔31aに、前記調節ロッド22aを、この第一ガイド長孔31aに沿った変位のみを可能に係合させている。又、前記第一揺動摩擦板26aのうち、前記調節ロッド22aと前記第一揺動支持軸25とを結ぶ直線γ{図7の(A)参照}で、この第一揺動支持軸25を挟んで前記調節ロッド22aと反対側に位置する部分である、基端部(図7の下端部)に、第二揺動支持軸27aが、この調節ロッド22aと平行に設けられている。
又、前記第二揺動摩擦板28aは、略扇形の平板状で、その基端部(扇の要に相当する部分)に設けられた第二円孔35aを前記第二揺動支持軸27aに、がたつきなく、且つ、揺動変位可能に外嵌している(前記第二揺動摩擦板28aの基端部を、前記第二揺動支持軸27aに枢支している)。これと共に、この第二揺動摩擦板28aの先端部(扇面に相当する部分)に設けられた第二ガイド長孔32aに前記調節ロッド22aを、この第二ガイド長孔32aに沿った変位のみを可能に係合させている。更に、前記第二揺動摩擦板28aの中間部(前記第二円孔35aと前記第二ガイド長孔32aとの間部分)に、前記第二揺動支持軸27aを中心とする部分円弧状で、幅寸法が前記第一揺動支持軸25の外径よりも大きな透孔36を形成し、この透孔36にこの第一揺動支持軸25の先端部(幅方向外端部)を挿通している。
この様な本例の場合も、前述した実施の形態の第1例と同様に、ステアリングホイール1(図10参照)の前後位置調節に伴い、前記第一、第二両揺動摩擦板26a、28aが揺動する。即ち、前記ステアリングホイール1を調節可能な前端位置まで移動させた状態では、図7の(A)に示す様に、前記調節ロッド22aが、前後方向長孔19aの後端部と、前記第一ガイド長孔31aの先端部(上端部)と、前記第二ガイド長孔32aの揺動方向他端部(後端部)とに係合する。この状態から、前記ステアリングホイール1を調節可能な中央位置まで後方に移動させると、図7の(A)→(B)に示す様に、前記第一揺動摩擦板26aが前記第一揺動支持軸25を中心として、図7の反時計方向に揺動すると共に、前記第二揺動摩擦板28aが前記第二揺動支持軸27aを中心として、図7の時計方向に揺動する。そして、前記ステアリングホイール1を調節可能な中央位置まで移動させた状態では、図7の(B)に示す様に、前記調節ロッド22aが、前記前後方向長孔19aの中央部と、前記第一ガイド長孔31aの基端部(下端部)と、前記第二ガイド長孔32aの揺動方向片端部(前端部)とに係合した状態となる。この状態から、前記ステアリングホイール1を調節可能な後端位置まで後方に移動させると、図7の(B)→(C)に示す様に、前記第一揺動摩擦板26aが前記第一揺動支持軸25を中心として、図7の反時計方向に揺動すると共に、前記第二揺動摩擦板28aが前記第二揺動支持軸27aを中心として、図7の反時計方向に揺動する。そして、前記ステアリングホイール1を調節可能な後端位置まで移動させた状態では、図7の(C)に示す様に、前記調節ロッド22aが、前記前後方向長孔19aの前端部と、前記第一ガイド長孔31aの先端部と、前記第二ガイド長孔32aの揺動方向他端部とに係合した状態となる。
これに対し、前記ステアリングホイール1を、調節可能な後端位置から前端位置まで前方に移動させる場合には、上述した後方に移動させる場合とは逆に、図7の(C)→(B)→(A)の順に、前記第一、第二両揺動摩擦板26a、28aが揺動する。
尚、本例の場合、前記第一揺動支持軸25の先端部を、前記第二揺動摩擦板28aの中間部に形成した前記透孔36に挿通する事により、前記ステアリングホイール1の前後位置(前記第一揺動摩擦板26aと前記第二揺動摩擦板28aとの相対位置)に拘わらず、前記第一揺動支持軸25の先端部と、この第二揺動摩擦板28aとが干渉するのを防止している。但し、前記透孔36の形状は、これら第一揺動支持軸25の先端部と第二揺動摩擦板28aとが干渉する事を防止できれば、部分円弧状に限らず、矩形状や楕円形等の、各種形状を採用する事ができる。又、前記第一揺動支持軸25の先端部の前記第一揺動摩擦板26aの外側面からの突出量が少ない(前記第二揺動摩擦板28aの板厚よりも小さい)場合には、厚さ方向に貫通する状態で形成された前記透孔36に代えて、前記第二揺動摩擦板28aの内側面に、幅方向外方に凹んだ逃げ凹部を形成しても良い。更には、前記第一揺動支持軸25の先端部が前記第一揺動摩擦板26aの外側面から突出していない場合には、前記透孔36を省略する事もできる。
上述の様な本例のステアリングホイールの位置調節装置の場合、前述した実施の形態の第1例と同様に、前記第二揺動摩擦板28aの揺動に伴う移動範囲を狭い範囲に抑える事ができて、部品のレイアウト性に関する設計の自由度の向上を図り易くできる。更に本例の場合には、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力をより強くする事ができる。即ち、本例の場合には、前記第二揺動摩擦板28aの基端部を枢支する前記第二揺動支持軸27aを、前記第一揺動摩擦板26aの基端部に設けて、この第二揺動支持軸27aと前記調節ロッド22aとの距離を大きくしている。この為、前記第二揺動摩擦板28aの両側面のうち、前記第一揺動摩擦板26aの外側面と、前記一方の支持板部20aの内側面との間で挟持される部分の面積(摩擦面積)を広くする事ができる。従って、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持した状態で、前記第二揺動摩擦板28aを、前記第一揺動摩擦板26a及び前記一方の支持板部20aの内側面に対して揺動させる事に対する摩擦力を大きくする事ができる。この結果、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力を、前述した実施の形態の第1例の場合(第二揺動支持軸27を第一揺動摩擦板26の長さ方向中間部に設けた場合)と比較して大きくする事ができる。
又、前記第二揺動支持軸27aを前記第一揺動摩擦板26aの基端部に設けている。この為、この第二揺動支持軸27aと前記調節ロッド22aとを結ぶ直線(前記第一揺動支持軸25とこの調節ロッド22aとを結ぶ直線γ)に直交し、この調節ロッド22aの中心を通る直線(前記第二揺動摩擦板28aの揺動方向)と、この調節ロッド22aとの係合部に於ける前記第二ガイド長孔32aの長さ方向(この第二ガイド長孔32aの接線方向)との成す角度θを、前述した実施の形態の第1例の場合と比較して小さくする事ができる。具体的には、前記角度θを、前記前後方向長孔19a内での前記調節ロッド22aの前後位置に拘わらず、20〜40度の範囲に規制する事ができる。従って、この調節ロッド22aが前記前後方向長孔19a内を前後方向に移動する際に、この調節ロッド22aから前記第二ガイド長孔32aの内側縁に加わる、前記第二揺動摩擦板28aを揺動させようとする力(この第二揺動摩擦板28aの揺動方向の分力)を小さくできる。この面からも、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力の向上を図る事ができる。
尚、前記第一ガイド長孔31aの長さ方向と、前記前後方向長孔19aの長さ方向との成す角度φは、前記前後方向長孔19a内での前記調節ロッド22aの前後位置に拘わらず、70〜90度と大きい。この為、この調節ロッド22aが前記前後方向長孔19a内を前後方向に移動する際に、この調節ロッド22aから前記第一ガイド長孔31aの内側縁に加わる、前記第一揺動摩擦板26aを揺動させようとする力(この第一揺動摩擦板26aの揺動方向の分力)は、前記第二ガイド長孔32aの内側縁に加わる、前記第二揺動摩擦板28aを揺動させようとする力と比較して大きくなっている。
尚、本例を実施する場合も、前記第一揺動支持軸25を、前記前後方向長孔19aの長さ方向に関する中央位置を通り、この前後方向長孔19aの長さ方向に直交する直線状から、前後方向に僅かにずれた位置に設ける事もできる。具体的には、前記ステアリングホイール1の前後位置に拘わらず、前記第一ガイド長孔31aの長さ方向と、前記前後方向長孔19aの長さ方向との成す角度が60〜90度の範囲に収まる位置に、前記第一揺動支持軸25を設ける事ができる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図9は、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例のステアリングホイールの位置調節装置は、第一、第二両揺動摩擦板26a、28a同士を、円輪状のワッシャ33を介して互いに重ね合わせている(これら両揺動摩擦板26a、28a同士の間に、このワッシャ33を挟持している)。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第3〜4例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合で、テレスコピック機構とチルト機構との双方の機構を備えたものとする場合には、支持板部の外側面又は内側面と、押圧部の内側面又は変位ブラケットの幅方向外側面との間に、チルト用揺動摩擦板を挟持し、このチルト用揺動摩擦板の基端部を、前記支持板部の外側面又は内側面に設けたチルト用揺動支持軸に枢支する事もできる。この場合、チルト用揺動摩擦板を、互いに重ね合わされた第一、第二両チルト用揺動摩擦板とし、このうちの第一チルト用揺動摩擦板の基端部を、支持板部の外側面又は内側面に設けた第一チルト用揺動支持軸に枢支すると共に、第二チルト用揺動摩擦板の基端部を、前記第一チルト用揺動摩擦板の側面の中間部に設けた第二チルト用揺動支持軸に枢支する様に構成しても良い。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 車体
11、11a 枢軸
12、12a 変位ブラケット
13、13a 支持ブラケット
14、14a アウタコラム
15、15a インナコラム
16、16a アウタシャフト
17、17a インナシャフト
18 電動モータ
19、19a 前後方向長孔
20、20a、20b 支持板部
21、21a 上下方向長孔
22、22a 調節ロッド
23a、23b 押圧部
24 調節レバー
25 第一揺動支持軸
26、26a 第一揺動摩擦板
27、27a 第二揺動支持軸
28、28a 第二揺動摩擦板
29 スリット
30 取付板部
31、31a 第一ガイド長孔
32、32a 第二ガイド長孔
33 ワッシャ

Claims (8)

  1. 後端部にステアリングホイールを支持固定したステアリングシャフトをその内側に回転自在に支持する、筒状のステアリングコラムと、
    このステアリングコラムの一部に固設された変位ブラケットと、
    この変位ブラケットに、この変位ブラケットを幅方向に貫通する状態で設けられ、前後方向に伸長する前後方向長孔と、
    前記変位ブラケットを幅方向両側から挟む1対の支持板部を備え、車体に支持される支持ブラケットと、
    前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられた車体側貫通孔と、
    前記前後方向長孔及びこの車体側貫通孔を幅方向に挿通する状態で設けられた調節ロッドと、
    この調節ロッドの両端部で、前記両支持板部の外側面から突出した部分に設けられた1対の押圧部と、
    これら両押圧部同士の間隔を拡縮する為の拡縮装置と
    を備えるステアリングホイールの位置調節装置であって、
    前記両支持板部の内側面と前記変位ブラケットの幅方向両外側面との間部分のうちの少なくとも一方の間部分に、第一揺動摩擦板と第二揺動摩擦板とが互いに重ね合わされた状態で挟持されており、
    このうちの第一揺動摩擦板は、その基端部又は中間部を、前記変位ブラケット又は前記ステアリングコラムの幅方向外側面に設けられた、前記調節ロッドと平行な第一揺動支持軸に枢支されると共に、その先端部に、前記調節ロッドと前記第一揺動支持軸とを結ぶ直線方向に伸長する状態で形成された第一ガイド長孔に前記調節ロッドを、この第一ガイド長孔に沿った変位のみを可能に係合させた状態で、前記ステアリングホイールの前後位置を調節する際に、前記第一揺動支持軸を中心として揺動するものであり、
    前記第二揺動摩擦板は、その基端部を、前記第一揺動摩擦板のうち、前記第一揺動支持軸及び前記第一ガイド長孔から外れた部分に設けられた、前記調節ロッドと平行な第二揺動支持軸に枢支されると共に、その先端部に設けられた第二ガイド長孔に前記調節ロッドを、この第二ガイド長孔に沿った変位のみを可能に係合させた状態で、前記ステアリングホイールの前後位置を調節する際に、前記第二揺動支持軸を中心として揺動するものであり、
    前記第一揺動支持軸は、前記変位ブラケット又は前記ステアリングコラムの幅方向外側面のうち、前記前後方向長孔の長さ方向に関する中央位置を通り、この前後方向長孔の長さ方向に直交する直線上若しくはその近傍に位置する部分に設けられており、
    前記ステアリングホイールの前後位置に拘わらず、前記調節ロッドの中心軸と、前記第一揺動支持軸の中心軸と、前記第二揺動支持軸の中心軸とが、ほぼ同一直線上に位置している
    事を特徴とするステアリングホイールの位置調節装置。
  2. 前記第二揺動支持軸は、前記第一揺動摩擦板のうち、前記調節ロッドの中心軸と、前記第一揺動支持軸の中心軸とを結ぶ直線上若しくはその近傍で、これら調節ロッドと第一揺動支持軸との間に位置する部分に設けられている、請求項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  3. 前記第二揺動支持軸は、前記第一揺動摩擦板のうち、前記調節ロッドの中心軸と、前記第一揺動支持軸の中心軸とを結ぶ直線上若しくはその近傍で、この第一揺動支持軸を挟んで前記調節ロッドと反対側に位置する部分に設けられている、請求項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  4. 前記ステアリングホイールの前後位置の調節方向が同じ場合に於ける、この前後位置の調節可能範囲のうちの一部の範囲での前記第二揺動摩擦板の揺動方向と、それ以外の範囲での前記第二揺動摩擦板の揺動方向とが、互いに反対方向である、
    請求項1〜のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  5. 前記第二ガイド長孔は、前記第二揺動摩擦板の先端部に、前記第二揺動支持軸を中心とする揺動方向片端部から他端部に向かうに従って、この第二揺動支持軸との間の距離が長くなる方向に形成されている、
    請求項1〜のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  6. 前記第一、第二両揺動摩擦板同士が、前記調節ロッドに外嵌支持されたワッシャを介して互いに重ね合わされている、請求項1〜のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  7. 前記第一、第二両揺動摩擦板を、鋼板若しくはステンレス鋼板、又は、アルミニウム系合金板製としている、請求項1〜のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  8. 前記第一、第二揺動摩擦板のうち、少なくとも一方の揺動摩擦板の側面に、対向する面との間の摩擦係数を大きくする為の表面処理を施している、請求項1〜のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
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