JP6452502B2 - 磁気粘性流体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、部材間に介在する磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変えることで、当該部材間で伝達される力を変化させる磁気粘性流体装置に関する。
特許文献1には、磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変えることで、磁気粘性流体を介して2つの部材間で伝達される回転力を変化させる磁気粘性流体装置が開示されている。例えば、同文献の図1に記載された磁気粘性流体装置は、回転力の伝達側となる円板と、該円板に対する対向面を有し、回転力の被伝達側となる部材と、円板と前記部材との隙間に介在するケーシング内に封入された磁気粘性流体と、この磁気粘性流体に磁場を付与する電磁石とを備えるものである。この装置において、電磁石に電流を印加すると、電流の大きさに応じて磁気粘性流体に粘度(ずり応力)が発現し、その印加電流の大きさを変えることで、円板と前記部材との間で伝達する回転力(トルク)を変化させることができる。
また、特許文献2には、磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変えることで、磁気粘性流体を介してピストンとシリンダボディとの間で伝達される直動方向の力(以下「直動力」ともいう。)を変化させることができる磁気粘性流体装置であるダンパーが開示されている。
特開2014−181778号公報 特開2004−019741号公報
ところで、部材間で伝達される力を制御・調整等する装置の分野においては、回転力および直動力の双方の伝達力を同時に制御・調整等することが要求される場合がある。しかしながら、従来の磁気粘性流体装置では、単体でそのような要求に応えることが困難であった。
本発明は、かかる課題に鑑みて創案されたものであり、部材間に介在する磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変えることで、当該部材間で伝達する力を変化させる磁気粘性流体装置において、回転力および直動力の双方の伝達力を制御・調整等することが可能となる磁気粘性流体装置を提供することを目的とする。
本発明に係る磁気粘性流体装置は、シリンダと、前記シリンダの内部空間に往復動可能に嵌め込まれたピストンと、前記シリンダの一方から該シリンダに対して回転可能かつ往復動可能に挿通され、前記ピストンに接続された第1の軸材と、前記シリンダの他方から該シリンダに対して回転不能かつ往復動可能に挿通され、前記ピストンに接続された第2の軸材と、前記ピストン内に設けられたコイルと、を備えるものを前提としている。前記ピストンは、その一方に凹部が形成され、その他方に前記第1の軸材が接続されたアウター部と、前記凹部に対して回転可能に嵌め込まれ、その嵌め込み側と反対側の面に前記第2の軸材が接続されたインナー部と、前記アウター部の凹部形成面から中心側に張り出し、前記インナー部に形成されたスリット内に相対回転可能に差し込まれた環状板部と、を有する。また、前記ピストンにより前記シリンダの内部空間が区画されてなる第1流体室および第2流体室を互いに連通するものであって、前記インナー部のスリット形成面と前記環状板部の板面との隙間を経由する連通路が設けられている。また、前記コイルに電流を印加することにより、前記インナー部のスリット形成面と前記環状板部の板面との前記隙間を貫通する磁路が形成されるように、前記コイルが配設されるとともに、前記アウター部、前記インナー部および前記環状板部に使用される材料が設定されている。
また、他の本発明に係る磁気粘性流体装置は、シリンダと、前記シリンダの内部空間に往復動可能に嵌め込まれたピストンと、前記シリンダの一方から該シリンダに対して回転可能かつ往復動可能に挿通され、前記ピストンに接続された第1の軸材と、前記シリンダの他方から該シリンダに対して回転不能かつ往復動可能に挿通され、前記ピストンに接続された第2の軸材と、前記ピストン内に設けられたコイルと、を備えるものを前提としている。前記ピストンは、その一方に凹部が形成され、その他方に前記第2の軸材が接続されたアウター部と、前記凹部に対して回転可能に嵌め込まれ、その嵌め込み側と反対側の面に前記第1の軸材が接続されたインナー部と、前記アウター部の凹部形成面から中心側に張り出し、前記インナー部に形成されたスリット内に相対回転可能に差し込まれた環状板部と、を有する。また、前記ピストンにより前記シリンダの内部空間が区画されてなる第1流体室および第2流体室を互いに連通するものであって、前記インナー部のスリット形成面と前記環状板部の板面との隙間を経由する連通路が設けられている。また、前記コイルに電流を印加することにより、前記インナー部のスリット形成面と前記環状板部の板面との前記隙間を貫通する磁路が形成されるように、前記コイルが配設されるとともに、前記アウター部、前記インナー部および前記環状板部に使用される材料が設定されている。
上記本発明に係る磁気粘性流体装置又は上記他の本発明係る磁気粘性流体装置によれば、シリンダの内部空間および連通路に磁気粘性流体を充填した後、コイルに電流を印加し、インナー部のスリット形成面と環状板部の板面との隙間に介在する磁気粘性流体に磁場を付与すると、当該磁気粘性流体に磁場(印加電流)の強さに応じた粘度(ずり応力)が発現する。そして、当該磁気粘性流体が介在する隙間は、第1流体室および第2流体室を互いに連通する連通路の一部を形成するものであると同時に、当該隙間に介在する磁気粘性流体は、インナー部とアウター部との間で回転力を伝達するものである。これらのことから、当該磁気粘性流体に付与する磁場の強さ(印加電流)を変えることで、第1の軸材とシリンダ間で伝達される回転力を制御・調整等することが可能になるとともに、それらの間で伝達される直動力も制御・調整等することが可能となる。
上記構成において、前記コイルは、前記環状板部の内側に配置されており、前記連通路は、前記インナー部のスリット形成面の一方の面とこれに対向する前記環状板部の板面との隙間、前記環状板部の内周面とコイルとの隙間、および、前記インナー部のスリット形成面の他方の面とこれに対向する前記環状板部の板面との隙間を経由するものである、ことが望ましい。
この場合、シリンダの内部空間および連通路に磁気粘性流体を充填した後、コイルに電流を印加すると、インナー部のスリット形成面と環状板部の両面との間にそれぞれ形成された2か所の隙間に介在する磁気粘性流体に磁場が付与され、それぞれの隙間に介在する磁気粘性流体に磁場(印加電流)の強さに応じた粘度(ずり応力)が発現する。当該2か所の磁気粘性流体が介在する隙間は、第1流体室および第2流体室を互いに連通する連通路を形成するものであると同時に、当該2か所の隙間に介在する磁気粘性流体は、何れもインナー部とアウター部との間で回転力を伝達するものである。これらのことから、回転力および直動力の伝達効率の向上、消費電力の抑制等が期待できる。
本発明によれば、磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変えることで、第1の軸材とシリンダ間で伝達される回転力を制御・調整等することが可能になるとともに、それらの間で伝達される直動力も制御・調整等することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る磁気粘性流体装置を示す断面図である。 シリンダおよびピストンの構築例を示した断面図である。但し、磁気粘性流体を表現するための塗り潰しは省略している。 ピストン等の部分拡大断面図である。 図1に示す状態からピストンが反対側へ移動した状態を示す断面図である。 ピストン等の部分拡大断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る磁気粘性流体装置のピストン等の部分拡大断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る磁気粘性流体装置を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る磁気粘性流体装置について、図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本発明の実施の形態に係る磁気粘性流体装置1は、シリンダ2、ピストン3、回転可能ロッド4、回転不能ロッド6、磁場発生手段7、磁気粘性流体8等で構成されている。
シリンダ2は、両端が端壁9,10によって閉塞された円筒状の部材で構成され、その内部にピストン3が往復動するための内部空間12が形成されている。一方の端壁9には、回転可能ロッド4を挿通するためのロッド孔9aが形成されている。該ロッド孔9aの内周面には、2つの溝が形成されており、各溝にブッシュ13およびUパッキン14が嵌め付けられている。他方の端壁10には、回転不能ロッド6を挿通するためのロッド孔10aが形成されている。該ロッド孔10aの内周面にも、2つの溝が形成され、各溝にブッシュ13およびUパッキン14が嵌め付けられている。なお、シリンダ2にはステンレス鋼(SUS304)等の非磁性体を使用することが望ましい。
ピストン3は、シリンダ2の内部空間12に往復動可能に嵌め込まれている。ピストン3の外径とシリンダ2の内径とは、ピストン3がシリンダ2の内部空間12内を移動する際に、磁気粘性流体が当該隙間を極力通過しないように、設定されている。なお、ピストン3の詳細な構造については後に詳述する。
回転可能ロッド4は、シリンダ2の端壁9に形成されたロッド孔9aから挿通され、その一端部がピストン3に対して接続されている。回転可能ロッド4の他端部にはボタン16が固設されている。このボタン16は、一般の人が容易に把持可能なサイズの円柱状のものとされている。また、回転可能ロッド4には、該ロッド4がシリンダ2から伸長する方向に付勢する復帰手段17が設けられている。復帰手段17は、回転可能ロッド4の途中部に固設された円板状のスプリングリテーナ18と、このスプリングリテーナ18とシリンダ2の端壁9との間に圧縮状態で介装されたコイルスプリング19とを備えている。なお、回転可能ロッド4にはステンレス鋼等の非磁性体を使用することが望ましい。
回転不能ロッド6は、シリンダ2の端壁10に形成されたロッド孔10aから挿通され、ピストン3に対して接続されている。回転不能ロッド6は、シリンダ2に対して回転不能にかつ軸方向に移動可能に設けられている。回転不能ロッド6をシリンダ2に対して回転不能とする手段は、回転不能ロッドに直径方向に貫通したピン21と、シリンダ2の端壁10に回転不能ロッドの移動方向に平行に形成されたピン21のガイド溝10bとで構成されている。回転不能ロッド6の内部には、後述するコイル22に電流を供給する導線23を挿通するための導線孔6aが形成されている。なお、回転不能ロッド6にはステンレス鋼等の非磁性体を使用することが望ましい。
次に、上記ピストン3について更に詳細に説明する。上記ピストン3は、主に、アウター部31、インナー部32および環状板部33で構成されている。
アウター部31の一方には、凹部31aが形成されている。この凹部31aには、インナー部32が相対回転可能に嵌め込まれている。また、アウター部31の他方には、回転可能ロッド4の端部が接続されている。なお、アウター部31(環状板部33の外径側部分を除く)にはステンレス鋼等の非磁性体が使用されている。
インナー部32は、アウター部31の凹部31aに対して2つのベアリング34,35を介して回転可能に、かつ、軸方向に相対移動不能に嵌め込まれている。一方のベアリング34は凹部31aの深い位置に嵌め込まれ、もう一方のベアリング35は凹部31aの浅い位置に嵌め込まれている。また、インナー部32内には、ボビン36および該ボビン36に巻かれたコイル22が設置されている。コイル22は、インナー部32の軸線を中心とした円筒状に巻設されている。また、インナー部32において、凹部31aへの嵌め込み側と反対側の面32aに、回転不能ロッド6の端部が接続されている。インナー部32内には、回転不能ロッド6内に形成された導線孔6aから連続してコイル22に至るまで、導線23を挿通するための導線孔32bが形成されている。なお、インナー部32はヨークとしても機能するため、その材料として磁性体が使用されている。
環状板部33は、アウター部31の凹部31aの形成面から中心側に張り出し、インナー部32に形成されたスリット32cに相対回転可能に差し込まれている。環状板部33のインナー部32に差し込まれた部分の表面33aおよび裏面33bとインナー部32の2つのスリット形成面32c1,32c2との間には、それぞれ微小隙間37(図3参照)が確保されている。また、環状板部33の内周面とコイル22との間にも隙間38(図3参照)が確保されている。なお、環状板部33には磁性体が使用されている。
また、ピストン3には、該ピストン3によりシリンダ2の内部空間12が区画されてなる第1流体室27と第2流体室28とを連通する連通路29が形成されている。この連通路29は、アウター部31、インナー部32、アウター部31とインナー部32との間などに形成されている。アウター部31においては、第1流体室27から凹部31aまで形成された第1貫通孔31bが連通路29を構成している。また、インナー部32においては、アウター部31の凹部31aに臨む位置からスリット形成面32c1まで形成された第2貫通孔32dと、上記2か所の微小隙間37と、上記隙間38と、スリット形成面32c2から第2流体室28まで形成された第3貫通孔32eとで連通路29を構成している。なお、第2貫通孔32dと第3貫通孔32eとは、ピストン3の移動方向から視て同じ位置に形成されていることが望ましい。また、本実施形態では、第1貫通孔31b、第2貫通孔32dおよび第3貫通孔32eは、それぞれ1ずつ形成されているが、これらは、それぞれ周方向に間隔をおいて複数形成されていてもよい。
ピストン3には、その他にも、第1流体室27から第2流体室28までアウター部31を貫通した逆止弁付連通路39が形成されている。逆止弁付連通路39の逆止弁39aは、ボタン16がシリンダ2側へ押進されたときに第2流体室28から第1流体室27へ移動しようとする磁気粘性流体の流れを阻止するように設置されている。なお、符号39bは、連通路39における磁気粘性流体の流れを阻害することなく、逆止弁39aのボールが連通路39から離脱することを防止する部材であり、例えば細棒材で構成されている。
磁場発生手段7は、ピストン3のインナー部32内に配置された、ボビン36に巻き付けられたコイル22と、ヨークとして機能するピストン3のインナー部32と、コイル22に電流を供給する電流供給装置(不図示)とで主に構成されている。コイル22に電流が供給されると、ヨーク(インナー部32)と環状板部33との2か所の隙間37および環状板部33を貫通する磁路が形成される。なお、コイル22から延出した導線23は、導線孔6a,32bを通じて電流供給装置に接続されている。
磁気粘性流体8は、シリンダ2の内部空間12に封入されており、第1流体室27および第2流体室28のみならず、連通路29や各部の隙間にも行き渡っている。この磁気粘性流体8は、磁性粒子を分散媒に分散させてなる液体であり、特にその磁性粒子がナノサイズの金属粒子(金属ナノ粒子)からなるものが使用できる。磁性粒子は磁化可能な金属材料からなり、金属材料に特に制限はないが軟磁性材料が好ましい。軟磁性材料としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル及びパーマロイ等の合金が挙げられる。分散媒は、特に限定されるものではないが、一例として疎水性のシリコーンオイルを挙げることができる。磁気粘性流体における磁性粒子の配合量は、例えば3〜40vol%とすればよい。磁気粘性流体にはまた、所望の各種特性を得るために、各種の添加剤を添加することも可能である。
図2に、上記に述べた磁気粘性流体装置1のシリンダ2およびピストン3の構築例を示しておく。シリンダ2については、非磁性体からなる円筒部材2Aの一端にロッド孔9aを形成した非磁性体からなる円板部材2Bを嵌め込み固定し、円筒部材2Aの他端にロッド孔10aを形成した非磁性体からなる円柱部材2Cを嵌め込み固定することにより構築できる。嵌め込み後の固定は、例えば、ボルト締結、溶接等により行うことが可能である。ピストン3のアウター部31については、2枚の非磁性体からなる厚板円環部材3A,3Bで環状板部33を形成する円環状板材の外径側を挟み、更に厚板円環部材3Bの側面に非磁性体からなる円板3Cを重ね合わせ、これらを互いに固定することにより構築することができる。これらの固定も、例えば、ボルト締結、溶接等により行うことが可能である。ピストン3のインナー部32については、図2に示すように、スリット32c、コイル22、ボビン36等を形成するよう加工が予め施された磁性体からなる2部材3D,3Eを軸方向に組み合わせることにより構築することができる。
以上に述べた磁気粘性流体装置1において、電流供給装置(不図示)により、コイル22に電流が印加されると、図3の矢印Pに示す方向に沿ってインナー部32および環状板部33内に磁路が形成される。この磁路は、環状板部33とインナー部32のスリット形成面32c1,32c2との微小隙間37,37に介在する磁気粘性流体8を貫通する。このため、当該磁路上の磁気粘性流体8に、磁場の強さに応じた粘度(ずり応力)が発現し、その結果、環状板部33(ボタン16、回転可能ロッド4)とインナー部32(シリンダ2)との間で伝達される回転力が磁場の強さ(コイル22に供給される電流の大きさ)に応じて大きくなる。
また、ボタン16が使用者に押進されて、ピストン3が図1に示す状態から図4に示す状態へと移動する際、図3に示すように、逆止弁39aが閉弁するため、第2流体室28にある磁気粘性流体は専ら連通路29を通じて第1流体室27へ移動する。このとき、連通路29を通過する磁気粘性流体は、環状板部33の両面33a,33bとインナー部32のスリット形成面32c1,32c2との微小隙間37,37を通過する際に磁場の強さに応じた粘度(ずり応力)が発現する。このため、ボタン16側からシリンダ2側へは磁場の強さ(コイル22に供給される電流の大きさ)に応じた直動力が伝達される。その後、使用者がボタン16から手を離すと、復帰手段17により、回転可能ロッド4に復帰方向への力が作用し、ボタン16は元の位置に復帰する。このとき図5に示すように、第1流体室27から第2流体室28への磁気粘性流体の流れにより逆止弁39aは開弁するため、コイル22へ電流が印加されているか否かにかかわらず、ボタン16、ピストン3等は迅速に元の位置に復帰する。
以上に述べた磁気粘性流体装置1は、様々な使用形態に適用可能であるが、その使用形態の一つとして、シリンダ2を所定の場所に固定して使用することが考えられる。この場合、コイル22に供給する電流を制御することにより、使用者がボタン16を押進するときに手に感じる負荷や、使用者がボタン16を回転させるときに手に感じる回転負荷を自在に制御、調整等することができる。勿論、コイル22へ供給する電流値の変化に対する磁気粘性流体の粘度の応答性が優れていることから、本装置1によれば、微小な負荷変化や複雑な負荷変化であっても自在に表現することができる。
<他の実施形態>
既述の実施形態に係る磁気粘性流体装置1は、復帰手段17および逆止弁付連通路29を備えるものであるが、本発明の適用に当たり必要に応じてこれらの一方又は双方を省略してもよい。特に、逆止弁付連通路29を省略した場合は、コイル22に電流を印加した状態でボタン16を引くときに、図6に示すように、第1流体室27にある磁気粘性流体は、専ら連通路29を通じて第2流体室28へ移動する。このとき、環状板部33の両面33a,33bとインナー部32のスリット形成面32c1,32c2との微小隙間37,37を通過する磁気粘性流体に磁場の強さに応じた粘度(ずり応力)が発現するため、使用者がボタン16を引くときの負荷も自在に制御、調整等することができる。
既述の実施形態においては、回転可能ロッド4とピストン3のアウター部31とを接続し、これらを回転可能に構成する一方、回転不能ロッド6とピストン3のインナー部32とを接続し、これらを回転不能に構成していたが、図7に示すように、ピストン3を反転配置して、回転可能ロッド4とピストン3のインナー部32とを接続し、これらを回転可能とする一方、回転不能ロッド6とピストン3のアウター部31とを接続し、これらを回転不能とした磁気粘性流体装置1Aとしてもよい。
既述の実施形態において、2つのベアリング34,35に代えてブッシュ等のすべり軸受を設けてもよい。
既述の実施形態において、ピストン3が移動する際に、各ベアリング34,35内を磁気粘性流体が通過する可能性があるが、この通過を阻止する必要がある場合は、ベアリング34,35の側面(図中のベアリングの上下面)にゴムパッキンを配置してもよい。
本発明は、部材間に介在する磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変えることで、当該部材間での伝達力を変化させる装置(例えば、操作感触可変装置など)に適用可能である。
1,1A 磁気粘性流体装置
2 シリンダ
3 ピストン
4 回転可能ロッド(第1の軸材)
6 回転不能ロッド(第2の軸材)
8 磁気粘性流体
12 シリンダの内部空間
22 コイル
27 第1流体室
28 第2流体室
29 連通路
31 アウター部
31a 凹部
32 インナー部
32a 凹部への嵌め込み側と反対側の面
32c スリット
32c1,32c2 スリット形成面
33 環状板部
33a 環状板部の表面(板面)
33b 環状板部の裏面(板面)
37 微小隙間(隙間)
38 隙間

Claims (4)

  1. シリンダと、
    前記シリンダの内部空間に往復動可能に嵌め込まれたピストンと、
    前記シリンダの一方から該シリンダに対して回転可能かつ往復動可能に挿通され、前記ピストンに接続された第1の軸材と、
    前記シリンダの他方から該シリンダに対して回転不能かつ往復動可能に挿通され、前記ピストンに接続された第2の軸材と、
    前記ピストン内に設けられたコイルと、
    を備える磁気粘性流体装置であって、
    前記ピストンは、
    その一方に凹部が形成され、その他方に前記第1の軸材が接続されたアウター部と、
    前記凹部に対して回転可能に嵌め込まれ、その嵌め込み側と反対側の面に前記第2の軸材が接続されたインナー部と、
    前記アウター部の凹部形成面から中心側に張り出し、前記インナー部に形成されたスリット内に相対回転可能に差し込まれた環状板部と、
    を有し、
    前記ピストンにより前記シリンダの内部空間が区画されてなる第1流体室および第2流体室を互いに連通するものであって、前記インナー部のスリット形成面と前記環状板部の板面との隙間を経由する連通路が設けられ、
    前記コイルに電流を印加することにより、前記インナー部のスリット形成面と前記環状板部の板面との前記隙間を貫通する磁路が形成されるように、前記コイルが配設されるとともに、前記アウター部、前記インナー部および前記環状板部に使用される材料が設定されている、
    ことを特徴とする磁気粘性流体装置。
  2. シリンダと、
    前記シリンダの内部空間に往復動可能に嵌め込まれたピストンと、
    前記シリンダの一方から該シリンダに対して回転可能かつ往復動可能に挿通され、前記ピストンに接続された第1の軸材と、
    前記シリンダの他方から該シリンダに対して回転不能かつ往復動可能に挿通され、前記ピストンに接続された第2の軸材と、
    前記ピストン内に設けられたコイルと、
    を備える磁気粘性流体装置であって、
    前記ピストンは、
    その一方に凹部が形成され、その他方に前記第2の軸材が接続されたアウター部と、
    前記凹部に対して回転可能に嵌め込まれ、その嵌め込み側と反対側の面に前記第1の軸材が接続されたインナー部と、
    前記アウター部の凹部形成面から中心側に張り出し、前記インナー部に形成されたスリット内に相対回転可能に差し込まれた環状板部と、
    を有し、
    前記ピストンにより前記シリンダの内部空間が区画されてなる第1流体室および第2流体室を互いに連通するものであって、前記インナー部のスリット形成面と前記環状板部の板面との隙間を経由する連通路が設けられ、
    前記コイルに電流を印加することにより、前記インナー部のスリット形成面と前記環状板部の板面との前記隙間を貫通する磁路が形成されるように、前記コイルが配設されるとともに、前記アウター部、前記インナー部および前記環状板部に使用される材料が設定されている、
    ことを特徴とする磁気粘性流体装置。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気粘性流体装置において、
    前記コイルは、前記環状板部の内側に配置されており、
    前記連通路は、前記インナー部のスリット形成面の一方の面とこれに対向する前記環状板部の一方の板面との隙間、前記環状板部の内周面とコイルとの隙間、および、前記インナー部のスリット形成面の他方の面とこれに対向する前記環状板部の他方の板面との隙間を経由するものである、
    ことを特徴とする磁気粘性流体装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気粘性流体装置において、
    前記シリンダの内部空間および前記連通路に磁気粘性流体が充填された、磁気粘性流体装置。
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