JP6452315B2 - 増幅器 - Google Patents

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Description

この発明は、トランジスタを用いた増幅器に関するものである。
従来、トランジスタの動作周波数の略整数倍の高次の周波数(いわゆる「高調波周波数」)において、トランジスタから見たインピーダンス(いわゆる「負荷インピーダンス」)の値が適切なリアクタンス成分を含む値となるように設定した高調波処理回路を有する増幅器が用いられている。高調波処理回路には、インダクタとキャパシタとを並列に接続した並列共振回路が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の増幅器は、トランジスタの入力側に、ワイヤを介して分布定数線路を接続している。この分布定数線路は、トランジスタの動作周波数の略2倍の高調波周波数(以下「2倍波周波数」という)に対応する波長の4分の1長さ未満の電気的な長さ(いわゆる「電気長(electrical length)」)を有している。分布定数線路は、2倍波周波数によってインダクタの機能を果たすものである。
分布定数線路の中央部から、間隙部を介して互いに対向した1対の櫛型電極が分岐している。この櫛型電極によって、分布定数線路に対して並列に接続されたいわゆる「インターデジタルキャパシタ」が構成されている。かかる分布定数線路及びインターデジタルキャパシタによって並列共振回路が構成されている。
並列共振回路は、動作周波数の2倍波周波数を用いることにより並列共振状態となるように設定されている。また、2倍波周波数において、ワイヤが有するインダクタンス成分(誘導成分)と並列共振回路の負荷インピーダンスとを併せた値が、トランジスタから見て適切なリアクタンス成分を含む値となるように、並列共振回路が設定されている。これより、ワイヤ及び並列共振回路が高調波処理回路の機能を果たすことで、供給電力を出力電力に変換する効率(以下「動作効率」という)を向上させている。
国際公開第2012/160810号
一般に、トランジスタの増幅動作の安定性を示す指標として、いわゆる「Kファクタ」が用いられている。トランジスタは、例えば高調波周波数において十分に高い利得を有してKファクタの値が1未満である場合、不要な帰還成分によって局所的にマイナスの抵抗成分(いわゆる「負性抵抗」)が生じる。この負性抵抗により、トランジスタがいわゆる「反射利得」を有する状態となり、トランジスタが高調波処理回路に反射する信号の振幅(以下「反射振幅」という)が増幅される。
一方、従来の高調波処理回路は、高調波周波数の場合に負荷インピーダンスがリアクタンス成分のみを含む負荷(いわゆる「純リアクタンス負荷」)となる。このため、高調波処理回路は、反射振幅の値が1となり、トランジスタから入力された信号をすべて反射する状態(いわゆる「全反射状態」)となる。この結果、従来の増幅器は、高調波処理回路とトランジスタ間で不要な発振(いわゆる「寄生発振」)を起こす課題があった。
さらに、従来の高調波処理回路は、インダクタとキャパシタとからなるリアクティブな並列共振回路により構成されている。この並列共振回路は、負荷インピーダンスに含まれるリアクタンス成分が周波数に応じて大きく変化して、いわゆる周波数依存性が高くなる。これに伴い、並列共振回路がワイヤを介してトランジスタに反射する信号の位相(以下「反射位相」という)も周波数依存性が高くなる。この結果、狭い周波数帯域でしかトランジスタの動作効率を最大限に向上させることができない課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、より広い周波数帯域に亘ってトランジスタの動作効率を向上させることができ、かつ不要な発振を抑制することができる増幅器を提供することを目的とする。
この発明の増幅器は、入力信号を増幅する能動素子と、入力信号が入力される入力端子と能動素子との間に接続したインダクタと、インダクタに対して並列に接続したキャパシタとを有し、能動素子の動作周波数に対する高調波周波数によって並列共振状態に設定してなる並列共振回路と、キャパシタに対して直列に接続した抵抗素子と、を具備し、キャパシタは、間隙部を介して互いに対向した1対の櫛形電極からなるインターデジタルキャパシタで構成し、抵抗素子は、いずれか一方の櫛形電極に設けた薄膜抵抗で構成したものである。
この発明の増幅器によれば、より広い周波数帯域に亘ってトランジスタの動作効率を向上させることができ、かつ不要な発振を抑制することができる。
この発明の実施の形態1の増幅器の構成図である。 この発明の実施の形態1の増幅器の2倍波周波数を用いた等価回路を示す説明図である。 この発明の実施の形態1の増幅器及び従来の増幅器の反射位相に対する動作効率を示す特性図である。 従来の増幅器の反射係数をスミスチャート上に表した説明図である。 この発明の実施の形態1の増幅器の反射係数をスミスチャート上に表した説明図である。 この発明の実施の形態1の増幅器及び従来の増幅器の周波数に対する反射位相を示す特性図である。 この発明の実施の形態1の増幅器の基本波周波数を用いた等価回路を示す説明図である。 図7に示す点X及び点Yからトランジスタを見たインピーダンスをスミスチャート上に表した説明図である。 この発明の実施の形態1の他の増幅器の構成図である。 この発明の実施の形態2の増幅器の構成図である。
実施の形態1.
図1を参照して、この発明の実施の形態1の増幅器について説明する。
図中、1はトランジスタ(能動素子)である。トランジスタ1は、例えば、ソース端子を電気的に接地した電界効果トランジスタ(Field effect transistоr,FET)で構成されている。トランジスタ1は、ゲート端子に入力された信号の振幅を増幅して、ドレイン端子から出力する。
トランジスタ1のゲート端子は、ワイヤ2aを介して伝送線路3aの一端部に接続されている。伝送線路3aは、誘電体基板4aの表面に設けた導体箔からなるマイクロストリップ線路で構成されている。伝送線路3aは、トランジスタ1の動作周波数の略2倍の高調波周波数(2倍波周波数)に対応する波長の4分の1長さ未満の電気長を有している。伝送線路3aの他端部には、入力端子5が設けられている。
伝送線路3aの中央部から、1対の櫛型電極6a,6bが分岐している。櫛型電極6a,6bは、互いの歯部61a,61bが間隙部を介して噛み合うように対向している。櫛型電極6a,6bによって、伝送線路3aに対して並列に接続したインターデジタルキャパシタが構成されている。
伝送線路3a及びインターデジタルキャパシタによって、並列共振回路が構成されている。並列共振回路は、トランジスタ1の動作周波数の2倍波周波数からなる高調波周波数によって並列共振状態となるように設定されている。
1対の櫛型電極6a,6bのうち、トランジスタ1により近い櫛型電極6aの背骨部62aの一部には、薄膜抵抗7が設けられている。ワイヤ2a、並列共振回路及び薄膜抵抗7によって、高調波処理回路が構成されている。
また、トランジスタ1のドレイン端子は、ワイヤ2bを介して伝送線路3bの一端部に接続されている。伝送線路3bは、誘電体基板4bの表面に設けた導体箔からなるマイクロストリップ線路で構成されている。伝送線路3bの他端部には、出力端子8が設けられている。このようにして、増幅器100が構成されている。
次に、図2及び図3を参照して、増幅器100の2倍波周波数による動作について説明する。
図2は、増幅器100の動作周波数の2倍波周波数を用いた等価回路を示している。トランジスタ1のゲート端子と入力端子5との間に、2つのインダクタLw1,L1が直列に接続されている。インダクタLw1のインダクタンス成分(誘導成分)は、ワイヤ2aのインダクタンス成分と対応している。インダクタL1のインダクタンス成分は、伝送線路3aのインダクタンス成分と対応している。
インダクタL1に対して、キャパシタCが並列に接続されている。キャパシタCに対して、抵抗素子Rが直列に接続されている。キャパシタCのキャパシタンス成分(容量成分)は、インターデジタルキャパシタのキャパシタンス成分と対応している。抵抗素子Rの抵抗成分は、薄膜抵抗7の抵抗成分と対応している。
インダクタLw1とインダクタL1間に、キャパシタCp1の一端部が接続されている。キャパシタCp1の他端部は電気的に接地されている。また、インダクタL1と入力端子5間に、キャパシタCp2の一端部が接続されている。キャパシタCp2の他端部は電気的に接地されている。キャパシタCp1,Cp2のキャパシタンス成分は、伝送線路3a及び櫛型電極6a,6bと、誘電体基板4aの裏面に設けた導体箔との間に生じる、いわゆる「シャント(shunt)」のキャパシタンス成分と対応している。
ここで、図2に示す抵抗素子Rの抵抗成分を0オーム(Ω)とした等価回路は、図1に示す薄膜抵抗7を除いた増幅器(以下「従来の増幅器」という)の等価回路を示している。
以下、トランジスタ1が高調波処理回路に反射する2倍波周波数の信号の振幅を「反射振幅|ΓTR|」として表し、トランジスタ1が高調波処理回路に反射する2倍波周波数の信号の位相を「反射位相∠ΓTR」として表す。反射係数ΓTRは、絶対値が反射振幅|ΓTR|の値で表され、かつ位相角が反射位相∠ΓTRの角度で表される。
また、並列共振回路がワイヤ2aを介してトランジスタ1に反射する2倍波周波数の信号の振幅を「反射振幅|ΓR|」として表し、並列共振回路がワイヤ2aを介してトランジスタ1に反射する2倍波周波数の信号の位相を「反射位相∠ΓR」として表す。反射係数ΓRは、絶対値が反射振幅|ΓR|の値で表され、かつ位相角が反射位相∠ΓRの角度で表される。
まず、入力端子5に、トランジスタ1の動作周波数と同等の周波数(以下「基本波周波数」という)の信号を入力する。この入力信号は、並列共振回路及びワイヤ2aを通過して、トランジスタ1のゲート端子に入力される。トランジスタ1は、入力信号の振幅を増幅してドレイン端子から出力する。
次いで、トランジスタ1は2倍波周波数の信号を反射する。この反射信号は、ワイヤ2aを介して並列共振回路に入力される。これにより、並列共振回路は並列共振状態となる。反射係数ΓRは電気的に略開放された状態の反射係数となり、反射位相∠ΓRの角度が略0°となる。
ここで、キャパシタCp1及びインダクタLw1のリアクタンス成分により、反射位相∠ΓRに対する反射位相∠ΓTRが回転する。反射位相∠ΓTRの角度は、180°よりも僅かに大きい角度(以下「効率最大位相角」という)となる。
図3は、反射位相∠ΓTRに対するトランジスタ1の動作効率ηを示す特性図である。横軸は反射位相∠ΓTRの値[°]を示しており、縦軸は動作効率ηの値[%]を示している。特性線Iは、図1に示す薄膜抵抗7を除くことで(すなわち図2に示す抵抗素子Rの抵抗成分を0Ωとすることで)、反射振幅|ΓTR|の値を1とした従来の増幅器の動作効率ηを示すことになる。特性線IIは、薄膜抵抗7を設けることで反射振幅|ΓTR|の値を0.7とした増幅器100の動作効率ηを示している。
一般に、FETなどのトランジスタは、反射位相∠ΓTRの角度が180°よりも僅かに大きい角度になると、負荷インピーダンスが僅かにキャパシタンス成分(容量成分)を含むようになり、電気的に略短絡された状態となる。このため、図3に示す如く、効率最大位相角においてトランジスタ1の動作効率ηの値が最大値ηmaxとなる。
このとき、図1に示す薄膜抵抗7(図2に示す抵抗素子R)を設けたことにより、反射振幅|ΓTR|の値が1未満になる。これにより、トランジスタ1が負性抵抗を有する場合にも、反射振幅|ΓTR|に反射利得を積算した値を1未満とすることで、不要な発振を抑制することができる。
また、薄膜抵抗7を設けたことにより、反射位相∠ΓRが周波数に対して変化しにくくなり、周波数依存性が低減される。これに伴い、反射位相∠ΓTRの周波数依存性も低減される。この結果、トランジスタ1の動作効率ηが向上する周波数帯域が広くなり、より広い周波数帯域に亘ってトランジスタ1の動作効率ηを向上させることができる。
次に、図4〜図6を参照して、増幅器100の2倍波周波数による効果について説明する。
図4は、従来の増幅器の反射係数ΓTR及び反射係数ΓRをスミスチャート上に表した説明図である。ここで、抵抗素子Rの抵抗成分は0Ω、キャパシタCのキャパシタンス成分は0.56ピコファラド(pF)、インダクタL1のインダクタンス成分は0.20ナノヘンリー(nH)、インダクタLw1のインダクタンス成分は0.20nH、キャパシタCp1のキャパシタンス成分は0.36pF、キャパシタCp2のキャパシタンス成分は0.37pFである。また、入力信号の周波数は14〜16ギガヘルツ(GHz)であり、終端抵抗は50Ωである。
図5は、増幅器100の反射係数ΓTR及び反射係数ΓRをスミスチャート上に表した説明図である。ここで、抵抗素子Rの抵抗成分は2.3Ω、キャパシタCのキャパシタンス成分は0.56pF、インダクタL1のインダクタンス成分は0.20nH、インダクタLw1のインダクタンス成分は0.20nH、キャパシタCp1のキャパシタンス成分は0.36pF、キャパシタCp2のキャパシタンス成分は0.37pFである。また、入力信号の周波数は14〜16GHzであり、終端抵抗は50Ωである。
図4及び図5において、スミスチャートの中心部Oと反射係数ΓTRとの間の長さが、反射振幅|ΓTR|の値と対応している。また、中心部Oと反射係数ΓR間の長さが、反射振幅|ΓR|の値と対応している。
図5に示す増幅器100の反射振幅|ΓTR|の値は、図4に示す従来の増幅器の反射振幅|ΓTR|の値よりも低減されている。したがって、トランジスタ1が負性抵抗を有する場合も、反射振幅|ΓTR|に反射利得を積算した値を1未満とすることで、不要な発振を抑制することができる。
図6は、入力信号の周波数に対する反射位相∠ΓTRを示す特性図である。横軸は周波数の値[GHz]を示しており、縦軸は反射位相∠ΓTRの値[°]を示している。特性線IIIは従来の増幅器の反射位相∠ΓTRを示しており、特性線IVは増幅器100の反射位相∠ΓTRを示している。
図6に示す如く、増幅器100の∠ΓTRは、従来の増幅器の∠ΓTRよりも周波数依存性が低減されている。したがって、より広い周波数帯域に亘ってトランジスタ1の動作効率ηを向上させることができる。
なお、図3に示す如く、FETなどのトランジスタは、反射振幅|ΓTR|の値が低くなるにつれて動作効率ηの最大値ηmaxが低くなる。しかしながら、増幅器100は、反射位相∠ΓTRの周波数依存性を低減したことにより、所定の周波数帯域全体における動作効率ηの平均値が従来の増幅器よりも向上している。
また、2倍波周波数においては、櫛型電極6aに設けた薄膜抵抗7に代えて、他方の櫛型電極6bに薄膜抵抗を設けたものとしても、同様の効果を得ることができる。
次に、図7を参照して、増幅器100の基本波周波数による動作について説明する。
図7は、増幅器100の動作周波数の基本波周波数を用いた等価回路を示している。なお、図2に示す2倍波周波数の等価回路と同様の回路素子には同一符号を付して説明を省略する。
基本波周波数においては、1対の櫛型電極6a,6b間のキャパシタンス成分は無視することができる。このため、図2に示すキャパシタCは除かれている。
一方、動作周波数の基本波周波数の場合、各々の櫛型電極6a,6bがいわゆる「先端開放スタブ」の機能を果たす。すなわち、インダクタLw1とインダクタL1間の接合部aに、抵抗素子Rを介してキャパシタCp1’の一端部が接続されている。キャパシタCp1’の他端部は電気的に接地されている。キャパシタCp1’のキャパシタンス成分は、図2に示すキャパシタCp1のキャパシタンス成分と、櫛型電極6aの先端開放スタブによるキャパシタンス成分とを含むものである。
また、インダクタL1と入力端子5間の接合部bに、キャパシタCp2’の一端部が接続されている。キャパシタCp2’の他端部は電気的に接地されている。キャパシタCp2’のキャパシタンス成分は、図2に示すキャパシタCp2のキャパシタンス成分と、櫛型電極6bの先端開放スタブによるキャパシタンス成分とを含むものである。
次に、図7及び図8を参照して、増幅器100の基本波周波数による効果について説明する。
図8は、図7に示すインダクタLw1と接合部a間の点Xからトランジスタ1を見たインピーダンスZxと、接合部bと入力端子5間の点Yからトランジスタ1を見たインピーダンスZyとをスミスチャート上に表した説明図である。スミスチャートでは、インピーダンスに含まれる抵抗成分の値が小さいほど、スミスチャートの中央部を横切る軸(抵抗軸)の左側に表される。
一般に、トランジスタの入力インピーダンスの値は数Ω程度である。したがって、直列に接続したインダクタLw1のみを介してトランジスタ1を見たインピーダンスZxの値は、比較的小さな値となる。図8において、インピーダンスZxは抵抗軸の左端部の近傍に表されている。
一方、直列に接続したインダクタL1,Lw1及びシャントに接続したキャパシタCp1’,Cp2’を介してトランジスタ1を見たインピーダンスZyの値は、インピーダンスZxの値よりも大きくなる。図8において、インピーダンスZyは、インピーダンスZxよりもスミスチャートの中心部Oの近くに表されている。
このように、トランジスタ1との間に介在する回路素子が増えるにつれて、トランジスタ1を見たインピーダンスの値が大きくなる。したがって、抵抗素子Rをシャントに接続する回路部位をトランジスタ1から離すにつれて、抵抗素子Rによる影響が大きくなり、基本波周波数における高調波処理回路の通過損失が大きくなる。
これに対し、増幅器100は、1対の櫛型電極6a,6bのうち、トランジスタ1により近い櫛型電極6aに薄膜抵抗7を設けている。これにより、基本波周波数の等価回路において、キャパシタCp2’よりもトランジスタ1に近いキャパシタCp1’に対して直列に抵抗素子Rが接続される。この結果、他方の櫛型電極6bに薄膜抵抗を設けた増幅器よりも、基本波周波数における高調波処理回路の通過損失を低減して、増幅器100の利得の低下を最小限に抑えることができる。
以上のように、この実施の形態1の増幅器100は、並列共振回路を構成するインターデジタルキャパシタの一部に薄膜抵抗7を設けている。これにより、2倍波周波数においてトランジスタ1が負性抵抗を有する場合も、反射振幅|ΓTR|に反射利得を積算した値を1未満とすることで、不要な発振を抑制することができる。また、反射位相∠ΓTRの周波数依存性が低減されることで、より広い周波数帯域に亘ってトランジスタ1の動作効率ηを向上させることができる。
また、インターデジタルキャパシタを構成する1対の櫛型電極6a,6bのうち、トランジスタ1により近い櫛型電極6aに薄膜抵抗7を設けている。これにより、他方の櫛型電極6bに薄膜抵抗を設けた増幅器よりも、基本波周波数における高調波処理回路の通過損失を低減して、増幅器100の利得の低下を最小限に抑えることができる。
なお、入力端子5及び出力端子8に、基本波周波数でインピーダンスを整合させるインピーダンス整合回路を各々接続したものとしてもよい。
また、トランジスタ1は、入力信号の振幅を増幅する能動素子であればよく、FETに限定されるものではない。バイポーラトランジスタ、又はトランジスタと同等の機能を果たす集積回路(Integrated circuit,IC)を用いたものとしてもよい。
また、並列共振回路は、トランジスタ1の動作周波数の略3倍の高調波周波数、又は略n倍(nは4以上の整数)の高調波周波数によって並列共振状態となるように設定されたものとしてもよい。
また、図9に示す如く、伝送線路3bの中央部から分岐した1対の櫛型電極6c,6dと、一方の櫛型電極6cに設けた薄膜抵抗7aをさらに有する増幅器101としてもよい。伝送線路3bは、高調波周波数に対応する波長の4分の1長さ未満の電気長を有するものとしてもよい。ワイヤ2b、伝送線路3b、櫛型電極6c,6d及び薄膜抵抗7aにより構成された高調波処理回路は、ワイヤ2a、伝送線路3a、櫛型電極6a,6b及び薄膜抵抗7により構成された高調波処理回路と同様に動作する。
実施の形態2.
図10を参照して、実施の形態1と異なる形状の並列共振回路を用いた増幅器について説明する。なお、図1に示す実施の形態1の増幅器100と同様の構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
トランジスタ1のゲート端子は、ワイヤ2aを介して伝送線路3cの一端部に接続されている。伝送線路3cは、細線状の電極を矩形波状に折り曲げてなるメアンダーライン線路で構成されている。
伝送線路3cの中央部に、1対の金属電極6e,6fが接続されている。金属電極6e,6f間には、絶縁体層9が介在されている。金属電極6e,6f及び絶縁体層9によって、伝送線路3cに対して並列に接続された、いわゆる「金属絶縁体金属(Metal−Insulator−Metal,MIM)キャパシタ」が構成されている。伝送線路3c及びMIMキャパシタによって、並列共振回路が構成されている。
1対の金属電極6e,6fのうち、伝送線路3cのトランジスタ1により近い部位に接続された金属電極6eと、伝送線路3cとの間に、薄膜抵抗7が接続されている。ワイヤ2a、並列共振回路及び薄膜抵抗7によって、高調波処理回路が構成されている。
また、トランジスタ1のドレイン端子は、ワイヤ2bを介して伝送線路3dの一端部に接続されている。伝送線路3dは、細線状の電極を矩形波状に折り曲げてなるメアンダーライン線路で構成されている。
このようにして構成された増幅器102は、以下のように実施の形態1の増幅器100と同様に動作する。
すなわち、2倍波周波数においては、高調波処理回路に薄膜抵抗7を設けたことにより、反射振幅|ΓTR|の値が1未満になる。これにより、トランジスタ1が負性抵抗を有する場合にも、反射振幅|ΓTR|に反射利得を積算した値を1未満とすることで、不要な発振を抑制することができる。
また、高調波処理回路に薄膜抵抗7を設けたことにより、反射位相∠ΓRが周波数に対して変化しにくくなり、周波数依存性が低減される。これに伴い、反射位相∠ΓTRの周波数依存性も低減される。その結果、より広い周波数帯域に亘ってトランジスタ1の動作効率ηを向上させることができる。
さらに、1対の金属電極6e,6fのうち、トランジスタ1により近い金属電極6eに薄膜抵抗7を接続している。このため、基本波周波数の等価回路において、キャパシタCp’よりもトランジスタ1に近いキャパシタCp’に対して直列に抵抗素子Rが接続される。この結果、他方の金属電極6fに薄膜抵抗を接続した増幅器よりも、基本波周波数における高調波処理回路の通過損失を低減して、増幅器102の利得の低下を最小限に抑えることができる。
なお、薄膜抵抗7は、一方の金属電極6eの一部に設けたものとしても良い。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 トランジスタ(能動素子)、2a,2b ワイヤ、3a,3b,3c,3d 伝送線路、4a,4b 誘電体基板、5 入力端子、6a,6b,6c,6d 櫛型電極、6e,6f 金属電極、7,7a 薄膜抵抗、8 出力端子、9 絶縁体層、61a,61b 歯部、62a 背骨部、100,101,102 増幅器、C,Cp1,Cp2,Cp1’,Cp2’ キャパシタ、L1,Lw1 インダクタ、R 抵抗素子。

Claims (8)

  1. 入力信号を増幅する能動素子と、
    前記入力信号が入力される入力端子と前記能動素子との間に接続したインダクタと、該インダクタに対して並列に接続したキャパシタとを有し、前記能動素子の動作周波数に対する高調波周波数によって並列共振状態に設定してなる並列共振回路と、
    前記キャパシタに対して直列に接続した抵抗素子と、
    を具備し、
    前記キャパシタは、間隙部を介して互いに対向した1対の櫛形電極からなるインターデジタルキャパシタで構成し、
    前記抵抗素子は、いずれか一方の前記櫛形電極に設けた薄膜抵抗で構成したことを特徴とする増幅器。
  2. 前記薄膜抵抗は、1対の前記櫛形電極のうち前記能動素子により近い前記櫛形電極の一部に設けたことを特徴とする請求項記載の増幅器。
  3. 入力信号を増幅する能動素子と、
    前記入力信号が入力される入力端子と前記能動素子との間に接続したインダクタと、該インダクタに対して並列に接続したキャパシタとを有し、前記能動素子の動作周波数に対する高調波周波数によって並列共振状態に設定してなる並列共振回路と、
    前記キャパシタに対して直列に接続した抵抗素子と、
    を具備し、
    前記キャパシタは、1対の金属電極間に絶縁体層を介在させてなる金属絶縁体金属キャパシタで構成し、
    前記抵抗素子は、いずれか一方の前記金属電極に接続した薄膜抵抗で構成したことを特徴とする増幅器。
  4. 前記薄膜抵抗は、1対の前記金属電極のうち前記能動素子により近い前記金属電極に接続したことを特徴とする請求項記載の増幅器。
  5. 前記インダクタは、前記高調波周波数に対応する波長の4分の1長さ未満の電気長を有する伝送線路で構成したことを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の増幅器。
  6. 前記伝送線路は、細線状の電極を折り曲げてなるメアンダーライン線路で構成したことを特徴とする請求項記載の増幅器。
  7. 前記並列共振回路は、前記動作周波数の2倍又は3倍の前記高調波周波数によって並列共振状態に設定してなることを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の増幅器。
  8. 前記能動素子は、ソース端子を電気的に接地した電界効果トランジスタで構成し、
    前記インダクタは、前記電界効果トランジスタのゲート端子に接続した
    ことを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の増幅器。
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