以下、本発明の光学デバイス、光学デバイスの製造方法および画像表示装置について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
(プロジェクター)
まず、本発明の光学デバイスの第1実施形態を適用した光路偏向素子、および、本発明の画像表示装置の第1実施形態を適用したプロジェクターについて説明する。
図1は、本発明の画像表示装置の第1実施形態を適用したプロジェクターの光学的な構成を示す図であり、図2は、図1に示すプロジェクターの電気的な構成を示すブロック図であり、図3は、図1に示す光路偏向素子(本発明の光学デバイスの第1実施形態)の構成を示す斜視図であり、図4は、図3に示す光路偏向素子のうち、機能部および駆動部周辺を拡大して示す斜視図であり、図5は、図4に示す機能部の平面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、光路偏向素子のうち、図5に図示している面、すなわち、駆動部が載置される面を「裏面」とし、その反対側の面を「表面(おもてめん)」とする。また、図5では、駆動部の一部の図示を省略している。
図1に示すプロジェクター1は、液晶表示素子に表示された画像を拡大投射する投射方式のプロジェクターである。
本実施形態に係るプロジェクター1は、図1に示すように、光源102と、3枚のミラー104a、104b、104cと、2枚のダイクロイックミラー106a、106bと、3枚の液晶表示素子108R、108G、108Bと、ダイクロイックプリズム110と、光路偏向素子2と、投射レンズ系112と、リレーレンズ114と、を備えている。以下、各部の構成について詳述する。
まず、プロジェクター1の光学的な構成について説明する。
光源102としては、例えば、ハロゲンランプ、水銀ランプ、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。また、この光源102としては、白色光が出射するものが用いられる。
3枚のミラー104a、104b、104cは、それぞれ反射によりプロジェクター1内における光路を変換する機能を有する。
一方、2枚のダイクロイックミラー106a、106bは、それぞれ光源102から出射した白色光をR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に分離し、互いに異なる液晶表示素子108R、108G、108Bにそれぞれ分離した光を導く機能を有する。
例えば、ダイクロイックミラー106aは、白色光のうち、Rの波長域の光を透過し、G、Bの波長域の光を反射する機能を有する。これに対し、ダイクロイックミラー106bは、ダイクロイックミラー106aで反射したG、Bの波長域の光のうち、Bの波長域の光を透過し、Gの波長域の光を反射する機能を有する。
なお、ダイクロイックミラー106a、106bによる反射等により、Bの波長域の光の光路長は、他の光の光路長に比べて長くなる。そこで、Bの波長域の光路の途中にリレーレンズ114を設けることにより、光路長のずれを補正している。
液晶表示素子108R、108G、108Bは、それぞれ空間光変調器として用いられる。これらの液晶表示素子108R、108G、108Bは、それぞれR、G、Bの原色に対応する透過型の空間光変調器であり、例えば縦1080行、横1920列のマトリクス状に配列した画素を備えている。各画素では、入射光に対する透過光の光量が調整され、各液晶表示素子108R、108G、108Bにおいて全画素の光量分布が協調制御される。
また、液晶表示素子108R、108G、108Bには、各画素に対応して走査線およびデータ線が設けられている(図示せず)。さらに、走査線とデータ線とが交差する位置に対応して画素電極とこれに対向して配置された共通電極との間には液晶が配置されている(図示せず)。
これらに加え、各液晶表示素子108R、108G、108Bには、図示しない偏光板が設けられている。そして、走査線の選択によってデータ線の電圧が画素電極に印加されると、液晶分子が配向し、透過光を偏光させる。このような液晶分子による偏光と偏光板の配置とを適宜設定することにより、画素ごとに透過光の光量を調整することができる。
液晶表示素子108R、108G、108Bによってそれぞれ空間的に変調された光は、ダイクロイックプリズム110に対し3方向から入射する。入射した光のうち、R、Bの波長域の光は、90°屈折して出射する。一方、Gの波長域の光は、直進して出射する。その結果、ダイクロイックプリズム110から出射する光は、R、G、Bの各原色からなる画像が合成されたフルカラーの画像を含むものとなり、これが光路偏向素子2に入射する。
光路偏向素子2については、後に詳述するが、光学部材を有しており、この光学部材に入射させた光を偏向(シフト)させるか否かを適宜選択することが可能である。
このような光路偏向素子2を透過した光は、投射レンズ系112に入射する。
投射レンズ系112は、複数のレンズが組み合わされた複合レンズ系である。この投射レンズ系112において合成された画像が拡大され、スクリーン8に投射される。
次に、プロジェクター1の電気的な構成について説明する。
本実施形態に係るプロジェクター1は、前述した光路偏向素子2や各液晶表示素子108R、108G、108Bに加え、制御回路120と画像信号処理回路122とを備えている。
制御回路120は、液晶表示素子108R、108G、108Bに対するデータ信号の書き込み動作、光路偏向素子2における光路偏向動作、画像信号処理回路122におけるデータ信号の発生動作等を制御する。
画像信号処理回路122は、図示しない外部装置から供給される画像信号Vidを、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色ごとに分離するとともに、それぞれの液晶表示素子108R、108G、108Bの動作に適したデータ信号Rv、Gv、Bvに変換する機能を有する。変換されたデータ信号Rv、Gv、Bvは、それぞれ液晶表示素子108R、108G、108Bに供給され、それに基づいて液晶表示素子108R、108G、108Bが動作する。
(光路偏向素子の構造)
光路偏向素子2は、図3〜5に示すように、光を偏向させる光学部202と、光学部202の縁部を支持する枠状の可動部204と、可動部204を揺動可能に支持する軸部206と、軸部206が接続されている固定部208と、を備えている。
このうち、光学部202は、軸部206を揺動軸として揺動されることにより、その姿勢が変化するように構成されている。そして、光学部202の姿勢が変化するとともに、光学部202を透過した光の出射方向を変化させる(光路の位置を変化させる)ことができる。これにより、ダイクロイックプリズム110で合成された画像を任意の方向に偏向させる(ずらす)ことができる。
なお、以下の説明では、上述した光学部202、可動部204、軸部206、および固定部208を、まとめて機能部200という。
また、光路偏向素子2は、さらに、光路偏向素子2の全体を保持するとともに、光路偏向素子2をプロジェクター1の内部に固定するための筐体220と、筐体220と光路偏向素子2との間に介在し、これらを互いに固定する筐体取付部224(支持部)と、を備えている。
また、光路偏向素子2は、図3、4に示すように、光学部202を揺動させるように駆動する駆動部230を備えている。この駆動部230によって生じる駆動力により、光学部202が揺動する。
以下、光路偏向素子2の各部の構成について詳述する。
((機能部))
まず、機能部200の各部について説明する。
本実施形態に係る光学部202は、光透過性を有する板状体で構成されており、板状体の板面(互いに対向する主面)が光入射面として機能する。光学部202の光入射面に入射した光は、その入射角度に応じて、光学部202を直進しつつ透過したり、あるいは、屈折しつつ透過する(空間変調する)。したがって、目的とする入射角度になるように光学部202の姿勢を変化させることによって、透過光の偏向方向や偏向量を制御することができる。
なお、本実施形態では、光学部202の表面が光入射面となり、裏面が光出射面となるが、光の入射方向は特に限定されない。
かかる光学部202の構成材料としては、例えば、光透過性を有する材料で構成されたものであれば特に限定されず、水晶、サファイアのような各種結晶材料、ホウケイ酸ガラス(クラウンガラス、白板ガラス、テンパックス(登録商標))、鉛ガラス(フリントガラス)、石英ガラスのような各種ガラス材料、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂のような各種樹脂材料等が挙げられる。これらの中でも、無機系材料が好ましく用いられる。無機系材料によれば、光学部202の弾性率が大きくなり、換言すれば剛性が大きくなり、光学部202において偏向される画像の偏向ムラが抑制される。
また、本実施形態に係る光学部202は、図5に示すように、平面視において矩形状(長方形)をなしている。光学部202の平面視における大きさは、ダイクロイックプリズム110から出射する光線を透過させ得るように適宜設定される。なお、図5およびその他の図では、上下方向をY軸方向とし、左右方向をX軸方向とする。また、X軸を示す矢印の先端側を+(プラス)側といい、基端側を−(マイナス)側という。
この光学部202の縁部を囲うように枠状の可動部204が設けられている。可動部204は、好ましくは光学部202の構成材料よりも弾性率が小さい材料で構成されている。このような材料で構成されることにより、可動部204は、揺動に伴って発生する応力が光学部202自体の不要な振動に繋がるのを、最小限に抑えることができる。すなわち、弾性率が小さい可動部204が光学部202の縁部を囲っていることにより、光学部202の姿勢を変更する際、光学部202に生じる応力を小さく抑え、応力分布に伴って光学部202自体に発生する不要な振動を小さく抑えることができる。その結果、光学部202によって偏向される画像が、意図しない方向に偏向されてしまうのを防止することができる。
可動部204は、X軸方向に沿ってそれぞれ延在している2つの可動部204Xと、Y軸方向に沿ってそれぞれ延在している2つの可動部204Yと、を備えている。したがって、平面視で矩形状をなしている光学部202のうち、X軸方向と平行な縁部は可動部204Xによって支持され、Y軸方向と平行な縁部は可動部204Yによって支持されている。
また、平面視において、各可動部204Yの外側、すなわち、各可動部204Yの光学部202とは反対側には、それぞれ、空隙部205を介して固定部208が設けられている。固定部208は、空隙部205を介して可動部204を囲うように構成された枠状をなしている。これにより、軸部206をより確実に支持することができる。
この固定部208は、X軸方向に沿ってそれぞれ延在している2つの固定部208Xと、Y軸方向に沿ってそれぞれ延在している2つの固定部208Yと、を備えている。
そして、各固定部208Xと各固定部208Yとが、それぞれ端部において互いに接続されている。すなわち、各固定部208Xの一端には一方の固定部208Yの端部が接続され、他端には他方の固定部208Yの端部が接続されている。これにより、各固定部208Xおよび各固定部208Yが枠状に連結されることとなる。
また、2つの可動部204Xのうち、光学部202に対して+Y側に位置する可動部204Xは、その+X側の端部とそれに隣り合う固定部208Yとが軸部206を介して接続されている。軸部206は、空隙部205を跨ぐように配置されており、軸部206によって可動部204が固定部208Yに対して支持されることとなる。
一方、2つの可動部204Xのうち、光学部202に対して−Y側に位置する可動部204Xは、その−X側の端部とそれに隣り合う固定部208Yとが軸部206を介して接続されている。この軸部206も、空隙部205を跨ぐように配置されており、軸部206によって可動部204が固定部208Yに対して支持されることとなる。
以上のように、可動部204と固定部208との間は、2つの軸部206を介して連結される。
なお、2つの軸部206は、2つの軸部206が捻じれて可動部204を揺動させるときの揺動軸A上に配置される。すなわち、揺動軸Aは、平面視で矩形状をなす光学部202の外縁に対して(X軸とY軸の双方に対して)斜めになるように設定されている。この揺動軸Aで可動部204を揺動させることにより、光学部202の姿勢を変化させ、光学部202を透過する光の偏向方向や偏向量を制御することができる。
ここで、図6は、図4に示す機能部の部分拡大斜視図である。なお、図6では、駆動部の一部の図示を省略している。
これらの軸部206は、図6に示すように、可動部204Xと固定部208Yとの間を隔てる空隙部205を跨ぐように設けられた部位である。軸部206のうち、空隙部205に臨む側面2061は、図6に示すように曲面で構成されている。これにより、揺動軸Aで可動部204を揺動させたとき、軸部206内において局所的に応力が集中するのを防止することができる。その結果、軸部206の特性が劣化するのを防ぐことができる。
また、可動部204、軸部206および固定部208は、それぞれ別体のものが接着されることにより構成されていてもよいが、好ましくは一体に形成されている。これにより、可動部204と軸部206との接続部や固定部208と軸部206との接続部の耐衝撃性や長期耐久性を高めることができる。
また、可動部204と同様、軸部206および固定部208も、それぞれ光学部202の構成材料より弾性率が小さい材料(以下、省略して「低弾性率材料」ともいう。)で構成されているのが好ましく、具体的には樹脂材料で構成されているのが好ましい。これにより、軸部206には、可捻性(捻ることができる性質)が付与されるとともに、固定部208には、可撓性(撓むことができる性質)が付与される。その結果、揺動軸Aを中心に光学部202および可動部204を十分な揺動角で揺動させることができる。
一方、光学部202には、その変形が抑えられるとともに、駆動部230による駆動力を可動部204全体に的確に伝達する機能が付与される。このため、光学部202および可動部204が揺動するときの変位量が安定し、光学部202を透過する光を目的とする方向に偏向させたり、目的とする量だけ偏向させたりすることができる。
また、低弾性率材料は、特に樹脂材料であるのが好ましい。樹脂材料は、比較的弾性が大きいため、揺動に伴って光学部202に発生する不要な振動を減衰させることに寄与する。すなわち、可動部204を樹脂材料で構成することにより、揺動に伴って発生する応力分布に基づく光学部202の不要な振動を小さく抑えることができる。その結果、光学部202によって偏向される光が、意図しない方向に偏向されてしまうのを防止することができる。
このような樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を含むものが用いられる。
なお、低弾性率材料の引張弾性率(ヤング率)は、光学部202の構成材料より弾性率が小さい材料であればよいが、好ましくは所定の範囲内に設定される。
具体的には、低弾性率材料の引張弾性率を1としたとき、光学部202の構成材料の引張弾性率は7以上であるのが好ましく、10以上40以下であるのがより好ましく、26以上31以下であるのがさらに好ましい。引張弾性率の比が前記範囲内になるように低弾性率材料と光学部202の構成材料とを適宜選択することにより、光学部202の揺動容易性と揺動時の変位量の安定性とを両立させることができる。すなわち、低弾性率材料の引張弾性率に対する光学部202の構成材料の引張弾性率の比が前記下限値を下回ると、揺動条件によっては、光学部202の剛性が十分でなくなるため、駆動部230による駆動力が減衰し易くなったり、低弾性率材料の引張弾性率が相対的に大きくなり、軸部206が捻られ難くなって揺動時の変位量が小さくなったりするおそれがある。一方、低弾性率材料の引張弾性率と光学部202の構成材料の引張弾性率との比が前記上限値を上回ると、揺動条件によっては、低弾性率材料の引張弾性率が相対的に小さくなり、軸部206の耐久性が低下するおそれがある。
なお、低弾性率材料の引張弾性率は、例えば、0.1GPa以上10GPa以下程度であるのが好ましく、0.5GPa以上7GPa以下程度であるのがより好ましい。低弾性率材料の引張弾性率を前記範囲内に設定することで、可捻性に優れた軸部206を実現するとともに、重力の影響を抑えつつ光学部202の姿勢を保持し得る一定の剛性を有する可動部204を実現することができる。また、この材料を固定部208に適用したときには、十分な可撓性を付与することができるので、少なくとも厚さ方向(光学部202の光入射面の法線方向)において十分に撓むことができ、それによって応力集中を緩和し得る固定部208を実現することができる。
また、光学部202の構成材料の引張弾性率は、例えば、20GPa以上1000GPa以下程度であるのが好ましく、30GPa以上200GPa以下程度であるのがより好ましい。光学部202の構成材料の引張弾性率を前記範囲内に設定することで、光学部202の変形を抑えるとともに、駆動部230による駆動力が可動部204全体に的確に伝達される。このため、光学部202の揺動時の変位量が安定し、光学部202を透過する光を目的とする方向に偏向させたり、目的とする量だけ偏向させたりすることができる。
光学部202によって偏向を受ける画像を構成する画素群は、通常、X軸に平行して配列した画素の列がY軸に沿って並んでできる画素の集合体である。すなわち、この画素群は、XY平面に行列状に配置されている。この画素数は、特に限定されないが、例えばX軸方向に1920列、Y軸方向に1080列とされる。
このように画素が行列状に配置されてなる画像(画素群)は、光学部202を透過する際に偏向を受けるが、上述したように光学部202の揺動軸AがX軸とY軸の双方に対して斜めに傾いていると、画像の偏向方向もX軸とY軸の双方に対して斜め方向に沿うこととなる。これにより、例えばスクリーン8に投射される画像が矩形状である場合、その画像を、縦と横の双方に対して斜めにずらすことができる。その結果、画像の縦と横の解像度を、それぞれ実質的に増やすことができるので、例えば液晶表示素子108R、108G、108Bの画素数を増やすことなく、投射される画像の高解像度化を図ることができる。
また、2本の軸部206は、光学部202の平面視における中心に対して点対称の関係を満足する位置に配置されているのが好ましい。これにより、揺動のバランスが良好になり、光学部202を安定的に揺動させることができるようになるので、画像の偏向挙動も安定することとなる。その結果、解像度の高い画像を安定的に投射することができる。
なお、本実施形態に係る可動部204は、光学部202の縁部全体を囲うように構成されているが、必ずしも全体を囲っている必要はなく、例えば一部が欠損していてもよい。
ここで、図7は、図5に示す機能部200のうち、光学部202のみを図示した斜視図であり、図8は、図5に示す機能部200のうち、光学部202を除く部分を裏面側から図示した平面図であり、図9は、図8に示す機能部200の斜視図であり、図10は、図5の揺動軸Aに沿って機能部200を切断したときの切断面である。なお、図9では、駆動部230の図示を省略している。また、以下の説明では、図10の上下方向(すなわち、光学部202の光入射面の法線方向)の長さのことを「厚さ」ともいう。
図8、9に示す可動部204は、前述したように、光学部202の縁部を囲うように枠状をなしている。具体的には、可動部204は、枠状をなす可動部枠体2042と、可動部枠体2042の内側に位置し、可動部枠体2042を厚さ方向に貫通する可動部貫通孔2044と、可動部枠体2042から可動部貫通孔2044側へ突出している突出部2046と、を備えている。
具体的には、可動部枠体2042は、図8に示すように、可動部貫通孔2044に臨む側面2042aを有している。この側面2042aは、可動部枠体2042の表面と裏面とを可動部貫通孔2044内において繋ぐ側面や、可動部枠体2042の裏面と突出部2046とを可動部貫通孔2044内において繋ぐ側面等である。
また、可動部貫通孔2044は、図7に示す光学部202を挿入可能な大きさで形成されている。なお、光学部202は、その光入射面の法線と可動部貫通孔2044の軸線とが平行になるように挿入され、配置される。
一方、突出部2046は、可動部枠体2042の側面2042aの一部を、可動部貫通孔2044側に張り出させて(突出させて)なる構造体である。すなわち、突出部2046は、側面2042aに沿って設けられ、平面視(光学部202の光入射面の法線方向からの平面視)において、可動部貫通孔2044の面積を小さくするように設けられている。このようにして可動部貫通孔2044の平面視における面積を小さくすることにより、可動部貫通孔2044には、光学部202を配置することができる凹状の配置部207が形成される。この凹状の配置部207は、この配置部207に光学部202を配置すると、光学部202の表面が突出部2046の裏面に当接するため、これによって光学部202の表面を支持することができる。すなわち、突出部2046の裏面は、光学部202が配置される配置面2046aとなる。このようにして光学部202が可動部204に支持される。したがって、配置面2046aは、凹状の配置部207の底面に相当し、可動部枠体2042の側面2042aは、凹状の配置部207の内側面に相当する。
可動部枠体2042と光学部202との間は、例えば、接着剤、粘着剤、はんだ、ろう材等の各種接続手段(以下、省略して「接着剤等」という。)を介して機械的に接続されている。これらの接着剤等は、未硬化の状態で可動部枠体2042と光学部202との間に供給され、硬化反応や固化反応等を経て接続に必要な接着力を得ている。
ところで、本実施形態に係る突出部2046は、側面2042aの全体に沿って設けられているのではなく、図9、10に示すように、一部に欠損部2047を有している。このため、突出部2046においては、その裏面と光学部202の表面とが当接することによって光学部202が支持されている一方、欠損部2047では、光学部202が支持されていない。
ここで、この欠損部2047は、平面視において、可動部枠体2042の側面2042aのうち、揺動軸Aと重なる位置に設定されている。換言すれば、欠損部2047は、平面視において、光学部202と軸部206との間に設定されている。したがって、光学部202が配置される配置面2046aは、光学部202と軸部206との間に設けられないように構成されている。
このようにすることで、光学部202の側面202a(図7参照)と可動部枠体2042の側面2042a(図9参照)との隙間に接着剤等を供給したとき、欠損部2047を介して、隙間の空気を効率よく排出することができる。すなわち、光学部202と可動部枠体2042との隙間に接着剤等を供給した際に、隙間の空気が押し出されるために必要な経路を、欠損部2047において確保することができる。このため、接着剤等の内部に気泡が残留し難くなり、接着剤等の厚さを十分に確保することができる。これにより、接着剤等には温度変化に対する十分な許容性が確保される。その結果、例えば光路偏向素子2に温度変化が生じた場合であっても、接着剤等が割れたり、光学部202が可動部枠体2042から剥がれたりする不具合の発生を抑制することができる。
そして、このような光路偏向素子2は、温度変化が生じた場合であっても、可動部204の揺動特性に優れたものとなる。このため、かかる光路偏向素子2は、目的とする偏向方向や偏向量を得ることができ、投射される画像の高解像度化を図ることができる。
なお、本実施形態に係る機能部200は、光学部202を挟んで配置された2つの軸部206を備えているので、これに合わせて、欠損部2047も2つ設けられている。
また、欠損部2047は、光学部202と軸部206との間に設定されていればよいが、その長さ、すなわち、可動部枠体2042の側面2042aに沿う欠損部2047の長さは、軸部206の幅(揺動軸Aと直交する方向の長さ)に応じて適宜設定される。
例えば、軸部206の幅を1としたとき、欠損部2047の長さは2倍以上3倍以下程度であるのが好ましい。欠損部2047の長さを前記範囲内に設定することにより、揺動軸Aを中心にして揺動する光学部202を安定的に支持するために必要な接着力を十分に確保することができる。すなわち、接着剤等の内部に気泡の発生が抑制される長さを、軸部206の幅に対して十分に確保することができるので、共振周波数によらず、光学部202を安定的に支持することができる。その結果、光学部202が傾いたり、剥がれたりするのを抑制することができる。
また、配置面2046aは、上述したように、可動部枠体2042の側面2042aに沿って設けられた帯状の面である。この配置面2046aの幅W(長手方向に直交する長さ)は、特に限定されないが、光学部202の最大長さを1としたとき、0.005以上0.2以下程度であるのが好ましく、0.02以上0.1以下程度であるのがより好ましい。配置面2046aの幅Wを前記範囲内に設定することにより、光学部202を光が透過し得る面積(有効面積)を十分に確保しつつ、光学部202を安定的に支持することができる。
図10には、光学部202の側面202a(図7参照)と可動部枠体2042の側面2042a(図9参照)との間、および、配置面2046aと光学部202との間に、それぞれ接着剤210が充填されている様子を図示している。
側面202a(図7参照)と側面2042a(図9参照)との間に設けられた接着剤210の表面側および裏面側は、それぞれ図10に示すように空間に開放されているので、仮に未硬化の接着剤210を充填する作業の際に空気が巻き込まれてしまった場合でも、その空気を空間に逃し易い。このため、硬化後の気泡の残留が発生し難くなり、硬化後の接着剤210の接着力が低下するのを抑制することができる。
なお、接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、紫外線硬化型接着剤(UV接着剤)等が挙げられる。また、接着剤には、必要に応じてフィラー等が添加されていてもよい。
また、図示した配置面2046aは、2つの欠損部2047以外の部分では連続的に設けられているが、途中で途切れていてもよい。
また、配置面2046aは、平坦面である必要はなく、例えば粗面化処理が施されていてもよい。さらに、配置面2046aは、光学部202の表面に対して平行な面であってもよいが、傾斜した面(非平行な面)であってもよい。
また、配置面2046aと光学部202との間については、接着剤210が省略されていてもよい。
ここで、図11は、図4に示す機能部を表面側から見たときの部分拡大斜視図である。なお、以下の説明では、図11中のX軸とY軸の双方と直交する方向の長さのことを「厚さ」ともいう。
図4に示す機能部200を、図4に図示した裏面とは反対側、すなわち表面側から見た場合について、図11に基づいて説明する。固定部208Yのうち、軸部206を支持している部分の表面208aは、図11に示すように、機能部200の中で最も表面側に突出している。一方、本実施形態では、機能部200の裏面は平坦面になっている。このため、固定部208Yのうち、この表面208aに対応する部分は、最も厚さが大きくなっている。したがって、表面208aに対応する固定部208Yの厚さが大きいことにより、可動部204の揺動運動に対する軸部206の固定端として機能しやすくなり、揺動の共振周波数を高く設定することができる。共振周波数が高いと、光路偏向素子2としての応答速度が高くなり、高画質化することができる。
また、固定部208Yの表面のうち、上述した表面208aの固定部208X側に隣り合う表面208bは、表面208aから固定部208Xまでの間で、表面208aから離れるにつれて裏面側に近づくように傾いており、その分、固定部208Yの厚さが徐々に小さくなるように構成されている(図11参照)。
さらに、固定部208Xは、第1部分208Xaと、第1部分208Xaの外側、すなわち第1部分208Xaよりも揺動軸Aから遠い側に位置する第2部分208Xbと、を有している。そして、上述した傾斜している表面208bは、第1部分208Xaの表面に連続している。
一方、固定部208Yの表面のうち、図11に示す固定部208Xとは反対側に隣り合う(図11の表面208aに対して+Y側に隣り合う)表面208cは、表面208aよりも裏面側に位置しており、その分、固定部208Yの厚さが小さくなるように構成されている。なお、表面208aと表面208cとの間には、段差が設けられている。
このように構成されている結果、固定部208Yの厚さは、軸部206を支持している部分の表面208aからY軸方向に沿って(固定部208Yの延伸方向に沿って)離れるにつれて、連続的または段階的に小さくなっている。
可動部204は、それ自体が揺動するため、その厚さが固定部208Yに比べて小さくなっている。これにより、質量の低減が図られ、より小さな駆動力であっても可動部204を容易に揺動させることができるようになる。
また、軸部206の厚さも、固定部208Yに比べて小さくなっている。これにより、軸部206がより捻られ易くなり、より小さな駆動力であっても十分な揺動変位量を確保することができる。
一方、固定部208Yは、その横断面(延伸方向に直交する面での切断面)が厚さ方向に細長い形状になるよう構成されている。すなわち、固定部208Yの横断面形状は、厚さ方向に長軸を有する細長い形状になっている。そして、固定部208Yのうち、表面側の端部は、図10に示すように、軸部206と接続されている。この部分を「軸部接続部208d」とする。
これに対し、固定部208Yのうちの裏面側の端部は、図10に示すように、軸部206に接続されておらず、自由端になっている。この部分を「自由端部208e」とする。
ここで、駆動部230により、固定部208Yに対して駆動力が付与されると、軸部206が捻られるように揺動するが、軸部206の捻られる角度(揺動角)が大きくなるにつれて、固定部208Yにも駆動力が波及する。前述したように、固定部208Yの厚さは、軸部206の厚さよりも大きくなるように設定され、かつ、固定部208Yの厚さ方向の一部は自由端部208eになっているため、固定部208Yに波及した駆動力は、固定部208Yをその厚さ方向(図10の上下方向)やX軸方向(図8の左右方向)に変位させる。この結果、固定部208Yが変位しない場合に比べて、すなわち、固定部208Yに可撓性が付与されていない場合に比べて、固定部208Y内において局所的な応力の集中が緩和されることとなり、応力集中に伴う機能部200の特性の劣化を抑制することができる。また、本実施形態に係る固定部208Yは、厚さ方向に変位するだけでなく、自由端部208eが図8の左右方向に変位することによっても、応力集中の緩和に寄与する。
加えて、軸部206や固定部208Yにおける応力集中を緩和することによって、機能部200に衝撃が加わったときの耐久性、すなわち耐衝撃性の向上を図ることができる。これは、軸部206や固定部208Yに発生する応力の低減を図った結果、衝撃によって新たに発生する応力を許容し得る幅が広げられるためである。その結果、信頼性の高いプロジェクター1を得ることができる。
さらに、軸部206や固定部208Yにおける応力集中を緩和することによって、機能部200の温度が上昇したときでも、機能部200の駆動特性が低下するのを抑制することができる。これも、軸部206や固定部208Yに発生する応力の低減が図られることにより、温度上昇に伴って発生する熱応力の許容幅が広くなることに起因する効果である。
なお、固定部208Yのうち、軸部206を支持している部分の厚さが、それに隣り合う部分の厚さより大きいことにより、自由端部208eが変位する際の変位量をより大きく確保することができる。すなわち、固定部208Yは、単に軸部206を支持する機能を有するのみでなく、可動部204を揺動させる「梁」としての機能も兼ね備える。このため、自由端部208eをより大きく変位させることができ、その分、固定部208Y内に発生する応力の緩和幅をより大きくすることができる。
また、固定部208Yを、軸部206が捻られることに連動させ、上述したように積極的に変位させることによって、軸部206の揺動角を補うことができる。すなわち、軸部206自体の揺動角を大きくしなくても、固定部208Yが変形することにより、その分、機能部200全体における揺動角を大きくすることができる。
ここで、図12および図13は、それぞれ図4に示す機能部が、揺動軸Aを中心に揺動したときの変位の様子をシミュレーションした図である。なお、図12および図13では、揺動における変位量を強調して図示している。また、図12および図13は、図示する際の視点の位置が互いに異なっている。
図12および図13に示すように、光学部202および可動部204は、その形状を維持しながら、軸部206を通過する揺動軸Aを中心にして揺動する。このとき、図12に矢印Bで示しているように、固定部208Yの自由端部208eが、図12の左方に湾曲するように変位している。矢印Cで示している部位も同様に、固定部208Yの自由端部208eが、図12の左方に湾曲するように変位している。
また、矢印Dで示すように、図13には、固定部208Yの自由端部208eが厚さ方向(図13に示す矢印Dの部位では上方)にも変位する様子が示されている。このように自由端部208eが変形することにより、軸部206の揺動角を補うことができる。その結果、前述したように、軸部206が短くて十分な揺動角を確保することが難しい場合であっても、機能部200全体でもって十分な揺動角を確保することができる。
換言すれば、仮に固定部208Yが上述したように変位することができない場合(固定部208Yが全体で固定されている場合等)、軸部206のみで必要な変位量を賄う必要がある。この場合、軸部206内に発生する応力が大きくなり過ぎないようにするためには、軸部206の長さを十分に長くしなければならない。しかしながら、軸部206を長くすると、機能部200の大型化を招き、ひいては、プロジェクター1の大型化を招いてしまうという問題がある。
これに対し、固定部208Yが上述したように変位することができれば、軸部206が短い場合でも、十分な揺動角が確保されることとなる。これにより、応力の増加を抑制しつつ軸部206の短縮化が図られ、ひいては機能部200およびプロジェクター1の小型化が図られる。
また、固定部208Yのうち、光学部202側に臨む側面208fは、図10に示すように、固定部208Yの表面および裏面に対して傾いている。すなわち、固定部208Yの側面208fは、自由端部208e側から軸部接続部208d側に向かうにつれて、X軸方向の長さが徐々に大きくなるように傾斜した傾斜面になっている。このように構成することで、固定部208Yと軸部206との接続部に応力が集中し難くなり、固定部208Yや軸部206の特性の劣化を抑制することができる。
なお、固定部208Yの側面208fは、必ずしも、固定部208Yの表面および裏面に対して傾いていなくてもよい(固定部208Yの表面および裏面に対して垂直であってもよい)。
また、軸部206のX軸方向における長さL1は、機能部200の大きさに応じて適宜設定され、特に限定されないが、0.2mm以上5mm以下程度であるのが好ましく、0.5mm以上3mm以下程度であるのがより好ましい。
一方、軸部206の厚さt1も、機能部200の大きさに応じて適宜設定されるが、0.5mm以上7mm以下程度であるのが好ましく、1mm以上5mm以下程度であるのがより好ましい。
さらに、軸部206の長さL1と厚さt1との比L1/t1は、0.2以上3以下程度であるのが好ましく、0.3以上1以下程度であるのがより好ましく、0.4以上0.8以下程度であるのがさらに好ましい。これにより、軸部206の機械的特性が劣化するのを抑制しつつ、可捻性に優れた軸部206が得られる。
また、固定部208Yの側面208fは、軸部206の裏面2062と連続していてもよいが、図6、10に示すように、固定部208Yの側面208fと軸部206の裏面2062との間には、固定部208Yに沿って設けられたステップ208gが設けられているのが好ましい。このようなステップ208gを設けることにより、固定部208Yと軸部206との接続により応力が集中し難くなる。なお、ステップ208gは、固定部208Yの裏面と平行な面であり、かつ、軸部206の裏面2062と同一の面である。
ステップ208gのX軸方向における長さL2は、機能部200の大きさに応じて適宜設定され、特に限定されないが、0.03mm以上2mm以下程度であるのが好ましく、0.1mm以上1mm以下程度であるのがより好ましい。長さL2を前記範囲内に設定することで、固定部208Yと軸部206との接続部に対する応力集中をより緩和することができる。
また、ステップ208gの長さL2と軸部206の長さL1との比L2/L1は、0.05以上0.8以下程度であるのが好ましく、0.1以上0.5以下程度であるのがより好ましい。
また、固定部208Yの裏面のX軸方向における長さL3も、機能部200の大きさに応じて適宜設定され、特に限定されないが、0.3mm以上5mm以下程度であるのが好ましく、0.5mm以上2mm以下程度であるのがより好ましい。
一方、固定部208Yの最大厚さt2も、機能部200の大きさに応じて適宜設定されるが、2mm以上10mm以下程度であるのが好ましく、3mm以上7mm以下程度であるのがより好ましい。
さらに、固定部208Yの長さL3と最大厚さt2との比L3/t2は、0.05以上0.8以下程度であるのが好ましく、0.1以上0.5以下程度であるのがより好ましい。これにより、固定部208Yの自由端部208eには、十分な変位量が付与されることとなる。その結果、固定部208Y内において局所的な応力の集中が特に緩和されるとともに、軸部206の揺動角をより容易に大きくすることができる。
なお、図5に示す機能部200のY軸方向の全長をL4とすると、全長L4は、特に限定されないが、一例として20mm以上150mm以下程度であるのが好ましく、40mm以上90mm以下程度であるのがより好ましい。
また、図5に示す長さL5および長さL6は、それぞれ特に限定されないが、10mm以上80mm以下程度であるのが好ましく、20mm以上65mm以下程度であるのがより好ましい。
また、図5に示す長さL7および長さL8は、それぞれ特に限定されないが、5mm以上70mm以下程度であるのが好ましく、10mm以上60mm以下程度であるのがより好ましい。なお、長さL7と長さL8との比L7/L8は、例えば、液晶表示素子108R、108G、108Bのアスペクト比に応じて適宜設定される。
また、図5に示す長さL9は、特に限定されないが、3mm以上40mm以下程度であるのが好ましく、5mm以上30mm以下程度であるのがより好ましい。
また、図5に示す長さL10は、特に限定されないが、10mm以上80mm以下程度であるのが好ましく、20mm以上60mm以下程度であるのがより好ましい。
また、図11に示す固定部208Yの表面208aとそれに隣り合う表面208cとの段差の高さt3は、特に限定されないが、0.1mm以上2mm以下程度であるのが好ましく、0.2mm以上1mm以下程度であるのがより好ましい。
((筐体))
筐体220は、平板状をなす底部221と、底部221の縁部から立脚する2つの脚部222と、を備えている。
底部221は、平面視で矩形状をなしており、上述した機能部200の表面側に位置している。
脚部222は、底部221の四辺のうち、対向する2辺の縁部からそれぞれ立脚する凸条である。そして、2つの脚部222に挟まれるように機能部200が載置されている。
また、図示しないものの、底部221には貫通孔が形成されており、光学部202を透過する光がこの貫通孔を通過し得るようになっている。これにより、光学部202によって偏向された光の伝搬が底部221によって妨げられるのを防止している。
なお、底部221が透光性を有している場合には、上述した貫通孔は必ずしも必要ない。
筐体220の構成材料は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。
この筐体220と機能部200とを機械的に接続するのが筐体取付部224である。図3に示す筐体取付部224は、平面視で枠状をなす枠体部225と、枠体部225の一部が外側(枠体部225の外側)に向かって延出してなる延出部226と、を備えている。
枠体部225は、その一部が機能部200の固定部208Xと機械的に接続されるように構成されている。一方、延出部226は、前述した筐体220の脚部222と機械的に接続されている。枠体部225と固定部208Xとの間、または、延出部226と脚部222との間に、制振ワッシャー等の制振部材(図示せず)を設けて、それぞれを機械的に接続してもよい。これにより、機能部200の揺動時の振動を筐体220に伝達しにくくすることができる。
このように、機能部200は、固定部208Xにおいて筐体220に固定されることになるため、固定部208Yが直接、筐体220に固定されるのを避けることができる。これにより、固定部208Yを前述したように十分な変位量で変位させることができ、局所的な応力集中を伴うことなく必要な揺動角で光学部202を揺動させることができる。
なお、筐体220に対する機能部200の固定方法は、上述した筐体取付部224を用いた方法に限定されず、例えば、筐体取付部224を省略して機能部200の固定部208Xを筐体220に直接固定するようにしてもよい。この場合においても、固定部208Xと筐体220との間に制振部材を設けて機械的に接続してもよい。
また、機能部200と筐体取付部224との接続方法、および、筐体取付部224と筐体220との接続方法は、それぞれ特に限定されないが、例えばネジのような接続具を用いた方法、接着剤や接着テープを用いた方法等が挙げられる。
また、本実施形態に係る固定部208は、枠状をなしているが、このような形状に限定されず、軸部206を支持し得る形状であればいかなる形状であってもよい。
((駆動部))
次に、駆動部230について説明する。
本実施形態に係る駆動部230は、2つの可動部204Xのうちの一方の裏面に固定された磁石232と、固定部208Xに固定された環状にコイル234と、コイル234と固定部208Xとの間に介在しコイル234を固定部208Xに対して取り付けるコイル取付部236と、を備えている。
磁石232は、例えば永久磁石で構成される。磁石232を可動部204Xに固定することにより、磁界を発生させることができ、コイル234から発生する磁界との磁気的相互作用によって可動部204Xに駆動力を発生させることができる。
永久磁石としては、例えば、ネオジム(FeNdB)磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、FeCo系磁石等が挙げられる。
コイル234は、環状をなしており、例えば層状巻線コイル、ボイスコイルで構成される。このコイル234は、空芯であってもよく、任意のコアを含むものであってもよい。
また、コイル234の一方の面が、コイル取付部236に固定されている。これにより、磁石232とコイル234との間で磁気的相互作用が生じ、磁石232に駆動力が発生する。なお、この駆動力によって磁石232を備える可動部204が揺動し得るように、磁石232とコイル234との間には所定の間隙が設けられている。
このような本実施形態に係る駆動部230は、磁石側が揺動する、いわゆるムービングマグネット型の電磁アクチュエーター方式を採用するものであるが、かかる駆動方式は特に限定されず、コイル側が揺動する、いわゆるムービングコイル型の駆動方式を有するものであってもよい。
図14(a)は、可動部204とそれに固定された磁石232とを模式的に示す平面図であり、図14(b)は、図14(a)に示す磁石232とそれに対応するように設けられたコイル234とを模式的に示す側面図である。
図14(b)に示すコイル234に電圧が印加されると、その印加方向と磁石232から発生する磁界の方向とによって、磁石232を図14(b)の上方または下方に駆動する力が発生する。例えば、図14(b)に示すようにN極およびS極を発生させると、コイル234に近づくように磁石232を駆動することができる。
なお、このような図14(a)、(b)に示す駆動部230は、本実施形態に係る駆動部である。また、図14(c)〜(h)に示す駆動部230は、それぞれ電磁アクチュエーター方式を採用する駆動部230の他の構成例である。
図14(a)、(b)に示す駆動部230は、磁石232やコイル234を揺動軸Aに対して非対称に配置し、可動部204にモーメントを付加することによって駆動するタイプの駆動部である(軸非対称・モーメント型)。
一方、図14(c)、(d)に示す駆動部230は、軸非対称・モーメント型というタイプ分けの観点から言えば、図14(a)、(b)に示す駆動部230と同等であるが、可動部204における磁石232の配置が異なっている点で相違している。すなわち、図14(c)、(d)に示す駆動部230では、可動部204のうち、揺動軸Aから最も離れた位置に磁石232が配置されている。これにより、小さな磁力でも可動部204を容易に駆動することができる。
また、図14(e)、(f)に示す駆動部230では、可動部204の面方向と平行に磁力線が放出されるように、モーメント型の駆動部230とは磁石232のN極およびS極の位置を異ならせている。さらに、コイル234についても、その巻き軸が可動部204の面方向と平行になるように、モーメント型の駆動部230とはコイル234の向きを異ならせている。磁石232およびコイル234をこのように配置することによっても、磁石232に対して駆動力を付与することができる(軸非対称・トルク型)。なお、コイル234には、巻き線2341とコア2342とを有するものが好ましく用いられる。
一方、図14(g)、(h)に示す駆動部230では、トルク型というタイプ分けの観点から言えば、図14(e)、(f)に示す駆動部230と同等であるが、可動部204における磁石232の配置が異なっている点で相違している。すなわち、図14(g)、(h)に示す駆動部230では、可動部204のうち、揺動軸Aに対して線対称の関係を満足するように磁石232が配置されている。これにより、駆動の周波数を高め易いという利点がある(軸対称・トルク型)。
なお、駆動部230の駆動方式は、上述した方式に限定されず、圧電駆動方式や、その他の駆動方式であってもよい。
また、駆動部230が設けられる位置や数も、図示のものに限定されず、例えば、1つの可動部204に対して複数の駆動部230を対応させるようにしてもよい。
また、駆動部230のサイズは、特に限定されないが、例えば図5に示す矩形状をなす磁石232の場合、短辺の長さが1mm以上10mm以下程度であるのが好ましく、長辺の長さが5mm以上30mm以下程度であるのが好ましい。
(光路偏向素子の作動)
次に、光路偏向素子2の作動について説明する。なお、光路偏向素子2の作動については、例えば、特開2012−013766号公報等に説明された作動と同様であればよい。
図15および図16は、それぞれ図3に示す光路偏向素子が光を偏向させる原理を説明するための図である。
コイル234に電圧を印加していないとき、光路偏向素子2では、光学部202は揺動しないので、図15に破線で示すように、光学部202に入射された光81の入射角は直角になり、屈折することなく直進する光82となって出射する。
一方、コイル234に所定の電圧を印加すると、光学部202は、例えば図15に実線で示すように傾き、この状態にある光学部202に入射された光81は、光学部202を透過する際に屈折し、光83となって出射する。この光83は、空間上で光82とずれているため、光83で形成される画像は、光82で形成される画像からずれた状態でスクリーン8に投射されることとなる。
図16は、縦4行、横4列の行列状に画素を配置した画像84および画像85を示している。画像84は、図15に示す光82により形成された画素841の集合体であり、一方、画像85は、図15に示す光83により形成された画素851の集合体である。
図16は、光学部202の揺動により、画像84を画像85へとずらした例である。この際のずらし量は、画素841のピッチの半分になっている。この結果、スクリーン8に投射された画像85の画素数は、画像84の画素数の2倍になり、画像の高解像度化が図られることとなる。
また、前述したように、画像85は、画素841の配列方向に対して斜めにずらされている。このため、画像85の画素数は、縦も横も実質的に2倍になっている。
なお、光路偏向素子2による画像のずらし量は、画素のピッチの半分に限定されず、例えば4分の1や8分の1等であってもよい。
(光路偏向素子の製造方法)
次に、本発明の光学デバイスの製造方法の実施形態を適用した光路偏向素子2の製造方法について説明する。
図17、図18は、図5に示す光路偏向素子2の製造方法を説明するための図である。
本実施形態に係る光路偏向素子2の製造方法は、[1]配置部207(可動部貫通孔2044)のうち、欠損部2047の少なくとも一部の側面に接着剤を供給する工程(第1の工程)と、[2]光学部202の側面202aに接着剤を塗布する工程(第5の工程)と、[3]配置部207内に光学部202を配置する工程(第2の工程)と、[4]接着剤を供給した欠損部2047の側面に向かって光学部202を片寄せする(押しつける)工程(第3の工程)と、[5]光学部202を片寄せすることによって増加した隙間に接着剤を供給する工程(第4の工程)と、[6]第1の工程および第4の工程において供給された接着剤を硬化させる工程(第6の工程)と、[7]欠損部2047(配置面2046aが設けられていない第2部分)における配置部207の側面と光学部202との間の隙間に接着剤を供給する工程(第7の工程)と、を有する。
以下、各工程について詳述する。
[1]
まず、突出部2046(配置面2046aが設けられている第1部分)および欠損部2047(配置面2046aが設けられていない第2部分)が設けられている配置部207(可動部貫通孔2044)を備えた可動部204を用意する(図17(a)参照)。
なお、図17(a)に示す可動部204は、軸部206および固定部208とともに一体で形成されている。
次に、配置部207の側面(可動部枠体2042の側面2042a)のうち、欠損部2047の少なくとも一部に接着剤(図示せず)を供給する。なお、図17(a)では、2つの欠損部2047の双方の側面に接着剤を塗布する。図17(a)では、接着剤を塗布した2つの領域を塗布領域G1、G2として図示している。
なお、本実施形態のように、本工程において塗布領域G1、G2の双方に接着剤を塗布してもよいが、塗布領域G1のみに塗布するようにしてもよい。
[2]
次に、配置部207内に光学部202を配置するのに先立って、光学部202の側面202aに接着剤を塗布する(第5の工程)。図18では、接着剤を塗布した領域を塗布領域G3として図示している。これにより、光学部202をより確実に固定することができる。また、塗布された接着剤は、後述する工程[3]において、例えば毛細管現象等を駆動力にして、配置面2046aと光学部202との隙間にも濡れ広がる。これにより、より広い面積で配置面2046aと光学部202とを接着することができる。
なお、図18では、塗布領域G1、G3にドットを付している。
また、本工程において配置面2046aにも接着剤を塗布しておいてもよい。
一方、この第5の工程は、必要に応じて行えばよく、省略されてもよい。
[3]
次に、図17(b)に示すように、配置部207内に光学部202を配置する。これにより、光学部202は、配置面2046aに支持される。
[4]
次に、接着剤を供給した欠損部2047の側面に向かって光学部202を片寄せする(押しつける)。図17(c)では、2つの欠損部2047のうち、塗布領域G1に対応する欠損部2047の2つの側面に向かって光学部202を片寄せする(白抜き矢印参照)。これにより、塗布領域G1に塗布された接着剤は、片寄せされた光学部202の側面と配置部207の側面との間で圧縮され、塗り広げられる。その結果、接着剤をより隅々まで行き渡らせることができる。また、圧縮されることによって、未硬化の接着剤中に巻き込まれている気泡を排出することができる。このとき、欠損部2047は、表面側および裏面側が開放しているため、気泡を効率よく排出することができ、気泡の残留を抑制することができる。
光学部202と可動部204との間に接着剤を十分に充填できるので、接着部の信頼性を確保することができる。すなわち、接着剤等の内部に気泡が残留し難くなり、接着剤等の厚さを十分に確保することができるので、温度変化に対する十分な許容性が確保される。その結果、温度変化が生じた場合であっても、接着剤等が割れたり、光学部202が可動部枠体2042から剥がれたりする不具合の発生を抑制可能な機能部200を製造することができる。
また、接着剤が十分に充填されることで、光学部202と可動部204とで構造の一体性が高まる。このため、光学部202と可動部204との間で、駆動の伝達性を高めることができる。
なお、光学部202を塗布領域G1に向かって片寄せすると、塗布領域G1では光学部202と可動部204の側面との隙間が狭くなる一方、塗布領域G2では光学部202と可動部204の側面との隙間が広くなる(増加する)。
[5]
次に、塗布領域G2の隙間、すなわち、光学部202の片寄せによって増加した隙間に、接着剤を供給する(図17(c)参照)。隙間に供給された接着剤は、いわゆる毛細管現象によって隙間に吸い込まれるとともに、隙間に留まり易い。このため、接着剤を効率よく供給することができる。また、この方法で接着剤が供給されると、気泡の巻き込みが少ないという利点もある。これにより、光学部202と可動部204とで、構造の一体性がより高まる。このため、光学部202と可動部204との間で、駆動の伝達性をより高めることができる。
その後、必要に応じて、隙間からはみ出した接着剤をふき取る。接着剤のふき取りには、必要に応じてアルコール等の有機溶剤を用いることができる。
[6]
その後、必要に応じて、接着剤に硬化処理を施す(第6の工程)。これにより、光学部202を配置部207に対して固定することができる。
硬化処理は、接着剤の組成に応じて適宜選択される処理であり、例えば加熱処理等である。また、所定の時間放置することによって硬化処理を行うこともできる。
[7]
次に、必要に応じて、欠損部2047(配置面2046aが設けられていない第2部分)における配置部207の側面と光学部202との間の隙間に接着剤を供給する(第7の工程)。これにより、例えば前述した硬化処理によって接着剤が収縮していた場合でも、その収縮によって生じた空間を接着剤で埋めることができる。その結果、接着剤中に気泡や隙間が残存してしまうのを抑制することができ、より信頼性の高い光路偏向素子2を製造することができる。
以上のようにして機能部200を製造することができる。
また、その後、機能部200に駆動部230を取り付けるとともに、筐体取付部224を介して機能部200を筐体220に固定する。これにより、光路偏向素子2が得られる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の光学デバイスの第2実施形態を適用した光路偏向素子について説明する。
図19は、本発明の光学デバイスの第2実施形態を適用した光路偏向素子が光を偏向させる原理を説明するための図である。なお、図19において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態に係る光路偏向素子2は、光学部202において光を偏向させる原理が異なる以外、第1実施形態に係る光路偏向素子2と同様である。
すなわち、本実施形態に係る光学部202は、光反射性を有しており、光透過性を有している第1実施形態とこの点で相違する。
コイル234に電圧を印加していないとき、光路偏向素子2では、光学部202は揺動しないので、図19に破線で示すように、光学部202に入射された光81は、破線で示す光82として反射する。
一方、コイル234に所定の電圧を印加すると、光学部202は、例えば図19に実線で示すように傾く。光学部202が傾くと、光学部202に入射する光81の入射角および出射角も変化するため、光81は実線で示す光83として反射する。したがって、目的とする入射角度になるように光学部202の姿勢を変化させることによって、光83(反射光)の偏向方向や偏向量を制御することができる。この光83は、空間上で光82とずれているため、光83で形成される画像は、光82で形成される画像からずれた状態でスクリーン8に投射されることとなる。その結果、かかる光路偏向素子2を備えるプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクターと同様の効果を奏するものとなる。
本実施形態に係る光学部202の構成材料は、光反射性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、シリコン、金属のような光沢を有する材料の他、第1実施形態に係る光学部202の構成材料として挙げた材料に反射膜を付けた部材等が挙げられる。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の光学デバイスの第3実施形態を適用した光スキャナー、および、本発明の画像表示装置の第3実施形態を適用したプロジェクターについて説明する。
図20は、本発明の画像表示装置の第3実施形態を適用したプロジェクターの光学的な構成を示す図である。なお、図20において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態に係るプロジェクター9は、光を走査することにより画像を形成する走査方式のプロジェクターであり、本発明の光学デバイスの第3実施形態を適用した光スキャナー94を備えている以外、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様である。
すなわち、本実施形態に係るプロジェクター9は、レーザー等の光を出射する光源装置91と、クロスダイクロイックプリズム92と、主走査を担う光スキャナー93と、副走査を担う光スキャナー94(本発明の光学デバイスの第3実施形態)と、固定ミラー95と、を有している。
図20に示す光源装置91は、赤色光を照出する赤色光源装置911と、青色光を照出する青色光源装置912と、緑色光を照出する緑色光源装置913とを備えている。
クロスダイクロイックプリズム92は、4つの直角プリズムを貼り合わせて構成され、赤色光源装置911、青色光源装置912、緑色光源装置913のそれぞれから照出された光を合成する光学素子である。
かかるプロジェクター9では、赤色光源装置911、青色光源装置912および緑色光源装置913のそれぞれから、図示しないホストコンピューターからの画像情報に基づいて光が照出され、この光をクロスダイクロイックプリズム92で合成し、この合成された光が、光スキャナー93、94によって走査され、さらに固定ミラー95によって反射され、スクリーン8上にカラー画像を形成するように構成されている。
ここで、光スキャナー93、94の光走査について具体的に説明する。
まず、クロスダイクロイックプリズム92で合成された光は、光スキャナー93によって横方向に走査される(主走査)。そして、この横方向に走査された光は、光スキャナー94によってさらに縦方向に走査される(副走査)。これにより、2次元カラー画像をスクリーン8上に形成することができる。このような光スキャナー94として本発明の光学デバイスを用いることで、優れた描画特性を発揮することができる。
光スキャナー94では、光学部202において光を反射しつつ光路を偏向させることができる。その結果、高解像度を実現することができる。
ただし、プロジェクター9としては、光スキャナー93、94により光を走査し、対象物に画像を形成するように構成されていれば、これに限定されず、例えば、固定ミラー95を省略してもよい。
また、光スキャナー93にも、本発明の光学デバイスが適用されていてもよい。
以上のような第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様の作用、効果が得られる。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の画像表示装置の第4実施形態を適用したヘッドマウントディスプレイについて説明する。
図21は、本発明の画像表示装置の第4実施形態を適用したヘッドマウントディスプレイを示す斜視図である。なお、図21において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図21に示すヘッドマウントディスプレイ300は、眼鏡310と、眼鏡310に搭載された映像出力部90と、を有している。この映像出力部90は、第3実施形態に係るプロジェクター9と同様の構成を有している。そして、映像出力部90により、眼鏡310の本来レンズである部位に設けられた表示部320に、一方の目で視認される所定の画像を表示する。
表示部320は、透明であってもよく、また、不透明であってもよい。表示部320が透明な場合は、現実世界からの情報に映像出力部90からの情報を重ねて使用することができる。
なお、ヘッドマウントディスプレイ300に、2つの映像出力部90を設け、両方の目で視認される画像を、2つの表示部に表示するようにしてもよい。
以上のような第4実施形態においても、第1〜第3実施形態と同様の作用、効果が得られる。
以上、本発明の光学デバイス、光学デバイスの製造方法および画像表示装置について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の光学デバイスおよび画像表示装置では、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができ、また、他の任意の構成を付加することもできる。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明の光学デバイスは、光路偏向素子の他に、例えば光スイッチ、光アッテネーター等にも適用可能である。
また、本発明の画像表示装置は、プロジェクターやヘッドマウントディスプレイ(HMD)の他に、プリンター、ヘッドアップディスプレイ(HUD)等にも適用可能である。