JP6442192B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両が追突される際の乗員移動に備えて座席のヘッドレストを移動させる乗員保護装置に関する。
車両には、後方から衝突される追突時に乗員を保護する乗員保護装置として、ヘッドレストを前方に移動させるヘッドレスト装置が設けられている。このヘッドレスト装置は、追突時にヘッドレストを前方に移動させることにより、乗員の頭部を早期に拘束するようにしている。これにより、追突時における乗員の頸部の反りを抑制することができ、乗員の頸部を保護することが可能となる。ところで、ヘッドレスト装置を有効に機能させるためには、ヘッドレストによって乗員の頭部を適切に拘束する必要がある。そこで、乗員の頭部形状に合わせてヘッドレストの形状や位置を変化させるヘッドレスト装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2008−162430号公報
ところで、特許文献1に記載されるヘッドレスト装置は、乗員の頭部形状によってヘッドレストの位置を変化させるものの、衝突状況に応じてヘッドレストの位置を変化させるものではない。例えば、車両が後方からオフセット衝突された場合には、ヨーモーメントによって車体が回転することから、乗員の頭部がヘッドレストから外れてしまう虞がある。このような衝突状況において、乗員を適切に保護するためには、頭部の移動方向に応じてヘッドレストを適切に移動させることが求められる。
本発明の目的は、ヘッドレストを適切に移動させることにある。
本発明の乗員保護装置は、車両が追突される際の乗員移動に備えて座席のヘッドレストを移動させる乗員保護装置であって、前記ヘッドレストを車幅方向に移動させるアクチュエータと、前記車両と衝突対象物との相対的な位置情報を算出する位置算出部と、前記位置情報の推移に基づいて、前記車両と前記衝突対象物との移動速度差を算出する速度差算出部と、前記位置情報の推移に基づいて、前記車両と前記衝突対象物との相対的な移動方向を算出する移動方向算出部と、前記位置情報の推移に基づいて、前記衝突対象物に対する前記車両の接触部位を予測する接触部位予測部と、前記移動速度差と前記移動方向と前記接触部位とに基づいて、追突時に前記車両に作用する鉛直軸まわりのモーメントを算出するモーメント算出部と、前記モーメントに基づいて、追突による前記車両の回転挙動を予測する回転挙動予測部と、前記回転挙動が閾値を上回る場合に、前記アクチュエータを制御して前記ヘッドレストを車幅方向に移動させるヘッドレスト制御部と、を有する。
本発明によれば、追突による車両の回転挙動を予測し、予測された回転挙動に基づいてアクチュエータを制御している。これにより、追突に伴って車両が回転する場合であっても、乗員の移動方向に合わせてヘッドレストを車幅方向に移動させることができ、乗員を適切に保護することが可能となる。
本発明の一実施の形態である乗員保護装置を備えた車両を示す概略図である。 (a)〜(c)は、車両用シートの作動状態を示す図である。 乗員保護装置の制御系を示す概略図である。 制御ユニットが有する機能の一部を示すブロック図である。 (a)および(b)は、車両に対して衝突対象物が追突する際の接近状況を示すイメージ図である。 車両と衝突対象物との衝突状況を示すイメージ図である。 車両と衝突対象物との衝突状況を示すイメージ図である。 車両と衝突対象物との衝突状況を示すイメージ図である。 車両と衝突対象物との衝突状況を示すイメージ図である。 (a)〜(c)は、見かけの慣性モーメントが回転挙動に与える影響を示すイメージ図である。 ヘッドレスト制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。 (a)および(b)は、追突時におけるヘッドレストの制御状況の一例を示す図である。 (a)および(b)は、追突時におけるヘッドレストの制御状況の一例を示す図である。 (a)および(b)は、追突時におけるヘッドレストの制御状況の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、見かけの慣性モーメントが回転挙動に与える影響を示すイメージ図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である乗員保護装置10を備えた車両11を示す概略図である。また、図2(a)〜(c)は車両用シート12〜15の作動状態を示す図である。
図1に示すように、車両11には、複数の座席つまり車両用シート12〜15が設けられている。図示する場合には、車両用シート12〜15として、右フロントシート12、左フロントシート13、右リヤシート14および左リヤシート15が設けられている。図2(a)〜(c)に示すように、それぞれの車両用シート12〜15は、シートクッション16、シートバック17、およびヘッドレストレイント18(以下、ヘッドレストと記載する。)によって構成されている。また、それぞれの車両用シート12〜15のシートバック17には、ヘッドレスト18を横方向つまり車幅方向に移動させるスライドアクチュエータ(アクチュエータ)A1〜A4が組み込まれている。スライドアクチュエータA1〜A4は、ヘッドレスト18を支持する支持部19と、支持部19を車幅方向に移動させる駆動部20とを有している。図2(a)〜(c)に示すように、スライドアクチュエータA1〜A4を制御することにより、シートバック17に対してヘッドレスト18を車幅方向に移動させることが可能である。すなわち、ヘッドレスト18は、図2(a)に示すように、シートバック中央のセンター位置と、図2(b)に示すように、シートバック中央から車幅方向の一方にずれる第1サイド位置と、図2(c)に示すように、シートバック中央から車幅方向の他方にずれる第2サイド位置とに移動自在である。
図3は乗員保護装置10の制御系を示す概略図である。図1および図3に示すように、乗員保護装置10は、スライドアクチュエータA1〜A4を制御するため、CPUやメモリ等によって構成される制御ユニット21を有している。制御ユニット21には、車両前方を撮像するカメラユニットC1、車両右方を撮像するカメラユニットC2、車両左方を撮像するカメラユニットC3、車両後方を撮像するカメラユニットC4が接続されている。また、制御ユニット21には、右フロントシート12における乗員の有無や体格等を検出する着座センサSe1、左フロントシート13における乗員の有無や体格等を検出する着座センサSe2、右リヤシート14における乗員の有無や体格等を検出する着座センサSe3、左リヤシート15における乗員の有無や体格等を検出する着座センサSe4が接続されている。さらに、制御ユニット21には、各車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ23、車両11の鉛直軸まわりの回転角速度つまりヨーレートを検出するヨーレートセンサ24等が接続されている。
続いて、制御ユニット21の機能について詳細に説明する。図4は制御ユニット21が有する機能の一部を示すブロック図である。図4に示すように、制御ユニット21は、追突時における車両11の回転挙動を予測する車両挙動予測部30と、予測された回転挙動に基づきスライドアクチュエータA1〜A4を制御するヘッドレスト制御部31と、を有している。車両挙動予測部30は、画像処理部32、衝突予測部33、ヨーモーメント算出部34、慣性モーメント算出部35および回転予測部36を備えている。制御ユニット21は、後述するように、位置算出部、速度差算出部、接触部位予測部、回転挙動予測部およびヘッドレスト制御部として機能している。
カメラユニットC1〜C4は、CCDやCMOS等のイメージセンサを内蔵しており、所定周期で撮像した画像データを画像処理部32に送信する。画像処理部32は、カメラユニットC1〜C4から取得した車両周囲の画像データを処理し、車両11の周囲に存在する衝突対象物Xつまり他の車両や障害物等を検出する。また、画像処理部32は、位置算出部として機能する機能部32aと、速度差算出部として機能する機能部32bとを有している。機能部32a,32bを備える画像処理部32は、所定周期毎に画像データから車両11と衝突対象物Xとの相対的な座標等の位置情報を算出し、位置情報の推移に基づいて車両11と衝突対象物Xとの移動速度差を算出する。さらに、画像処理部(移動方向算出部)32は、車両11と衝突対象物Xとの相対的な位置情報の推移に基づいて、衝突対象物Xに対する車両11の相対的な移動方向を算出する。そして、衝突予測部33は、画像処理部32から取得した位置情報、移動速度差、移動方向等に基づいて、所定時間内に車両11と衝突対象物Xとが衝突するか否かを判定する。なお、図4に示すように、衝突予測部33には操舵角センサ23から操舵角が送信されており、衝突予測部33は車両11の移動方向を予測した上で、車両11と衝突対象物Xとが衝突するか否かを判定している。
図5(a)および(b)は、車両11に対して後方から接近する衝突対象物Xの接近状況、つまり車両11に対して衝突対象物Xが追突する際の接近状況を示すイメージ図である。図5(a)および(b)においては、矢印の長さによって車両11と衝突対象物Xとの移動速度差の大きさを表し、矢印の向きによって車両11と衝突対象物Xとの相対的な移動方向を表している。なお、図5(a)および(b)に破線で示した衝突対象物Xは、所定時間後における衝突対象物Xの到達位置を示している。例えば、図5(a)に示すように、車両11に対して後方から接近する衝突対象物Xが存在するものの、車両11と衝突対象物Xとの距離に比べて移動速度差が小さい場合には、所定時間後に衝突対象物Xが車両11まで到達しないことから、衝突対象物Xによる追突の可能性が無いと判定される。また、図5(b)に示すように、車両11に対して後方から接近する衝突対象物Xが存在しており、車両11と衝突対象物Xとの距離に比べて移動速度差が大きい場合には、所定時間後に衝突対象物Xが車両11まで到達することから、衝突対象物Xによる追突の可能性が有ると判定される。
図4に示すように、衝突予測部33によって追突の可能性が有ると判定されると、その判定結果が衝突予測部33からヨーモーメント算出部34に送信される。ヨーモーメント算出部(モーメント算出部)34は、追突時に車両11に作用するヨーモーメントYm、つまり追突時に車両11に作用する鉛直軸まわりのモーメントを算出する。続いて、回転予測部36は、ヨーモーメント算出部34から送信されるヨーモーメントYmに基づいて、追突時における車両11の回転挙動を予測する。ここで、車両11の回転挙動の予測精度を高めるため、車両挙動予測部30には慣性モーメント算出部35が設けられており、慣性モーメント算出部35によって車両11の見かけの慣性モーメントImが算出される。この車両11の見かけの慣性モーメントImとは、車両11の回転し易さを示す指標であり、走行路面の摩擦抵抗や車両11の旋回状況等に応じて変化する指標である。このような慣性モーメントImと前述したヨーモーメントYmとに基づいて、回転予測部36は追突時における車両11の回転挙動を予測する。なお、車両11の回転挙動とは、車両11が車両重心Cの鉛直軸まわりに回転する際の、回転角、回転角速度、回転角加速度、回転方向等を意味している。
以下、ヨーモーメント算出部34によるヨーモーメントYmの算出手順について詳細に説明し、回転予測部36による回転挙動の予測状況について説明する。まず、接触部位予測部として機能するヨーモーメント算出部34は、車両11と衝突対象物Xとの接触位置、つまり衝突対象物Xに対する車両11の接触部位αを予測する。ここで、図6〜図9は車両11と衝突対象物Xとの衝突状況を示すイメージ図である。まず、図6に示すように、車両11の後方から接近する衝突対象物Xが存在しており、車両11と衝突対象物Xとの衝突の可能性が有ると判定された場合には、ヨーモーメント算出部34によって、衝突対象物Xに対する車両11の接触部位αが予測される。
図6に示すように、ヨーモーメント算出部34は、接触部位αの位置を予測する際に、画像データから衝突対象物Xの外形形状を解析し、車両11に対して最初に接触する衝突対象物Xの凸部Xaを特定する。そして、ヨーモーメント算出部34は、衝突対象物Xの凸部Xaに対向する車両11の外縁位置を、車両11の接触部位αとして予測する。なお、凸部Xaと車両11とが対向する方向とは、位置情報の推移に基づき算出される車両11と衝突対象物Xとの相対的な移動方向である。このように、衝突対象物Xに対する車両11の接触部位αは、車両11と衝突対象物Xとの相対的な位置情報の推移に基づき予測される。なお、車両11に対する衝突対象物Xの対向範囲Xb内であれば、車両11の他の外縁位置を接触部位αとして予測しても良い。
車両11の接触部位αが予測されると、続いて車両11の車両重心Cと接触部位αとのオフセット量βが算出される。つまり、衝突対象物Xの相対的な移動方向に伸びる基準線L1が算出され、車両重心Cを通過して基準線L1に平行となる基準線L2が算出され、これら基準線L1と基準線L2とのオフセット量βが算出される。次いで、車両11と衝突対象物Xとの移動速度差に基づいて、追突時に車両11に作用する推力Fが算出される。なお、追突時に作用する推力Fの大きさは、車両11や衝突対象物Xの質量等によって変化するため、これらの情報に基づいて推力Fを補正しても良い。また、追突時に作用する推力Fの大きさは、追突時点の移動速度差によって決定されるため、追突前に算出された移動速度差から追突時点の移動速度差を予測し、予測された追突時点の移動速度差を用いて推力Fを算出しても良い。
前述したように、オフセット量βおよび推力Fが算出されると、以下の式(1)に基づいて、追突時に車両11に作用するヨーモーメントYmが算出される。すなわち、図6に示すように、車両11の右後部に対して衝突対象物Xの衝突が予測される場合には、図7に示すように、追突時に車両11に作用するヨーモーメントとして、車両11を左方向に回転させるヨーモーメントYmが算出される。一方、図8に示すように、車両11の左後部に対して衝突対象物Xの衝突が予測される場合には、図9に示すように、追突時に車両11に作用するヨーモーメントとして、車両11を右方向に回転させるヨーモーメントYmが算出される。
Ym=F×β ・・・(1)
このようにヨーモーメントYmが算出されると、回転挙動予測部として機能する回転予測部36により、ヨーモーメントYmの大きさから車両11の回転挙動が予測される。ところで、追突に伴う車両11の回転挙動は、ヨーモーメントYmの大きさによって予測可能であるものの、前述したように、回転挙動の予測精度を高めるためには、車両11の見かけの慣性モーメントImによって回転挙動を補正することが望ましい。ここで、図10(a)〜(c)は、見かけの慣性モーメントImが回転挙動に与える影響を示すイメージ図である。図10(a)には摩擦抵抗の大きな走行路面での衝突状況が示され、図10(b)には摩擦抵抗が中程度の走行路面における衝突状況が示され、図10(c)には摩擦抵抗の小さな走行路面での衝突状況が示されている。なお、図10(a)〜(c)においては、車両11に対して同じ大きさのヨーモーメントYmが作用している。
図10(a)〜(c)に示すように、追突時に同じ大きさのヨーモーメントYmが作用する場合であっても、走行路面の摩擦抵抗に応じて、車両11の回転角や回転角速度等の回転挙動は変化することになる。すなわち、図10(a)に示すように、走行路面の摩擦抵抗が大きい場合には、追突時に車両11が回転し難い状況、つまり慣性モーメントImが大きい状況であることから、車両11の回転挙動が小さく現れることになる。一方、図10(c)に示すように、走行路面の摩擦抵抗が小さい場合には、追突時に車両11が回転し易い状況、つまり慣性モーメントImが小さい状況であることから、車両11の回転挙動が大きく現れることになる。このため、回転挙動の大きさを示す指標Mは、慣性モーメントImが大きい程に小さくなり、慣性モーメントImが小さい程に大きくなるように、以下の式(2)に基づき算出される。すなわち、走行路面の摩擦抵抗が大きいほど、車両11の回転挙動を表す指標Mは小さな値に補正され、走行路面の摩擦抵抗が小さいほど、車両11の回転挙動を表す指標Mは大きな値に補正される。なお、走行路面の摩擦抵抗は、例えば、各車輪に伝達される駆動トルクと各車輪のスリップ状況との関係に基づいて推定される。
M=Ym/Im ・・・(2)
続いて、車両11に衝突対象物Xが追突する際の乗員移動に備えてヘッドレスト18を移動させるヘッドレスト制御について説明する。図11はヘッドレスト制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。図11に示すように、ステップS1では、カメラユニットC1〜C4から送信される画像データが処理され、ステップS2では、車両11の周囲に存在する衝突対象物Xつまり他の車両等が解析される。次いで、ステップS3では、車両11と衝突対象物Xとの相対的な位置情報や移動速度差等に基づき、車両11に対する衝突対象物Xの追突の可能性について判定される。ステップS3において、追突の可能性が有ると判定された場合には、ステップS4に進み、追突時のヨーモーメントYmや車両11の慣性モーメントImが算出され、モーメントYm,Imに基づき追突時の回転挙動を示す指標Mが算出される。
続いて、ステップS5では、追突時の回転挙動を示す指標Mが、閾値Mo以上であるか否かが判定される。ステップS5において、追突時の回転挙動を示す指標Mが閾値Mo未満であると判定された場合、つまり追突時の回転挙動が小さいと判定された場合には、ステップS6に進み、ヘッドレスト18がセンター位置に制御される。一方、ステップS5において、指標Mが閾値Mo以上であると判定された場合、つまり追突時の回転挙動が大きいと判定された場合には、ステップS7に進み、追突による回転挙動が左回りであるか否かが判定される。ステップS7において、回転挙動が左回り、つまり車両前部を左方向に移動させる左回りであると判定された場合には、ステップS8に進み、ヘッドレスト18がセンター位置から左方向の第1サイド位置に制御される。一方、ステップS7において、回転挙動が右回り、つまり車両前部を右方向に移動させる右回りであると判定された場合には、ステップS9に進み、ヘッドレスト18がセンター位置から右方向の第2サイド位置に制御される。
ここで、図12〜図14は追突時におけるヘッドレスト18の制御状況の一例を示す図である。図12には回転挙動が小さいときのヘッドレスト18の制御状況が示されている。また、図13および図14には回転挙動が大きいときのヘッドレスト18の制御状況が示されている。なお、図12〜図14には、乗員Pが右フロントシート12に着座した状態での追突状況が示されている。
図12(a)に矢印αで示すように、車両11の後部中央に衝突対象物Xが追突することにより、回転挙動を示す指標Mが閾値Moを下回る場合には、ヘッドレスト18がセンター位置に保持される。このような衝突状況においては、図12(b)に矢印βで示すように、乗員Pが慣性力によって車両後方に移動することから、乗員Pの頭部はセンター位置のヘッドレスト18によって適切に拘束される。すなわち、追突による回転挙動が小さい場合には、乗員Pが矢印β方向つまり車体中心線CLとほぼ平行に移動するため、ヘッドレスト18をセンター位置に保持することにより、乗員Pの頸部を適切に保護することが可能となる。
図13(a)に矢印α1で示すように、車両11の右後部に衝突対象物Xが追突することにより、回転挙動を示す指標Mが閾値Moを上回る場合には、ヘッドレスト18がセンター位置からサイド位置に制御される。この場合には、追突によって車両11が左回りに回転することから、ヘッドレスト18はセンター位置から左方向の第1サイド位置に制御される。このような衝突状況においては、図13(b)に矢印βで示すように、乗員Pが慣性力によって車両後方に移動することから、乗員Pの頭部は第1サイド位置のヘッドレスト18によって適切に拘束される。すなわち、追突による回転挙動が大きい場合には、乗員Pが矢印β方向つまり車体中心線CLに対して斜めに移動するため、ヘッドレスト18を第1サイド位置に移動させておくことにより、乗員Pの頸部を適切に保護することが可能となる。なお、図13(a)に矢印α2で示すように、車両11の左後部に衝突対象物Xが斜めに追突する場合であっても、追突によって車両11が左回りに回転するため、ヘッドレスト18はセンター位置から左方向の第1サイド位置に制御される。
図14(a)に矢印α1で示すように、車両11の左後部に衝突対象物Xが追突することにより、回転挙動を示す指標Mが閾値Moを上回る場合には、ヘッドレスト18がセンター位置からサイド位置に制御される。この場合には、追突によって車両11が右回りに回転することから、ヘッドレスト18はセンター位置から右方向の第2サイド位置に制御される。このような衝突状況においては、図14(b)に矢印βで示すように、乗員Pが慣性力によって車両後方に移動することから、乗員Pの頭部は第2サイド位置のヘッドレスト18によって適切に拘束される。すなわち、追突による回転挙動が大きい場合には、乗員Pが矢印β方向つまり車体中心線CLに対して斜めに移動するため、ヘッドレスト18を第2サイド位置に移動させておくことにより、乗員Pの頸部を適切に保護することが可能となる。なお、図14(a)に矢印α2で示すように、車両11の右後部に衝突対象物Xが斜めに追突する場合であっても、追突によって車両11が右回りに回転するため、ヘッドレスト18はセンター位置から右方向の第2サイド位置に制御される。
このように、大きな回転挙動を伴う追突の発生が予測される場合には、追突時の乗員移動に備えて、ヘッドレスト18を車幅方向の第1または第2サイド位置に移動させている。これにより、追突に伴って車両11が回転する場合であっても、乗員Pの移動方向に合わせてヘッドレスト18を配置することができ、ヘッドレスト18によって乗員Pの頭部を適切に拘束することが可能となる。しかも、追突による回転挙動が予測された時点、つまり追突発生前からヘッドレスト18の移動を開始するようにしたので、追突発生までにヘッドレスト18を第1または第2サイド位置に移動させることが可能となる。また、追突発生前からヘッドレスト18の移動を開始することにより、ヘッドレスト18に要求される移動速度を抑制することが可能となり、スライドアクチュエータA1〜A4の簡素化を達成することが可能となる。
前述の説明では、指標Mが閾値Mo以上であると判定された場合に、ヘッドレスト18を第1または第2サイド位置に移動させているが、指標Mの大きさに合わせてヘッドレスト18の移動量を変化させても良い。すなわち、指標Mが大きいほど、ヘッドレスト18の移動量を増加させても良い。また、前述の説明では、ヘッドレスト18を車幅方向のみに移動させているが、これに限られることはなく、ヘッドレスト18を車幅方向かつ車両前方に移動させても良い。これにより、ヘッドレスト18を乗員Pの頭部に近づけることができ、追突時には乗員Pの頭部を早期に拘束することが可能となる。なお、指標Mが閾値Mo以上であると判定された場合に、全てのヘッドレスト18をサイド位置に移動させても良く、図13および図14に示すように、乗員Pが着座する車両用シート12〜15のヘッドレスト18のみをサイド位置に移動させても良い。
また、前述の説明では、走行路面の摩擦抵抗によって追突時の回転挙動が変化することを説明したが、これに限られることはなく、追突時における車両11の旋回状況つまりヨーレートによっても回転挙動は変化することになる。ここで、図15(a)〜(c)は、見かけの慣性モーメントImが回転挙動に与える影響を示すイメージ図である。図15(a)には右旋回時に衝突した状況が示され、図15(b)には直進時に衝突した状況が示され、図15(c)には左旋回時に衝突した状況が示されている。なお、図15(a)〜(c)においては、車両11に対して同じ大きさのヨーモーメントYmが作用しており、走行路面の摩擦抵抗についても同じ値となっている。
図15(a)〜(c)に示すように、追突時に同じ大きさのヨーモーメントYmが作用する場合であっても、車両11の旋回状況に応じて慣性モーメントImが変化し、車両11の回転挙動が変化することになる。例えば、図15(a)に示すように、車両11の右後部に衝突対象物Xが追突する場合には、車両11を左方向に回転させるヨーモーメントYmが発生する。このような追突時において、車両11が右方向に旋回していた場合には、旋回走行時に発生するヨーモーメントYm1によって、追突時に発生するヨーモーメントYmが打ち消されることから、車両11の回転挙動が小さく現れる。一方、図15(c)に示すように、車両11が左方向に旋回していた場合には、旋回走行時に発生するヨーモーメントYm1によって、追突時に発生するヨーモーメントYmが助長されることから、車両11の回転挙動が大きく現れる。このように、回転挙動を示す指標Mの算出に用いられる慣性モーメントImは、走行路面の摩擦抵抗によって変化するだけでなく、車両11の旋回状況によっても変化している。このため、操舵角やヨーレート等に基づいて車両11の旋回状況を判定し、回転挙動を示す指標Mを旋回状況によって補正しても良い。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、単眼カメラやステレオカメラ等のカメラユニットC1〜C4を使用することで車両周囲の衝突対象物Xを検出しているが、これに限られることはない。例えば、ミリ波レーダや赤外線レーザ等を使用することで車両周囲の衝突対象物Xを検出しても良い。また、カメラユニット、ミリ波レーダ、赤外線レーザ等を、組み合わせて使用することで車両周囲の衝突対象物Xを検出しても良い。なお、前述の説明では、車両周囲の衝突対象物Xを検出するため、車両11に対して4つのカメラユニットC1〜C4を搭載しているが、これに限られることはなく、例えば、車両11に対して1つのカメラユニットを搭載しても良い。
また、前述の説明では、追突の発生が予測された時点で、ヘッドレスト18を移動させているが、これに限られることはない。例えば、ヘッドレスト18の移動速度が確保されている場合には、追突時の加速度を検出する加速度センサからの信号を用いて追突発生時にヘッドレスト18を移動させても良い。また、追突発生までの時間であるTTC(Time To Collision)を利用して、ヘッドレスト18の移動を開始させても良い。なお、TTCとは、車両11と衝突対象物Xとの距離を、車両11と衝突対象物Xとの移動速度差で除した値である。
なお、前述の説明では、位置算出部、速度差算出部、接触部位予測部、回転挙動予測部およびヘッドレスト制御部を、1つの制御ユニット21に組み込んでいるが、これに限られることはない。例えば、位置算出部、速度差算出部、接触部位予測部、回転挙動予測部およびヘッドレスト制御部を、複数の制御ユニットに分けて組み込んでも良い。
10 乗員保護装置
11 車両
12 右フロントシート(座席)
13 左フロントシート(座席)
14 右リヤシート(座席)
15 左リヤシート(座席)
18 ヘッドレスト
21 制御ユニット(位置算出部,速度差算出部,接触部位予測部,回転挙動予測部,ヘッドレスト制御部)
A1〜A4 スライドアクチュエータ(アクチュエータ)

Claims (3)

  1. 車両が追突される際の乗員移動に備えて座席のヘッドレストを移動させる乗員保護装置であって、
    前記ヘッドレストを車幅方向に移動させるアクチュエータと、
    前記車両と衝突対象物との相対的な位置情報を算出する位置算出部と、
    前記位置情報の推移に基づいて、前記車両と前記衝突対象物との移動速度差を算出する速度差算出部と、
    前記位置情報の推移に基づいて、前記車両と前記衝突対象物との相対的な移動方向を算出する移動方向算出部と、
    前記位置情報の推移に基づいて、前記衝突対象物に対する前記車両の接触部位を予測する接触部位予測部と、
    前記移動速度差と前記移動方向と前記接触部位とに基づいて、追突時に前記車両に作用する鉛直軸まわりのモーメントを算出するモーメント算出部と、
    前記モーメントに基づいて、追突による前記車両の回転挙動を予測する回転挙動予測部と、
    前記回転挙動が閾値を上回る場合に、前記アクチュエータを制御して前記ヘッドレストを車幅方向に移動させるヘッドレスト制御部と、
    を有する、乗員保護装置。
  2. 請求項1記載の乗員保護装置において、
    前記回転挙動予測部は、走行路面の摩擦抵抗に基づき前記回転挙動を補正する、乗員保護装置。
  3. 請求項2に記載の乗員保護装置において、
    前記回転挙動予測部は、前記摩擦抵抗が大きいほど、前記回転挙動を小さな値に補正し、前記摩擦抵抗が小さいほど、前記回転挙動を大きな値に補正する、乗員保護装置。
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