JP6433271B2 - 電子写真用部材、および電子写真用部材の製造方法 - Google Patents

電子写真用部材、および電子写真用部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、現像部材および帯電部材等に用いられる電子写真用部材、ならびに電子写真用部材の製造方法に関する。
近年、電子写真装置において様々な性能が要求されており、現像部材および帯電部材等の電子写真用部材(例えば電子写真用導電性ローラ)においても多くの機能が求められている。接触現像方式における現像部材を例に挙げると、安定した画像を形成するためにドラムニップを一定に保ちつつ、摺動部材に対する耐摩耗性を向上させることが求められている。つまり、現像部材は、ドラムニップを安定させるために柔軟化する必要がある一方で、耐摩耗性を向上させるために摺動部材との接触面を硬くする必要がある。そのため、多くの現像部材は弾性層と樹脂層といった複数層構成を採用し、弾性層で柔軟性を確保し、樹脂層で耐摩耗性を向上させている。しかしながら、近年における電子写真装置の高速化により弾性層と樹脂層との界面にかかるストレスが増大し、耐久時において弾性層と樹脂層との界面で層間剥離が生じることがあった。
特許文献1には、電子写真用部材の弾性層と樹脂層との界面強度を強化することを目的とした発明が開示されている。特許文献1は、その目的が、シリコーンゴム弾性層と、イソシアネート化合物、前記イソシアネート化合物と反応するカップリング剤、および有機シラン化合物によって形成された樹脂層とを有する電子写真用部材によって達成し得ることを開示している。
特開2009−138190号公報
電子写真用部材において、当接部材とのニップの形成を安定化させるために設けられる弾性層の形成には付加硬化型シリコーンゴムが好適に用いられる。
ところで、弾性層には、弾性層が長期に亘って他の部材が当接された後にも、当接部分の変形が容易に回復し得る特性(以下、「耐セット性」ともいう)を有することが好ましいとされている。
本発明者らの検討によれば、付加硬化型シリコーンゴムを用いて形成されてなる弾性層の耐セット性を向上させるためには、付加硬化型シリコーンゴム中のポリシロキサン成分を、ケイ素原子に水素原子が直接結合してなる架橋成分に対して多めに配合した付加硬化型シリコーンゴムを弾性層に用いることが有効である。このような付加硬化型シリコーンゴムは、ポリシロキサン成分の自己反応により硬度が増し、圧縮永久歪みを小さくし、耐セット性を改善することができる。
そこで、本発明者らは、ポリシロキサン成分を多めに配合した付加硬化型シリコーンゴム弾性層を用いて、特許文献1の開示に基づいた樹脂層を設けた電子写真用部材について検討を行った。その結果、弾性層と樹脂層の界面において、接着強度が低下する場合があることを確認した。
尚、本検討では、ポリシロキサン成分を多めに配合した付加硬化型シリコーンゴムとして以下のものを使用した。即ち、後述の実施例にも用いた、液状シリコーンゴム材料1(商品名、SE6724A;東レ・ダウコーニング社製)と、液状シリコーンゴム材料2(商品名、SE6724B;東レ・ダウコーニング社製)とを、45:55の質量比で配合したものを用いた。
そこで、本発明の目的は、シリコーンゴムを含む弾性層と樹脂層との界面において、充分な接着強度を維持する電子写真用部材、およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、基体と、該基体上に設けられた、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物からなる、シリコーンゴムを含む弾性層と、該弾性層上に設けられた、樹脂を含む樹脂層と、を有する電子写真用部材であって、該樹脂層中の該樹脂と、該弾性層に含まれるシリコーンゴム中のケイ素原子とは、連結基によって結合しており、該連結基は、下記構造式(2)、および、(3)からなる群から選択されるいずれか1つの構造式で示される構造を有しており、該連結基の分子量は、58以上、550以下であることを特徴とする電子写真用部材に関する
造式(2)
*−T2−Q2−NHCO−**
構造式(3)
*−T3−Q3−S−**
(上記構造式(2)〜(3)において、記号T2、およびT3は、各々独立に、炭素数2以上、8以下の2価の炭化水素基を表し、
記号Q2、およびQ3は、各々独立に、炭素原子と水素原子とで構成される2価の有機基、または、炭素原子と水素原子と酸素原子とで構成される2価の有機基を表し、
上記構造式(2)、および(3)において、記号「*」は、該弾性層に含まれるシリコーンゴム中のケイ素原子との結合部位を表し、記号「**」は、該樹脂層中の樹脂との結合部位を表す)。
また、本発明は、基体と、該基体上に設けられた、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物からなる弾性層と、該弾性層上に設けられた、ウレタン樹脂を含む樹脂層と、を有する電子写真用部材の製造方法であって、該基体上に設けられた、化学構造中にヒドロシリル基を有するシリコーンゴム層上に、イソシアネート化合物、ポリオール化合物、ならびに、該イソシアネート化合物が有するイソシアネート基および該ポリオール化合物が有するヒドロキシ基の少なくとも一方と反応し得る官能基と、ビニル基とを有する化合物を含む層を形成する工程と、この層中の、該イソシアネート化合物と該ポリオール化合物とを反応させてウレタン樹脂を形成するとともに、該官能基と該イソシアネート基および該ヒドロキシ基の少なくとも一方とを反応させ、かつ、該ビニル基と該シリコーンゴム層中の該ヒドロシリル基とを反応させることによって、該弾性層、および、該弾性層上に形成された該樹脂層を得る工程と、を有することを特徴とする電子写真用部材の製造方法に関する。
さらに、本発明は、基体と、該基体上に設けられた、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物からなる弾性層と、該弾性層上に設けられた、エポキシ樹脂を含む樹脂層と、を有する電子写真用部材の製造方法であって、該基体上に設けられた、化学構造中にヒドロシリル基を有するシリコーンゴム層上に、エポキシ基を有する化合物、および、該エポキシ基と反応し得る官能基と、ビニル基とを有する化合物を含む層を形成する工程と、この層中の、該エポキシ基を開裂させてエポキシ樹脂を形成するとともに、該官能基と該エポキシ基とを反応させ、かつ、該ビニル基と該シリコーンゴム層中の該ヒドロシリル基とを反応させることによって、該弾性層、および、該弾性層上に形成された該樹脂層を得る工程と、を有することを特徴とする電子写真用部材の製造方法に関する。
本発明によれば、シリコーンゴムを含む弾性層と樹脂層との界面強度が強化された、充分な接着強度を維持する電子写真用部材、ならびにその製造方法を提供することができる。
本発明に係る電子写真用部材(電子写真用導電性ローラ)の断面概略図であり、(a)および(b)はそれぞれ軸芯体(基体)の軸方向に対して、平行および垂直に電子写真用部材を切断した際の断面概略図である。
上述したように、特許文献1の開示に基づいた電子写真用部材について検討を行った結果、ポリシロキサン成分を多めに配合したシリコーンゴムを弾性層に用いると、この弾性層と樹脂層との界面において、接着強度が低下する場合があった。
これは、以下の理由によるものと考えられる。
即ち、特許文献1において弾性層と樹脂層とが接着していたのはシリコーンゴム弾性層中に残存していたビニル基と特許文献1に記載の有機シラン化合物とが化学的に結合したためだと考えられる。しかし、ポリシロキサン成分を多めに配合したシリコーンゴム弾性層においては充分な量のビニル基が残存しないために、弾性層と樹脂層との界面が充分に接着できなかったと考えられる。即ち、ポリシロキサン成分を多めに配合したシリコーンゴムを弾性層に用いると、この弾性層と樹脂層との界面において化学的な結合がほとんど形成されないため、接着強度が低下したのだと考えられる。
そこで、本発明者らは、ポリシロキサン成分を多めに配合したシリコーンゴム弾性層と樹脂層との界面を充分に接着させるために、この弾性層に残存するヒドロシリル基と、樹脂層に含まれる樹脂とを特定の連結基により結合させることを考え、検討を行った。
この結果、シリコーンゴム弾性層と樹脂層との界面強度を充分に保持することができる電子写真用部材を得ることができた。また、この電子写真用部材を用いることで、耐久を通して高品位な電子写真画像を安定して形成することができた。
以下に、本発明を詳しく説明する。
<<電子写真用部材>>
本発明に係る電子写真用部材は、軸芯体(基体)と、前記基体上に設けられた弾性層と、前記弾性層上に設けられた、樹脂(例えば、ウレタン樹脂およびエポキシ樹脂等)を含む樹脂層とを有する。前記弾性層は、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物からなり、シリコーンゴム(硬化物)を含む。また、前記樹脂層中の樹脂と、前記弾性層に含まれるシリコーンゴム中のケイ素原子とは、特定の連結基により結合している。
即ち、本発明の電子写真用部材では、弾性層に含まれるシリコーンゴム中のケイ素原子と、樹脂層中の樹脂とが、後述する特定の化合物(連結化合物)に由来する連結基によって結合している。上記連結基は、下記構造式(1)〜(3)((1)、(2)および(3))からなる群から選択されるいずれか1つの構造式で示される構造を有しており、上記連結基の分子量は、58以上、550以下である。
構造式(1)
*−T1−Q1−O−**
構造式(2)
*−T2−Q2−NHCO−**
構造式(3)
*−T3−Q3−S−**
上記構造式(1)〜(3)において、記号T1〜T3(T1、T2およびT3)は、各々独立に、炭素数2以上、8以下の2価の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基を表す。
上記構造式(1)〜(3)において、記号T1〜T3に係る炭化水素基としては、例えば、2価の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基が挙げられる。この具体例としては、例えば、C24(例えば、直鎖状の−C24−、および分岐鎖状の−CH(CH3)−)、並びに、C36(例えば、直鎖状の−C36−、分岐鎖状の−CH2CH(CH3)−、および−C(CH32−等)を挙げることができる。
上記構造式(1)〜(3)において、記号「*」は、弾性層に含まれるシリコーンゴム中のケイ素原子との結合部位を表す。この結合部位は、例えば、ビニル基とヒドロシリル基との反応(ヒドロシリル化反応)に由来する結合を含む。
また、記号「**」は、樹脂層中の樹脂との結合部位を表すものである。この結合部位としては、例えば、ウレタン結合、チオール基とエポキシ基との反応に由来する結合や、エポキシ基同士の反応に由来する結合を含む。
構造式中、記号Q1〜Q3は、各々独立に、炭素原子と水素原子とで構成される2価の有機基、または、炭素原子と水素原子と酸素原子とで構成される2価の有機基を表す。
記号Q1〜Q3は、Cnm(nおよびmは各々独立に1以上の整数を表す)、または、Cpqr(p、qおよびrは各々独立に1以上の整数を表す)を表す。なお、このCnmおよびCpqrは、直鎖状であっても良いし、分岐鎖状であっても良い。また、*−T1、*−T2、*−T3、O−**、NHCO−**またはS−**は、Q1〜Q3の末端原子(例えば末端炭素原子)に結合していても良いし、Q1〜Q3の末端原子以外の原子(例えば直鎖内部の炭素原子)に結合していても良い。例えば、構造式(1)においてQ1がC36を表す場合、構造式(1)は直鎖状の*−T1−CH2CH2CH2−O−**であっても良いし、分岐鎖状の*−T1−CH(C25)−O−**であっても良い。
さらに、理由は後述するが、Q1〜Q3はいずれも、その化学構造中に、エーテル結合、および、エステル結合から選ばれる何れか一方または両方の結合を有することが好ましい。
また、その中でも、Q1〜Q3は、下記構造式(A−1)、および(A−2)でそれぞれ示される構造からなる群から選択される何れかの構造である場合、より好ましい効果が得られる。
つまり、上記構造式(1)〜(3)におけるQ1〜Q3は、T1〜T3とエーテル結合、もしくはエステル結合を介して結合した炭素数2以上、4以下の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素構造、もしくは酸素を含む炭化水素構造である場合、より好ましい効果が得られる。
構造式(A−1)
−O−CXDM
構造式(A−2)
−COO−CYEN
但し、上記構造式(A−1)、および(A−2)において、記号XおよびYは、各々独立に、2以上、4以下の整数であり、記号DおよびEは、各々独立に、2以上、8以下の整数であり、記号MおよびNは、各々独立に、0以上、2以下の整数である。
また、上記構造式(A−1)、(A−2)における「−O」、および「−COO」は、上記構造式(1)〜(3)における記号T1〜T3のいずれかと結合し、「CXDM−」、および「CYEN−」は、上記構造式(1)〜(3)における「O−**」、「NHCO−**」、および「S−**」のいずれかと結合する。
なお、本発明に係る電子写真用部材は、ローラ形状やベルト形状等、その形状を適宜選択することができ、例えば、電子写真装置において、現像ローラや帯電ローラ等の導電性ローラとして用いることができる。以下、導電性ローラに着目した説明を行う。
図1に、本発明に係るローラ形状の電子写真用部材(電子写真用導電性ローラ)の一例の断面概略図を示す。図1(a)および図1(b)はそれぞれ、軸芯体の軸方向に対して平行および垂直にこの電子写真用導電性ローラ1を切断した際の断面概略図である。この電子写真用導電性ローラ1は、軸芯体1aの外周上に、弾性層1bを有しており、弾性層1bの外周上に樹脂層1cを有している。
なお、本発明の電子写真用部材は、軸芯体と、弾性層との間に(図1では、軸芯体1aの外周上に)他の層(例えば、接着層(プライマー層))を有することもできる。
また、本発明の電子写真用部材は、プロセスカートリッジおよび電子写真装置等に好適に用いることができる。
<軸芯体>
軸芯体は、導電性部材の電極および支持部材として機能するものから適宜選択して用いることができる。その材質としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、鉄等の金属または合金、導電性合成樹脂等の導電性の材質を用いることができる。また、軸芯体の形状も、電子写真用部材の形状に応じて適宜選択することができ、例えば、中実円柱状やベルト形状等とすることができる。
<弾性層>
本発明に用いる弾性層は、他部材との圧接時に適度に面積を以って接触するために弾性を保持させるための層である。なお、この目的を逸脱しない限り、弾性層は単層または複数層とすることができるが、樹脂層と隣接する層(第1の弾性層)には付加硬化型シリコーンゴム(硬化物)を含有している。なお、第1の弾性層を形成するための塗工液である、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物には、付加硬化型シリコーンゴムの他に、導電剤およびその他の添加剤を含むことができる。
(第1の弾性層)
第1の弾性層は、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物であり、シリコーンゴムを含む。また、第1の弾性層に含まれるシリコーンゴム中のケイ素原子は、上述したように、樹脂層中の樹脂と特定の連結基によって結合している。第1の弾性層は、軸芯体上に設けられた、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の層(シリコーンゴム層:第1の弾性層前駆体層)の段階(硬化処理をされていても良い)において、化学構造中にヒドロシリル基を有することができる。そして、このヒドロシリル基と、樹脂層中の樹脂が有する基(例えば、イソシアネート基、エポキシ基、およびヒドロキシ基等)とが、樹脂層を構成するための特定の化合物(例えば、ビニル基と、ヒドロキシ基、チオール基、エポキシ基またはイソシアネート基とを有する化合物)に由来する連結基によって連結されることによって、第1の弾性層と、後述の樹脂層とが形成されることができる。
・付加硬化型シリコーンゴム
一般に、弾性層を形成する付加硬化型シリコーンゴムの原料(以下「付加硬化型シリコーンゴム組成物」とも称す)としては、
(a)不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン
(b)ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、及び
(c)架橋触媒としての白金化合物
を含む。
(a)不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンとしては以下のものが挙げられる。
・分子両末端がR12R2SiO1/2で表され、中間単位がR12SiO及びR1R2SiOで表される直鎖状オルガノポリシロキサン。
・分子両末端がR12R2SiO1/2で表され、中間単位にR1SiO3/2及び/又はSiO4/2が含まれる分岐状ポリオルガノシロキサン。
ここで、R1はケイ素原子に結合した、脂肪族不飽和基を含まない1価の非置換又は置換の炭化水素基を表す。具体例は、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基)、アリール基(フェニル基、ナフチル基)、置換炭化水素基(例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−シアノプロピル基、3−メトキシプロピル基)が挙げられる。
特に、合成や取扱いが容易で、優れた耐熱性が得られることから、R1の50%以上がメチル基であることが好ましく、すべてのR1がメチル基であることがより好ましい。
また、R2はケイ素原子に結合した不飽和脂肪族基を表す。R2としては、ビニル基、アリール基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基が例示され、合成や取扱いが容易でシリコーンゴムの架橋反応も容易に行われることから、特にビニル基が好ましい。
(b)ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンは、白金化合物の触媒作用により、(a)不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のアルケニル基との反応によって架橋構造を形成させる架橋剤である。(b)ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンにおいて、ケイ素原子に結合した水素原子の数は、1分子中に平均して2個を越える数であることが好ましい。ケイ素原子に結合した有機基としては、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のR1と同じ非置換又は置換の1価の炭化水素基が例示される。特に、合成及び取扱いが容易なことから、メチル基が好ましい。ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの分子量は特に限定されない。
また、(b)ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、好ましくは200cps以上150,000cps以下、さらに好ましくは500cps以上50,000cps以下の範囲である。粘度が200cps以上であると、前記オルガノポリシロキサンが保存中に揮発しにくく、得られるシリコーンゴムにおいて所望の架橋度や物性を得ることができる。また、粘度が150,000cps以下であると、前記オルガノポリシロキサンの取扱いが容易で系に容易に均一に分散させることができる。
(b)ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンのシロキサン骨格は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでも差支えなく、これらの混合物を用いてもよい。特に合成の容易性の観点から、直鎖状のものが好ましい。(b)ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンにおいて、Si−H結合は、分子中のどのシロキサン単位に存在してもよいが、少なくともその一部が、R12HSiO1/2単位のように、オルガノポリシロキサンの分子末端に存在することが好ましい。
(a)不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン及び(b)ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンは、付加硬化型シリコーンゴム組成物において、ケイ素原子数に対する不飽和脂肪族基数の割合が、0.001以上0.08以下、より好ましくは0.002以上0.05以下となるように配合されることが好ましい。また、不飽和脂肪族基に対する活性水素の数の割合が、1.0以上5.0以下となるように配合されていることが好ましい。不飽和脂肪族基数に対する活性水素数の割合が1.0以上であると、硬化後のシリコーンゴムにおいて安定して所望の硬度を得ることができる。また、不飽和脂肪族基数に対する活性水素数の割合が5.0以下であると、シリコーンゴムの硬度の過度の上昇を抑えられる。不飽和脂肪族基に対する活性水素の数の割合は、水素核磁気共鳴分析(1H−NMR(商品名:AL400型FT−NMR、日本電子株式会社製))を用いた測定により不飽和脂肪族基数及び活性水素数を定量して算出することができる。
本発明に用いる付加硬化型シリコーンゴムは、特に制限されることはないが、ポリシロキサン成分をより多く含む付加硬化型シリコーンゴムを用いる程、本発明の効果がより顕著となる。
第1の弾性層(液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物)中の付加硬化型シリコーンゴムの固形分含有割合は、セット性の観点から60.0質量%以上とすることが好ましく、導電性の観点から99.9質量%以下とすることが好ましい。
・導電剤
第1の弾性層には、導電性を付与する目的で導電剤を含有しても良い。第1の弾性層に配合する導電剤としては、例えば、カーボンブラックを用いることができ、カーボンブラックは特に制限なく使用することができる。例えば、アセチレンブラックや、ファーネスブラックとして、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、GPF、SRF等が挙げられる。なお、第1の弾性層中のカーボンブラックの含有量は、導電性の観点から、この第1の弾性層中のゴム成分の質量(100質量部)に対して、1質量部以上20質量部以下とすることが好ましく、より好ましい範囲は2質量部以上18質量部以下である。これらの導電剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、第1の弾性層には、必要に応じて他の導電剤をカーボンブラックと併せて使用することができる。例えば、グラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン固溶体等を各種導電化処理した金属酸化物が挙げられる。なお、第1の弾性層中のこれら他の導電剤の含有量は、導電性の観点から、この第1の弾性層中のゴム成分の質量(100質量部)に対して、2質量部以上20質量部以下とすることが好ましく、より好ましい範囲は5質量部以上18質量部以下である。これらの他の導電剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、第1の弾性層には、上記以外の導電剤として、イオン導電剤を使用することができる。イオン導電剤の例として、四級アンモニウム塩(例えばラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(例えば、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等)等)、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩、各種ベタイン、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
なお、第1の弾性層中のイオン導電剤の含有量は、導電性の観点から、この第1の弾性層中のゴム成分の質量(100質量部)に対して、0.01質量部以上5質量部以下とすることが好ましく、より好ましい範囲は0.1質量部以上3質量部以下である。これらのイオン導電剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
・その他の添加剤
第1の弾性層に含むことのできるその他の含有物として、電子写真装置用導電性ローラの分野において公知のものを使用することができる。例えば、親水性シリカ、疎水性シリカ、石英、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の補強剤を必要に応じて第1の弾性層中に添加しても良い。
(その他の弾性層)
軸芯体上に複数の弾性層を設ける場合、第1の弾性層以外の弾性層としては、上述した目的を逸脱しない限り、電子写真用導電性ローラの分野で公知な弾性層を用いることができる。これらの他の弾性層は、第1の弾性層と同様に、上述した導電剤およびその他の添加剤等を上述した配合割合で含むことができる。なお、第1の弾性層と、これらの他の弾性層との組成は同じであっても良いし、異なっていても良い。
<樹脂層>
本発明に用いる樹脂層は、樹脂(例えば、ウレタン樹脂およびエポキシ樹脂等)を含む。
また、本発明に用いる樹脂層は、シリコーンゴムを含む弾性層上(第1の弾性層上)に形成される。この樹脂層は、シリコーンゴム中のケイ素原子と上記樹脂層を形成する原料(樹脂の原料)との両方に化学結合する化合物(以下、連結化合物と称する)、並びに樹脂(例えばウレタン樹脂およびエポキシ樹脂等)の原料を含む塗料を硬化させて形成することができる。即ち、この樹脂層は、上記塗料の硬化物である。また、上記塗料は、必要に応じて導電剤、粗さを付与するための粗し粒子、および溶媒(例えば、メチルエチルケトン)等を含んでも良い。
(連結化合物)
連結化合物は、シリコーンゴムを含む弾性層と樹脂層の接着性を向上させることができる。この連結化合物は、弾性層の前駆体層であるシリコーンゴム層に残存するシリル基(例えば、ヒドロシリル基)と結合する官能基(例えば、ビニル基)と、樹脂層を形成する樹脂と結合する官能基(例えば、イソシアネート基、ヒドロキシ基、エポキシ基、およびチオール基等)との両方を有する。なお、上記連結化合物は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した連結基を形成するための連結化合物は、樹脂層に用いる樹脂種に応じた化合物を用いる。例えば、樹脂層に樹脂としてウレタン樹脂を用いる場合は、以下の連結化合物を用いることができる。即ち、ウレタン樹脂の原料であるポリオール化合物(ヒドロキシ基)またはイソシアネート化合物(イソシアネート基)と反応する官能基と、シリコーンゴム中のケイ素原子(ヒドロシリル基)と反応する官能基(例えばビニル基)とを有する化合物を連結化合物として用いる。具体的には、イソシアネート基およびヒドロキシ基の少なくとも一方を有し、かつ、ビニル基を有する化合物を連結化合物として用いることができる。
また、例えば、樹脂層に樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合は、以下の連結化合物を用いることができる。即ち、エポキシ樹脂の原料であるエポキシ化合物(エポキシ基)と反応し得る官能基と、シリコーンゴム中のケイ素原子(ヒドロシリル基)と反応する官能基(例えばビニル基)とを有する化合物を連結化合物として用いる。具体的には、エポキシ基およびチオール基の少なくとも一方を有し、かつ、ビニル基を有する化合物を連結化合物として用いることができる。
上記連結化合物が低分子量である場合、弾性層と樹脂層の接着性がより向上する。つまり、低分子量であることで、連結化合物がシリコーンゴム層中に染み込み易くなり、シリコーンゴム層中のヒドロシリル基と反応し易くなるため、弾性層と樹脂層の接着性がより向上する。すなわち本発明では、反応後の連結化合物由来部分の分子量(弾性層と樹脂部分とを化学的に結合させている連結基の分子量)が、58以上、550以下の時、弾性層と樹脂層の接着性が向上する。また、シリコーンゴム層中のヒドロシリル基との反応性の問題から、上記連結化合物におけるヒドロシリル基と反応する部分の炭素数は8以下である必要がある(例えば、ビニル基に結合している4つの官能基の内、樹脂と結合する官能基を除いた官能基全てと、ビニル基そのものの合計炭素数が8以下である必要がある)。つまり、上記構造式(1)〜(3)における記号T1〜T3は、各々独立に、炭素数2以上、8以下の2価の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基を表す。
また、弾性層と樹脂部分とに結合する官能基を除いて、連結化合物が極性構造を有している場合、弾性層と樹脂層の接着性がより向上する。つまり、極性構造を有していることで、連結化合物がシリコーンゴム層中に染み込み易くなり、シリコーンゴム層中のヒドロシリル基と反応し易くなるため、弾性層と樹脂層の接着性がより向上する。すなわち本発明では、Q1、Q2又はQ3が、エーテル結合、および、エステル結合から選ばれる一方又は両方の結合を有することが好ましい。このような結合を有することで、上記効果が得られ、弾性層と樹脂層の接着性がより向上する。
また、その中でも、上記構造式(1)〜(3)における記号Q1〜Q3が、記号T1〜T3とエーテル結合、もしくはエステル結合を介して結合した炭素数2以上、4以下の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素構造、もしくは酸素を含む炭化水素構造である場合、より好ましい効果が得られる。これは、連結化合物において、シリコーンゴム層中のヒドロシリル基と反応するビニル基の隣に極性基であるエーテル結合、もしくはエステル結合を有し、且つ、記号Q1〜Q3における炭化水素部分、もしくは酸素を含む炭化水素部分が炭素数2以上、4以下であって立体障害が比較的小さい為、連結化合物がシリコーンゴム層中に染み込み易くなり、シリコーンゴム層中のヒドロシリル基と反応し易くなるためだと考えられる。
(樹脂原料)
樹脂原料については上記の通り、例えば、樹脂層にウレタン樹脂を含む場合は、ポリオール化合物とイソシアネート化合物を用いることができ、樹脂層にエポキシ樹脂を含む場合は、エポキシ化合物を用いることができる。
・ポリオール化合物
ポリオール化合物としては、2価のポリオール化合物(ジオール)として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール等。3価以上のポリオール化合物として、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール。さらに、ジオールやトリオールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加した高分子量のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロックグリコール等のポリオール化合物が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
・イソシアネート化合物
イソシアネート化合物としては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、キシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
・エポキシ化合物
エポキシ化合物としては、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、脂環型等のいずれをも用いることができる。具体的には、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型等の芳香族系またはエチレングリコール型等の脂肪族系等の二官能型の化合物、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の多官能型の化合物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(導電剤)
本発明に用いる樹脂層には、導電性を付与する目的で導電剤を含有しても良い。樹脂層に配合する導電剤としては、例えば、カーボンブラック、カーボンブラックと併せて用いる各種導電剤、イオン導電剤等が挙げられる。
・カーボンブラック
カーボンブラックは特に制限なく使用することができ、例えば、第1の弾性層で使用することのできる上述したカーボンブラックを同様に用いることができる。なお、樹脂層中のカーボンブラックの含有量は、導電性の観点から、この樹脂層中の樹脂成分の質量(100質量部)に対して、1質量部以上80質量部以下とすることが好ましく、より好ましい範囲は10質量部以上30質量部以下である。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
・他の導電剤
さらに、樹脂層には、必要に応じて他の導電剤をカーボンブラックと併せて使用することができ、例えば、第1の弾性層で使用することのできる上述した他の導電剤を同様に用いることができる。なお、樹脂層中のこれら他の導電剤の含有量は、導電性の観点から、この樹脂層中の樹脂成分の質量(100質量部)に対して、2質量部以上30質量部以下とすることが好ましく、より好ましい範囲は5質量部以上20質量部以下である。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂層には、上記以外の導電剤として、イオン導電剤も特に制限なく使用することができ、例えば、第1の弾性層で使用することのできる上述したイオン導電剤を同様に用いることができる。なお、樹脂層中のこれらイオン導電剤の含有量は、導電性の観点から、この樹脂層中の樹脂成分の質量(100質量部)に対して、0.01質量部以上10質量部以下とすることが好ましく、より好ましい範囲は0.5質量部以上5質量部以下である。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(粗し粒子)
本発明に用いる樹脂層には、粗さを付与する目的で粗し粒子を含有しても良い。粗し粒子としては特に制限されるものではなく、アクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、フェノール樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましい。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<電子写真用部材の製造方法>
本発明の電子写真用部材は、以下の工程を含む製造方法により製造することができる。
1)軸芯体(基体)上に、化学構造中にヒドロシリル基を有するシリコーンゴム層を形成する工程。
2)前記シリコーンゴム層上に、樹脂原料、ならびに、前記樹脂原料中の官能基と反応し得る官能基と、前記ヒドロシリル基と反応し得る官能基とを有する化合物(連結化合物)を含む層を形成する工程。
3)前記樹脂原料、前記連結化合物および前記シリコーンゴム層における官能基を反応させることによって、弾性層(第1の弾性層)、および、前記弾性層(第1の弾性層)上に形成された樹脂層を得る工程。
さらに、上記製造方法は、軸芯体を用意する工程、軸芯体上(軸芯体と弾性層との間)に他の層(例えばプライマー層)を形成する工程、およびび軸芯体上(軸芯体とシリコーンゴム層との間)に弾性層(第1の弾性層以外の弾性層)を形成する工程を含むこともできる。以下に各工程について説明する。
(工程1)
軸芯体上にシリコーンゴム層(第1の弾性層の前駆体層)を設ける製造方法としては、電子写真用導電性ローラの分野で公知の方法を用いることができ、例えば、以下の方法が挙げられる。軸芯体と弾性層形成用材料(付加硬化型シリコーンゴム混合物)とを共に押出して成型する方法。弾性層形成用材料(付加硬化型シリコーンゴム混合物)が液状であれば、円筒状のパイプと、このパイプの両端に配設された軸芯体を保持するための駒と、軸芯体とを配設した金型に、この弾性層形成用材料を注入し、加熱硬化する方法等。
なお、軸芯体上に第1の弾性層以外の弾性層を形成する場合も同様の方法を用いて作製することができる。
(工程2および3)
次に、軸芯体上に設けられたシリコーンゴム層上に、樹脂層形成用原料(樹脂原料および連結化合物、ならびに必要に応じて導電剤および粗し粒子)を含む層(樹脂層の前駆体層)を形成し、必要に応じて加熱した状態で硬化処理を行い、弾性層および樹脂層を形成する。
その際、樹脂層を設けるために、これらの原料を含む塗料を用いることができる。この塗料は、樹脂層形成用原料を溶媒に分散することで得ることができる。なお、分散の手段、および分散時間に関しては、得られる電子写真用部材(電子写真用導電性ローラ)の目的に応じて任意に決めることができる。
樹脂層の塗膜方法としては、特に限定されるものではなく、以下の方法により形成することができる。ディップコート、スプレーコート、ロールコート、リングコート等の湿式コート法。
例えば、ディップ法によって樹脂層の塗膜を行う場合、以下の方法によって、弾性層および樹脂層を得ることができる。即ち、樹脂の原料、連結化合物、および溶媒、ならびに必要に応じて導電剤や粗し粒子を含んだ塗料に、軸芯体上に形成されたシリコーンゴム層(弾性部材)を浸漬させた後、加熱硬化することで、第1の弾性層および樹脂層を形成することができる。なお、この際、必要に応じて塗料の粘度調整を行っても良いし、塗料の循環を行っても良い。
また、加熱硬化条件としては、使用する原料により異なるが、一般的に硬化性の観点から、80℃以上で反応させることが好ましく、樹脂成分が分解しないように180℃以下で反応させることが好ましい。また、加熱時間としては、樹脂成分の分解の観点から、5時間以下とすることが好ましい。
なお、樹脂層中の樹脂として、ウレタン樹脂を用いる場合、樹脂原料として、イソシアネート化合物およびポリオール化合物を用いることができる。また、連結化合物として、このイソシアネート化合物が有するイソシアネート基およびこのポリオール化合物が有するヒドロキシ基の少なくとも一方と反応し得る官能基と、ビニル基とを有する化合物を用いることができる。そして、硬化処理により、上記樹脂層の前駆体層中の、上記イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させてウレタン樹脂を形成するとともに、連結化合物中の官能基とイソシアネート基およびヒドロキシ基の少なくとも一方とを反応させ、かつ、連結化合物中のビニル基とシリコーンゴム層中のヒドロシリル基とを反応させる。これにより、第1の弾性層、および、この弾性層上に形成された樹脂層を得ることができる。
さらに、樹脂層中の樹脂として、エポキシ樹脂を用いる場合、樹脂原料として、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)を用いることができる。また、連結化合物として、このエポキシ基と反応し得る官能基と、ビニル基とを有する化合物を用いることができる。そして、硬化処理により、上記樹脂層の前駆体層中の、上記エポキシ基を開裂させてエポキシ樹脂を形成するとともに、連結化合物中の官能基とこのエポキシ基とを反応させ、かつ、連結化合物中のビニル基とシリコーンゴム層中のヒドロシリル基とを反応させる。これにより、第1の弾性層、および、この弾性層上に形成された樹脂層を得ることができる。
以下に実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例1〜7、9、11〜15、19〜23、及び25は、請求項1〜3に記載の各発明に係る参考例である。
[電子写真用部材(導電性ローラ)の製造]
・軸芯体1の準備
まず、軸芯体1として、SUS304(ステンレス鋼304)製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名、DY35−051;東レダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを準備した。
・シリコーンゴム層1の製造
上記で準備した軸芯体1を金型に配置し、以下の材料を混合した付加硬化型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入し、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃で15分間加硫して硬化させた。
・液状シリコーンゴム材料1(商品名、SE6724A;東レ・ダウコーニング社製)
45質量部、
・液状シリコーンゴム材料2(商品名、SE6724B;東レ・ダウコーニング社製)
55質量部、
・カーボンブラック(商品名、トーカブラック#4300;東海カーボン社製)15質量部、
・耐熱性付与剤としてのシリカ粉体 0.2質量部、
・白金触媒 0.1質量部。
周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された軸芯体を金型から脱型した後、当該軸芯体を、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。こうして、軸芯体1の外周に直径12mmのシリコーンゴム層1が形成された弾性ローラ1を作製した。
・樹脂層形成用塗料の製造
(連結化合物の準備)
<連結化合物1〜10、14〜26および28〜32の準備>
連結化合物1〜10、14〜26および28〜32は、それぞれ表1および表2に示す市販品を使用した。
<連結化合物11〜13、および27の準備>
連結化合物11〜13、および27はそれぞれ下記の方法で得た。
・連結化合物11(ビニル基とヒドロキシ基とを有する化合物1)の作製
AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)の量を0.15mol、反応時間を12時間に変更した以外は、特開2013−166829号公報における実施例3と同様の方法で化合物Aを作製した。化合物Aの分子量を熱分解ガスクロマトグラフィーで分析した結果、分子量は234であった。その際、熱分解装置は、日本分析工業社製のPYROFOIL SAMPLER JPS−700(商品名)を使用した。また、ガスクロマトグラフィー質量分析装置は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製のTrace GCMS(商品名)を使用した。
次に、この化合物Aを濃硫酸で加熱処理(140℃、1時間)することで、連結化合物11を得た。連結化合物11の分子量を熱分解ガスクロマトグラフィーで分析した結果、分子量が216だったので、連結化合物11の構造を表1のように特定した。
・連結化合物12(ビニル基とヒドロキシ基とを有する化合物2)の作製
AIBNの量を0.13mol、反応時間を12時間にした以外は、上記化合物Aと同様の方法で化合物Bを作製した。化合物Bの分子量を熱分解ガスクロマトグラフィーで分析した結果、分子量は350であった。次に、この化合物Bを濃硫酸で加熱処理(140℃、1時間)することで、連結化合物12を得た。連結化合物12の分子量を熱分解ガスクロマトグラフィーで分析した結果、分子量が332だったので、連結化合物12の構造を表1のように特定した。
・連結化合物13(ビニル基とヒドロキシ基とを有する化合物3)の作製
AIBNの量を0.10mol、反応時間を12時間にした以外は、上記化合物Aと同様の方法で化合物Cを作製した。化合物Cの分子量をガスクロマトグラフィーで分析した結果、分子量は582であった。次に、この化合物Cを濃硫酸で加熱処理(140℃、1時間)することで、連結化合物13得た。連結化合物13の分子量を熱分解ガスクロマトグラフィーで分析した結果、分子量が546だったので、連結化合物13の構造を表1のように特定した。
・連結化合物27(ビニル基とヒドロキシ基とを有する化合物4)の作製
AIBNの量を0.08mol、反応時間を12時間にした以外は、上記化合物Aと同様の方法で化合物Dを作製した。化合物Dの分子量をガスクロマトグラフィーで分析した結果、分子量は698であった。次に、この化合物Dを濃硫酸で加熱処理(140℃、1時間)することで、連結化合物27を得た。連結化合物27の分子量を熱分解ガスクロマトグラフィーで分析した結果、分子量が662だったので、連結化合物27の構造を表2のように特定した。
Figure 0006433271
Figure 0006433271
(樹脂層用塗料の製造)
<塗料1〜23の作製>
下記表3の材料(連結化合物、樹脂成分、導電剤、粗し粒子、および溶剤であるMEK(メチルエチルケトン))を撹拌モーターで撹拌した後、サンドミルにて混合した。その後、溶媒であるMEKをさらに加えて粘度調整を行い、塗料1〜23を作製した。なお、表3には、各塗料を調製する際に用いた溶媒(MEK)の総使用量(質量部)を記載した。
Figure 0006433271
<塗料24〜39の作製>
下記表4の材料(連結化合物、樹脂成分、導電剤、粗し粒子および溶媒であるMEK)を撹拌モーターで撹拌した後、サンドミルにて混合した。その後、溶媒であるMEKをさらに加えて粘度調整を行い、塗料24〜39を作製した。なお、表4には、各塗料を調製する際に用いた溶媒(MEK)の総使用量(質量部)を記載した。
Figure 0006433271
(実施例1)
表3に示す塗料1に弾性ローラ1を浸漬させた後、90℃で5時間加熱硬化することで、実施例1に係る導電性ローラ1を得た。
[弾性層と樹脂層との接着性評価]
上記の手段で得た導電性ローラ1について、弾性層(第1の弾性層)と樹脂層間で膜剥離を行い、弾性層側の破断面を観察することで、接着性の評価を行った。具体的には、導電性ローラ1を、温度40℃/相対湿度95%の環境下に2か月(計2か月)、さらに4か月(計6か月)、および、さらに6か月(計12か月)放置したものをそれぞれ用意し、これらの導電性ローラを、温度23℃/相対湿度50%の環境下に1日静置させた。その後、同環境(23℃/50%)において、JIS K 6854‐2に準拠した剥離試験をそれぞれの導電性ローラに対して行い、弾性層と樹脂層との接着性を表5に記載の基準で評価した。評価結果を表6に示す。
Figure 0006433271
(実施例2〜16)
実施例1において、塗料を表3に示す塗料2〜16に変更した以外は実施例1と同様の方法で、導電性ローラ2〜16を製造した。得られた導電性ローラ2〜16の接着性評価結果を表6に示す。
(実施例17)
表4に示す塗料24に弾性ローラ1を浸漬させた後、23℃で24時間放置させた。その後、65℃で3時間、加熱硬化してから、さらに90℃で5分間、加熱硬化して、導電性ローラ17得た。得られた導電性ローラ17の接着性評価結果を表6に示す。
(実施例18〜25)
実施例17において、塗料を表4に示す塗料25〜32に変更した以外は実施例17と同様の方法で、導電性ローラ18〜25を製造した。得られた導電性ローラ18〜25の接着性評価結果を表6に示す。
Figure 0006433271
表6の接着性評価において、実施例1〜25は良好な結果が得られた。これは、これらの例において、上記構造式(1)〜(3)のいずれか1つの構造を有し、かつ、分子量が58以上、550以下である連結基による結合が、樹脂層中の樹脂と、弾性層中のケイ素原子との間に連結化合物1〜21により形成されたためである。
なお、6か月放置後の接着性評価において、実施例3、6〜13、15,16、21、および22がその他の実施例に比べてより良好なのは、連結化合物3、6〜13、19、および20の分子中にエーテル構造およびエステル構造のうちの少なくとも一方の極性構造を有するためである。つまり、連結化合物の分子中に極性構造を有することで、上記の連結化合物がシリコーンゴム層に染み込み易くなり、その結果、弾性層と樹脂層の接着性がより向上するためである。
この中でも、12か月放置後の接着性評価において、実施例3、6〜10、15、16、22がさらに良好なのは、連結化合物3、6〜10、および20において、シリコーンゴム層中のヒドロシリル基と反応するビニル基の隣に極性基であるエーテル結合、もしくはエステル結合を有し、且つ、記号Q1〜Q3における炭化水素部分が炭素数2以上、4以下であって立体障害が比較的小さい為、連結化合物がシリコーンゴム層中に染み込み易くなり、シリコーンゴム層中のヒドロシリル基と反応し易くなるためだと考えられる。
(比較例1〜7)
実施例1において、塗料を表3に示す塗料17〜23に変更した以外は実施例1と同様の方法で、導電性ローラ26〜32を製造した。得られた導電性ローラ26〜32の接着性評価結果を表7に示す。
(比較例8〜14)
実施例17において、塗料を表4に示す塗料33〜39に変更した以外は実施例17と同様の方法で、導電性ローラ33〜39を製造した。得られた導電性ローラ33〜39の接着性評価結果を表7に示す。
Figure 0006433271
表7の接着性評価において、比較例1〜14は良好な結果が得られなかった。これは、弾性層(第1の弾性層)と樹脂層が化学的に結合していないためである。以下に、弾性層と樹脂層が化学的に結合しない理由を記載する。
比較例1、8の場合は、連結化合物を用いていないため、弾性層と樹脂層は化学的に結合しない。
比較例2、10の場合は、用いた連結化合物が、シリコーンゴム層に残存するシリル基と結合する官能基と、樹脂層を形成する樹脂と結合する官能基との両方を有していないため、弾性層と樹脂層は化学的に結合しない。
比較例3、5、9、11の場合は、用いた連結化合物が、シリコーンゴム層に残存するシリル基と結合する官能基は有しているが、樹脂層を形成する樹脂と結合する官能基を有していないため、弾性層と樹脂層は化学的に結合しない。
比較例4、6、12、13の場合は、用いた連結化合物が、樹脂層を形成する樹脂と結合する官能基は有しているが、シリコーンゴム層に残存するシリル基と結合する官能基を有していないため、弾性層と樹脂層は化学的に結合しない。
比較例7の場合は、用いた連結化合物が、シリコーンゴム層に残存するシリル基と反応し得る官能基と、樹脂層を形成する樹脂と反応し得る官能基の両方を有しているが、分子量が大きく、シリコーンゴム層の内部に染み込み難い。その結果、シリコーンゴム層中のヒドロシリル基と反応できず、弾性層と樹脂層は化学的に結合しない。
比較例14の場合は、用いた連結化合物が、シリコーンゴム層に残存するシリル基と反応し得る官能基と、樹脂層を形成する樹脂と反応し得る官能基の両方を有しているが、ビニル基由来部分の炭素数が多く、立体障害により、シリル基と反応できなかった為、弾性層と樹脂層は化学的に結合しない。
よって、比較例1〜14は、上記の理由により、弾性層と樹脂層の接着性を向上させることができない。
1 ローラ形状の電子写真用部材(電子写真用導電性ローラ)
1a 軸芯体
1b 弾性層
1c 樹脂層

Claims (5)

  1. 基体と、
    該基体上に設けられた、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物からなる、シリコーンゴムを含む弾性層と、
    該弾性層上に設けられた、樹脂を含む樹脂層と、
    を有する電子写真用部材であって、
    該樹脂層中の該樹脂と、該弾性層に含まれるシリコーンゴム中のケイ素原子とは、連結基によって結合しており、該連結基は、下記構造式(2)、および、(3)からなる群から選択されるいずれか1つの構造式で示される構造を有しており、該連結基の分子量は、58以上、550以下であることを特徴とする電子写真用部材
    造式(2)
    *−T2−Q2−NHCO−**
    構造式(3)
    *−T3−Q3−S−**
    (上記構造式(2)〜(3)において、記号T2、およびT3は、各々独立に、炭素数2以上、8以下の2価の炭化水素基を表し、
    記号Q2、およびQ3は、各々独立に、炭素原子と水素原子とで構成される2価の有機基、または、炭素原子と水素原子と酸素原子とで構成される2価の有機基を表し、
    上記構造式(2)、および(3)において、記号「*」は、該弾性層に含まれるシリコーンゴム中のケイ素原子との結合部位を表し、記号「**」は、該樹脂層中の樹脂との結合部位を表す)。
  2. 前記連結基の構造式中、記号Q2またはQ3が、エーテル結合、および、エステル結合から選ばれる何れか一方または両方の結合を有する請求項1に記載の電子写真用部材。
  3. 前記構造式(2)、および(3)において、記号Q2、およびQ3が、各々独立に、下記構造式(A−1)、および(A−2)でそれぞれ示される構造から選ばれるいずれかの構造を表す請求項1または2に記載の電子写真用部材:
    構造式(A−1)
    −O−CXDM
    構造式(A−2)
    −COO−CYEN
    (但し、上記構造式(A−1)、および(A−2)において、記号XおよびYは、各々独立に、2以上、4以下の整数であり、記号DおよびEは、各々独立に、2以上、8以下の整数であり、記号MおよびNは、各々独立に、0以上、2以下の整数である。
    また、上記構造式(A−1)、および(A−2)における「−O」、および「−COO」は、上記構造式(2)、および(3)における記号T2、またはT3と結合し、「CXDM−」、および「CYEN−」は、上記構造式(2)、および(3)における「NHCO−**」、および「S−**」のいずれかと結合する。)。
  4. 基体と、
    該基体上に設けられた、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物からなる弾性層と、
    該弾性層上に設けられた、ウレタン樹脂を含む樹脂層と、
    を有する電子写真用部材の製造方法であって、
    該基体上に設けられた、化学構造中にヒドロシリル基を有するシリコーンゴム層上に、イソシアネート化合物、ポリオール化合物、ならびに、該イソシアネート化合物が有するイソシアネート基および該ポリオール化合物が有するヒドロキシ基の少なくとも一方と反応し得る官能基と、ビニル基とを有する化合物を含む層を形成する工程と、
    この層中の、該イソシアネート化合物と該ポリオール化合物とを反応させてウレタン樹脂を形成するとともに、該官能基と該イソシアネート基および該ヒドロキシ基の少なくとも一方とを反応させ、かつ、該ビニル基と該シリコーンゴム層中の該ヒドロシリル基とを反応させることによって、該弾性層、および、該弾性層上に形成された該樹脂層を得る工程と、
    を有することを特徴とする電子写真用部材の製造方法。
  5. 基体と、
    該基体上に設けられた、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物からなる弾性層と、
    該弾性層上に設けられた、エポキシ樹脂を含む樹脂層と、
    を有する電子写真用部材の製造方法であって、
    該基体上に設けられた、化学構造中にヒドロシリル基を有するシリコーンゴム層上に、エポキシ基を有する化合物、および、該エポキシ基と反応し得る官能基と、ビニル基とを有する化合物を含む層を形成する工程と、
    この層中の、該エポキシ基を開裂させてエポキシ樹脂を形成するとともに、該官能基と該エポキシ基とを反応させ、かつ、該ビニル基と該シリコーンゴム層中の該ヒドロシリル基とを反応させることによって、該弾性層、および、該弾性層上に形成された該樹脂層を得る工程と、
    を有することを特徴とする電子写真用部材の製造方法。
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