JP6430800B2 - 機械式エンコーダとアクチュエータ - Google Patents
機械式エンコーダとアクチュエータInfo
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Description
まず、特許文献1に記載された回転角度検出装置では、リング状の強磁性体が第1の検出用回転体や第2の検出用回転体に設置されているため、上記第1の検出用回転体や第2の検出用回転体に上記リング状の強磁性体を設置するための部位を設けなければならず、その分だけ上記第1の検出用回転体や第2の検出用回転体が大きくなってしまい、上記第1の検出用回転体や上記第2の検出用回転体を回転させるのに必要な力が増大してしまうという問題があった。
また、リング状の強磁性体を回路基板側に設置するものは、上記回路基板上の電子部品のレイアウトが制限され、設計の自由度が低下してしまうという問題があった。
又、請求項2による機械式エンコーダは、請求項1記載の機械式エンコーダにおいて、上記磁気干渉防止用磁性体は上記主動歯車及び上記従動歯車の上記永久磁石のそれぞれに対応するように設置されたリング状の部材であることを特徴とするものである。
又、請求項3による機械式エンコーダは、請求項1又は請求項2記載の機械式エンコーダにおいて、上記従動歯車の両端が回転可能に支持されることを特徴とするものである。
又、請求項4による機械式エンコーダによると、請求項1〜請求項3の何れかに記載の機械式エンコーダにおいて、上記ケースは2つの部材から構成されることを特徴とするものである。
又、請求項5によるアクチュエータは、請求項1〜請求項4の何れかに記載の機械式エンコーダが設置されていることを特徴とするものである。
また、上記基板上にも上記磁気干渉防止用磁性体を設置していないので、上記基板上の、例えば、電子部品のレイアウトが制限されることがなく、設計の自由度を高くすることができる。
又、請求項2による機械式エンコーダによると、請求項1記載の機械式エンコーダにおいて、上記磁気干渉防止用磁性体は上記主動歯車及び上記従動歯車の上記永久磁石のそれぞれに対応するように設置されたリング状の部材であるため、個々の上記センサにおける磁気の干渉を効果的に防止できる。
又、請求項3による機械式エンコーダによると、請求項1又は請求項2記載の機械式エンコーダにおいて、上記従動歯車の両端が回転可能に支持されるため、上記従動歯車を安定して回転させることができる。
又、請求項4による機械式エンコーダによると、請求項1〜請求項3の何れかに記載の機械式エンコーダにおいて、上記ケースは2つの部材から構成されるため、組立が容易である。
又、請求項5によるアクチュエータによると、請求項1〜請求項4の何れかに記載の機械式エンコーダが設置されているため、上記主動歯車及び上記従動歯車のコンパクト化により、上記主動歯車及び上記従動歯車を回転させるために必要な力を小さくすることができる。
この一実施の形態によるアクチュエータ1は、概略、次のような構成になっている。
まず、図1及び図2に示すように、ハウジング3がある。このハウジング3は、底面側(図2中上側)のベース5と、このベース5の幅方向(図1中左上から右下に向かう方向)両端に設けられたサイドカバ7、7とから構成されている。また、上記ハウジング3の先端(図1中右上端)は端部カバ9によって閉塞されており、上記ハウジング3の後端(図1中左下端)にはモータベース11が設置されている。
また、上記サイドカバ7、7の図1中上端は相互に離間されており、それにより開口部13が形成されている。この開口部は、その長さ方向両端(図1中右上端と左下端)を固定されたステンレスシート15によって閉塞されている。
また、上記スライダ21の上記ハウジング3内部側には、図示しないボールねじナットが固着されている。この図示しないボールねじナットの内周面側には螺旋溝が形成されていると共に、上記図示しないボールねじナット内には上記螺旋溝の両端を連通させる転動路が設けられている。
また、上記ハウジング3内には、図示しないボールねじ軸が回転可能に設置されている。このボールねじ軸の外周面には図示しない螺旋溝が形成されており、この図示しない螺旋溝と上記図示しないボールねじナットの螺旋溝との間の空間、及び、上記図示しないボールねじナットの転動路には、複数のボールが転動・循環している。
上記モータ27の出力軸31の先端側(図1中右上端側)は、前記図示しないボールねじ軸と図示しないカップリングによって連結されている。
また、上記先端側ケース45の外周側には、貫通孔55a、55b、55c、55dが、ボールねじ軸の軸方向(図5中左下から右上に向かう方向)に沿って延長・形成されている。また、上記主動歯車収納用貫通孔49の近傍には、位置決め用凹部57、57が、ボールねじ軸の軸方向(図5中左下から右上に向かう方向)に延長・形成されている。
また、上記主動歯車用貫通孔63の図6中右側には、第1従動歯車用貫通孔69が形成されている。また、上記第1従動歯車用貫通孔69の反先端側ケース45側(図6中上側)は拡径されており、図5に示すように、磁性体取付部73が形成されている。
また、上記主動歯車用貫通孔63の図6中左側には、第2従動歯車用貫通孔75が形成されている。また、上記第2従動歯車用貫通孔75の反先端側ケース45側(図6中上側)は拡径されており、図5に示すように、磁性体取付部79が形成されている。
また、上記後端側ケース47には、位置決め用貫通孔85、85が形成されている。
図7に示すように、この主動歯車91には主動歯車本体92があり、その外周側には歯車部93が形成されている。また、図6に示すように、上記主動歯車本体92には、長さ方向(図6中上下方向)に延長された貫通孔95が形成されている。この貫通孔95の先端側(図6中下側)は拡径されており、連結用凹部97が形成されている。また、上記主動歯車本体92には、上記連結用凹部97と直交する方向に延長され、上記連結用凹部97と上記主動歯車本体92の外周側に開口された出力軸固定用雌ネジ部99が形成されている。
前記したモータ27の出力軸31は上記連結用凹部97に挿入されており、上記出力軸31は、上記出力軸固定用雌ネジ部99に螺合される固定用ネジ101によって上記主動歯車91に連結・固定される。
また、図6に示すように、上記主動歯車本体92には、Oリング100が設置されており、上記歯車部93側(図6中上側)からモータ27側(図6中下側)への潤滑油の漏れを防止している。
なお、上記軸受105は、上記主動歯車用貫通孔63内に圧入された外輪107と、この外輪107の内側に設置され上記主動歯車支持軸103が圧入される内輪109と、上記外輪107と上記内輪109との間に転動可能に設置された複数のボール111と、これらボール111を保持するリテイナ113とから構成されている。
図7に示すように、この第1従動歯車121には第1従動歯車本体122があり、その外周側には歯車部123が形成されている。この歯車部123は上記主動歯車91の歯車部93と噛合されている。
既に述べた先端側ケース45の第1従動歯車支持用凹部51には、軸受129が設置されており、上記後端側ケース47の第1従動歯車用貫通孔69の図6中下端側にも軸受131が設置されている。これら軸受129、131によって、上記第1従動歯車121が上記第1従動歯車支持軸127を介して回転可能に支持されている。
なお、上記軸受129も、既に述べた軸受105と同様に上記第1従動歯車支持用凹部51内に圧入される外輪133、上記第1従動歯車121の第1従動歯車支持軸127が圧入される内輪135、複数のボール137、リテイナ139とから構成されている。また、上記軸受131も、同様に上記第1従動歯車用貫通孔69内に圧入される外輪141、上記第1従動歯車121の第1従動歯車支持軸127が圧入される内輪143、複数のボール145、リテイナ147とから構成されている。
図7に示すように、この第2従動歯車161には第2従動歯車本体162があり、その外周側には歯車部163が形成されている。この歯車部163は上記主動歯車91の歯車部93と噛合されている。
既に述べた先端側ケース45の第2従動歯車支持用凹部53には、軸受169が設置されており、上記後端側ケース47の第2従動歯車用貫通孔75の図6中下端側にも軸受171が設置されている。これら軸受169、171によって、上記第2従動歯車161が上記第2従動歯車支持軸167を介して回転可能に支持されている。
なお、上記軸受169も、既に述べた軸受105と同様に上記第2従動歯車支持用凹部53内に圧入される外輪173、上記第2従動歯車161の第2従動歯車支持軸167が圧入される内輪175、複数のボール177、リテイナ179とから構成されている。また、上記軸受171も、同様に上記第2従動歯車用貫通孔75内に圧入される外輪181、上記第2従動歯車161の第2従動歯車支持軸167が圧入される内輪183、複数のボール185、リテイナ187とから構成されている。
そして、上記磁気センサ203によって上記主動歯車91とともに上記永久磁石115が回転されることによる磁場の変化から上記主動歯車91の回転角度を検出する。また、上記磁気センサ205によって上記第1従動歯車121とともに上記永久磁石149が回転されることによる磁場の変化から上記第1従動歯車121の回転角度を検出する。また、上記磁気センサ207によって上記第2従動歯車161とともに上記永久磁石189が回転されることによる磁場の変化から上記第2従動歯車161の回転角度を検出する。
上記スライダ21は、既に述べたように、モータ27による図示しないボールねじ軸の回転によって移動される。よって、上記主動歯車91の回転数と回転角度と、上記図示しないボールねじ軸の螺旋溝のピッチから、上記スライダ21の絶対位置が算出される。
上記主動歯車91の歯車部93の歯数(N0)と上記第1従動歯車121の歯車部123の歯数(N1)と上記第2従動歯車161の歯車部163の歯数(N2)はそれぞれ異なっており、互に素となるように設定されている。すなわち、上記主動歯車91の歯車部93の歯数(N0)と上記第1従動歯車121の歯車部123の歯数(N1)と上記第2従動歯車161の歯車部163の歯数(N2)は、上記主動歯車91の歯車部93の回転角度に対する上記第1従動歯車121の回転角度と上記第2従動歯車161の回転角度の組み合わせの数が最大となり、且つ、アクチュエータ1上におけるスライダ21の絶対位置を算出するのに必要な歯数となるように設定されている。
ちなみに、この一実施の形態の場合は、上記主動歯車91の歯車部93の歯数(N0)は25、上記第1従動歯車121の歯車部123の歯数(N1)は24、上記第2従動歯車161の歯車部163の歯数(N2)は23に設定されている。
前述したように、上記主動歯車91の歯車部93の歯数(N0)と上記第1従動歯車121の歯車部123の歯数(N1)と上記第2従動歯車161の歯車部163の歯数(N2)はそれぞれ異なっており、互に素となるように設定されているため、上記主動歯車91を回転させていくと、第1従動歯車121、及び、第2従動歯車161の回転角度は、図9のグラフに示すように変化していく。
なお、図9(a)、(b)は、横軸に主導歯車91、第1従動歯車121、第2従動歯車161の回転数をとり、縦軸に主動歯車91、第1従動歯車121、第2従動歯車161の回転角度を取り、その変化を示した図である。図9(a)は最初の部分を示しており、図9(b)は最後の部分を示している。
まず、この初期状態から上記主動歯車91を正転させて上記スライダ21を前進(図1中右上側)させる場合を想定する。上記主動歯車91が回転されると上記第1従動歯車121及び第2従動歯車161も回転されるが、上記主動歯車91の回転角度に対して、上記第1従動歯車121の回転角度がずれる。また、このとき、上記第2従動歯車161の回転角度は、上記主動歯車91の回転角度と上記第1従動歯車121の回転角度の両方に対してずれている。
そして、ある時点で上記主動歯車91の回転角度と上記第1従動歯車121や上記第2従動歯車161の回転角度とのずれが最大となり、それ以降は、図9(b)に示すように、上記主動歯車91の回転角度と上記第1従動歯車121や上記第2従動歯車161の回転角度とのずれが小さくなっていき、上記主動歯車91、上記第1従動歯車121、及び、上記第2従動歯車161の回転角度が再び一致して、初期状態に戻る。
よって、上記第1従動歯車121の回転角度と上記第2従動歯車161の回転角度の組み合わせから、上記主動歯車91の回転数ひいては図示しないボールねじ軸の回転数を求めることができる。
また、求めることができる上記主動歯車91の回転数、すなわち、上記主動歯車91の回転数に対応する第1従動歯車121、第2従動歯車161の回転角度の組み合わせの数(n)は、次の式(I)により算出される。
n=N1×N2=24×23=552 ―――(I)
但し、
n:主動歯車91の回転数に対応する第1従動歯車121、第2従動歯車1
61の回転角度の組み合わせの数
N1:第1従動歯車121の歯車部123の歯数
N2:第2従動歯車161の歯車部163の歯数
この一実施の形態の場合は、上記スライダ21が原点にある状態から、上記図示しないボールねじ軸が552回転して上記スライダ21が前進した位置までの範囲で、上記スライダ21の絶対位置を求めることが可能である。
また、図3に示すように、上記基板201の後端側の面(図3中左下側の面)には、板状のカバ202が、例えば、両面テープによって接着されている。
上記先端側ケース45、上記後端側ケース47、及び、上記基板201は、上記先端側ケース45の貫通孔55a及び上記後端側ケース47の貫通孔83aにボルト213aを貫通させ、このボルト213aを上記取付用貫通孔211aに内装されたナット215aに螺合させるとともに、上記先端側ケース45の貫通孔55d及び上記後端側ケース47の貫通孔83dにボルト213bを貫通させ、このボルト213bを上記取付用貫通孔211dに内装されたナット215bに螺合させることによって、締結・固定されている。
まず、モータ27の出力軸31が正転又は逆転されると、図示しないボールねじ軸が正転又は逆転され、上記図示しないボールねじ軸に螺合された図示しないボールねじナットを介してスライダ21が前進(図1中右上側に移動)又は後退(図1中左下側に移動)される。
そして、上記主動歯車91の回転数と上記主動歯車91の回転角度、及び、図示しないボールねじ軸の螺旋溝のピッチから、上記スライダ21の絶対位置を求めることができる。
また、上記後端側ケース47の磁性体取付部73には、第1従動歯車用磁気干渉防止用磁性体151が設置されていて、上記第1従動歯車121の永久磁石149による、磁気センサ203、207への磁気干渉を防止し、上記主動歯車91及び上記第2従動歯車161の回転角度の検出精度を高めている。
また、上記後端側ケース47の磁性体取付部79には、第2従動歯車用磁気干渉防止用磁性体191が設置されていて、上記第2従動歯車161の永久磁石189による、磁気センサ203、205への磁気干渉を防止し、上記主動歯車91及び上記第1従動歯車121の回転角度の検出精度を高めている。
まず、主動歯車用磁気干渉防止用磁性体117、第1従動歯車用磁気干渉防止用磁性体151、第2従動歯車用磁気干渉防止用磁性体191は、主動歯車91、第1従動歯車121、及び、第2従動歯車161ではなく、後端側ケース47に設置されているので、上記主動歯車91、上記第1従動歯車121、上記第2従動歯車161をコンパクト化することができる。これにより、上記主動歯車91、上記第1従動歯車121、上記第2従動歯車161を回転させるために必要な力を小さくすることができ、省電力化を図ることができる。
また、基板201上に上記主動歯車用磁気干渉防止用磁性体117、上記第1従動歯車用磁気干渉防止用磁性体151、上記第2従動歯車用磁気干渉防止用磁性体191を設置していないので、上記基板201上の、例えば、電子部品のレイアウトが制限されることはなく、設計の自由度を高くすることができる。
例えば、主動歯車、第1従動歯車、第2従動歯車の歯数は、互いに素となる組み合わせであれば良く、様々な歯数の組み合わせが考えられる。
また、従動歯車を3つ以上設置する場合も考えられる。この場合も、個々の主動歯車、従動歯車の歯数は、互いに素となるように設定される。
なお、前記一実施の形態の場合には、磁気干渉防止用磁性体を主動歯車、各従動歯車毎に独立して設けたが、例えば、主動歯車、各従動歯車毎に個別に遮蔽はするが、磁気干渉防止用磁性体としては一体に設ける構成も考えられる。
その他、図示した構成はあくまで一例でありそれに限定されるものではない。
41 機械式エンコーダ
43 ケース
45 先端側ケース(ケースを構成する一方の部材)
47 後端側ケース(ケースを構成する他方の部材)
91 主動歯車
115 主動歯車用永久磁石
117 主動歯車用磁気干渉防止用磁性体
121 第1従動歯車
149 第1従動歯車用永久磁石
151 第1従動歯車用磁気干渉防止用磁性体
161 第2従動歯車
189 第2従動歯車用永久磁石
191 第2従動歯車用磁気干渉防止用磁性体
201 基板
203 磁気センサ
205 磁気センサ
207 磁気センサ
Claims (5)
- ケースと、
上記ケース内に回転可能に内装された主動歯車と、
上記ケース内に回転可能に内装され上記主動歯車に噛合される複数の従動歯車と、
上記主動歯車と上記従動歯車のそれぞれの同じ側に固着された永久磁石と、
上記永久磁石と対向するように配置され上記ケースに固定された基板と、
上記基板上に上記永久磁石と対向するように設けられ上記主動歯車及び上記従動歯車のそれぞれの回転に対応して磁場の変化を検出するセンサと、
上記ケースに上記基板と対向するように設置され上記主動歯車及び上記従動歯車の上記永久磁石のそれぞれを遮蔽する磁気干渉防止用磁性体と、
を具備したことを特徴とする機械式エンコーダ。 - 請求項1記載の機械式エンコーダにおいて、
上記磁気干渉防止用磁性体は上記主動歯車及び上記従動歯車の上記永久磁石のそれぞれに対応するように設置されたリング状の部材であることを特徴とする機械式エンコーダ。 - 請求項1又は請求項2記載の機械式エンコーダにおいて、
上記従動歯車の両端が回転可能に支持されることを特徴とする機械式エンコーダ。 - 請求項1〜請求項3の何れかに記載の機械式エンコーダにおいて、
上記ケースは2つの部材から構成されることを特徴とする機械式エンコーダ。 - 請求項1〜請求項4の何れかに記載の機械式エンコーダが設置されていることを特徴とするアクチュエータ。
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