JP6428745B2 - クラッチ操作装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両において駆動力源と変速装置との間の動力伝達経路に配設されたクラッチ装置を操作するクラッチ操作装置に係る。
従来、特許文献1に開示されているように、エンジン(駆動力源)と変速装置との間の動力伝達経路に配設されたクラッチ装置に供給する作動油の油圧により当該クラッチ装置を操作するクラッチ操作装置が知られている。
このクラッチ操作装置は、油圧シリンダを有するクラッチアクチュエータを備えている。そして、運転者によるクラッチペダルの操作量(踏み込み操作量)をクラッチペダルストロークセンサによって検出し、そのセンサからの出力信号に従ってクラッチアクチュエータを制御する。このクラッチアクチュエータの制御により、前記油圧シリンダからクラッチ装置に供給される油圧を調整して、前記クラッチペダルの操作量に応じたクラッチ装置の係合状態が得られるようにしている。このようなクラッチ操作装置を備えたクラッチシステムは、一般にクラッチバイワイヤシステムと呼ばれている。
特開2012−112499号公報
特許文献1に開示されているような従来のクラッチバイワイヤシステムにあっては、クラッチアクチュエータやクラッチペダルストロークセンサ等が故障(フェール)し、クラッチアクチュエータの作動に異常が生じた場合、クラッチペダルの操作量に応じたクラッチ装置の動作が行えなくなってしまう。
この課題を解決するための手段として以下のものが考えられる。この手段としては、クラッチアクチュエータの作動によってクラッチ装置の液圧室との間で作動流体を流通させ、この液圧を調整する第1流通経路と、クラッチペダルの操作力によって前記液圧室との間で作動流体を流通させ、前記液圧を調整する第2流通経路とを備えさせる。そして、前記クラッチアクチュエータの作動に異常が生じた場合には、前記液圧室に連通させる作動流体の流通経路を前記第1流通経路から前記第2流通経路に切り替える。これにより、クラッチアクチュエータの作動に異常が生じた場合であっても、第2流通経路を利用することで、クラッチペダルの操作量に応じたクラッチ装置の動作が可能となる。
しかしながら、このように異常発生時に流通経路を切り替えるものにあっては、異常が発生してから流通経路の切り替え動作が行われるまでの間にクラッチペダルの操作量が変化してしまうと、各流通経路に備えられた油圧シリンダそれぞれのリザーバタンクにおける作動油の量がアンバランスとなってしまうことが懸念される。
具体的に、運転者によるクラッチペダルの踏み込み操作が行われ、クラッチアクチュエータが正常に作動してクラッチ装置が解放された状態で、クラッチアクチュエータが故障した場合において、流通経路の切り替え動作が行われる前に運転者によるクラッチペダルの踏み込み操作が解除された(踏み戻された)場合について考える。この場合、クラッチペダルの踏み込み操作が解除されても、クラッチアクチュエータが故障しているためにクラッチ装置は解放状態が維持される。つまり、このクラッチ装置には作動油が供給された状態(クラッチ解放用の油圧が作用した状態)にある。そして、クラッチペダルの踏み込み操作は既に解除されているため、この状態で流通経路の切り替え動作が行われると、クラッチ装置に供給されていた作動油(クラッチ装置を解放状態とするために第1流通経路の油圧シリンダから供給されていた作動油)が第2流通経路に導入され、この作動油が第2流通経路(クラッチペダル側)のリザーバタンクに向けて回収されてしまうことになる。つまり、故障が発生していない場合には第1流通経路(クラッチアクチュエータ側)のリザーバタンクに向けて戻されるべき作動油が、第2流通経路(クラッチペダル側)のリザーバタンクに向けて回収されてしまうことになる。このような状況になると、各リザーバタンクにおける作動油の量がアンバランスとなってしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クラッチアクチュエータの作動に異常が生じた場合において各リザーバタンクにおける作動油の量のアンバランスを解消可能とするクラッチ操作装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、駆動力源と変速装置との間の動力伝達経路に配設されたクラッチ装置の液圧室内の液圧を調整することにより前記クラッチ装置を係合状態と解放状態との間で操作するクラッチ操作装置を前提とする。このクラッチ操作装置は、クラッチアクチュエータと、運転者により操作されるクラッチペダルと、前記クラッチアクチュエータの作動によって前記液圧室との間で作動流体を流通させ、前記液圧を調整する第1流通経路と、前記クラッチペダルの操作力によって前記液圧室との間で作動流体を流通させ、前記液圧を調整する第2流通経路と、前記液圧室に連通させる作動流体の流通経路を前記第1流通経路と前記第2流通経路との間で切り替える切替機構と、前記クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定したときに、前記液圧室に連通させる作動流体の流通経路を前記第1流通経路から前記第2流通経路に切り替えるよう前記切替機構を制御する制御部と、前記第1流通経路と前記第2流通経路との間を連通する状態と遮断する状態との間で切り替え可能な連通手段と、前記クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定された場合に、前記連通手段によって前記第1流通経路と前記第2流通経路との間を連通させ、前記クラッチアクチュエータの作動に異常が生じた時点において前記第1流通経路から前記クラッチ装置に供給されていた作動油の供給量と、前記第2流通経路に備えられた油圧シリンダから前記第1流通経路に備えられた油圧シリンダのリザーバタンクに向かって流れた作動油の排出量とが等しくなった時点で前記連通手段によって前記第1流通経路と前記第2流通経路との間を遮断させる連通制御部とを備えている。
この特定事項によれば、クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定したときには、液圧室に連通させる作動流体の流通経路を第1流通経路から第2流通経路に切り替えるよう切替機構が制御される。これにより、運転者によるクラッチペダルの操作力によって得られる液圧をクラッチ装置の液圧室に供給できる状態となり、クラッチ装置の操作が可能になる。つまり、クラッチアクチュエータの作動に異常が生じている場合であっても、クラッチペダルの操作量に応じたクラッチ装置の動作が可能になる。このようにして液圧室に連通させる作動流体の流通経路が第1流通経路から第2流通経路に切り替えられた際、連通手段によって第1流通経路と第2流通経路との間が連通され、前記異常が生じた時点において第1流通経路からクラッチ装置に供給されていた作動油の供給量と、第2流通経路に備えられた油圧シリンダから第1流通経路に備えられた油圧シリンダのリザーバタンクに向かって流れた作動油の排出量とが等しくなった時点で連通手段によって第1流通経路と第2流通経路との間を遮断させる。これにより、前記流通経路の切り替えに伴ってクラッチ装置から第2流通経路の油圧シリンダに回収されていた作動油の余剰分が第1流通経路の油圧シリンダに排出されることになり、各油圧シリンダそれぞれのリザーバタンクにおける作動油の量がアンバランスとなっていた場合であっても、それを解消することが可能になる。
また、前記連通手段によって前記第1流通経路と前記第2流通経路との間を連通させた状態で、前記クラッチペダルの踏み込み操作の操作力を利用して、前記第2流通経路の前記油圧シリンダから、前記連通手段を経て、前記第1流通経路の前記油圧シリンダの前記リザーバタンクに向けて作動油を排出する構成となっており、車両の運転者に対し、前記作動油を排出するためのクラッチペダルの踏み込み操作を指示する操作指示部を備えていることが好ましい。
これによれば、操作指示部によるクラッチペダルの踏み込み操作の指示に従って運転者がクラッチペダルの踏み込み操作を行った場合、その操作力により、第2流通経路の油圧シリンダから、連通手段を経て、第1流通経路の油圧シリンダに備えられたリザーバタンクに向けて作動油を排出することができる。このため、特別な動力源を必要とすることなく、各油圧シリンダそれぞれのリザーバタンクにおける作動油の量がアンバランスとなっていた場合に、それを解消することが可能になる。
また、前記操作指示部は、前記クラッチアクチュエータの作動に異常が生じた時点において前記第1流通経路から前記クラッチ装置に供給されていた作動油の前記供給量に対応するクラッチペダルの踏み込み操作量を車両の運転者に対して指示するよう構成されていることが好ましい。
これによれば、作動油量のアンバランスを解消するに当たってのクラッチペダルの踏み込み操作量を予め運転者に認識させておくことができる。このため、運転者は、作動油量のアンバランスが解消されるクラッチペダルの踏み込み操作位置付近で踏み込みを停止することになり、前記連通手段によって第1流通経路と第2流通経路との間が遮断された時点での各リザーバタンクにおける作動油の量を適正に得ることが可能になる。
本発明では、クラッチアクチュエータの作動によってクラッチ装置の液圧室との間で作動流体を流通させて液圧を調整する第1流通経路と、クラッチペダルの操作力によってクラッチ装置の液圧室との間で作動流体を流通させて液圧を調整する第2流通経路とを備え、クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定したときに、液圧室に連通させる作動流体の流通経路を第1流通経路から第2流通経路に切り替えるものに対し、クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定された場合に、連通手段によって第1流通経路と第2流通経路との間を連通させ、前記異常が生じた時点において第1流通経路からクラッチ装置に供給されていた作動油の供給量と、第2流通経路の油圧シリンダから第1流通経路の油圧シリンダのリザーバタンクに向かって流れた作動油の排出量とが等しくなった時点で連通手段によって第1流通経路と第2流通経路との間を遮断させるようにしている。このため、クラッチ装置から第2流通経路の油圧シリンダに回収されていた作動油の余剰分が第1流通経路の油圧シリンダに排出されることになり、各油圧シリンダそれぞれのリザーバタンクにおける作動油の量がアンバランスとなっていた場合であっても、それを解消することが可能になる。
第1実施形態における車両のパワートレインおよび制御系の概略構成を示す図である。 第1実施形態におけるクラッチシステム全体の概略構成を示す図である。 第1実施形態における各ECUに関連する制御系の構成を示すブロック図である。 第1実施形態における各切替機構の切り替え動作および作動油量アンバランス解消動作の手順の一部を示すフローチャート図である。 第1実施形態における各切替機構の切り替え動作および作動油量アンバランス解消動作の手順の他の一部を示すフローチャート図である。 第2実施形態におけるクラッチシステム全体の概略構成を示す図である。 第2実施形態における退避走行時の切替バルブの状態を示す図である。 第2実施形態における作動油量アンバランス解消動作時の切替バルブの状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に本発明を適用した場合について説明する。
−第1実施形態−
(パワートレインの構成)
図1は、本実施形態における車両のパワートレインおよび制御系の概略構成を示す図である。この図1に示すように、エンジン(駆動力源)1の出力軸であるクランクシャフト11と変速装置(手動変速装置)3との間の動力伝達経路にはクラッチ装置2が配設されている。また、変速装置3の出力側は、デファレンシャルギヤ41およびドライブシャフト42,42を介して駆動輪43,43に連結されている。
前記エンジン1は、例えばガソリンエンジン等の内燃機関である。エンジン1は、エンジンECU100によって制御される。
前記クラッチ装置2は、図2(クラッチシステム全体の概略構成を示す図)に示すように、クラッチ機構21およびコンセントリックスレーブシリンダ(以下、CSCという)22を備えている。CSC22は、後述するクラッチ油圧回路330から供給される油圧(本発明でいう作動流体の液圧)に応じて作動し、クラッチ機構21を操作するものである。
具体的に、クラッチ機構21は、クラッチディスク23、プレッシャープレート24、ダイアフラムスプリング25を備えている。また、CSC22はレリーズベアリング26を備えている。
クラッチディスク23は、変速装置3の入力軸31の先端部にスプライン嵌合されている。また、このクラッチディスク23は、クランクシャフト11の後端部に固定されたフライホイール14に対向して配置されている。プレッシャープレート24は、ダイアフラムスプリング25の外周部とクラッチディスク23との間に配置されている。ダイアフラムスプリング25は、自然状態(外力を受けていない状態)においてプレッシャープレート24をクラッチディスク23に向けて押圧し、これにより、クラッチディスク23をフライホイール14に押圧している。前記CSC22のレリーズベアリング26は、ダイアフラムスプリング25の内周部分に対向して配置されている。
前記CSC22には前記クラッチ油圧回路330が接続されている。CSC22は、クラッチ機構21のプレッシャープレート24を軸方向に変位させることによってクラッチ機構21の係合、解放、あるいは滑り係合を行わせるように作動する。具体的には、クラッチECU200からのクラッチ制御信号に従って、後述するクラッチアクチュエータ8が作動することによりクラッチ油圧回路330からCSC22の油圧室(液圧室;図示省略)に供給される油圧が制御される(クラッチアクチュエータ8等(後述する第1操作機構310)に故障が発生していない場合の動作)。
クラッチアクチュエータ8等に故障が発生していない(正常に作動している)状況において、前記クラッチECU200からクラッチ制御信号としてクラッチ解放指令信号が出力されると、クラッチアクチュエータ8の作動に伴うクラッチ油圧回路330からの油圧の供給により、前記CSC22が作動してレリーズベアリング26がダイアフラムスプリング25の内周部分を押圧する。これにより、ダイアフラムスプリング25が反転され、クラッチディスク23に対するプレッシャープレート24の押圧力が解除される。その結果、クラッチディスク23がフライホイール14から引き離され、クラッチ機構21が解放される(以下、クラッチ装置2の解放という場合もある)。
一方、前記クラッチECU200からクラッチ制御信号としてクラッチ係合指令信号が出力されると、クラッチアクチュエータ8の作動に伴ってクラッチ油圧回路330からの油圧の供給が解除され、前記CSC22が作動してレリーズベアリング26がダイアフラムスプリング25から後退する。これにより、ダイアフラムスプリング25が前記自然状態に戻り、クラッチディスク23に対してプレッシャープレート24の押圧力が作用する。その結果、クラッチディスク23がフライホイール14に押圧され、クラッチ機構21が係合される(以下、クラッチ装置2の係合という場合もある)。
このように、クラッチシステムは、クラッチECU200からのクラッチ制御信号に従ってクラッチアクチュエータ8が作動し、それに伴ってクラッチ装置2が係合状態と解放状態との間で動作を行う所謂クラッチバイワイヤシステムとして構成されている。このクラッチバイワイヤシステムでは、クラッチ装置2の解放動作および係合動作を、運転者によるクラッチペダル91の操作に関わりなく適切に行うことができる。例えば、運転者によるクラッチペダル91の踏み込み解除操作の操作速度が高くても、ショックを招くことなくクラッチ装置2の係合動作を行うことが可能である。また、運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作が行われていなくても、クラッチ装置2を解放させることができるため、後述するフリーラン(エンジン1と変速装置3との間の動力伝達を遮断した状態で車両を走行させる惰性走行)を行わせることもできる。
また、クラッチECU200からのクラッチ制御信号の出力形態としては、運転者によるクラッチペダル91の操作に従って出力される場合と、運転者によるクラッチペダル91の操作無しに出力される場合とがある。つまり、運転者によるクラッチペダル91の操作量(クラッチペダル91を操作していない状態(操作量「0」)からの踏み込み量)を後述するクラッチペダルストロークセンサ201によって検出し、このクラッチペダルストロークセンサ201からの出力信号に従って、クラッチECU200からクラッチ制御信号が出力される場合と、前記フリーランのように、運転者によるクラッチペダル91の操作が行われなくても、クラッチECU200からクラッチ制御信号が出力される場合とがある。以上の動作は、前述したようにクラッチアクチュエータ8等に故障が発生していない場合である。クラッチアクチュエータ8等に故障が発生した場合に対応するための構成および故障発生時の作動については後述する。
前記変速装置3は、公知の手動変速装置(マニュアルトランスミッション)で構成されており、シンクロメッシュ機構付きの常時噛み合い式の平行歯車機構であって、例えば前進6速段、後進段の成立が可能となっている。この変速装置3は、シフトレバー6(図1を参照)を運転者が操作することによって、その操作力がセレクトケーブル61およびシフトケーブル62を経て所定のシンクロメッシュ機構(図示省略)を作動させ、これにより、所望の変速段(前進6速段および後進段のうちの一つの変速段)が成立するものとなっている。
なお、変速装置3としては、シフトレバー6への操作力がフォークシャフトおよびシフトフォークを介してシンクロメッシュ機構に伝達されるものであってもよい。また、この変速装置3としては、所謂オートメイティッドマニュアルトランスミッション(AMT)と呼ばれるものであってもよい。この場合、制御系にはECT−ECUが備えられ、運転者によるシフトレバーの操作に伴ってECT−ECUから出力される変速制御信号に従って所望の変速段が成立するようにアクチュエータ(セレクトアクチュエータおよびシフトアクチュエータ)が作動することになる。
この変速装置3の変速動作により、クラッチ装置2を介して変速装置3に入力されたエンジン1の回転は、変速装置3において所定の変速比で変速された後に、デファレンシャルギヤ41およびドライブシャフト42,42を介して左右の駆動輪43,43に伝達されて車両が走行する。
(クラッチシステムの構成)
本実施形態に係るクラッチシステムは、図2に示すように、前記クラッチ装置2、クラッチアクチュエータ8、クラッチペダルユニット9、反力発生機構93が、前記クラッチ油圧回路330を介して接続された構成となっている。
本実施形態におけるクラッチ油圧回路330には第1切替機構331および第2切替機構341が備えられている。
先ず、第1切替機構331、および、この第1切替機構331に接続されている油圧経路について説明する。前記クラッチ装置2のCSC22における油圧室は、CSC側油圧経路332によって第1切替機構331に接続されている。また、クラッチアクチュエータ8(より具体的には、後述するクラッチアクチュエータ8のクラッチマスタシリンダ84)は、アクチュエータ側油圧経路333によって第1切替機構331に接続されている。また、クラッチペダルユニット9(より具体的には、後述するクラッチペダルユニット9のクラッチマスタシリンダ92)は、ペダル側油圧経路334によって第1切替機構331に接続されている。更に、反力発生機構93は、反力発生側油圧経路335によって第1切替機構331に接続されている。
第1切替機構331は、ケーシング331Aの内部に油路が形成された構成となっている。この油路として具体的には、前記CSC側油圧経路332とアクチュエータ側油圧経路333とを接続する第1油路331a、ペダル側油圧経路334と反力発生側油圧経路335とを接続する第2油路331b、これら第1油路331aと第2油路331bとを接続する第3油路331cを備えている。
より具体的に、第1切替機構331のケーシング331Aには、第1〜第4の4つのポートP1,P2,P3,P4が設けられている。第1ポートP1および第4ポートP4は前記第1油路331aが繋がるポートである。第2ポートP2および第3ポートP3は前記第2油路331bが繋がるポートである。第1ポートP1がアクチュエータ側油圧経路333を介してクラッチアクチュエータ8のクラッチマスタシリンダ84に、第2ポートP2がペダル側油圧経路334を介してクラッチペダルユニット9のクラッチマスタシリンダ92に、第3ポートP3が反力発生側油圧経路335を介して反力発生機構93に、第4ポートP4がCSC側油圧経路332を介してCSC22の油圧室にそれぞれ連通されている。
また、第1油路331aにおける第3油路331cの接続位置よりもアクチュエータ側油圧経路333側(第1ポートP1側)には開閉自在な第1バルブ331dが設けられている。第2油路331bにおける第3油路331cの接続位置よりも反力発生側油圧経路335側(第3ポートP3側)には開閉自在な第2バルブ331eが設けられている。第3油路331cには開閉自在な第3バルブ331fが設けられている。これらバルブ331d,331e,331fは、それぞれ前記クラッチECU200からのバルブ開閉指令信号に応じて開閉動作を行う電磁弁により構成されている。また、これらバルブ331d,331e,331fの開閉状態として、クラッチアクチュエータ8等(後述する第1操作機構310)に故障が発生していない(正常に作動している)場合には、第1バルブ331dおよび第2バルブ331eがそれぞれ開放され、第3バルブ331fが閉鎖されている。つまり、第1油路331aによってCSC側油圧経路332とアクチュエータ側油圧経路333とが連通され、第2油路331bによってペダル側油圧経路334と反力発生側油圧経路335とが連通され、第1油路331aと第2油路331bとが遮断された状態にある。
ここで、クラッチアクチュエータ8、クラッチペダルユニット9および反力発生機構93それぞれの構成について説明する。
クラッチアクチュエータ8は、電動モータ81、ウォームギヤ82、ウォームホイール83、クラッチマスタシリンダ84を備えている。
電動モータ81は、クラッチECU200からのクラッチ制御信号に応じて作動する。この電動モータ81の出力軸に、前記ウォームギヤ82が形成されている。また、このウォームギヤ82には、略扇形の前記ウォームホイール83が噛み合っている。このため、電動モータ81の作動に伴うウォームギヤ82の回転(正方向の回転および負方向の回転)によって、ウォームホイール83が所定角度範囲内で回動するようになっている。
前記クラッチマスタシリンダ84は、シリンダボディ84aの内部にピストン84bが組み込まれた構成となっている。そして、ピストン84bには、ロッド84cの一端部(図2の左端部)が連結されており、このロッド84cの他端部(図2の右端部)がウォームホイール83に連結されている。このロッド84cのウォームホイール83に対する連結位置は、このウォームホイール83の回動中心位置に対して僅かにずれた位置に設定されている。このため、ウォームホイール83の回動に伴ってロッド84cが進退移動する構成となっている。
クラッチマスタシリンダ84は、前記電動モータ81の作動に伴うウォームホイール83の回動による回動力をロッド84cを介して受けることで、シリンダボディ84a内でピストン84bが移動し、これにより油圧を発生するようになっている。具体的に、前記クラッチECU200からクラッチ解放指令信号が出力されると、ウォームホイール83が図中の反時計回り方向に回動するように電動モータ81が作動する。これにより、クラッチマスタシリンダ84では、シリンダボディ84a内でピストン84bが前進移動(図中の左側に移動)して油圧が発生し、この油圧が、アクチュエータ側油圧経路333、第1切替機構331(第1切替機構331の第1油路331a)およびCSC側油圧経路332を経て、CSC22の油圧室に供給される。その結果、クラッチ機構21が解放されることになる。一方、前記クラッチECU200からクラッチ係合指令信号が出力されると、ウォームホイール83が図中の時計回り方向に回動するように電動モータ81が作動する。これにより、クラッチマスタシリンダ84では、シリンダボディ84a内でピストン84bが後退移動(図中の右側に移動)して、CSC22の油圧室に供給されていた油圧が解除される。その結果、クラッチ機構21が係合されることになる。なお、クラッチマスタシリンダ84のシリンダボディ84aにはリザーバタンク84dが備えられており、シリンダボディ84a内の余剰の作動油が貯留されるようになっている。
クラッチペダルユニット9は、クラッチペダル91およびクラッチマスタシリンダ92を備えている。
クラッチペダル91は、その上端近傍位置が図示しないクラッチペダルブラケットによって回動自在に支持されている。また、このクラッチペダル91は、図示しないペダルリターンスプリングによって運転者側に向かう回動方向への付勢力が付与されている。このペダルリターンスプリングの付勢力に抗して運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作が可能となっている。
クラッチマスタシリンダ92は、シリンダボディ92aの内部にピストン92bが組み込まれた構成となっている。そして、ピストン92bには、ロッド92cの一端部(図2の左端部)が連結されており、このロッド92cの他端部(図2の右端部)がクラッチペダル91の中間部に連結されている。
クラッチマスタシリンダ92は、運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作による操作力を受けることで、シリンダボディ92a内でピストン92bが移動することにより油圧を発生するようになっている。クラッチマスタシリンダ92で発生する油圧は、ペダル側油圧経路334、第1切替機構331(第1切替機構331の第2油路331b)および反力発生側油圧経路335を経て反力発生機構93に供給される(後述する第2切替機構341の作動油排出バルブ342が閉鎖されている場合)。なお、クラッチマスタシリンダ92のシリンダボディ92aにはリザーバタンク92dが備えられており、シリンダボディ92a内の余剰の作動油が貯留されるようになっている。
反力発生機構93は、反力発生側油圧経路335を経て供給される油圧に対する反力を発生するものであって、例えば内部に受圧ピストン93aおよびコイルスプリング93b等が収容されており、このコイルスプリング93bの弾性復元力によって前記油圧に対する反力が発生するよう構成されている。これにより、運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作力に対する反力が発生し、運転者は、クラッチバイワイヤシステムではないクラッチ装置におけるクラッチペダルの踏み込み操作と同様の踏み込み感覚でクラッチペダル91の踏み込み操作を行うことができる。
次に、本実施形態の特徴の一つである第2切替機構341、および、この第2切替機構341に接続されている油圧経路について説明する。この第2切替機構341はケーシング341Aの内部に油路が形成された構成となっている。具体的に、前記ペダル側油圧経路334の一部がこのケーシング341A内を挿通している。また、前記クラッチアクチュエータ8のクラッチマスタシリンダ84に備えられた前記リザーバタンク84dと第2切替機構341とは作動油排出経路336によって接続されている。また、第2切替機構341のケーシング341Aの内部には、前記ペダル側油圧経路334と作動油排出経路336とを接続する排出油路343が備えられている。
より具体的に、第2切替機構341のケーシング341Aには、第1〜第3の3つのポートP5,P6,P7が設けられている。第1ポートP5は、前記ペダル側油圧経路334のうちクラッチマスタシリンダ92側の経路が繋がるポートである。また、第2ポートP6は、前記ペダル側油圧経路334のうち前記第1切替機構331側の経路が繋がるポートである。また、第3ポートP7は前記作動油排出経路336が繋がるポートである。つまり、作動油排出経路336は、第3ポートP7および排出油路343を介してペダル側油圧経路334に接続されている。
また、前記排出油路343には開閉自在な作動油排出バルブ342が設けられている。この作動油排出バルブ342は、前述した第1〜第3バルブ331d,331e,331fと同様に、クラッチECU200からのバルブ開閉指令信号に応じて開閉動作を行う電磁弁により構成されている。また、この作動油排出バルブ342は、クラッチアクチュエータ8等(後述する第1操作機構310)に故障が発生していない(正常に作動している)場合には閉鎖状態となっており、ペダル側油圧経路334と作動油排出経路336とが遮断された状態にある。
(制御系の構成)
次に、図3を用いて、各ECU(エンジンECU、クラッチECU、インパネECU(車室内のインストルメントパネル7において各種情報の表示を行うためのECU))100〜300に関連する制御系の構成について説明する。
各ECU100〜300は、それぞれCPU、ROM、RAM、ならびにバックアップRAM等からなるマイクロコンピュータと、入出力インターフェースとを備えている。
エンジンECU100の入力インターフェースには、アクセルペダル51(図1を参照)の操作量に応じた信号を出力するアクセルペダルストロークセンサ101、クランクシャフト11の回転角度位置に応じた信号を出力するクランクポジションセンサ102、エンジン1の吸気系に備えられたスロットルバルブ12の開度に応じた信号を出力するスロットル開度センサ103、エンジン1の冷却水温度に応じた信号を出力する水温センサ104などが接続されている。
エンジンECU100の出力インターフェースには、スロットルモータ13、インジェクタ15、および、点火プラグのイグナイタ16などが接続されている。
このエンジンECU100は、各センサから入力される各種情報に基づきエンジン1の運転状態を検出し、スロットルモータ13の制御(吸気量制御)、インジェクタ15の制御(燃料噴射制御)、イグナイタ16の制御(点火時期制御)等を行うことにより、エンジン1の運転を統括的に制御する。
クラッチECU200の入力インターフェースには、クラッチペダル91の操作量に応じた信号を出力するクラッチペダルストロークセンサ201、ブレーキペダル53の操作量に応じた信号を出力するブレーキペダルストロークセンサ202、変速装置3の入力軸回転速度に応じた信号を出力する入力軸回転速度センサ203、変速装置3の出力軸回転速度に応じた信号を出力する出力軸回転速度センサ204、シフトレバー6の操作位置がニュートラル位置にあることを検出するニュートラルスイッチ205、クラッチ装置2におけるクラッチストロークを検出する(例えばCSC22のレリーズベアリング26のスライド移動位置を検出する)クラッチストロークセンサ206、クラッチアクチュエータ8のクラッチストロークを検出する(例えばロッド84cのスライド移動位置を検出する)アクチュエータストロークセンサ207などが接続されている。
クラッチECU200の出力インターフェースには、前記クラッチアクチュエータ8、前記各バルブ331d,331e,331f,342などが接続されている。
車室内の運転席前方に配設されたインストルメントパネル7への各種情報の表示を制御するインパネECU300の出力インターフェースには、各種メータ類やインジケータランプ等を備えたインストルメントパネル7が接続されている。このインパネECU300は、インストルメントパネル7において、車速の表示、エンジン回転速度の表示、その他のランプ類(インジケータランプ等)の表示等を行うための表示指令信号をインストルメントパネル7に出力する。また、特に、本実施形態におけるインパネECU300は、インストルメントパネル7上の表示パネルに、運転者に対してクラッチペダル91の操作を促す表示を行うためのクラッチ操作指令信号を出力するように構成されている。この運転者に対してクラッチペダル91の操作を促す表示については後述する。
前記エンジンECU100、クラッチECU200およびインパネECU300は、互いに必要な情報を双方向で送受信する通信を行うように双方向バスで接続されている。
(フリーラン)
ここで、車両の走行状態の一つであるフリーランについて説明する。
フリーランとは、車両の走行中にクラッチ装置2を解放することによる惰性走行を行っている状態をいう。このフリーランでは、エンジン1の引きずりによる制動力(所謂エンジンブレーキ)が生じないため、惰性走行距離を長くすることができ、エンジン1の燃料消費率の改善を図ることができる。また、このフリーランでの走行状態としては、エンジン1を駆動(アイドリング回転速度程度で駆動)する場合と、エンジン1を停止する(インジェクタ15からの燃料噴射を停止し、点火プラグの点火動作を停止することによりエンジン1の回転速度を「0」にする)場合とがある。
フリーランの開始条件は、車両の走行中に、アクセルペダル51、ブレーキペダル53およびクラッチペダル91が何れも踏み込み操作されていない状態(操作量が「0」または略「0」の状態)が所定時間(例えば3sec程度)継続し、且つ車速が所定値以上である場合に成立する。また、フリーランの終了条件は、フリーラン中に、アクセルペダル51、ブレーキペダル53およびクラッチペダル91のうち少なくとも一つの踏み込み操作が行われた場合や、車速が所定値未満まで低下した場合に成立する。
このフリーランの開始および終了の制御(フリーラン制御)は前記エンジンECU100および前記クラッチECU200によって実行される。
(クラッチ制御)
ところで、前記特許文献1のような従来のクラッチバイワイヤシステムにあっては、クラッチアクチュエータやクラッチペダルストロークセンサ等が故障した場合(クラッチアクチュエータの作動に異常が生じている場合)、クラッチペダルの操作量に応じたクラッチ装置の動作が行えなくなる。例えば、クラッチ装置に油圧が供給されている状態(クラッチ装置の解放状態)で前記故障が発生した場合には、運転者がクラッチペダルの踏み込み操作を解除してもクラッチ装置の係合動作が行えなくなる。
本実施形態は、前記故障発生時であっても、クラッチペダル91の操作量に応じたクラッチ装置2の動作が行えるものとなっている。
具体的には、クラッチアクチュエータ8やクラッチペダルストロークセンサ201等に故障が発生していない(クラッチアクチュエータ8の作動に異常が生じていない)場合には、前述したように、第1切替機構331の第1バルブ331dおよび第2バルブ331eを共に開放し、第3バルブ331fを閉鎖する。つまり、第4ポートP4を各ポートのうち第1ポートP1のみに連通させると共に、第2ポートP2を各ポートのうち第3ポートP3のみに連通させる状態にする。これにより、第1油路331aによってCSC側油圧経路332とアクチュエータ側油圧経路333とが連通し、第2油路331bによってペダル側油圧経路334と反力発生側油圧経路335とが連通した状態にする。この場合、前述した如く、クラッチアクチュエータ8の作動によってクラッチマスタシリンダ84で発生する油圧をCSC22の油圧室に供給してクラッチ装置2を操作することが可能になる。
一方、クラッチアクチュエータ8やクラッチペダルストロークセンサ201等に故障が発生している(クラッチアクチュエータ8の作動に異常が生じている)場合には、第1バルブ331dおよび第2バルブ331eを共に閉鎖し、第3バルブ331fを開放する。つまり、第4ポートP4を各ポートのうち第2ポートP2のみに連通させると共に、第1ポートP1および第3ポートP3を各ポートの何れからも遮断する状態にする。これにより、第3油路331cを介してCSC側油圧経路332とペダル側油圧経路334とが連通し、アクチュエータ側油圧経路333および反力発生側油圧経路335それぞれが他の油圧経路から遮断された状態にする。この場合、運転者によるクラッチペダル91の操作力に応じてクラッチマスタシリンダ92で発生する油圧をCSC22の油圧室に供給してクラッチ装置2を操作することが可能になる。
このような構成とされているため、クラッチアクチュエータ8およびクラッチ油圧回路330(アクチュエータ側油圧経路333およびCSC側油圧経路332)によって第1操作機構310が構成されている。つまり、クラッチアクチュエータ8やクラッチペダルストロークセンサ201等に故障が発生していない場合には、この第1操作機構310によってCSC22の油圧室に供給する油圧を調整してクラッチ装置2を操作する。このように、第1操作機構310は、クラッチアクチュエータ8の作動によって油圧(液圧)を調整してクラッチ装置2を操作するものとなっている。このため、前記アクチュエータ側油圧経路333、CSC側油圧経路332およびクラッチマスタシリンダ84によって本発明でいう第1流通経路330A(クラッチアクチュエータの作動によって液圧室との間で作動流体を流通させ、液圧を調整する第1流通経路)が構成されている。
一方、クラッチペダルユニット9およびクラッチ油圧回路330(ペダル側油圧経路334およびCSC側油圧経路332)によって第2操作機構320が構成されている。つまり、クラッチアクチュエータ8やクラッチペダルストロークセンサ201等に故障が発生している場合には、この第2操作機構320によってCSC22の油圧室に供給する油圧を調整してクラッチ装置2を操作する。このように、第2操作機構320は、運転者によるクラッチペダル91の操作力によって油圧(液圧)をクラッチ装置2に供給して当該クラッチ装置2を操作するものとなっている。このため、前記ペダル側油圧経路334、CSC側油圧経路332およびクラッチマスタシリンダ92によって本発明でいう第2流通経路330B(クラッチペダルの操作力によって液圧室との間で作動流体を流通させ、液圧を調整する第2流通経路)が構成されている。
このように、前述した第1〜第3バルブ331d,331e,331fの開閉動作により、第1切替機構331は、前記第1操作機構310によってクラッチ装置2を操作する状態と、第2操作機構320によってクラッチ装置2を操作する状態との間でクラッチ油圧回路330における各油圧経路(作動流体の流通経路)を変更するように切り替えられるものとなっている。言い替えると、切替機構331は、前記CSC22の油圧室(液圧室)に連通させる作動流体の流通経路を前記第1流通経路330Aと前記第2流通経路330Bとの間で切り替えられるものとなっている。
前記第1切替機構331の切り替え動作は前記クラッチECU200によって実行される。このため、クラッチECU200において、前記第1切替機構331の切替制御を実行する機能部分が本発明でいう制御部(クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定したときに、液圧室に連通させる作動流体の流通経路を第1流通経路から第2流通経路に切り替えるよう切替機構を制御する制御部)として構成されている。
また、前記作動油排出バルブ342が開放された場合には、ペダル側油圧経路334と作動油排出経路336とが連通されることになる。このため、前記第2切替機構341、作動油排出バルブ342、作動油排出経路336、排出油路343によって本発明でいう連通手段(第1流通経路と第2流通経路との間を連通する状態と遮断する状態との間で切り替え可能な連通手段)が構成されている。
ところが、前述したようにクラッチアクチュエータ8やクラッチペダルストロークセンサ201等に故障が発生し、クラッチアクチュエータの作動に異常が生じている場合に、操作機構310,320を切り替える(流通経路330A,330Bを切り替える)ものにあっては、異常が発生してから流通経路330A,330Bの切り替え動作が行われるまでの間にクラッチペダル91の操作量が変化してしまうと、各クラッチマスタシリンダ84,92それぞれに備えられたリザーバタンク84d,92dにおける作動油の量がアンバランスとなってしまう可能性がある。
具体的に、運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作が行われ、クラッチアクチュエータ8が正常に作動してクラッチ装置2が解放された状態で、クラッチアクチュエータ8が故障した場合において、流通経路330A,330Bの切り替え動作が行われる前に運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作が解除された(踏み戻された)場合について考える。この場合、クラッチペダル91の踏み込み操作が解除されても、クラッチアクチュエータ8が故障しているためにクラッチ装置2は解放状態が維持される。つまり、このクラッチ装置2には作動油が供給された状態(クラッチ解放用の油圧が作用した状態)にある。そして、クラッチペダル91の踏み込み操作は既に解除されているため、この状態で流通経路330A,330Bの切り替え動作が行われると、クラッチ装置2に供給されていた作動油(クラッチ装置2を解放状態とするために第1流通経路330Aのクラッチマスタシリンダ84から供給されていた作動油)が第2流通経路330Bに導入され、この作動油が第2流通経路330B(クラッチペダル91側)のリザーバタンク92dに向けて回収されてしまうことになる。つまり、故障が発生していない場合には第1流通経路330A(クラッチアクチュエータ8側)のリザーバタンク84dに向けて戻されるべき作動油が、第2流通経路330B(クラッチペダル91側)のリザーバタンク92dに向けて回収されてしまうことになる。
なお、クラッチアクチュエータ8が正常に作動してクラッチ装置2が解放された状態から、運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作が解除されている途中でクラッチアクチュエータ8が故障した場合にあっても、この故障が発生してから流通経路330A,330Bの切り替え動作が行われるまでの間にクラッチペダル91の操作量が変化してしまうと(クラッチペダル91の踏み戻し操作が進んでしまうと)、その後に、流通経路330A,330Bの切り替え動作が行われた際、クラッチ装置2に供給されていた作動油が第2流通経路330B(クラッチペダル91側)のリザーバタンク92dに回収されてしまうことになる。
このような状況になると、各リザーバタンク84d,92dにおける作動油の量がアンバランスとなってしまうため、前記故障発生後のメンテナンス作業としては、クラッチアクチュエータ8の交換だけでなく、クラッチペダル91側のクラッチマスタシリンダ92の交換も必要になり、メンテナンス作業が煩雑になってしまう。特に、クラッチペダル91とクラッチマスタシリンダ92とが一体構造となっているものにあっては、クラッチマスタシリンダ92を交換するに当たってクラッチペダル91も交換せねばならなくなるため、特にメンテナンス作業が煩雑になる。
本実施形態は、この点に鑑み、前記故障発生時において各リザーバタンク84d,92dにおける作動油の量のアンバランスを解消可能とするようにしている。
具体的には、前記クラッチアクチュエータ8の作動に異常が生じていると判定された場合に、前記作動油排出バルブ342を開放させて、第1流通経路330Aと第2流通経路330Bとの間を連通させ、前記クラッチアクチュエータ8の作動に異常が生じた時点において第1流通経路330Aからクラッチ装置2に供給されていた作動油の供給量と、第2流通経路330Bのクラッチマスタシリンダ92から第1流通経路330Aのクラッチマスタシリンダ84に備えられたリザーバタンク84dに向かって流れた作動油の排出量とが等しくなった時点で作動油排出バルブ342を閉鎖して、第1流通経路330Aと第2流通経路330Bとの間を遮断するようにしている。
より具体的には、前記クラッチアクチュエータ8の作動に異常が生じていると判定された時点において第1流通経路330Aのクラッチマスタシリンダ84からCSC22の油圧室に供給されていた作動油の供給量は、流通経路330A,330Bの切り替え動作が行われた後には(第1操作機構310によってクラッチ装置2を操作する状態から、第2操作機構320によってクラッチ装置2を操作する状態に切り替えられた後には)、第2流通経路330Bのクラッチマスタシリンダ92に回収される作動油の余剰分となる。この作動油の余剰分を算出しておき、流通経路330A,330Bの切り替え動作が行われた後に、作動油排出バルブ342を開放し、第2流通経路330Bから第1流通経路330Aのクラッチマスタシリンダ84(リザーバタンク84d)に向かって流れた作動油の排出量が、前記作動油の余剰分の量に等しくなった時点で作動油排出バルブ342を閉鎖するようにしている。
また、本実施形態では、第2流通経路330Bから第1流通経路330Aのクラッチマスタシリンダ84に向けて作動油を流すための動力は、運転者によるクラッチペダル91の操作力を利用するようにしている。つまり、本発明でいう、「連通手段によって第1流通経路と第2流通経路との間を連通させた状態で、クラッチペダルの踏み込み操作の操作力を利用して、第2流通経路の油圧シリンダから、連通手段を経て、第1流通経路の油圧シリンダのリザーバタンクに向けて作動油を排出する構成」となっている。
これにより、前記流通経路330A,330Bの切り替えに伴ってクラッチ装置2から第2流通経路330Bのクラッチマスタシリンダ92に回収されていた作動油の余剰分が第1流通経路330Aのクラッチマスタシリンダ84に排出されることになり、各クラッチマスタシリンダ92,84それぞれのリザーバタンク92d,84dにおける作動油の量がアンバランスとなっていた場合であっても、それを解消することが可能になる。
このような作動油量のアンバランスを解消するための作動油排出バルブ342の動作は前記クラッチECU200によって行われる。このため、クラッチECU200において、前記作動油排出バルブ342の動作を実行する機能部分が本発明でいう連通制御部(クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定された場合に、連通手段によって第1流通経路と第2流通経路との間を連通させ、クラッチアクチュエータの作動に異常が生じた時点において第1流通経路からクラッチ装置に供給されていた作動油の供給量と、第2流通経路に備えられた油圧シリンダから第1流通経路に備えられた油圧シリンダのリザーバタンクに向かって流れた作動油の排出量とが等しくなった時点で連通手段によって第1流通経路と第2流通経路との間を遮断させる連通制御部)として構成されている。
このようにして、前記各流通経路330A,330B、第1切替機構331、前記連通手段を構成する各部材(第2切替機構341、作動油排出バルブ342、作動油排出経路336、排出油路343)、および、各バルブ331d〜331f,342を切り替えるための制御部(クラッチECU200)等によって本発明でいうクラッチ操作装置400が構成されている。
次に、前述した各切替機構331,341の切り替え動作および作動油量アンバランス解消動作の手順について図4および図5のフローチャートに沿って説明する。このフローチャートは、所定時間毎に繰り返して実行される。なお、車両の走行開始前(例えばエンジン1の始動時)には、後述する各フラグ(第1操作機構故障フラグ、踏み戻し操作指示フラグ、作動油量バランスフラグ)は共に「0」にリセットされている。
先ず、ステップST1において、前記クラッチECU200に予め記憶されている第1操作機構故障フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。この第1操作機構故障フラグは、前記第1操作機構310に故障が発生したと判定された場合に「1」にセットされるものである。
車両の走行開始前には、第1操作機構故障フラグは「0」にリセットされているので、ステップST1ではNO判定されて、ステップST2に移る。ステップST2では、前述した各センサからの各種情報(出力信号)を読み込む。例えば、アクセルペダルストロークセンサ101からのアクセルペダル51の操作量の情報、クラッチペダルストロークセンサ201からのクラッチペダル91の操作量の情報、ブレーキペダルストロークセンサ202からのブレーキペダル53の操作量の情報、クラッチストロークセンサ206からのクラッチ装置2のクラッチストロークの情報、アクチュエータストロークセンサ207からのクラッチアクチュエータ8のクラッチストロークの情報等が読み込まれる。
その後、ステップST3に移り、前記第1操作機構310に故障が発生しているか否かを判定する。この判定の一例としては、フリーラン中ではない場合(前記フリーランの開始条件が成立していない場合)に、前記クラッチペダルストロークセンサ201からの出力信号によって得られたクラッチペダル91の操作量と、クラッチストロークセンサ206からの出力信号によって得られたクラッチ装置2におけるクラッチストロークとを比較する。そして、これら操作量とクラッチストロークとの間に許容範囲を超える乖離が生じた場合には、クラッチアクチュエータ8の故障やクラッチペダルストロークセンサ201の故障が発生している可能性があるため、第1操作機構310に故障が発生していると判定されてステップST3ではYES判定されることになる。なお、前記操作量とクラッチストロークとの間の乖離の許容範囲は予め実験やシミュレーションに基づいて設定されている。また、フリーラン中ではない場合に、前記クラッチペダルストロークセンサ201からの出力信号によって得られたクラッチペダル91の操作量と、アクチュエータストロークセンサ207からの出力信号によって得られたクラッチアクチュエータ8のクラッチストロークとを比較し、これら操作量とクラッチストロークとの間に許容範囲を超える乖離が生じた場合に、故障が発生していると判定されてステップST3でYES判定されるようにしてもよい。
このステップST3における判定動作は、クラッチペダル91の操作量が僅かに変化した状況で行うことが可能となっている。例えば、運転者がクラッチペダル91の踏み込み操作を開始した場合に、その踏み込み量が、クラッチペダル91の総踏み込み量(踏み込み率100%)に対して20%程度に達した時点で、前記各センサからの出力信号に基づく故障発生の有無の判定が行われるようになっている。つまり、クラッチペダル91の踏み込み代を残した状態で故障発生の有無の判定が行われる。これは、後述するように、前記第1操作機構310によってクラッチ装置2が操作される状態から、前記第2操作機構320によってクラッチ装置2が操作される状態に移行した場合に、クラッチペダル91の踏み込み操作(踏み増し操作)による油圧(クラッチ装置2の解放動作を行うための油圧;クラッチマスタシリンダ92による油圧)の発生を可能にするためである。
また、クラッチアクチュエータ8に出力されるクラッチ制御信号と、クラッチストロークセンサ206からの出力信号によって得られたクラッチ装置2におけるクラッチストロークまたはアクチュエータストロークセンサ207からの出力信号によって得られたクラッチアクチュエータ8のクラッチストロークとを比較することによって、第1操作機構310に故障が発生しているか否かを判定するようにしてもよい。この判定動作では、フリーランの実施の有無に関わらず、第1操作機構310に故障が発生しているか否かを判定することができる。
第1操作機構310に故障が発生しておらず、ステップST3でNO判定された場合には、ステップST4に移り、第1バルブ331dおよび第2バルブ331eが共に開放され、第3バルブ331fが閉鎖されて、リターンされる。つまり、前述したように、第1油路331aによってCSC側油圧経路332とアクチュエータ側油圧経路333とが連通され、第2油路331bによってペダル側油圧経路334と反力発生側油圧経路335とが連通され、第1油路331aと第2油路331bとが遮断された状態となる。つまり、第1操作機構310によってクラッチ装置2を操作する状態となる。このため、第1操作機構310に故障が発生していない状況(ステップST3でNO判定)では、第1操作機構310に故障が発生するまで(ステップST3でYES判定されるまで)、ステップST1〜ステップST4の動作が繰り返され、第1操作機構310によってクラッチ装置2が操作される状態が継続される。
一方、第1操作機構310に故障が発生している場合には、ステップST3でYES判定されてステップST5に移る。このステップST5では、第1バルブ331dおよび第2バルブ331eが共に閉鎖され、第3バルブ331fが開放される。つまり、第3油路331cによって第1油路331a(第1油路331aのうち第1バルブ331dよりも第4ポートP4側の油路)と第2油路331b(第2油路331bのうち第2バルブ331eよりも第2ポートP2側の油路)とが連通された状態となる。即ち、CSC側油圧経路332とペダル側油圧経路334とが連通された状態となる。また、CSC側油圧経路332とアクチュエータ側油圧経路333とが遮断され、ペダル側油圧経路334と反力発生側油圧経路335とが遮断された状態となる。
この場合に、各バルブ331d,331e,331fの切り替えタイミングとしては、それぞれを同時に切り替える。また、第2バルブ331eおよび第3バルブ331fよりも先に第1バルブ331dを切り替える(第1バルブ331dを先に閉鎖する)ようにしてもよい。この場合、CSC側油圧経路332とアクチュエータ側油圧経路333との遮断が先に行われることで、CSC側油圧経路332の油圧を一旦保持した状態で他のバルブ331e,331fの切り替えが行われることになり、油圧の変動を抑制することができて、クラッチ装置2のトルク容量の安定化を図ることができる。
このようにして各バルブ331d,331e,331fが切り替えられた状態では、第2操作機構320によってクラッチ装置2を操作する状態となる。つまり、運転者によるクラッチペダル91の操作力によって得られる油圧をクラッチ装置2に供給することで、クラッチ装置2の操作が可能になる。このように、前記故障発生時(第1操作機構310の故障発生時)であっても、クラッチペダル91の操作量に応じたクラッチ装置2の動作が可能になる。なお、前記クラッチ装置2を係合状態から解放状態にするレリーズベアリング26の移動ストロークを得るために必要な作動油量は、第1操作機構310によってクラッチ装置2を操作する場合と、第2操作機構320によってクラッチ装置2を操作する場合とでは略同量となっている。
その後、ステップST6に移り、前記第1操作機構故障フラグを「1」にセットする。また、車室内のインストルメントパネル7上のMIL(警告灯)を点灯させて運転者に警告(第1操作機構310に故障が発生している旨の警告)を行うと共に、クラッチECU200に備えられたダイアグノーシスへの故障情報の書き込みが行われる。
このようにして第1切替機構331の切り替え(第1操作機構310によってクラッチ装置2を操作する状態から、第2操作機構320によってクラッチ装置2を操作する状態への切り替え)が行われた状態で、ステップST7に移り、第2操作機構320のリザーバタンク92d内に余剰の作動油が存在しているか否かの判定を行う。この判定は、以下のようにして行われる。
前述したように、運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作が行われ、クラッチアクチュエータ8が正常に作動してクラッチ装置2が解放された状態で、クラッチアクチュエータ8が故障した場合において、操作機構310,320の切り替え動作が行われる前に運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作が解除された(踏み戻された)場合には、クラッチ装置2に供給されていた作動油(クラッチ装置2を解放状態とするために第1操作機構310のクラッチマスタシリンダ84から供給されていた作動油)が第2操作機構320の油圧回路に導入され、この作動油が第2操作機構320(クラッチペダル91側)のリザーバタンク92dに回収されてしまう。つまり、このリザーバタンク92dに余剰の作動油が存在し、各リザーバタンク84d,92dにおける作動油の量がアンバランスとなる。このため、クラッチアクチュエータ8が故障した時点から操作機構310,320の切り替え動作が完了するまでの期間中にクラッチペダル91の踏み戻し量が変化したか否かを判定することによって、第2操作機構320のリザーバタンク92d内に余剰の作動油が存在しているか否かの判定を行うことができる。具体的には、クラッチECU300からのバルブ開閉指令信号が出力されてから、実際にバルブ331d,331e,331fの切り替え動作が完了するまでの時間を実験等によって計測しておき、前記ステップST5でバルブ開閉指令信号が出力されてから、この時間(バルブ331d,331e,331fの切り替え動作が完了するまでの時間)が経過するまでの間に、前記クラッチペダルストロークセンサ201からの出力信号によって得られたクラッチペダル91の操作量が踏み戻し方向に変化したか否かを判断することによって、第2操作機構320のリザーバタンク92d内に余剰の作動油が存在しているか否かの判定を行うことができる。
第2操作機構320のリザーバタンク92d内に余剰の作動油が存在しておらず、ステップST7でNO判定された場合(前記期間中にクラッチペダル91の踏み戻し量が変化しておらず、余剰の作動油が存在していない場合)には、ステップST17に移り、前記クラッチECU200に予め記憶されている作動油量バランスフラグが「1」にセットされてリターンされる。この作動油量バランスフラグは、各リザーバタンク84d,92dにおける作動油の量がバランスしている状態(各リザーバタンク84d,92dに貯留されている作動油の量が略等しい状態)にある場合には「1」にセットされ、これら作動油の量がアンバランスとなっている場合には「0」にリセットされるものである。前述したように前記期間中にクラッチペダル91の踏み戻し量が変化していない場合には余剰の作動油が存在していないため、各リザーバタンク84d,92dにおける作動油の量がバランスしており、この作動油量バランスフラグはステップST17において「1」にセットされる。
一方、第2操作機構320のリザーバタンク92d内に余剰の作動油が存在しており、ステップST7でYES判定された場合には、ステップST8に移り、このリザーバタンク92d内における余剰作動油量を算出する。この余剰作動油量の算出は、運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作が行われ、クラッチアクチュエータ8が正常に作動してクラッチ装置2が解放された状態で、クラッチアクチュエータ8が故障した場合において、操作機構310,320の切り替え動作が行われる前における運転者によるクラッチペダル91の踏み戻し操作量によって求めることが可能である。具体的には、前記ステップST5でバルブ開閉指令信号が出力されてから、前述した時間(バルブ331d,331e,331fの切り替え動作が完了するまでの時間)が経過するまでの間に、前記クラッチペダルストロークセンサ201からの出力信号によって得られたクラッチペダル91の操作量が踏み戻し方向に変化した場合のその操作量が大きいほど第2操作機構320のリザーバタンク92d内における余剰作動油量は大きな値として求められる。例えば、この場合のクラッチペダル91の踏み戻し方向の操作量とリザーバタンク92d内における余剰作動油量との関係を予め実験やシミュレーションによって求めておき、これらの関係をマップ化してクラッチECU200のROMに記憶させておく。そして、前記余剰作動油が発生している場合には、このマップにクラッチペダル91の前記踏み戻し方向の操作量を当て嵌めてリザーバタンク92d内における余剰作動油量を抽出する。
このようにしてリザーバタンク92d内における余剰作動油量を算出した後、ステップST9に移り、作動油排出バルブ342を開放する。これにより、ペダル側油圧経路334は、第2切替機構341を介して作動油排出経路336に連通した状態になる。つまり、第2操作機構320のクラッチマスタシリンダ92が第1操作機構310のリザーバタンク84dに連通した状態となる。この状態では、クラッチマスタシリンダ92内部に油圧が発生すれば、このクラッチマスタシリンダ92内の作動油を第1操作機構310のリザーバタンク84dに導入することが可能な状態となる。
この状態で、ステップST10では、インストルメントパネル7上の表示パネルに、運転者に対してクラッチペダル91の所定量の踏み込み操作を促す表示を行う。つまり、前記余剰作動油量だけ、クラッチマスタシリンダ92内の作動油をクラッチマスタシリンダ84のリザーバタンク84dに向けて排出するためのクラッチペダル91の踏み込み操作を運転者に促す。ここで表示されるクラッチペダル91の踏み込み操作量としての所定量は、前記余剰作動油量に応じた値となっている。例えば、余剰作動油量とクラッチペダル91の踏み込み操作量との関係を予め実験やシミュレーションによって求めておき、これらの関係をマップ化してクラッチECU200のROMに記憶させておく。そして、このマップに余剰作動油量を当て嵌めてクラッチペダル91の踏み込み操作量(運転者に指示するクラッチペダル91の踏み込み操作量)を抽出し、この踏み込み操作量をインストルメントパネル7上の表示パネルに表示する。この表示形態として具体的には、「クラッチ作動油量調整のためにクラッチペダルを30%踏み込んでください」等といった表示が行われる。
その後、ステップST11に移り、前記指示に従って、運転者が所定量だけクラッチペダル91の踏み込み操作を行ったか否かを判定する。この判定は、前記クラッチペダルストロークセンサ201からの出力信号に基づいて行われる。
運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作量が前記所定量に達しておらず、ステップST11でNO判定された場合には、そのままリターンされる。
次回のルーチンにあっては、前回ルーチンで第1操作機構故障フラグが「1」にセットされているので、ステップST1でYES判定されてステップST18に移る。このステップST18では、前記作動油量バランスフラグが「1」にセットされているか否かを判定する。前記余剰作動油が存在している状況では、作動油量バランスフラグは「0」にリセットされているため、ステップST18ではNO判定され、ステップST19に移る。このステップST19では、前記クラッチECU200に予め記憶されている踏み戻し操作指示フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。この踏み戻し操作指示フラグは、インストルメントパネル7に、クラッチペダル91の踏み戻し操作指示を表示した時点で「1」にセットされるものである。
車両の走行開始前には、踏み戻し操作指示フラグは「0」にリセットされているので、ステップST19ではNO判定されて、ステップST10に移り、前述した運転者に対するクラッチペダル91の踏み込み操作を促す表示を継続する。
運転者によるクラッチペダル91の踏み込み操作量が前記所定量に達し、ステップST11でYES判定された場合には、ステップST12に移り、作動油排出バルブ342を閉鎖する。これにより、ペダル側油圧経路334は作動油排出経路336から遮断された状態になる。つまり、クラッチペダル91の踏み込み操作量が前記所定量に達したことで、余剰作動油がクラッチマスタシリンダ84のリザーバタンク84dに向けて排出されたことで、各リザーバタンク84d,92dの作動油量がバランスしたことになるので、作動油排出バルブ342を閉鎖して、ペダル側油圧経路334を作動油排出経路336から遮断する。
前記クラッチペダル91の踏み込み操作が行われる際、前記第3バルブ331fは開放されておりクラッチマスタシリンダ92とCSC側油圧経路332とは連通した状態にあるが、CSC側油圧経路332ではレリーズベアリング26を前進移動させる圧力に対する反力がダイアフラムスプリング25によって作用しているため、クラッチペダル91の踏み込み操作によってクラッチマスタシリンダ92から排出される作動油の大部分は、CSC側油圧経路332に送り込まれることなく、作動油排出経路336を経てリザーバタンク84dに送られることになる。
その後、ステップST13に移り、インストルメントパネル7上の表示パネルに、運転者に対してクラッチペダル91の踏み戻し(踏み込み操作の解除)を促す表示を行う。この表示形態として具体的には、「クラッチ作動油量調整が完了したためクラッチペダルを戻してください」等といった表示が行われる。
その後、ステップST14において、前記踏み戻し操作指示フラグを「1」にセットする。
このようにして踏み戻しを促す表示を行った状態でステップST15に移り、前記指示に従って、運転者がクラッチペダル91の踏み戻し操作を行ったか否かを判定する。この判定は、前記クラッチペダルストロークセンサ201からの出力信号に基づいて行われる。
運転者によるクラッチペダル91の踏み戻し操作が行われておらず、ステップST15でNO判定された場合には、そのままリターンされる。
次回のルーチンにあっては、前回ルーチンで第1操作機構故障フラグが「1」にセットされており、作動油量バランスフラグが「0」にリセットされており、踏み戻し操作指示フラグが「1」にセットされているので、ステップST1でYES判定され、ステップST18でNO判定され、ステップST19でYES判定されてステップST13に移る。つまり、前述した運転者に対するクラッチペダル91の踏み戻し操作を促す表示を継続する。
そして、運転者によるクラッチペダル91の踏み戻し操作が行われ、ステップST15でYES判定された場合には、ステップST16に移り、前記踏み戻し操作を促す表示を停止すると共に、踏み戻し操作指示フラグを「0」にリセットする。
その後、ステップST17に移り、前記作動油量バランスフラグを「1」にセットしてリターンされる。
以上の動作が、所定時間毎に繰り返される。
なお、前述の如く第1操作機構故障フラグが「1」にセットされてMILが点灯された場合、カーディーラや修理工場等に車両が持ち込まれて第1操作機構310のメンテナンスが行われる。この際、メンテナンスの終了時に、作業者によるクラッチECU200のデータ書き替え操作により、前記第1操作機構故障フラグおよび前記作動油量バランスフラグが共に「0」にリセットされることになる。
以上の動作が行われるため、前記ステップST5の動作(各バルブ331d,331e,331fの切り替え動作)が、本発明でいう制御部の動作であって「クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定したときに、液圧室に連通させる作動流体の流通経路を第1流通経路から第2流通経路に切り替えるよう切替機構を制御する動作」に相当する。
また、前記ステップST7〜ST12の動作が、本発明でいう連通制御部の動作であって「クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定された場合に、連通手段によって第1流通経路と第2流通経路との間を連通させ、クラッチアクチュエータの作動に異常が生じた時点において第1流通経路からクラッチ装置に供給されていた作動油の供給量と、第2流通経路に備えられた油圧シリンダから第1流通経路に備えられた油圧シリンダのリザーバタンクに向かって流れた作動油の排出量とが等しくなった時点で連通手段によって第1流通経路と第2流通経路との間を遮断させる動作」に相当する。
また、前記ステップST10の動作が、本発明でいう操作指示部の動作であって「車両の運転者に対し、作動油を排出するためのクラッチペダルの踏み込み操作を指示する動作」に相当する。
以上説明したように、本実施形態では、クラッチアクチュエータ8の作動に異常が生じていると判定したときには、流通経路330A,330Bが切り替えられ、油圧室(液圧室)に連通させる作動流体の流通経路を第1流通経路330Aから第2流通経路330Bに切り替えるよう第1切替機構331が制御される。これにより、運転者によるクラッチペダル91の操作力によって得られる油圧(液圧)をクラッチ装置2の油圧室に供給できる状態となり、クラッチ装置2の操作が可能になる。つまり、クラッチアクチュエータ8の作動に異常が生じている場合であっても、クラッチペダル91の操作量に応じたクラッチ装置2の動作が可能になる。
また、本実施形態では、油圧室に連通させる作動流体の流通経路が第1流通経路330Aから第2流通経路330Bに切り替えられた際、作動油排出バルブ342が開放され、第1流通経路330Aと第2流通経路330Bとの間が連通され、前記異常が生じた時点において第1流通経路330Aからクラッチ装置2に供給されていた作動油の供給量と、第2流通経路330Bに備えられたクラッチマスタシリンダ92から第1流通経路330Aに備えられたクラッチマスタシリンダ84のリザーバタンク84dに向かって流れた作動油の排出量とが等しくなった時点で作動油排出バルブ342を閉鎖し、第1流通経路330Aと第2流通経路330Bとの間を遮断させるようにしている。これにより、流通経路330A,330Bの切り替えに伴ってクラッチ装置2から第2流通経路330Bのクラッチマスタシリンダ92に回収されていた作動油の余剰分が第1流通経路330Aのクラッチマスタシリンダ84に排出されることになり、各クラッチマスタシリンダ84,92それぞれのリザーバタンク84d,92dにおける作動油の量がアンバランスとなっていた場合であっても、それを解消することが可能になる。その結果、前記異常発生後のメンテナンス作業としては、クラッチアクチュエータ8の交換または修理だけで済み、第2流通経路330Bのクラッチマスタシリンダ92を交換する必要がなくなるため、従来のものに比べてメンテナンス作業の簡素化を図ることができる。また、仮に、クラッチアクチュエータ8の作動の異常が自動的に解消された(第1操作機構310が自動復帰した)場合には、各クラッチマスタシリンダ84,92それぞれのリザーバタンク84d,92dにおける作動油の量がバランスしているため、特にメンテナンスを必要とすることなく、第1操作機構310によってクラッチ装置2を操作する状態に復旧させることも可能である。
更に、本実施形態では、前記異常が生じた時点において第1流通経路330Aからクラッチ装置2に供給されていた作動油の供給量(前記余剰作動油となる作動油の供給量)に対応するクラッチペダル91の踏み込み操作量を車両の運転者に対して指示するようにしている。これによれば、作動油量のアンバランスを解消するに当たってのクラッチペダル91の踏み込み操作量を予め運転者に認識させておくことができる。このため、運転者は、作動油量のアンバランスが解消されるクラッチペダル91の踏み込み操作位置付近で踏み込みを停止することになり、作動油排出バルブ342が閉鎖されて第1流通経路330Aと第2流通経路330Bとの間が遮断された時点での各リザーバタンク84d,92dにおける作動油の量を適正に得ることが可能になる。
−第2実施形態−
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、切替機構の構成が前記第1実施形態のものと異なっている。具体的には、前記第1実施形態における第1切替機構331の機能と第2切替機構341の機能とを兼ね備えた切替バルブが設けられた構成となっている。その他の構成および動作は前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでは、切替機構の構成および動作についてのみ説明する。
図6は、本実施形態におけるクラッチシステム全体の概略構成を示す図である。この図6に示すように本実施形態におけるクラッチシステムは、切替機構が4ポート3位置方向制御弁で成る切替バルブ351によって構成されている。この切替バルブ351には、前記実施形態における第1切替機構331と同様に、第1〜第4の4つのポートP1,P2,P3,P4が設けられている。
また、前記実施形態のものと同様に、第1ポートP1はアクチュエータ側油圧経路333を介してクラッチアクチュエータ8のクラッチマスタシリンダ84に、第2ポートP2はペダル側油圧経路334を介してクラッチペダルユニット9のクラッチマスタシリンダ92に、第3ポートP3は反力発生側油圧経路335を介して反力発生機構93に、第4ポートP4はCSC側油圧経路332を介してCSC22の油圧室にそれぞれ連通している。
そして、切替バルブ351は、スプール弁子の弁位置が、ソレノイドによって電気的に第1の切替位置〜第3の切替位置の間で切り替えられる。
第1の切替位置(図6に示すようにスプール弁子が下端位置に移動した状態)では、第1ポートP1と第4ポートP4とが連通され、第2ポートP2と第3ポートP3とが連通される。これにより、CSC側油圧経路332とアクチュエータ側油圧経路333とが連通され、ペダル側油圧経路334と反力発生側油圧経路335とが連通される状態となる。
また、図7に示すように第2の切替位置(スプール弁子が中間位置に移動した状態)では、第2ポートP2と第4ポートP4とが連通され、第1ポートP1および第3ポートP3は何れのポートからも遮断される。これにより、CSC側油圧経路332とペダル側油圧経路334とが連通される状態となる。
また、図8に示すように第3の切替位置(スプール弁子が上端位置に移動した状態)では、第1ポートP1と第2ポートP2とが連通され、第3ポートP3および第4ポートP4は何れのポートからも遮断される。これにより、ペダル側油圧経路334とアクチュエータ側油圧経路333とが連通される状態となる。
また、クラッチアクチュエータ8の作動に異常が生じていない場合には、切替バルブ351が前記第1の切替位置となり、第1操作機構310によってクラッチ装置2が操作される状態となる。つまり、CSC22の油圧室(液圧室)に連通させる作動流体の流通経路を第1流通経路330Aにする。一方、クラッチアクチュエータ8の作動に異常が生じた場合には、切替バルブ351が前記第2の切替位置となり、第2操作機構320によってクラッチ装置2が操作される状態となる。つまり、CSC22の油圧室(液圧室)に連通させる作動流体の流通経路を第2流通経路330Bにする。
そして、前述した作動油量のアンバランスを解消する動作を実行する場合には、切替バルブ351が前記第3の切替位置となり、この状態で運転者がクラッチペダル91の踏み込み操作を行うことで、操作機構310,320の切り替えに伴ってクラッチ装置2から第2操作機構320のクラッチマスタシリンダ92に回収されていた作動油の余剰分が第1操作機構310のクラッチマスタシリンダ84に排出されることになる。このため、各クラッチマスタシリンダ84,92それぞれのリザーバタンク84d,92dにおける作動油の量がアンバランスとなっていた場合であっても、それを解消することが可能になる。
その他の構成および動作は前記第1実施形態のものと同様である。
本第2実施形態においても、前述した第1実施形態の場合と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態では、前記第1実施形態において設けられていた第2切替機構341が必要なくなる。
−他の実施形態−
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および当該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記各実施形態では、FF方式の車両に本発明を適用した場合について説明したが、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)方式の車両や、ミッドシップ方式の車両や、4WD(4ホイールドライブ)車両に対しても本発明は適用可能である。また、変速装置3を前進6速段とする例を挙げているが、本発明はこれに限定されることなく、変速段の数は任意に設定可能である。
また、前記各実施形態では、内燃機関をガソリンエンジンとした場合について説明した。本発明はこれに限らず、ディーゼルエンジン等のその他の内燃機関であってもよい。また、本発明は、内燃機関と電動モータとを駆動力源として搭載したハイブリッド車両や、電動モータのみを駆動力源として搭載した電気自動車に対して適用することも可能である。
また、前記各実施形態では、CSC22により作動するクラッチ装置2について説明した。本発明はこれに限らず、レリーズフォークによってレリーズベアリングを移動させる公知のレリーズフォーク式のクラッチ装置に対しても適用が可能である。
本発明は、フェールセーフ機能を備えたクラッチバイワイヤシステムの制御に適用可能である。
1 エンジン(駆動力源)
2 クラッチ装置
3 変速装置
8 クラッチアクチュエータ
84 クラッチマスタシリンダ(油圧シリンダ)
84d リザーバタンク
91 クラッチペダル
92 クラッチマスタシリンダ(油圧シリンダ)
92d リザーバタンク
200 クラッチECU
400 クラッチ操作装置
310 第1操作機構
320 第2操作機構
330A 第1流通経路
330B 第2流通経路
331 第1切替機構(切替機構)
336 作動油排出経路
341 第2切替機構
342 作動油排出バルブ
343 排出油路

Claims (3)

  1. 駆動力源と変速装置との間の動力伝達経路に配設されたクラッチ装置の液圧室内の液圧を調整することにより前記クラッチ装置を係合状態と解放状態との間で操作するクラッチ操作装置であって、
    クラッチアクチュエータと、
    運転者により操作されるクラッチペダルと、
    前記クラッチアクチュエータの作動によって前記液圧室との間で作動流体を流通させ、前記液圧を調整する第1流通経路と、
    前記クラッチペダルの操作力によって前記液圧室との間で作動流体を流通させ、前記液圧を調整する第2流通経路と、
    前記液圧室に連通させる作動流体の流通経路を前記第1流通経路と前記第2流通経路との間で切り替える切替機構と、
    前記クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定したときに、前記液圧室に連通させる作動流体の流通経路を前記第1流通経路から前記第2流通経路に切り替えるよう前記切替機構を制御する制御部と、
    前記第1流通経路と前記第2流通経路との間を連通する状態と遮断する状態との間で切り替え可能な連通手段と、
    前記クラッチアクチュエータの作動に異常が生じていると判定された場合に、前記連通手段によって前記第1流通経路と前記第2流通経路との間を連通させ、前記クラッチアクチュエータの作動に異常が生じた時点において前記第1流通経路から前記クラッチ装置に供給されていた作動油の供給量と、前記第2流通経路に備えられた油圧シリンダから前記第1流通経路に備えられた油圧シリンダのリザーバタンクに向かって流れた作動油の排出量とが等しくなった時点で前記連通手段によって前記第1流通経路と前記第2流通経路との間を遮断させる連通制御部とを備えていることを特徴とするクラッチ操作装置。
  2. 請求項1記載のクラッチ操作装置において、
    前記連通手段によって前記第1流通経路と前記第2流通経路との間を連通させた状態で、前記クラッチペダルの踏み込み操作の操作力を利用して、前記第2流通経路の前記油圧シリンダから、前記連通手段を経て、前記第1流通経路の前記油圧シリンダの前記リザーバタンクに向けて作動油を排出する構成となっており、
    車両の運転者に対し、前記作動油を排出するためのクラッチペダルの踏み込み操作を指示する操作指示部を備えていることを特徴とするクラッチ操作装置。
  3. 請求項2記載のクラッチ操作装置において、
    前記操作指示部は、前記クラッチアクチュエータの作動に異常が生じた時点において前記第1流通経路から前記クラッチ装置に供給されていた作動油の前記供給量に対応するクラッチペダルの踏み込み操作量を車両の運転者に対して指示するよう構成されていることを特徴とするクラッチ操作装置。
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