以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に本実施形態に係る車両のオートクラッチ装置の全体構成を示す。ここでのオートクラッチ装置はクラッチ自動断接の他、マニュアル断接も可能な所謂セレクティブオートクラッチの構成が採られている。そしてこのオートクラッチ装置は、運転手が手動で変速する手動変速機と組み合わされている。
図示するようにオートクラッチ装置1は、クラッチ作動圧としての空圧を供給するため空圧供給手段2を備えている。空圧供給手段2は、エンジン91(ここではディーゼルエンジン)に駆動されて空圧を発生するコンプレッサ3と、コンプレッサ3からの空気を乾燥させるエアドライヤ4と、エアドライヤ4から送られてきた空気を貯留するエアタンク5と、エアタンク5の入口側に設けられた逆止弁6とから主に構成される。この空圧供給手段2からの空圧はクラッチアクチュエータとしての倍力装置(クラッチブースタ)7に送られ、倍力装置7はその空圧の供給により摩擦クラッチ8を分断側Aに操作するようになっている。また倍力装置7は、詳しくは後述するが、マスタシリンダ10から油圧も供給されるようになっている。
図2は倍力装置7の詳細を示す縦断面図である。図示するように、倍力装置7は、そのボディ11に接続されたシリンダシェル12を有し、このシリンダシェル12内にピストンプレート(パワーピストン、倍力ピストン)13が、リターンスプリング14により空圧導入側(図中左側)に付勢されて設けられている。シリンダシェル12の一端には空圧ニップル15が取り付けられ、この空圧ニップル15が空圧導入口を形成してエアタンク5からの空圧を空圧配管35(図1)から導入する。空圧が導入されるとピストンプレート13が右側に押動され、こうなるとピストンプレート13はピストンロッド16、ハイドロリックピストン17、さらにはプッシュロッド18を押動してクラッチレバー8a(図1)を分断側Aに押し、クラッチ8を分断する。
一方、ボディ11内部には油圧路20が形成され、油圧路20の油圧導入口は油圧ニップル19によって形成されている。油圧ニップル19には油圧配管54の一端が接続される。油圧路20は、ボディフランジ部11aの一端(下端)側に形成された孔21、ハイドロリックピストン17を収容するハイドロリックシリンダ(油圧シリンダ)22(ボディシリンダ部11bに形成される)、及びハイドロリックシリンダ22に小孔23aを介して連通する他端(上端)側の制御孔23によって主に形成される。油圧ニップル19から油圧が導入されると、その油圧は上記通路を通って制御孔23に到達し、制御ピストン24を制御シリンダ25に沿って右側に押動する。このようにボディフランジ部11aの上端側には、詳しくは後述するが、倍力装置7への空圧供給を制御するための制御バルブ部7a(油圧作動弁)が形成される。
制御バルブ部7aは右側に突出する制御ボディ部26によって区画される。制御ボディ部26には、前述の制御シリンダ25に同軸に連通するコントロール室27及び空圧ポート28が形成される。コントロール室27には制御ピストン24のコントロール部29が、空圧ポート28にはポペットバルブ30がそれぞれ摺動可能に収容される。空圧ポート28にはニップル31が取り付けられ、このニップル31には空圧配管67(図1)が接続されて空圧が常に供給されている。
通常、ポペットバルブ30は、空圧とポペットスプリング32とにより左側に付勢されていて、コントロール室27及び空圧ポート28を連通する連通ポート33を閉じている。よってニップル31からの空圧はポペットバルブ30の位置で遮断される。しかしながら、油圧配管54から油圧が供給されると、制御ピストン24のコントロール部29がポペットバルブ30を右側に押動して連通ポート33を開く。こうなると、連通ポート33からコントロール室27に侵入した空圧は、詳しくは後述するが、コントロール室27に連通する空圧配管34,35(図1)を通じて前述のシリンダシェル12に入り、ピストンプレート13の左側の空圧作用面13aに作用してこれを右側に押動し、クラッチ8を分断側に操作する。
ここで、倍力装置7は、供給された油圧の大きさに応じてクラッチ8を所定ストロークだけ操作することができる。即ち、例えば比較的小さい値だけ油圧が増加された場合、前述の空圧作用によりピストンプレート13が右側に押動され、これに連動してハイドロリックピストン17が所定ストロークだけ右側に押動される。すると、油圧路20の容積が増し制御孔23内の油圧が下がり、こうなると、制御ピストン24のコントロール部29がポペットバルブ30を押し付けつつ、ポペットバルブ30が連通ポート33を閉鎖するバランス状態が生じ、これによりコントロール室27、空圧配管34,35、及びピストンプレート13の空圧作用面13a側となる空圧導入室12bにて所定の空圧が保持され、ピストンプレート13及びクラッチ8を所定のストローク位置に保持する。
また、油圧が完全に抜かれると、制御孔23内の油圧がさらに下がって、図示の如く制御ピストン24が最も左側の原位置に戻される。こうなると、コントロール部29がポペットバルブ30から離れ、コントロール部29の内部に設けられた開放ポート36がコントロール室27等と連通するようになる。すると、保持されていた空圧は、一部が開放ポート36から大気圧ポート39を通じ空圧導入室12bと反対側の大気室12aに導入され、これによりピストンプレート13を右側に押していた空圧が、今度はリターンスプリング14と協同してそれを反対側の左側に押し、クラッチ8を接続側(左側)Bに操作する。そして残りの空圧は、ブリーザ37を通じ大気開放される。
特にブリーザ37には、排気のみ可能なチェック弁が内蔵されている為、クラッチ接続時、大気室12aが負圧となり、クラッチ8の接続不良が生じてしまう。これを防止するため、空圧の一部を大気室12aに導き、残りをブリーザ37より排出する必要が有る。
なお、倍力装置7において、38はシリンダ室12aとハイドロリックシリンダ22とを油密に仕切るシール部材、40は大気圧ポート、41は緩められたときに作動油のエア抜きを行えるブリーダである。
このように、制御バルブ部7aは、クラッチペダル9の操作と連動するマスタシリンダ10からの信号油圧に基づき、倍力装置7への空圧の供給・排出を制御し、クラッチ8のマニュアル断接を実行する。
図3はマスタシリンダ10の詳細を示す縦断面図である。図示するように、マスタシリンダ10は、長手方向に延出されたシリンダボディ45を有する。シリンダボディ45はその内部に所定径のシリンダボア46を有し、シリンダボア46には特に二つのピストン47,48が独立して摺動可能に装入される。シリンダボア46の一端(左端)開口部には、クラッチペダル9の踏み込み或いは戻し操作に合わせて挿抜するプッシュロッド49の先端部が挿入され、さらにその開口部はダストブーツ50で閉止される。シリンダボア46内の他端側(右側)には、第1及び第2ピストン47,48をピストンカップ51を介して一端側に付勢するリターンスプリング52が設けられる。シリンダボア46の他端は、シリンダボディ45に形成された油圧供給ポート53に連通され、この油圧供給ポート53には図1に示す油圧配管54が接続される。53aはチェックバルブである。
図示状態にあっては、クラッチペダル9の踏み込みがなされておらず第1及び第2ピストン47,48は一端側の原位置に位置されている。特にこのときのピストン47,48間に位置されて、シリンダボディ45には空圧導入ポート55が設けられている。このマスタシリンダ10においては、クラッチペダル9によるマニュアル操作のときは両方のピストン47,48が押動されて油圧を供給する。一方、自動操作による場合は、詳しくは後述するが、空圧導入ポート55から空圧が供給されて第2ピストン48のみが適宜押動されるようになっている。なおこのとき第1ピストン47の移動はスナップリング56によって規制される。またこのとき、第1ピストン47が移動しないのでクラッチペダル9は移動しない。57は、作動油のリザーバタンク58(図1)からの給油配管59に接続する給油ニップル、60及び61は、ピストンカップ51の右側及び第2ピストン48の位置にそれぞれ給油を行う小径及び大径ポートを示す。
図1に示すように、エアタンク5からは空圧配管62が延出され、この空圧配管62の分岐63からは空圧配管67が分岐され、この空圧配管67は倍力装置7のニップル31に接続される。一方、空圧配管62はシャトル弁69に接続され、特にその途中には2ウェイ式の二つの三方電磁弁78,79(第1及び第2の三方電磁弁)が上流側と下流側とに直列に設けられている。ここで空圧配管62は、エアタンク5及び上流側三方電磁弁78を結ぶ上流部62aと、三方電磁弁78,79間を結ぶ中間部62bと、下流側三方電磁弁79及びシャトル弁69を結ぶ下流部62cとに分けられる。上流側三方電磁弁78の排気側には空圧配管64が接続され、中間部62bには空圧配管74(第1の空圧排出路)が接続され、下流側三方電磁弁79の排気側には空圧配管68(第2の空圧排出路)が接続されている。
三方電磁弁78,79は、クラッチ制御用電子制御ユニットであるクラッチ制御ユニット(以下クラッチECUという)72からON/OFF信号(制御信号)を受けて切替制御される。上流側の三方電磁弁78は、ONのときには上流部62aと中間部62bとを接続して空圧配管64を閉とし、OFF のときには中間部62bと空圧配管64とを接続して上流部62aを閉とする。また下流側の三方電磁弁79は、ONのときには中間部62bと下流部62cとを接続して空圧配管68を閉とし、OFF のときには下流部62cと空圧配管68とを接続して中間部62bを閉とする。
シャトル弁(ダブルチェックバルブ)69は機械式三方弁であって、空圧配管62又は34の一方のみを互いの空圧差に基づき空圧配管35に接続する。
一方、三方電磁弁79から延出する空圧配管68は先述の倍力装置7のブリーザ37に接続される。そしてこの空圧配管68の途中には、中間部62bから延出する空圧配管74の末端が接続されている。さらに空圧配管68にあってその接続部の下流側(ブリーザ37側)には、三方電磁弁78から延出する空圧配管64の末端が接続されている。
空圧配管74には、その流路を絞るための絞り部66(第1の絞り)と、空圧の移動方向を一方向に規制するためのチェック弁75とが直列に設けられている。絞り部66は中間部62b側に設けられ、チェック弁75は空圧配管68側に設けられている。ここで詳しくは後述するが、クラッチ自動接続に伴う空圧排出に際し、排気は空圧配管68側から中間部62b側に向かって行われ、従ってその排気流れ方向に対し絞り部66は下流側に、チェック弁75は上流側に位置されることとなる。さらにチェック弁75は、空圧配管68側から中間部62b側への空圧ないし空気の移動のみを許容し、逆方向の移動を規制ないし禁止している。
また、空圧配管68において、各空圧配管74,64の接続部の間の位置には別の絞り部76(第2の絞り)が設けられている。この絞り部76は、先の絞り部22よりも絞り量が大きく、流路面積をより縮小するものとなっている。ここで詳しくは後述するが、クラッチ自動接続に伴う空圧排出に際し、排気は三方電磁弁79側からブリーザ37側に向かって行われ、従ってその排気流れ方向に対し、絞り部76は、空圧配管74の接続部の下流側に位置されることとなる。
さらに、詳しくは後述するが、エアタンク5から三方電磁弁78,79、シャトル弁69及び倍力装置7の空圧ニップル15を順に結ぶ空圧配管62,35は、クラッチ8の自動分断操作時に、倍力装置7に空圧供給を行うための第1の空圧供給路aを形成する。
またエアタンク5から分岐63、制御バルブ部7a、シャトル弁69、及び倍力装置7の空圧ニップル15までを順に結ぶ空圧配管62,67,34,35は、クラッチ8のマニュアル分断操作時に、倍力装置7に空圧供給を行うための第2の空圧供給路bを形成する。
特に、空圧配管62の中間部62bには空圧配管70が接続され、この空圧配管70は、クラッチ8の自動分断操作時に、マスタシリンダ10に空圧供給を行うための第3の空圧供給路cを形成する。
空圧配管70は、マスタシリンダ10の空圧導入ポート55に接続されて第2ピストン48の背面側に空圧を供給する。この配管70の途中には三方電磁弁80(第3の三方電磁弁)が設けられ、三方電磁弁80はマスタシリンダ10への空圧の給排を制御する。三方電磁弁80の排気側には空圧配管73が接続され、空圧配管73の末端は空圧配管62の下流部62cに接続されている。そして空圧配管73の途中にはチェック弁43が設けられ、チェック弁43は、三方電磁弁80側から下流部62c側への空圧の移動のみを許容し、逆方向の移動を規制ないし禁止する。そして内部のスプリングの作用により、三方電磁弁80側の空圧が、下流部62c側の空圧より大きいときのみ空圧の移動を許容する。
三方電磁弁80はクラッチECU72によりON/OFF制御され、ONのときには空圧配管70の上流側(エアタンク5側)と下流側(マスタシリンダ10側)とを接続ないし連通し、空圧配管73を閉とする。またOFF のときには、空圧配管70の下流側と空圧配管73とを接続し、空圧配管70の上流側を閉とする。これにより、ONのときにはマスタシリンダ10への空圧供給を許容し、OFF のときにはマスタシリンダ10から空圧を排出させて、それを空圧配管73を通じて空圧配管62に送出させる。このように空圧配管70の下流側と空圧配管73とはマスタシリンダ用の空圧排出路を構成している。
かかるオートクラッチ装置1は手動変速機76と組み合わされる。手動変速機76はシフトレバー95にリンク等を介して機械的に連結され、運転手により手動で変速されるようになっている。このシフトレバー95には僅かに揺動(首振り)可能なシフトノブが備えられ、一定以上のシフト操作力がシフトノブに加わったとき、シフトレバーに対してシフトノブが揺動し、シフトノブに内蔵されたスイッチ77がONされるようになっている。このON信号が変速指示信号としてクラッチECU72に取り込まれ、これを合図に後述するクラッチ自動分断が開始される。なおシフトノブは通常はこれに内蔵されたスプリングで中立位置に保たれる。これによりスイッチ77は通常OFF となっている。
ここで、シフトレバー95と変速機76との間には、シフトアシスト装置としての空圧アシスター71が介設されている。これは空圧が導入されたときに作動して、その空圧に基づくアシスト力を発生し、シフトレバー操作力を軽減するものである。空圧アシスター71には、空圧を導入すべく、空圧配管67から分岐された空圧配管65が接続され、空圧配管65には、クラッチECU72によりON/OFF制御される三方電磁弁90が設けられる。クラッチECU72は上記スイッチ77のON/OFFに応じて三方電磁弁90をON/OFFし、運転手による変速時には空圧アシスター71を作動させてシフトアシスト力を発生させると共に、変速時以外は空圧アシスター71を非作動としてシフトアシスト力を解除し、シフトインターロックを達成する。
ところで、エンジン91は、エンジン制御用電子制御ユニットとしてのエンジン制御ユニット(以下エンジンECUという)99により制御される。エンジンECU99は、現在のエンジン運転状態(主にエンジン回転数とアクセル開度)とに基づき、最適燃料噴射量と燃料噴射時期とを決定し、これに合わせて燃料噴射ポンプ92の電子ガバナを制御する。エンジン回転数はエンジン回転速度センサ93により検出され、この検出信号はエンジンECU99とクラッチECU72とにそれぞれ送られる。
一方、図5にも示すように、アクセルペダル75に設けられたアクセル開度センサ82によって実際のアクセル開度(実アクセル開度)が検出され、これはエンジンECU99に送られずクラッチECU72に送られる。クラッチECU72はその実アクセル開度を適宜加工して制御アクセル開度とし、これをエンジンECU99に出力する。従ってエンジンECU99は制御アクセル開度に基づいてエンジン制御を実行することになる。クラッチECU72は、通常実アクセル開度をそのまま制御アクセル開度に置き換えて出力するが、後述するように所定条件が整ったときは実アクセル開度と異なった値を制御アクセル開度として出力する。
他、クラッチECU72には、アクセルペダル75に設けられたアイドルスイッチ83、シフトレバー95付近に設けられた非常スイッチ84、変速機76の出力軸付近に設けられた車速センサ85、エアタンク5に設けられた圧力スイッチ86、クラッチペダル9に設けられたペダルスイッチ87及びクラッチペダルストロークセンサ89、及びクラッチ8に設けられたクラッチストロークセンサ88等が接続される。またクラッチECU72には変速機76の入力回転数を検知するためのインプット回転センサ94や、変速機76における現在のギヤポジションを検出するためのギヤポジションスイッチ(図示せず)も接続される。インプット回転センサ94は、直接的には変速機76の第1カウンタギヤの回転を検知する。これに基づきクラッチECU72は変速機76の入力軸回転数即ちクラッチ8の出力側回転数を演算により求める。
次に、上記装置の動作説明を行う。なお図4には、各クラッチモードにおける各電磁弁78,79,80の通電パターン(ON/OFFパターン)が示されているので適宜参照されたい。これにおいて通常時とはマニュアル操作時のことであり、このときは全ての電磁弁78,79,80がOFF とされる。なお電磁弁90についてはこれらと独立して通電制御されるので、これについては後述する。
先ず、クラッチ8のマニュアル分断操作は以下のようにして行われる。クラッチペダル9を踏み込むと、マスタシリンダ10からは油圧が供給され、この油圧は、前述したように、制御バルブ部7aを作動させて空圧配管67及び34を接続ないし連通させる。こうなると、配管34の空圧はシャトル弁69を切り替えて配管35に至り、倍力装置7の空圧導入室12bに移動する。そして、ピストンプレート13を押動し、クラッチ8を分断させる。このときクラッチ8はクラッチペダル9の操作に応じて適宜量だけ分断することができる。このときクラッチECU72は、ペダルスイッチ87からの信号入力(ON信号)によりマニュアル操作であることを判断して、三方電磁弁78,79,80をいずれもOFF のままとする。
他方、クラッチ8のマニュアル接続操作時、クラッチペダル9の戻し操作により油圧が抜かれると、前述の制御バルブ部7aの作動により空圧配管34と大気圧ポート39とが連通されるようになる。こうなれば、空圧導入室12bの空圧が、配管35,34を経由して大気室12aに導入され、これによりクラッチ8の接続が達成される。この接続の間もクラッチECU72は、ペダルスイッチ87がONのままなので、三方電磁弁78,79,80をいずれもOFF のままとする。
ここで分かるように、制御バルブ部7aは、マスタシリンダ10からの油圧信号(パイロット油圧)を受けて、空圧配管34を空圧配管67或いは大気圧ポート39のいずれか一方に連通させる三方弁の如く機能する。また空圧供給手段2、第2の空圧供給路b、倍力装置7、制御バルブ部7a、マスタシリンダ10及び油圧通路54,20が、クラッチペダル操作によりクラッチのマニュアル断接を実行するマニュアル断接手段を構成する。
特に本装置では、車両発進時にはマニュアル操作のみによってクラッチ8を接続することとしている。これによって大幅な制御の簡略化が図れ、発進時の複雑なクラッチ制御を行わなくて済む。
次に、クラッチ8の自動断接操作について説明する。先ず最初にその概要を簡単に説明する。
運転手がシフトレバー操作を行うと、シフトレバースイッチ77がONとなり、このON信号が変速信号としてクラッチECU72に出力され、これに伴ってクラッチECU72は三方電磁弁78,80をON、続けて三方電磁弁79をONとする。こうなると、第1の空圧供給路aを通じて、倍力装置7の空圧導入室12bには比較的速い速度で(短時間で)空圧が供給され、これによりクラッチ8は即座に分断操作される(クラッチ急断)。この後、運転手のシフトレバー操作により変速操作を完了すると、変速機76のギヤポジションスイッチからギヤイン信号が送出される。これを受けてクラッチECU72は例えば三方電磁弁78,80をOFF 、電磁切替弁79をONのままとして、空圧導入室12bの空圧を一部は大気室12aに導入し、残りはブリーザ37から排出して比較的速い速度でクラッチ8の接続操作を行い(クラッチ高速接或いは急接)、変速を完了する。
このように、後にも詳述するが、空圧供給手段2、第1の空圧供給路a、倍力装置7、三方電磁弁78,79、空圧排出路(空圧配管35,62,64,68,74)及びクラッチECU72が、所定の信号入力によりクラッチ8の自動断接を実行する自動断接手段を構成している。
ところで、図2を参照して、特にクラッチ8の自動分断操作時、ハイドロリックピストン17が右側に移動することで、作動油が充填されているハイドロリックシリンダ22の容積が増し、これにより油圧路20及び油圧配管54内等(合わせて油圧通路内という)に負圧が生じて、作動油に気泡が混入する虞がある。
そこで本装置1では、クラッチ8の自動分断操作時に、三方電磁弁78,80をONとして、空圧配管62,70を通じてマスタシリンダ10に空圧を供給し、第2ピストン48を適宜押動することで油圧通路内を適当に加圧するようにしている。こうすると、油圧通路内の負圧化を未然に防止することができる。このときには空圧を即座にマスタシリンダ10に供給できるので、油圧発生の遅れがなく油圧通路内の負圧化を完全に防止できる。
特に、本装置1では、空圧配管62の三方電磁弁78,79間の位置に空圧配管70を接続したので、マスタシリンダ10への空圧供給よりも倍力装置7への空圧供給を遅らせることができる。即ち、クラッチ8の自動分断操作時に、先ず三方電磁弁78,80をONとし、所定の時間差(例えば50ms)をもって三方電磁弁79をONとする。するとマスタシリンダ10から十分な油圧が発生した後(つまり予圧を行った後)、倍力装置7の作動(ピストンプレート13の移動)を開始することができる。これによってマスタシリンダ10による油圧発生を早め、油圧通路内の負圧化の完全防止が図れるようになる。なお、極低温時(例えば−20℃以下)には油圧発生が遅れる傾向にあるので、このときにかかる構成は大変有利となる。
一方、クラッチ8の自動接続操作時、かかる装置では三方電磁弁78,79のON/OFFの組み合わせにより、特に三種類のクラッチ接続速度を選べるようになっている(図4参照)。
即ち、前述の例のように三方電磁弁78がOFF 、三方電磁弁79がONである場合、倍力装置7の空圧導入室12bの空圧は空圧配管35、シャトル弁69、下流部62c、三方電磁弁79、中間部62b、三方電磁弁78、空圧配管64、空圧配管68、ブリーザ37という経路で順次移動する。この経路には途中に絞り部がないので移動は速やかに行われ、中間部62bから空圧配管74に入った空圧はチェック弁75で移動が規制される。そして、ブリーザ37に至った空圧はその殆どが倍力装置7の大気室12aに導入されるようになる。これによって倍力装置7のピストンプレート13は、リターンスプリング14及びクラッチ8のリターンスプリング(図示せず)の付勢力に加え、空圧の作用で比較的早い速度で元の位置に復帰し、クラッチ8を比較的高速で接続操作するようになる(クラッチ高速接)。そして余剰分の空圧がブリーザ37から大気開放されることとなる。
また、いずれの三方電磁弁78,79もOFF である場合、倍力装置7から排出された空圧は空圧配管35、シャトル弁69、下流部62c、三方電磁弁79、空圧配管68、空圧配管74、中間部62b、三方電磁弁78、空圧配管64、空圧配管68、ブリーザ37という経路で主に移動することになる。ここで空圧配管74中では空気がチェック弁75を押し開き、その後絞り部66を通過するようになる。このとき絞り部66の絞り量が比較的小さい(流路面積大)ので、空気は若干減速されるに止どまる。また空圧配管68中の空気は、その一部が空圧配管74に分岐せずそのまま絞り部76に至るが、その絞り量が比較的大きい(流路面積小)ので、その絞り部76での通過速度は先の絞り部66でのそれより小さい低速となる。こうして、絞り部76を通過した空気は空圧配管64を流れてきた空気と合流し、結果的に空圧の排出速度は、絞り76,66の流路面積を足した流路面積を持つ絞りを通過する時の速度にほぼ等しくなる。そして、ブリーザ37には中速で空圧が移動されてピストンプレート13の復帰速度、クラッチ8の接続速度も中速となる(クラッチ中速接)。
さらに、三方電磁弁78がON、三方電磁弁79がOFF の場合、倍力装置7から排出された空圧は空圧配管35、シャトル弁69、下流部62c、三方電磁弁79、空圧配管68、ブリーザ37という経路で移動することになる。ここで空圧配管68から空圧配管74に分岐する流れがあるものの、その流れの移動は次の理由によりチェック弁75で規制されることとなる。即ち、三方電磁弁78がONであるため、エアタンク5の空圧が上流部62a、三方電磁弁78、中間部62b、空圧配管74という経路で移動される。そしてその空圧がチェック弁75を閉状態に保持し、これにより先の逆流方向の流れが移動を禁止される。一方、空圧配管68には絞り量の大きい絞り部76があるため、その配管68中の流れは絞り部76で大きく減速されてブリーザ37に至るようになる。結局、空圧の排出速度は絞り部76で決定され、ブリーザ37には低速で空圧が移動されてピストンプレート13の復帰速度、クラッチ8の接続速度も低速となる(クラッチ低速接)。
こうして、二つの三方電磁弁78,79により三種類のクラッチ接続速度を選べるようになり、特に中速、低速といった二種類の緩接速度を選べ、制御の自由度を増すことが可能になる。これによってあらゆる走行モードで最適な接続速度切替えを行え、クラッチ接続ショックを低減できると共に、クラッチ摩耗等の経時変化にも対応可能となり、チューニングも容易となる。
特に、二つの電磁弁のON/OFFの組み合わせは2×2=4通りであり、本装置1ではその全てを使いきっている。これにより電磁弁数をむやみに増加することなく、コストアップを免れることができる。そしてクラッチECU72の出力ポートや電磁弁の設置スペースも最少で済み、故障モードの増加を防止でき信頼性を維持できる。さらに空圧回路の工夫のみによるため、コストアップ、スペースの増大を招かない。
ところで、クラッチ8の自動接続時、空圧配管62の中間部62bから空圧配管70内に流入していくような空気の流れは実質的にない。なぜなら、上記の如き電磁弁78,79の切替えと同時に三方電磁弁80がOFF とされるからである。
即ち、三方電磁弁80がOFF とされると、マスタシリンダ10に向かう空圧の移動は禁止され、同時にマスタシリンダ10からは空圧が排出されるようになる。そしてその排出された空圧は、空圧配管73を通じてチェック弁43を経た後、空圧配管62の下流部62c内にて倍力装置7からの排出空圧と合流されるようになる。なおこの合流後は、先の空圧排出ルートと同様のルートをたどることになる。
このようにすると、マスタシリンダ10から排出された空圧(マスタシリンダ排圧)を、倍力装置7から排出された空圧(倍力装置排圧)と同等の圧力とすることができ、つまりそれら排圧を同調させ、互いの空気の排出速度合わせを自ずと行うことができる。特に、チェック弁43によって、マスタシリンダ排圧を倍力装置排圧より常に高い値に保持でき、マスタシリンダ10側の排出速度を倍力装置7側の排出速度より常に遅らせることができる。これによって、排出速度合わせのために特別な調整等を何等行うことなく、マスタシリンダ10の第2ピストン48をクラッチ接続中常に加圧状態にできて、油圧通路内の負圧化を完全に防止できるようになる。
一方、かかる構成においては、二つの三方電磁弁78,79を空圧配管62に直列に設けた点にも特徴がある。即ち、例えば仮に上流側の三方電磁弁78がショート等のトラブルでONになり続けたとする。この場合、下流側の三方電磁弁79をOFF とすれば、上流側の三方電磁弁78からの空圧を遮断すると共に、倍力装置7から空圧を排出でき、これによってクラッチ8を自動接続できるようになり、この後マニュアル操作によるクラッチ断接を行えるようになる。
また、こんどは仮に下流側の三方電磁弁79がショート等のトラブルでONになり続けたとする。この場合も同様に、上流側の三方電磁弁78をOFF とすれば、その位置でエアタンク5からの空圧を遮断すると共に、倍力装置7からの空圧を配管64,68を通じて排出し、クラッチ8を自動接続できるようになる。この後はマニュアル操作によるクラッチ断接が可能となる。なお、これら倍力装置7の排気と同期して三方電磁弁80もOFF とし、マスタシリンダ側の排気を実行する必要がある。
このように、三方電磁弁78,79を直列に設けると、一方にトラブルが生じた場合でも他方で空圧供給制御を中止し、排気を行ってクラッチ8を接続状態に移行させることができる。これによってマニュアル操作によるクラッチ断接が可能となり、確実なフェールセーフが達成されると共に、走行も可能となり、装置の信頼性が確実に向上される。特に、両者をいずれも三方電磁弁としたので、二方電磁弁を採用した場合に比べ排気通路(空圧配管64又は68)の切替えを行える点で有利であり、これにより電磁弁数をいたずらに増すことなく、二つの電磁弁で前述のフェールセーフ、排気速度(クラッチ接続速度)切替え、さらにはマスタシリンダ10の空圧給排制御をいずれも賄えるようになる。そしてコスト的にも大変有利となる。なお、三方電磁弁80がONとなり続けたときは上流側の三方電磁弁78をOFF にしてやればよい。
なお、かかる変形例としては様々なものが考えられるが、例えば、絞り部66とチェック弁75との配置を逆にすることができるし、絞り76を完全にふさぐことにより、クラッチの低速接の代りにクラッチ断保持とすることも出来る。
次に、本装置の主たる特徴について詳述する。
既述の如く、本装置は手動変速機と組み合わされるオートクラッチ装置である。このため変速時にエンジン制御を全く行わないと、1〜2速、2〜3速のような低速ギヤ段における変速で、僅かなアクセルの踏み遅れにより大きな車両減速度が生じたり、減速後の急加速が生じて車両が前後に大きく揺さぶられ、変速フィーリングが悪化する問題がある。
そこで、本装置では低速ギヤ段における変速の際に以下のようにしてエンジン制御を行い、上記問題を解決するようにしている。
図6は低速ギヤ段でのシフトアップに際してのクラッチストロークとアクセル開度との変化の様子を示す。(a) がクラッチストロークの変化を、(b) 〜(d) がアクセル開度の変化を示している。後に明らかとなるが、(b) はアクセルペダルを踏み遅れ且つその踏込み量も少ないときの例、(c) はアクセルペダルを早く且つ多く踏込んだときの例、(d) はアクセルを途中から多く踏込んだときの例である。
(a) に示すように、クラッチは、変速開始(シフトレバースイッチ77がON)と同時に自動分断開始となり(時刻t1 )、完断位置に到達すると暫くの間その位置に保持される。この間運転手によるギヤ抜き、セレクト、ギヤイン操作が行われ、ギヤポジションスイッチからギヤイン信号が送出されると自動接続開始となる(時刻t2 )。接続は最初高速で行われるが、クラッチストロークが半クラッチ領域開始点Pに到達した時点で緩接に切り替えられる。そしてクラッチストロークが半クラッチ領域終了点Qに到達すると再び接続速度が急接に切り替えられ、以降完接位置まで接続が続けられる。なお半クラッチ領域開始点P及び終了点Qは予めクラッチECU72に記憶された学習値である。
(b) 〜(d) において、破線は実アクセル開度を、細い実線は制御アクセル開度を、太い実線は(実アクセル開度)=(制御アクセル開度)となっているときの制御アクセル開度をそれぞれ示す。図から分かるように、実アクセル開度と制御アクセル開度とが異なることがあるのは、半クラッチ領域とその後の若干の時間だけである。このときのみ本発明に係る過大減速度発生防止制御が行われる。これ以外のときは実アクセル開度がそのまま制御アクセル開度に置換されており、本発明に係る制御は行われない。
まず(b) を例にとって説明する。運転手はシフトアップに際して、ギヤ抜き操作開始と同時にアクセルペダルを戻す(時刻t1 )。そしてギヤインするまで戻した状態を保持しておき、ギヤインを完了してからアクセルペダルを踏み込み始める。
しかし、オートクラッチではクラッチがどの段階まで繋がっているか運転手には分からない。よってこの例のように、クラッチが半クラッチ領域に突入しているにも拘らずアクセルペダルを全く踏んでなかったり(踏み遅れ)、十分なエンジン出力を発生できる程にアクセルペダルを踏んでない(踏込み量が少ない)ことがある。このような、エンジン出力が十分上がってない状態でクラッチミートされる場合に、過大な減速度(エンジンブレーキ)が生じてしまうのである。
そこで、ここでは過大な減速度が生じないような所定開度Ac0 を予め設定しておき、踏み遅れがあったり踏込み量が少ないときはその所定開度Ac0 を制御アクセル開度とし、これによりエンジン出力を上げてクラッチミートを行い、過大な減速度の発生を防止している。具体的には、クラッチECU72が、半クラッチ領域に入った瞬間から実アクセル開度と所定開度Ac0 との比較を行い、実アクセル開度が所定開度Ac0 以下のときにはその所定開度Ac0 を制御アクセル開度とする。これによって半クラッチ領域初期からエンジン出力が引き上げられ、過大な減速度の発生が防止される。
一方、(c) の例では、クラッチが半クラッチ領域に突入する前に既にアクセルペダルが十分踏み込まれている。即ち実アクセル開度は所定開度Ac0 より大きい。よってこのときはクラッチECU72は実アクセル開度をそのまま制御アクセル開度としてエンジンECU99に出力する。
(d) の例はアクセルペダルの踏込みタイミングが遅れているが、半クラッチ領域の途中から十分踏み込まれた場合を示している。このときは半クラッチ領域初期で所定開度Ac0 を制御アクセル開度とし、実アクセル開度が所定開度Ac0 を上回る半クラッチ領域後期で実アクセル開度を制御アクセル開度としている。
ところで、(b) の例では、半クラッチ領域を脱した時点(Q点)で制御アクセル開度と実アクセル開度との間に比較的大きな差、即ち所定値ΔAc以上の差がある。このとき急激に制御アクセル開度を実アクセル開度に戻すと、急激にエンジン出力が落ち込むためギクシャク感が出る虞がある。
そこで、このときには制御アクセル開度を実アクセル開度に徐々に近付ける制御を行う。こうすることでギクシャク感を防止し、変速フィーリングをさらに向上できる。
ここで、所定開度Ac0 は図8のマップに従って算出される。このマップはエンジン回転数をパラメータとし、クラッチECU72に予め記憶されている。図から分かるように所定開度Ac0 は、アイドリング回転数Ni(ここでは500(rpm))から比例上昇して所定回転数NH (ここでは1500(rpm) )以上で一定となる。このようにエンジン回転数に応じて所定開度Ac0 を変えることで一層の変速フィーリングの向上が図れる。
図7はかかる制御内容をフローチャートで示したものである。このフローは所定時間毎にクラッチECU72によって繰り返し実行される。
図示するように、クラッチECU72はまずステップ701でギヤポジションスイッチの出力から変速機76がシフトアップされたか否かを判断する。されてなければステップ708に進み、されていればステップ702に進む。ステップ702ではクラッチ自動接続中か否かを判断し、接続中でなければステップ708に進み、接続中ならステップ703に進む。ステップ703では現在クラッチが半クラッチ領域にあるか否かをクラッチストロークセンサ88の出力値から判断する。半クラッチ領域にあればステップ704に進み、半クラッチ領域になければステップ708に進む。
ステップ704では実アクセル開度と図8のマップから読み取った所定開度Ac0 とを比較する。実アクセル開度が所定開度Ac0 以下のときはステップ705に進んで所定開度Ac0 を制御アクセル開度とし、これをエンジンECU99に出力する。実アクセル開度が所定開度Ac0 より大きいときはステップ706に進んで実アクセル開度をそのまま制御アクセル開度に置き換えてエンジンECU99に出力する。
シフトアップの半クラッチ制御中以外はステップ708に進み、制御アクセル開度と実アクセル開度との差が所定値以上あるか否かを判断する。具体的には(制御アクセル開度)−(実アクセル開度)≧ΔAcが成立するか否かを判断し、不成立のときはステップ706に進んで実アクセル開度をそのまま制御アクセル開度とする。成立のときはステップ709に進んで、制御アクセル開度を実アクセル開度に徐々に近付ける制御を行う。
このように本装置によれば、低速ギヤ段でのシフトアップに際し、クラッチ自動接続時のアクセルの踏み遅れ等に起因する極端なエンジンブレーキ、さらにはこれに続くアクセル踏み過ぎによる車両前後揺れをなくすことができ、変速フィーリングを大幅に向上することができる。
ここで、本制御の目的は極端なエンジンブレーキがかからないようにするだけなので、従来程アクセルを大きく開ける必要もなく、このためエンジン回転の上がり過ぎによる飛び出し等の危険なモードを容易に回避できる。また、かかる制御は補助的で、それ程正確な値で制御する必要はないので、制御自体簡単で、チューニングも容易に行える。
本制御を実際に実施してみたところ、短時間(20分程度)のチューニングで低速段でのシフトアップ変速フィーリングは格段に向上した。
ところで、手動変速機とオートクラッチ装置との組合せではエンジン制御を行わないのが一般的なので、図5に破線で示すように、アクセル開度センサ82とエンジンECU99とが直接接続される。一方、本装置ではエンジン制御を行うので、クラッチECU72がアクセル開度センサ82とエンジンECU99との間に介在接続される。ハード的にはこのような簡単な変更で済むので、変更に伴うコストアップを免れることができる。
なお、本発明の実施の形態は上記のものに限られない。例えば本実施形態では図6に示されるように半クラッチ領域に入った時点からエンジン制御を実行しているが、エンジンのレスポンスによってはそれより前に、例えばクラッチ接続開始時期からエンジン制御を実行してもよい。また、本実施形態はシフトアップの場合のみ例示したが、シフトダウンに同様のロジックを用いることも可能である。さらに低速段のみならず高速段の変速に本発明を適用してもよい。所定開度の算出パラメータにエンジン回転数以外のものを用いてもよい。エンジン制御可能な燃料噴射装置の構成としてはコモンレール式も採用できる。