JP6428127B2 - 内視鏡検査用マウスピース - Google Patents

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Description

本発明は、経口内視鏡検査をする際に用いることのできる内視鏡検査用マウスピースおよび内視鏡用マウスピースに用いられる脱気防止弁装置に関する。
従来、内視鏡を複数回出し入れすることが予定される内視鏡を用いた治療等には、体腔の保護や、患部より採取した組織と体腔とが接触することを防止するために、オーバーチューブなどと称される長尺管を予め体腔に挿入することが一般的である。上記長尺管は、咽頭あるいは食道といった径の小さい体腔を経て、内視鏡の挿通路を確保する。
これに対し、通常の内視鏡検査においては、内視鏡の挿通や抜去が可能なマウスピースを患者の口に装着した状態で行うのが一般的である。多数の内視鏡用マウスピースが知られている。(例えば特許文献1)。
ところで、近年、内視鏡技術の発展により、多くの表在癌が発見可能となった。これに伴い食道癌の治療が普及し発展していく中で、食道癌と中下咽頭部癌の密接な関係も年々明らかになっている。そして、食道癌治療のフォローアップとして中下咽頭癌の検査を実施し、中下咽頭癌の早期発見の重要性が提唱されている。
ただし、中下咽頭部は、形状が複雑であって観察の難しい部位が存在する。これに対し、患者に息堪えをさせるValsalva(バルサルバ)法を用い、喉頭を拳上させて口腔咽頭に空気を充満させた状態で視野展開を図り内視鏡観察する手法が着目されている。
特開2012−231833号公報
しかし、一般的に、従来の内視鏡用マウスピースは、使用時に息漏れを防止し口腔内の気密性を上げるという観点で改善されたものがなく、バルサルバ法を適切に実行することが困難であった。例えば、具体的な例としては、内視鏡の径に対し、従来のマウスピースにおける内視鏡挿通孔の径は大きく設計されているものが散見される。したがって中下咽頭を検査する際に、従来のマウスピースを用いると、当該マウスピースに設けられる内視鏡挿通孔と、これに挿通される内視鏡との間から息が漏れてしまう。
また、息堪えを確実に行うために、マウスピースを用いずに直接内視鏡を口から中下咽頭に挿入し、バルサルバ法にて内視鏡観察を行うことも試みられている。しかし、かかる試みでは、患者が口を閉じることにより息堪えはしやすいものの、患者が内視鏡を噛んでしまい、内視鏡の損傷が発生しやすいという問題が生じる。また上記試みでは、内視鏡を患者が強く咥えてしまい、内視鏡の操作性が低減するという問題も生じうる。
上述のとおり、従来のマウスピースを使用する検査では、一般的には、体内より空気などの気体が漏れ出ることを防止するという要望自体がなかった。
ところが、バルサルバ法のごとき新手法を実施するにおいて、息堪えをして喉頭を拳上することが求められた場合に、従来のマウスピースでは充分な息堪えができなかった。マウスピースを咥えた状態で、喉頭を拳上することができず、中下咽頭部の充分な観察ができないという問題があった。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものである。即ち、マウスピースを使用する検査において、マウスピースを装着した状態で望ましく息堪えを可能とするという新規な課題に対し、検査中に息などの気体が口から体外に漏れることを防止可能な内視鏡検査用マウスピースを提供するものである。また本発明は、上記課題に鑑みてなされた、内視鏡用マウスピース用に用いられる脱気防止弁装置を提供する。
本発明の内視鏡検査用マウスピースは、内視鏡を挿入抜去自在に挿通する挿通孔を有するマウスピース本体と、上記挿通孔に挿通された上記内視鏡と上記マウスピース本体との間を気密に封止する脱気防止弁装置と、上記マウスピース本体の遠位端部に設けられた筒状の歯受部と、上記歯受部の外周を被覆する被覆部と、を有し、上記被覆部の硬度が、上記歯受部の硬度よりも低く、上記歯受部が、当該歯受部の遠位端部において径方向の外側に突出する凸部を有するとともに、上記被覆部は、上記凸部よりも大径であり且つ当該被覆部の遠位端部において径方向の外側に突出する第二凸部を有し、上記凸部の遠位端面に設けられた第一位置決め部と、上記第二凸部の遠位端面に設けられ上記第一位置決め部に対向する第二位置決め部と、を有する。
本発明の内視鏡検査用マウスピースは、内視鏡を挿入抜去自在に挿通する挿通孔を有する。上記挿通孔には、当該挿通孔と内視鏡との間を気密に封止する脱気防止弁装置が設けられている。したがって、本発明の内視鏡検査用マウスピースは、内視鏡を挿通する挿入孔からの気体漏れを防止することができる。
また本発明の脱気防止弁装置によれば、内視鏡用マウスピースに用いることにより、バルサルバ法において口腔咽頭に空気を充満させることによって下咽頭の視野を確保することができ、さらに内視鏡の破損および内視鏡の操作性低下を低減することができる。また、本発明の脱気防止弁装置は、内視鏡用マウスピースに対し着脱可能であるため、脱気防止弁装置による気密性確保は、必要時に選択して行なえることができる。そのため特定の内視鏡用マウスピースを、バルサルバ法だけでなく、種々の検査、治療等に適用させ得る。
本発明の第一実施形態にかかる内視鏡検査用マウスピースの一例を示す斜視図である。 図1に示す内視鏡検査用マウスピースの正面図である。 図1に示す内視鏡検査用マウスピースのX−X断面図である。 図1に示す内視鏡検査用マウスピースの裏面図である。 図1に示す内視鏡検査用マウスピースの分解斜視図である。 本発明の第一実施形態におけるマウスピース本体の正面図である。 本発明の第一実施形態におけるマウスピース本体の側面図である。 本発明の第二実施形態にかかる内視鏡検査用マウスピースの一例を示す斜視図である。 図8に示す内視鏡検査用マウスピースの分解斜視図である。 図8に示す内視鏡検査用マウスピースのY−Y断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる内視鏡検査用マウスピースの分解斜視図である。 図11に示す内視鏡検査用マウスピースのZ−Z断面図である。 マウスピース本体に本発明の第三実施例の変形例に用いられる被覆部を取り付けた状態を背面側から見た斜視図である。 本発明の第四実施形態に用いられるマウスピース本体および被覆部の斜視図である。 図15(a)は本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置を内視鏡用マウスピースに装着した斜視図であり、図15(b)は本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置と内視鏡用マウスピースの装着前の斜視図である。 本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置を内視鏡用マウスピースに装着した断面図である。 本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置の正面図である。 本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置の平面図である。 図18のB−B断面図である。 本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置の背面図である。 本発明の第一変形例に係る脱気防止弁装置の断面図である。 本発明の第二変形例に係る脱気防止弁装置の断面図である。 図23(a)は第六実施形態における脱気防止弁装と内視鏡用マウスピースとの装着前の斜視図、図23(b)は脱気防止弁装置を内視鏡用マウスピースに装着した断面図、図23(c)は脱気防止弁装置の断面図、図23(d)は内視鏡用マウスピースの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。当該説明において用いるすべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
なお、本明細書において説明する全ての実施形態では図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する場合がある。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものであり、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
本発明の内視鏡検査用マウスピースおよび脱気防止弁装置の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
本発明を説明する際、適宜、近位端部、遠位端部、近位端、遠位端という用語を使用する。これらの用語は、患者が本発明のマウスピースを口にくわえたときの使用状態において、本発明のマウスピースあるいは当該マウスピースを構成する各部材の特定の領域または特定の箇所を示す。具体的には、遠位端とは患者側の端部(口腔内側)、近位端は患者側とは反対側(口腔外側)の端部を示す。また遠位端部とは、遠位端を含む所定の長さ領域をいい、近位端部とは、近位端を含む所定の長さ領域をいう。
本発明を説明する際に、適宜、内視鏡検査という用語を使用する。上記用語は、内視鏡を用いて患部の状態を観察するなどの狭義の内視鏡検査だけではなく、内視鏡を用いて患部を処置し、患部の組織を採取するなどの操作を行う場合の広義の内視鏡検査も適宜、含む。
本明細書において、マウスピースを咥えて内視鏡検査を受ける者を患者という場合がある。またマウスピースを用いて内視鏡を取り扱う者を操作者という場合がある。
<第一実施形態>
以下、本発明の実施形態について内視鏡検査用マウスピース(以下、単に「マウスピース」という場合がある)の第一実施形態にかかるマウスピース100について、図1から図7を用いて、詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施形態にかかるマウスピース100の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示すマウスピース100の正面図である。図3は、図1に示すマウスピース100のX−X断面図である。図4は、図1に示すマウスピース100の裏面図である。図5は、図1に示すマウスピース100の分解斜視図であり、脱気防止弁装置18、マウスピース本体11および被覆部28に分解した状態を示す。図6は、本発明の第一実施形態におけるマウスピース本体11の正面図である。図7は、本発明の第一実施形態におけるマウスピース本体11の側面図である。
尚、マウスピース100の正面図およびマウスピース本体11の正面図は、いずれも、歯受部26(図3、図4)の長軸の軸線方向から観察した図である。
マウスピース100は、内視鏡(図示せず)を挿入抜去自在に挿通する挿通孔12を有するマウスピース本体11と、挿通孔12に挿通された内視鏡とマウスピース本体11との間を気密に封止する脱気防止弁装置18と、を有する。
上記内視鏡は、経口内視鏡または経鼻内視鏡を含み、体腔に挿入して患部を検査し、または処置するために用いられる医療用器具である。
本実施形態において、マウスピース100は、患者が口に咥えた状態で、遠位端が咽頭部より手前に位置する。即ち、マウスピース100は、所謂、オーバーチューブのように、当該オーバーチューブの遠位端が咽頭部に至り、また咽頭部を超えて伸長していない。
かかる構成により、マウスピース100は、挿通孔12に内視鏡を挿通して検査を行う際に、挿通孔12に挿通された内視鏡とマウスピース本体11との間から息などの気体が口により漏れることを防止あるいは低減することができる。したがって、例えば息堪えをして喉頭を拳上した状態で、下咽頭部の状態を内視鏡にて詳細に観察することが可能となる。
本実施形態において、挿通孔12は、マウスピース本体11に設けられた両端開口の内腔である。本実施形態において、挿通孔12は、上記開口の領域あるいは開口間の任意の箇所において、内視鏡とマウスピース本体11との間における気体の流通が、検査の支障にならない程度に、低減されるかまたは実質的に遮蔽可能である。
本実施形態における脱気防止弁装置18は、後述するとおり、マウスピース本体11に対し、着脱可能である。ただし、本実施形態におけるマウスピース100は、マウスピース本体11に固定されて設置され、繰り返しの着脱ができない脱気防止弁装置18を備える態様を含む。
以下に、マウスピース100の各構成を詳細に説明する。
マウスピース本体11は、内部を貫通する挿通孔12を有する。挿通孔12は、マウスピース本体11の近位端および遠位端において開口している。
本実施形態における挿通孔12は、図3に示されるようにマウスピース本体11の近位端から遠位端へ向けて縮径部110と拡径部111とを有するくびれ形状をなしている。
縮径部110と拡径部111との境界は、境界部112である。
縮径部110とは、マウスピース本体11の内腔である挿通孔12の内径が連続的または段階的に小さくなる領域をいう。拡径部111は、マウスピース本体11の内腔である挿通孔12の内径が連続的または段階的に大きくなる領域をいう。縮径部110または拡径部111の径の段階的な変化は、一段のみの変化であってもよいし、二段以上の変化であってもよい。
本実施形態において、縮径部110は、マウスピース本体11の近位端部であって、近端寄りに設けられている。
挿通孔12に挿通された内視鏡の操作は、一般的は、挿通方向に対し略平行方向に内視鏡の全体を動かす平行操作、挿通方向に対し内視鏡を任意に捻じり内視鏡先端を目的の位置に誘導する回転操作、およびこれらの組み合わせで行われる。
このような内視鏡の操作において、縮径部110と拡径部111とを備える本実施形態によれば、平行操作の領域を境界部112で制限するとともに、回転操作の領域を充分に確保することが可能である。即ち、挿通孔12に挿通する内視鏡を平行操作または回転操作するとき、操作による内視鏡の移動が伸縮部16にひずみを発生させる。このとき、伸縮部16は上記ひずみを吸収可能である。しかし上記ひずみが大きすぎると、伸縮部16は、ひずみを吸収しきれず、この結果、内視鏡挿入部17が変形し、内視鏡挿入部17と内視鏡との間に隙間が発生する虞がある。そこで内視鏡の操作範囲(特に平行操作の範囲)を境界部112によって制限することにより、上記虞の発生を防止し、高い気密性によって内視鏡挿入部17と内視鏡との間を封止可能とすることができる。伸縮部16の詳細については後述する。
かかる構成は、内視鏡の挿入地点(即ち、患者の口)から比較的近い患部である咽頭あるいは食道を観察する場合に、詳細な観察の観点から望ましい。
本実施形態における縮径部110は、円形の漏斗状をなしている(図3参照)。このため、挿通孔12における内視鏡の挿通の開始をスムーズにガイド可能である。
本実施形態における拡径部111は、境界部112の付近で拡径するとともに、さらに遠位端部側では直筒形状となっている。上記長筒形状の領域は、挿通方向に対して垂直に切断した断面の外形および内形が略相似の長円をなす。
境界部112より遠位端側は、縮径部110の内径よりも大きい短軸と長軸を含む長円をなす。
マウスピース本体11は、遠位端部に筒状の歯受部26を有する。歯受部26の外径は、長軸36および短軸38を有する(図4参照)。
即ち、歯受部26を長尺方向に対し垂直方向に切断したときの断面形状が、真円ではなく、一方方向に長い。たとえば、歯受部26の上記断面形状は、長円(楕円を含む)をなす。
かかる断面形状を有する歯受部26は、断面形状が真円である場合に比べて、患者がマウスピース100を咥えた状態で、唇と歯受部26とを密着させ易い。そのため、唇と歯受部26との間からの息漏れを良好に防止可能である。たとえば、上記断面が長円である歯受部26を、長軸方向を患者の口角と口角とを結ぶ方向と概略平行として患者に咥えさせ口を閉じさせることができる。かかる場合、当該口角と長円とがフィットして、口角部分から息が漏れにくい。
本実施形態におけるマウスピース本体11は、歯受部26の内径も、長軸と短軸とを有している。歯受部26は、図6および図7に示すように略均一な肉厚の壁により長円に構成されている。歯受部26の内径形状が長円に形成されているため、特に長軸方向において、内視鏡の操作範囲が大きい。
歯受部26は、歯受部26の遠位端部において径方向の外側に突出する凸部30を有する。患者が、歯受部26に直接に歯を当ててマウスピース100を咥える場合、凸部30は、患者の歯の停止部として機能し、マウスピース100が口から落下することを防止することが可能である。
マウスピース100は、マウスピース本体11の遠位端部と近位端部との間において、外周面40(図3)から外方向に延在する鍔部42を有する。外周面40とは、マウスピース本体11の外側側面を構成する面である。
鍔部42は、図4から理解されるとおり、歯受部26の長軸36の伸長方向よりも短軸38の伸長方向に長く延在している。
たとえば、患者が、長軸36の伸長方向と、口角と口角とを結んだ線と、が略平行となるようマウスピース100を咥えたとき、鍔部42が上唇と下唇とに当接する。これによって、患者がマウスピース100を咥えた状態が安定するとともに、口からの息漏れがし難い。
図1に示すように、本実施形態における鍔部42は、マウスピース本体11の遠位端から近位端に向かう方向に凸状に湾曲している。湾曲形状の詳細は、特に限定されないが、例えば、短軸38を左右方向にして、鍔部42を観察したとき、鍔部42が遠位端部から近位端部に向けて凸形状をなしている(図7参照)。
鍔部42を上述のとおり湾曲させることにより、鍔部42の遠位端側の面が、歯受部26を咥えた患者の唇に沿いやすい。これにより、マウスピース100の装着性と気密性が向上しうる。
本実施形態において鍔部42は、円筒体の外面の一部をなす形状である円筒面となっている。上記円筒面を有する当該円筒体の中心軸は、短軸38の軸線方向と同一方向である。
即ち、鍔部42は、仮想の円筒体の外周面に沿う形状となっている。たとえば、当該円筒体の中心軸方向が上唇と下唇との方向となるようにマウスピース本体11を咥えたとき、左右の口角を結ぶ方向は当該円筒体の円周方向となる。これにより、マウスピース本体11を咥えた状態で、鍔部42が患者の口に良好に密着可能であり、マウスピース本体11の装着性が良い。
次に脱気防止弁装置18について説明する。
図3に示されるとおり、脱気防止弁装置18は、挿通孔12に周設されている。また脱気防止弁装置18は、挿通孔12に挿通される内視鏡(図示せず)に周着する。
脱気防止弁装置18が挿通孔12に周設されているとは、挿通孔12の少なくとも一方の端部または中間において挿通孔12の全周に脱気防止弁装置18が取り付けられていることを意味する。本実施形態では、具体的には、脱気防止弁装置18に設けられた伸縮部16が、挿通孔12に周設され、挿通孔12に挿通される内視鏡に周着する。
かかる構成によれば、挿通孔12に挿通される内視鏡が脱気防止弁装置18を通過するとき、当該内視鏡は、挿通孔12の内壁面に当接することなく、脱気防止弁装置18に気密に周着する。このため、内視鏡と挿通孔12との間に隙間部が発生し難く、口からの空気漏れを防止することができる。
本実施形態において、脱気防止弁装置18は、脱気防止弁装置18をマウスピース本体11の近位端側の開口端面に圧着させるための固定部材である固定リング59が設けられている(図3)。
本実施形態において、固定リング59は、伸縮部16をフレーム部14に固定するための伸縮部用固定部材をなしている(図3)。
固定リング59は、略リング状の部材であって、フレーム部14の内側において、下端部23と上端部25との中間領域に設けられている。
本実施形態における挿通孔12とは、マウスピース100の内部に設けられる孔であって、内視鏡が挿入される孔である。脱気防止弁装置18は、挿通孔12の中間領域、または挿通孔12の近位端あるいは遠位端における開口領域のいずれかに1か所または2か所以上、設けることができる。脱気防止弁装置18は、挿通孔12に直接または間接に周設される。
本実施形態における脱気防止弁装置18は、挿通孔12に周設された可撓性の伸縮部16を有する(図1)。伸縮部16は、伸縮部16の略中央部に設けられ図示省略する内視鏡に周着する内視鏡挿入部17を有する。
伸縮部16は、内視鏡に気密に密着可能な可撓性の部材で構成されている。
可撓性の伸縮部16は、たとえば膜形状あるいは円板形状であって面内方向において伸縮可能な部材より構成される。上記膜形状または上記円板形状の伸縮部16とは、面内が概略平滑な面である態様、および面内に凹凸部が設けられた態様をいずれも包含する。上記凹凸部には、蛇腹部120を含む。
より具体的には、伸縮部16は、平坦部からなる平板部材、蛇腹部120を有する蛇腹部材であってもよいが、気密性の観点から、蛇腹部材であることが好ましい。上記蛇腹部材は、伸縮部16の略全体において面内方向に蛇腹部120が設けられた態様、および平坦部と蛇腹部120の組み合わせよりなる態様のいずれも包含する。
伸縮部16の伸縮により、内視鏡が挿入された内視鏡挿入部17は、当該内視鏡の操作により内視鏡の動作に追随して移動可能である。内視鏡挿入部17は、径方向、内視鏡の進退方向、および回転方向(内視鏡の首ふり方向あるいは捻じれ方向)に移動可能である。
このため、内視鏡挿入部17に挿入された内視鏡が操作されたとき、内視鏡の操作性を損なわずに脱気防止弁装置18と内視鏡との気密性を維持することが可能である。
図3に示すとおり、伸縮部16の外縁には、マウスピース本体11の係合受部54に当接してマウスピース本体11の近位端側の開口を気密に封止する閉止栓部60が設けられている。係合受部54の詳細は後述する。閉止栓部60は、伸縮部16と一体的に形成されてもよいし、伸縮部16の外縁に別部材を接合することにより形成されてもよい。閉止栓部60は、たとえば、弾力性のある樹脂部材で形成することができる。具体的には、たとえば閉止栓部60は、伸縮部16と同様であって同質または異質の樹脂材料で形成することができる。
本実施形態にかかる内視鏡挿入部17は、環状である。ただし、本発明における内視鏡挿入部17は、これに限定されない。たとえば、内視鏡挿入部17は、伸縮部16の面内に形成された、挿通孔12の挿通方向に内視鏡を貫通可能な切り込み部であってもよい。
環状に形成された内視鏡挿入部17の径は、使用が予定される内視鏡の径よりも小さい径とすることができる。これによって、内視鏡に対する周着が確実となり、上記気密性の効果を良好とすることができる。
伸縮部16は、環状の内視鏡挿入部17と同心円状において、谷部116、山部114、谷部116、および山部114が連続して設けられてなる蛇腹部120を有する。蛇腹部120を有することにより、内視鏡挿入部17に挿入された内視鏡の操作性をさらに向上させることができ、結果として充分な気密性も維持される。
本実施形態において蛇腹部120の内縁は、最も内視鏡挿入部17に重複する谷部116である。本発明の伸縮部16において、蛇腹部120以外の部分を非蛇腹部という。非蛇腹部は、伸縮部16において、蛇腹部120以外の部分であり、非蛇腹部の面内方向における伸縮性は、蛇腹部120の面内方向の伸縮性より小さい。非蛇腹部には平坦部を含む。平坦部とは、伸縮部16を目視で観察したときに、面内において実質的に凹凸がない部分を意味する。
本実施形態は、伸縮部16を可撓性のある部材で形成し、かつ、蛇腹部120を設けている。本実施態様の変形例としては、伸縮部16を可撓性のない、あるいは可撓性の小さい部材で形成し、かつ、蛇腹部120を設けることもできる。
本実施形態における脱気防止弁装置18は、マウスピース本体11に着脱可能に装着されるフレーム部14を有している。
かかる構成により、脱気防止弁装置18がマウスピース本体11に着脱可能となっている。このため、例えば中下咽頭部の内視鏡検査を気密状態で行った後、脱気防止弁装置18を取り外し、続けて食道や胃などの他の内視鏡検査を行うことができる。
即ち、気密性が重要な中下咽頭部の検査に引き続いて、食道・胃の検査を実施しようとした場合、患者の呼吸が十分に行えるように、気密性確保は不必要である。これに対し、上記構成によれば、マウスピース本体11に対する脱気防止弁装置18の着脱により気密性の確保の有無を適宜コントロール可能である。
より具体的には、一般的に、食道や胃の検査では、上述のバルサルバ法による中下咽頭部の検査のように、気密性確保が必要とはされないため、脱気防止弁装置18は外し、患者が十分に呼吸できるようにすることが想定される。しかし、内視鏡で送気をしても胃の観察に必要な視野が得られない場合には、脱気防止弁装置18をあらためて装着すれば、口からの空気漏れを最低限に抑えて、視野確保ができる。このように、脱気防止弁装置18がマウスピース本体11に対して、着脱可能であることで、内視鏡検査の状況や患者の状況に応じて、脱気防止弁装置18は任意に装着、非装着を選択することができる。
フレーム部14は、マウスピース本体11の取り付け位置に応じて種々の形状をとることができる。本実施形態におけるフレーム部14は、略円筒状をなしている。
フレーム部14の内面に伸縮部16が設けられている。フレーム部14と伸縮部16とは別部材により形成されており、伸縮部16を構成する部材よりもフレーム部14を構成する部材は硬質である。伸縮部16は、固定リング59によりフレーム部14に固定される態様のほか、フレーム部14に直接に固定される態様であってもよい。あるいはフレーム部14に設けられた異なる任意の部材に固定されて、フレーム部14に設けられる態様であってもよい。
フレーム部14は、比較的硬質の材質を用いることにより、マウスピース本体11に対する着脱操作が良好となる。具体的には、フレーム部14の材料としては、例えば硬質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、硬質ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素化ポリエチレン樹脂、アクリルニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS)樹脂などが利用できる。
伸縮部16は、フレーム部14と比較して柔軟性を有する材料で構成されることが好ましい。具体的には、伸縮部16の材料としては、例えば天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタンエラストマー、スチレン−ブタジエン−スチレン3元共重合体、シリコーンゴム等の伸縮性のある材料が望ましく、内視鏡と伸縮部16との摩擦の向上のためにオイルを含有させた上記の材質を用いることも好ましい。
本実施形態において、マウスピース本体11に対する脱気防止弁装置18の着脱は、以下のとおり実現される。
即ち、フレーム部14は、フレーム部14をマウスピース本体11の近位端に係脱可能に係止する係止部24を備えている(図1から図3参照)。
本実施形態における係止部24は、フレーム部14の外縁の円周上に設けられている。係止部24は、フレーム部14の外縁に沿って、当該外縁の上端および下端を超えて延在する。係止部24のフレーム部14の下端を超えて延在する下端部23には、フレーム部14の内側に向かって突き出した係合突起部22が設けられている(図2および図3)。係合突起部22は、マウスピース本体11の近位端部であって外側面に係合する。マウスピース本体11は、縮径部110の近位端から連続し径方向の外側に向かって延在する環状の係合受部54が設けられている(図6および図7)。係合突起部22が、係合受部54に係合することによって、脱気防止弁装置18がマウスピース100に装着される。
なお、ここでいう上下方向は、マウスピース100の近位端側を上方向、遠位端側を下方向としている。
係止部24のフレーム部14の上端を超えて延在する上端部25には、つまみ部20が設けられている。つまみ部20は、係止部24の上端であって外側側面に設けられており、係止部24の上端に指を当てて着脱の操作をする際に指滑りが防止され操作性がよい。係止部24の上端部25を径方向の内向きに押すことによって下端部23が径方向の外向きに開く。これによって、係合突起部22を係合受部54に対して係合させ、または係合を解除させることができる。
マウスピース本体11は、比較的硬質の材料を用いることにより、マウスピース100の強度を確保するとともに、マウスピース本体11の内腔である挿通孔12の内径を充分に確保可能である。具体的には、マウスピース本体11は、硬質塩化ビニル樹脂、硬質ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素化ポリエチレン樹脂、アクリルニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS)樹脂などの樹脂材料を用いることができる。マウスピース本体11は、一種の樹脂材料で形成することもできるし、任意の箇所ごとに構成する材料の種類を変更することもできる。
またマウスピース本体11は、比較的硬質の材料を用いるという観点からは、上述するフレーム部14と同様の材料で形成してもよい。このとき、マウスピース本体11とフレーム部14とは、互いに、同種の材料で形成してもよいし異種の材料であって同等な硬度の材料で形成してもよい。
係止部24の数は、特に限定されず、マウスピース本体11に対する脱気防止弁装置18の着脱を可能とする範囲において、任意に決定してよい。本実施形態にかかるマウスピース100は、フレーム部14を介して略対向する2か所に係止部24が設けられている。略対向する2か所の係止部24、あるいは任意の位置に3か所以上設けられた係止部24の上端であって外側面に指を当て、内側に押圧することができる。これにより、係止部24の下端部23を外方向に移動させることができる。
本実施形態における係止部24は、マウスピース本体11の外側面に位置する。そのため、脱気防止弁装置18をマウスピース本体11に装着したとき、マウスピース本体11の内腔における内視鏡の可動域を狭めることがなく、内視鏡の操作性を損なうことがない。
ただし、本発明において脱気防止弁装置18をマウスピース本体11に対し着脱させる機構はこれに限定されるものではない。たとえば係止部24が、フレーム部14の内縁の円周上に設けられ、マウスピース本体11の近位端部の内側面の任意の箇所に係合あるいは嵌合させ、上記着脱を行ってもよい。
また、本発明における脱気防止弁装置18の着脱は、係止手段に限定されるものではない。たとえば、フレーム部14に設けられた所定の摩擦係数を有するシリコーンゴムなどの摩擦要素と、この摩擦要素をマウスピース本体11の外周面または内周面に付勢するバネなどの付勢部材とを組み合わせてもよい。
次に、歯受部26の周囲に設けられる被覆部28について説明する。
上述のとおりマウスピース本体11は、遠位端部に筒状の歯受部26を有する。
マウスピース本体11は、歯受部26の外周を被覆する被覆部28をさらに備えてもよい。被覆部28の硬度は、歯受部26の硬度よりも低い。そのため、患者が、被覆部28の上から歯受部26を咥えたとき、患者に対し好ましい体感を与えるとともに、歯受部26の強度を維持することが可能である。
また、被覆部28をシリコーンゴムなどの柔軟な樹脂部材で構成することにより、被覆部28の表面に歯をあてて、歯受部26を咥えたとき、当該歯がわずかに被覆部28に食い込み、噛み位置のずれが抑制される。したがって内視鏡検査の際に、マウスピースが口から落下することが防止される。
被覆部28は比較的軟質の材料を用いることにより、外周面から患者が歯をあてたときに、良好な咥え心地を与え、また歯が被覆部28の表面で滑りにくい。具体的には、シリコーンゴム、ポリウレタンエラストマー、天然ゴム、合成ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン3元共重合体等の弾力性の高い材料が好ましい。
なお、本発明の説明において硬度という場合には、各構成部材に適した公知の手段で測定された硬度を意味する。たとえば、樹脂部材で構成された本発明の任意の構成の硬度は、デュロメーター硬度 JIS K 6253に準拠して測定することができる。
本実施形態における被覆部28は、マウスピース本体11に対して脱着可能である。これにより、口の小さな患者には、咥える部分の径を小さくするために被覆部28を取り外して歯受部26を直接に咥えさせることができる。また、肉厚の異なる2種以上の被覆部28を準備することで、患者の口の大きさに合わせて患者の咥える部分の径をさらに細かく調整することも可能である。
ただし、本発明は、マウスピース本体11に繰り返しの着脱ができない(つまり歯受部26に対して固定されている)被覆部28を除外するものではない。
本実施形態における被覆部28は、歯受部26であってマウスピース本体11を咥える患者の歯が当たる領域を少なくとも被覆する。たとえば、被覆部28は、図5に示すとおり、歯受部26の外側の概略全周を覆うOリング形状であってもよい。
被覆部28は、所定の形状から容易に変形し、かつ所定の形状に復元可能な弾性部材で構成することができる。かかる弾性部材で構成される被覆部28であれば、たとえば断面略真円の円筒形状をなすとともに、断面が長円の円筒部である歯受部26に対し、密着して被覆することが可能である。
ただし、被覆部28の形状はOリング形状に限定されず、例えば、長尺方向に対し垂直に切断したときの断面形状がC字形状である被覆部28であってもよい。
被覆部28は、外周面側において、被覆部28の遠位端部において径方向の外側に突出する第二凸部50を有している。第二凸部50は、歯受部26が被覆部28に被覆された状態で、被覆部28に患者が歯を当てたときの歯の停止部として機能し、マウスピース100が口から落下することを防止可能である。
本実施形態における歯受部26と被覆部28とは、互いに係合する関係にあり、これによって被覆部28が歯受部26を被覆したときに、被覆部28が離脱しないよう構成されている。
即ち、図3に示されるように、歯受部26は、歯受部26の遠位端部において径方向の外側に突出する凸部30を有している。被覆部28は、内周面側において、小径部34および大径部32を有している。加えて、被覆部28は、内周面側において、小径部34および大径部32の段差により形成され径が不連続に変化する段差部37を有している。
凸部30と段差部37とは係合し、これによって被覆部28が、マウスピース本体11の近位端から遠位端方向へずれることが防止される。本実施形態では、凸部30と段差部37とは当接しており、係合した状態で両者の位置ずれが防止されている。
被覆部28は近位端側に小径部34が設けられ、遠位端側に大径部32が設けられている。大径部32の領域が小径部34の領域に対し凹部となっており、歯受部26の凸部30が、当該に凹部に嵌合している。
また図3に示されるとおり、被覆部28の遠位端の端面51と、歯受部26の遠位端(即ち、凸部30の遠位端)の端面52とが略同一平面上にある。
上述のとおり、マウスピース100は、マウスピース本体11の遠位端部に設けられた筒状の歯受部26と、歯受部26の外周を被覆する被覆部28と、を有する。加えてマウスピース100は、マウスピース本体11の遠位端部と近位端部との間に設けられた外周面から外方向に延在する鍔部42を有している。
本実施形態にかかるマウスピース100は、鍔部42の裏面210の基端部からマウスピース本体11の遠位端までの最短距離Aと、被覆部28の長尺方向の長さとが略同等である。尚、鍔部42の裏面210とは、マウスピース100を近位端側からみたときの鍔部42の裏側の面のことを意味する。
かかる構成によれば、歯受部26において実質的に患者が歯を当てる部分の概略全体が、被覆部28で覆われる。そのため、患者は、歯受部26のいずれの箇所に歯を当てても同様に被覆部28の弾力性を体感することができる。
マウスピース本体11の近位端を上側、遠位端を下側としたときに、本実施形態の鍔部42の基端部は、上述する境界部112と略同等の高さ位置に設けられている。
図3に示されるとおり、伸縮部16は、環状の内視鏡挿入部17と同心であって、径方向に谷部116、山部114とが設けられてなる環状の蛇腹部120を有している。
図4から理解されるとおり、蛇腹部120は、縮径部110と拡径部111との境界である境界部112で囲まれる内円112Aと同軸で配置されている。蛇腹部120の外縁120Aの径は、内円112Aの径よりも大きい。
蛇腹部120の外縁120Aとは、蛇腹部120を構成する山部114または谷部116のうち、中心より最も離れた位置にある山部114または谷部116を指す。本実施形態では、蛇腹部120の外縁120Aは、同心に二重に設けられた山部114のうちの外側の山部114の頂点を結んだ円である。
本発明における蛇腹部120は、径方向における内視鏡の移動により、伸縮部16に発生するひずみを吸収可能である。蛇腹部120は、伸縮部16の延在方向とは異なる方向に凸の山部または凹の谷部である。山または谷の頂点は、鋭角である場合と鈍角である場合のいずれも含む。
蛇腹部120は、例えば、伸縮部16に設けられた、少なくとも一つの山部114、または少なくとも一つの谷部116により構成可能である。あるいは、蛇腹部120は、2以上の隣り合う山部114と谷部116とから構成されてもよい。あるいは、蛇腹部120は、山部114と谷部116との間に、図示省略する平坦部を有していてもよい。上記平坦部は、挿通孔12の挿通方向に対し略垂直な方向における面内に含まれる。
本発明は、内視鏡挿入部17の周囲に非蛇腹部を有し、さらに当該非蛇腹部の周囲に蛇腹部を有する態様、および内視鏡挿入部17の周囲に非蛇腹部を有さず内視鏡挿入部17に接して蛇腹部120が配置される態様のいずれも包含する。例えば、図示省略するが、本発明は内視鏡挿入部17の周囲に非蛇腹部である平坦部を有し、当該平坦部の周囲に蛇腹部120を有する態様を包含する。
本実施形態におけるマウスピース100は、内視鏡挿入部17の周囲に非蛇腹部を有さず内視鏡挿入部17に接して蛇腹部120が配置されている。
蛇腹部120の外縁120Aの径が、内円112Aの径よりも大きいことにより、内視鏡の操作(特には平行操作)の際、優れた操作性および気密性を提供可能である。具体的には、かかる構成により、内円112Aの内部において内視鏡の移動により、伸縮部16において発生するひずみを良好に蛇腹部120に吸収させることができる。また、内視鏡の周面に対し密着する内視鏡挿入部17が、内視鏡の操作時に当該内視鏡の移動に良好に追従する。そのため、内視鏡と内視鏡挿入部17とが密着した状態を良好に維持され、高い気密性により内視鏡とマウスピース本体11との間が封止される。
特に、蛇腹部120の内縁120Bの径が、内円112Aの径よりも小さいとき、内視鏡の操作(特には平行操作)の際に、優れた操作性および気密性を提供可能であるという効果が顕著である。
特に、蛇腹部120の内縁120Bの径が、内円112Aの径よりも小さく、かつ、内視鏡挿入部17と内縁120Bとの間に、上述する非蛇腹部を有しない態様、あるいは非蛇腹部を有するがわずかである態様であることが好ましい。
かかる構成では、内視鏡挿入部17に挿通する内視鏡を操作したとき、内視鏡の移動による上記ひずみが速やかに蛇腹部120において吸収される。そのため、内視鏡挿入部17よりも先に蛇腹部120を変形させることができ、内視鏡挿入部17と内視鏡との気密性を高く維持することができる。
上述するマウスピース本体11および脱気防止弁装置18は、互いに分離した状態で、内視鏡検査用マウスピースキットを構成してもよい。
あるいは、マウスピース本体11、脱気防止弁装置18および被覆部28は、互いに分離した状態で、内視鏡検査用マウスピースキットを構成してもよい。
上記内視鏡検査用マウスピースキットは、使用時において組み合わされて本発明のマウスピースを構成する。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について図8から図10を用いて説明する。図8は、本発明の第二実施形態にかかるマウスピース200の一例を示す斜視図である。図9は、図8に示すマウスピース200の分解斜視図である。図10は、図8に示すマウスピース200のY−Y断面図である。
マウスピース200は、図示省略する内視鏡を挿入抜去自在に挿通する挿通孔12を有するマウスピース本体61と、挿通孔12に挿通された内視鏡とマウスピース本体61との間を気密に封止する脱気防止弁装置418と、を有する。
脱気防止弁装置418は、フレーム部414と、伸縮部16および内視鏡挿入部17を有している。
フレーム部414は、フレーム部414をマウスピース本体61の近位端に係脱可能に係止する係止部を備える。上記係止部は、具体的には、フレーム部414の遠位端部の外側面において径方向に凸の嵌合凸部422である。本実施形態において嵌合凸部422は、対向する位置に2か所設けられているが、これに限定されず、嵌合凸部422は1つ、または3つ以上であってもよい。
マウスピース200は、上記係止部の構成がマウスピース100と異なること以外は、マウスピース100と同様の構成が採用される。そのため、マウスピース200に関し、係止部以外のその他の構成は、説明を省略する。
マウスピース本体61の鍔部42よりも近位端部側には係合受部420が設けられている。係合受部420は、嵌合凸部422と係合可能な嵌合部を有する。尚、嵌合部の説明に関し言及する上下方向は、図9における紙面上下方向である。
具体的には、係合受部420は、鍔部42の近位端部側の面から起立する筒部421であって、筒部421の側面に、上記嵌合部として嵌合凹部425と嵌合留部426を備えている。
嵌合凹部425は、筒部421の内壁面において、上端から下端に向けて形成された溝状の凹部である。嵌合凹部425の幅寸法は、嵌合凸部422の幅寸法以上である。嵌合凹部425の上端から、嵌合凸部422を嵌合させて、嵌合凹部425の下端方向に嵌合凸部422をガイドすることにより、マウスピース本体61と脱気防止弁装置418とを係合させることができる。
当該係合により、フレーム部414の外側面が筒部421の内側面に対向し、係合受部420にフレーム部414が内装された状態となる。
嵌合留部426は、嵌合凹部425に連続し、嵌合凹部425を構成する溝の伸長方向とは異なる方向に伸長する凹部である。
嵌合留部426は、嵌合凹部425の下端と連続しており、嵌合凹部425の伸長方向とは略垂直な方向に伸長する。嵌合凹部425の下端まで嵌合凸部422が嵌合した状態で、フレーム部414とマウスピース本体61とを紙面左右方向に捻ることにより、嵌合凸部422を嵌合留部426に嵌合させることができる。これによって、嵌合凸部422が、上方に抜けづらくなり、脱気防止弁装置418とマウスピース本体61とが係脱可能に安定的に固定される。
上述するマウスピース100およびマウスピース200における係止部の説明は、本発明の係止部の例を示すものであって、本発明を何ら限定するものではない。
<第三実施形態>
次に本発明の第三実施形態について図11および図12を用いて説明する。
本実施形態に係る内視鏡検査用マウスピース300(以下、単にマウスピース300ともいう)は、以下に説明する点で、上記の第一実施形態にかかる内視鏡検査用マウスピース100と相違し、その他の点では内視鏡検査用マウスピース100と同様に構成することができるため、適宜説明を省略する。
図11は、本発明の第三実施形態にかかるマウスピース300の分解斜視図である。図12は、図11に示すマウスピース300のZ−Z断面図である。
マウスピース300は、脱気防止弁装置18およびマウスピース本体11はマウスピース100と同様のものが用いられ、被覆部29がマウスピース100に設けられた被覆部28と異なっている。
本実施形態における被覆部29は、外径が長軸310と短軸320とを有する円筒形である。
本実施形態における第二凸部50は、長軸310上に第一長さ311で延在する第一延在部312と、短軸上に第二長さ321で延在する第二延在部322と、を有している。
被覆部29は、第一長さ311が、第二長さ321よりも大きくなるよう構成されている。
被覆部29は、横断面における外形が、少なくとも一方に長い形状をなす。上記横断面の形状は、楕円および長円を含む。長軸310を口角方向に合わせ、第二凸部50よりも近位側をまで口腔内に含んだ状態で、マウスピース300を咥えることにより、第一延在部312が頬と歯との間に位置し、口角からの息漏れが防止される。
また第二延在部322は、第一延在部312よりも短いため、唇と歯との間に収まり易い。
患者がマウスピース300を咥えやすいという観点からは、第二凸部50は、被覆部29の遠位端部に設けられることが好ましく、本実施形態のごとく遠位端に設けられることがより好ましい。
本実施形態における被覆部29は、図11に示すとおり第一延在部312と第二延在部322とが、外周方向において連続している。上面視上、第一延在部312は長軸310の延長線を含み、第二延在部322は、短軸320の延長線を含んでいる。ただしこれに限定されず、図示省略するが、歯受部26の周方向において、第一延在部312と第二延在部322とが不連続に設けられていてもよい。第二延在部322は患者の歯の裏に当接可能であり、マウスピース300が口腔内から脱落することを防止する。ただし本実施形態は、第二凸部50から外方向に延在する延在部を、実質的に第一延在部312だけとし、第二延在部322を省略してもよい。第二凸部50において、第一延在部312が、頬裏に当接することによって、マウスピース300が口腔内から脱落することを防止することが可能である。
第一長さ311は、歯受部26の外周面から長軸310の延長線に沿って計測された第二凸部50の延在方向における寸法である。第二長さ321は、歯受部26の外周面から短軸320の延長線に沿って計測された第二凸部50の延在方向における寸法である。
第一長さ311と第二長さ321との比率は特に限定されないが、たとえば、第一長さ311は、第二長さ321の2倍以上とすることが好ましい。
かかる比率によれば、第一延在部312の長さ(第一長さ311)を、息漏れ防止効果が発揮される程度に充分に長く設けるとともに、唇の裏に配置される第二延在部322の長さ(第二長さ321)を、適度に短くすることが可能である。これにより、第一延在部312および第二延在部322を備える第二凸部50は、口腔内への挿入性が良好で、かつ、口腔内におけるバランスが図られ、患者への違和感を低減させ得る。
より具体的には、たとえば成人に使用されるマウスピース300において、第一長さ311を5mm以上10mm以下の範囲とし、第二長さ321を2mm以上5mm以下の範囲とすることが好適である。
またこのとき被覆部29の外径は、たとえば、長軸310方向における長径を30mm以上40mm以下の範囲、短軸320方向における短径を25mm以上35mm以下の範囲とすることができる。
被覆部29の上記短径に対する上記長径の比率よりも、第二長さ321に対する第一長さ311の比率の方を大きくすることにより、患者がマウスピース300を咥えやすく、かつ、息漏れを防止する効果が高い。
マウスピース300は、鍔部42の長軸方向と、第一延在部312の延在方向とが直交している。そのため、患者がマウスピース300を咥えた状態で、鍔部42が患者の唇と当接することで口腔内にマウスピース300が入り込むことが防止され、第一延在部312が頬裏に当接することでマウスピース300が口腔外に脱落することが防止される。
また図11に示すとおり、第二凸部50には、第一延在部312と直交する第二延在部322が設けられている。第二延在部322が上下の歯裏に当接するとともに、第一延在部312が頬裏に当接することによって、マウスピース300が口腔外に脱落することが良好に防止されている。
図11および図12に示すとおり、本実施形態における第一延在部312は、外縁に向かって肉薄に形成されている。
換言すると、第一延在部312の近位側面には、第二凸部50の外縁に向かって先細りに傾斜している。
このように、第一延在部312が肉薄に形成されることによって、第一延在部312に柔軟性が付与され、マウスピース300を咥えたときの口腔内における違和感を減少させることができる。
かかる趣旨からは、上記傾斜は、第一延在部312の遠位側面に設けられてもよい。ただし、頬裏に当たり得る第一延在部312の近位側面を外縁に向かって傾斜させることにより、頬裏への当たり方をより柔らかくし得るため好ましい。
第一延在部312に柔軟性を付与するという観点から、図13に本実施形態の変形例を示す。図13は、マウスピース本体11に本発明の第三実施例の変形例に用いられる被覆部29Aを取り付けた状態を背面側から見た斜視図である。
図13に示すとおり、被覆部29Aは、第一延在部312の遠位側面において、マウスピース本体11に設けられた挿通孔12に連通させ、かつ外周313を残して肉抜きされている。肉抜きされた領域は、周囲の領域よりも肉薄になっており、結果として第一延在部312の柔軟性を高めている。係る観点からは、図示省略するが、第一延在部312の近位側面において上記肉抜きがなされていてもよい。
ここで肉抜きとは、厚さ方向に周囲より厚みの小さい部分を設けることをいい、第一延在部312の遠位側面が肉抜きされることによって凹部314が形成されている。凹部314は、挿通孔12に連通するとともに、外周313の内側面において終端している。
遠位側を上方向としたとき、肉抜きされた領域(凹部314)の外周の高さは、挿通孔12の遠位側の開口よりも高い位置にあり、当該肉抜きされた領域は、当該開口に連通している。
頬裏に対する第一延在部312の当たりを柔軟にし、口腔内において感じる違和感を低減させるという観点からは、図11および図12に示すとおり、第一延在部312の近位側面の外縁315を面取りすることが好ましい。
上記面取りには、所謂、C面取りおよびR面取りのいずれも含む。
次に、被覆部29と歯受部26との関係について説明する。
図11に示すとおり、歯受部26の内径は、被覆部29の外径と同方向に長軸と短軸とを有している。被覆部29の断面内形は、たとえば長円または楕円であり、歯受部26の外形形状と略等しい形状に構成されている。そのため、歯受部26に対する被覆部29の装着方向が、容易に理解可能である。
本実施形態において、被覆部29の内径における長軸および短軸それぞれは、歯受部26の外径における長軸および短軸よりも僅かに大きく形成されている。
本実施形態における被覆部29は、内周面に、歯受部26の外周面に当接する周方向に周回状に連続した凸状の当接部316を備える。
当接部316が設けられたことにより、歯受部26の外周面と、被覆部29の内周面との間が当接部316において封止されるため、マウスピース300の気密性が高まる。
また、当接部316を設けずに歯受部26の外周面と被覆部29の内周面とを直接に接触させた場合に比べ、本実施形態は、両者の接触面積を著しく小さくすることができる。そのため、歯受部26に対し被覆部29を取り付けた際、取り付け位置がずれたときには、被覆部29を周方向に回転させて、取り付け位置の調整を行いやすい。
本実施形態における当接部316は、径方向の内側に突出し、その突出先端が半球状である周方向に周回する一本の帯状体である。ただし当接部316はこれに限定されず、周方向に周回する二本以上の当接部316が設けられていてもよいし、また突出先端が半球状以外の形状(たとえば平面状)などであってもよい。図12では、突出先端が半球状である当接部316が歯受部26の外周面と当接し、先端が平坦状になっている状態を示している。
また図示する当接部316は、被覆部29の中心軸に直行する平面内で周方向に周回しているが、これに限定されない。
上述する当接部316を備えるマウスピース300は、歯受部26と、当接部316との間の気密性が3kPa以上とすることができる。
かかる気密性を発揮するマウスピース300は、バルサルバ法などの口腔内の気圧を高める検査や治療を実施するに好適である。
歯受部26と、当接部316との間の気密性が3kPaとは、歯受部26の外周面と当接部316の先端とを密着させ、当接部316の遠位側と近位側との間に3kPaの気圧差を付加したときに、歯受部26と、当接部316との間を気体が漏れないことをいう。
一例として、内視鏡挿入部17に内視鏡を密着させて挿入し歯受部26の軸方向の中間からマウスピース300の遠位側を覆うよう密封して挿通孔12の内部に気体を給気し内部圧力を3kPaとする。このとき、歯受部26と、当接部316との間から気体が漏れないことにより歯受部26と、当接部316との間の気密性が3kPaであることを確認することができる。
以上に当接部316を有する本実施形態について説明したが、本発明は、当接部316を省略し、歯受部26の外周面と被覆部29の内周面とを直接に当接させる態様を包含する。この場合には、被覆部29の内径における長軸および短軸それぞれと、歯受部26の外径における長軸および短軸とを略同一とし、歯受部26の外周面と被覆部29の内周面との間において軸方向に連通する隙間がないよう構成することが好ましい。
本実施形態は、図13に示すとおり、マウスピース本体11に対し、意図した位置に被覆部29Aを容易に装着するために、第一位置決め部323および第二位置決め部324を設けてもよい。
即ち、図13に示すとおり、歯受部26(図11参照)は、歯受部26の遠位端部において径方向の外側に突出する凸部30を有するとともに、被覆部29Aは、外周面側において、被覆部29Aの遠位端部において径方向の外側に突出する第二凸部50を有している。凸部30の遠位端面に設けられた第一位置決め部323と、第二凸部50の遠位端面に設けられ第一位置決め部323に対向する第二位置決め部324と、が設けられている。第一位置決め部323と第二位置決め部324とを対向させるよう、マウスピース本体11に対し、被覆部29Aを装着することによりマウスピース本体11に対する被覆部29Aの位置決めが容易かつ確実である。
第一位置決め部323と第二位置決め部324は少なくとも一組設けられる。図13では、凸部30と第二凸部50とが互いに最接近する2か所のそれぞれにおいて、第一位置決め部323と、これに対向する第二位置決め部324とが設けられている。
第一位置決め部323および第二位置決め部324は、歯受部に設けられる上記凸部と、被覆部に設けられる上記第二凸部とを有する本発明のマウスピースの種々の態様において、適宜実施することができる。
<第四実施形態>
第四実施形態に係る内視鏡検査用マウスピースは、以下に説明する点で、上記の第一実施形態にかかる内視鏡検査用マウスピース100と相違し、その他の点では内視鏡検査用マウスピース100と同様に構成することができるため、適宜説明を省略する。
第一実施形態からの変更点を説明するために、第四実施形態に用いられるマウスピース本体11および被覆部35の斜視図を図14に示す。
第四実施形態における内視鏡検査用マウスピースは、歯受部26の外周を被覆する被覆部35を有している。被覆部35の近位端面351と、鍔部42の遠位側面352とが、互いに対応する形状となるよう構成されている。
より具体的には、第四実施形態における内視鏡検査用マウスピースは、鍔部42の遠位側面352と被覆部35の近位端面351とが互いに嵌合し非周回に設けられた凹凸部353を有している。
図14には、近位端面351が凸状であり、これに対応する形状である遠位側面352が凹状の形状であり、これらが互いに嵌合して凹凸部353が形成されている。もちろん、図示省略する近位端面351が凹状であり、これに対応する形状である遠位側面352が凸状の形状であってもよい。
凹凸部353は、少なくとも1カ所、好ましくは2か所以上、設けられる。本実施形態では、略180°対向して、同様の凹凸部353が設けられている(図示省略)。
凹凸部353が非周回であることにより、互いに対応する形状の近位端面351と遠位側面352とが正しい方向で嵌合した場合には、被覆部35は、周方向に回転し難い。そのため、歯受部26に対し被覆部35を適切に位置合わせすることができる。
<第五実施形態>
以下、内視鏡用マウスピースに用いられる本発明の脱気防止弁装置を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
以下、本発明の脱気防止弁装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
図15(a)は、本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置を内視鏡用マウスピースに装着した斜視図である。図15(b)は、本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置と内視鏡用マウスピースの装着前の斜視図である。図16は、本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置を内視鏡用マウスピースに装着した断面図である。図17は、本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置の正面図である。図18は、本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置の平面図である。図19は、図18のB−B断面図である。図20は、本発明の第五実施形態に係る脱気防止弁装置の背面図である。
本実施形態の脱気防止弁装置501は、内視鏡(図示せず)を挿入抜去自在に挿通する挿通孔562を有し口腔内に挿入されるマウスピース504の基端部543に対して着脱自在に装着される。
マウスピース504の基端部543に装着されるフレーム部503と、フレーム部503に設けられて基端部543に係脱可能に係止する係止部502と、フレーム部503の内側に設けられた弁体部505と、を有している。
そして、本実施形態の弁体部505は、弁体部505の略中央部に設けられて内視鏡に周着する環状の内視鏡挿入部506と、内視鏡挿入部506に周設された可撓性の伸縮手段508と、を有している。
以下、本実施形態の脱気防止弁装置501について、より詳細に説明する。
図15(a)および図15(b)、図16に示すように、本実施形態の脱気防止弁装置501は、口腔内に挿入されるマウスピース504に装着されるもので、より詳しくは、マウスピース504の体外部544の基端側に設けられた基端部543に装着されている。
そして、脱気防止弁装置501の係止部502は、フレーム部503の内側に向かって突き出した係止手段521によってマウスピース504の基端部543に係脱可能に係止する。
マウスピース504は、体外部544、鍔部545と口腔内部546からなり、口腔内部546の外表面には弾性材料からなるカバー549が着脱自在に被覆されている。
鍔部545は***表面に当接して、マウスピースの過挿入を防止する役割を果たし、鍔部545を境に、近位端側を体外部544、遠位端側を口腔内部546となっている。
口腔内部546は、口腔内に挿入され、マウスピース504を介して内視鏡が挿入抜去可能な内腔542を有し、内視鏡挿入側の第一開口部547と口腔内側出口の第二開口部548を有している。
体外部544は、内視鏡が挿入抜去可能な内腔542を有すれば良く、体外部544の基端部543の形状は種々を採りうるが、内視鏡の挿通性の観点から、典型的には円形の漏斗状をなしている。
すなわち、図16に示すように、本実施形態の脱気防止弁装置501が装着されるマウスピース504の体外部544は、径が基端側に徐々に拡大するテーパー状の拡径部541を介して、基端側に基端部543が設けられている。
なお、本実施形態においてマウスピース504の基端部543は所定の長さをもつ近位端側の領域であり、基端部543はテーパー状の拡径部541を含んでいる。
ただし、脱気防止弁装置501が装着されるマウスピース504は上記に限られるものではない。たとえば、径が基端側に徐々に拡大する拡径部541でなくとも、単なる円筒部であっても良い。
図15から図17に示すように、脱気防止弁装置501のフレーム部503は、基端部543に装着される枠体である。
フレーム部503は、マウスピース504の基端部543の形状に応じて種々の形状をとることができるが、本実施形態では略円筒状をなしている。また、フレーム部503には、内向きフランジ状の固定部531が所定幅で一体に形成されている。
弁体部505は、内視鏡に気密に密着する可撓性の部材であり、フレーム部503の内面に設けられている。より具体的には、弁体部505はフレーム部503と別部材として略円板形状に作製され、円筒状のフレーム部503の内部に装着されて固定部531に固定される。
弁体部505の略中央部には、略円形の挿通孔562を有する環状の内視鏡挿入部506が設けられている。内視鏡挿入部506は弾性的に伸縮変形可能であり、内視鏡が挿入抜去自在に挿通孔562に挿通されるとともに、内視鏡挿入部506は内視鏡の周囲に気密に密着する。
内視鏡挿入部506の外周縁部には伸縮手段508が形成されている。伸縮手段508は、内視鏡挿入部506を径方向(図17における左右方向)、進退方向(同図における上下方向)および回転方向(内視鏡の捩れ方向または首振り方向)に移動可能とする柔軟な部材である。伸縮手段508の形状は、平板状であっても、蛇腹状であってもよいが、内視鏡挿入部506の上記方向への移動をより向上させる観点から、蛇腹状を含むことが好ましい。本実施形態の脱気防止弁装置501によれば、伸縮手段508を備えることにより、弁体部505が内視鏡に追随して変形する。このため、マウスピース504の内腔542に挿通された内視鏡を術者が動かす際に、内視鏡の操作性が損なわれることがない。
弁体部505の外周縁部には、マウスピース504の内腔542の近位端側の開口と嵌合して当該開口を気密に封止する閉止栓部554(図17、図20を参照)が伸縮手段508と一体に形成されている。
本実施形態の脱気防止弁装置501は、係止部502の操作によってマウスピース504の基端部543に対して着脱可能に装着される。
係止部502は、フレーム部503の外縁の円周上に設けられている。
本実施形態の脱気防止弁装置501は、マウスピース504の基端部543に対して、フレーム部503の内側に向かって突き出した係止手段(係止爪)521を掛合させることにより装着される(図16参照)。
本実施形態の係止手段521は、円筒状のフレーム部503より軸方向であって遠位側に突出した係止部502の先端部に形成されている。
ただし、本発明はこれに限られるものではなく、図示省略するが、係止手段521は、たとえば円筒状のフレーム部503の内周面上に形成されてもよく、外周面上に軸方向より突出しないように係止部502が形成されていてもよい。
本実施形態の脱気防止弁装置501は、マウスピース504の基端部543に係脱可能に係止する係止部502を用いて、マウスピース504の基端部543に対して着脱自在に装着される。すなわち、本実施形態の脱気防止弁装置501はマウスピース504の外部に装着される。このため、脱気防止弁装置501をマウスピース504に装着したとしても、マウスピース504の内腔542における内視鏡の可動域を狭めることがなく、内視鏡の操作性を損なうことがない。
また、脱気防止弁装置501をマウスピース504に装着した状態では、内視鏡に周着した弁体部505によって内腔542の近位端が気密に保持される。このため、内腔542に挿通された内視鏡を前後左右などに動かしたとしても、体腔内に送気された加圧空気がマウスピース504の近位端側に漏れ出すことを低減することができる。よって、バルサルバ法によって喉頭を挙上し、下咽頭の視野の確保をすることができる。
さらに、脱気防止弁装置501はマウスピース504から脱離可能である。中下咽頭部の観察終了後に、引き続き行われる食道や胃の検査時においては、内視鏡を内腔542に挿通した状態のまま、脱気防止弁装置501をマウスピース504から外しておくことができる。これにより、気密性確保が必要となるバルサルバ法による中下咽頭部の検査に引き続き、マウスピースの交換作業なしに食道や胃の検査を実施することができる。
また、一般的に、食道や胃の検査では、上述のバルサルバ法による中下咽頭の検査のように、気密性確保が必要とはされないため、脱気防止弁装置501は外すことが想定される。しかし、内視鏡で送気をしても胃の観察に必要な視野が得られない場合には、脱気防止弁装置501をあらためて装着すれば、口からの空気漏れを最低限に抑えて、視野確保ができる。このように、脱気防止弁装置501がマウスピース504に対して、着脱可能であることで、内視鏡検査の状況や被験者の状況に応じて、脱気防止弁装置501は任意に装着、非装着を選択することができる。
係止部502は、係止手段521と一体に形成された指掛け部522を有している。指掛け部522は、係止手段521を拡径部541に対して係止可能な閉状態、または拡径部541から脱離可能な開状態に術者が開閉操作する部位である。
図17に示すように、係止部502は下部(遠位側寄り)に係止手段521を有し、上部(近位側寄り)には指掛け部522を有し、係止手段521と指掛け部522との中間にあたる接合部523にてフレーム部503と接合されている。図16に示すとおり接合部523は、フレーム部503に対して可動に接合されている。指掛け部522に外力を加えない状態(閉状態)では、マウスピース504を介して向かい合う係止手段521と係止手段21とがマウスピース504の基端部543の外面に嵌着し、脱気防止弁装置501がマウスピース504に装着される。指掛け部522を指でフレーム部503の中心軸方向に倒し込むことで、向かい合う係止手段521と係止手段521と距離が広がり、当該距離が、マウスピース504の基端部543の外径よりも大きく開いた状態(開状態)となる(図示省略)。これにより、係止手段521がマウスピース504の基端部543を通過可能となり、脱気防止弁装置501をマウスピース504から取り外すことができる。
係止部502の個数は特に限定されず、一箇所でも、二箇所以上でもよい。
本実施形態の脱気防止弁装置501においては、図15に示すように、係止部502は、フレーム部503の周囲に互いに離間して二箇所以上に設けられている。
より具体的には、本実施形態の係止部502は、円筒状のフレーム部503の中心軸に対して、互いに向かい合う二箇所に形成されている。
このほか、フレーム部503の中心軸に対して互いに120度の角度間隔で3つの係止部502を形成してもよく、または中心軸に対して互いに90度の角度間隔で4つの係止部502を形成してもよい。さらに、係止部502はフレーム部503の周上の一箇所のみに設けられてもよい。すなわち、一つの係止部502とフレーム部503とでマウスピース504の基端部543に脱気防止弁装置501を固定し、当該係止部502の開放により脱気防止弁装置501をマウスピース504から脱離可能としてもよい。
なお、術者が片方の手で内視鏡を操作している場合は、もう片方の手で、本実施形態の脱気防止弁装置501をマウスピース504から取り外せることが好ましい、片手での取り外し易さを考慮すると係止部502は三箇所以下が好ましい。さらに、術者が指で摘むだけで係止部502を開状態にすることができるという観点から、係止部502はフレーム部503の周上で対向する二箇所に設けることが好ましい。
以下、本実施形態の脱気防止弁装置501をさらに詳細に説明する。係止部502は、フレーム部503と一体成形されていてもよく、またはフレーム部503と別部材として成形され、フレーム部503に対して可動に接合固定されてもよい。係止部502とフレーム部503とを一体成形する場合、これらの材質としては、第一実施形態において説明したフレーム部14の材料と同様であるため、ここでは具体的列挙を省略する。特に係止部502とフレーム部503とを一体成形する場合は、係止部502とフレーム部503との固定部にあたる接合部523のヒンジの耐久性の点からポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂またはポリプロピレン樹脂が好ましい。
係止部502とフレーム部503とを個別に成形する場合、係止部502の材質は特に限定されないが、指掛け部522に外力を加え係止部502全体を傾ける強度に耐える必要があるため、比較的硬質の材質が望ましい。係止部502の材料は、第一実施形態において説明したフレーム部14と同様である。
また係止部502とフレーム部503とが個別成形される場合、フレーム部503の材質は特に限定されないが、係止部502に与えられる外力に耐え変形を生じず、弁体部505を十分に固定できる強度を有することが好ましい。また、フレーム部503として比較的硬質の材質を用いることにより、内腔542の内径を十分に確保して内視鏡の操作性が良好となる。フレーム部503の材料は、第一実施形態において説明したフレーム部14と同様である。
図17から図19に示すように、本実施形態の脱気防止弁装置501は、フレーム部503の円筒の一方の開口端面に、弁体部505を固定する固定部531を内向きフランジ状に有している。弁体部505は固定部531に対して接着固定してもよく、または固定部531と他の部材とで弁体部505を挟持してもよい。
図17、図19、および図20に示すとおり、本実施形態の脱気防止弁装置501は、弁体部505をフレーム部503に固定する略リング状の固定部材(固定リング507)を有している。
固定リング507は、円筒状のフレーム部503の内部に収容可能な外形を有するリング状をなし、固定リング507と固定部531とで弁体部505の外周縁を圧接して挟持する。
フレーム部503の円筒の内側には、図20に示すように爪532が突出して形成されている。爪532は、固定リング507がフレーム部503から抜け落ちることを防止するストッパーである。たとえば、固定リング507の遠位側面と爪532の近位側面とを当接させることにより固定リング507の抜け落ちを防止することができる。
固定リング507の材質は特に限定はしないが、脱気防止弁装置501全体を薄型化して内視鏡の操作性を高めつつ、弁体部505をフレーム部503に強固に固定して内視鏡と弁体部505との摩擦力に十分耐える強度を有することが好ましい。具体的には、固定リング507の材料として、係止部502またはフレーム部503の材料と同様のものを用いることができる。
本実施形態の脱気防止弁装置501は、内視鏡挿入部506の外周縁部と、伸縮手段508の内周縁部との間に、補強部材509を有している。
補強部材509は、内視鏡挿入部506の弾性率を伸縮手段508よりも高め、内視鏡との密着性を向上するための部材である。
本実施形態の補強部材509は環状の内視鏡挿入部506と共通の材料にて一体成形されている。たとえば補強部材509は、図19に示すとおり、Oリングである補強部材509の断面直径が伸縮手段508の厚み寸法よりも大きい。かかるOリングである補強部材509を用いることにより伸縮手段508の内周縁部の強度を補強し、かつ内視鏡と脱気防止弁装置501との密着性を良好にし得る。
本実施形態の補強部材509は、Oリング状に形成されている。これにより、内視鏡挿入部506は内視鏡の周囲に均一に周着されるため、内視鏡を前進後退、上下左右および回転させても、内視鏡の外表面と内視鏡挿入部506と間に隙間が形成されることが防止される。
伸縮手段508は、図19に示すとおり、内視鏡挿入部506の挿通孔562の円周平面方向に拡縮径する蛇腹部を有している。例えば、当該蛇腹部は、折り返し部582を介して互いに逆方向に傾斜する傾斜部583とから構成することができる。蛇腹部を伸縮手段508に付設することで、特に内視鏡の挿入抜去時に内視鏡挿入部506にかかる応力を緩和することができ、内視鏡をスムーズに挿入抜去できる。また、挿通孔562に挿入された内視鏡が内視鏡挿入部506を中心にして前進後退、上下左右および回転のあらゆる方向に操作されても、蛇腹部が収縮または伸展することで、内視鏡の自由な動きを妨げることが無い。さらに、蛇腹部が内視鏡挿入部506よりも可撓性が高いことにより、内視鏡挿入部506は内視鏡の外表面に密着した状態でフレーム部503に対して変位する。これにより、内視鏡挿入部506と内視鏡との隙間を最小にすることができ、内視鏡と脱気防止弁装置501との気密性を維持することができる。
(第一変形例)
次に本発明の第五実施形態の第一変形例について図21を用いて説明する。
以下では、第一変形例について、第五実施形態との相違点を中心に説明し、第五実施形態と同様の事項についてはその説明を適宜省略する。
図21は、本発明の第一変形例に係る脱気防止弁装置501の断面図である。
図21に示すように、伸縮手段508は、蛇腹部の山部および谷部(折り返し部582)を、他の平坦部(傾斜部583)に比べて肉薄にすることができる。このようにすることで、蛇腹部の収縮または伸展がよりソフトになり内視鏡の挿入抜去及び内視鏡操作時に内視鏡との摩擦を低減できるため内視鏡の操作性が更に向上する。
内視鏡は、内視鏡挿入部506を中心として、前進後退及び上下左右の動きに加え、内視鏡挿入部506を中心とした軸回転の操作も実施される。このとき、内視鏡挿入部506を中心とした軸回転の動きに対しては、蛇腹部における肉厚の傾斜部583が有する高い弾性力により、内視鏡挿入部506が内視鏡と共に回転してこれに巻き付いてしまうことを抑制する。そして、蛇腹部における肉薄の折り返し部582が有する低い弾性力により、内視鏡の前後左右の動きに対して内視鏡挿入部506が好適に追随することができる。
内視鏡挿入部506の内径は、これに挿通される内視鏡の外径以下である。
より具体的には、内視鏡挿入部506の内径は、これに挿通される内視鏡の外径より0mm以上、5mm以下の範囲で小さいことが好ましく、2mm以上、4mm以下の範囲で小さいことが更に好ましい。上記範囲で内視鏡挿入部506の内径を内視鏡の外径より小さくすることで、内視鏡の挿入時および抜去時の抵抗の抑制と、内視鏡に対する内視鏡挿入部506の密着性を両立することができる。これによって、内視鏡と内視鏡挿入部506との間に適度な摩擦力が得られるため、内視鏡を動かした場合の内腔542からの空気漏れを防止しつつ、内視鏡の操作時に脱気防止弁装置501が内視鏡と共にマウスピース504から抜けてしまうことを防止できる。
弁体部505の材質は、第一実施形態における伸縮部16の材料と同様であるため、ここでは例示列挙を省略する。
(第二変形例)
次に第五実施形態の他の変形例である第二変形例について図22を用いて説明する。
以下では、第二変形例について第五実施形態との相違点を中心に説明し、第五実施形態と同様の事項についてはその説明を適宜省略する。
図22は、本発明の第二変形例に係る脱気防止弁装置501の断面図である。
図22に示すように、本変形例の脱気防止弁装置501は、内視鏡挿入部506が、弁体部505の厚み方向に延在する直管部565を有している。
本変形例の脱気防止弁装置501は、内視鏡の外周面に対して内視鏡挿入部506が所定の延在長さに亘って密着する点で上記実施形態(図19を参照)と相違している。
Oリング状の補強部材509は直管部565の外周側に形成され、直管部565の内周面は円筒面状をなしている。
本変形例に係る脱気防止弁装置501によれば、内視鏡挿入部506と内視鏡との密着性が向上し、内視鏡挿入部506を周着した内視鏡を内腔542に対して進退させた場合に、Oリング状の補強部材509が内視鏡に対して転がり回転することがない。これにより、術者による内視鏡の操作時に内視鏡挿入部506と内視鏡との間に隙間が生じることが防止されている。
<第六実施形態>
次に本発明の第六実施形態について図23を用いて説明する。
以下では、第六実施形態について説明するが、第五実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図23(a)は第六実施形態における脱気防止弁装置600と内視鏡用マウスピース640との装着前の斜視図、図23(b)は脱気防止弁装置600を内視鏡用マウスピース640に装着した断面図、図23(c)は脱気防止弁装置600の断面図、図23(d)は内視鏡用マウスピース640の断面図である。
図23に示すように、脱気防止弁装置600には、突起状の凸部形状である係止部620を有する。係止部620は、たとえば、脱気防止弁装置600の外周面上に設けられ、径方向の外側に突出する。一方、マウスピース640の基端部630の内腔側には溝部631を有し、溝部631の周方向側に連続して穴部632を有し、穴部632の近位端側に突起部633を有している。
第二の実施形態においては、脱気防止弁装置600がマウスピース640の基端部630に内装される。
詳しくは、マウスピース640における基端部630の溝部631の近位端側から、脱気防止弁装置600の突起状の係止部620の遠位端側が挿入される。係止部620は、鍔部650に当接して挿入方向において位置決めされた後に、周方向に回転することで、係止部620が穴部423に嵌り、上下方向(遠位側と近位側との方向)に固定される。さらに、突起部633があることで、係止部620は、周方向に固定される。
よって、第六実施形態においては、脱気防止弁装置600の外表面の任意の箇所を指などで把持して、マウスピース640に脱気防止弁装置600を着脱することができる。
以上に説明する本発明の脱気用防止装置は、本発明の内視鏡用マウスピースに設けられる脱気用防止装置として適宜、使用することができる。
また本発明の内視鏡用マウスピースは、内視鏡用マウスピースと本発明の脱気防止弁装置からなる内視鏡用マウスピースを包含する。
以上に説明する本発明の内視鏡検査用マウスピースにおける脱気防止弁装置の各構成および、本発明における脱気防止弁装置の各構成は、互いに適宜転用してもよい。
以上に説明する本発明の内視鏡検査用マウスピース、および本発明の脱気防止弁装置を設置した内視鏡用マウスピースは、脱気防止弁装置と、マウスピース本体との間の気密性が3kPa以上とすることが可能である。かかる気密性を発揮するマウスピースは、バルサルバ法などの口腔内の気圧を高める検査や治療を実施するにおいて好適に使用される。
脱気防止弁装置とマウスピース本体との間の気密性が3kPaとは、マウスピース本体に脱気防止弁装置を装着し、マウスピース本体と脱気防止弁装置との接合面の内側と外側との間に3kPaの気圧を付加したときに、マウスピース本体と、脱気防止弁装置との間を気体が漏れないことをいう。
一例として、図16に示す脱気防止弁装置501が取り付けられたマウスピース504を用いて説明する。内視鏡挿入部506に内視鏡を密着させて挿入しカバー549の軸方向の中間から脱気防止弁装置501の取り付けられたマウスピース504の遠位側を覆うよう密封して内腔542の内部に気体を給気し内部圧力を3kPaとする。このとき、マウスピース504と、脱気防止弁装置501との接合面から気体が漏れないことによりマウスピース504と、脱気防止弁装置501との間の気密性が3kPaであることを確認することができる。
上述する望ましい気密性は、たとえば、固定リング507および固定部531とで外周縁を圧接して挟持された弁体部505(図17参照)と基端部543とが当接した状態で脱気防止弁装置501がマウスピース504に取り付けられることにより実現可能である。
本発明の内視鏡検査用マウスピースは、バルサルバ法を利用した中下咽頭の内視鏡検査において、適切な息堪えを可能とし、喉頭を拳上して患部を詳細に観察することを可能とする。
本発明の内視鏡検査用マウスピースは、上述するバルサルバ法を用いた中下咽頭検査に限定されず、種々の経口内視鏡検査に利用可能である。
もちろん本発明の内視鏡検査用マウスピースは、内視鏡検査以外の目的で、例えば内視鏡を用いた治療の際に使用されることを除外するものではなく、内視鏡用のマウスピースとして広く使用することができる。
また本発明の脱気防止弁装置は、内視鏡用マウスピースに着設することにより内視鏡の操作時に口腔内からの息漏れを防止するとともに、内視鏡用マウスピースから脱離することにより当該マウスピースを気密性確保が重視されない内視鏡操作に適用可能である。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)内視鏡を挿入抜去自在に挿通する挿通孔を有するマウスピース本体と、
前記挿通孔に挿通された前記内視鏡と前記マウスピース本体との間を気密に封止する脱気防止弁装置と、
を有する内視鏡検査用マウスピース。
(2)前記脱気防止弁装置は、前記挿通孔に周設されているとともに、前記挿通孔に挿通される前記内視鏡に周着する上記(1)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(3)前記脱気防止弁装置は、前記挿通孔に周設された可撓性の伸縮部を有し、
前記伸縮部が、当該伸縮部の略中央部に設けられ前記内視鏡に周着する内視鏡挿入部を有する上記(1)または(2)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(4)前記脱気防止弁装置は、前記マウスピース本体に着脱可能に装着されるフレーム部を有する上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(5)前記フレーム部が、当該フレーム部を前記マウスピース本体の近位端に係脱可能に係止する係止部を備える上記(4)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(6)前記マウスピース本体の遠位端部に設けられた筒状の歯受部と、
前記歯受部の外周を被覆する被覆部と、を有し、
前記被覆部の硬度が、前記歯受部の硬度よりも低い上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(7)前記被覆部が、前記マウスピース本体に対して脱着可能である上記(6)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(8)前記歯受部が、当該歯受部の遠位端部において径方向の外側に突出する凸部を有するとともに、
前記被覆部が、内周面側において、小径部および大径部と前記小径部および前記大径部の段差により形成され径が不連続に変化する段差部とを有しており、
前記凸部と前記段差部とが係合する上記(6)または(7)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(9)前記被覆部は、外周面側において、当該被覆部の遠位端部において径方向の外側に突出する第二凸部を有する上記(6)から(8)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(10)前記歯受部が、当該歯受部の遠位端部において径方向の外側に突出する凸部を有するとともに、
前記被覆部は、外周面側において、当該被覆部の遠位端部において径方向の外側に突出する第二凸部を有し、
前記凸部の遠位端面に設けられた第一位置決め部と、前記第二凸部の遠位端面に設けられ前記第一位置決め部に対向する第二位置決め部と、を有する上記(6)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(11)前記被覆部が、外径が長軸と短軸とを有する円筒形であって、
前記第二凸部は、前記長軸上に第一長さで延在する第一延在部と、前記短軸上に第二長さで延在する第二延在部と、を有し、
前記第一長さは、前記第二長さよりも大きい上記(9)または(10)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(12)前記第一長さは、前記第二長さの2倍以上である上記(11)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(13)前記第一延在部は、外縁に向かって肉薄に形成されている上記(11)または(12)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(14)前記第一延在部の遠位側面は、前記マウスピース本体に設けられた前記挿通孔に連通させ、かつ外周を残して肉抜きされている上記(11)から(13)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(15)前記第一延在部の近位側面の外縁が面取りされている上記(11)から(14)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(16)前記マウスピース本体の遠位端部に設けられた筒状の歯受部を有し、
前記歯受部の外径が、長軸および短軸を有する上記(1)から(9)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(17)前記被覆部の内周面に、前記歯受部の外周面に当接する周方向に周回状に連続した凸状の当接部を備える上記(6)から(14)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(18)前記歯受部と、前記当接部との間の気密性が3kPa以上である上記(17)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(19)前記マウスピース本体の遠位端部と近位端部との間には、外周面から外方向に延在する鍔部を有し、
前記鍔部は、前記歯受部の前記長軸の伸長方向よりも前記短軸の伸長方向に長く延在している上記(16)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(20)前記鍔部の長軸方向と、前記第一延在部の延在方向とが直交している上記(19)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(21)前記鍔部は、前記マウスピース本体の遠位端から近位端に向けて凸状に湾曲している上記(19)または(20)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(22)前記マウスピース本体の遠位端部に設けられた筒状の歯受部と、
前記歯受部の外周を被覆する被覆部と、
前記マウスピース本体の遠位端部と近位端部との間には、外周面から外方向に延在する鍔部と、を有し、
前記鍔部の裏面の基端部から前記マウスピース本体の遠位端までの最短距離と、前記被覆部の長尺方向の長さと、が略同等である上記(1)から(21)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(23)前記歯受部の外周を被覆する被覆部を有し、
前記被覆部の近位端面と、前記鍔部の遠位側面とが、互いに対応する形状である上記(19)から(22)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(24)前記鍔部の遠位側面と前記被覆部の近位端面とが互いに嵌合し非周回に設けられた凹凸部を有する上記(23)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(25)前記挿通孔が、前記マウスピース本体の近位端から遠位端に向けて、縮径部と拡径部とを有するくびれ形状である上記(1)から(24)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(26)前記脱気防止弁装置は、前記挿通孔に周設された可撓性の伸縮部を有するとともに、前記伸縮部が、当該伸縮部の略中央部に設けられ前記内視鏡に周着する内視鏡挿入部を有し、
前記伸縮部は、環状の前記内視鏡挿入部と同心であって、径方向に山部と谷部とが設けられてなる環状の蛇腹部を有し、
前記蛇腹部が、前記縮径部と前記拡径部との境界である境界部で囲まれる内円と同軸で配置され、かつ、前記蛇腹部の外縁の径は、前記内円の径よりも大きい上記(1)から(25)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(27)前記蛇腹部の内縁の径が、前記内円の径よりも小さい上記(26)に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(28)前記脱気防止弁装置と、前記マウスピース本体との間の気密性が3kPa以上である上記(1)から(27)のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
(29)内視鏡を挿入抜去自在に挿通する内腔を有する口腔内に挿入されるマウスピースの基端部に対して着脱自在に装着される、内視鏡用マウスピースに用いられる脱気防止弁装置であって、
前記マウスピースの前記基端部の外周面に装着されるフレーム部と、
前記フレーム部に設けられて前記基端部の前記外周面に係脱可能に係止する係止部と、
前記フレーム部の内側に設けられた弁体部と、
を有し、
前記弁体部は、
前記弁体部の略中央部に設けられて前記内視鏡に周着する環状の内視鏡挿入部と、
前記内視鏡挿入部に周設された可撓性の伸縮手段と、
を有していることを特徴とする脱気防止弁装置。
(30)前記係止部は、前記フレーム部の内側に向かって突き出した係止手段によって前記基端部の前記外周面に係脱可能に係止するものである上記(29)に記載の脱気防止弁装置。
(31)内視鏡を挿入抜去自在に挿通する内腔を有する口腔内に挿入されるマウスピースの基端部に対して着脱自在に装着される、内視鏡用マウスピースに用いられる脱気防止弁装置であって、
前記マウスピースの前記基端部の内周面に装着されるフレーム部と、
前記フレーム部に設けられて前記基端部の前記内周面に係脱可能に係止する係止部と、
前記フレーム部の内側に設けられた弁体部と、
を有し、
前記弁体部は、
前記弁体部の略中央部に設けられて前記内視鏡に周着する環状の内視鏡挿入部と、
前記内視鏡挿入部に周設された可撓性の伸縮手段と、
を有していることを特徴とする脱気防止弁装置。
(32)前記係止部は、前記フレーム部の外側に向かって突き出した係止手段によって前記基端部の前記内周面に係脱可能に係止するものである上記(31)に記載の脱気防止弁装置。
(33)前記係止部は、前記フレーム部の周囲に互いに離間して二箇所以上に設けられている上記(29)から(32)のいずれか一項に記載の脱気防止弁装置。
(34)前記係止部は、前記係止手段と一体に形成されて、前記係止手段を前記基端部に対して係止可能な閉状態または前記基端部から脱離可能な開状態に開閉操作する指掛け部をさらに有する上記(29)または(30)に記載の脱気防止弁装置。
(35)前記内視鏡挿入部は、前記弁体部の厚み方向に延在する直管部を有していることを特徴とする上記(29)から(34)のいずれか一項に記載の脱気防止弁装置。
(36)前記弁体部を前記フレーム部に固定する略リング状の固定部材を有している上記(29)から(35)のいずれか一項に記載の脱気防止弁装置。
(37)前記伸縮手段は、蛇腹部を含むものである上記(29)から(36)のいずれか一項に記載の脱気防止弁装置。
(38)前記蛇腹部は、平坦な傾斜部および隣接する傾斜部同士の間の折り返し部で構成され、前記折り返し部が前記傾斜部に比べて肉薄である上記(37)に記載の脱気防止弁装置。
(39)前記内視鏡挿入部の外周縁部と、前記伸縮手段の内周縁部との間に補強部材を有している上記(29)から(38)のいずれか一項に記載の脱気防止弁装置。
(40)前記補強部材がOリング状に形成されている上記(39)に記載の脱気防止弁装置。
(41)前記内視鏡挿入部の内径は、これに挿通される前記内視鏡の外径以下である上記(29)から(40)のいずれか一項に記載の脱気防止弁装置。
11・・・マウスピース本体
12・・・挿通孔
14・・・フレーム部
16・・・伸縮部
17・・・内視鏡挿入部
18・・・脱気防止弁装置
20・・・つまみ部
21・・・係止手段
22・・・係合突起部
23・・・下端部
24・・・係止部
25・・・上端部
26・・・歯受部
28、29、29A・・・被覆部
30・・・凸部
32・・・大径部
34・・・小径部
35・・・被覆部
36・・・長軸
37・・・段差部
38・・・短軸
40・・・外周面
42・・・鍔部
50・・・第二凸部
51、52・・・端面
54・・・係合受部
59・・・固定リング
60・・・閉止栓部
61・・・マウスピース本体
100・・・内視鏡検査用マウスピース
110・・・縮径部
111・・・拡径部
112・・・境界部
112A・・・内円
114・・・山部
116・・・谷部
120・・・蛇腹部
120A・・・外縁
120B・・・内縁
200・・・マウスピース
210・・・裏面
300・・・内視鏡検査用マウスピース
310・・・長軸
311・・・第一長さ
312・・・第一延在部
313・・・外周
314・・・凹部
315・・・外縁
316・・・当接部
320・・・短軸
321・・・第二長さ
322・・・第二延在部
323・・・第一位置決め部
324・・・第二位置決め部
351・・・近位端面
352・・・遠位側面
353・・・凹凸部
414・・・フレーム部
418・・・脱気防止弁装置
420・・・係合受部
421・・・筒部
422・・・嵌合凸部
423・・・穴部
425・・・嵌合凹部
426・・・嵌合留部
501・・・脱気防止弁装置
502・・・係止部
503・・・フレーム部
504・・・マウスピース
505・・・弁体部
506・・・内視鏡挿入部
507・・・固定リング
508・・・伸縮手段
509・・・補強部材
513・・・伸縮部
521・・・係止手段
522・・・指掛け部
523・・・接合部
531・・・固定部
532・・・爪
541・・・拡径部
542・・・内腔
543・・・基端部
544・・・体外部
545・・・鍔部
546・・・口腔内部
547・・・第一開口部
548・・・第二開口部
549・・・カバー
554・・・閉止栓部
562・・・挿通孔
565・・・直管部
582・・・折り返し部
583・・・傾斜部
600・・・脱気防止弁装置
620・・・係止部
630・・・基端部
631・・・溝部
632・・・穴部
633・・・突起部
640・・・マウスピース
650・・・鍔部
A・・・最短距離

Claims (26)

  1. 内視鏡を挿入抜去自在に挿通する挿通孔を有するマウスピース本体と、
    前記挿通孔に挿通された前記内視鏡と前記マウスピース本体との間を気密に封止する脱気防止弁装置と、
    前記マウスピース本体の遠位端部に設けられた筒状の歯受部と、
    前記歯受部の外周を被覆する被覆部と、を有し、
    前記被覆部の硬度が、前記歯受部の硬度よりも低く、
    前記歯受部が、当該歯受部の遠位端部において径方向の外側に突出する凸部を有するとともに、
    前記被覆部は、前記凸部よりも大径であり且つ当該被覆部の遠位端部において径方向の外側に突出する第二凸部を有し、
    前記凸部の遠位端面に設けられた第一位置決め部と、前記第二凸部の遠位端面に設けられ前記第一位置決め部に対向する第二位置決め部と、を有する内視鏡検査用マウスピース。
  2. 内視鏡を挿入抜去自在に挿通する挿通孔を有するマウスピース本体と、
    前記挿通孔に挿通された前記内視鏡と前記マウスピース本体との間を気密に封止する脱気防止弁装置と、
    前記マウスピース本体の遠位端部に設けられた筒状の歯受部と、
    前記歯受部の外周を被覆する被覆部と、を有し、
    前記被覆部の硬度が、前記歯受部の硬度よりも低く、
    前記被覆部は、外径が長軸と短軸とを有する円筒形であって、外周面側において、当該被覆部の遠位端部において径方向の外側に突出する第二凸部を有し、
    前記第二凸部は、前記長軸上に第一長さで延在する第一延在部と、前記短軸上に第二長さで延在する第二延在部と、を有し、
    前記第一長さは、前記第二長さよりも大きく、
    前記第一延在部の遠位側面は、前記マウスピース本体に設けられた前記挿通孔に連通させ、かつ外周を残して肉抜きされている内視鏡検査用マウスピース。
  3. 内視鏡を挿入抜去自在に挿通する挿通孔を有するマウスピース本体と、
    前記挿通孔に挿通された前記内視鏡と前記マウスピース本体との間を気密に封止する脱気防止弁装置と、
    前記マウスピース本体の遠位端部に設けられた筒状の歯受部と、
    前記歯受部の外周を被覆する被覆部と、を有し、
    前記被覆部の硬度が、前記歯受部の硬度よりも低く、
    前記被覆部の内周面に、前記歯受部の外周面に当接する周方向に周回状に連続した凸状の当接部を備える内視鏡検査用マウスピース。
  4. 内視鏡を挿入抜去自在に挿通する挿通孔を有するマウスピース本体と、
    前記挿通孔に挿通された前記内視鏡と前記マウスピース本体との間を気密に封止する脱気防止弁装置と、
    前記マウスピース本体の遠位端部に設けられた筒状の歯受部と、
    前記歯受部の外周を被覆する被覆部と、を有し、
    前記被覆部の硬度が、前記歯受部の硬度よりも低く、
    前記被覆部は、外径が長軸と短軸とを有する円筒形であって、外周面側において、当該被覆部の遠位端部において径方向の外側に突出する第二凸部を有し、
    前記第二凸部は、前記長軸上に第一長さで延在する第一延在部と、前記短軸上に第二長さで延在する第二延在部と、を有し、
    前記第一長さは、前記第二長さよりも大きく
    前記第一延在部は、延在先にある外縁に向かうにつれて肉薄に形成されている内視鏡検査用マウスピース。
  5. 前記脱気防止弁装置は、前記挿通孔に周設されているとともに、前記挿通孔に挿通される前記内視鏡に周着する請求項1から4のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  6. 前記脱気防止弁装置は、前記挿通孔に周設された可撓性の伸縮部を有し、
    前記伸縮部が、当該伸縮部の略中央部に設けられ前記内視鏡に周着する内視鏡挿入部を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  7. 前記脱気防止弁装置は、前記マウスピース本体に着脱可能に装着されるフレーム部を有する請求項1からのいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  8. 前記フレーム部が、当該フレーム部を前記マウスピース本体の近位端に係脱可能に係止する係止部を備える請求項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  9. 前記被覆部が、前記マウスピース本体に対して脱着可能である請求項1から8のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  10. 前記歯受部が、当該歯受部の遠位端部において径方向の外側に突出する凸部を有するとともに、
    前記被覆部が、内周面側において、小径部および大径部と前記小径部および前記大径部の段差により形成され径が不連続に変化する段差部とを有しており、
    前記凸部と前記段差部とが係合する請求項1から9のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  11. 前記被覆部は、外周面側において、当該被覆部の遠位端部において径方向の外側に突出する第二凸部を有する請求項3、5から10のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  12. 前記被覆部が、外径が長軸と短軸とを有する円筒形であって、
    前記第二凸部は、前記長軸上に第一長さで延在する第一延在部と、前記短軸上に第二長さで延在する第二延在部と、を有し、
    前記第一長さは、前記第二長さよりも大きい請求項または11に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  13. 前記第一長さは、前記第二長さの2倍以上である請求項2、4または12に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  14. 前記第一延在部の近位側面の外縁が面取りされている請求項2、4、12または13に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  15. 前記マウスピース本体の遠位端部に設けられた筒状の歯受部を有し、
    前記歯受部の外径が、長軸および短軸を有する請求項1から11のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  16. 前記歯受部と、前記当接部との間の気密性が3kPa以上である請求項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  17. 前記マウスピース本体の遠位端部と近位端部との間には、外周面から外方向に延在する鍔部を有し、
    前記鍔部は、前記歯受部の前記長軸の伸長方向よりも前記短軸の伸長方向に長く延在している請求項15に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  18. 前記被覆部は、外径が長軸と短軸とを有する円筒形であって、外周面側において、当該被覆部の遠位端部において径方向の外側に突出する第二凸部を有し、
    前記第二凸部は、前記長軸上に第一長さで延在する第一延在部と、前記短軸上に第二長さで延在する第二延在部と、を有し、
    前記鍔部の長軸方向と、前記第一延在部の延在方向とが直交している請求項17に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  19. 前記鍔部は、前記マウスピース本体の遠位端から近位端に向けて凸状に湾曲している請求項17または18に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  20. 記マウスピース本体の遠位端部と近位端部との間には、外周面から外方向に延在する鍔部を有し、
    前記鍔部の裏面の基端部から前記マウスピース本体の遠位端までの最短距離と、前記被覆部の長尺方向の長さと、が略同等である請求項1から19のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  21. 記被覆部の近位端面と、前記鍔部の遠位側面とが、互いに対応する形状である請求項17から20のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  22. 前記鍔部の遠位側面と前記被覆部の近位端面とが互いに嵌合し非周回に設けられた凹凸部を有する請求項21に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  23. 前記挿通孔が、前記マウスピース本体の近位端から遠位端に向けて、縮径部と拡径部とを有するくびれ形状である請求項1から22のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  24. 前記脱気防止弁装置は、前記挿通孔に周設された可撓性の伸縮部を有するとともに、前記伸縮部が、当該伸縮部の略中央部に設けられ前記内視鏡に周着する内視鏡挿入部を有し、
    前記伸縮部は、環状の前記内視鏡挿入部と同心であって、径方向に山部と谷部とが設けられてなる環状の蛇腹部を有し、
    前記蛇腹部が、前記縮径部と前記拡径部との境界である円形の境界部の内縁と同軸で配置され、かつ、前記蛇腹部の外縁の径は、前記内縁の径よりも大きい請求項23に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  25. 前記蛇腹部の内縁の径が、前記境界部の前記内縁の径よりも小さい請求項24に記載の内視鏡検査用マウスピース。
  26. 前記脱気防止弁装置と、前記マウスピース本体との間の気密性が3kPa以上である請求項1から25のいずれか一項に記載の内視鏡検査用マウスピース。
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