以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る電力動揺周波数検出装置を説明するための図である。図1(a)は、電力動揺周波数検出装置の内部構成を説明するための機能ブロック図である。図1(b)は、周波数探索部を説明するための制御ブロック図である。
電力動揺周波数検出装置1は、電力系統Aの電力動揺の周波数を検出するものである。電力動揺周波数検出装置1は、電圧センサ11、周波数検出部12、記録部13、電力動揺検出部14、プレフィルタ15、および、周波数探索部16を備えている。電力動揺周波数検出装置1は、電圧センサ11によって検出された電圧信号から系統周波数fを検出し、系統周波数fの変動の周波数fSWを検出する。周波数fSWが、電力動揺の周波数である。なお、周波数fSWの代わりに、角周波数ωSW(=2π・fSW)を検出するようにしてもよい。
電圧センサ11は、電圧信号を検出するものである。電圧センサ11は、例えば、送電線、配電線、引込線、屋内配線などの、電力系統Aに接続されている電力線に配置され、当該電力線で電圧の瞬時値を検出する。そして、検出した瞬時値をディジタル変換して、電圧信号vとして、周波数検出部12に出力する。なお、電圧センサ11は、コンセントに取り付けて、屋内配線の電圧信号を検出するようにしてもよい。また、パワーコンディショナなどの電力系統に連系する設備の電力線に配置するようにしてもよい(図4の電圧センサ24参照)。また、三相交流の場合は、いずれか1つの相の電圧信号を検出すればよい。なお、電力動揺周波数検出装置1が電圧センサ11を備えておらず、他の機器が備えている電圧センサから電圧信号vを入力されるようにしてもよい。
周波数検出部12は、電圧センサ11より入力される電圧信号vの周波数を検出する。電圧信号vは、電力系統Aに接続されている電力線で電圧を検出したものなので、電圧信号vの周波数は、系統周波数fである。周波数検出部12は、例えば、PLL(Phase Locked Loop)方式で周波数を検出するものであってもよいし、ゼロクロス点間カウント方式で周波数を検出するものであってもよい。また、その他の方法で周波数を検出するものであってもよい。周波数検出部12は、検出した系統周波数fを、記録部13および電力動揺検出部14に出力する。
電力動揺検出部14は、周波数検出部12より入力される系統周波数fに基づいて、電力動揺の発生を検出するものである。電力動揺は、系統事故や負荷変動などに伴い系統周波数fや電力潮流が振動してしまう現象であって、常に発生しているわけではない。本実施形態では、計算量削減のために、電力動揺が発生したタイミングで、その前後のデータを用いて、電力動揺の周波数fSWを検出するようにしている。電力動揺検出部14は、入力された系統周波数fが大きく変化した場合、例えば、系統周波数fの変化量Δfの大きさが閾値以上の場合、電力動揺が発生したと判断して、トリガ信号Trを記録部13に出力する。
記録部13は、系統周波数fを記録するものであり、例えば、RAMや不揮発性の半導体メモリであるフラッシュメモリなどを記憶領域として備えている。記録部13は、周波数検出部12より入力される系統周波数fを、記憶領域に循環的に書き込んでいく。記録部13は、電力動揺検出部14よりトリガ信号Trが入力されると、トリガ信号Trが入力される前のX1秒間のデータ、および、トリガ信号Trが入力された後のX2秒間のデータを読み出して、検出信号fxとして連続的にプレフィルタ15に出力する。記憶領域は、少なくとも(X1+X2)秒間分のデータが記録できるようになっている。本実施形態においては、X1およびX2をいずれも数秒とし、トリガ信号Trが入力される前後数秒分ずつのデータを用いる。なお、用いるデータの量はこれに限定されず、より長い時間分のデータを用いるようにしてもよいし、より短い時間分のデータを用いるようにしてもよい。また、トリガ信号Trが入力される前のデータは用いずに、トリガ信号Trが入力された後のデータのみを用いるようにしてもよい。この場合、トリガ信号Trが入力された時にデータの記録を開始する(トリガ信号Trが入力されるまではデータを記録しない)ようにしてもよい。
プレフィルタ15は、例えばバンドパスのディジタルフィルタであり、記録部13より入力される検出信号fxのうち、所定の周波数帯域の周波数成分だけを通過させて、周波数探索部16に出力するものである。以下では、プレフィルタ15を通過して周波数探索部16に出力される信号を、検出信号fx’とする。電力動揺の周波数fSWがどの程度であるかは、対象とする電力系統ごとに知られている。例えば、西日本60Hz系統においては、周波数が0.2〜1[Hz]の電力動揺が発生することが知られている。したがって、本実施形態では、0.2〜1[Hz]の周波数帯域の周波数成分だけを抽出するために、プレフィルタ15によって、0.2〜1[Hz]の周波数帯域以外の周波数成分を減衰させている。プレフィルタ15は、0[Hz]の成分(DC成分)も遮断するので、プレフィルタ15から出力される検出信号fx’は、基準値(例えば60[Hz])からの偏差を示す信号になる。
周波数探索部16は、プレフィルタ15より入力される検出信号fx’の周波数を探索するものである。周波数探索部16は、図1(b)の制御ブロックに示すように、検出信号fx’をフィルタFに入力して、フィルタFの出力である誤差信号eを最適化するように、最適解である角周波数ρを非線形最適化の手法によって探索する。
周波数探索部16は、最適解である角周波数ρに対応する周波数を、検出信号fx’の周波数、すなわち、電力動揺の周波数fSWとして出力する。なお、角周波数ρの代わりに、周波数(ρ/2π)を探索するようにしてもよい。
フィルタFは、いわゆるノッチフィルタであって、所定の周波数成分を減衰させ、その他の周波数成分を減衰させずにそのまま通過させる。本実施形態では、フィルタFとして、例えば、下記(1)式に示す二次の伝達関数となるフィルタを用いる。なお、フィルタFは、これに限定されない。
本実施形態においては、非線形最適化のための評価関数として下記(2)式を用いて、評価値Jが最小になる角周波数ρを、ガウス・ニュートン法を用いて探索する。なお、評価関数は、これに限定されず、適宜設計すればよい。また、非線形最適化の手法もこれに限られず、例えば、ニュートン法、準ニュートン法、レーベンバーグ・マーカート法、共役勾配法、最急降下法などを用いるようにしてもよい。フィルタFの伝達関数に応じて、また、計算量と精度との兼ね合いで、適切な手法を用いるようにすればよい。
周波数探索部16は、フィルタF(ノッチフィルタ)の遮断角周波数である角周波数ρを変化させて、誤差信号eに基づく評価値J(上記(2)式参照)をより小さくするように、角周波数ρを探索する。フィルタFは偏差信号Δfx’から角周波数ρの周波数成分を減衰させた信号を誤差信号eとして出力するので、角周波数ρが偏差信号Δfx’の周波数(検出信号fx’の周波数)に対応した角周波数に近づくほど、誤差信号eの振幅が小さくなり、評価値Jは小さくなる。したがって、評価値Jを最小にするときの角周波数ρは、検出信号fx’の周波数に対応した角周波数になる。
また、電力系統によっては、電力動揺の周波数成分が複数ある場合がある。これに対応するために、本実施形態においては、非線形最適化を行うときの角周波数ρの初期値を複数用意して、各初期値を用いた場合の最適解をそれぞれ探索する。本実施形態では、電力動揺の周波数fSWが0.2〜1「Hz」の範囲に存在することを前提にして、0.2[Hz],0.3[Hz],0.4[Hz],0.5[Hz],0.6[Hz],0.7[Hz],0.8[Hz],0.9[Hz],1.0[Hz]にそれぞれ対応した角周波数(すなわち2πを乗算した値)を、角周波数ρの初期値としている。ガウス・ニュートン法などの非線形最適化では初期値に近い最適解が探索されるので、最適解の上限と下限との間で複数の初期値を等間隔に設定しておくことで、最適解が複数ある場合でも、それぞれの最適解を探索することができる。なお、初期値の数および範囲は、これに限られない。初期値の数が多いほど、きめ細かい探索が可能になるが、計算量が増加してしまう。一方、初期値の数を少なくすると、計算量を削減することができるが、探索が荒くなってしまい、ある最適解が探索されない可能性もある。初期値の範囲は、最適解が取り得る値を含む範囲で設定する必要がある。なお、電力動揺の周波数成分が1つしかないことが予め判っているのであれば、初期値を1つだけとしてもよい。
周波数検出部12、記録部13、電力動揺検出部14、プレフィルタ15および周波数探索部16は、例えばコンピュータなどによって実現されている。なお、各部が行う処理をプログラムで設計し、当該プログラムを汎用コンピュータに実行させることでこれらの機能を果たすようにしてもよいし、当該処理のための専用のコンピュータとしてもよい。また、電圧センサ11は、周波数検出部12、記録部13、電力動揺検出部14、プレフィルタ15および周波数探索部16を実現するコンピュータに、電圧信号vを無線で送信してもよいし、ケーブルで接続して、有線で送信してもよい。また、電力動揺周波数検出装置1は、周波数検出部12、記録部13、電力動揺検出部14、プレフィルタ15、および、周波数探索部16を実現するCPUおよびRAMを搭載した回路基板と、これに接続する電圧センサ11とを備えた、単独の装置としてもよい。
次に、図2および図3を参照して、電力動揺の周波数fSWを検出するシミュレーションについて説明する。
図2(a)は、プレフィルタ15の振幅特性を示すものである。図に示すように、プレフィルタ15は、0.2〜1「Hz」の周波数帯域以外の周波数成分を減衰させる。図2(b)は、周波数検出部12から出力される検出信号fを示している。図2(c)は、検出信号fをプレフィルタ15に通した出力信号を示している。当該出力信号は、検出信号fから、0.2〜1「Hz」の周波数帯域の周波数成分のみを抽出した信号になっている。当該出力信号を周波数探索部16に入力して、電力動揺の周波数fSWを探索した。なお、本シミュレーションでは、実際に電力動揺が発生したときに記録しておいたデータを用いており、記録部13および電力動揺検出部14の機能を省略している。
図3は、シミュレーション結果を示している。各図の横軸は探索のステップ数であり、縦軸は上記(2)式に示す評価関数による評価値Jを示している。探索のステップごとに評価値Jをプロットして、評価値Jが変化しなくなった(具体的には、評価値Jの変化量が所定値以下になった)時に探索を終了している。
図3(a)は、角周波数ρの初期値を、2π・0.2[rad/sec]としたときの、シミュレーション結果を示している。初期値のときの評価値Jは約4.2であり、74回目のステップで評価値Jが約2.8になって、探索が終了した。この時の角周波数ρは、約0.403[Hz]であった。
図3(b)は、角周波数ρの初期値を、2π・0.4[rad/sec]としたときの、シミュレーション結果を示している。18回目のステップで評価値Jが約2.815になって、探索が終了した。この時の角周波数ρは、0.403[Hz]であった。
図3(c)は、角周波数ρの初期値を、2π・0.6[rad/sec]としたときの、シミュレーション結果を示している。初期値のときの評価値Jは約3.95であり、74回目のステップで評価値Jが約2.8になって、探索が終了した。この時の角周波数ρは、約0.403[Hz]であった。
図3(d)は、角周波数ρの初期値を、2π・0.8[rad/sec]としたときの、シミュレーション結果を示している。初期値のときの評価値Jは約4.15であり、105回目のステップで評価値Jが約2.8になって、探索が終了した。この時の角周波数ρは、約0.403[Hz]であった。
図3(e)は、角周波数ρの初期値を、2π・1.0[rad/sec]としたときの、シミュレーション結果を示している。初期値のときの評価値Jは約4.2であり、118回目のステップで評価値Jが約2.8になって、探索が終了した。この時の角周波数ρは、約0.403[Hz]であった。
以上のように、すべての初期値において、角周波数ρの探索結果が約0.403[Hz]になった。つまり、電力動揺の周波数fSWは1つであり、約0.403[Hz]であることが検出できた。
次に、本実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態によると、電圧センサ11によって検出された電圧信号vに基づいて、周波数検出部12が系統周波数fを検出し、記録部13が当該系統周波数fを記憶領域に記録する。電力動揺検出部14は、系統周波数fに基づいて電力動揺の発生を検出してトリガ信号を出力する。記録部13は、電力動揺検出部14からトリガ信号を入力された時の前後のデータを読み出して、検出信号fxとして出力する。周波数探索部16は、プレフィルタ15によって所定の周波数帯域以外の周波数成分を減衰された検出信号fx’に基づいて、電力動揺の周波数fSWを探索して出力する。本実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1は、電圧センサ11により1地点で検出を行ったデータのみで、電力動揺の周波数fSWを検出することができるので、多地点のデータを必要としない。また、1地点のデータに基づいて探索を行うだけなので、計算量が少なく、容易に電力動揺の周波数fSWを検出することができる。
また、本実施形態によると、複数の初期値を用いて探索を行うので、電力動揺の周波数fSWが複数ある場合でも、各周波数fSWを検出することができる。
次に、第1実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1の使用例として、図4および図5を参照して、電力動揺周波数検出装置1を備え、電力動揺を引き起こしたり増大させることを抑制することができるインバータ装置2について説明する。
図4(a)は、インバータ装置2の全体構成を説明するための図である。インバータ装置2は、いわゆるパワーコンディショナであり、インバータ回路21、制御回路22、電流センサ23、電圧センサ24、直流電圧センサ25、および、電力動揺周波数検出装置1を備えている。インバータ装置2は、三相の電力系統Aに連系している。なお、以下では3つの相をU相、V相およびW相とする。インバータ装置2は、直流電源Bより入力される直流電力をインバータ回路21によって交流電力に変換し、図示しない負荷に供給する。負荷には、電力系統Aからも電力が供給される。また、インバータ装置2は、逆潮流ありのシステムであり、交流電力を電力系統Aにも供給する。なお、図示しないが、インバータ回路21の出力側には、交流電圧を昇圧(または降圧)するための変圧器が設けられている。
直流電源Bは、直流電力を出力するものであり、例えば、太陽電池を備えている。太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換することで、直流電力を生成する。直流電源Bは、生成された直流電力を、インバータ装置2に出力する。なお、直流電源Bは、太陽電池により直流電力を生成するものに限定されない。例えば、直流電源Bは、燃料電池、蓄電池、電気二重層コンデンサやリチウムイオン電池であってもよいし、ディーゼルエンジン発電機、マイクロガスタービン発電機や風力タービン発電機などにより生成された交流電力を直流電力に変換して出力する装置であってもよい。
インバータ回路21は、直流電源Bから入力される直流電力を交流電力に変換して出力するものである。インバータ回路21は、図示しないPWM制御インバータとフィルタとを備えている。PWM制御インバータは、図示しない3組6個のスイッチング素子を備えた三相インバータであり、制御回路22から入力されるPWM信号に基づいて各スイッチング素子のオンとオフとを切り替えることで直流電力を交流電力に変換する。フィルタは、スイッチングによる高周波成分を除去する。インバータ回路21の入力側の正極および負極は、直流電源Bの正極および負極にそれぞれ接続されているので、インバータ回路21の入力電圧は直流電源Bの出力電圧に一致する。
電流センサ23は、インバータ回路21の三相の出力電流の瞬時値をそれぞれ検出するものである。電流センサ23は、検出した瞬時値をディジタル変換して、電流信号iu,iv,iwとして制御回路22に出力する。電圧センサ24は、インバータ回路21の三相の出力電圧の瞬時値をそれぞれ検出するものである。電圧センサ24は、検出した瞬時値をディジタル変換して、電圧信号vu,vv,vwとして制御回路22に出力する。また、電圧センサ24は、電力動揺周波数検出装置1の電圧センサ11(図1参照)を兼用するものであり、電圧信号vu,vv,vwのうちのいずれかを、電圧信号vとして、周波数検出部12(図1参照)に入力する。なお、電圧センサ24とは別に、電圧センサ11を設けるようにしてもよい。
直流電圧センサ25は、インバータ回路21の入力電圧(すなわち、直流電源Bの出力電圧)の瞬時値を検出するものである。直流電圧センサ25は、検出した瞬時値をディジタル変換して、直流電圧信号eとして制御回路22に出力する。直流電圧センサ25は、インバータ回路21の入力側の正極と負極との間に設けられた電解コンデンサ(図示しない)の端子間電圧を検出している。後述するように、制御回路22が直流電圧制御を行っているので、直流電圧が一定の電圧に制御され、電解コンデンサに蓄えられる電力も一定になっている。したがって、インバータ回路21に入力される電力は、直流電源Bが出力する電力に一致する。
電力動揺周波数検出装置1は、図1に示す電力動揺周波数検出装置1において、電圧センサ11の代わりに、電圧センサ24から電圧信号vを入力されるようにしたものである。電力動揺周波数検出装置1は、電圧センサ24より入力される電圧信号vに基づいて、電力動揺の周波数fSWを検出し、制御回路22に出力する。なお、電圧センサ24が検出した電圧信号vを入力するのではなく、電圧センサ11を別途配置して、電圧センサ11が検出した電圧信号vを用いるようにしてもよい。また、図4(b)に示すように、電力動揺周波数検出装置1を、インバータ装置2とは別に配置し、インバータ装置2との間で有線または無線で信号の送受信を行うようにしてもよい。
制御回路22は、インバータ回路21を制御するものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御回路22は、電流センサ23より入力される電流信号iu,iv,iw、電圧センサ24より入力される電圧信号vu,vv,vw、および、直流電圧センサ25より入力される直流電圧信号eに基づいてPWM信号を生成して、インバータ回路21に出力する。
図5(a)は、制御回路22の内部構成を説明するための機能ブロック図である。
制御回路22は、直流電圧制御部221、電力動揺成分減衰部222、無効電力算出部223、無効電力制御部224、電流制御部225、および、PWM信号生成部226を備えている。なお、図示しないが、制御回路22は、過電圧、過電流、単独運転などを検出して、インバータ装置2を電力系統Aから解列する保護機構を備えている。
直流電圧制御部221は、インバータ回路21の入力電圧の制御を行うためのものである。直流電圧制御部221は、直流電圧センサ25より出力される直流電圧信号eと直流電圧目標値e*との偏差Δe(=e*−e)を入力されて、当該偏差をゼロにするための直流電圧補償信号を電力動揺成分減衰部222に出力する。直流電圧制御部221は、例えば、PI制御(比例積分制御)を行っている。
電力動揺成分減衰部222は、直流電圧補償信号から電力動揺の周波数fSWと同じ周波数成分(以下では、「電力動揺成分」とする。)を除去するものである。電力動揺成分減衰部222は、いわゆるノッチフィルタであり、所定の周波数成分を減衰させ、その他の周波数成分を減衰させずにそのまま通過させる。電力動揺成分減衰部222は、直流電圧制御部221より直流電圧補償信号を入力され、電力動揺周波数検出装置1より入力される周波数fSWに基づいて電力動揺成分を除去して、電流制御部225に出力する。
電力動揺成分減衰部222の伝達関数FN(s)は、例えば、下記(3)式で表される。f0は減衰させる周波数帯の中心周波数であり、a,bは減衰特性を決定するパラメータである。パラメータa,bは、制御系の安定性やMPPT制御の効率などに基づいて実機検証をもとに適宜決定する。中心周波数f0には、電力動揺周波数検出装置1より入力される周波数fSWを設定する。なお、電力動揺成分減衰部222は、伝達関数FN(s)が下記(3)式のものに限定されず、所定の周波数成分を減衰させるものであればよい。
なお、電力動揺の周波数fSWが複数ある場合に対応できるように、電力動揺成分減衰部222を複数のノッチフィルタを多段に接続したものとしてもよい。
無効電力算出部223は、インバータ回路21が出力する無効電力を算出するものである。無効電力算出部223は、電流センサ23より入力される電流信号iu,iv,iwと電圧センサ24より入力される電圧信号vu,vv,vwとに基づいて、無効電力値Qを算出して出力する。
無効電力制御部224は、インバータ回路21が出力する無効電力の制御を行うためのものである。無効電力制御部224は、無効電力算出部223より出力される無効電力値Qと無効電力目標値Q*との偏差(Q*−Q)を入力されて、当該偏差をゼロにするための無効電力補償信号を電流制御部225に出力する。無効電力制御部224は、例えば、PI制御を行っている。本実施形態では、力率が「1」になるように、無効電力目標値Q*として「0」が設定されている。
電流制御部225は、インバータ回路21の出力電流の制御を行うためのものである。電流制御部225は、電流センサ23より入力される電流信号iu,iv,iwに基づいて補償信号を生成し、PWM信号生成部226に出力する。
図5(b)は、電流制御部225の内部構成を説明するための機能ブロック図である。
電流制御部225は、三相/二相変換部225a、回転座標変換部225b、LPF225c、LPF225d、PI制御部225e、PI制御部225f、静止座標変換部225g、および、二相/三相変換部225hを備えている。
三相/二相変換部225aは、いわゆる三相/二相変換処理(αβ変換処理)を行うものである。三相/二相変換処理とは、三相の交流信号をそれと等価な二相の交流信号に変換する処理であり、三相の交流信号を静止した直交座標系(以下、「静止座標系」という。)における直交するα軸とβ軸の成分にそれぞれ分解して各軸の成分を足し合わせることで、α軸成分の交流信号とβ軸成分の交流信号に変換するものである。三相/二相変換部225aは、電流センサ23から入力された三相の電流信号iu,iv,iwを、α軸電流信号iαおよびβ軸電流信号iβに変換して、回転座標変換部225bに出力する。
三相/二相変換部225aで行われる変換処理は、下記(4)式に示す行列式で表される。
回転座標変換部225bは、いわゆる回転座標変換処理(dq変換処理)を行うものである。回転座標変換処理とは、静止座標系の二相の信号を回転座標系の二相の信号に変換する処理である。回転座標系は、直交するd軸とq軸とを有し、電力系統Aの系統電圧の基本波と同一の角速度で同一の回転方向に回転する直交座標系である。回転座標変換部225bは、三相/二相変換部225aから入力される静止座標系のα軸電流信号iαおよびβ軸電流信号iβを、系統電圧の基本波の位相θに基づいて、回転座標系のd軸電流信号idおよびq軸電流信号iqに変換して出力する。
回転座標変換部225bで行われる変換処理は、下記(5)式に示す行列式で表される。
LPF225cおよびLPF225dは、ローパスフィルタであり、それぞれd軸電流信号idおよびq軸電流信号iqの直流成分だけを通過させる。回転座標変換処理によって、α軸電流信号iαおよびβ軸電流信号iβの基本波成分が、それぞれd軸電流信号idおよびq軸電流信号iqの直流成分に変換されている。つまり、LPF225cおよびLPF225dは、不平衡成分や高調波成分を除去して、基本波成分のみを通過させるものである。
PI制御部225eは、d軸電流信号idの直流成分と目標信号との偏差に基づいてPI制御(比例積分制御)を行い、補償信号xdを出力するものである。電力動揺成分減衰部222より入力される信号(直流電圧補償信号から電力動揺成分を除去した信号)が、d軸電流信号idの目標信号として用いられる。
PI制御部225fは、q軸電流信号iqの直流成分と目標信号との偏差に基づいてPI制御を行い、補償信号xqを出力するものである。無効電力制御部224より入力される無効電力補償信号が、q軸電流信号iqの目標信号として用いられる。
静止座標変換部225gは、PI制御部225eおよびPI制御部225fからそれぞれ入力される補償信号xd,xqを、静止座標系の補償信号xα,xβに変換するものであり、回転座標変換部225bとは逆の変換処理を行うものである。静止座標変換部225gは、いわゆる静止座標変換処理(逆dq変換処理)を行うものであり、回転座標系の補償信号xd,xqを、位相θに基づいて、静止座標系の補償信号xα,xβに変換する。
静止座標変換部225gで行われる変換処理は、下記(6)式に示す行列式で表される。
二相/三相変換部225hは、静止座標変換部225gから入力される補償信号xα,xβを、三相の補償信号xu,xv,xwに変換するものである。二相/三相変換部225hは、いわゆる二相/三相変換処理(逆αβ変換処理)を行うものであり、三相/二相変換部225aとは逆の変換処理を行うものである。
二相/三相変換部225hで行われる変換処理は、下記(7)式に示す行列式で表される。
図5(a)に戻って、PWM信号生成部226は、PWM信号を生成するものである。PWM信号生成部226は、電流制御部225より入力される三相の補償信号xu,xv,xwに基づいて、インバータ回路21の各相の出力電圧の波形を指令するための指令信号を生成し、指令信号とキャリア信号とに基づいて、三角波比較法によりPWM信号を生成する。例えば、指令信号がキャリア信号より大きい場合にハイレベルとなり、指令信号がキャリア信号以下の場合にローレベルとなるパルス信号が、PWM信号として生成される。生成されたPWM信号は、インバータ回路21に出力される。なお、PWM信号生成部226は、三角波比較法によりPWM信号を生成する場合に限定されず、例えば、ヒステリシス方式でPWM信号を生成するようにしてもよい。
インバータ装置2の制御回路22において、電流制御部225は、直流電圧制御部221より出力された直流電圧補償信号から電力動揺成分を除去した信号をd軸電流信号idの目標信号とし、無効電力制御部224より入力される無効電力補償信号をq軸電流信号iqの目標信号として、電流制御を行う。そして、PWM信号生成部226は、電流制御部225が生成した補償信号xu,xv,xwに基づいてPWM信号を生成して、インバータ回路21に出力する。インバータ回路21は、PWM信号に基づいて電力変換を行う。
制御回路22は、インバータ回路21に入力される直流電圧の制御と、インバータ回路21が出力する無効電力の制御を行っている。また、制御回路22は、直流電圧の制御を行うことで、入力される直流電力の制御も行い、これにより出力電力も制御している。したがって、制御回路22は、直流電圧の制御を行うことで、出力電力の制御も行っている。
出力電力を制御するための直流電圧補償信号から電力動揺の周波数成分を減衰させた信号が、d軸電流信号idの目標信号として用いられるので、インバータ回路21の出力電力も当該周波数成分を抑制されたものになる。したがって、インバータ装置2は、電力動揺を引き起こしたり増大させることを抑制することができる。インバータ装置2で抑制するための電力動揺の周波数fSWは、電圧センサ24で検出された電圧信号vに基づいて、電力動揺周波数検出装置1によって、容易に検出することができる。従来のように、電力動揺の周波数fSWを検出するために、多地点のデータを必要としないし、多くの複雑な計算を行う必要がない。
なお、制御回路22が直流電圧制御を行う代わりに、有効電力制御を行うようにしてもよい。つまり、図5(a)に示す制御回路22において、直流電圧制御部221に代えて、電流センサ23より入力される電流信号iu,iv,iwと電圧センサ24より入力される電圧信号vu,vv,vwとに基づいて有効電力値Pを算出する有効電力算出部、および、有効電力算出部より出力される有効電力値Pと有効電力目標値P*との偏差(P*−P)を入力されて、当該偏差をゼロにするための有効電力補償信号を電力動揺成分減衰部222に出力する有効電力制御部を設けるようにしてもよい。
なお、上記第1実施形態においては、周波数探索部16のフィルタFをノッチフィルタとした場合について説明したが、これに限られない。例えば、バンドパスフィルタとしてもよい。この場合、評価値Jが最大になるように、角周波数ρを探索すればよい。また、周波数探索部16を図6に示す制御ブロック図とすれば、フィルタFをバンドパスフィルタとして、評価値Jを最小にする探索とすることができる。
上記第1実施形態においては、電力動揺検出部14が電力動揺の発生を検出したときにのみ、電力動揺の周波数fSWを検出する場合について説明したが、これに限られない。電力動揺検出部14は、確実に電力動揺の発生を検出できるものではなく、電力動揺検出部14が検出できない電力動揺もある。したがって、電力動揺検出部14を設けずに、常に電力動揺の周波数fSWを検出するようにしてもよい。ただし、この場合、周波数探索部16で常に探索を行う必要がある。なお、この場合、記録部13を設けないようにしてもよい。つまり、図1(a)において、記録部13および電力動揺検出部14を設けずに、周波数検出部12から出力される系統周波数fを、プレフィルタ15に直接入力するようにしてもよい。
上記第1実施形態においては、プレフィルタ15が、所定の周波数帯域の周波数成分だけを通過させる場合について説明したが、これに限られない。記録部13より出力される検出信号fxを、直接、周波数探索部16に入力するようにしてもよい。なお、この場合、検出信号fxを、基準値(例えば60[Hz])からの偏差を示す信号に変換してから、フィルタFに入力する必要がある。
上記第1実施形態においては、系統周波数fに基づいて、電力動揺の周波数fSWを検出する場合について説明したが、これに限られない。電力動揺の影響は、例えば、系統電圧や有効電力にも表れるので、これらを用いて、電力動揺の周波数fSWを検出するようにしてもよい。有効電力に基づいて検出する場合を第2実施形態として、以下に説明する。
図7(a)は、第2実施形態に係る電力動揺周波数検出装置を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。図7(a)に示すように、電力動揺周波数検出装置1Aは、電流センサ17をさらに備え、周波数検出部12に代えて電力検出部18を備えている点で、第1実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1と異なる。
電流センサ17は、電流信号を検出するものである。電流センサ17は、電圧センサ11が配置される電力線に配置され、当該電力線で電流の瞬時値を検出する。そして、検出した瞬時値をディジタル変換して、電流信号iとして、電力検出部18に出力する。なお、三相交流の場合は、電圧センサ11が電圧信号vを検出するのと同じ相の電流信号を検出する。電圧センサ11が三相の電圧信号vu,vv,vwを検出し、電流センサ17が三相の電流信号iu,iv,iwを検出するようにしてもよい。また、電力動揺周波数検出装置1Aが電流センサ17を備えておらず、他の機器が備えている電流センサから電流信号iを入力されるようにしてもよい。例えば、図4で説明したインバータ装置2の場合、電流センサ23から電流信号iを入力されるようにしてもよい。
電力検出部18は、有効電力を検出するものである。電力検出部18は、電圧センサ11より入力される電圧信号vと、電流センサ17より入力される電流信号iとを用いて、有効電力値Pを算出する。なお、電圧センサ11および電流センサ17が三相の信号を検出して、電力検出部18が、電圧信号vu,vv,vwおよび電流信号iu,iv,iwを用いて、有効電力値Pを算出するようにしてもよい。電力検出部18は、算出した有効電力値Pを、記録部13および電力動揺検出部14に出力する。
電力動揺検出部14は、電力検出部18より入力される有効電力値Pに基づいて、電力動揺の発生を検出する。電力動揺検出部14は、入力された有効電力値Pが大きく変化した場合、例えば、有効電力値Pの変化量ΔPの大きさが閾値以上の場合、電力動揺が発生したと判断して、トリガ信号Trを記録部13に出力する。
記録部13は、電力検出部18より入力される有効電力値Pを、記憶領域に循環的に書き込んでいく。記録部13は、電力動揺検出部14よりトリガ信号Trが入力されると、トリガ信号Trの入力前後のデータを読み出して、検出信号Pxとして連続的にプレフィルタ15に出力する。
プレフィルタ15は、記録部13より入力される検出信号Pxのうち、所定の周波数帯域の周波数成分だけを通過させて、周波数探索部16に出力する。以下では、プレフィルタ15を通過して周波数探索部16に出力される信号を、検出信号Px’とする。
周波数探索部16は、プレフィルタ15より入力される検出信号Px’の周波数を探索する。周波数探索部16は、検出信号Px’に基づいて、最適解である角周波数ρを探索する。周波数探索部16は、最適解である角周波数ρに対応する周波数を、検出信号Px’の周波数、すなわち、電力動揺の周波数fSWとして出力する。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、1地点で検出を行ったデータのみで、電力動揺の周波数fSWを検出することができる。したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記第1および第2実施形態においては、電力動揺検出部14での電力動揺の検出と、周波数探索部16での電力動揺の周波数fSWの検出とで、同じ検出値(系統周波数fまたは有効電力値P)を利用した場合について説明したが、これに限られない。電力動揺検出部14と周波数探索部16とで、異なる検出値を利用するようにしてもよい。例えば、電力動揺検出部14が系統周波数fを利用し、周波数探索部16が有効電力値Pを利用するようにした場合を第3実施形態として、以下に説明する。
図7(b)は、第3実施形態に係る電力動揺周波数検出装置を説明するための図である。同図において、第2実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1A(図7(a)参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。図7(b)に示すように、電力動揺周波数検出装置1Bは、電力検出部18に加えて、周波数検出部12を備えている点で、第2実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1Aと異なる。
周波数検出部12は、第1実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1(図1参照)の周波数検出部12と同様のものである。本実施形態においては、周波数検出部12によって検出された系統周波数fが電力動揺検出部14に入力されて、電力動揺検出部14が系統周波数fに基づいて電力動揺の発生を検出する。一方、電力検出部18によって検出された有効電力値Pが記録部13に入力されて、周波数探索部16が有効電力値Pに基づいて電力動揺の周波数fSWを検出する。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、1地点で検出を行ったデータのみで、電力動揺の周波数fSWを検出することができる。したがって、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図8(a)は、第4実施形態に係る電力動揺周波数検出装置を説明するための図である。同図において、第3実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1B(図7(b)参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。図8(a)に示す電力動揺周波数検出装置1Cにおいては、第3実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1Bとは逆に、電力検出部18によって検出された有効電力値Pが電力動揺検出部14に入力されて、電力動揺検出部14が有効電力値Pに基づいて電力動揺の発生を検出し、周波数検出部12によって検出された系統周波数fが記録部13に入力されて、周波数探索部16が系統周波数fに基づいて電力動揺の周波数fSWを検出する。
第4実施形態においても、第1実施形態と同様に、1地点で検出を行ったデータのみで、電力動揺の周波数fSWを検出することができる。したがって、第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、電力動揺検出部14は、系統周波数fおよび有効電力値P以外の検出値、例えば、電圧センサ11によって検出された電圧信号vなどに基づいて、電力動揺の発生を検出するようにしてもよい。電力系統Aの状態に応じて変化する電気的信号を検出した検出値であれば、用いることができる。また、電力動揺検出部14は、いくつかの検出値に基づいて、電力動揺の発生を検出するようにしてもよい。例えば、電力動揺検出部14が、系統周波数fおよび有効電力値Pの両方に基づいて、電力動揺の発生を検出するようにした場合を第5実施形態として、以下に説明する。
図8(b)は、第5実施形態に係る電力動揺周波数検出装置を説明するための図である。同図において、第4実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1C(図8(a)参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。図8(b)に示す電力動揺周波数検出装置1Dは、周波数検出部12によって検出された系統周波数fが電力動揺検出部14にも入力される点で、第4実施形態に係る電力動揺周波数検出装置1Cと異なる。
電力動揺検出部14は、電力検出部18より入力される有効電力値Pの変化量ΔPの大きさが閾値以上であり、かつ、周波数検出部12より入力される系統周波数fの変化量Δfの大きさが閾値以上である場合に、電力動揺が発生したと判断して、トリガ信号Trを記録部13に出力する。つまり、電力動揺検出部14は、系統周波数fおよび有効電力値Pがともに大きく変化した場合にのみ、電力動揺の発生を検出する。この場合、電力動揺のより確実な発生を検出することができ、電力動揺の周波数fSWの検出のための計算量を、より削減することができる。なお、電力動揺検出部14は、系統周波数fまたは有効電力値Pのいずれかに代えて他の検出値を利用するようにしてもよいし、系統周波数fおよび有効電力値Pに加えて、さらに他の検出値も利用するようにしてもよい。
また、電力動揺検出部14が、電力検出部18より入力される有効電力値Pの変化量ΔPの大きさが閾値以上であるか、または、周波数検出部12より入力される系統周波数fの変化量Δfの大きさが閾値以上である場合に、電力動揺が発生したと判断して、トリガ信号Trを記録部13に出力するようにしてもよい。つまり、電力動揺検出部14が、系統周波数fまたは有効電力値Pのいずれかが大きく変化した場合に、電力動揺の発生を検出するようにしてもよい。この場合、電力動揺の発生をより確実に検出することができ、電力動揺の周波数fSWを検出しそこなうことを抑制することができる。なお、電力動揺検出部14は、系統周波数fまたは有効電力値Pのいずれかに代えて他の検出値を利用するようにしてもよいし、系統周波数fおよび有効電力値Pに加えて、さらに他の検出値も利用するようにしてもよい。
第5実施形態においても、第1実施形態と同様に、1地点で検出を行ったデータのみで、電力動揺の周波数fSWを検出することができる。したがって、第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明に係る周波数検出装置、周波数検出方法、および、検出された周波数を用いるインバータ装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る周波数検出装置、周波数検出方法、および、検出された周波数を用いるインバータ装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。