JP3737640B2 - 電力動揺検出装置およびコンピュータが読取り可能な記憶媒体 - Google Patents

電力動揺検出装置およびコンピュータが読取り可能な記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばディジタルリレー(継電装置)に搭載されて電力系統に生じる電力動揺を検出する電力動揺検出装置、およびコンピュータが読取り可能な記憶媒体に係わり、特に、特殊な電力動揺が生じても正確に電力動揺を検出することができる電力動揺検出装置およびコンピュータが読取り可能な記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、2つの大きな電力系統ブロックNET1、NET2が一本の連系線TLで結ばれている要素を示す図である。この様な系統の一部で、少なくとも一方の電力系統ブロックの送電線事故等に起因して電力の需給バランスが崩れると、少なくとも一方の電力系統には電力動揺が発生するが、状況によっては、図11に示す2つの電力系統NET1、NET2を包括して電力動揺が起こることもある。このような2つの電力系統NET1、NET2を包括した電力動揺が発生した場合の連系線TLにおける電力動揺{動揺(振動)した電力}の時間的変化を図12に示す。
【0003】
図12において、電力動揺のボトム(底部)からピーク(頂上部)への動揺の振幅をPP (…、PPm-1、PPm)、ピークからボトムへの動揺の振幅をPN (…、PNm-1、PNm)とすると、PP またはPN は安定な条件の下では次第に現象してゆき、最終的には平常な状態(安定状態)に戻るようになっている。なお、図12において、各振幅値を表す参照符号に含まれた文字m は、動揺の波の順序を時系列的に示したものであり、最新の動揺に対してはm 、一波前の動揺に対してはm-1 、…のように付加される。
【0004】
しかしながら、系統状態が不安定な場合においては、電力動揺の振幅PP 、PN は、次第に増加していき(例えば、PPm-1<PPm、PNm-1<PNm;図12参照)、最終的には2つの電力系統NET1、NET2の間で脱調現象を引き起こす恐れがある。
【0005】
したがって、上記脱調現象を回避するためにも、脱調現象に至る恐れのある電力動揺を検出して連系線に設置された遮断器を引き外す(トリップ)することにより、2つの電力系統NET1、NET2を速やかに分離しなければならない。
【0006】
図13は、上述した脱調現象に至る恐れのある電力動揺を検出して遮断器引き外し指令を出力するための機能(脱調現象判断機能)Sを示す図である。
【0007】
図13によれば、従来の電力動揺検出機能Sとしては、電力動揺の振幅PP 、PN の隣接かつ連続する3波(PPm-2、PPm-1、PPm;PNm-2、PNm-1、PNm)が連続して増加傾向にあり、かつその大きさが一定値(K)以上であれば(K<PPm-2<PPm-1<PPm;K<PNm-2<PNm-1<PNm)、2つの電力系統の間の脱調現象に至ると判断し、連系線の遮断器にトリップ指令を出力するようになっている。
【0008】
図14は、従来の電力動揺検出機能Sを有するディジタル継電装置(ディジタルリレー)の一例を示す図である。
【0009】
図14に示すディジタルリレー40によれば、保護制御対象となる電力系統から順次入力された各相電圧、各相電流(A11、A12,A21、A22,…,Ak1、Ak2,…)は、入力変換器41a、41bにより適当な大きさの電圧信号、電流信号(総称して電気量An1、An2と呼ぶ)にそれぞれ変換され、フィルタ42a、42bを介してその電気量An1、An2に含まれる高調波成分が除去された後でサンプルホールド回路43に送られる。
【0010】
サンプルホールド回路43において、各フィルタ42a、42bから出力された電気量An1、An2は所定の間隔でサンプリングされ、マルチプレクサ44を介してA/D変換器45へ順次切り換え出力される。
【0011】
A/D変換器45においては、サンプリングホールド回路43から出力された電気量A1、A2がアナログディジタル変換されてディジタルデータ(電圧データ)Dn1、ディジタルデータ(電流データ)Dn2が生成される。生成されたディジタルデータDn1、Dn2は、ダイレクトメモリアクセス回路(DMA)46に送られ、DMA46は、送られたディジタルデータDn1、Dn2をメモリ回路47の所定の番地(アドレス)にそれぞれ書き込むようになっている。
【0012】
また、ディジタルリレー40は、後述する中央演算処理装置の処理用プログラムが予め書き込まれたROM48と、メモリ回路47に書き込まれたディジタルデータDn1、Dn2をそれぞれ読み出し、読み出したディジタルデータDn1、Dn2およびROM48に書き込まれた処理用プログラムに基づいて、電力動揺検出機能を含む保護制御演算機能を実行する中央演算処理装置(CPU)49と、このCPU49により保護制御演算機能が実行されて得られた演算処理結果に応じて、保護制御対象となる電力系統における遮断器に対して引き外し指令を出力する出力回路50とを備えている。
【0013】
図15は、ROM48に書き込まれた処理用プログラム(特に、電力動揺検出プログラム)に従ってCPU49により実行される電力動揺検出機能51を示すブロック図である。
【0014】
図15によれば、電力動揺検出機能51として、電力変化率検出部(単に変化率検出部ともいう)52は、メモリ回路47から読み出されたディジタルデータDn1、Dn2に基づいて電力ディジタルデータ(電力データ)Pを求め、この電力データPの例えば100ms程度の十分小さな時間幅(ΔT)に応じた変化分(電力変化率:ΔP/ΔT)を検出する。そして、第1の変化率符号判定部53Pは、変化率検出部52により検出されたΔP/ΔTが負(<0)のときに「1」、それ以外(≧0)のときに「0」を出力する。
【0015】
同様に、第2の変化率符号判定部53Nは、検出された変化率ΔP/ΔTが正(>0)のときに「1」、それ以外(≦0)のときに「0」を出力する。
【0016】
また、ボトム記憶部54Pは、後述するボトム検出部により電力動揺がボトムを過ぎたと判定された際にそのボトム検出部の出力に制御されて「1」を出力し、ピーク記憶部54Nは、後述するピーク検出処理により電力動揺がピークを過ぎたと判定された際にそのピーク検出処理の出力に制御されて「1」を出力する。
【0017】
このとき、第1のアンドゲート部55Pは、第1の変化率符号判定部53Pの出力およびボトム記憶部54Pの出力のアンド演算を行ない、それらの出力の両方が「1」の場合、すなわち、ボトムを過ぎた後(電力動揺カーブ→上昇)で電力の変化率ΔP/ΔTが負(<0)の場合に、「1」を出力する。同様に、第2のアンドゲート部55Nは、第2の変化率符号判定部53Nの出力およびピーク記憶部54Nの出力の両方が「1」の場合、すなわち、ピークを過ぎた後(電力動揺カーブ→下降)で電力の変化率ΔP/ΔTが正(>0)の場合に「1」を出力する。
【0018】
そして、ピーク検出部56Pは、第1のアンドゲート部55Pから「1」が出力された場合に電力動揺はピークを過ぎたと判断し、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアし、さらに後述する脱調現象判断処理部にピーク検出の情報を供給する。
【0019】
同様に、ボトム検出部56Nは、第2のアンドゲート部55Nにより「1」が出力された場合に電力動揺はボトムを過ぎたと判断し、ボトム記憶部54Pの出力を「1」に制御し、ピーク記憶部54Nの出力を「0」にクリアし、さらに後述する脱調現象判断処理部にボトム検出の情報を供給する。
【0020】
脱調現象判断処理部57は、ピーク検出部56Pから供給されたピーク検出情報およびボトム検出部56Nから供給されたボトム検出情報に基づいて前掲図13に示す脱調現象判断機能Sに基づく処理を実行し、この脱調現象判断処理の結果、電力動揺が脱調現象に至ると判断した際に、出力回路50に対してトリップ指令出力用の制御命令を出力する。なお、脱調現象判断処理部57の処理の詳細については、本発明と直接関連しないため、その説明を省略する。
【0021】
上述したCPU49の処理により実行されるボトム・ピーク検出機能および脱調現象判断機能を含む電力動揺検出機能51により図12に示す波形を有する電力動揺が脱調現象に至るか否かを正確に判断し、その判断結果に応じてトリップ指令を遮断器に対して出力することが可能になる。
【0022】
しかしながら、実際の電力系統の電力動揺波形は、図12に示したような理想的な形状ではなく、図16に示すように、小さな動揺が含まれていて、偽のピークやボトムが多数存在する形状の方が一般的である。したがって、図13に示した電力動揺検出機能Sを有する装置は、上記偽ピークやボトムに対して応動することなく、正確な脱調現象判断処理を行なわなければならない。
【0023】
そこで、従来では、図15の電力動揺検出処理において、第1および第2のアンドゲート部の出力の符号の変化を確認する可逆カウンタ部を設け、この可逆カウンタ部のカウント値が所定値に到達した時にボトム、あるいはピークと認定するようにしている。このとき、電力動揺波形のボトムとピークとの間に存在する小さな電力波形の乱れ(偽ボトム、偽ピーク)は、短時間で電力波形の符号の変化が生じるため、可逆カウンタ部のカウント値は所定値に到達せず、偽ボトム、偽ピークに対して応動することを回避することができる。
【0024】
図17は、図15の電力動揺検出機能を示すブロック図に加えて、偽ボトム、偽ピークによる脱調現象の誤判定を無くすため、上述した可逆カウンタ部を設けた場合の電力動揺検出機能70を示すブロック図である。なお、図17における図15に示した構成要素と略同等の構成要素については、図15において付加された参照符号(数字)に対して「20」を加えた符号(数字)を付して、その説明を省略または簡略化する。
【0025】
図17によれば、電力動揺検出機能70を表す機能ブロック構成において、第1の可逆カウンタ部78P、第2の可逆カウンタ部78Nが第1のアンドゲート部75P、第2のアンドゲート部75Nの後にそれぞれ挿入された以外は、図15に示した電力動揺検出機能51を表す機能ブロック構成と略同様である。
【0026】
第1および第2の可逆カウンタ部78Pおよび78Nは、入力が「1」の時カウントアップし、入力が「0」の時カウントダウンする周知の機能を有しており、また、この第1および第2の可逆カウンタ部78Pおよび78Nは、上限をN、下限を0でクランプし、入力に「1」または「0」が連続した際もN以上または0以下にはカウントしないようになっている。
【0027】
すなわち、図17に示す電力動揺検出機能70によれば、例えば電力動揺が一旦偽ピークに到達して第1の可逆カウンタ部78Pが第1のアンドゲート部75Pの出力「1」に応じて、初期値“0”からカウントを開始しても、偽ピークが小さいことから、電力動揺はすぐに反転して偽ボトムを通過するため、ボトム記憶部74Pの出力が「0」に反転して第1のアンドゲート部75Pの出力が「0」になり、この結果、第1の可逆カウンタ部78Pのカウント値は再び“0”に戻される。
【0028】
偽ボトムの場合も同様であり、偽ボトムが小さいことから、一旦偽ボトムに到達した電力動揺はすぐに反転して偽ピークを通過するため、偽ボトム通過に応じてカウントを開始した第2の可逆カウンタ部78Nのカウント値は再び“0”に戻される。
【0029】
以上述べたように、図17に示す電力動揺検出機能70によれば、設定値Nを、電力が偽ボトムや偽ピークを生じた後に反転するまでの時間のカウント値よりも大きく設定しておくことにより、偽ピークおよび偽ボトムを真のピークおよび真のボトムとして検出することがなくなり、偽ボトム、偽ピークに対して応動することを回避することができる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図17に示した電力動揺検出機能70を有する電力動揺検出装置を用いても、2つの電力系統の間の電力動揺現象においてその動揺の大きさによっては電力動揺波形のピーク点に凹みが現れ、この凹みによりボトム、ピークの誤判定を行なう恐れが生じている。
【0031】
図18に示す一機無限大母線系統モデルを用いて、上述した電力動揺波形の凹みについて説明する。図18において、発電機GがリアクタンスXを介して無限大母線BUSと接続されており、発電機Gの内部電圧は、無限大母線BUSの電圧位相を基準として位相角差θを持ち、無限大母線BUSに向かって電力P、電流Iを送電している。また、発電機G、無限大母線BUSの電圧は、それぞれV1 、V2 である。
【0032】
このとき、電力P、電流Iは、下記の(1)、(2)式で表される。
【0033】
【数1】
Figure 0003737640
【0034】
また、電圧V1 、V2 が一定の場合、電力P、電流Iと位相角差θとの関係は、図19に示す特性(P−θ曲線、I−θ曲線)として表される。すなわち、電力P、電流Iと位相角差θとの関係の特徴として、電力Pは、位相角差θが0°から増加するに連れて増加し、位相角差θ=略90°の時に最大となり、位相角差θが90°を越えると減少するようになっている。一方、電流Iについては、位相角差θが0°から180°まで増加するにつれて増加するようになっている。
【0035】
図19において、定常状態では、P−θ曲線上の事前電力P0 、位相角差θ=θ0 の点(運転点K)で運転されている。この定常状態において、送電線事故等の系統擾乱が発生すると、運転点KがP−θ曲線上を移動し、動揺現象が発生する。系統擾乱が電力系統に与えるショックの大きさによっては、運転点Kが図19中の(1)→(2)→(3)→(4)の様に移動して、電力が一旦ピーク点(電力Pp 、位相角差90°)を越えて上昇した後で再度ピークに戻って減少する場合がある。
【0036】
図20は、電力Pが真のピーク点を境にして図19中の(1)→(2)→(3)→(4)の様に移動する場合の電力Pおよび電流Iの時間的変化{P(t)、I(t)}の様子を示す図である。図20における(1)→(2)→(3)→(4)は、図19の(1)→(2)→(3)→(4)とそれぞれ一対一に対応している。図20に示すように、電力Pの真のピーク(電力Pp 、位相角差90°)には、その波形がボトム側へ向かって凹んだ凹み(一過性ボトムm)が現れ、また、電力Pが(1)から(2)に変化する際に第1のピークm1、また、(3)から(4)に変化する際に第2のピークm2の2つのピークが現れる。ここで、この2つのピークm1、m2での電力値は理論上は等しい値である。一方、電流Iは、図20に示すように、正弦波形を描いている。
【0037】
図17に示した電力動揺検出機能70によれば、電力が偽ボトム・偽ピークを過ぎた後に短時間で電力波形の符号の変化が生じることを利用して可逆カウンタ部の設定値を設定することによりボトム・ピークの誤判定を避けている。
【0038】
しかしながら、上述した電力のピーク点での凹みの時間幅はその電力動揺現象に応じて異なり、短時間での電力波形の符号反転を想定した可逆カウンタ部における想定外の現象であるため、上記第1のピークm1および第2のピークm2を何れも真のピークとして判定し、また、一過性ボトムmを真のボトムとして判定する可能性、すなわち、ボトム・ピークの誤判定を行なう危険性が高かった。
【0039】
このボトム・ピークの誤判定は、図13に示した脱調現象判断機能Sを行なう電力動揺検出装置において脱調判定を誤らせる結果となり、延いては保護制御の実行の遅れを引き起こす恐れが生じ、電力系統の信頼性を低下する危険性があった。
【0040】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、電力のピーク点で現れる凹みによるボトム・ピークの誤判定を防止して正確にボトム・ピークを検出し、かつ正確な脱調判定を行なうことを可能にした電力動揺検出装置を提供することをその目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、電力のピーク点で凹み現象が生じている際の電流の変化について着目した。
【0042】
すなわち、図20において、電力Pのピーク点で凹みが現れるタイミング{(2)→(3)}の期間では、電流Iは、凹むことなく正弦波的に変化している。つまり、電力Pが(1)→(2)に変化してピークm1 を迎える一方で、電流Iは単調増加しており、変化率の符号は正のままである。また、電力Pが(3)→(4)に変化した場合でも同様に、電力Pはピークm2 を迎える一方で電流Iは単調減少しており、変化率の符号は負のままである。
【0043】
この電力Pのピークと電流Iの変化率の符号との関係を利用することにより、電力Pのピーク点で凹みが生じても単一のピーク点を検出して、ピーク・ボトムの誤判定を防止するようになっている。
【0044】
すなわち、本発明の第1の態様に係わる電力動揺検出装置によれば、電力系統の電圧信号および電流信号により生成されたディジタル形の電力データに基づいて前記電力系統に生じる電力動揺を検出する電力動揺検出装置において、前記電力データから電力の変化率の符号を検出する手段と、前記電力データに基づいて前記電力がボトムおよびピークの内のどちらか一方に至ったことを表す情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段により前記電力のピークの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が負から正に変化した時に前記電力がボトムに至ったと認定するボトム認定手段と、前記電流信号に基づいて電流の変化率の符号を検出する電流変化率符号検出手段と、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化した時、前記電流変化率の符号に応じて前記電力がピークに至ったか否かを判定する電力ピーク判定手段とを備えている。
【0045】
前記第1の態様に係わる電力動揺検出装置において、前記電力ピーク判定手段は、前記電流変化率の符号が負の時に前記電力がピークに至ったと判定する手段を有している。
【0046】
前記第1の態様に係わる電力動揺検出装置において、前記電力ピーク判定手段は、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化し、かつ前記電流変化率の符号が正の時の前記電力の値を第1のピーク値候補として記憶する第1のピーク値候補記憶手段と、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化し、かつ前記電流変化率の符号が負の時の前記電力の値を第2のピーク値候補として記憶する第2のピーク値候補記憶手段と、第1のピーク値候補記憶手段に記憶された第1のピーク値候補および第2のピーク値候補記憶手段に記憶された第2のピーク値候補の内の何れか1つを前記電力のピーク値として判定する判定手段とを有している。
【0047】
前記第1の態様に係わる電力動揺検出装置において、前記電力ピーク判定手段は、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化し、かつ前記電流変化率の符号が正の時の前記電力の値を第1のピーク値候補として記憶する第1のピーク値候補記憶手段と、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化し、かつ前記電流変化率の符号が負の時の前記電力の値を第2のピーク値候補として記憶する第2のピーク値候補記憶手段と、第1のピーク値候補記憶手段に記憶された第1のピーク値候補および第2のピーク値候補記憶手段に記憶された第2のピーク値候補の平均値を算出し、この平均値を前記電力のピーク値として設定する設定手段とを有している。
【0048】
本発明の第2の態様に係わる電力動揺検出装置によれば、電力系統の電圧信号および電流信号により生成されたディジタル形の電力データに基づいて前記電力系統に生じる電力動揺を検出する電力動揺検出装置において、前記電力データから電力の変化率の符号を検出する第1の検出手段と、前記電力データに基づいて前記電力がボトムおよびピークの内のどちらか一方に至ったことを表す情報を記憶する記憶手段と、前記電流信号に基づいて電流の変化率の符号を検出する電流変化率符号検出手段と、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化した時の前記電力の値を仮のピーク値として記憶する仮ピーク値記憶手段と、前記仮ピーク値から前記電力データを減算し、減算して得られたデータに対して当該仮ピーク値を加算することにより補正電力データを生成する補正電力データ生成手段と、前記電力変化率の符号が負かつ前記電流変化率の符号が正、および前記電力変化率の符号が正かつ前記電流変化率の符号が負の時に、前記補正電力データ生成手段により生成された補正電力データを用いて、当該補正電力データに基づく補正電力の変化率の符号を検出する第2の検出手段と、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記補正電力変化率の符号が正から負に変化した時に前記電力がピークに至ったと認定する手段とを備えている。
【0049】
本発明の第3の態様に係わる電力動揺検出装置によれば、電力系統の電圧信号および電流信号により生成されたディジタル形の電力データに基づいて前記電力系統に生じる電力動揺を検出する電力動揺検出用のコンピュータが読取り可能な記憶媒体において、前記電力データに基づいて前記コンピュータにより前記電力の変化率の符号を求めさせる手順と、前記電力データに基づいて前記電力がボトムおよびピークの内のどちらか一方に至ったことを前記コンピュータに検出させ、その電力のボトムあるいはピークの情報をメモリに記憶させる手順と、前記メモリに前記電力のピークの情報が記憶された状態で前記電力変化率の符号が負から正に変化した時に前記電力がボトムに至ったと前記コンピュータに認定させる手順と、前記電流信号に基づいて電流の変化率の符号を前記コンピュータに求めさせる手順と、前記メモリに記憶された前記電力のボトムの情報が記憶された状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化した時、前記電流変化率の符号に応じて前記電力がピークに至ったか否かを前記コンピュータに判定させる手順とを備えている。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って以下に説明する。
【0051】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる電力動揺検出装置1が搭載された装置の一例であるディジタルリレー2のブロック構成を示す図である。なお、図1において、図14と略同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化している。
【0052】
図1によれば、ディジタルリレー2は、電力系統から順次入力される各相電流、各相電圧をそれぞれ電気量に変換するための入力変換器41a、41bと、変換された電気量An1、An2に含まれる高調波成分除去用のフィルタ42a、42bと、電気量An1、An2を所定間隔毎にサンプリングしてホールドするサンプリングホールド回路43と、サンプルホールドされた電気量(瞬時値)An1、An2を切り換え出力するマルチプレクサ44と、このマルチプレクサ44を介して送られた電気量(瞬時値)An1、An2をディジタルデータDn1、Dn2に変換するA/D変換器45と、メモリ回路47と、A/D変換器45により生成されたディジタルデータDn1、Dn2をメモリ回路47の所定のアドレスにそれぞれ書き込むDMA46とを備えている。
【0053】
そして、本実施形態のディジタルリレー1は、後述するCPUの処理用プログラムが予め書き込まれたROM3と、メモリ回路47に書き込まれたディジタルデータDn1、Dn2をそれぞれ読み出し、読み出したディジタルデータDn1、Dn2およびROM3に書き込まれた処理用プログラムに基づいて、電力動揺検出機能を含む保護制御演算機能を実行する中央演算処理装置CPU4と、このCPU4の演算処理結果に応じて電力系統の遮断器に対する引き外し指令を出力するための出力回路50とを備えている。
【0054】
ディジタルリレー1に搭載された電力動揺検出装置2は、メモリ回路47、ROM3およびCPU4により具体化される。
【0055】
図2は、ROM3に書き込まれた処理用プログラム(特に、電力動揺検出プログラム)に従ってCPU4により実行される電力動揺検出機能10を示すブロック図である。なお、図2において、図15と略同等の機能を有するブロックについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化している。
【0056】
図2によれば、電力動揺検出機能10として、図15のブロック構成に加えて、メモリ回路47から読み出された電流信号(電気量An2)に基づくディジタルデータDn2を用いて、電力変化率ΔP/ΔTにおける時間幅(ΔT)に応じた変化分(電流変化率:ΔI/ΔT)を検出する電流変化率検出部11と、検出されたΔI/ΔTが負(<0)のときに「1」、それ以外(≧0)のときに「0」を出力する電流変化率符号判定部12と、この電流変化率符号判定部12の出力および第1のアンドゲート部55Pの出力のアンド演算を行ない、それらの出力の両方が「1」の場合、すなわち、電力動揺カーブが上昇した後で電力変化率ΔP/ΔTが負(<0)であり、かつ電流変化率ΔI/ΔTが負(<0)の場合(図20におけるピークm2 )において「1」を出力する第3のアンドゲート部13とを備えている。
【0057】
そして、本実施形態のピーク検出部56PAは、第3のアンドゲート部13から「1」が出力された場合に電力動揺はピークを通過していると判断し、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアし、さらに脱調現象判断処理部57にピーク検出の情報を供給するようになっている。
【0058】
図3は、図2に示した電力動揺検出機能10を実現するためのCPU4の処理の一例を示すフローチャートである。
【0059】
図3によれば、CPU4は、過去の電力の状態がピークであったかボトムであったかを判断する処理(図2におけるボトム記憶部54Pおよびピーク記憶部54Nに対応する処理;ステップS1)を実行する。なお、電力動揺中では、ボトム記憶部54Pおよびピーク記憶部54Nの何れか一方の出力が「1」、すなわち、過去の状態がボトムおよびピークのどちらかになっている。
【0060】
今、過去の状態がボトムであった場合(ステップS1→ボトム)、CPU4は、メモリ回路47に記憶されたディジタルデータDk1、Dk2( 1≦ k ≦ n )に基づいて電力変化率検出部52、電力変化率符号判定部53Pおよび第1のアンドゲート部55Pに対応する処理、すなわち、電力変化率ΔP/ΔTを求めて、この電力変化率ΔP/ΔTが負(電力変化率ΔP/ΔT<0)であるか否かを判断する(ステップS2)。
【0061】
ステップS2の判断の結果、電力変化率ΔP/ΔT<0の時(ステップS2→YES)、CPU4は、電流変化率検出部11および電流変化率符号判定部12に対応する処理、すなわち、電流変化率ΔI/ΔTを求めて、この電流変化率ΔI/ΔTが負(電流変化率ΔI/ΔT<0)であるか否かを判断する(ステップS3)。
【0062】
このステップS3の判断の結果、電流変化率ΔI/ΔT<0の時(ステップS3→YES)、CPU4は、第3のアンドゲート部13およびピーク検出部56PAに対応する処理を実行して動揺波形がピークに至ったことを認定し、過去の状態がピークであったことに記憶を改め(ボトムの記憶をクリア)、このときの電力値(例えば図20における第2のピーク値m2 )を真のピーク値として設定して(ステップS4)、ステップS7の処理に移行する。
【0063】
一方、過去の状態がピークであった場合(ステップS1→ピーク)、CPU4は、電力変化率検出部52、電力変化率符号判定部53Nおよび第2のアンドゲート部55Nに対応する処理、すなわち、「電力変化率ΔP/ΔT>0」であるか否かを判断し(ステップS5)、電力変化率ΔP/ΔT>0の時(ステップS5→YES)に第2のアンドゲート部55Nおよびボトム検出部56Nに対応する処理を実行して動揺波形がボトムに至ったことを認定し、過去の状態がボトムであったことに記憶を改め(ピークの記憶をクリア)、このときの電力値を真のボトム値として設定して(ステップS6)、ステップS7の処理に移行する。
【0064】
ステップS7において、CPU4は、順次メモリ回路47に記憶される全てのディジタルデータD(k+1)1、D(k+1)2,…,Dn1、Dn2に基づいてステップS1〜ステップS6の処理を繰り返し行なうことにより電力Pのピーク値およびボトム値をそれぞれ検出する。
【0065】
一方、CPU4は、ステップS1〜ステップS7の処理と並行して、そのステップS1〜ステップS7の処理により検出された電力Pのピーク値およびボトム値を用いて前掲図13に示す脱調現象判断機能Sに基づく処理を行なう(ステップS8)。
【0066】
次に、図2に示した電力動揺検出機能10および電力動揺検出機能10に基づくCPU4の図3に示す処理を図20に示す電力Pの動揺波形に関連付けて説明する。
【0067】
図20における時間変化(2)では、電力の動揺が第1のピークm1 を通過した時に、ボトム記憶部54Pの出力→「1」であり、電力変化率ΔP/ΔT→「<0」になるため、第1のアンドゲート部55Pの出力は「1」になる(ステップS2の判断の結果YES)。
【0068】
しかしながら、時間変化(2)においては、図20に示すように、電流変化率ΔI/ΔT≧0であるため、電流変化率符号判定部12の出力は「0」のままであり、第3のアンドゲート部13の出力も「0」である。したがって、ピーク検出部56PAは、電力Pの凹み部分に係わる第1のピーク値m1 をピークとは認定しない(ステップS3の判断の結果NO)。
【0069】
また、時間変化(2)→時間変化(3)においては、第1のピーク値m1 をピークとは認定していないため、ピーク記憶部54Nの出力は依然として「0」であり、第2のアンドゲート部55Nの出力も「0」であるため、ボトム検出部56Nは一過性ボトムmをボトムとは認定しない(ステップS5の判断の結果NO)。
【0070】
一方、時間変化(4)では、電力の動揺が第2のピークm2 を通過した時に、ボトム記憶部54Pの出力→「1」であり、電力変化率ΔP/ΔT→「<0」になるため、第1のアンドゲート部55Pの出力は「1」になる(ステップS2の判断の結果YES)。
【0071】
この時間変化(4)の時、図20に示すように、電流変化率ΔI/ΔT<0であるため(ステップS3の判断の結果YES)、電流変化率符号判定部12の出力は「1」に変化し、第3のアンドゲート部13の出力も「1」に変化する。したがって、ピーク検出部56PAは、電力Pの凹み部分に係わる第2のピーク値m2 をピークと認定して、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアし、さらに脱調現象判断処理部57にピーク検出の情報を供給する(ステップS4参照)。
【0072】
以上述べたように、本実施形態によれば、電力動揺波形のピーク点に凹み、すなわち、第1のピークm1 、第2のピークm2 および一過性ボトムmが生じても、電流変化率の符号変化を参照することにより、第1のピークm1 をピークと認定せずに第2のピークm2 のみを真のピークとして判定することができ、かつ一過性ボトムmを真のボトムとして誤判定することを回避することができる。
【0073】
したがって、脱調現象判断機能Sに基づく処理を正確なピークおよびボトムを用いて行なうことができ、正確に脱調現象を判断することができる。また、誤ピーク・誤ボトム検出により誤って脱調現象を判断する危険性が回避される。
【0074】
この結果、電力動揺検出(脱調現象検出)処理に係わる電力動揺検出装置の信頼性を向上させることができる。
【0075】
なお、本実施形態では、通常のピーク点を有する電力動揺波形、すなわち、凹みの無い電力動揺波形においても、正確に応動することができる。
【0076】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係わる電力動揺検出装置1Aが搭載された装置の一例であるディジタルリレー2Aのブロック構成については、第1実施形態における図1と略同等であるため、その説明を省略する。
【0077】
本実施形態においては、電力動揺検出機能10Aが第1実施形態で説明した電力動揺検出装置1と異なるため、以下、電力動揺検出機能10Aについて説明する。
【0078】
図4は、ROM3Aに書き込まれた処理用プログラム(特に、電力動揺検出プログラム)に従ってCPU4Aにより実行される電力動揺検出機能10Aを示すブロック図である。なお、図4において、図15および図1と略同等の機能を有するブロックについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化している。
【0079】
図4によれば、電力動揺検出機能10Aとして、図15のブロック構成に加えて、電流変化率検出部11と、検出されたΔI/ΔTが正(>0)のときに「1」、それ以外(≦0)のときに「0」を出力する第1の電流変化率符号判定部12Aと、ΔI/ΔTが負(<0)のときに「1」、それ以外(≧0)のときに「0」を出力する第2の電流変化率符号判定部12Bと、第1の電流変化率符号判定部12Aの出力およびピーク検出部56Pの出力のアンド演算を行ない、それらの出力の両方が「1」の場合に「1」を出力する第4のアンドゲート部20と、第2の電流変化率符号判定部12Bの出力およびピーク検出部56Pの出力のアンド演算を行ない、それらの出力の両方が「1」の場合に「1」を出力する第5のアンドゲート部21と、第4のアンドゲート部20の出力が「0」から「1」に変化した時点での電力データをピーク値の候補として一時的に記憶する第1のピーク値一時記憶部22Aと、第5のアンドゲート部21の出力が「0」から「1」に変化した時点での電力データをピーク値の候補として一時的に記憶する第2のピーク値一時記憶部22Bと、第1のピーク値一時記憶部22Aおよび第2のピーク値一時記憶部22Bにそれぞれ一時的に記憶された第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の大きさ(大小)を比較するピーク値大小比較部23と、凹み現象が生じた場合に2点現れるピーク値候補を漏れなく記憶するために必要な時間だけ上記ピーク値大小比較部23の比較処理を遅延させる遅延部(オンディレイタイマ)24とを備えている。
【0080】
ピーク値大小比較部23は第1のピーク値候補が第2のピーク値候補より大きい場合には第1のピーク値候補をピーク値として検出し、また、第2のピーク値候補が第1のピーク値候補より大きい場合には(等しい場合も含む)第2のピーク値候補をピーク値として検出し、脱調現象判断処理部57に対して検出したピーク値に対応するピーク検出の情報を供給するようになっている。
【0081】
また、ピーク値大小比較部23は、上述したピーク検出情報供給処理と共に、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアするようになっている。
【0082】
遅延部24は、電流変化率符号変化部12Bの出力が連続して「1」(すなわち、電流変化率ΔI/ΔTの符号が継続して負の状態)であることを所定時間確認した後に「1」を出力する周知の機能である。こので、遅延部24の上記所定時間の設定については、電流変化率ΔI/ΔTが正から負に変化後(例えば、図20における時間変化(3))、電力Pがピークを通過するまでの時間(例えば、図20における第2のピークm2 )に比べて長く、かつ次のボトム(例えば、図20におけるボトムm+1)に到達するまでの時間よりも短い適切な時間に設定する必要がある。
【0083】
すなわち、上記所定時間(以下、遅延時間と記載する)を上述したように設定しておかなければ、ピーク値大小比較部23は、例えば図20の時間変化(3)における第2のピーク値m2 (第2のピーク値候補)を検出する前に比較処理を行なってしまう恐れがある。また、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、かつボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアする処理を行なう前に電力動揺がボトム値に到達してしまい、真のボトム値であるのにボトム検出部56Nによりボトム値として検出されない(ピーク記憶部→「0」、第2のアンドゲート部55N→「0」であるから)恐れもある。
【0084】
しかしながら、遅延時間を電流変化率ΔI/ΔTが正から負に変化後、電力Pがピークを通過するまでの時間に比べて長く、かつ次のボトムに到達するまでの時間よりも短い時間に設定することにより、第2のピーク値を漏らすことなく、かつピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、かつボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアする前に電力動揺がボトム値に到達することがなくなり、確実にピーク値およびボトム値の検出を行なうことができる。
【0085】
図5は、図4に示した電力動揺検出機能10Aを実現するためのCPU4Aの処理の一例を示すフローチャートである。
【0086】
図5によれば、CPU4Aは、前掲図3のステップS1〜ステップS2の処理において、例えば過去の状態がボトム(ステップS1→ボトム)、電力変化率ΔP/ΔT→「<0」(ステップS2→YES)と判断された際に、第1実施形態と同様に電流変化率ΔI/ΔTを求めて、この電流変化率ΔI/ΔTが正(電流変化率ΔI/ΔT>0)であるか否かを判断する(ステップS10)。
【0087】
このステップS10の判断の結果、電流変化率ΔI/ΔT>0の時(ステップS10→YES)、このときのピーク値(例えば、図20における第1のピーク値m1 )を第1のピーク値候補としてメモリ回路47に一時的に記憶して(ステップS11)、ステップS7〜S8の処理を実行する(ステップS12)。
【0088】
一方、ステップS10の判断の結果、電流変化率ΔI/ΔTが正ではない時(ステップS10→NO)、CPU4Aは、電流変化率ΔI/ΔTが負(電流変化率ΔI/ΔT<0)であるか否かを判断する(ステップS13)。
【0089】
このステップS13の判断の結果、電流変化率ΔI/ΔT<0の時(ステップS13→YES)、このときのピーク値(例えば、図20における第2のピーク値m2 )を第2のピーク値候補としてメモリ回路47に一時的に記憶して(ステップS14)、ステップS7〜S8の処理を実行する(ステップS14)。
【0090】
CPU4Aは、ステップS7〜ステップS8の処理を実行中に、割り込み処理により第1および第2のピーク値候補の両方がメモリ回路47に記憶されたか否かを判断しており(ステップS15)、この判断の結果NOの場合(例えば、一方のみが記憶され、上記遅延時間経過後も第2のピーク値候補が記憶されない場合等)は、ステップS12の処理に戻ってステップS7〜ステップS8の処理を実行し、次ステップの処理には移行しない。
【0091】
一方、ステップS14の判断の結果、メモリ回路47に第1および第2のピーク値候補が記憶されていると判断された場合(ステップS15→YES;例えば、図20における時間変化(4))、CPU4Aは、メモリ回路47に記憶された第1および第2のピーク値候補(第1のピーク値m1 および第2のピーク値m2 )の大きさの大小を比較して(ステップS16)、その値の大きな方のピーク候補(例えば第1のピーク値候補m1 )を真のピーク値に設定するとともに、過去の状態がピークであったことに記憶を改めて(ボトムの記憶をクリア;ステップS17)、ステップS12の処理に移行し、ステップS7〜S8の処理を実行する。
【0092】
次に、図4に示した電力動揺検出機能10Aおよび電力動揺検出機能10Aに基づくCPU4Aの図5に示す処理を前掲図20に示す電力Pの動揺波形に関連付けて説明する。
【0093】
図20における時間変化(2)では、電力の動揺が第1のピークm1 を通過した時に、ボトム記憶部54Pの出力→「1」であり、電力変化率ΔP/ΔT→「<0」になるため、第1のアンドゲート部55Pの出力は「1」になる。
【0094】
この時間変化(2)の時、図20に示すように、電流変化率ΔI/ΔT>0であるため(ステップS10の判断の結果YES)、電流変化率符号判定部12Bの出力は「0」のままであるが、電流変化率符号判定部12Aの出力は「1」に変化し、第4のアンドゲート部20の出力も「1」に変化する。したがって、第1のピーク値一時記憶部22Aは、電力Pの凹み部分に係わる第1のピーク値m1 を第1のピーク値候補として一時的に記憶する(ステップS11参照)。
【0095】
また、時間変化(2)→時間変化(3)においては、ピーク値大小比較部23から「1」が出力されていないため、第2のアンドゲート部55Nの出力は「0」であり、ボトム検出部56Nは一過性ボトムmをボトムとは認定しない。
【0096】
一方、時間変化(4)の時、図20に示すように、電流変化率ΔI/ΔT<0であるため(ステップS13の判断の結果YES)、電流変化率符号判定部12Aの出力は「0」に変化し、電流変化率符号判定部12Bの出力は「1」に変化し、この結果、第5のアンドゲート部21の出力は「1」に変化する。したがって、第2のピーク値一時記憶部22Bは、電力Pの凹み部分に係わる第2のピーク値m2 を第2のピーク値候補として一時的に記憶する(ステップS14参照)。
【0097】
そして、ピーク値大小比較部23は、第1のピーク値候補(第1のピーク値m1 )の大きさと第2のピーク値候補(第2のピーク値候補m2 )の大きさとを比較し(ステップS16参照)、例えば第1のピーク値m1 >第2のピーク値m2 である場合、第1のピーク値m1 をピークと認定して、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアし、さらに脱調現象判断処理部57にピーク検出の情報を供給する(ステップS17参照)。
【0098】
以上述べたように、本実施形態によれば、電力動揺波形のピーク点に凹み、すなわち、第1のピークm1 、第2のピークm2 および一過性ボトムmが生じても、電流変化率の符号変化を参照して第1のピーク値候補および第2のピーク値候補をそれぞれ記憶し、記憶した第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の大きさに応じて真のピーク値を設定することができ、かつ第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の途中で生じた一過性ボトムmを真のボトムとして誤判定することを回避することができる。
【0099】
したがって、脱調現象判断機能Sに基づく処理を正確なピークおよびボトムを用いて行なうことができ、さらに、誤ピーク・誤ボトム検出により誤って脱調現象を判断する危険性が回避される。
【0100】
この結果、電力動揺検出(脱調現象検出)処理に係わる電力動揺検出装置の信頼性を向上させることができる。
【0101】
なお、本実施形態では、通常のピーク点を有する電力動揺波形、すなわち、凹みの無い電力動揺波形の場合、すなわち、第1のピーク値候補が記憶された後で上記遅延時間の経過しても第2のピーク値候補が記憶されない場合においては、CPU4Aは、第1のピーク値候補を真のピーク値に認定してピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアし、さらに脱調現象判断処理部57にピーク検出の情報を供給するようになっており、凹みの無い電力動揺波形においても、正確に応動することができる。
【0102】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係わる電力動揺検出装置1Bが搭載された装置の一例であるディジタルリレー2Bのブロック構成については、第1実施形態における図1と略同等であるため、その説明を省略する。
【0103】
本実施形態においては、電力動揺検出機能10Bが第1実施形態で説明した電力動揺検出装置1と異なるため、以下、電力動揺検出機能10Bについて説明する。
【0104】
図6は、ROM3Bに書き込まれた処理用プログラム(特に、電力動揺検出プログラム)に従ってCPU4Bにより実行される電力動揺検出機能10Bを示すブロック図である。なお、図6において、図15および図4と略同等の機能を有するブロックについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化している。
【0105】
図6によれば、電力動揺検出機能10Bとして、図4に示すブロック構成におけるピーク値大小比較部に代えて、第1のピーク値一時記憶部22Aおよび第2のピーク値一時記憶部22Bにそれぞれ一時的に記憶された第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の内の先に検出(記憶)されたピーク値候補をピーク値として選択し、脱調現象判断処理部57に対して選択したピーク値に対応するピーク検出の情報を供給するとともに、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアするピーク値選択部25を備えている。
【0106】
次に、図6に示した電力動揺検出機能10Bを前掲図20に示す電力Pの動揺波形に関連付けて説明する。
【0107】
第2実施形態で説明したように、図20における時間変化(2)では、電力変化率ΔP/ΔT→「<0」、電流変化率ΔI/ΔT>0であるため、第1のピーク値一時記憶部22Aは、電力Pの凹み部分に係わる第1のピーク値m1 を第1のピーク値候補として一時的に記憶する。
【0108】
また、時間変化(4)では、電流変化率ΔI/ΔT<0であるため、第2のピーク値一時記憶部22Bは、電力Pの凹み部分に係わる第2のピーク値m2 を第2のピーク値候補として一時的に記憶する。
【0109】
そして、ピーク値選択部25は、第1のピーク値候補(第1のピーク値m1 )および第2のピーク値候補(第2のピーク値m2 )の内の先に検出された(記憶された)ピーク値(第1のピーク値m1 )をピークと認定して、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアし、さらに脱調現象判断処理部57にピーク検出の情報を供給する。
【0110】
すなわち、本実施形態においても、第2実施形態と同様に、電流変化率の符号変化を参照して第1のピーク値候補および第2のピーク値候補をそれぞれ記憶し、記憶した第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の内の先に検出されたピーク値を真のピーク値として設定することができる。
【0111】
したがって、第2実施形態と同様に、脱調現象判断機能Sに基づく処理を正確なピークおよびボトムを用いて行なうことができ、さらに、誤ピーク・誤ボトム検出により誤って脱調現象を判断する危険性を回避して電力動揺検出(脱調現象検出)処理に係わる電力動揺検出装置の信頼性を向上させることができる。
【0112】
なお、本実施形態においても、第2実施形態と同様に、通常のピーク点を有する電力動揺波形、すなわち、凹みの無い電力動揺波形の場合、すなわち、第1のピーク値候補が記憶された後で上記遅延時間の経過しても第2のピーク値候補が記憶されない場合においては、第1のピーク値候補を真のピーク値に認定することにより、凹みの無い電力動揺波形においても、正確に応動することが可能である。
【0113】
また、本実施形態においては、ピーク値選択部25は、第1のピーク値一時記憶部22Aおよび第2のピーク値一時記憶部22Bにそれぞれ一時的に記憶された第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の内の先に検出(記憶)されたピーク値候補をピーク値として選択したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ピーク値選択部25' は、上記第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の内の後に検出(記憶)されたピーク値候補をピーク値として選択してもよい。
【0114】
この場合、前掲図20において、ピーク値選択部25' は、第1のピーク値候補(第1のピーク値m1 )および第2のピーク値候補(第2のピーク値m2 )の内の後に検出された(記憶された)ピーク値(第2のピーク値m2 )をピークと認定して、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアし、さらに脱調現象判断処理部57にピーク検出の情報を供給するようになっている。
【0115】
このように構成しても、第3の実施形態と略同等の効果が得られる。
【0116】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係わる電力動揺検出装置1Cが搭載された装置の一例であるディジタルリレー2Cのブロック構成については、第1実施形態における図1と略同等であるため、その説明を省略する。
【0117】
本実施形態においては、電力動揺検出機能10Cが第1実施形態で説明した電力動揺検出装置1と異なるため、以下、電力動揺検出機能10Cについて説明する。
【0118】
図7は、ROM3Cに書き込まれた処理用プログラム(特に、電力動揺検出プログラム)に従ってCPU4Cにより実行される電力動揺検出機能10Cを示すブロック図である。なお、図7において、図15および図4と略同等の機能を有するブロックについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化している。
【0119】
図7によれば、電力動揺検出機能10Cとして、図4に示すブロック構成におけるピーク値大小比較部に代えて、第1のピーク値一時記憶部22Aおよび第2のピーク値一時記憶部22Bにそれぞれ一時的に記憶された第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の平均値を計算してその平均値をピーク値として選択し、脱調現象判断処理部57に対して選択したピーク値に対応するピーク検出の情報を供給するとともに、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアするピーク値平均計算部26を備えている。
【0120】
次に、図7に示した電力動揺検出機能10Cを前掲図20に示す電力Pの動揺波形に関連付けて説明する。
【0121】
第2実施形態で説明したように、図20における時間変化(2)では、電力変化率ΔP/ΔT→「<0」、電流変化率ΔI/ΔT>0であるため、第1のピーク値一時記憶部22Aは、電力Pの凹み部分に係わる第1のピーク値m1 を第1のピーク値候補として一時的に記憶する。
【0122】
また、時間変化(4)では、電流変化率ΔI/ΔT<0であるため、第2のピーク値一時記憶部22Bは、電力Pの凹み部分に係わる第2のピーク値m2 を第2のピーク値候補として一時的に記憶する。
【0123】
そして、ピーク値平均計算部30は、第1のピーク値候補(第1のピーク値m1 )および第2のピーク値候補(第2のピーク値m2 )の平均値Av(Av=(m1 +m2 )/2)を計算し、得られた平均値Avをピークと認定して、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアし、さらに脱調現象判断処理部57にピーク検出の情報を供給する。
【0124】
すなわち、本実施形態においても、第2および第3実施形態と同様に、電流変化率の符号変化を参照して第1のピーク値候補および第2のピーク値候補をそれぞれ記憶し、記憶した第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の平均値を真のピーク値として設定することができる。
【0125】
したがって、第2および第3実施形態と同様に、脱調現象判断機能Sに基づく処理を正確なピークおよびボトムを用いて行なうことができ、さらに、誤ピーク・誤ボトム検出により誤って脱調現象を判断する危険性を回避して電力動揺検出(脱調現象検出)処理に係わる電力動揺検出装置の信頼性を向上させることができる。
【0126】
なお、本実施形態においても、第2および第3実施形態と同様に、通常のピーク点を有する電力動揺波形、すなわち、凹みの無い電力動揺波形の場合、すなわち、第1のピーク値候補が記憶された後で上記遅延時間の経過しても第2のピーク値候補が記憶されない場合においては、第1のピーク値候補を真のピーク値に認定することにより、凹みの無い電力動揺波形においても、正確に応動することが可能である。
【0127】
(第5の実施の形態)
上述した第1〜第4の実施形態においては、電力のピークの凹みを動揺としてとらえずに無視した状態でピークの認定を行なっている。この場合、電力動揺波形のピーク部分が頭打ちされて平坦化された電力動揺においてピークを認定していることと略同一であり、電力動揺の振幅が実際の振幅よりも小さくなる可能性がある。
【0128】
上述した各実施形態の脱調現象判断機能Sは、図13に示したように、電力動揺の振幅PP 、PN の隣接かつ連続する3波(PPm-2、PPm-1、PPm;PNm-2、PNm-1、PNm)が連続して増加傾向にあり、かつその大きさが一定値(K)以上であれば脱調現象に至ると判断する機能であるため、上述したように、電力動揺の振幅を実際の振幅よりも小さく検出してしまうと、脱調現象判断機能Sを実行した際に脱調判断が正確に行なわれないことや、脱調判断に応じた保護制御の実施が遅延する危険性がある。
【0129】
したがって、本実施形態では、電力動揺波形のピーク点に現れるボトム側へ向かって凹んだ部分(凹み)がピーク側へ折り返されるように上記電力動揺を構成する電力データを補正し、この補正した電力データを用いて電力のボトム・ピークを認定する処理を行なうことにより、凹み現象が生じている電力動揺の振幅を、凹み現象の無い電力動揺の振幅として検出することを可能にしている。
【0130】
以下、上述した機能を有する本実施形態の電力動揺検出装置について説明する。
【0131】
本発明の第5の実施の形態に係わる電力動揺検出装置1Dが搭載された装置の一例であるディジタルリレー2Dのブロック構成については、第1実施形態における図1と略同等であるため、その説明を省略する。
【0132】
本実施形態においては、電力動揺検出機能10Dが第1実施形態で説明した電力動揺検出装置1と異なるため、以下、電力動揺検出機能10Dについて説明する。
【0133】
図8は、ROM3Dに書き込まれた処理用プログラム(特に、電力動揺検出プログラム)に従ってCPU4Dにより実行される電力動揺検出機能10Dを示すブロック図である。なお、図8において、図15と略同等の機能を有するブロックについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化している。
【0134】
図8によれば、電力動揺検出機能10Dとして、電力変化率検出部52と略同等に、電力変化率ΔP/ΔTを検出する電力変化率検出部27と、検出されたΔP/ΔTが負(<0)のときに「1」、それ以外(≧0)のときに「0」を出力する電力変化率符号判定部28と、電力変化率符号判定部28の出力およびボトム記憶部54Pの出力のアンド演算を行ない、それらの出力の両方が「1」の場合において「1」を出力する第6のアンドゲート部29と、通常時は「0」を出力しており、第6のアンドゲート部29から「1」が出力された場合に電力動揺のピーク(仮のピーク)を検出して「1」を出力するピーク検出部30と、このピーク検出部30の出力が「0」から「1」に変化した時点での電力データをピーク値として一時的に記憶するピーク値一時記憶部31と、メモリ回路47に順次記憶されるディジタルデータDn1、Dn2に基づいて電力データPn を生成する電力データ生成部32と、ピーク値一時記憶部31により記憶されたピーク値から電力データPn を減算することにより、ピーク値を基準にした際の電力のピーク点での凹み波形を形成する電力データ(凹み波形データ)をピーク側へ折り返した極性を有する電力データとして生成する減算部33と、ピーク値一時記憶部31により記憶されたピーク値に対して、減算部33により生成されたピーク値を基準にした際の凹み波形データを上乗せ(加算)することにより、電力動揺波形のピーク点に現れる凹みがピーク側へ折り返されるように補正された補正電力データPncを生成する加算部34とを備えている。
【0135】
さらに、電力動揺検出機能10Dにおける電力のピーク点での凹みの有無を検出するための機能として、電流変化率ΔI/ΔTを検出する電流変化率検出部11と、検出されたΔI/ΔTが負(<0)のときに「1」、それ以外(≧0)のときに「0」を出力する電流変化率符号判定部12と、この電流変化率符号判定部12の出力および第6のアンドゲート部29の出力の排他的論理和演算を行ない、それらの出力の何れか一方が「1」で他方が「0」の時に「1」を出力し、両方の出力が「1」あるいは「0」の時に「0」を出力する排他的論理和ゲート部35と、この排他的論理和ゲート部35の出力に応じて加算部34により生成された補正電力データPnc、および電力データ生成部32により生成された電力データPn を切り換え出力する機能であり、排他的論理和ゲート部35の出力が「1」の時に補正電力データPncを、排他的論理和ゲート部35の出力が「0」の時に電力データPn を電力データP* として切り換え出力する切換部36とを備えている。
【0136】
図9は、図8に示した電力動揺検出機能10Dを実現するためのCPU4Dの処理の一例を示すフローチャートである。
【0137】
図9によれば、CPU4Dは、前掲図3のステップS1の処理(過去の電力状態→ピークorボトム)を行ない(ステップS20)、過去の状態がボトムであった場合(ステップS20→ボトム)、CPU4Dは、ステップS2の処理、すなわち、電力変化率ΔP/ΔT<0であるか否かを判断する処理を行なう(ステップS21)。なお、過去の状態がピークであった場合は、前掲図3に示したステップS5およびステップS6の処理を行なう。
【0138】
ステップS21の判断の結果、電力変化率ΔP/ΔT<0である場合(ステップS21→YES)、CPU4Dは、この時の電力値(例えば、図20における第1のピーク値m1 )をピーク値(仮のピーク値)としてメモリ回路47に一時的に記憶し(ステップS22)、順次メモリ回路47に順次記憶されるディジタルデータDn1、Dn2に基づく電力データPn を、メモリ回路47に一時的に記憶したピーク値から減算する(ステップS23)。
【0139】
そして、CPU4Dは、減算により得られたデータ(凹み波形データ)をメモリ回路47に記憶されたピーク値に加算することにより、電力動揺波形のピーク点に現れる凹みがピーク側へ折り返されるように補正された補正電力データPncを生成する(ステップS24)。
【0140】
一方、CPU4Dは、ステップS20〜S23の処理と並列に、前掲図3のステップS3の処理、すなわち、電流変化率ΔI/ΔTが負(電流変化率ΔI/ΔT<0)であるか否かを判断している(ステップS25)。
【0141】
このステップS25の判断の結果、電流変化率ΔI/ΔT≧0の場合(ステップS25→NO)、CPU4Dは、ステップS21の判断結果(YES、あるいはNO)を参照して(ステップS26)、ステップS21→YESの場合、メモリ回路47に順次記憶されるディジタルデータDn1、Dn2に基づく電力データPn の代わりに、ステップS23の処理により生成された補正電力データPncを用いて、前掲図15に示す電力動揺検出処理を行ない(ステップS27)、ステップS20の処理に戻る。
【0142】
また、ステップS26の参照処理において、ステップS21→NOの場合、CPU4Dは、メモリ回路47に順次記憶されるディジタルデータDn1、Dn2に基づく電力データPn をそのまま用いて、前掲図15に示す電力動揺検出処理を行ない(ステップS28)、ステップS20の処理に戻る。
【0143】
一方、ステップS25の判断の結果、電流変化率ΔI/ΔT<0の場合(ステップS25→YES)、CPU4Dは、ステップS21の判断結果(YES、あるいはNO)を参照して(ステップS29)、ステップS21→YESの場合、ステップS28の処理に移行して、上述した電力データPn を用いた前掲図15に示す電力動揺検出処理を行なう。
【0144】
また、ステップS21の判断処理がNOの場合(ステップS29の参照処理においてステップS21→NOの場合も含む)、CPU4Dは、ステップS27の処理に移行して、上述した補正電力データPncを用いた前掲図15に示す電力動揺検出処理を行なう。
【0145】
次に、図8に示した電力動揺検出機能10Dおよび電力動揺検出機能10Dに基づくCPU4Dの図9に示す処理を、図10に拡大して示す電力Pの動揺波形に関連付けて説明する。
【0146】
図10における時間変化(2)では、電力の動揺が第1のピークm1 を通過した時に、ボトム記憶部54Pの出力→「1」であり、電力変化率ΔP/ΔT→「<0」になるため、第6のアンドゲート部29の出力は「1」になり、ピーク検出部30は「1」を出力する(ステップS1→ボトム、ステップS21→YES)。
【0147】
このとき、ピーク値一時記憶部31は、第6のアンドゲート部29の出力「1」に応じて現在の電力値(第1のピーク値m1 )を仮のピーク値として一時的に記憶する(ステップS22参照)。
【0148】
一方、第1のピーク値m1 を通過してから(時間変化(2))、順次メモリ回路47に順次記憶されるディジタルデータDn1、Dn2に基づいて電力データ生成部32により電力データPn が生成されている。
【0149】
このとき、減算部33によりピーク値一時記憶部31に記憶された第1のピーク値m1 から電力データPn が減算されて凹み波形データが生成され、加算部34により生成された凹み波形データが第1のピーク値m1 に上乗せ(加算)され、電力動揺波形のピーク点に現れる凹みが図10に示す折り返し線L(第1のピーク値m1 を通る同一高さの線)を基準としてピーク側へ折り返されるように補正された補正電力データPncが生成される(ステップS23、ステップS24および図10参照)。
【0150】
一方、時間変化(2)では、図10に示すように、電流変化率ΔI/ΔT≧0であるため、電流変化率符号判定部12の出力→「0」であり、第6のアンドゲート部29の出力→は「1」であるため、排他的論理和ゲート部35の出力は「1」である。
【0151】
したがって、時間変化(2)においては、第6のアンドゲート部29の出力「1」に応じて切換部36により補正電力データPnc、すなわち、図10に示すように、電力のピーク点に現れる凹みをピーク側へ折り返した折り返し波形を構成する補正電力データPncが電力データP* として変化率検出部52に送られる(ステップS25、ステップ29およびステップS27参照)。
【0152】
時間変化(2)では、図10に示すように、電力変化率ΔP* /ΔT>0であるが、ピーク値記憶部54Nの出力が「0」であるため、第2のアンドゲート部55Nの出力は依然として「0」である。
【0153】
そして、電力の動揺が一過性ボトムmを通過した時、すなわち、補正電力データPncが折り返し波形のピーク値m' に一致した時に、ボトム記憶部54Pの出力→「1」であり、電力変化率ΔP* /ΔT→「<0」になるため、第1のアンドゲート部55Pの出力は「1」になる。
【0154】
したがって、ピーク検出部56Pは、折り返し波形のピーク値m' をピークと認定して、ピーク記憶部54Nの出力を「1」に制御し、ボトム記憶部54Pの出力を「0」にクリアし、さらに脱調現象判断処理部57にピーク検出の情報を供給する。
【0155】
以下、時間変化(3)では、図10に示すように、電流変化率ΔI/ΔT<0→電流変化率符号判定部12の出力→「1」であり、電力変化率ΔP/ΔT>0→第6のアンドゲート部29の出力→「0」であるため、排他的論理和ゲート部35の出力は依然として「1」のままである。
【0156】
したがって、時間変化(3)においても、切換部36の処理により、補正電力データPncが電力データP* として変化率検出部52に送られる(ステップS25〜ステップS27参照)。
【0157】
そして、時間変化(4)では、図10に示すように、電流変化率ΔI/ΔT<0→電流変化率符号判定部12の出力→「1」であり、電力変化率ΔP/ΔT<0→第6のアンドゲート部29の出力→「1」であるため、排他的論理和ゲート部35の出力は「1」から「0」に変化する。
【0158】
この結果、第6のアンドゲート部29の出力「0」に応じて切換部36により、通常の電力データPn が電力データP* として変化率検出部52に送られる(ステップS25、ステップS26およびステップS28参照)。
【0159】
以上述べたように、本実施形態によれば、電力動揺波形のピーク点に凹み、すなわち、第1のピークm1 、第2のピークm2 および一過性ボトムmが生じても、上記凹みがピーク側へ折り返された電力動揺波形のピーク値m' 、すなわち、凹み現象の無い電力動揺のピーク値として検出することができる。
【0160】
したがって、脱調現象判断機能Sに基づいて行なわれる凹み部分における振幅を、凹み現象の無い電力動揺のピーク値に基づく振幅として検出することができ、第1〜第4の実施形態において行なわれる脱調現象判断処理に比べて、脱調判断をより正確に行なうこと、および脱調判断に応じた保護制御の実施を迅速に行なうことが可能になる。
【0161】
なお、上述した第1〜第5の実施の形態において、電力動揺波形に対して、図16に示すように、小さな動揺が含まれていることが予測される場合には、図2、図4、図6〜図8に示した構成において、図17に示したように、第1および第2のアンドゲート部の出力の符号の変化を確認する可逆カウンタ部を設け、この可逆カウンタ部のカウント値が所定値に到達した時にボトム、あるいはピークと認定してもよい(詳細な動作説明については、上述した図17に関する記述部分参照)。
【0162】
このように構成すれば、第1〜第5実施形態において述べた効果に加えて、小さな動揺に応じて生じる偽ボトム、偽ピークに対して応動することを回避することができる。
【0163】
また、上述した各実施形態においては、電力動揺検出装置1をディジタルリレーに適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電力のピーク・ボトムを認識して電力波形の振幅を検出する装置であれば、あらゆる装置に適用可能である。
【0164】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、電流変化率の符号を求め、求めた電流変化率の符号と電力変化率の符号変化との関係を利用することにより、電力のピーク点で凹みが生じても単一のピーク点を検出して、ピーク・ボトムの誤判定を防止することができる。
【0165】
したがって、ピーク・ボトムの誤判定に起因した誤った脱調現象判断を防止することができ、電力動揺検出(脱調現象検出)処理に係わる電力動揺検出装置の信頼性を向上させることができる。
【0166】
また、本発明によれば、電力のピーク点で凹みが生じた際に、その凹み部分の電力の振幅を、凹み現象の無い電力動揺のピーク値に基づく振幅として検出することができるため、脱調判断をより正確に行なうことができ、脱調判断に応じた保護制御の実施を迅速に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる電力動揺検出装置が搭載された装置の一例であるディジタルリレーのブロック構成を示す図。
【図2】図1に示すCPUにより実行される電力動揺検出機能を示すブロック図。
【図3】図2に示した電力動揺検出機能を実現するためのCPUの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わるCPUにより実行される電力動揺検出機能を示すブロック図。
【図5】図4に示した電力動揺検出機能を実現するためのCPUの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係わるCPUにより実行される電力動揺検出機能を示すブロック図。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係わるCPUにより実行される電力動揺検出機能を示すブロック図。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係わるCPUにより実行される電力動揺検出機能を示すブロック図。
【図9】図8に示した電力動揺検出機能を実現するためのCPUの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図10】図20に示した電力動揺時における電力、電流の時間的変化を、その一部を拡大して示す図。
【図11】電力系統の構成を示す図。
【図12】電力動揺時における連系線での潮流状態を示す図。
【図13】従来の電力動揺検出機能を示す図。
【図14】従来の電力動揺検出機能を有するディジタルリレーのブロック構成を示す図。
【図15】CPUにより実行される電力動揺検出機能を示すブロック図。
【図16】小さな動揺を含む電力動揺波形を示す図。
【図17】図15に示す電力動揺検出機能に対して可逆カウンタ部を新たに設けた場合の電力動揺検出機能を示すブロック図。
【図18】一機無限大母線系統モデルの一例を示す図。
【図19】電力P、電流Iと位相角差θとの関係をP−θ曲線、I−θ曲線として示す図。
【図20】電力動揺時における電力、電流の時間的変化を示す図。
【符号の説明】
1 電力動揺検出装置
2 ディジタルリレー
3、3A〜3D ROM
4、4A〜4D CPU
10、10A〜10D 電力動揺検出機能
11 電流変化率符号検出部
12 電流変化率符号判定部
12A 第1の電流変化率符号判定部
12B 第2の電流変化率符号判定部
13 第3のアンドゲート部
20 第4のアンドゲート部
21 第5のアンドゲート部
22A 第1のピーク値一時記憶部
22B 第2のピーク値一時記憶部
23 ピーク値大小比較部
24 オンディレイタイマ
25 ピーク値選択部
26 ピーク値平均計算部
27、52 電力変化率検出部
28、53P、53N 電力変化率符号判定部
29 第6のアンドゲート部
30、56P、56PA ピーク検出部
31 ピーク値一時記憶部
32 電力データ生成部
33 減算部
34 加算部
35 排他的論理和ゲート部
36 切換部
41a、41b 入力変換器
42a、42b フィルタ
43 サンプルホールド回路
44 マルチプレクサ
45 A/D変換器
46 DMA
47 メモリ回路
54P ボトム記憶部
54N ピーク記憶部
55P 第1のアンドゲート部
55N 第2のアンドゲート部
56N ボトム検出部
57 脱調現象判断処理部

Claims (9)

  1. 電力系統の電圧信号および電流信号により生成されたディジタル形の電力データに基づいて前記電力系統に生じる電力動揺を検出する電力動揺検出装置において、
    前記電力データから電力の変化率の符号を検出する手段と、前記電力データに基づいて前記電力がボトムおよびピークの内のどちらか一方に至ったことを表す情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段により前記電力のピークの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が負から正に変化した時に前記電力がボトムに至ったと認定するボトム認定手段と、前記電流信号に基づいて電流の変化率の符号を検出する電流変化率符号検出手段と、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化した時、前記電流変化率の符号に応じて前記電力がピークに至ったか否かを判定する電力ピーク判定手段とを備えたことを特徴とする電力動揺検出装置。
  2. 前記電力ピーク判定手段は、前記電流変化率の符号が負の時に前記電力がピークに至ったと判定する手段を有したことを特徴とする請求項1記載の電力動揺検出装置。
  3. 前記電力ピーク判定手段は、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化し、かつ前記電流変化率の符号が正の時の前記電力の値を第1のピーク値候補として記憶する第1のピーク値候補記憶手段と、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化し、かつ前記電流変化率の符号が負の時の前記電力の値を第2のピーク値候補として記憶する第2のピーク値候補記憶手段と、第1のピーク値候補記憶手段に記憶された第1のピーク値候補および第2のピーク値候補記憶手段に記憶された第2のピーク値候補の内の何れか1つを前記電力のピーク値として判定する判定手段とを有したことを特徴とする請求項1記載の電力動揺検出装置。
  4. 前記判定手段は、前記第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の大きさを比較し、値の大きい方のピーク値候補を前記電力のピーク値として判定する手段である請求項3記載の電力動揺検出装置。
  5. 前記判定手段は、前記第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の内、先に前記第1のピーク値候補記憶手段あるいは前記第2のピーク値候補記憶手段に記憶されたピーク値候補を前記電力のピーク値として判定する手段である請求項3記載の電力動揺検出装置。
  6. 前記判定手段は、前記第1のピーク値候補および第2のピーク値候補の内、後に前記第1のピーク値候補記憶手段あるいは前記第2のピーク値候補記憶手段に記憶されたピーク値候補を前記電力のピーク値として判定する手段である請求項3記載の電力動揺検出装置。
  7. 前記電力ピーク判定手段は、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化し、かつ前記電流変化率の符号が正の時の前記電力の値を第1のピーク値候補として記憶する第1のピーク値候補記憶手段と、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化し、かつ前記電流変化率の符号が負の時の前記電力の値を第2のピーク値候補として記憶する第2のピーク値候補記憶手段と、第1のピーク値候補記憶手段に記憶された第1のピーク値候補および第2のピーク値候補記憶手段に記憶された第2のピーク値候補の平均値を算出し、この平均値を前記電力のピーク値として設定する設定手段とを有したことを特徴とする請求項1記載の電力動揺検出装置。
  8. 電力系統の電圧信号および電流信号により生成されたディジタル形の電力データに基づいて前記電力系統に生じる電力動揺を検出する電力動揺検出装置において、
    前記電力データから電力の変化率の符号を検出する第1の検出手段と、前記電力データに基づいて前記電力がボトムおよびピークの内のどちらか一方に至ったことを表す情報を記憶する記憶手段と、前記電流信号に基づいて電流の変化率の符号を検出する電流変化率符号検出手段と、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化した時の前記電力の値を仮のピーク値として記憶する仮ピーク値記憶手段と、前記仮ピーク値から前記電力データを減算し、減算して得られたデータに対して当該仮ピーク値を加算することにより補正電力データを生成する補正電力データ生成手段と、前記電力変化率の符号が負かつ前記電流変化率の符号が正、および前記電力変化率の符号が正かつ前記電流変化率の符号が負の時に、前記補正電力データ生成手段により生成された補正電力データを用いて、当該補正電力データに基づく補正電力の変化率の符号を検出する第2の検出手段と、前記記憶手段により前記電力のボトムの情報が記憶されている状態で前記補正電力変化率の符号が正から負に変化した時に前記電力がピークに至ったと認定する手段とを備えたことを特徴とする電力動揺検出装置。
  9. 電力系統の電圧信号および電流信号により生成されたディジタル形の電力データに基づいて前記電力系統に生じる電力動揺を検出する電力動揺検出用のコンピュータが読取り可能な記憶媒体において、
    前記電力データに基づいて前記コンピュータにより前記電力の変化率の符号を求めさせる手順と、前記電力データに基づいて前記電力がボトムおよびピークの内のどちらか一方に至ったことを前記コンピュータに検出させ、その電力のボトムあるいはピークの情報をメモリに記憶させる手順と、前記メモリに前記電力のピークの情報が記憶された状態で前記電力変化率の符号が負から正に変化した時に前記電力がボトムに至ったと前記コンピュータに認定させる手順と、前記電流信号に基づいて電流の変化率の符号を前記コンピュータに求めさせる手順と、前記メモリに記憶された前記電力のボトムの情報が記憶された状態で前記電力変化率の符号が正から負に変化した時、前記電流変化率の符号に応じて前記電力がピークに至ったか否かを前記コンピュータに判定させる手順とを備えたことを特徴とするコンピュータが読取り可能な記憶媒体。
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