JP6065559B2 - 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法及びプログラム - Google Patents

連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、連続鋳造機において鋳型の内部の湯面レベルを周期的な変動がなく、かつ目標レベルに維持するように制御する連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法及びプログラムに関する。
図7に、連続鋳造機の概要を示す。上下に開口を有する鋳型1の上方には、溶湯(溶融金属)2を貯留するタンディッシュ20が配されている。タンディッシュ20の底面には注湯ノズル3が連設され、鋳型1の内部にまで延長されており、タンディッシュ20内の溶湯2は、注湯ノズル3のスライディングゲート30を経て鋳型1内に注湯される。鋳型1内に注湯された溶湯2は、鋳型1の水冷された内壁との接触により冷却されて外側から凝固し、凝固シェルにより外側を被覆された鋳片4となって鋳型1の下方に連続的に引き抜かれる。鋳片4の引き抜きは、鋳型1の下方に所定の間隔毎に並設された複数対のガイドロール5により案内されながら、予め定めた鋳込み速度を保って行われる。この引き抜きの間に、鋳片4は、図示しないスプレ帯から噴射される冷却水により冷却され、最内部にまで凝固が進行した段階にて所定の寸法に切断され、圧延等の後工程において用いられる製品鋳片となる。
このような連続鋳造機においては、鋳型1の上部からの溶湯2の溢出、ブレークアウトの発生等、安定操業を阻害する各種の不都合を未然に防止して生産能率の向上を図るとともに、鋳型1の内部での冷却、凝固状態を安定化させ、製品鋳片の品質向上を図るため、鋳型1の内部に滞留する溶湯2の表面レベル(湯面レベル)を周期的な変動がなく、かつ適正レベルに維持することが重要である。
連続鋳造機の操業中、鋳型1の内部の湯面レベルは、該溶湯2の表面に臨ませたレベル計6により検出され、この検出レベルyが湯面レベル制御装置7に与えられる。また、湯面レベル制御装置7には、目標レベル設定器7aに設定された鋳型1の内部にて維持すべき湯面レベルの目標値(目標レベルr)が与えられる。湯面レベル制御装置7は、レベル計6による検出レベルyと目標レベル設定器7aに設定された目標レベルrとの偏差を求め、この偏差を解消するためのスライディングゲート30の開度変更量を求める。そして、求めた開度変更量を得るべく、スライディングゲート30の開閉用アクチュエータ(油圧シリンダ)31に開閉指令uを発し、この開閉指令uに応じたアクチュエータ31の動作によりスライディングゲート30の開度を変更し、鋳型1への注湯量を調節する。
一般的に、開度変更量は、前記偏差を入力とするPI演算又はPID演算により求められ、制御対象を含めた制御系の安定化を図るようにしている。
ところが、連続鋳造機の操業においては、鋳型1から引き抜かれる鋳片4のバルジング等、湯面レベルの変動を引き起こす周期的な外乱が存在する。バルジングとは、図8に示すように、鋳型1の下方に引き抜かれる鋳片4の外側の凝固シェルが、引き抜き経路に沿って並設された多数のガイドロール5による挾持部間において外側に膨らむように変形する現象である。このとき、鋳型1の内部の湯面レベルの変動は、凝固シェルの内側の溶湯が、バルジングに伴う変形により鋳型1に対して出入りすることにより発生し、バルジング量の時間的な変化が周期性レベル変動を引き起こすとされている。特に、ガイドロール5が同一ピッチで並設されている場合、各ガイドロール5でのバルジング量が同一位相にて変化するため、大きな変動幅を有する周期的なレベル変動が発生する。
このような外乱に起因して鋳型1の内部に発生する周期的なレベル変動は、上述した一般的な湯面レベル制御では抑制することが難しい。
従来から、周期的なレベル変動の抑制を図った湯面レベル制御方法が種々提案されている。
例えば特許文献1には、湯面レベル制御系を、図9に示すようなブロック線図で表すことが開示されている。湯面レベル制御装置7は、入力として与えられる目標レベルrと検出レベルyとの偏差を求め、この偏差に対応する偏差信号eを出力する加算器74と、この偏差信号eと後述する偏差補正量xとを加算し、両者の加算信号Eを出力する加算器75と、この加算信号Eを入力とし、開度変更量u0を演算する開度演算部76と、同じく加算信号Eを入力とし、開度演算部76により求められた開度変更量u0に加える開度補正量v、及び偏差信号eに加える偏差補正量xを夫々演算する補正量演算部77と、補正量演算部77の出力と開度演算部76の出力とを加算して開度指令uとして出力する加算器78とを備えて構成される。
補正量演算部77は、第1、第2、第3のフィルタ77a、77b、77cを備えるフィルタ要素として構成されている。加算信号Eは、第1のフィルタ77aに与えられ、フィルタ77aの出力qが第2、第3のフィルタ77b、77cに並列に与えられており、第2のフィルタ77bが開度補正量vを、第3のフィルタ77cが偏差補正量xを夫々出力する構成となっている。
ここで、開度演算部76の伝達関数をC0(s)とし(sはラプラス演算子)、補正量演算部77を構成する第1、第2、第3のフィルタ77a、77b、77cの伝達関数を夫々Q(s)、Ma(s)、Na(s)とする。第1、第2のフィルタ77a、77bは、開度演算部76の入力側のフィードフォワードループを、第1、第3のフィルタ77a、77cは、開度演算部76と並列されたフィードバックループを夫々構成していることから、偏差信号eを入力とし、開度指令uを出力とする伝達関数C(s)は、(1)式により表される。
C(s)=(C0(s)+Ma(s)Q(s))/(1−Na(s)Q(s))…(1)
図9は、上述した湯面レベル制御装置7を用いた湯面レベル制御系を、目標レベルをr、検出レベルをyとし、制御対象となる連続鋳造機の湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数をP(s)とし、また、操業中に湯面レベルの変動を引き起こす外乱をd(ノズル開度に換算したもの)として表したブロック線図である。
湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数P(s)は、(2)式により表される。
P(s)=Kf・Vf・Ks・exp(−Tds)/(Ams)
=Kp・exp(−Tds)/s…(2)
この式中、Vfはタンディッシュ20の底部での溶湯の流出速度、Kfはスライディングゲート30を含む注湯ノズル3の流量係数、Ksはスライディングゲート30の動作量に対する開口面積の変化率である。また、Amは鋳型1の水平方向断面積、Tdは注湯ノズル3の内部での湯落ちに要するむだ時間である。なお、Kp=Kf・Vf・Ks/Amである。
ここで、補正量演算部77が働かないと仮定した場合、図9に示すブロック線図は、図10に示すような単純なフィードバック制御系のブロック線図に簡略化される。この場合、偏差信号eを入力として開度演算部76で求められた開度変更量u0が開度指令として出力され、加算器73で外乱dが加算されて湯面レベル変動プロセスモデルに与えられ、鋳型1の内部の湯面レベルが変化する。このように変化する湯面レベルは、レベル計6による検出レベルyとしてフィードバックされ、加算器74において目標レベルrとの偏差が求められ、この偏差に対応する偏差信号eが開度演算部76に与えられて開度変更量u0が求められる。
従って、PI演算器、PID演算器等、それ自体安定な演算器により開度演算部76を構成すれば、補正量演算部77が働かない状態での制御系の基本特性を安定に定めることができる。
補正量演算部77は、以上のように安定に構成された制御系の感度関数のゲイン、又は相補感度関数ゲインのいずれか一方が、予め定めた目標周波数において小さくなるように以下に説明するようにして定められる。
補正量演算部77に含まれる第2のフィルタ77b、第3のフィルタ77cは、これらの伝達関数Ma(s)、Na(s)のいずれもが、(2)式により表される湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数をP(s)に対して安定であるように、(3)式ように構成する。
P(s)=Na(s)/Ma(s)…(3)
而して、図9に示す制御系の感度関数のゲイン、又は相補感度関数ゲインの低減は、補正量演算部77に含まれる第1のフィルタ77aの伝達関数Q(s)を以下の手順にて設定することにより実現する。
湯面レベル制御装置7は、第1、第2のフィルタ77a、77bを備えるフィードフォワード構造と、第1、第3のフィルタ77a、77cを備えるフィードバック構造とを備えるが、この構造は、第1のフィルタ77aが安定であれば常に安定である特性を有する。
図9に示すブロック線図において、検出レベルyと目標レベルrとの偏差信号eを入力として求められた開度指令uに従う制御動作により、外乱dの作用下にて鋳型1の内部にて変化する湯面レベルyを出力とする一巡ループの伝達関数は、(4)式にて表される。
Figure 0006065559
前記一巡ループを安定とするには、(4)式で表される伝達関数の全ての零点の実部が負であることが必要である。ここで、補正量演算部77が働かないと仮定して得られた図10に示すブロック線図において、同様の一巡ループの伝達関数は、1+P(s)C0(s)であり、これは、全ての零点の実部が負であり、しかも原点に極をもつ。
従って、(4)式の一巡伝達関数を有する制御系、即ち、図9に示す制御系が安定であるためには、1−Na(s)Q(s)の全ての極の実部が負であるか、又は1+P(s)C0(s)と同数の極を原点にもてばよい。ここで、上述したようにNa(s)は安定であることから、Q(s)の全ての極の実部が負であるか、又は1+P(s)C0(s)と同数の極を原点にもてば、図9に示す制御系は常に安定となる。
図9に示す制御系の感度関数S(s)は、目標レベルrを入力とし、偏差信号eを出力とする伝達関数として定義されるものであり、(5)式により表される。
S(s)=e/r=1/(1+P(s)C(s))…(5)
また、補正量演算部77が働かないと仮定して得られた図10に示す制御系の感度関数S0(s)は、(6)式により表される。
0(s)=e/r=1/(1+P(s)C0(s))…(6)
従って、(5)式により表される感度関数S(s)は、(4)式と(6)式とを用いて変形すると、(7)式により表される。
S(s)=(1−Na(s)Q(s))S0(s)…(7)
また、図9に示す制御系の相補感度関数T(s)は、目標レベルrを入力とし、湯面レベルyを出力とする伝達関数として定義されるものであり、(8)式により表される。
T(s)=y/r=P(s)C(s)/(1+P(s)C(s))…(8)
また、補正量演算部77が働かないと仮定して得られた図10に示す制御系の相補感度関数T0(s)は、(9)式により表される。
0(s)=y/r=P(s)C0(s)/(1+P(s)C0(s))…(9)
従って、(8)式により表される相補感度関数T(s)は、(4)式と(9)式とを用いて変形すると、(10)式により表される。
T(s)=(1−Ma(s)/C0(s)Q(s))T0(s)…(10)
このように、図9に示す制御系においては、補正量演算部77の第1のフィルタ77aの伝達関数Q(s)を適宜に調整することにより、(7)式に示す感度関数S(s)のゲイン、又は(10)式に示す相補感度関数T(s)のゲインを変更することができる。
以上により、感度関数又は相補感度関数のゲインを所定の目標周波数において小さくすることができるが、更には、目標周波数以外の周波数における感度関数又は相補感度関数のゲインが、補正量演算部77を備えない図10に示す制御系におけるそれらと可及的に近くなるように補正量演算部77を構成するのが望ましい。
このような目的は、感度関数のゲインに関して、(5)式に示す感度関数S(s)と、(6)式に示す感度関数S0(s)と、図3(a)に示すように、目標周波数において信号を遮断するノッチフィルタとしての特性を有する伝達関数Fn(s)とを用いた下記の評価関数Jを最小とするように、第1のフィルタ77aの伝達関数Q(s)を定めることにより達成される。
J=//Fn(s)−S(s)/S0(s)//∞…(11)
この式により表される評価関数Jは、伝達関数S(s)/S0(s)によってノッチフィルタ伝達関数Fn(s)を近似した誤差を、H∞ノルムで評価するものであり、Jの最小値をJminとすると、全てのωに対して(12)式の関係が成り立つ。但し、jは虚数単位である。
|Fn(jω)−S(jω)/S0(jω)|<Jmin …(12)
従って、Jminが十分に小さければ、S(jω)は、全ての周波数域においてS0(jω)/F(jω)に近付く。ここで、ノッチフィルタ伝達関数Fn(s)は、ω→0又はω→∞としたとき零ゲインとなるバンドパスフィルタ伝達関数Fb(s)を用いて(13)式により表される。
n(s)=1−Fb(s)…(13)
これと(7)式に示す関係とを用いれば、(11)式に示す評価関数Jは、(14)式のように変形される。
J=//−Fb(s)+Na(s)Q(s)//∞…(14)
次に、補正量演算部77の第1のフィルタ77aの伝達関数Q(s)の決定方法を具体的に説明する。第2のフィルタ77bの伝達関数Ma(s)と、第3のフィルタ77cの伝達関数Na(s)とは、上述したように、湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数をP(s)に対して安定であるように(3)式により決定する。また、上述したむだ時間伝達関数exp(−Tds)を(15)式に示す一次パデ近似により近似すると、(16)式、(17)式のように表される。
exp(−Tds)≒(1−(Td/2)s)/(1+(Td/2)s)…(15)
a(s)=(1−(Td/2)s)/{(1+(Td/2)s)(1+Tms)}…(16)
a(s)=s/{Kp(1+Tms)}…(17)
また、ノッチフィルタ伝達関数Fn(s)は、例えば(18)式のように定めることができる。
n(s)={s2+2gf(ωc/Qf)s+ωc 2}/{s2+2(ωc/Qf)s+ωc 2}…(18)
但し、ωc=2πfc、fcは目標周波数、gfは目標周波数fcにおけるFn(s)のゲイン(0<gf≦1)であり、Qf(>1)は、目標周波数fcを中心とする減衰帯域幅である。
従って、(14)式中に含まれるバンドパスフィルタの伝達関数Fb(s)は、(19)式のようになる。
b(s)=2(1−gf)(ωc/Qf)s/{s2+2(ωc/Qf)s+ωc 2}…(19)
(14)式に示す評価関数Jを最小とするQ(s)を求める問題は、H∞制御理論においてモデルマッチング問題として知られており、例えば「アドバンスト制御のためのシステム制御理論」(前田肇,杉江俊治著、朝倉書店、1990)のP124に記載された方法を用いることにより解くことができる。ここで、湯落ちに要するむだ時間Tdが0であるとき、評価関数Jを最小とするQ(s)は、(20)式のようになり、Jの最小値は0となる。
Q(s)=Fb(s)…(20)
また、むだ時間Tdが、Td>0であるとき、評価関数Jを最小とするQ(s)は、(21)式のようになり、Jの最小値はFb(2/Td)となる。
Q(s)=(Fb(s)−Fb(2/Td))/Na(s)…(21)
特許第3591422号公報
特許文献1では、湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数P(s)について、(2)式に示すように、注湯ノズル3の内部での湯落ちに要するむだ時間Tdを考慮している。
しかしながら、より実機に近い湯面レベル変動プロセスモデルとするには、注湯ノズル3の特性やレベル計6の特性も考慮すべきである。
特許文献1では、第2のフィルタ77bの伝達関数Ma(s)と、第3のフィルタ77cの伝達関数Na(s)とが、湯落ちに要するむだ時間Tdだけが考慮された湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数P(s)に合わせたもの、即ち、実機に対して簡略化されたものとなっている。そのため、特に高周波数域において位相ずれが生じ、湯面レベルの周期的なレベル変動を効果的に抑制できなくなるおそれがある。
また、特許文献1では、伝達関数S(s)/S0(s)=1−Na(s)Q(s)によってノッチフィルタ伝達関数Fn(s)をモデル近似するため、近似誤差は不可避である。
さらに、特許文献1では、(15)式に示すように、むだ時間伝達関数exp(−Tds)を一次パデ(Pade)近似している。
しかしながら、図11に示すように、一次パデ近似では、高周波になるほど近似誤差が大きくなることが知られている。例えばむだ時間1secの場合、0.2Hzで位相10度ずれ、0.3Hzで位相20度ずれが生じる。そのため、(16)式で表される伝達関数Na(s)の位相特性が特に高周波域で悪化してしまう。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、鋳型の内部の湯面レベルの周期的なレベル変動を効果的に抑制できるようにすることを目的とする。
本発明の連続鋳造機の湯面レベル制御装置は、連続鋳造機の操業中に鋳型の内部の湯面レベルを検出し、この検出レベルと予め定めた目標レベルとの偏差を用いて求めた開度指令に従って前記鋳型への注湯手段の開度を変更して、前記湯面レベルを前記目標レベルに維持するように制御する連続鋳造機の湯面レベル制御装置であって、前記偏差の補正値を入力とし、前記注湯手段の開度変更量を求める開度演算部と、前記偏差の補正値を入力とし、制御系の感度関数又は相補感度関数のゲインを所定の周波数に対して低減すべく、バンドパスフィルタ特性を用いて、前記偏差に加える偏差補正量、及び前記開度変更量に加える開度補正量を夫々求める補正量演算部と、前記補正量演算部により求められた偏差補正量を前記偏差に加算して前記偏差の補正値として出力する加算器と、前記補正量演算部により求められた開度補正量を前記開度演算部により求められた開度変更量に加算して前記開度指令を出力する加算器とを具備し、前記開度指令を入力とし、前記検出レベルを出力とする湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数に、前記注湯手段の一次遅れ要素、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間要素、及び前記湯面レベルを検出する検出手段の一次遅れ要素を含み、前記補正量演算部は、前記偏差の補正値が与えられる第1のフィルタと、前記第1のフィルタの出力が並列に与えられる第2、第3のフィルタとを備え、前記第2のフィルタが前記開度補正量を、前記第3のフィルタが前記偏差補正量を夫々出力する構成であり、前記第2のフィルタの伝達関数が、前記注湯手段の一次遅れ時定数、及び前記検出手段の一次遅れ時定数を含み、前記第3のフィルタの伝達関数が、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間を含み、前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは前記開度演算部の入力側のフィードフォワードグループを構成し、前記第1のフィルタ及び前記第3のフィルタは前記開度演算部と並列されたフィードバックグループを構成することを特徴とする。
また、本発明の連続鋳造機の湯面レベル制御装置の他の特徴とするところは、前記第1のフィルタの伝達関数が、前記バンドパスフィルタ特性と位相進み補償特性とをもつように離散時間系で記述される点にある。
また、本発明の連続鋳造機の湯面レベル制御装置の他の特徴とするところは、前記第3のフィルタの伝達関数が、離散時間系で記述される点にある。
本発明の連続鋳造機の湯面レベル制御方法は、連続鋳造機の操業中に鋳型の内部の湯面レベルを検出し、この検出レベルと予め定めた目標レベルとの偏差を用いて求めた開度指令に従って前記鋳型への注湯手段の開度を変更して、前記湯面レベルを前記目標レベルに維持するように制御する連続鋳造機の湯面レベル制御方法であって、前記偏差の補正値を用い、前記注湯手段に必要とされる開度変更量を求める一方、前記偏差の補正値を用い、制御系の感度関数又は相補感度関数のゲインを所定の周波数に対して低減すべく、バンドパスフィルタ特性を用いて、前記偏差に加える偏差補正量、及び前記開度変更量に加える開度補正量を夫々求め、前記偏差に前記偏差補正量を加えて前記偏差の補正値とし、前記開度変更量に前記開度補正量を加えて前記開度指令とするステップを有し、前記開度指令を入力とし、前記検出レベルを出力とする湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数に、前記注湯手段の一次遅れ要素、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間要素、及び前記湯面レベルを検出する検出手段の一次遅れ要素を含み、前記偏差補正量及び前記開度補正量の演算の際には、前記偏差の補正値が与えられる第1のフィルタと、前記第1のフィルタの出力が並列に与えられる第2、第3のフィルタとを用いて、前記第2のフィルタが前記開度補正量を、前記第3のフィルタが前記偏差補正量を夫々出力し、前記第2のフィルタの伝達関数が、前記注湯手段の一次遅れ時定数、及び前記検出手段の一次遅れ時定数を含み、前記第3のフィルタの伝達関数が、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間を含み、前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは前記開度変更量の演算の入力側のフィードフォワードを行い、前記第1のフィルタ及び前記第3のフィルタは前記開度変更量の演算と並列のフィードバックを行うことを特徴とする。
本発明のプログラムは、連続鋳造機の操業中に鋳型の内部の湯面レベルを検出し、この検出レベルと予め定めた目標レベルとの偏差を用いて求めた開度指令に従って前記鋳型への注湯手段の開度を変更して、前記湯面レベルを前記目標レベルに維持するように制御するためのプログラムであって、前記偏差の補正値を用い、前記注湯手段に必要とされる開度変更量を求める一方、前記偏差の補正値を用い、制御系の感度関数又は相補感度関数のゲインを所定の周波数に対して低減すべく、バンドパスフィルタ特性を用いて、前記偏差に加える偏差補正量、及び前記開度変更量に加える開度補正量を夫々求め、前記偏差に前記偏差補正量を加えて前記偏差の補正値とし、前記開度変更量に前記開度補正量を加えて前記開度指令とする処理をコンピュータに実行させ、前記開度指令を入力とし、前記検出レベルを出力とする湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数に、前記注湯手段の一次遅れ要素、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間要素、及び前記湯面レベルを検出する検出手段の一次遅れ要素を含み、前記偏差補正量及び前記開度補正量の演算の際には、前記偏差の補正値が与えられる第1のフィルタと、前記第1のフィルタの出力が並列に与えられる第2、第3のフィルタとを用いて、前記第2のフィルタが前記開度補正量を、前記第3のフィルタが前記偏差補正量を夫々出力し、前記第2のフィルタの伝達関数が、前記注湯手段の一次遅れ時定数、及び前記検出手段の一次遅れ時定数を含み、前記第3のフィルタの伝達関数が、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間を含み、前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは前記開度変更量の演算の入力側のフィードフォワードを行い、前記第1のフィルタ及び前記第3のフィルタは前記開度変更量の演算と並列のフィードバックを行うことを特徴とする。
本発明によれば、鋳型の内部の湯面レベルの周期的なレベル変動を効果的に抑制することができる。
実施形態に係る湯面レベル制御装置の構成を示す図である。 実施形態における連続鋳造機の湯面レベル変動プロセスモデル伝達関数P(s)を示す図である。 (a)がノッチフィルタ特性を示す図、(b)がバンドパスフィルタ特性を示す図である。 連続時間系と離散時間系における時間と出力との関係を示す図である。 周波数−ゲイン特性のシミュレーション結果を示す図である。 時間−湯面変動特性のシミュレーション結果を示す図である。 連続鋳造機の概要を示す図である。 バルジングを説明するための図である。 湯面レベル制御系のブロック線図である。 図9の湯面レベル制御系において補正量演算部が働かないと仮定した場合の湯面レベル制御系のブロック線図である。 パデ近似したときの誤差を説明するための周波数−位相特性を示すボーデ線図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、既述した構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
図1は、本実施形態に係る湯面レベル制御装置7の構成を示す図である。
湯面レベル制御装置7は、連続鋳造機の操業中に鋳型1の内部の湯面レベルを検出し、この検出レベルyと予め定めた目標レベルrとの偏差を用いて求めた開度指令に従って注湯手段である注湯ノズル3のスライディングゲート30の開度を変更して、湯面レベルを目標レベルrに維持するように制御する。
湯面レベル制御装置7は、加算器74と、加算器75と、開度演算部76と、補正量演算部77と、加算器78とを備える。
加算器74は、入力として与えられる目標レベルrと検出レベルyとの偏差を求め、この偏差に対応する偏差信号eを出力する。
加算器75は、加算器74から出力される偏差信号eと補正量演算部77から出力される偏差補正量xとを加算し、両者の加算信号Eを出力する。
開度演算部76は、加算器75から出力される加算信号Eを入力とし、開度変更量u0を演算する。
補正量演算部77は、加算器75から出力される加算信号Eを入力とし、開度演算部76により求められた開度変更量u0に加える開度補正量v、及び偏差信号eに加える偏差補正量xを夫々演算する。
加算器78は、補正量演算部77から出力される開度補正量vと開度演算部76から出力される開度変更量u0とを加算して開度指令uとして出力する。
本実施形態においても、図9に示したように、補正量演算部77は、第1、第2、第3のフィルタ77a、77b、77cを備えるフィルタ要素として構成されている。加算信号Eは、第1のフィルタ77aに与えられ、フィルタ77aの出力qが第2、第3のフィルタ77b、77cに並列に与えられており、第2のフィルタ77bが開度補正量vを、第3のフィルタ77cが偏差補正量xを夫々出力する構成となっている。
ここで、開度演算部76の伝達関数をC0(s)とし(sはラプラス演算子)、補正量演算部77を構成する第1、第2、第3のフィルタ77a、77b、77cの伝達関数を夫々Q(s)、Ma(s)、Na(s)とする。第1、第2のフィルタ77a、77bは、開度演算部76の入力側のフィードフォワードループを、第1、第3のフィルタ77a、77cは、開度演算部76と並列されたフィードバックループを夫々構成していることから、偏差信号eを入力とし、開度指令uを出力とする伝達関数C(s)は、(1)式により表される。
本実施形態では、図2に示すように、制御対象となる連続鋳造機の湯面レベル変動プロセスモデル伝達関数P(s)に、注湯ノズル3のスライディングゲート30の一次遅れ要素Psn(s)、注湯ノズル3の内部での湯落ちに要するむだ時間要素(鋳型1への湯落ちに要するむだ時間要素)Pd(s)、及びレベル計6の一次遅れ要素Pse(s)を含む。即ち、湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数P(s)は、(22)式のように表される。Kは係数、Tsnは注湯ノズル3のスライディングゲート30の一次遅れ時定数、Tdは注湯ノズル3の内部での湯落ちに要するむだ時間、Tseはレベル計6の一次遅れ時定数である。
Figure 0006065559
また、1−Na(s)Q(s)=ノッチフィルタ伝達関数Fn(s)となる伝達関数Q(s)を求めたいことは既述したとおりである。これは、換言すれば、(13)式より、Na(s)Q(s)=バンドパスフィルタ伝達関数Fb(s)となる伝達関数Q(s)を求めたいということになる(図3(a)、(b)も参照のこと)。
ここで、第3のフィルタ77cの伝達関数Na(s)は、むだ時間による遅れ特性をもつものである。従って、伝達関数Q(s)が、特定周波数を通過させるバンドパスフィルタ特性+位相進み補償特性をもつようにすればよいことになる。
また、制御アルゴリズムは実装の際に必ず離散化する。そこで、連続時間系で記述されるQ(s)をz変換して離散時間系で記述し、(23)式のように表す。qは離散時間系にしたときの演算子である。
Figure 0006065559
以上のように、1−Na(s)Q(s)によってノッチフィルタ伝達関数Fn(s)をモデル近似しないので、近似誤差が生じることもない。
湯面レベル変動プロセスモデル伝達関数P(s)に合わせて、第2のフィルタ77bの伝達関数Ma(s)と、第3のフィルタ77cの伝達関数Na(s)も変更する。第2のフィルタ77bの伝達関数Ma(s)と、第3のフィルタ77cの伝達関数Na(s)とは、上述したように、湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数をP(s)に対して安定であるように(3)式により決定し、(24)、(25)式のように表される。ここで、TmはMa(s)をプロパーな伝達関数とするため導入される一次遅れ要素であるが、外乱周波数帯域の5〜10倍の値とすることが望ましい。また、Kはプロセスが持つゲインである。
a(s)=1・exp(−Tds)/(1+Tms)3…(24)
a(s)=s・(1+Tsns)・(1+Tses)/K・(1+Tms)3…(25)
ここで、第1のフィルタ77aの伝達関数Q(s)を決定するに際してモデル近似を用いないので、伝達係数Na(s)を定めるのにパデ近似が不要となる。即ち、(26)式に示すように、むだ時間要素exp(−Tds)を連続時間系でなく、z変換して離散時間系で記述し、パデ近似を撤廃している。なお、d=Td/ΔT(ΔTは計算周期)である。
図4に、むだ時間のデジタル系での定式化による時間と出力との関係を示す。
図4(a)には、連続時間系における理想出力(点線)と、パデ近似による近似出力(実線)とを示す。パデ近似では、(15)式のようにsの多項式近似が必要となり、近似出力を理想出力に近づけることが困難である。
それに対して、図4(b)には、離散時間系における理想出力(点線)と、実出力(実線)とを示す。○はサンプリングタイミングを表す。離散時間系で記述することにより、実出力を理想出力に近いもの(サンプリングタイミングのずれ程度の相違)とすることができる。
Figure 0006065559
以上のように、パデ近似を撤廃することにより、特に高周波域における伝達関数Na(s)の位相特性の悪化を避けることができる。
図5には、特許文献1に開示された方式(以下、従来の方式と記す)と実施形態の方式とにおける周波数−ゲイン特性のシミュレーション結果を示す。図5に示すように、従来の方式による湯面レベル制御にあっては、図中の点線で示すように、目標周波数より高い周波数域で立ち上がり(外乱影響の増大)がみられる。それに対して、実施形態の方式による湯面レベル制御にあっては、図中の実線で示すように、従来の方式のような立ち上がりはみられず、目標周波数での周期的なレベル変動を効果的に抑制することができる。
図6には、従来の方式と実施形態の方式とによる時間−湯面変動特性のシミュレーション結果を示す。図6に示すように、従来の方式から実施形態の方式に切り替えることにより(制御ON)、±5mm程度あった湯面変動を±2mm程度に抑制することができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
本発明を適用した連続鋳造機の湯面レベル制御装置は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータ装置により実現される。
また、本発明は、本発明の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。
1:鋳型、2:溶湯(溶融金属)、20:タンディッシュ、3:注湯ノズル、30:スライディングゲート、31:開閉用アクチュエータ(油圧シリンダ)、4:鋳片、5:ガイドロール、6:レベル計、7:湯面レベル制御装置、74:加算器、75:加算器、76:開度演算部、77:補正量演算部、77a:第1のフィルタ、77b:第2のフィルタ、77c:第3のフィルタ、78:加算器

Claims (5)

  1. 連続鋳造機の操業中に鋳型の内部の湯面レベルを検出し、この検出レベルと予め定めた目標レベルとの偏差を用いて求めた開度指令に従って前記鋳型への注湯手段の開度を変更して、前記湯面レベルを前記目標レベルに維持するように制御する連続鋳造機の湯面レベル制御装置であって、
    前記偏差の補正値を入力とし、前記注湯手段の開度変更量を求める開度演算部と、
    前記偏差の補正値を入力とし、制御系の感度関数又は相補感度関数のゲインを所定の周波数に対して低減すべく、バンドパスフィルタ特性を用いて、前記偏差に加える偏差補正量、及び前記開度変更量に加える開度補正量を夫々求める補正量演算部と、
    前記補正量演算部により求められた偏差補正量を前記偏差に加算して前記偏差の補正値として出力する加算器と、
    前記補正量演算部により求められた開度補正量を前記開度演算部により求められた開度変更量に加算して前記開度指令を出力する加算器とを具備し、
    前記開度指令を入力とし、前記検出レベルを出力とする湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数に、前記注湯手段の一次遅れ要素、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間要素、及び前記湯面レベルを検出する検出手段の一次遅れ要素を含み
    前記補正量演算部は、前記偏差の補正値が与えられる第1のフィルタと、前記第1のフィルタの出力が並列に与えられる第2、第3のフィルタとを備え、前記第2のフィルタが前記開度補正量を、前記第3のフィルタが前記偏差補正量を夫々出力する構成であり、
    前記第2のフィルタの伝達関数が、前記注湯手段の一次遅れ時定数、及び前記検出手段の一次遅れ時定数を含み、
    前記第3のフィルタの伝達関数が、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間を含み、
    前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは前記開度演算部の入力側のフィードフォワードグループを構成し、前記第1のフィルタ及び前記第3のフィルタは前記開度演算部と並列されたフィードバックグループを構成することを特徴とする連続鋳造機の湯面レベル制御装置。
  2. 前記第1のフィルタの伝達関数が、前記バンドパスフィルタ特性と位相進み補償特性とをもつように離散時間系で記述されることを特徴とする請求項に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。
  3. 前記第3のフィルタの伝達関数が、離散時間系で記述されることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。
  4. 連続鋳造機の操業中に鋳型の内部の湯面レベルを検出し、この検出レベルと予め定めた目標レベルとの偏差を用いて求めた開度指令に従って前記鋳型への注湯手段の開度を変更して、前記湯面レベルを前記目標レベルに維持するように制御する連続鋳造機の湯面レベル制御方法であって、
    前記偏差の補正値を用い、前記注湯手段に必要とされる開度変更量を求める一方、
    前記偏差の補正値を用い、制御系の感度関数又は相補感度関数のゲインを所定の周波数に対して低減すべく、バンドパスフィルタ特性を用いて、前記偏差に加える偏差補正量、及び前記開度変更量に加える開度補正量を夫々求め、
    前記偏差に前記偏差補正量を加えて前記偏差の補正値とし、前記開度変更量に前記開度補正量を加えて前記開度指令とするステップを有し、
    前記開度指令を入力とし、前記検出レベルを出力とする湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数に、前記注湯手段の一次遅れ要素、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間要素、及び前記湯面レベルを検出する検出手段の一次遅れ要素を含み、
    前記偏差補正量及び前記開度補正量の演算の際には、前記偏差の補正値が与えられる第1のフィルタと、前記第1のフィルタの出力が並列に与えられる第2、第3のフィルタとを用いて、前記第2のフィルタが前記開度補正量を、前記第3のフィルタが前記偏差補正量を夫々出力し、
    前記第2のフィルタの伝達関数が、前記注湯手段の一次遅れ時定数、及び前記検出手段の一次遅れ時定数を含み、
    前記第3のフィルタの伝達関数が、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間を含み、
    前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは前記開度変更量の演算の入力側のフィードフォワードを行い、前記第1のフィルタ及び前記第3のフィルタは前記開度変更量の演算と並列のフィードバックを行うことを特徴とする連続鋳造機の湯面レベル制御方法。
  5. 連続鋳造機の操業中に鋳型の内部の湯面レベルを検出し、この検出レベルと予め定めた目標レベルとの偏差を用いて求めた開度指令に従って前記鋳型への注湯手段の開度を変更して、前記湯面レベルを前記目標レベルに維持するように制御するためのプログラムであって、
    前記偏差の補正値を用い、前記注湯手段に必要とされる開度変更量を求める一方、
    前記偏差の補正値を用い、制御系の感度関数又は相補感度関数のゲインを所定の周波数に対して低減すべく、バンドパスフィルタ特性を用いて、前記偏差に加える偏差補正量、及び前記開度変更量に加える開度補正量を夫々求め、
    前記偏差に前記偏差補正量を加えて前記偏差の補正値とし、前記開度変更量に前記開度補正量を加えて前記開度指令とする処理をコンピュータに実行させ、
    前記開度指令を入力とし、前記検出レベルを出力とする湯面レベル変動プロセスモデルの伝達関数に、前記注湯手段の一次遅れ要素、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間要素、及び前記湯面レベルを検出する検出手段の一次遅れ要素を含み、
    前記偏差補正量及び前記開度補正量の演算の際には、前記偏差の補正値が与えられる第1のフィルタと、前記第1のフィルタの出力が並列に与えられる第2、第3のフィルタとを用いて、前記第2のフィルタが前記開度補正量を、前記第3のフィルタが前記偏差補正量を夫々出力し、
    前記第2のフィルタの伝達関数が、前記注湯手段の一次遅れ時定数、及び前記検出手段の一次遅れ時定数を含み、
    前記第3のフィルタの伝達関数が、前記鋳型への湯落ちに要するむだ時間を含み、
    前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは前記開度変更量の演算の入力側のフィードフォワードを行い、前記第1のフィルタ及び前記第3のフィルタは前記開度変更量の演算と並列のフィードバックを行うことを特徴とするプログラム。
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