JP6417936B2 - 積層体及び表示体カバー - Google Patents
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基材層:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(1)と、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(2)との2層で構成されるポリカーボネート樹脂層
層(A):少なくともパーフルオロポリエーテル構造及びシロキサン構造のうちの少なくとも1つとアクリロイル基とを有する化合物(A−1)を含む硬化性組成物(α)及び/又はその硬化物からなる層
層(B):ウレタン(メタ)アクリレート及びその変性体、エポキシ(メタ)アクリレート及びその変性体、並びにアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びその変性体からなる群のうちの少なくとも1つのアクリロイル基を有する化合物(B−1)を含み、かつ該化合物(B−1)の含有量がアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し20重量%以上である硬化性組成物(β)及び/又はその硬化物からなる層
このため、本発明の積層体は、タッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品;ランプ関連物品、ウインドウ関連物品(リアウィンドウ、サイドウィンドウ、天窓等)等の自動車関連部品;各種電気機器の筐体;化粧板、家具等の生活関連物品等の幅広い物品の表面カバーに好適に用いることができる。これらの中でもタッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品の表面カバー、即ち表示体カバーとして特に好適に用いることができる。
また、本明細書において、「………に由来する構造単位」とは、ポリマーの製造原料として用いられたモノマーが、その単独重合又は共重合により得られたポリマー中で、ポリマーを構成する繰り返し単位として存在する一単位を表す。
本発明の積層体は、少なくとも下記基材層と、該基材層の一方の面に下記層(A)、他方の面に層(B)とを有し、該基材層の厚みが0.3〜30mmであるものである。
基材層:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(1)を少なくとも有するポリカーボネート樹脂層
層(A):少なくともパーフルオロポリエーテル構造及びシロキサン構造のうちの少なくとも1つとアクリロイル基とを有する化合物(A−1)を含む硬化性組成物(α)及び/又はその硬化物からなる層
層(B):ウレタン(メタ)アクリレート及びその変性体、エポキシ(メタ)アクリレート及びその変性体、並びにアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びその変性体からなる群のうちの少なくとも1つのアクリロイル基を有する化合物(B−1)を含み、かつ該化合物(B−1)の含有量がアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し20重量%以上である硬化性組成物(β)及び/又はその硬化物からなる層
本発明の積層体に用いられる基材層は、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)に由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(1)を少なくとも有するポリカーボネート樹脂層である。
ここで、層(1)及び後述の層(2)における「主成分とする」とは、ポリカーボネートを構成する全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に占める当該構成単位の割合が50重量%を超えることを意味し、好ましくはこの割合は60重量%以上、より好ましくは70〜100重量%である。
また、この場合において、層(1)側に後述の層(A)を、層(2)側に後述の層(B)を形成することが好ましい。
本発明の積層体において、層(A)は、少なくともパーフルオロポリエーテル構造及びシロキサン構造のうちの少なくとも1つとアクリロイル基とを有する化合物(A−1)を含む硬化性組成物(α)及び/又はその硬化物からなる層である。
硬化性組成物(α)は、パーフルオロポリエーテル構造及びシロキサン構造のうちの少なくとも1つとアクリロイル基とを有する化合物(A−1)を少なくとも含むものである。
硬化性組成物(α)が化合物(A−1)を含むことにより、本発明の積層体が高硬度なものとなり、耐傷付性が付与される。硬化性組成物(α)は、好ましくは化合物(A−1)と、化合物(A−1)以外の活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)とを含むものであり、硬化性組成物(α)中の化合物(A−1)の含有量は、層(A)の硬度、耐傷付性の観点から、硬化性組成物(α)中のアクリロイル基を有する化合物の合計量に対して、0.05重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上であることがより好ましく、0.5重量%以上であることが更に好ましい。一方、硬化性組成物(α)の硬化性を良好なものとする観点から、化合物(A−1)の含有量は、10重量%以下であることが好ましく、8重量%以下であることがより好ましく、6重量%以下であることが更に好ましい。
本発明の積層体は、硬化性組成物(α)が化合物(A−1)を含むことにより、層(A)側の耐傷付性が良好なものとなる。
硬化性組成物(α)に含まれる活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)は、前記化合物(A−1)以外の化合物であり、活性エネルギー線の照射により硬化反応しうる官能基を有するものであれば特に制限されない。
本発明に用いる硬化性組成物(α)は、硬化性を向上させるため、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は公知のものを使用することができる。光重合開始剤としては例えば、光ラジカル発生剤、光酸発生剤等が挙げられる。
硬化性組成物(α)は、有機溶媒を含むことが好ましい。有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、硬化性組成物(α)に含まれる成分の種類等を考慮して適宜選択することができる。用いることができる有機溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、アニソール、フェネトール等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテート等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。
本発明に用いる硬化性組成物(α)は、本発明の効果を阻害しない範囲で上記の化合物(A−1)、活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)、光重合開始剤及び有機溶媒以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填剤、シランカップリング剤、反応性希釈剤、帯電防止剤、有機顔料、スリップ剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、消泡剤、酸化防止剤、レベリング剤等が挙げられる。
層(A)の厚みは、硬度、耐傷付性の観点から1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、4μm以上であることが特に好ましい。一方、耐カール性の観点から、100μm以下であることが好ましく、45μm以下であることがより好ましく、40μm以下であることが更に好ましく、35μm以下であることが特に好ましく、30μm以下であることが最も好ましい。
本発明の積層体において、層(B)は、ウレタン(メタ)アクリレート及びその変性体、エポキシ(メタ)アクリレート及びその変性体、並びにアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びその変性体からなる群のうちの少なくとも1つのアクリロイル基を有する化合物(B−1)を含み、かつ該化合物(B−1)の含有量が硬化性組成物(β)中のアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し20重量%以上である硬化性組成物(β)及び/又はその硬化物からなる層である。
層(B)の硬化性組成物(β)は、ウレタン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート変性体、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート変性体、アルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート変性体からなる群のうちの少なくとも1つのアクリロイル基を有する化合物(B−1)を含み、かつ該化合物(B−1)の含有量がアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し20重量%以上であるものである。硬化性組成物(β)は化合物(B−1)以外の活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)を含むものであってもよい。
本発明の積層体は、硬化性組成物(β)が化合物(B−1)を含むことにより、耐衝撃性が良好なものとなる。化合物(B−1)としては、具体的には以下のような化合物が挙げられる。
硬化性組成物(β)は上記の化合物(B−1)以外の活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)を含んでいてもよい。
硬化性組成物(β)に含まれる活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)は、前記化合物(B−1)以外の化合物であり、活性エネルギー線の照射により硬化反応しうる官能基を有するものであれば特に制限されない。
本発明に用いる硬化性組成物(β)は、層(B)の硬化性を向上させるために、光重合開始剤を含むことが好ましい。ここで用いることのできる光重合開始剤は、硬化性組成物(α)において挙げたものと同様である。
本発明に用いる硬化性組成物(β)は有機溶媒を含むことが好ましい。ここで用いることのできる有機溶媒の種類及びその量、即ち、硬化性組成物(β)の固形分濃度は、硬化性組成物(α)において挙げたものと同様である。
本発明に用いる硬化性樹脂組成物(β)は、本発明の効果を阻害しない範囲で上記の化合物(B−1)、活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)、光重合開始剤及び有機溶媒以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填剤、シランカップリング剤、反応性希釈剤、帯電防止剤、有機顔料、スリップ剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、消泡剤、酸化防止剤、レベリング剤等が挙げられる。
層(B)の厚みは、耐衝撃性の観点から1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることが更に好ましく、4μm以上であることが特に好ましい。一方、耐カール性、耐衝撃性の観点から、100μm以下であることが好ましく、45μm以下であることがより好ましく、40μm以下であることが更に好ましく、35μm以下であることが特に好ましく、30μm以下であることが最も好ましい。
層(A)と層(B)の厚み比が上記範囲であることにより、本発明の積層体の耐カール性がより良好なものとなる傾向にある。
本発明の積層体は、基材層の一方の層に層(A)を形成し、他方の面に層(B)を形成することにより製造することができる。層(A)と層(B)とはいずれを先に形成してもよく、これらを同時に形成してもよい。
本発明の積層体は、耐傷付性、硬度、耐衝撃性、耐衝撃性、耐カール性、透明性等に優れたものである。このため、本発明の積層体は、タッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品;ランプ関連物品、ウインドウ関連物品(リアウィンドウ、サイドウィンドウ、天窓等)等の自動車関連部品;各種電気機器の筐体、化粧板、家具等の生活関連物品等の幅広い物品の表面カバーに好適に用いることができる。これらの中でもタッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品の表面カバー、即ち表示体カバーとして特に好適に用いることができる。なお、本発明の積層体を表示体カバーとして用いる場合、表示体は前面に高硬度、耐擦傷性、防汚性の機能を有することが好ましく、また、裏面に耐衝撃性、加工工程に耐え得る硬度、耐擦傷性の機能を有することが好ましいことから、本発明の積層体における層(A)を前面側に有し、層(B)を裏面側に有する表示体カバーとすることが特に好ましい。
<合成例1>
撹拌機、還流冷却管及び温度計を取り付けた反応器に、数平均分子量5,000の片末端メタクリロイル基置換ポリジメチルシロキサン(JNC社製「サイラプレーン(登録商標) FM0721」、前記式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートに該当する化合物)20重量部、グリシジルメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステルG」)60重量部、メチルメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステルM」)10重量部、ステアリルメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステルS」)10重量部、メチルイソブチルケトン(MIBK)151重量部を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃まで昇温し、ここへ2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)1.2重量部、1−ドデカンチオール(和光純薬社製)0.9重量部を添加した後、系内を65℃まで昇温し、3時間撹拌した後、更にV−65を0.6重量部添加して65℃で3時間撹拌した。系内を100℃まで昇温し、30分間撹拌した後、MIBK163重量部を加え、再度系内を100℃まで昇温した。ここへ、p−メトキシフェノール(和光純薬工業社製)0.5重量部とトリフェニルホスフィン(和光純薬工業社製)2.6重量部を添加した後、アクリル酸(三菱化学社製)31.0重量部を加え、110℃まで昇温して6時間撹拌した。冷却後、MIBK4.8重量部を添加し、数平均分子量6,500の共重合体(F1)のMIBK溶液を得た。なお、共重合体(F1)のMIBK溶液の組成は[共重合体(F1)の重量]/[MIBKの重量]=30/70(固形分30重量%)となるようにした。
以下において、使用した基材、原料等とその略称は以下の通りである。
・C−PC/PCシート:日本ウェーブロック社製 ShineTech PW−10(厚み:1.0mm(C−PC層の厚み:0.060mm、PC層の厚み:0.94mm))
・PMMA/PCシート:日本ウェーブロック社製 ShineTech AW−10(厚み:1.0mm(PMMA層の厚み:0.054mm、PC層の厚み:0.95mm))
・PMMAシート:三菱レイヨン社製 アクリライト(厚み1.0mm)
・耐衝撃性PMMAシート:三菱レイヨン社製 アクリライト(耐衝撃グレード)(厚み0.8mm)
・PCシート:三菱瓦斯化学社製 ユーピロン NF−2000(厚み1.0mm)
上記「C−PC」は、ビスフェノールCに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂であり、「C−PC層」は「層(1)」に該当する。「PC」は、ビスフェノールAに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂であり、「PC層」は「層(2)」に該当する。「PMMA」はポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)をさす。
・UA−160TM:新中村化学工業社製 UA160TM(ポリテトラメチレングリコール構造を有するウレタンアクリレート、アクリロイル基が2個)
・M313:東亞合成社製 アロニックスM313(イソシアヌル酸エチレンオキサイド(EO)変性ジアクリレート(ウレタンアクリレートの一種)及びイソシアヌル酸エチレンオキサイド(EO)変性トリアクリレート(ウレタンアクリレートの一種)の混合物、アクリロイル基が3個))
・A−TMPT−9EO:新中村化学工業社製 A−TMPT−9EO(エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(アルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレートの一種)、アクリロイル基が3個)
・RS−76−E:DIC社製 メガファック(登録商標) RS−76−E(パーフルオロポリエーテル構造とアクリロイル基とを有する化合物)
・DAC−HP:ダイキン工業社製 オプツール(登録商標) DAC−HP(パーフルオロポリエーテル構造とアクリロイル基とを有する化合物)
・共重合体(F1):合成例1で得られた共重合体(F1)(シロキサン構造とアクリロイル基を有する化合物)
・DPHA:日本化薬社製 KAYARAD DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物)(活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)と活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)のいずれにも該当する化合物)
・BYK−306:ALTANA社製 BYK−306(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
<硬化性組成物(α−1)>
RS−76−E、DPHA及びM313を固形分重量比で1.5:86.5:12になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(α−1)を得た。
DAC−HP、DPHA及びM313を固形分重量比で1.5:86.5:12になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(α−2)を得た。
共重合体(F1)、DPHA及びM313を固形分重量比で1.5:86.5:12になるように配合し、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(α−3)を得た。
<硬化性組成物(β−1)>
DPHA及びUA−160TMを固形分重量比で60:40になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を4.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1(重量比)の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(β−1)を得た。
DPHA及びA−TMPT−9EOを固形分重量比で60:40になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を4.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1(重量比)の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(β−2)を得た。
RS−76−E、DPHA及びUA−160TMを固形分重量比で1.5:68.5:30になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1(重量比)の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(β−3)を得た。
RS−76−E、DPHA及びA−TMPT−9EOを固形分重量比で1.5:68.5:30になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1(重量比)の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(β−4)を得た。
<硬化性組成物(γ−1)>
BYK−306、DPHA及びM313を固形分重量比で1.5:86.5:12になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(γ−1)を得た。
以下、本発明にかかる実施例及び比較例を示す。
以下の実施例・比較例で得られた積層体は以下の方法により評価した。
#0000のスチールウールを用い、加重160g/cm2にて硬化させた層(A)の表面を300往復擦り、試験後の硬化膜の傷付きの程度を以下の通り評価した。
○:傷が100本以下であるもの
×:傷が100本より多いもの
硬化させた層(A)の表面について、JIS準拠鉛筆硬度計(太佑機材社製)を用い、JIS K−5400の条件に基づき測定を行い、傷の入らない最も硬い鉛筆の番手を確認し、以下の基準で評価した。
○:鉛筆硬度3H以上であるもの
△:鉛筆硬度2Hであるもの
×:鉛筆硬度H以下であるもの
層(A)側を上面に、層(B)側を下面に置いた、幅4cm、長さ8cmの試験片の中心に向って、22gの鋼球を上方から自然落下させる剛球落下試験を行い、耐衝撃性を以下の通り評価した。なお、鋼球を落下させる高さは5cmごとに変えて評価を行った。
○:30cmまでの上方から落下させても割れずに且つ傷が付かなかったもの
×:上方30cm以下の位置からの落下で割れた、もしくは傷が付いたもの
幅8cm、長さ15cmの試験片を垂直方向にセットし、恒温恒湿試験機(エスペック社製、PL−2ST)を使用して温度80℃、湿度85%環境下に72時間放置し、試験機から取り出して温度23℃、湿度60%の恒温室に2時間静置して放熱させ、層(A)側を上面にして4点の反りの最大値を測った。
○:反りの最大値が0.5mm以下のもの
×:反りの最大値が0.5mmより大きいもの
JIS K−7136に従ってヘーズメーター(村上色彩技術研究所製「HAZE METER HM−65W」)にてヘーズ値を測定し、0.3%以下を合格として以下の通り評価した。
○:ヘーズ値が0.3%以下であるもの
×:ヘーズ値が0.3%より大きいもの
<実施例1>
C−PC/PCシートのPC基材面に硬化性組成物(β−1)を乾燥後の塗膜が10μmとなるようにバーコーターにて塗布した。この塗膜を80℃で1.5分間加熱して乾燥させた後、出力120W/cmの高圧水銀灯を使用し、450mW/cm2、500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化膜を被覆させ、基材のPC基材面上に層(B)を形成した。次に、基材のC−PC基材面に硬化性組成物(α−1)を乾燥後の塗膜が10μmとなるようにバーコーターにて塗布し、80℃で1.5分間加熱して塗膜を乾燥した。その後、出力80W/cmの高圧水銀灯を使用し、100mW/cm2、300mJ/cm2の紫外線を照射して硬化膜を被覆させ、C−PC基材面上に層(A)を形成して積層体を得た。
積層体の各層に用いた硬化性組成物の種類及び各層の厚みを表−1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして積層体を得た。
表−1からわかるように、実施例1〜4の積層体は、層(A)側の耐傷付性、硬度、耐衝撃性、耐カール性に優れ、透明性も良好であった。一方、比較例1では、基材層上に層(A)に該当する層を形成しなかったところ、耐傷付性が悪かった。比較例2、3、5では、基材層上に層(A)に該当する層を形成しなかったところ、耐傷付性、硬度が悪かった。比較例4では、基材層上に層(B)に該当する層を形成しなかったところ、耐衝撃性が悪かった。比較例6では、C−PC層のないPMMA/PC基材を用いたため、耐カール性が悪かった。比較例7、8では、C−PC/PC基材ではなく、PMMA、耐衝撃PMMA基材を用いたため、耐衝撃性、耐カール性が悪かった。比較例9では、C−PC/PC基材ではなく、PC単層の基材を用いたため、硬度が悪かった。
Claims (6)
- 少なくとも下記基材層と、該基材層の一方の面に下記層(A)、他方の面に層(B)とを有し、該基材層の厚みが0.3〜30mmである積層体であって、層(A)に層(1)が接しており、層(B)に層(2)が接している積層体。
基材層:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(1)と、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(2)との2層で構成されるポリカーボネート樹脂層
層(A):少なくともパーフルオロポリエーテル構造及びシロキサン構造のうちの少なくとも1つとアクリロイル基とを有する化合物(A−1)を含む硬化性組成物(α)及び/又はその硬化物からなる層
層(B):ウレタン(メタ)アクリレート及びその変性体、エポキシ(メタ)アクリレート及びその変性体、並びにアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びその変性体からなる群のうちの少なくとも1つのアクリロイル基を有する化合物(B−1)を含み、かつ該化合物(B−1)の含有量がアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し20重量%以上である硬化性組成物(β)及び/又はその硬化物からなる層 - 硬化性組成物(α)が、化合物(A−1)を、硬化性組成物(α)中のアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し、0.05〜10重量%含有する、請求項1に記載の積層体。
- 層(A)の厚みが1〜45μm、層(B)の厚みが1〜45μmである、請求項1又は2に記載の積層体。
- 層(A)と層(B)との厚み比が0.5:2〜2:0.5である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層体からなる表示体カバー。
- 層(A)を前面側に有し、かつ層(B)を裏面側に有する、請求項5に記載の表示体カバー。
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