JP6417936B2 - 積層体及び表示体カバー - Google Patents

積層体及び表示体カバー Download PDF

Info

Publication number
JP6417936B2
JP6417936B2 JP2014265124A JP2014265124A JP6417936B2 JP 6417936 B2 JP6417936 B2 JP 6417936B2 JP 2014265124 A JP2014265124 A JP 2014265124A JP 2014265124 A JP2014265124 A JP 2014265124A JP 6417936 B2 JP6417936 B2 JP 6417936B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
meth
acrylate
compound
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014265124A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016124144A (ja
Inventor
由季 春田
由季 春田
知一 岩崎
知一 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2014265124A priority Critical patent/JP6417936B2/ja
Publication of JP2016124144A publication Critical patent/JP2016124144A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6417936B2 publication Critical patent/JP6417936B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は耐傷付性、硬度、耐衝撃性、耐カール性、透明性等に優れた積層体に関する。また、本発明はこの積層体からなる表示体カバーに関する。
プラスチック製品、例えばポリカーボネート(PC)樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂;ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、スチレン−メチルメタクリレート(MS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂等のスチレン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;トリアセチルセルロース等の酢酸セルロース樹脂等の各種樹脂基材は、軽量性、易加工性、耐衝撃性等が優れているため、容器、インストルメントパネル、包装材、各種ハウジング材、光デイスク基板、プラスチックレンズ、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示機器の基材等、種々の用途に用いられている。
携帯電話、PHS(Personal Handy−phone System)等の表示体を有する産業用電子機器では、デザインの多様化、薄型化、大面積化の進展に伴い、その表示体カバー自体にも薄型化、軽量化、安価化等の要求が高まっている。この表示体カバーとしてはガラス基材が一般的に使用されているが、表示体カバーそれ自体の薄型化、軽量化、安価化等の要求に伴い、現在では基材そのものが自立できる一定の厚みをもったPMMA樹脂シートやPC樹脂シート等の使用が種々検討されている。一方でこれらのプラスチック基材は従来使用されているガラス基材に比べて耐傷付性や硬度に劣るため、種々のハードコート材を被覆した樹脂シートが検討されている。
従来、主に携帯電話、PHS等の表示体カバー用の積層体として、次のような技術が開示されている。例えば、特許文献1において、PMMA基材にウレタンアクリレートとシリコーンオイルを含むハードコート材を被覆した積層体により表面の耐傷付性を改善することが開示されている。また、特許文献2において、PMMA基材に多官能アクリレートを含むハードコート材を被覆した積層体により表面の耐傷付性を改善することが開示されている。また、特許文献3において、重量平均分子量が10万以上であり、かつガラス転移温度が100℃以上であるPMMA基材に多官能アクリレートとシリコーンオイルを含むハードコート材を被覆した積層体により耐傷付性を改善することが開示されている。また、特許文献4において、耐衝撃PMMA基材に2官能ウレタンアクリレートと多官能アクリレート及び/又は多官能ウレタンアクリレートとを含むハードコート材を被覆した積層体により耐衝撃性、耐カール性等を改善することが開示されている。更に、特許文献5において、ビスフェノールC型ポリカーボネート(C−PC)層をPC基材上に積層したポリカーボネート樹脂積層体を基材とし、この基材のC−PC層上に紫外線硬化性塗料からなるハードコート層を被覆形成して硬度を改善することが開示されている。
特開2004−299199号公報 特開2008−006811号公報 特開2008−049697号公報 特開2008−100422号公報 特開2010−188719号公報
本発明者らの詳細な検討によれば、上記特許文献1〜5において開示されているような技術では近年普及しているスマートフォン、タブレット等のタッチパネルに要求される耐衝撃性、耐傷付性、硬度等の特性に対してはその機能が不十分であることがわかった。即ち、スマートフォン、タブレット等のタッチパネルにおける表示体カバーはそれ自体が十分な耐衝撃性を有することが求められるだけではなく、指を滑らす動き(フリップ)が操作上、頻繁に行われるようになっており、従来の携帯電話、PHS用の表示体カバーでは耐傷付性、硬度等が不十分である。また、この用途では、加工工程にて無理なく本体へ設置するために、耐カール性も要求されるが、上記従来の積層体は耐カール性も不十分であり、スマートフォン、タブレット等のタッチパネルにおける表示体カバーとしての用途において、要求特性を十分に満足し得るものではなかった。
本発明は以上に挙げたような種々の問題点を解決することを目的とするものである。即ち、本発明の課題は、耐傷付性、硬度、耐衝撃性、耐カール性、透明性等に優れた積層体及び該積層体からなる表示体カバーを提供することにある。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の種類及び厚みを有する基材層に、特定の層構成を有する積層体が、耐傷付性、硬度、耐衝撃性、耐カール性、透明性等に優れることを見出したものである。即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[]に存する。
[1] 少なくとも下記基材層と、該基材層の一方の面に下記層(A)、他方の面に層(B)とを有し、該基材層の厚みが0.3〜30mmである積層体であって、層(A)に層(1)が接しており、層(B)に層(2)が接している積層体
基材層:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(1)と、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(2)との2層で構成されるポリカーボネート樹脂層
層(A):少なくともパーフルオロポリエーテル構造及びシロキサン構造のうちの少なくとも1つとアクリロイル基とを有する化合物(A−1)を含む硬化性組成物(α)及び/又はその硬化物からなる層
層(B):ウレタン(メタ)アクリレート及びその変性体、エポキシ(メタ)アクリレート及びその変性体、並びにアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びその変性体からなる群のうちの少なくとも1つのアクリロイル基を有する化合物(B−1)を含み、かつ該化合物(B−1)の含有量がアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し20重量%以上である硬化性組成物(β)及び/又はその硬化物からなる層
[2] 硬化性組成物(α)が、化合物(A−1)を、硬化性組成物(α)中のアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し、0.05〜10重量%含有する、[1]に記載の積層体。
] 層(A)の厚みが1〜45μm、層(B)の厚みが1〜45μmである、[1]又は2]に記載の積層体。
] 層(A)と層(B)との厚み比が0.5:2〜2:0.5である、[1]乃至[]のいずれかに記載の積層体。
] [1]乃至[]のいずれかに記載の積層体からなる表示体カバー。
] 層(A)を前面側に有し、かつ層(B)を裏面側に有する、[]に記載の表示体カバー。
本発明の積層体は、耐傷付性、硬度、耐衝撃性、耐カール性、透明性等に優れたものである。
このため、本発明の積層体は、タッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品;ランプ関連物品、ウインドウ関連物品(リアウィンドウ、サイドウィンドウ、天窓等)等の自動車関連部品;各種電気機器の筐体;化粧板、家具等の生活関連物品等の幅広い物品の表面カバーに好適に用いることができる。これらの中でもタッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品の表面カバー、即ち表示体カバーとして特に好適に用いることができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。また、本発明において、「(メタ)アクリル」という表現を用いた場合、「アクリル」と「メタクリル」の一方又は両方を意味するものとする。「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
また、本明細書において、「………に由来する構造単位」とは、ポリマーの製造原料として用いられたモノマーが、その単独重合又は共重合により得られたポリマー中で、ポリマーを構成する繰り返し単位として存在する一単位を表す。
〔積層体〕
本発明の積層体は、少なくとも下記基材層と、該基材層の一方の面に下記層(A)、他方の面に層(B)とを有し、該基材層の厚みが0.3〜30mmであるものである。
基材層:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(1)を少なくとも有するポリカーボネート樹脂層
層(A):少なくともパーフルオロポリエーテル構造及びシロキサン構造のうちの少なくとも1つとアクリロイル基とを有する化合物(A−1)を含む硬化性組成物(α)及び/又はその硬化物からなる層
層(B):ウレタン(メタ)アクリレート及びその変性体、エポキシ(メタ)アクリレート及びその変性体、並びにアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びその変性体からなる群のうちの少なくとも1つのアクリロイル基を有する化合物(B−1)を含み、かつ該化合物(B−1)の含有量がアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し20重量%以上である硬化性組成物(β)及び/又はその硬化物からなる層
なお、本発明において、硬化性組成物(α)及び硬化性組成物(β)における「アクリロイル基」とは、アクリロイル基そのもののみならず、アクリロイル基中のC=Cの炭素原子に直接結合した水素原子が他の原子又は置換基をも含む意味で用いることとする。例えば、アクリルロイル基のC=Cに直接結合した水素原子がメチル基やハロゲン元素等で置換された基、より具体的にはメタクリロイル基やフルオロアクリロイル基等も「アクリロイル基」に含まれる意味で用いられるものとする。
本発明の積層体は、耐傷付性、硬度、耐衝撃性、耐カール性、透明性等に優れるという効果を奏する。即ち、本発明の積層体の基材層は、高硬度で、剛性に優れた2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とする層(1)を有するポリカーボネート樹脂層であるため、耐傷付性、耐カール性に優れる。また、その一方の面に、高硬度の層(A)を形成したことで、より高硬度で耐傷付性に優れたものとなり、更に他方の面に比較的柔軟な層(B)を形成したことで、層(A)の面からの衝撃に対する耐衝撃性にも優れたものとすることができる。また、基材層のポリカーボネート樹脂層、層(A)及び層(B)はいずれも高透明性のものであるため、これらを積層してなる本発明の積層体の透明性も良好であり、ポリカーボネート樹脂層の基材層の両面に層(A)、層(B)がそれぞれ積層されていることで耐カール性に優れたものとなる。
[基材層]
本発明の積層体に用いられる基材層は、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)に由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(1)を少なくとも有するポリカーボネート樹脂層である。
ここで、層(1)及び後述の層(2)における「主成分とする」とは、ポリカーボネートを構成する全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に占める当該構成単位の割合が50重量%を超えることを意味し、好ましくはこの割合は60重量%以上、より好ましくは70〜100重量%である。
層(1)を構成するポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールCに由来する構造単位を主成分とするものであればよく、ポリカーボネート樹脂の製造原料として通常用いられる2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビルフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2’−メチル−4,4’−ビフェニルジオール等のビスフェノールC以外のジヒドロキシ化合物の1種又は2種以上に由来する構造単位を含んでいてもよい。
層(1)は、ビスフェノールCに由来する構造単位を主成分とすることにより、高硬度で耐傷付性に優れたものとなる。
本発明にかかる基材層は、上記層(1)の単層構造であってもよいが、ビスフェノールCに由来する構造単位を主成分とする層(1)は、耐傷付性、硬度に優れる反面、耐衝撃性に劣る傾向がある。このため、本発明の積層体の基材層は、上記の層(1)と、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)に由来する構造単位を主成分とするポリカーボネートよりなる層(2)との積層構成とし、層(A)で耐傷付性、硬度を、層(B)で耐衝撃性を補償するようにすることが好ましい。更にこれらの層(1)と層(2)との組み合わせであると耐カール性の観点からも好ましい。
また、この場合において、層(1)側に後述の層(A)を、層(2)側に後述の層(B)を形成することが好ましい。
層(1)と同様、層(2)を構成するポリカーボネートは、ビスフェノールAに由来する構造単位を主成分とするものであればよく、ポリカーボネートの製造原料として通常用いられる1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2’−メチル−4,4’−ビフェニルジオール等のビスフェノールA以外のジヒドロキシ化合物の1種又は2種以上に由来する構造単位を含んでいてもよい。
本発明に係る基材層が層(1)のみよりなる場合、基材層は、常法に従って、例えば、層(1)のポリカーボネート樹脂シートを溶融押出法、溶液キャスティング法(流延法)等により成膜することにより製造することができる。また、本発明に係る基材層が、層(1)と層(2)との2層積層構造の場合、基材層は、常法に従って成膜した層(1)のポリカーボネート樹脂シートと層(2)のポリカーボネート樹脂シートを貼り合せることにより、或いは、2層の共押出成形により製造することができる。
なお、層(1)、層(2)はそれぞれ特定のポリカーボネート樹脂よりなる層であるが、ポリカーボネート樹脂のみから構成されるものに何ら限定されず、ポリカーボネート樹脂に通常配合される熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含有していてもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲において、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂成分を含むものであってもよい。
また、本発明に係る基材層は、層(1)及び層(2)以外の層を有する3層以上の積層構造のものであってもよい。例えば、層(1)と層(2)の間に接着層を有していてもよい。また、基材層の製造工程において、層(1)と層(2)とを2層を共押出成形する際に、層(1)と層(2)との間に層(1)を構成するビスフェノールCに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂と、層(2)を構成するビスフェノールAに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂とが相溶して形成された中間層を有していてもよい。
本発明の積層体において、基材層の総厚みは0.3〜30mmである。本発明の積層体そのものが自立したものとするために、基材層の総厚みは0.3mm以上であることが必要である。この観点から基材層の総厚みは0.4mm以上であることが好ましい。また、表示体等として用いるための薄型化、軽量化の観点から、基材層の総厚みは30mm以下であることが必要である。この観点から基材層の総厚みは3.0mm以下であることが好ましく、1.5mm以下であることがより好ましい。
また、本発明に用いる基材層が層(1)と層(2)の2層積層構造の場合、耐傷付性、硬度の観点から、基材層全体の厚みに対する層(1)の厚みの割合は、0.5%以上であることが好ましく、2%以上であることがより好ましい。一方、耐衝撃性の観点から、層(1)の厚みの割合は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
[層(A)]
本発明の積層体において、層(A)は、少なくともパーフルオロポリエーテル構造及びシロキサン構造のうちの少なくとも1つとアクリロイル基とを有する化合物(A−1)を含む硬化性組成物(α)及び/又はその硬化物からなる層である。
<硬化性組成物(α)>
硬化性組成物(α)は、パーフルオロポリエーテル構造及びシロキサン構造のうちの少なくとも1つとアクリロイル基とを有する化合物(A−1)を少なくとも含むものである。
硬化性組成物(α)が化合物(A−1)を含むことにより、本発明の積層体が高硬度なものとなり、耐傷付性が付与される。硬化性組成物(α)は、好ましくは化合物(A−1)と、化合物(A−1)以外の活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)とを含むものであり、硬化性組成物(α)中の化合物(A−1)の含有量は、層(A)の硬度、耐傷付性の観点から、硬化性組成物(α)中のアクリロイル基を有する化合物の合計量に対して、0.05重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上であることがより好ましく、0.5重量%以上であることが更に好ましい。一方、硬化性組成物(α)の硬化性を良好なものとする観点から、化合物(A−1)の含有量は、10重量%以下であることが好ましく、8重量%以下であることがより好ましく、6重量%以下であることが更に好ましい。
なお、層(A)における硬化性組成物(α)と解され得るもののうち、後述の層(B)における硬化性組成物(β)と解されるものについては硬化性組成物(α)とはみなさず、硬化性組成物(β)とみなすこととする。具体的には、硬化性組成物(α)は、層(A)に基づく十分な耐傷付性、硬度を得るため、後述の化合物(B−1)の含有量が硬化性組成物(α)に含まれるアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し、20重量%未満であり、好ましくは15重量%以下であり、一方、その下限値は0重量%である。
(化合物(A−1))
本発明の積層体は、硬化性組成物(α)が化合物(A−1)を含むことにより、層(A)側の耐傷付性が良好なものとなる。
化合物(A−1)のうち、パーフルオロポリエーテル構造と1つ以上のアクリロイル基を有する化合物としては、例えば下記式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006417936
(上記式(1)中、Xは水素原子又はフッ素原子を表し、mは0〜100の数である。)
上記式(1)で示される化合物としては、その機能を十分に発揮するために、m=1〜20で、X=Fであることが好ましい。上記式(1)で示される化合物は、特開2009−9138号公報に記載の方法により製造することができる。
パーフルオロポリエーテル構造と1つ以上のアクリロイル基を有する化合物は市販品として入手することも可能であり、市販品の例としては、DIC社製「メガファック(登録商標)RS−76−E」、ダイキン工業社製「オプツール(登録商標) DAC−HP」等が例示される。
シロキサン構造と1つ以上のアクリロイル基を有する化合物としては、シロキサン構造として、ポリジメチルシロキサン構造を有するものが好ましく、このような化合物としては、片末端にアクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン(例えば、市販品としてはJNC社製サイラプレーン(登録商標) FM0711、FM0721、FM0725等)、両末端にアクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン(例えば市販品としては信越化学社製のX−22−164A等)、両末端にエポキシ基を有し、かつ側鎖にアクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン、主鎖及び/又は側鎖にポリジメチルシロキサンを有し、側鎖及び/又は末端に1〜2個のアクリロイル基を有する共重合体等が挙げられる。これらの中でも、片末端及び/又は両末端にアクリロイル基を有するポリジメチルシロキサンが好ましく、とりわけ、下記式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートとエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとを共重合して得られた共重合体にカルボキシル基及びアクリロイル基を有する化合物を反応させて得られるアクリル系共重合体(以下、「アクリル系共重合体(a−1)」と称す場合がある。)が好ましい。
Figure 0006417936
(上記式(2)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数1〜12のアルキレン基であり、R及びRはそれぞれ独立してメチル基又はフェニル基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、nは平均値であり、10〜100の数である。)
式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは、得られるアクリル系共重合体(a−1)のガラス転移温度(Tg)が高くなり、層(A)を硬化させた際の表面の硬度が高くなるためにメチル基であることが好ましい。
式(2)中、Rは炭素数1〜12のアルキレン基である。原料を入手し易く、また、製造し易いために、その炭素数は、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、一方、10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。
式(2)中、R及びRはそれぞれ独立してメチル基又はフェニル基である。原料を入手し易く、また、製造し易いためにメチル基であることが好ましい。
式(2)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基である。Rの炭素数は、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、一方、Rの炭素数は、10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。Rの炭素数が上記範囲であると、原料を入手し易く、また、製造し易いために好ましい。
式(2)中、nは平均値であり、10〜100の数である。nが10以上であると、硬化性組成物(α)を硬化させた硬化膜の表面易滑性が十分に発現して滑り性が良好となる。この効果をより良好なものとする観点から、nは25以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましい。一方、nが100以下であると、溶媒への溶解性が良好となる。この効果をより良好なものとする観点から、nは90以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましい。なお、nの値は数平均分子量(Mn)から計算により求めることができる。
式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートの数平均分子量(Mn)は、硬化性組成物(α)を硬化させた硬化膜の表面易滑性が十分に発現して滑り性を良好なものとする観点から、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、3,000以上であることが更に好ましい。また、式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートの数平均分子量(Mn)は、溶媒への溶解性を良好なものとする観点から、50,000以下であることが好ましく、20,000以下であることがより好ましく、10,000以下であることが更に好ましい。
式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートの中でも、ポリジメチルシロキサン構造を有するものが好ましく、特に好ましいものとして片末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン(市販品の具体例としては、JNC社製「サイラプレーン(登録商標) FM0711」、「サイラプレーン(登録商標) FM0721」、「サイラプレーン(登録商標) FM0725」等が挙げられる。)等が挙げられる。なお、式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系共重合体(a−1)の原料として用いるエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。エポキシ基を有する(メタ)アクリレートは1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートとエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとを共重合させる際には更にその他のモノマーを共重合させてもよい。その他のモノマーは炭素原子間二重結合を有し、式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレート及びエポキシ基を有する(メタ)アクリレートと共重合させることができるものであれば特に制限されないが、例えば、これら以外の(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
その他のモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート等の(メタ)アクリレート;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメトキシ(メタ)アクリルアミド、N−エトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエトキシ(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、及びN,N−エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。その他のモノマーとしては、炭素数4〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレート、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート及び必要に応じて用いられるその他のモノマーを共重合させてアクリル系共重合体を製造する際の、各モノマーの使用量には特に制限はないが、好ましくは式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレート5〜90重量%、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート10〜95重量%、及び必要に応じて用いられるその他のモノマー0〜80重量%(ただし、式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレート、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート及び必要に応じて用いられるその他のモノマーの合計で100重量%とする。)、特に好ましくは式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレート10〜80重量%、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート20〜90重量%、及び必要に応じて用いられるその他のモノマー5〜60重量%の割合で用いるのが耐傷付性、防汚性の観点から好ましい。
式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレート、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート及び必要に応じて用いられるその他のモノマーを共重合させる反応は、通常、ラジカル重合反応であり、具体的には、有機溶媒中でラジカル重合開始剤の存在下で行うことができる。この反応の反応時間は通常、1〜50時間であり、好ましくは3〜12時間である。ここで用いることのできる有機溶媒、ラジカル重合開始剤は次の通りである。
有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶媒;エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、イソブタノール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−エトキシエチルアセタート等のエステル系溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば一般にラジカル重合に用いられる公知の開始剤を用いることができ、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いるアクリル系共重合体(a−1)は、少なくとも式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレート、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート及び必要に応じて用いられるその他のモノマーを共重合して得られた共重合体にカルボキシル基及びアクリロイル基を有する化合物を反応させて得られるものであり、この反応において、反応温度は好ましくは50〜110℃であり、より好ましくは55〜100℃である。また、反応時間は好ましくは3〜50時間であり、より好ましくは4〜30時間である。なお、この反応は通常、前記共重合体中のエポキシ基とカルボキシル基及びアクリロイル基を有する化合物との付加反応である。
この反応で用いることのできるカルボキシル基及びアクリロイル基を有する化合物としては例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水フタル酸の付加物等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物が好ましい。なお、カルボキシル基及びアクリロイル基を有する化合物は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のカルボキシル基及びアクリロイル基を有する化合物は、前記共重合体におけるエポキシ基に対するカルボキシル基のモル%として、好ましくは10〜150モル%、より好ましくは30〜130モル%、特に好ましくは50〜110モル%の割合で用いることが、反応を過不足なく進行させる観点と原料の残渣を少なくなくする観点から好ましい。
また、前記共重合体にカルボキシル基及びアクリロイル基を有する化合物を付加させる反応を促進させるため、触媒を用いて反応させることができる。触媒としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。触媒の使用量は原料の合計量に対して0.01〜2重量%であることが好ましく、0.05〜1重量%であることがより好ましい。なお、この反応においては前記共重合体の製造における反応に用いた有機溶媒をそのまま用いて反応させてもよいし、適宜有機溶媒を追加して反応させてもよい。この反応に用いることのできる有機溶媒は先に挙げたものと同様である。
シロキサン構造と1個以上のアクリロイル基を有する化合物の数平均分子量(Mn)は、好ましくは500以上であり、より好ましくは1,000以上であり、一方、好ましくは10,000以下であり、より好ましくは8,000以下である。この化合物の数平均分子量が上記下限値以上であると、防汚性や滑り性発現の観点で好ましく、一方、上記上限値以下であると他の成分との相溶性が維持される観点から好ましい。
なお、化合物(A−1)はパーフルオロポリエーテル構造とシロキサン構造の一方を有するものであっても、これらの構造の両方を有するものであってもよい。化合物(A−1)がパーフルオロポリエーテル構造とシロキサン構造との両方を有するものとしては例えば、少なくとも前記式(1)で表される化合物と前記式(2)で表される化合物とを原料として用い、これらの化合物の双方の炭素間二重結合を反応させて得られる化合物等が挙げられる。
(活性エネルギー線硬化性化合物(A−2))
硬化性組成物(α)に含まれる活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)は、前記化合物(A−1)以外の化合物であり、活性エネルギー線の照射により硬化反応しうる官能基を有するものであれば特に制限されない。
活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)はアクリロイル基を含有する化合物であることが好ましく、また、硬化膜の硬度・耐擦傷性が良好となり、また硬化時の反応性も高い点から、活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)中のアクリロイル基の数は、2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましく、4個以上であることが更に好ましい。また、硬化前の粘度が塗工に適する観点から、9個以下であることが好ましく、7個以下であることがより好ましい。
アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)としては、具体的には、多官能(メタ)アクリレート;エステル変性体、カーボネート変性体等の多官能(メタ)アクリレート誘導体;アクリロイル基を有する化合物で表面を修飾したシリカ等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレート誘導体としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、無水コハク酸へのペンタエリスリトールトリアクリレート付加物、無水コハク酸へのジペンタエリスリトールペンタアクリレート付加物などの多官能アクリレート類;側鎖又は側鎖と末端にアクリロイル基を有するポリエステルオリゴマー(具体的には、東亞合成社製のM8030、M7100等)等のポリエステル(メタ)アクリレート類;ポリカーボネートジオールを用いたオリゴエステルとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応物等のカーボネート結合を有するポリエステル(メタ)アクリレート類;これらのポリカプロラクトン変性物等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、粘度、硬化性、得られる硬化物表面の硬度等から、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート;これらのカプロラクトン変性体等が特に好ましい。なお、以上に挙げた化合物の他に活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)として、後述の化合物(B−1)に該当するものが含まれていてもよいが、その含有量は前述の通りである。
(光重合開始剤)
本発明に用いる硬化性組成物(α)は、硬化性を向上させるため、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は公知のものを使用することができる。光重合開始剤としては例えば、光ラジカル発生剤、光酸発生剤等が挙げられる。
硬化性組成物(α)に用いることのできる光重合開始剤のうち、光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[例えば、商品名「イルガキュア(登録商標)184」、BASF製]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン等のアセトフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;ベンゾフェノン及びその各種誘導体;ベンゾイルギ酸メチル、ベンゾイルギ酸エチル等のギ酸誘導体等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの光ラジカル発生剤の中でも、硬化物の耐光性の観点から、好ましいのはアセトフェノン類、ホスフィンオキシド類、ギ酸誘導体であり、更に好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ベンゾイルギ酸メチルであり、特に好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイルギ酸メチルである。
光酸発生剤としては公知のものが使用可能であるが、中でもジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が硬化性、酸発生効率等から好ましい。具体例を挙げると、ジ(アルキル置換)フェニルヨードニウムのアニオン塩(具体的にはPF塩、SbF塩、テトラキス(パーフルオロフェニル)ボレート塩等)が例示できる。(アルキル置換)フェニルヨードニウムのアニオン塩の具体例としては、ジアルキルフェニルヨードニウムのPF塩[商品名「イルガキュア(登録商標)250」、BASF製]が特に好ましい。これらの光酸発生剤は1種のみで用いても2種以上を組み合わせてもよい。
硬化性組成物(α)が光重合開始剤を含む場合、その含有量は、硬化性組成物(α)中のアクリロイル基を有する化合物の合計100重量部に対して、硬化性を向上させる観点から、好ましくは0.01重量部以上であり、より好ましくは0.1重量部以上である。一方、硬化性組成物(α)を溶液としたときの液の安定性を維持する観点から、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは8重量部以下である。
(有機溶媒)
硬化性組成物(α)は、有機溶媒を含むことが好ましい。有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、硬化性組成物(α)に含まれる成分の種類等を考慮して適宜選択することができる。用いることができる有機溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、アニソール、フェネトール等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテート等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。
これらの有機溶媒は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒のうち、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく使用される。
有機溶媒の使用量には特に制限はなく、調製される硬化性組成物(α)の塗布性、液の粘度・表面張力、固形分の相溶性等を考慮して適宜決定される。硬化性組成物(α)は、上述の溶媒を用いて、好ましくは固形分濃度が20〜95重量%、より好ましくは30〜80重量%の塗液として調製される。ここで、硬化性組成物(α)における「固形分」とは溶媒を除いた成分を意味するものであり、固体の成分のみならず、半固形や粘稠な液状物のものをも含むものとする。後述の硬化性組成物(β)についても同様である。
(その他の成分)
本発明に用いる硬化性組成物(α)は、本発明の効果を阻害しない範囲で上記の化合物(A−1)、活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)、光重合開始剤及び有機溶媒以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填剤、シランカップリング剤、反応性希釈剤、帯電防止剤、有機顔料、スリップ剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、消泡剤、酸化防止剤、レベリング剤等が挙げられる。
<層(A)の厚み>
層(A)の厚みは、硬度、耐傷付性の観点から1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、4μm以上であることが特に好ましい。一方、耐カール性の観点から、100μm以下であることが好ましく、45μm以下であることがより好ましく、40μm以下であることが更に好ましく、35μm以下であることが特に好ましく、30μm以下であることが最も好ましい。
[層(B)]
本発明の積層体において、層(B)は、ウレタン(メタ)アクリレート及びその変性体、エポキシ(メタ)アクリレート及びその変性体、並びにアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びその変性体からなる群のうちの少なくとも1つのアクリロイル基を有する化合物(B−1)を含み、かつ該化合物(B−1)の含有量が硬化性組成物(β)中のアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し20重量%以上である硬化性組成物(β)及び/又はその硬化物からなる層である。
<硬化性組成物(β)>
層(B)の硬化性組成物(β)は、ウレタン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート変性体、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート変性体、アルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート変性体からなる群のうちの少なくとも1つのアクリロイル基を有する化合物(B−1)を含み、かつ該化合物(B−1)の含有量がアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し20重量%以上であるものである。硬化性組成物(β)は化合物(B−1)以外の活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)を含むものであってもよい。
(化合物(B−1))
本発明の積層体は、硬化性組成物(β)が化合物(B−1)を含むことにより、耐衝撃性が良好なものとなる。化合物(B−1)としては、具体的には以下のような化合物が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート及びその変性体としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート体、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)及びヒドロキシエチルアクリレート(HEA)の反応物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアネート体とPTMG反応物へのペンタエリスリトールトリアクリレートの反応物等の多官能ウレタン(メタ)アクリレート類;IPDIとポリカーボネートジオールの反応物と、HEAの反応物などのカーボネート結合を有するポリウレタン(メタ)アクリレート類;トリエトキシイソシアヌル酸ジアクリレート、トリエトキシイソシアヌル酸トリアクリレート等のイソシアヌレート環を有するトリエトキシ(メタ)アクリレート類;これらのポリカプロラクトン変性物等が挙げられる。このような化合物の市販品としては、例えば、新中村化学工業社製 UA−160TM、UA−122P、UA−2235PE、UA−4200、東亞合成社製 アロニックスM315、M313等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート及びその変性体としては、エポキシ化合物を原料として反応させて得られる多官能エポキシ(メタ)アクリレート類及びそのポリカプロラクトン変性物等が挙げられ、より具体的には、例えば、ビスフェノールA構造を有するエポキシアクリレート等が挙げられる。このような化合物の市販品としては、例えば、栄社化学社製エポキシエステル3000A、3002A(N)、ダイセル・サイテック社製EBECRYL600等が挙げられる。
アルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びその変性体としては、例えば、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチル(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性トリメチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレート及びこれらのポリカプロラクトン変性物等が挙げられる。このような化合物の市販品としては、例えば、新中村化学社製エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMPT−3EO、A−TMPT−9EO等);新中村化学社製エトキシ化グリセリントリアクリレート(A−GLY−3E、A−GLY−9E等);日立化成社製EO変性ビスフェノールAジアクリレート(FA−321A、FA−324A等);日立化成社製 PO変性ビスフェノールAジアクリレートFA−P324A等が挙げられる。
化合物(B−1)のアクリロイル基の数は1個以上であるが、好ましくは2個以上である。アクリロイル基を2個以上有するものは、硬化性の点で好ましい。一方、塗工時の粘度の観点から、化合物(B−1)のアクリロイル基は7個以下であることが好ましい。
層(B)の硬化性組成物(β)が化合物(B−1)を含むことにより、本発明の積層体に耐衝撃性が付与される。十分な耐衝撃性を得るため、化合物(B−1)の含有量は硬化性組成物(β)中のアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し、20重量%以上であり、好ましくは25重量%以上であり、より好ましくは30重量%以上である。一方、化合物(B−1)の含有量の上限は特に制限はなく、通常100重量%以下であるが、硬度の観点から、好ましくは90重量%以下であり、より好ましくは80重量%以下である。
(活性エネルギー線硬化性化合物(B−2))
硬化性組成物(β)は上記の化合物(B−1)以外の活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)を含んでいてもよい。
硬化性組成物(β)に含まれる活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)は、前記化合物(B−1)以外の化合物であり、活性エネルギー線の照射により硬化反応しうる官能基を有するものであれば特に制限されない。
活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)はアクリロイル基を含有する化合物であることが好ましく、また、硬化膜の硬度・耐擦傷性が良好となり、また硬化時の反応性も高い点から、活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)中のアクリロイル基の数は、2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましく、4個以上であることが更に好ましい。また、硬化前の粘度が塗工に適する観点から、9個以下であることが好ましく、7個以下であることがより好ましい。
アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)としては、具体的には、多官能(メタ)アクリレート;エステル変性体、カーボネート変性体等の多官能(メタ)アクリレート誘導体;アクリロイル基を有する化合物で表面を修飾したシリカ等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレート誘導体としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、無水コハク酸へのペンタエリスリトールトリアクリレート付加物、無水コハク酸へのジペンタエリスリトールペンタアクリレート付加物などの多官能アクリレート類;側鎖又は側鎖と末端にアクリロイル基を有するポリエステルオリゴマー(具体的には、東亞合成社製のM8030、M7100等)等のポリエステル(メタ)アクリレート類;ポリカーボネートジオールを用いたオリゴエステルとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応物等のカーボネート結合を有するポリエステル(メタ)アクリレート類;これらのポリカプロラクトン変性物等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、粘度、硬化性、得られる硬化物表面の硬度等から、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート;これらのカプロラクトン変性体等が特に好ましい。
(光重合開始剤)
本発明に用いる硬化性組成物(β)は、層(B)の硬化性を向上させるために、光重合開始剤を含むことが好ましい。ここで用いることのできる光重合開始剤は、硬化性組成物(α)において挙げたものと同様である。
硬化性組成物(β)が光重合開始剤を含む場合、その含有量は、硬化性組成物(β)中のアクリロイル基を有する化合物の合計100重量部に対し、硬化性を向上させる観点から、好ましくは0.01重量部以上であり、より好ましくは0.1重量部以上である。一方、硬化性組成物(β)を溶液としたときの液の安定性、硬化性組成物(β)を硬化させた際の耐傷付性を維持する観点から、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは8重量部以下である。
(有機溶媒)
本発明に用いる硬化性組成物(β)は有機溶媒を含むことが好ましい。ここで用いることのできる有機溶媒の種類及びその量、即ち、硬化性組成物(β)の固形分濃度は、硬化性組成物(α)において挙げたものと同様である。
(その他の成分)
本発明に用いる硬化性樹脂組成物(β)は、本発明の効果を阻害しない範囲で上記の化合物(B−1)、活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)、光重合開始剤及び有機溶媒以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填剤、シランカップリング剤、反応性希釈剤、帯電防止剤、有機顔料、スリップ剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、消泡剤、酸化防止剤、レベリング剤等が挙げられる。
<層(B)の厚み>
層(B)の厚みは、耐衝撃性の観点から1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることが更に好ましく、4μm以上であることが特に好ましい。一方、耐カール性、耐衝撃性の観点から、100μm以下であることが好ましく、45μm以下であることがより好ましく、40μm以下であることが更に好ましく、35μm以下であることが特に好ましく、30μm以下であることが最も好ましい。
また、前述の層(A)と層(B)とは、その厚み比が層(A)の厚み:層(B)の厚みが0.5:2〜2:0.5の範囲となるように形成されることが好ましく、0.5:1.5〜1.5:0.5の範囲となるように形成されることがより好ましく、0.5:1〜1:0.5の範囲となるように形成されることが更に好ましい。
層(A)と層(B)の厚み比が上記範囲であることにより、本発明の積層体の耐カール性がより良好なものとなる傾向にある。
[積層体の製造方法]
本発明の積層体は、基材層の一方の層に層(A)を形成し、他方の面に層(B)を形成することにより製造することができる。層(A)と層(B)とはいずれを先に形成してもよく、これらを同時に形成してもよい。
層(A),(B)のそれぞれの層は、例えば、硬化性組成物(α)、硬化性組成物(β)をそれぞれ基材上に塗布(塗工)し、必要に応じて40〜100℃程度で乾燥させた後、これに活性エネルギー線を照射して形成することができる。なお、基材層が前記層(1)と層(2)の2層積層構造の場合、硬化性組成物(α)は層(1)側に塗布し、硬化性組成物(β)は層(2)側に塗布することが特に好ましい。これらの硬化性組成物を基材上に塗布(塗工)する方法としては、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、スピンコート法、フローコート法、ディップコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアナイフコート法等が挙げられる。また、本発明のこれらの硬化性組成物を硬化させた硬化物の形態は特に制限されないが、通常、基材上で活性エネルギー線を照射して硬化させて得られた硬化物は基材の少なくとも片面の一部に硬化被膜(硬化膜)の状態として得ることができる。
なお、本発明の積層体において、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で層(A)及び層(B)以外のその他の層を形成してもよい。
また、本発明の積層体の総厚みは、各層の厚みを確保して、各々の機能を十分に発揮させる観点から0.32mm以上であることが好ましく、0.40mm以上であることがより好ましく、0.50mm以上であることが特に好ましい。一方、本発明の積層体が適用される製品の薄型化、軽量化の観点から10.02mm以下であることが好ましく、3.0mm以下であることがより好ましく、1.50mm以下であることが特に好ましい。
本発明の積層体において、硬化性組成物(α),(β)を硬化させる際に用いることのできる活性エネルギー線には、紫外線、電子線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のうち硬化性と樹脂劣化防止の観点から好ましいのは紫外線及び電子線である。
本発明の積層体を製造する際、硬化性組成物(α),(β)を紫外線照射により硬化させる場合には、種々の紫外線照射装置を用いることができ、その光源としてはキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LED−UVランプ等を使用することができる。紫外線の照射量(単位はmJ/cm)は、通常10〜10,000mJ/cmであり、硬化性組成物(α),(β)の硬化性、硬化物(硬化膜)の可撓性等の観点から好ましくは15〜5,000mJ/cmであり、より好ましくは200〜3,000mJ/cmである。
また、本発明の積層体を製造する際、硬化性組成物(α),(β)を電子線照射で硬化させる場合は、種々の電子線照射装置を使用することができる。電子線の照射量(Mrad)は、通常、0.5〜20Mradであり、硬化性、硬化物の可撓性、基材の損傷防止等の観点から好ましくは1〜15Mradである。
[用途]
本発明の積層体は、耐傷付性、硬度、耐衝撃性、耐衝撃性、耐カール性、透明性等に優れたものである。このため、本発明の積層体は、タッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品;ランプ関連物品、ウインドウ関連物品(リアウィンドウ、サイドウィンドウ、天窓等)等の自動車関連部品;各種電気機器の筐体、化粧板、家具等の生活関連物品等の幅広い物品の表面カバーに好適に用いることができる。これらの中でもタッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品の表面カバー、即ち表示体カバーとして特に好適に用いることができる。なお、本発明の積層体を表示体カバーとして用いる場合、表示体は前面に高硬度、耐擦傷性、防汚性の機能を有することが好ましく、また、裏面に耐衝撃性、加工工程に耐え得る硬度、耐擦傷性の機能を有することが好ましいことから、本発明の積層体における層(A)を前面側に有し、層(B)を裏面側に有する表示体カバーとすることが特に好ましい。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔合成例〕
<合成例1>
撹拌機、還流冷却管及び温度計を取り付けた反応器に、数平均分子量5,000の片末端メタクリロイル基置換ポリジメチルシロキサン(JNC社製「サイラプレーン(登録商標) FM0721」、前記式(2)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートに該当する化合物)20重量部、グリシジルメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステルG」)60重量部、メチルメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステルM」)10重量部、ステアリルメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステルS」)10重量部、メチルイソブチルケトン(MIBK)151重量部を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃まで昇温し、ここへ2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)1.2重量部、1−ドデカンチオール(和光純薬社製)0.9重量部を添加した後、系内を65℃まで昇温し、3時間撹拌した後、更にV−65を0.6重量部添加して65℃で3時間撹拌した。系内を100℃まで昇温し、30分間撹拌した後、MIBK163重量部を加え、再度系内を100℃まで昇温した。ここへ、p−メトキシフェノール(和光純薬工業社製)0.5重量部とトリフェニルホスフィン(和光純薬工業社製)2.6重量部を添加した後、アクリル酸(三菱化学社製)31.0重量部を加え、110℃まで昇温して6時間撹拌した。冷却後、MIBK4.8重量部を添加し、数平均分子量6,500の共重合体(F1)のMIBK溶液を得た。なお、共重合体(F1)のMIBK溶液の組成は[共重合体(F1)の重量]/[MIBKの重量]=30/70(固形分30重量%)となるようにした。
〔基材・原料等〕
以下において、使用した基材、原料等とその略称は以下の通りである。
<基材>
・C−PC/PCシート:日本ウェーブロック社製 ShineTech PW−10(厚み:1.0mm(C−PC層の厚み:0.060mm、PC層の厚み:0.94mm))
・PMMA/PCシート:日本ウェーブロック社製 ShineTech AW−10(厚み:1.0mm(PMMA層の厚み:0.054mm、PC層の厚み:0.95mm))
・PMMAシート:三菱レイヨン社製 アクリライト(厚み1.0mm)
・耐衝撃性PMMAシート:三菱レイヨン社製 アクリライト(耐衝撃グレード)(厚み0.8mm)
・PCシート:三菱瓦斯化学社製 ユーピロン NF−2000(厚み1.0mm)
上記「C−PC」は、ビスフェノールCに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂であり、「C−PC層」は「層(1)」に該当する。「PC」は、ビスフェノールAに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂であり、「PC層」は「層(2)」に該当する。「PMMA」はポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)をさす。
<化合物(B−1)>
・UA−160TM:新中村化学工業社製 UA160TM(ポリテトラメチレングリコール構造を有するウレタンアクリレート、アクリロイル基が2個)
・M313:東亞合成社製 アロニックスM313(イソシアヌル酸エチレンオキサイド(EO)変性ジアクリレート(ウレタンアクリレートの一種)及びイソシアヌル酸エチレンオキサイド(EO)変性トリアクリレート(ウレタンアクリレートの一種)の混合物、アクリロイル基が3個))
・A−TMPT−9EO:新中村化学工業社製 A−TMPT−9EO(エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(アルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレートの一種)、アクリロイル基が3個)
<化合物(A−1)>
・RS−76−E:DIC社製 メガファック(登録商標) RS−76−E(パーフルオロポリエーテル構造とアクリロイル基とを有する化合物)
・DAC−HP:ダイキン工業社製 オプツール(登録商標) DAC−HP(パーフルオロポリエーテル構造とアクリロイル基とを有する化合物)
・共重合体(F1):合成例1で得られた共重合体(F1)(シロキサン構造とアクリロイル基を有する化合物)
<化合物(A−1)と化合物(B−1)以外のアクリロイル基を有する化合物>
・DPHA:日本化薬社製 KAYARAD DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物)(活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)と活性エネルギー線硬化性化合物(B−2)のいずれにも該当する化合物)
<シロキサン構造を有し、アクリロイル基を有さない化合物>
・BYK−306:ALTANA社製 BYK−306(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
〔硬化性組成物(α)の調製〕
<硬化性組成物(α−1)>
RS−76−E、DPHA及びM313を固形分重量比で1.5:86.5:12になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(α−1)を得た。
<硬化性組成物(α−2)>
DAC−HP、DPHA及びM313を固形分重量比で1.5:86.5:12になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(α−2)を得た。
<硬化性組成物(α−3)>
共重合体(F1)、DPHA及びM313を固形分重量比で1.5:86.5:12になるように配合し、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(α−3)を得た。
〔硬化性組成物(β)の調製〕
<硬化性組成物(β−1)>
DPHA及びUA−160TMを固形分重量比で60:40になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を4.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1(重量比)の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(β−1)を得た。
<硬化性組成物(β−2)>
DPHA及びA−TMPT−9EOを固形分重量比で60:40になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を4.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1(重量比)の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(β−2)を得た。
<硬化性組成物(β−3)>
RS−76−E、DPHA及びUA−160TMを固形分重量比で1.5:68.5:30になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1(重量比)の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(β−3)を得た。
<硬化性組成物(β−4)>
RS−76−E、DPHA及びA−TMPT−9EOを固形分重量比で1.5:68.5:30になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1(重量比)の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(β−4)を得た。
〔硬化性組成物(α)及び硬化性組成物(β)以外の硬化性組成物の調製〕
<硬化性組成物(γ−1)>
BYK−306、DPHA及びM313を固形分重量比で1.5:86.5:12になるように配合し(合計で100重量部)、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標)184」)を2.5重量部添加した後、[プロピレングリコールモノメチルエーテルの重量]/[メチルイソブチルケトンの重量]=1/1の混合溶媒で固形分が40重量%になるように希釈し、硬化性組成物(γ−1)を得た。
〔実施例・比較例〕
以下、本発明にかかる実施例及び比較例を示す。
[積層体の評価方法]
以下の実施例・比較例で得られた積層体は以下の方法により評価した。
(1)耐傷付性
#0000のスチールウールを用い、加重160g/cmにて硬化させた層(A)の表面を300往復擦り、試験後の硬化膜の傷付きの程度を以下の通り評価した。
○:傷が100本以下であるもの
×:傷が100本より多いもの
(2)硬度(鉛筆硬度)
硬化させた層(A)の表面について、JIS準拠鉛筆硬度計(太佑機材社製)を用い、JIS K−5400の条件に基づき測定を行い、傷の入らない最も硬い鉛筆の番手を確認し、以下の基準で評価した。
○:鉛筆硬度3H以上であるもの
△:鉛筆硬度2Hであるもの
×:鉛筆硬度H以下であるもの
(3)耐衝撃性
層(A)側を上面に、層(B)側を下面に置いた、幅4cm、長さ8cmの試験片の中心に向って、22gの鋼球を上方から自然落下させる剛球落下試験を行い、耐衝撃性を以下の通り評価した。なお、鋼球を落下させる高さは5cmごとに変えて評価を行った。
○:30cmまでの上方から落下させても割れずに且つ傷が付かなかったもの
×:上方30cm以下の位置からの落下で割れた、もしくは傷が付いたもの
(4)耐カール性(反り)
幅8cm、長さ15cmの試験片を垂直方向にセットし、恒温恒湿試験機(エスペック社製、PL−2ST)を使用して温度80℃、湿度85%環境下に72時間放置し、試験機から取り出して温度23℃、湿度60%の恒温室に2時間静置して放熱させ、層(A)側を上面にして4点の反りの最大値を測った。
○:反りの最大値が0.5mm以下のもの
×:反りの最大値が0.5mmより大きいもの
(5)透明性(ヘーズ)
JIS K−7136に従ってヘーズメーター(村上色彩技術研究所製「HAZE METER HM−65W」)にてヘーズ値を測定し、0.3%以下を合格として以下の通り評価した。
○:ヘーズ値が0.3%以下であるもの
×:ヘーズ値が0.3%より大きいもの
[実施例・比較例]
<実施例1>
C−PC/PCシートのPC基材面に硬化性組成物(β−1)を乾燥後の塗膜が10μmとなるようにバーコーターにて塗布した。この塗膜を80℃で1.5分間加熱して乾燥させた後、出力120W/cmの高圧水銀灯を使用し、450mW/cm、500mJ/cmの紫外線を照射して硬化膜を被覆させ、基材のPC基材面上に層(B)を形成した。次に、基材のC−PC基材面に硬化性組成物(α−1)を乾燥後の塗膜が10μmとなるようにバーコーターにて塗布し、80℃で1.5分間加熱して塗膜を乾燥した。その後、出力80W/cmの高圧水銀灯を使用し、100mW/cm、300mJ/cmの紫外線を照射して硬化膜を被覆させ、C−PC基材面上に層(A)を形成して積層体を得た。
<実施例2〜4、及び比較例1〜9>
積層体の各層に用いた硬化性組成物の種類及び各層の厚みを表−1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体について、前記(1)〜(5)の各評価を行った。これらの結果を表−1に示す。
Figure 0006417936
[評価結果]
表−1からわかるように、実施例1〜4の積層体は、層(A)側の耐傷付性、硬度、耐衝撃性、耐カール性に優れ、透明性も良好であった。一方、比較例1では、基材層上に層(A)に該当する層を形成しなかったところ、耐傷付性が悪かった。比較例2、3、5では、基材層上に層(A)に該当する層を形成しなかったところ、耐傷付性、硬度が悪かった。比較例4では、基材層上に層(B)に該当する層を形成しなかったところ、耐衝撃性が悪かった。比較例6では、C−PC層のないPMMA/PC基材を用いたため、耐カール性が悪かった。比較例7、8では、C−PC/PC基材ではなく、PMMA、耐衝撃PMMA基材を用いたため、耐衝撃性、耐カール性が悪かった。比較例9では、C−PC/PC基材ではなく、PC単層の基材を用いたため、硬度が悪かった。

Claims (6)

  1. 少なくとも下記基材層と、該基材層の一方の面に下記層(A)、他方の面に層(B)とを有し、該基材層の厚みが0.3〜30mmである積層体であって、層(A)に層(1)が接しており、層(B)に層(2)が接している積層体
    基材層:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(1)と、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに由来する構造単位を主成分とするポリカーボネート樹脂からなる層(2)との2層で構成されるポリカーボネート樹脂層
    層(A):少なくともパーフルオロポリエーテル構造及びシロキサン構造のうちの少なくとも1つとアクリロイル基とを有する化合物(A−1)を含む硬化性組成物(α)及び/又はその硬化物からなる層
    層(B):ウレタン(メタ)アクリレート及びその変性体、エポキシ(メタ)アクリレート及びその変性体、並びにアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリレート及びその変性体からなる群のうちの少なくとも1つのアクリロイル基を有する化合物(B−1)を含み、かつ該化合物(B−1)の含有量がアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し20重量%以上である硬化性組成物(β)及び/又はその硬化物からなる層
  2. 硬化性組成物(α)が、化合物(A−1)を、硬化性組成物(α)中のアクリロイル基を有する化合物の合計量に対し、0.05〜10重量%含有する、請求項1に記載の積層体。
  3. 層(A)の厚みが1〜45μm、層(B)の厚みが1〜45μmである、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 層(A)と層(B)との厚み比が0.5:2〜2:0.5である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の積層体からなる表示体カバー。
  6. 層(A)を前面側に有し、かつ層(B)を裏面側に有する、請求項に記載の表示体カバー。
JP2014265124A 2014-12-26 2014-12-26 積層体及び表示体カバー Active JP6417936B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014265124A JP6417936B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 積層体及び表示体カバー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014265124A JP6417936B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 積層体及び表示体カバー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016124144A JP2016124144A (ja) 2016-07-11
JP6417936B2 true JP6417936B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=56358552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014265124A Active JP6417936B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 積層体及び表示体カバー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6417936B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6729144B2 (ja) * 2016-08-02 2020-07-22 三菱ケミカル株式会社 積層体、ディスプレイ前面板
JP6965582B2 (ja) * 2017-06-01 2021-11-10 大日本印刷株式会社 ハードコートフィルム、該ハードコートフィルムを備えたタッチパネル、及び該タッチパネルを備えた画像表示装置
WO2020059726A1 (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 富士フイルム株式会社 ハードコート組成物、ハードコートフィルム、ハードコートフィルムを有する物品、画像表示装置、及びハードコートフィルムの製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3732840B2 (ja) * 2002-06-27 2006-01-11 Tdk株式会社 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
JP4697386B2 (ja) * 2004-04-19 2011-06-08 三菱瓦斯化学株式会社 ポリカーボネート樹脂積層体及びその製造方法
WO2009133784A1 (ja) * 2008-04-28 2009-11-05 三菱化学株式会社 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化膜、積層体、光記録媒体及び硬化膜の製造方法
JP5713528B2 (ja) * 2008-11-18 2015-05-07 三菱化学株式会社 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、ハードコート用硬化膜及び積層体
JP2011088402A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Sumitomo Bakelite Co Ltd ポリカーボネート樹脂積層体、携帯用表示体および支持基板
JP5903908B2 (ja) * 2012-01-30 2016-04-13 住友ベークライト株式会社 ポリカーボネート樹脂積層体、表示体用保護板およびタッチパネルの下部電極用の支持基板
US20130216801A1 (en) * 2012-02-17 2013-08-22 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Transparent Thin-Wall Scratch-Resistant Article

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016124144A (ja) 2016-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI482791B (zh) 胺酯(甲基)丙烯酸酯化合物及包含該化合物之樹脂組成物
JP6237030B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層体
JP2013173871A (ja) 組成物、帯電防止性コート剤及び帯電防止性積層体
JP2015187205A (ja) 硬化性樹脂組成物、並びにこれを用いて得られる硬化物及び積層体
JP6908896B2 (ja) 耐光性ハードコート材
JP2016023235A (ja) 硬化性組成物
JP2004244426A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物及びその用途
JP6565235B2 (ja) 硬化性組成物、硬化物及び積層体
JP6645316B2 (ja) 硬化性組成物、硬化物及び積層体
JP6772461B2 (ja) 積層体及び表示体カバーの製造方法
JPWO2005092991A1 (ja) 活性エネルギ線硬化性被覆用組成物及び成形品
JPWO2019045096A1 (ja) 延伸性耐擦傷性コーティング用硬化性組成物
JP6417936B2 (ja) 積層体及び表示体カバー
WO2016104770A1 (ja) 積層体及び表示体カバー
JP6171767B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層体
JP6874787B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、硬化物及び積層体
KR20180034267A (ko) 광학용 활성 에너지선 경화형 수지 조성물, 경화 피막, 광학용 필름
JP2011032352A (ja) フッ素含有(メタ)アクリレート化合物、ハードコート用組成物及び成形品
JP6511811B2 (ja) 積層体
JP7199185B2 (ja) 成形用反射防止ハードコートフィルム
JP2016124292A (ja) 積層体及び表示体カバー
TWI659075B (zh) 硬化性組成物、其硬化物、成形品及顯示構件
TWI719154B (zh) 活性能量線硬化型組成物
JP2008120011A (ja) ハードコートフィルム
JP2022148524A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物、積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170517

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180327

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180924

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6417936

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151