JP6417792B2 - トナーセット、画像形成方法および2次色を形成しないトナー - Google Patents

トナーセット、画像形成方法および2次色を形成しないトナー Download PDF

Info

Publication number
JP6417792B2
JP6417792B2 JP2014173251A JP2014173251A JP6417792B2 JP 6417792 B2 JP6417792 B2 JP 6417792B2 JP 2014173251 A JP2014173251 A JP 2014173251A JP 2014173251 A JP2014173251 A JP 2014173251A JP 6417792 B2 JP6417792 B2 JP 6417792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
color
image
resin
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014173251A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016048310A (ja
Inventor
内野 泰子
泰子 内野
隼也 大西
隼也 大西
育子 櫻田
育子 櫻田
奈津子 藤▲崎▼
奈津子 藤▲崎▼
杏朱 堀
杏朱 堀
隼也 上田
隼也 上田
貴生 川村
貴生 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2014173251A priority Critical patent/JP6417792B2/ja
Publication of JP2016048310A publication Critical patent/JP2016048310A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6417792B2 publication Critical patent/JP6417792B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、2次色を形成するトナー(カラートナーともいう)と共に、メディア(記録媒体)上に転写/定着される白トナー、メタリックトナー、透明トナーなどの2次色を形成しないトナー(特色トナーともいう)を用いたトナーセットおよび画像形成方法に関する。さらに2次色を形成するトナーと共にメディア上に転写/定着される、2次色を形成しないトナーに関するものである。
電子写真方式を用いた画像形成方法にあっては、帯電手段によって像形成体上に一様に帯電がなされたのち像露光がなされて静電潜像が形成される。潜像部分は続く現像手段によって現像が行われ、トナー像が形成される。近年、電子写真方式の画像形成に用いられる静電潜像用トナーの分野においては、市場からの様々な要求に応じた開発が行われている。特に、印刷する記録媒体の種類が増えてきており、印刷機の記録媒体対応性は市場からの要求が非常に高い。
例えば、色紙や黒紙、アルミ蒸着紙や透明のフィルム等、特殊な記録媒体に出力する場合、記録媒体の色特性が影響することでイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックトナーなどのフルカラートナーだけでは十分な発色を得ることができない。そこで、画像の付加価値を向上するために、上記したカラートナーの組み合わせで形成される画像の下層あるいは上層に形成される白色トナーの開発が行われている(例えば、特許文献1〜4参照)。特に、透明フィルムをメディア(記録媒体)とした場合は、白色トナー層上にカラートナーで画像形成することで、カラートナーの視認性が向上し、画像としての付加価値を高めることが可能となる。また、色のついた紙の上に白色トナー画像を形成することで、カラートナーでは表現が難しい「白色」の表現が可能となる。そのためには、白色トナーの隠ぺい率を高め、より白色度を向上させることが重要で、様々な技術が開発されている(例えば、特許文献5〜6参照)。
さらに、黒色トナーと赤色トナーの混色を防止するために、両トナーの溶解度パラメーター値(SP値:単位(cal/cm1/2)を1.0以上離すことで上下のトナーが混じり合うことが少なく、上層にあるトナーの色のみが認識できることが示されている(例えば、特許文献7参照)。
特開2004−037565号公報 特許文献2:特許第3960318号公報 特開2012−189929号公報 特開2006−220694号公報 特開平1−105962号公報 特開2000−56514号公報 特開平1−262566号公報
しかしながら、特許文献1〜6に記載の発明では、より高画質な画像を形成することは困難であった。そこで、より高画質な画像を形成するためには、白トナーの特性とカラートナーの特性を制御することが、非常に重要であると本発明者らは考えた。しかしながら、より高画質な画像を形成するために、白トナーの特性とカラートナーの特性を制御する技術として、白トナーとカラートナー(中の結着樹脂)のSP値を利用した発明については何ら提案されていないのが現状である。ここで、トナーは、結着樹脂といわれる高分子が主成分であり、その構成により、様々な特性を持つ。一般的に高分子は、溶解度パラメーター値(SP値)と言われる物質に固有の値を計算により求めることができ、物質の溶解性を予測するための1つの有用な尺度である。
一方、混色防止の観点から黒色トナーと赤色トナーのSP値を利用した特許文献7に記載の発明において、高画質に必要な小径トナーを用いる場合、色の異なるトナーと接するトナーの表面積が増大し、SP値が1.0(単位省略)以上離れていると、その界面での混じり合いが少なくなりすぎて、熱溶融では十分に接着できず、画像はがれという問題が発生した。
そこで、本発明は、フルカラー画像の上層あるいは下層に白色トナーなどの2次色を形成しないトナー層を形成しても、カラー画像の2次色の再現性が良好で、かつ、色にじみ、画像はがれのない高画質な画像を形成し得るトナーセット、画像形成方法および2次色を形成しないトナーを提供するものである。
本発明は、2次色を形成するトナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:単位(cal/cm1/2)が最大となるトナーを第1トナー、最小となるトナーを第2トナーおよび2次色を作らないトナーを第3トナーとし、第1〜第3の各トナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:単位(cal/cm1/2)をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、下記の3つの式;
SP(1)−SP(2)<0.15
0.15≦|SP(1)−SP(3)|<1.0
0.15≦|SP(2)−SP(3)|<1.0
を全て満たす点に特徴を有する。
本発明によれば、2次色を形成するトナーの結着樹脂、および、2次色を形成するトナーと2次色を形成しないトナーの結着樹脂のSP値を適正な数値範囲に制御にすることで、フルカラー画像の上層あるいは下層に白色トナーなどの2次色を形成しないトナー層を形成しても、カラー画像の2次色の再現性が良好で、かつ、「色にじみ」と「画像はがれ」のない高画質で高品質な付加価値画像を形成することができる。
本発明の電子写真感光体を用いてなる画像形成装置の一実施形態を示す概略断面図である。
本発明の第1実施形態は、2次色を形成するトナーと2次色を形成しないトナーを含む(複数の現像機によって、カラートナー画像を形成する画像形成装置に使用される電子写真現像用)トナーセットであって、2次色を形成するトナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2;以下、下記式(1)〜(5)等では単位を省略する場合もある)が最大となるトナーを第1トナー、最小となるトナーを第2トナーおよびトナーと2次色を形成しないトナーを第3トナーとし、第1〜第3の各トナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2;以下、下記式(1)〜(5)等では単位を省略する場合もある)をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、下記の式(1)〜(3):
SP(1)−SP(2)<0.15 (1)
0.15≦|SP(1)−SP(3)|<1.0 (2)
0.15≦|SP(2)−SP(3)|<1.0 (3)、
好ましくは下記の式(1)、(4)〜(5):
SP(1)−SP(2)<0.15 (1)
0.4≦|SP(1)−SP(3)|<1.0 (4)
0.4≦|SP(2)−SP(3)|<1.0 (5)
を満たすことを特徴とする(電子写真現像用)トナーセットである。
なお、ここでいうトナーセットとは、記録媒体上に転写される際に異なる画像形成層を形成するトナーの組み合わせを指す。したがって、例えば、黒色トナーおよび白色トナーを1本のトナーボトルに詰めてグレーの画像を形成する白色トナーおよび黒色トナーの組み合わせはここでいうトナーセットには含まない。
本発明の第2実施形態は、2次色を形成するトナーと2次色を形成しないトナーを含む(複数の現像機によって、カラートナー画像を形成する画像形成装置に使用される電子写真現像用)トナーセットを用いた画像形成方法であって、2次色を形成するトナーの結着樹脂のSP値が最大となるトナーを第1トナー、最小となるトナーを第2トナーおよびトナーと2次色を形成しないトナーを第3トナーとし、第1〜第3の各トナーの結着樹脂のSP値をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、上記の式(1)〜(3)、好ましくは上記の式(1)、(4)〜(5)を満たすことを特徴とする画像形成方法である。
本発明の第3実施形態は、(複数の現像機によってカラートナー画像を形成する画像形成装置に使用される電子写真現像用)トナーセットを構成する2次色を形成するトナーと2次色を形成しないトナーとの関係において、2次色を形成するトナーの結着樹脂のSP値が最大となるトナーを第1トナー、最小となるトナーを第2トナーおよびトナーと2次色を形成しないトナーを第3トナーとし、第1〜第3の各トナーの結着樹脂のSP値をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、上記の式(1)〜(3)、好ましくは上記の式(1)、(4)〜(5)を満たすことを特徴とする2次色を形成しないトナーである。
上記した各実施形態の構成要件については、本発明者らが、上記した従来技術の課題を解消すべく、鋭意検討を重ねた結果、以下のような技術的知見(ないし発明の理論(ロジック:課題と効果をつなぐ作用機序・メカニズム)を見出し、かかる知見に基づきなされたものである。
カラートナーは、各トナーの重ね合わせにより、様々な色調の画像を形成できる。よって、それらは、定着時の熱により、相互に良く融合することが望ましい。一方、特色トナー、例えば、白色トナーの場合、単独で白色表現に用いられる場合もあるが、カラートナーの上層あるいは下層に形成されることもある。よって、カラートナーとの融合性が高すぎると、特に、画像の境界部分に「色にじみ」といわれる画像不良が発生する。これは、例えば、メディア(記録媒体)上に下層から白色トナー、シアントナー、マゼンタトナーの順に画像を重ね合わせ、白色トナー層の上にブルー画像を形成する際に、白色トナーとシアントナーが融合しすぎてしまい、画像境界にシアン色のにじみが発生するものである。
一方、トナーを構成する成分は、結着樹脂と呼ばれる高分子が主であり、高分子同士の相溶性は、溶解度パラメーター値(SP値)の大小で説明できる。つまり、SP値の差が小さい物質は、相溶しやすく、SP値の差が大きい物質は相溶しにくいことが知られている。そこで、本発明者らは、2次色を形成するトナー(カラートナー)と2次色を形成しないトナー(特色トナー)を用いて画像を形成する時、各トナーの結着樹脂のSP値を一定の範囲(詳しくは上記式(1)〜(5)参照)に制御することで、2次色再現性の高いカラートナーと画像はがれや色にじみのない高品質の画像が形成できることを見いだし、本発明(上記した各実施形態)を完成するに至ったものである。
以下、上記した各実施形態の特徴部分(共通)の構成について説明する。
(1)2次色を形成するトナー
2次色を形成するトナーとは、使用される色材の基本色であるシアン系着色剤(顔料)を含有したシアントナーまたは、マゼンタ系着色剤(顔料)を含有したマゼンタトナーまたは、イエロー系着色剤(顔料)を含有したイエロートナーまたはブラック系着色剤(顔料)を含有したブラックトナーから選ばれる2色のトナー像を重ねて形成する色のことである。かかる2次色を形成するトナーは、カラートナーともいわれ、上記したイエロートナー(Y)、マゼンタトナー(M)、シアントナー(C)、ブラックトナー(K)(以下、単にYMCKとも略記する)を基本とする。こうしたYMCKを基本とするカラートナーは、各トナーの重ね合わせにより、様々な色調の画像を形成できる。よって、それらは、定着時の熱により、相互に良く融合することが望ましい。カラートナーの各トナーの結着樹脂は、低温定着が可能なポリエステル樹脂を含むことが望ましく、さらに、高画質化が求められるカラートナーは、乳化会合法で製造されることが好ましい。カラートナーの各色のトナーの結着樹脂のSP値(単位(cal/cm1/2)の差は0.15よりも小さく、定着の熱により、良く融合することが望ましい。かかるSP値の差が0.15以上であると、2次色の色再現性が悪くなる。即ち、上記した各実施形態で用いられる2次色を形成するトナー(カラートナー)では、カラートナーの各色のトナーの結着樹脂のSP値の差が、以下に説明する式(1)を満足し、尚且つカラートナーと2次色を形成しないトナーの各結着樹脂のSP値の差の絶対値が、以下の式(2)、(3)、好ましくは式(4)、(5)の関係を満足すればよい。
(1−1)イエロートナー(Y)
2次色を形成するトナーの1種であるイエロートナー(Y)は、少なくとも結着樹脂及びイエロー系着色剤(顔料)を含んで構成される。さらに、必要に応じて離型剤等その他添加剤、および外添剤を含んでもよい。
(1−2)マゼンタトナー(M)
2次色を形成するトナーの1種であるマゼンタトナー(M)は、少なくとも結着樹脂及びマゼンタ系着色剤(顔料)を含んで構成される。さらに、必要に応じて離型剤等その他添加剤、および外添剤を含んでもよい。
(1−3)シアントナー(C)
2次色を形成するトナーの1種であるシアントナー(C)は、少なくとも結着樹脂及びシアン系着色剤(顔料)を含んで構成される。さらに、必要に応じて離型剤等その他添加剤、および外添剤を含んでもよい。
(1−4)ブラックトナー(K)
2次色を形成するトナーの1種であるブラックトナー(K)は、少なくとも結着樹脂及びブラック系着色剤(顔料)を含んで構成される。さらに、必要に応じて離型剤等その他添加剤、および外添剤を含んでもよい。
(2)2次色を形成しないトナー
2次色を形成しないトナーとは、本質的に、基本色の着色剤(顔料)を含まないトナーである。酸化チタンなどの白色の着色剤(顔料)を含有する白色トナー(W)、アルミ粉など金属光沢を発現するメタリック着色剤(顔料)を含有するメタリックトナー(ME)、あるいは、着色剤(顔料)を含まない透明トナー(クリアトナー:(CL))などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。かかる2次色を形成しないトナーは、特色トナーともいわれ、2次色を形成するトナー(カラートナー)であるYMCK以外の単色として画像形成に用いられるトナーであり、スポットカラーとも言われる。これら2次色を形成しないトナー(特色トナー)は、画像の付加価値を向上するために用いられており、白色、メタリック、透明トナーは、特に付加価値が高いトナー群であり、単色でカラートナーでは表現できない色を表現できたり、カラートナーの上層や下層に存在することで、カラートナーの発色や光沢を高めることができる。特に、透明フィルムをメディアとした場合は、白色トナー層上にカラートナーで画像形成することで、カラートナーの視認性が向上し、画像としての付加価値を高めることができる。特色トナーにおいても、低温定着が可能なポリエステル樹脂を含むことが好ましく、さらに、高画質化が可能な乳化会合法で製造されることが好ましい。カラートナーと層を成す場合、カラートナーと特色トナーの各結着樹脂のSP値の差が小さすぎると、カラートナーとの境界部の「色にじみ」が発生し、画像不良となる。また、上記SP値の差が大きすぎると、特色トナーとカラートナーの界面の接着性が悪くなり、画像はがれが発生する。即ち、上記した各実施形態で用いられる2次色を形成しないトナー(特色トナー)では、特色トナーとカラートナーの各結着樹脂のSP値との差の絶対値が、上記の式(2)、(3)、好ましくは式(4)、(5)の関係を満足すればよい。特に、第3実施形態では、特色トナーが、(複数の現像機によってカラートナー画像を形成する画像形成装置に使用される)トナーセットを構成するカラートナーと特色トナーとの関係において、カラートナーの結着樹脂のSP値が最大となるトナーを第1トナー、最小となるトナーを第2トナーおよび特色トナーを第3トナーとし、第1〜第3の各トナーの結着樹脂のSP値をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、上記の式(1)〜(3)、好ましくは式(1)、(4)〜(5)を満たすことを特徴とするものである。これにより、本発明の作用効果を効果的に奏することができる。
(2−1)白色トナー(W)
2次色を形成しないトナーの1種である白色トナー(W)は、少なくとも結着樹脂及び白色着色剤(顔料)を含んで構成される。さらに、必要に応じて離型剤等その他添加剤、および外添剤を含んでもよい。本発明では、2次色を形成しないトナーである第3トナー(特色トナー)が、白色着色剤(顔料)を含むこと(=白色トナー)が好ましい。特色トナーの作用効果は、画像の付加価値であり、白色トナーは、特に付加価値が高いトナー群の1種であるためである。
(2−2)メタリックトナー(ME)
2次色を形成しないトナーの1種であるメタリックトナー(ME)は、少なくとも結着樹脂及びメタリック着色剤(顔料)を含んで構成される。さらに、必要に応じて離型剤等その他添加剤、および外添剤を含んでもよい。本発明では、2次色を形成しないトナーである第3トナー(特色トナー)が、メタリック着色剤(顔料)を含むこと(=メタリックトナー)が好ましい。特色トナーの作用効果は、画像の付加価値であり、メタリックトナーは、特に付加価値が高いトナー群の1種であるためである。
(2−3)透明トナー(クリアトナー:(CL))
2次色を形成しないトナーの1種である透明トナー(CL)は、着色剤(顔料)を含まず、少なくとも結着樹脂を含んで構成される。さらに、必要に応じて離型剤等その他添加剤、および外添剤を含んでもよい。着色剤(顔料)を含まない透明トナー(CL)は、カラー画像やメディアの光沢を調整するために用いることができる。本発明では、2次色を形成しないトナーである第3トナー(特色トナー)が、着色剤を含まないこと(=透明トナー)が好ましい。特色トナーの作用効果は、画像の付加価値であり、透明トナーは、特に付加価値が高いトナー群の1種であるためである。
(3)溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2
本発明において、溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2)とは、25℃における溶解度パラメーター値であって、物質に固有の値であり、物質の溶解性を予測するための一つの有用な尺度である。SP値は数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。そして、2種のトナーが融合する場合に、両者の主成分である結着樹脂(高分子)のSP値の差が小さいほど、融合度が大きくなる。
(3−1)SP値の測定方法
結着樹脂のSP値は、結着樹脂を形成する各単量体のSP値とモル比との積として算出されるものである。例えば、結着樹脂がX、Yの2種類の単量体より形成されるものと仮定した場合、各単量体の質量比をx、y(質量%)、分子量をMx、My、SP値をSPx、SPyとすると、この結着樹脂のSP値は下記式(6)で表される。
単量体のSP値は、その単量体の分子構造中の原子または原子団に対して、Fedorsによって提案された「Polym.Eng.Sci.Voll14.p114(1974)」から蒸発エネルギー(Δei)およびモル体積(Δvi)を求め、下記式(7)から算出される。但し、重合時開裂する二重結合については、開裂した状態をその分子構造とし、エステル結合を形成するモノマーについては、多価カルボン酸はエステル基(−COO−)を末端とする状態を計算に用いる分子構造とし、多価アルコールは、水酸基を除いた状態を計算に用いる分子構造とした。なお、トナーの結着樹脂として、2種類以上の高分子材料が用いられる場合でも、上記と同様で、モノマーの構造とモル比率を求めることで、トナーの結着樹脂のSP値を算出(計算)することができる。
上記式(7)によって単量体のSP値を算出することができない場合は、具体的な値として、ポリマーハンドブック(ワイリー社刊)第4版等の文献または独立行政法人「物質・材料研究機構」提供のデータベース PolyInfo(http://polymer.nims.go.jp)に記載の溶解度パラメータの項目(http://polymer.nims.go.jp/guide/guide/p5110.html)を参照することができる。
また、トナーセットや特色トナーの状態(すなわち、製品)からでも、各トナーの結着樹脂を構成するモノマーの構造とモル比率を定性及び定量分析し、構成比率を求めることで、計算値として、上記と同様にトナーの結着樹脂のSP値を算出することができる。かかるSP値から上記した式(1)〜(3)を満足するか否かを判定することができる。
(4)上記式(1);SP(1)−SP(2)<0.15
本発明は、各トナーの結着樹脂のSP値の差が重要であって、その材料(結着樹脂)には一般的なモノマーを複数種組み合わせて合成した樹脂を使用できる。2次色を形成するトナー(カラートナー)の結着樹脂のSP値(単位(cal/cm1/2)については、上記に規定する第1〜第3の各トナーの結着樹脂のSP値をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、上記式(1)に示すように、SP(1)とSP(2)の差(SP(1)−SP(2))が0.15よりも小さいことが好ましく、0.15以上の場合、2次色の再現性が悪くなる。即ち、カラートナーの上記SP値が最大となる第1トナーと、最小となる第2トナーの当該SP値(1)(2)の差が、0.15よりも小さいことで、各カラートナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックトナー等)に含まれる結着樹脂同士の相溶性が高く、高画質に必要な小径トナーを用いる場合においても、各カラートナーの重ね合わせにより、それらは定着時の熱によって相互に非常に良好に融合することができる。その結果、画像はがれの問題もなく、様々な色調の画像を再現性良く高精細かつ高画質に形成できる。一方、上記第1トナーと第2トナーの上記SP値(1)(2)の差が0.15以上の場合、特に高画質に必要な小径トナーを用いる場合において、各カラートナーを重ね合わせた界面での混じり合いが定着時の熱では十分に行えなくなる。そのため、重ね合わせたカラートナー同士が、熱溶融では相互に十分に融合(接着)できず、2次色(様々な色調の画像)の色再現性が悪くなり、高精細かつ高画質な画像の形成が困難となる。
(5)上記式(2);0.15≦|SP(1)−SP(3)|<1.0、及び
上記式(3);0.15≦|SP(2)−SP(3)|<1.0
本発明は、各トナーの結着樹脂のSP値の差が重要であって、その材料(結着樹脂)には一般的なモノマーを複数種組み合わせて合成した樹脂を使用できる。2次色を形成するトナー(カラートナー)の結着樹脂のSP値と2次色を形成しないトナー(特色トナー)の結着樹脂のSP値は、上記に規定する第1〜第3の各トナーの結着樹脂のSP値をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、上記式(2)〜(5)に示すように、SP(1)、(2)とSP(3)の差の絶対値(|SP(1)−SP(3)|及び|SP(2)−SP(3)|)は、0.15以上1.0よりも小さいことが好ましく、さらには本発明の作用効果(特に以下に記載の効果)がより効果的かつ顕著であることから、0.4以上1.0よりも小さいことがより好ましい。上記したSP値の差の絶対値が0.15より小さいと、2次色を形成するトナーと形成しないトナーが融合してしまい、色にじみが発生する。上記したSP値の差の絶対値が1.0以上の場合、熱定着のみでは融合できず、画像はがれが発生する。このことは、高画質に必要な小径トナーを用いる場合において、特に特色トナーがカラートナーと層を成すように特色トナーをカラートナーの上層あるいは下層に形成して、カラートナーと特色トナーをメディア上で定着させた場合においても2次色の色再現性が良く、カラートナーの色にじみのない画像を提供することにある。すなわち、上記したような場合においても、カラートナーと特色トナーの各結着樹脂のSP値の差の絶対値が上記範囲内(即ち、上記式(2)、(3)、好ましくは上記式(4)、(5)を満足するもの)であれば、カラートナーとの境界部の「色にじみ」を生じさせることなく、カラートナーの視認性を向上させることができる。また、熱定着の熱により適度に融合させることで、特色トナーとカラートナーの界面の接着性を高めることにより画像はがれが発生しない付加価値画像を提供できる。その結果、2次色の色再現性が良く、カラートナーの色にじみのない高精細かつ高画質で高品質な画像を提供することができる。一方、カラートナーと特色トナーの各結着樹脂のSP値の差の絶対値が小さすぎると、カラートナーとの境界部の「色にじみ」が発生し、画像不良となる。また、上記SP値の差の絶対値が大きすぎると、熱定着のみでは融合できず、特色トナーとカラートナーの界面の接着性が悪くなり、画像はがれが発生する。
すなわち、本発明の上記した第1〜第3実施形態では、2次色を形成するトナー(カラートナー)の結着樹脂のSP値が最大となるトナーを第1トナー、最小となるトナーを第2トナーおよび2次色を作らないトナー(特色トナー)を第3トナーとし、第1〜第3の各トナーの結着樹脂のSP値をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、式(1):SP(1)−SP(2)<0.15、式(2):0.15≦|SP(1)−SP(3)|<1.0、及び式(3):0.15≦|SP(2)−SP(3)|<1.0を満たすことに特徴を有する。式(1)〜式(3)の関係を満たすように、カラートナーの結着樹脂、および、カラートナーと特色トナーの結着樹脂のSP値を適正な数値範囲に制御することで、2次色の色再現性が良く、カラートナーの「色にじみ」と「画像はがれ」のない高画質で高品質な付加価値画像を提供することができる。以上、本発明の上記した第1〜第3実施形態の特徴部分につき説明したものである。以下、2次色を形成するトナー(カラートナー)及び2次色を作らないトナー(特色トナー)の各トナーの構成について説明する。
(6)各トナーの平均粒子径
本発明では、2次色を形成するトナー(カラートナー)及び2次色を作らないトナー(特色トナー)の各トナーは、高画質に必要な小径トナーを用いるのが好ましいことから、各トナーの平均粒子径としては、4〜10μmであることが好ましく、5〜8μmであることがより好ましい。各トナーの平均子粒径が4μm以上であれば、流動性が悪化することもないため、電子写真プロセスにおける使いこなし(作業性、取扱い性等)が容易に行える点で好ましい。また、各トナーの平均粒子径が10μm以下であれば、接触するトナー同士の表面積が小さくなることもないため、高画質に必要な小径トナーとして用いることができる。特に特色トナーがカラートナーと層を成すように特色トナーをカラートナーの上層あるいは下層に形成して、カラートナーと特色トナーをメディア上で定着させた場合において、カラートナーと特色トナーのSP値の差の絶対値を1.0よりも小さくする(上記式(2)(3)を満足する)ことで、熱定着のみで十分な接着が得られ、2次色の色再現性が良く、カラートナーの色にじみのない画像を提供することができる点で好ましい。各トナーの平均粒子径は、実施例の<測定・算出方法>の「1.トナーの平均粒子径」に記載の方法を用いて測定することができる。なお、以下の各種粒子の平均粒子径についても同様にして求めることができる。
(7)各トナーの形状係数
本発明では、2次色を形成するトナー(カラートナー)及び2次色を作らないトナー(特色トナー)の各トナーは、高画質に必要な球形の小径トナーを用いるのがより好ましいことから、各トナーの形状係数としては、0.910〜0.995であることが好ましく、0.930〜0.985であることがより好ましい。各トナーの形状係数が0.910以上であれば、高い転写効率を得ることができる点で好ましい。また、各トナーの形状係数が0.995以下であれば、良好なクリーニング性を得ることができる点で好ましい。各トナーの形状係数は、実施例の<測定・算出方法>の「2.トナーの形状係数」に記載の方法を用いて測定することができる。
(8)各トナーの構成部材について
本発明では、2次色を形成するトナー(カラートナー)及び2次色を作らないトナー(特色トナー)の各トナーの構成については、上記(1−1)〜(1−4)でカラートナーのYMCKについて、上記(2−1)〜(2−3)で特色トナーのW、ME、CLについて、それぞれ説明したように、各トナーでは、主成分である結着樹脂と、各着色剤(CLは着色剤(顔料)を含まず)とを含み、さらに、必要に応じて離型剤等その他の添加剤、外添剤を含むものである。以下、各構成部材につき説明する。
(8−1)着色剤
各トナー(CLは除く)に用いられる着色剤(顔料)としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などを任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロムなどを用いることができる。
白色トナー(W)に用いられる白色の着色剤(顔料)としては、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。具体的には、白色の無機顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン(二酸化チタン)、水酸化アルミニウム、チタンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクサイト等が挙げられる。白色の有機顔料としては、例えば、ポリスチレン樹脂粒子、尿素ホリマリン樹脂粒子等が挙げられる。また中空構造を有する白色顔料、例えば、中空樹脂粒子、中空シリカ等も挙げられる。帯電性および隠蔽性の観点からは、白色の着色剤(顔料)は、酸化チタンであることが好ましい。酸化チタンは、アナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型等いずれの結晶構造も使用できる。
メタリックトナー(ME)に用いられるメタリック着色剤(顔料)とは、メタリック調の色調を得られる材料であることを意味し、導電性の金属製材料のみならず、金属製以外の材料、および非導電性の材料をも含むものである。かかるメタリック着色剤(顔料)としては、アルミ顔料(アルミ粉;アルミニウム又はその合金粉末)、ブロンズ粉、パール顔料などが挙げられる。
ブラックトナー(K)に用いられるブラック系着色剤(顔料)としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
マゼンタトナー(M)等に用いられるマゼンタもしくはレッド用の着色剤(顔料)としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド238等が挙げられる。
また、イエロートナー(Y)等に用いられるオレンジもしくはイエロー用の着色剤(顔料)としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
さらに、シアントナー(C)等に用いられるグリーンもしくはシアン用の着色剤(顔料)としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの着色剤(顔料)は、必要に応じて単独もしくは二つ以上を選択併用することも可能である。
着色剤(顔料)の含有量は、トナー全体に対して1〜60質量%、好ましくは2〜40質量%の範囲で、これらの混合物も用いることができる。かような範囲であると画像の色再現性を確保できる。
また、着色剤(粒子)の大きさとしては、体積平均粒子径で、10〜1000nm、50〜500nmが好ましく、さらには80〜300nmが特に好ましい。かような範囲であると高い色再現性を得ることができるほか、高画質に必要な小径トナーの形成に適している点で好ましい。なお、着色剤(粒子)の体積平均粒子径は、実施例の<測定・算出方法>の「2.トナーの形状係数」に記載の方法を用いて測定することができる。なお、以下の結着樹脂等の樹脂粒子、離型剤(粒子)等の各種粒子等の体積平均粒子径は、上記と同様にして求めることができる。
(8−2)結着樹脂
各トナーの主成分である結着樹脂としては、トナーに用いられている従来のものを用いることができ、例えば、ポリエステル樹脂;ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。
低い温度でトナー画像を定着させる低温定着性の観点からは、結着樹脂として、少なくともポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ここで、2次色を形成するトナー(カラートナー)および2次色を形成しないトナー(特色トナー)のうち、少なくともカラートナーがポリエステル樹脂を含むことが好ましく、カラートナーおよび特色トナーの双方がポリエステル樹脂を含むことがより好ましい。また、低温定着性およびトナーの耐熱保存性の観点からは結着樹脂として、非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)を用いるか、或いは非晶性樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を組み合わせて用いることが好ましく、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を組み合わせて用いることがより好ましい。
(8−2a)非晶性樹脂
非晶性樹脂は特に限定されるものではないが、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを縮合してなる非晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂である。つまり、通常は融点(示差走査熱量(DSC)測定装置を用いて測定されるDSC曲線において、明確な吸熱ピーク)を有さず、比較的高いガラス転移点温度(Tg)を有するものである。より具体的には、非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)の示差走査熱量測定装置によるTgは、40〜90℃であることが好ましく、特に45〜80℃であることが好ましい。非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)のTgが上記の範囲にあることにより、低温定着性、定着分離性および耐画像保存性が適切に得られるため好ましい。非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)のTgは、DSCにより測定される非晶性樹脂のオンセット温度をTgとする。例えば、非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)のTgは、ASTM D3418に準拠して、示差走査熱量測定装置を用いて得ることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/分で昇温し、200℃で5分間ホールドし、200℃から0℃まで液体窒素を用いて−10℃/分で降温し、0℃で5分間ホールドし、再度0℃から200℃まで10℃/分で昇温を行う。2度目の昇温時の吸熱曲線から解析をおこない、非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)のオンセット温度をTgとする。
非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)のゲル浸透クロマトグラフ分析装置(GPC)による重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3000〜100000、より好ましくは4000〜70000である。非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)の重量平均分子量(Mw)がかかる範囲である場合、得られるトナーが耐ブロッキング性に優れ、低温定着性も得ることができる。
上記非晶性ポリエステル樹脂の合成(縮合)に用いられる上記多価アルコール成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどの脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類、およびこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができ、また、3価以上の多価アルコール成分としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。さらに、製造コストや環境性から、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ネオペンチルアルコールなどを用いてもよい。また、非晶性ポリエステル樹脂を形成しうる多価アルコール成分としては、2−ブチン−1,4ジオール、3−ブチン−1,4ジオール、9−オクタデゼン−7,12ジオールなどの不飽和多価アルコールなども用いることができる。これらの多価アルコール成分は、1種単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
これらの中でも、帯電性やトナー強度の観点から、多価アルコール成分としてはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を用いることが好ましい。これらエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの付加モル数は、安定した縮重合反応の完結の観点から、1〜20モルの範囲が好ましく、1〜10モルの範囲がより好ましい。
上記多価アルコール成分と縮合させる2価カルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,10−ドデカンジカルボン酸(1,10−ドデカン二酸)、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;及びこれらの酸の低級アルキルエステル、酸無水物などが挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
これら多価カルボン酸の中でも、特にアルケニルコハク酸もしくはその無水物を用いると、他の官能基に比べ疎水性の高いアルケニル基が存在することにより、より容易に結晶性ポリエステル樹脂と相溶することができる。アルケニルコハク酸成分の例としては、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、並びにこれらの酸無水物、酸塩化物及び炭素数1〜3の低級アルキルエステルを挙げることができる。
更に、3価以上のカルボン酸を含有することにより、高分子鎖が架橋構造をとることができ、該架橋構造をとることにより、高温側での弾性率の低下を抑制させることができ、高温側でのオフセット性を向上させることができる。
上記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸や1,2,5−ベンゼントリカルボン酸などのトリメリット酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、並びにこれらの酸無水物、酸塩化物及び炭素数1〜3の低級アルキルエステルなどが挙げられるが、トリメリット酸(無水物)が特に好適である。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂の軟化温度は、70〜140℃が好ましく、更に70〜125℃が好ましい。かような範囲であると低温定着と適度な光沢を得る点で好ましい。非晶性ポリエステル樹脂の軟化温度は、フローテスターなどにより求めることができる。
また、非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、5〜45mgKOH/gであることが好ましく、更に好ましくは5〜30mgKOH/gである。酸価が45mgKOH以下であれば、吸湿性が高くなることもなく、高湿度下においても帯電性が低くなるのを防止することができる点で好ましい。また、5mgKOH/g以上であれば、樹脂粒子の分散安定性を保持することができ、トナー製造が行い易い点で好ましい。ここで、酸価は、ポリエステル樹脂1gに含まれる酸を中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)の質量をmgで表したものである。ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K0070−1966に準じて求めることができる。なお、以下、他の樹脂の酸価は、上記と同様にして求めることができる。
非晶性樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂の他、特開2011−197659号公報に記載のスチレン−アクリレン系樹脂などが挙げられる。
非晶性樹脂、特に非晶性ポリエステル樹脂は、前記の構成成分の中から任意の組合せで、従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、また組み合せて用いることができる。
具体的には、重合温度140℃以上270℃以下で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助溶剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
上記の多価アルコール成分(特にジオール成分)と多価カルボン酸成分(特にジカルボン酸成分)との使用比率は、多価アルコール成分のヒドロキシル基[OH]と多価カルボン酸成分のカルボキシル基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]が、1.5/1〜1/1.5とされることが好ましく、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との使用比率が上記の範囲にあることにより、所望の分子量を有する非晶性ポリエステル樹脂を確実に得ることができる。
非晶性樹脂、特に非晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒は、酢酸チタン、プロピオン酸チタン、ヘキサン酸チタン、オクタン酸チタンなどの脂肪族モノカルボン酸チタン、シュウ酸チタン、コハク酸チタン、マレイン酸チタン、アジピン酸チタン、セバシン酸チタンなどの脂肪族ジカルボン酸チタン、ヘキサントリカルボン酸チタン、イソオクタントリカルボン酸などの脂肪族トリカルボン酸チタン、オクタンテトラカルボン酸チタン、デカンテトラカルボン酸チタンなどの脂肪族ポリカルボン酸チタン、などの脂肪族カルボン酸チタン類、安息香酸チタンなどの芳香族モノカルボン酸チタン、フタル酸チタン、テレフタル酸チタン、イソフタル酸チタン、ナフタレンジカルボン酸チタン、ビフェニルジカルボン酸チタン、アントラセンジカルボン酸チタンなどの芳香族ジカルボン酸チタン;トリメリット酸チタン、ナフタレントリカルボン酸チタンなどの芳香族トリカルボン酸チタン;ベンゼンテトラカルボン酸チタン、ナフタレンテトラカルボン酸チタンなどの芳香族テトラカルボン酸チタン;などの芳香族カルボン酸チタン類、脂肪族カルボン酸チタン類や芳香族カルボン酸チタン類のチタニル化合物類およびそのアルカリ金属塩類、ジクロロチタン、トリクロロチタン、テトラクロロチタン、テトラブロモチタンなどのハロゲン化チタン類、テトラブトキシチタン(チタンテトラブトキサイド)、テトラオクトキシチタン、テトラステアリロキシチタンなどのテトラアルコキシチタン類、チタンアセチルアセトナート、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトナート、チタントリエタノールアミネート、などのチタン含有触媒である。
上記非晶性樹脂、特に非晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒の使用量は、樹脂合成時のモノマー全量に対して、0.01〜10.0質量%の範囲が好ましく、0.02〜7.0質量%の範囲がより好ましい。かような範囲であると、未反応モノマーの残存が無くなる点で好ましい。
非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)の含有量は、トナー全体(100質量%)に対して通常50〜95質量%、好ましくは50〜80質量%となる量とすることが好ましい。かような範囲であると得られるトナーが耐ブロッキング性に優れ、低温定着性も得ることができる。
(8−2b)結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂は、特に制限されるものではなく、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂を幅広く適用することができる。ここで、結晶性ポリエステル樹脂とは、上記したポリエステル樹脂のうち、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。明確な吸熱ピークとは、具体的には、実施例に記載の示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/分で測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。上記非晶性ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂のうち、上記結晶性ポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂(上記した明確な吸熱ピークを有さないもの)をいう。
結晶性ポリエステル樹脂は、上記定義したとおりであれば特に限定されず、例えば、結晶性ポリエステル樹脂による主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂について、この樹脂が上記のように明確な吸熱ピークを示すものであれば、本発明でいう結晶性ポリエステル樹脂に該当する。
結晶性ポリエステル樹脂のゲル浸透クロマトグラフ分析装置(GPC)による重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜20,000である。かような範囲であると、得られるトナー粒子が粒子全体として融点の低いものにならず耐ブロッキング性に優れ、また、低温定着性にも優れる。
結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量測定装置(DSC)による融点(Tm)は、50℃以上120℃未満であることが好ましく、60℃以上90℃未満であることがより好ましい。ポリエステル樹脂の融点が上記の範囲にあることにより、低温定着性および定着分離性が適切に得られるため好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の融点は、DSCにより測定される吸熱ピーク温度を結晶性ポリエステル樹脂の融点とする。例えば、結晶性ポリエステル樹脂のTmは、ASTM D3418に準拠して、示差走査熱量測定装置を用いて得ることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/分で昇温し、200℃で5分間ホールドし、200℃から0℃まで液体窒素を用いて−10℃/分で降温し、0℃で5分間ホールドし、再度0℃から200℃まで10℃/分で昇温を行う。2度目の昇温時の吸熱曲線から解析をおこない、結晶性ポリエステル樹脂の極大ピークより吸熱ピーク温度を算出し、かかる吸熱ピーク温度をTmとすることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価(酸価AV)は5〜45mgKOH/gであることが好ましく、更に好ましくは5〜30mgKOH/gである。酸価が45mgKOH以下であれば、吸湿性が高くなることもなく、高湿度下においても帯電性が低くなるのを防止することができる点で好ましい。また、5mgKOH/g以上であれば、樹脂粒子の分散安定性を保持することができ、トナー製造が行い易い点で好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分から生成される。多価カルボン酸成分および多価アルコール成分の価数としては、好ましくはそれぞれ2〜3であり、特に好ましくはそれぞれ2であるため、特に好ましい形態として価数がそれぞれ2である場合(すなわち、ジカルボン酸成分、ジオール成分)について説明する。
ジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、芳香族ジカルボン酸を併用してもよい。脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖型のものを用いることが好ましい。直鎖型のものを用いることによって、結晶性が向上するという利点がある。ジカルボン酸成分は、一種類のものに限定されるものではなく、二種類以上を混合して用いてもよい。脂肪族ジカルボン酸としては、主鎖を構成する炭素原子の数が2〜22である直鎖型の脂肪族ジカルボン酸を用いることがより好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,10−ドデカンジカルボン酸(1,10−ドデカン二酸)、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などが挙げられ、また、これらの低級アルキルエステルや酸無水物を用いることもできる。
上記の脂肪族ジカルボン酸の中でも、入手容易性の観点から、炭素原子の数が6〜14である直鎖型の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましく、アジピン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,10−ドデカンジカルボン酸(1,10−ドデカン二酸)であることがより好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、入手容易性および乳化容易性の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を用いることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸の使用量は、結晶性ポリエステル樹脂を形成するためのジカルボン酸成分全体を100構成モル%とした場合の80構成モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは90構成モル%以上、さらに好ましくは100構成モル%である。脂肪族ジカルボン酸の使用量が80構成モル%以上とされることにより、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を確保することができて製造されるトナーに優れた低温定着性が得られ、最終的に形成される画像に光沢性が得られると共に融点降下による画像保存性の低下が抑制され、さらに、当該結晶性ポリエステル樹脂を含む油相液を用いて油滴を形成させるときに、確実に乳化状態を得ることができる。
また、ジオール成分としては、脂肪族ジオールを用いることが好ましく、必要に応じて脂肪族ジオール以外のジオールを含有させてもよい。ジオール成分としては、脂肪族ジオールの中でも、主鎖を構成する炭素原子の数が2〜22である直鎖型の脂肪族ジオールを用いることがより好ましい。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、入手容易性の観点、確実な低温定着性の発現という観点から、主鎖を構成する炭素原子の数が2〜14のものが好ましい。
ジオール成分としては、分岐型の脂肪族ジオールを用いることもできるが、この場合、結晶性の確保の観点から、直鎖型の脂肪族ジオールと共に使用し、かつ、当該直鎖型の脂肪族ジオールの割合を高めにして使用することが好ましい。このように直鎖型の脂肪族ジオールの割合を高めにして使用することによって、結晶性が確保されて製造されるトナーに優れた低温定着性が確実に得られ、最終的に形成される画像において融点降下による画像保存性の低下が抑制され、さらには耐ブロッキング性が確実に得られる。
ジオール成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂を形成するためのジオール成分としては、脂肪族ジオールの含有量が80構成モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは90構成モル%以上であり、さらに好ましくは100構成モル%である。ジオール成分における脂肪族ジオールの含有量が80構成モル%以上とされることにより、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を確保することができて製造されるトナーに優れた低温定着性が得られると共に最終的に形成される画像に光沢性が得られる。
脂肪族ジオール以外のジオールとしては、二重結合を有するジオール、スルホン酸基を有するジオールなどが挙げられ、具体的には、二重結合を有するジオールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオールなどが挙げられる。ジオール成分における二重結合を有するジオールの含有量は20構成モル%以下とされることが好ましい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコール、ベンゼントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸等、およびこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど3価のアルコールも併用することができる。
結晶性ポリエステル樹脂は、前記の構成成分の中から任意の組合せで、従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、また組み合せて用いることができる。
具体的には、重合温度140℃以上270℃以下で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助溶剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
上記のジオール成分とジカルボン酸成分との使用比率は、ジオール成分のヒドロキシル基[OH]とジカルボン酸成分のカルボキシル基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]が、1.5/1〜1/1.5とされることが好ましく、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。ジオール成分とジカルボン酸成分との使用比率が上記の範囲にあることにより、所望の分子量を有する結晶性ポリエステル樹脂を確実に得ることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒は、上記した非晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒と同様のものを用いることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、トナー全体(100質量%)に対して通常1〜40質量%、好ましくは5〜20質量%となる量とすることが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の添加量が40質量%以下であると、外添剤の埋没やフィルミングなどの発生が少ない。また、1質量%以上であると低温定着性向上の効果が効果的に得られる。
また、上記したように各トナー中には、必要に応じて、離型剤、荷電制御剤などの内添剤;無機微粒子、有機微粒子、滑材などの外添剤が含有されていてもよい。
(8−3)離型剤(ワックス)
各トナーを構成する離型剤としては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどの低分子量ポリオレフィン類;合成エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油などの植物系ワックス;モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの鉱物、石油系ワックス;これらの変性物などが挙げられる。これらの離型剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
離型剤の含有量は、トナー全体(100質量%)に対して通常0.5〜25質量%、好ましくは3〜20質量%となる量とされる。かような範囲であるとホットオフセット防止や分離性確保の効果がある。
また、乳化会合法(乳化凝集法)により各トナーを得る場合の離型剤(粒子)の大きさとしては、体積平均粒子径で、10〜1000nm、50〜500nmが好ましく、さらには80〜300nmが特に好ましい。かような範囲であると、離型剤が溶融した際、画像表面へ溶出しやすく画像分離性の点で好ましい。
(8−4)荷電制御剤
荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。荷電制御剤としては、例えば、プラス帯電用としてニグロシン系の電子供与性染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩、アルキルアミド、金属錯体、顔料、弗素処理活性剤等、マイナス帯電用として電子受容性の有機錯体、塩素化パラフィン、塩素化ポリエステル、銅フタロシアニンのスルホニルアミン等を挙げることができる。
荷電制御剤の含有量は、最終的に得られるトナー粒子中における結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部となる量とされる。かような範囲であると、トナー補給後の帯電立ち上がりが確保できる点で好ましい。
(8−5)外添剤
トナーとしての帯電性能や流動性、あるいはクリーニング性を向上させる観点から、トナー粒子の表面に公知の無機微粒子や有機微粒子などの粒子、滑材を外添剤として添加することできる。
無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウムなどによる無機微粒子を好ましいものとして挙げられる。
必要に応じてこれらの無機微粒子は疎水化処理されているのが望ましい。本発明では、疎水化処理された無機微粒子の中でも、高い帯電性の観点から、疎水性シリカが好ましい。かかる疎水性シリカは、作製(内製)してもよいし、疎水性フュームドシリカや疎水性ゾルゲルシリカなどの市販品を入手してよい。
無機微粒子(疎水化処理されたものも含む)の平均粒子径は10〜700nmが好ましく、10〜500nmがより好ましい。かような範囲であると、耐久を通して安定した画像が得られる点で好ましい。また、無機微粒子(疎水化処理されたものも含む)の形状は、特に制限されるものではなく、球形や不定形状など任意の形状のものが利用できる。
有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。かような範囲であると、耐久を通して安定した画像が得られる点で好ましい。径具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機微粒子を使用することができる。有機微粒子の数平均一次粒子径は、画像解析法により測定される。具体的には、走査型電子顕微鏡「JSM−7401(JEOL社製)」を用いて、倍率3万倍でトナーの写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製)ソフトウェアバージョン Ver.1.32を用いて、写真画像上の有機微粒子について2値化処理し、有機微粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出、その平均値を数平均一次粒径とする。ここで水平方向フェレ径とは、外添剤の画像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。凝集体としてトナー表面に存在する場合は、該凝集体を形成する一次粒子の数平均一次粒径を測定するものとする。なお、以下の各種粒子等の数平均一次粒子径は、上記と同様にして求めることができる。
滑材は、クリーニング性や転写性をさらに向上させる目的で使用されるものであって、滑材としては、例えば、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウムなどの塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、リノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩などの高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。これらの外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
外添剤の含有量は、トナー粒子全体(外添剤を含む)に対して0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜8.0質量%の範囲であることが好ましい。かような範囲であると、耐久を通して安定した画像が得られる点で好ましい。
外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの公知の種々の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
(8−5a)外添剤に含まれる「疎水性シリカ」の表面存在比率
本発明では、第1トナー、第2トナーを含むカラートナーおよび上記第3トナー(特色トナー)の各トナーが、(外添剤として)疎水性シリカを含み、第1トナー、第2トナーを含むカラートナーおよび第3トナー(特色トナー)のX線光電子分光(XPS)法で測定した表面のケイ素元素の含有率A(atom%)と炭素元素の含有率B(atom%)との比(A/B)が、第1トナー、第2トナーを含むカラートナーよりも第3トナー(特色トナー)の方が大きいのが望ましい。すなわち、各トナー(カラートナー及び特色トナー)は、通常、外添剤として、疎水性シリカを含有している。この場合に、XPS法で測定したトナー表面のSiとCの比率(Si/C)(=A/B)は、カラートナーよりも特色トナーの方が大きい方が望ましい。これは、外添剤に含まれる「疎水性シリカ」の存在は、多少ではあるが、トナー間の樹脂の融合を阻害するものといえる。それゆえ、特色トナーとカラートナーのSP値(の差の絶対値)が、本発明の範囲である(上記式(2)〜(3)の関係を満足する)場合、カラートナーよりも特色トナーの表面に多くの「疎水性シリカ」が存在することで、より効果的に色にじみの発生を抑制することができるものといえる。かかる観点から、第1トナー、第2トナーを含むカラートナーの(A/B)の最大値(すなわち、YMCK等の各トナーの中で(A/B)が最も大きいもの)よりも、第3トナー(特色トナー)の(A/B)の方が、0.01〜0.8の範囲で大きいのが好ましく、0.1〜0.7の範囲で大きいのがより好ましい。
なお、第1トナー、第2トナーを含むカラートナーの(A/B)は、好ましくは0.15〜0.50、より好ましくは0.20〜0.50の範囲である。かような範囲であると、カラー同士の融合に影響を及ぼさず、適切な帯電量を保持できる点で好ましい。一方、第3トナー(特色トナー)の(A/B)は、好ましくは0.30〜1.0、より好ましくは0.40〜0.90の範囲である。かような範囲であると、色にじみの発生を抑制しつつ、適切な帯電量を保持できる点で好ましい。
(8−5b)外添剤に含まれる疎水性シリカの表面存在比率の測定法(XPS法)
トナー表面のケイ素原子数と炭素原子数の比率は、X線光電子分光(XPS)分析装置により測定が可能である。X線光電子分光(XPS)分析装置は、トナー試料表面にX線を照射し、発生する光電子のエネルギーを測定することで、試料に含有される原子とその電子状態を分析するものである。そのしくみは、物質にX線を照射すると原子軌道の電子が励起され、光電子として原子軌道外に排出される。ここで、光電子は、E=hν−EB(EBは電子の結合エネルギー)にしたがったエネルギー値を有するものなので、X線のエネルギーが一定のもの、すなわち、単一波長のX線であれば、EBで表される結合エネルギーを求めることができる。電子の結合エネルギーは、各原子に固有の軌道エネルギーとなることから、この値から原子の種類を同定することができる。本発明では、公知のX線光電子分光(XPS)分析装置により、トナー表面のケイ素(Si)原子数と炭素(C)原子数の比率を算出することができる。
(9)トナーの製造方法
各トナー(カラートナー及び特色トナー)を製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化会合法(乳化凝集法)、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。これらのトナーの製造方法において、本発明ではカラートナー及び特色トナーの結着樹脂のSP値が上記の式(1)〜(3)、好ましくは式(1)、(4)〜(5)を満足するように、結着樹脂(更には結着樹脂を形成する各単量体)を適宜選択すればよい。即ち、本発明のカラートナー及び特色トナーの結着樹脂(更には結着樹脂を形成する各単量体)のSP値に関しては、上記「(3−1)SP値の測定方法(Fedors法等)」により、予め各トナーの結着樹脂(更には結着樹脂を形成する各単量体)のSP値を算出し、上記の式(1)〜(3)、好ましくは式(1)、(4)〜(5)を満足することを確認した上で、以下に説明する混練粉砕法や乳化会合法(乳化凝集法)に、当該カラートナー及び特色トナーの結着樹脂(更には結着樹脂を形成する各単量体)を用いればよい。
また、少なくともカラートナーは、粒径の均一性、形状の制御性、コア−シェル構造形成の容易性の観点からは、乳化会合法(乳化凝集法)で製造するのが好ましい。以下、乳化会合法(乳化凝集法)によるトナーの製造方法につき具体的に説明するが、これらに何ら制限されるものではない。
(9−1)乳化会合法(乳化凝集法)
乳化会合法(乳化凝集法)は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された結着樹脂(本発明では、カラートナー及び特色トナーの結着樹脂のSP値が上記の式(1)〜(3)を満足するものを用いる)の微粒子(以下、「樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、着色剤の微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒径となるまで凝集(会合)させ、その後または凝集(会合)と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナー粒子を形成する方法である。
ここで、樹脂微粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、またはいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。樹脂微粒子に内添剤を含有させる場合には、中でもミニエマルション重合法を用いることが好ましい。
トナー粒子中に内添剤を含有させる場合は、樹脂微粒子を内添剤を含有したものとしてもよく、また、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、当該内添剤微粒子を樹脂微粒子を凝集(会合)させる際に共に凝集(会合)させてもよい。
また、乳化会合法(乳化凝集法)によってはコア−シェル構造を有するトナー粒子を得ることもでき、具体的にコア−シェル構造を有するトナー粒子は、先ず、コア粒子用の結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを凝集(、融着)させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂微粒子を添加して、コア粒子表面にシェル層用の結着樹脂微粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。コア−シェル構造を有するトナー粒子の場合にも、本発明のカラートナー及び特色トナーの結着樹脂(更には結着樹脂を形成する各単量体)のSP値に関しては、上記「(3−1)SP値の測定方法(Fedors法等)」により、予めコア粒子およびシェル層の結着樹脂(更にはこれらの結着樹脂を形成する各単量体)のSP値を算出し、上記の式(1)〜(3)、好ましくは式(1)、(4)〜(5)を満足することを確認した上で、以下に説明する乳化会合法(乳化凝集法)に、当該カラートナー及び特色トナーのコア粒子およびシェル層の結着樹脂(更にはこれらの結着樹脂を形成する各単量体)を用いればよい。
乳化会合法(乳化凝集法)によりトナーを製造する場合、好ましい実施形態によるトナーの製造方法は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液および非晶性樹脂微粒子分散液、ならびに着色剤分散液を調製する工程(以下、調製工程とも称する)(a)と、結晶性ポリエステル樹脂分散液、非晶性樹脂分散液および着色剤分散液を混合して凝集・融着させる工程(以下、凝集・融着工程とも称する)(b)と、を含む。以下、各工程について詳述する。
(a)調製工程
工程(a)は、より詳細には下記結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液調製工程、非晶性樹脂微粒子分散液調製工程および着色剤分散液調製工程があり、また、必要に応じて、離型剤分散液調製工程などを含む。なお、実施例に示すように、結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を用いることは必須ではないため、当該結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液調製工程も任意であり、必要に応じて行えばよい。即ち、本発明の調製工程(a)は、非晶性樹脂微粒子分散液調製工程と、着色剤分散液調製工程を含むものであればよい。
(a1)結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液調製工程/非晶性樹脂微粒子分散液調製工程
結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液調製工程は、トナー粒子を構成する結晶性ポリエステル樹脂を合成し、この結晶性ポリエステル樹脂を水系媒体中に微粒子状に分散させて結晶性ポリエステル樹脂微粒子の分散液を調製する工程である。また、非晶性樹脂微粒子分散液調製工程は、トナー粒子を構成する非晶性樹脂、好ましくは非晶性ポリエステル樹脂を合成し、この非晶性樹脂を水系媒体中に微粒子状に分散させて非晶性樹脂微粒子の分散液を調製する工程である。
結晶性ポリエステル樹脂/非晶性樹脂を水系媒体中に分散させる方法としては、当該樹脂を有機溶媒(溶剤)中に溶解または分散させて油相液を調製し、油相液を、転相乳化などによって水系媒体中に分散させて、所望の粒径に制御された状態の油滴を形成させた後、有機溶媒を除去する方法が挙げられる。
油相液の調製に使用される有機溶媒(溶剤)としては、油滴の形成後の除去処理が容易である観点から、沸点が低く、かつ、水への溶解性が低いものが好ましく、具体的には、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
有機溶媒(溶剤)の使用量(2種類以上使用する場合はその合計使用量)は、樹脂100質量部に対して、通常1〜300質量部、好ましくは10〜200質量部、さらに好ましくは25〜100質量部である。かような範囲であると、粒度分布が均一な樹脂微粒子の分散液を得ることができる点で好ましい。
さらに、油相液中には、カルボキシル基をイオン乖離させて、水相に安定に乳化させて乳化を円滑に進めるためにアンモニア、水酸化ナトリウムなどを添加してもよい。
水系媒体の使用量は、油相液100質量部に対して、50〜2,000質量部であることが好ましく、100〜1,000質量部であることがより好ましい。水系媒体の使用量を上記の範囲とすることで、水系媒体中において油相液を所望の粒径に乳化分散させることができる。ここで用いられる水系媒体とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、結晶性ポリエステル樹脂/非晶性樹脂(樹脂微粒子)を溶解しないアルコール系有機溶媒を用いることが好ましい。また、水系媒体には、必要に応じて、アミンやアンモニアが溶解されていてもよい。
水系媒体中には、分散安定剤が溶解されていてもよく、また油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤や樹脂微粒子などが適量添加されていてもよい。
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなどの無機化合物を挙げることができる。得られるトナー母体粒子中より分散安定剤を除去する必要があることから、リン酸三カルシウムなどのように酸やアルカリに可溶性のものを使用することが好ましく、環境面の視点からは、酵素により分解可能なものを使用することが好ましい。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤などが挙げられ、また、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤も使用することができる。
このような油相液の乳化分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、乳化分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波ホモジナイザーなどの超音波分散機、高圧衝撃式分散機アルティマイザーなどが挙げられる。
油滴の形成後における有機溶媒の除去は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子/非晶性樹脂微粒子が水系媒体中に分散された状態の分散液全体を、徐々に撹拌状態で昇温し、一定の温度域において強い撹拌を与えた後、脱溶媒を行うなどの操作により行うことができる。あるいは、エバポレータ等の装置を用いて減圧しながら除去することができる。
このように準備された結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液または非晶性樹脂微粒子分散液における結晶性ポリエステル樹脂微粒子(油滴)または非晶性樹脂微粒子(油滴)の粒径は、体積平均粒径で、60〜1000nmとされることが好ましく、さらに好ましくは80〜500nmである。かような範囲であると、安定したトナー製造の点で好ましい。なお、当該樹脂微粒子(油滴)(樹脂粒子)の体積平均粒子径は、レーザー回析・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装社製)等)で測定することができる。なお、この微粒子(油滴)の体積平均粒径は、乳化分散時の機械的エネルギーの大きさによりコントロールすることができる。
また、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液または非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)微粒子分散液における結晶性ポリエステル樹脂微粒子または非晶性樹脂(特に非晶性ポリエステル樹脂)微粒子の含有量(固形分濃度)は、分散液100質量%に対して10〜50質量%の範囲とすることが望ましく、より望ましくは15〜40質量%の範囲である。このような範囲であると、粒度分布の広がりを抑制し、トナー特性を向上させることができる。
(a2)着色剤微粒子分散液調製工程
この着色剤微粒子分散液調製工程は、トナー粒子として、カラートナー(YMCK等)、特色トナー(透明トナー以外の白色、メタリックトナー等)を所望する場合には必須の工程であって、着色剤(顔料)を水系媒体中に微粒子状に分散させて着色剤微粒子の分散液を調製する工程である。
当該水系媒体は上記で説明した通りであり、上記(a1)工程の結晶性ポリエステル樹脂/非晶性樹脂の分散に用いられる水系媒体と同様のものを用いることができる。この水系媒体中には、分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤や樹脂微粒子などが添加されていてもよい。界面活性剤や樹脂微粒子も上記(a1)工程で説明した通りである。
着色剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、このような分散機としては、特に限定されるものではなく、上記で挙げたように、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波ホモジナイザーなどの超音波分散機、あるいは、高圧衝撃式分散機アルティマイザーなどが挙げられる。
着色剤微粒子の体積平均粒径は、10〜300nmとされることが好ましく、さらに好ましくは100〜250nmmである。このような範囲であると、高い色再現性を得ることができる点で好ましい。
また、着色剤微粒子分散液における着色剤微粒子の含有量(固形分濃度)は、10〜50質量%の範囲とすることが望ましく、より望ましくは15〜40質量%の範囲である。このような範囲であると、色再現性確保の効果がある。
(a3)離型剤微粒子分散液調製工程
この離型剤微粒子分散液調製工程は、トナー粒子として離型剤を含有するものを所望する場合に必要に応じて行う工程であって、離型剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて離型剤微粒子の分散液を調製する工程である。
当該水系媒体は上記で説明した通りであり、上記(a1)工程の結晶性ポリエステル樹脂/非晶性樹脂の分散に用いられる水系媒体と同様のものを用いることができる。この水系媒体中には、分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤や樹脂微粒子などが添加されていてもよい。界面活性剤や樹脂微粒子も上記(a1)工程で説明した通りである。
離型剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、このような分散機としては、特に限定されるものではなく、上記で挙げたように、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波ホモジナイザーなどの超音波分散機、高圧衝撃式分散機アルティマイザー、あるいは、高圧ホモジナイザーなどが挙げられる。
離型剤を分散させるにあたり、必要に応じて加熱を行ってもよい。加熱温度としては、分散性を向上させる観点から、離型剤の融点±20℃の範囲であることが好ましい。
離型剤微粒子の体積平均粒径は、10〜300nmとされることが好ましい。このような範囲であると、良好な定着性が得られる点で好ましい。
また、離型剤微粒子分散液における離型剤微粒子の含有量(固形分濃度)は、10〜50質量%の範囲とすることが望ましく、より望ましくは15〜40質量%の範囲である。このような範囲であると、ホットオフセット防止と分離性確保の効果がある。
(b)凝集・融着工程
この凝集・融着工程は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液、非晶性樹脂微粒子分散液、および着色剤微粒子分散液、また必要に応じて、離型剤微粒子分散液、などの他の成分を添加、混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒子径および粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことにより、トナー粒子を形成する工程である。この凝集・融着工程も必要に応じ機械的エネルギーや加熱手段を利用して行うことができる。なお、実施例に示すように、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液は任意成分であり、必要に応じて添加すればよい。即ち、本発明の凝集・融着工程(b)は、少なくとも、非晶性樹脂微粒子分散液と着色剤分散液を添加、混合し、その後の凝集、融着を操作を行えばよい。
(b1)凝集工程
凝集工程においては、まず得られた各分散液を混合して混合液とし、非晶性樹脂のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる。pHとしては、2.0〜7.0の範囲が望ましく、2.0〜5.0の範囲がより望ましい。このような範囲であると、粒度分布がシャープな凝集が可能となる点で好ましい。pHを調整するためには、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、重炭酸塩、アンモニア、苛性カリ、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを用いることができる。この際、凝集剤を使用することも有効である。
用いられる凝集剤は、分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及びこれらの水和物などの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、マグネシウム塩、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、より適している。
凝集粒子が所望の粒径になったところで、非晶性樹脂微粒子を追添加することで、コア凝集粒子の表面を非晶性樹脂で被覆した構成のトナー(コア−シェル粒子)を作製することができる。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ってもよい。なお、コア−シェル粒子を形成しない場合には、当該操作を行う前の凝集粒子が所望の粒径になったところで、以下の凝集停止工程を行えばよい。
凝集の際には加熱、昇温することが好ましい。この際、加熱、昇温によって、融着温度以上になった場合には、融着工程も同時に進行することとなる。昇温速度としては0.1〜5℃/分の範囲で行うことが好ましい。このような範囲であると、粒度分布がシャープな凝集が可能となる点で好ましい。また、加熱温度(ピーク温度)は40〜100℃の範囲で行うことが好ましい。このような範囲であると、粒度分布がシャープな凝集が可能となる点で好ましい。
(b2)凝集停止工程
凝集粒子が、例えば、コールターカウンター等で測定を行い、所望の平均粒子径になったところで、反応系内の各種の微粒子の粒径成長(凝集)を停止させる(以下、凝集停止工程とも称する)。粒径成長(凝集)の停止は、反応系内における微粒子の凝集作用を抑制するために、凝集工程における微粒子の凝集作用が促進されるpH環境から脱する方向にpH調整することができる、塩基化合物からなる凝集停止剤を添加することにより、行われる。凝集粒子の所望の平均粒子径は特に限定されるものではないが、平均粒子径が4.5〜7.0μm程度であることが好ましい。このような範囲であると、高画質な画像が得られる点で好ましい。
この凝集停止工程においては、反応系のpHを5.0〜9.0に調整することが好ましい。このような範囲であると、所望の粒子径で即座に凝集を停止できる点で好ましい。
凝集停止剤(塩基化合物)としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)およびそのナトリウム塩などのアルカリ金属塩、グルコナール、グルコン酸ナトリウム、クエン酸カリウムおよびクエン酸ナトリウム、ニトロトリアセテート(NTA)塩、GLDA(市販のL−グルタミン酸N,N二酢酸)、フミン酸およびフルビン酸、マルトールおよびエチルマルトール、ペンタ酢酸およびテトラ酢酸、カルボキシル基および水酸基の両方の官能基を有する公知の水溶性ポリマー類(高分子電解質)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウムないしこれらの水溶液などが挙げられる。凝集停止工程においては、凝集工程に準じて攪拌を行ってもよい。
(b3)融着工程
融着工程は、上記凝集停止工程(b2)を経た後または、凝集工程(b1)と同時に、反応系を所期の融着温度に加温することにより、凝集粒子を構成する各微粒子を融着させて凝集粒子を融合して、融合粒子を形成させる工程である。
この融着工程における融着温度は、結晶性ポリエステル樹脂の融点以上であることが好ましく、融着温度は、結晶性ポリエステル樹脂の融点より0〜20℃高い温度であることが好ましい。加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5〜10時間程度行えばよい。好ましくは、実施例に示すように、例えば、フロー式粒子像分析装置(例えば、ホソカワミクロン株式会社製、フロー式粒子像分析装置 FPIA−2000)等を用いて測定しながら、所望の形状係数(例えば、0.96程度)に達するまで行えばよい。
この凝集・融着工程においては、凝集系における各微粒子を安定に分散させるために、水系媒体中に界面活性剤を追加してもよい。
この凝集・融着工程における非晶性樹脂微粒子/結晶性ポリエステル樹脂微粒子の添加割合(質量比)は、好ましくは1〜100である。かような範囲であれば、得られるトナーが耐熱保管性に優れ、また低温定着性に優れる。当該要件は、非晶性樹脂微粒子と結晶性ポリエステル樹脂微粒子を併用して凝集・融着工程を行う場合に適用し得るものである。
なお、トナー粒子中に他の内添剤を導入する場合は、この凝集・融着工程の前に内添剤のみよりなる内添剤微粒子分散液を調製し、この凝集・融着工程において結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液、非晶性樹脂微粒子分散液および着色剤分散液と共に当該内添剤微粒子の分散液を混合する方法が好ましい。
融合後に冷却し、融合粒子を得る。冷却速度は好ましくは2〜20℃/分である。このような範囲であると、冷却後のトナー表面が滑らかである点で好ましい。
乳化凝集法によりトナーを得る場合、トナーの体積中位径は、凝集粒子の粒径成長の制御(凝集条件)で制御することができる。
乳化会合法(乳化凝集法)によりトナーを得る場合、上記凝集・融着工程の後、形状係数(円形度)の制御工程を有することが好ましい。すなわち、好適な一実施形態は、カラートナーおよび特色トナーの製造方法が、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液および非晶性樹脂微粒子分散液、ならびに着色剤分散液を調製する工程(以下、調製工程とも称する)(a)と、結晶性ポリエステル樹脂分散液、非晶性樹脂分散液および着色剤分散液を混合して凝集・融着させる工程(以下、凝集・融着工程とも称する)(b)と、トナーの形状係数(円形度)を制御するための形状係数(円形度)の制御工程(c)と、を有する。
形状係数(円形度)の制御処理としては、具体的には、凝集・融着工程で得られた粒子を加熱する加熱処理が挙げられる。加熱温度および保持時間により形状係数(円形度)を制御することができる。加熱温度を高くする、または保持時間を長くすることにより、形状係数(円形度)を1に近づけることができる。ただし、トナー同士の再凝集が発生するため、加熱温度を過度に高くすることは好ましくない。また、同様の理由で、保持時間を過度に長くすることも好ましくない。
形状係数(円形度)の制御処理における加熱温度としては、形状係数(円形度)を1に近づける観点から、70〜95℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましい。また、加熱温度での保持時間としては特に制限されるものではなく、実施例に示すように、形状係数(円形度)が目標値(1に近い数値)になるまで行えばよい。形状係数(円形度)の制御は、加温中に形状係数(円形度)の測定装置にて体積中位径が2μm以上の粒径の円形度を測定し、所望の円形度であるかどうかを適宜判断することによって制御が可能である。なお、体積中位径は、コールター原理を採用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザー3」等)により測定される体積基準の中位径(体積基準メディアン径)である。
さらに、乳化会合法(乳化凝集法)におけるトナーの製造方法においては、(d)濾過・洗浄工程、(e)乾燥工程、(f)外添剤添加工程を含んでいてもよい。
(d)濾過・洗浄工程
この濾過・洗浄工程では、得られたトナー粒子の分散液を冷却して冷却後のスラリーとし、この冷却されたトナー粒子の分散液から、水等の溶媒を用いて、トナー粒子を固液分離してトナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。具体的な固液分離および洗浄の方法としては、遠心分離法、アスピレータ、ヌッチェなどを使用する減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用する濾過法などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。この濾過・洗浄工程においては適宜、pH調整や粉砕などを行ってもよい。このような操作は繰り返し行ってもよい。
(e)乾燥工程
この乾燥工程では、洗浄処理されたトナー粒子に乾燥処理が施される。この乾燥工程で使用される乾燥機としては、オーブン、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。なお、乾燥処理されたトナー粒子中のカールフィッシャー電量滴定法にて測定される水分量は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
また、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集して凝集体を形成している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、コーミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
(f)外添剤添加工程
この外添剤添加工程は、乾燥処理されたトナー粒子に、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、荷電制御剤や種々の無機微粒子、有機微粒子、または滑剤などの外添剤を添加する工程であって、必要に応じて行われる。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機、サンプルミルなどの種々の公知の混合装置を挙げることができる。また、トナーの粒度分布を適当な範囲とするため、必要に応じ篩分級を行ってもよい。
(10)現像剤
以上のようなトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合などが考えられ、いずれも好適に使用することができる。
二成分現像剤を構成するキャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子を用いることが好ましい。
キャリアとしては、その体積平均粒径としては15〜100μmのものが好ましく、25〜60μmのものがより好ましい。
キャリアとしては、さらに樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを用いることが好ましい。被覆用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレートの共重合体、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素含有重合体系樹脂などが用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂など使用することができる。
(11)画像形成方法
本発明の画像形成方法は、2次色を形成するトナーと2次色を形成しないトナーを含む(複数の現像機によって、カラートナー画像を形成する画像形成装置に使用される)トナーセットを用いた画像形成方法であって、2次色を形成するトナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2)が最大となるトナーを第1トナー、最小となるトナーを第2トナーおよび2次色を作らないトナーを第3トナーとし、第1〜第3の各トナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2)をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、上記の式(1)〜(3)、好ましくは式(1)、(4)〜(5)を満たすことを特徴とするものである。
本発明の画像形成方法では、特色トナーを用いて得られる画像形成層Aと、画像形成層Aに隣接し、かつ、特色トナーと異なるカラートナーを用いて得られる画像形成層Bと、をメディア(記録媒体)上に定着させて画像を形成する。この際、特色トナーを記録媒体上に転写して得られる画像形成層Aを定着した後に、カラートナーを記録媒体上に転写して得られる画像形成層Bを定着する方法(フルカラー画像の下層に特色トナー層を形成する形態)、カラートナーを記録媒体上に転写して得られる画像形成層Bを定着した後に、特色トナーを記録媒体上に転写して得られる画像形成層Aを定着する方法(フルカラー画像の上層に特色トナー層を形成する形態)、特色トナーを記録媒体上に転写して得られる画像形成層Aおよびカラートナーを記録媒体上に転写して得られる画像形成層Bを一括して定着する方法(フルカラー画像の上層あるいは下層に特色トナー層を形成する形態)が挙げられるが、本発明の効果がより得られ、また画像形成が速いことから、画像形成層Aと画像形成層Bは、一括で定着させることで画像を形成することが好ましい。
好適には、像担持体上に静電的に形成された静電潜像を、現像機(現像装置)において現像剤を摩擦帯電部材によって帯電させることにより顕在化させてトナー像(画像形成層)を得て、このトナー像を記録媒体上に転写し、その後、記録媒体上に転写されたトナー像を接触加熱方式の定着処理によって記録材に定着させることにより、可視画像が得られる。
好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式のものを挙げることができる。接触加熱方式としては、特に熱圧定着方式、さらには熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
熱ロール定着方式の定着方法においては、通常、表面にフッ素樹脂などが被覆された鉄やアルミニウムなどよりなる金属シリンダー内部に熱源が備えられた上ローラと、シリコーンゴムなどで形成された下ローラとから構成された定着装置が用いられる。
熱源としては、線状のヒータが用いられ、このヒータによって上ローラの表面温度が120〜200℃程度に加熱される。上ローラおよび下ローラ間には圧力が加えられており、この圧力によって下ローラが変形されることにより、この変形部にいわゆるニップが形成される。ニップの幅は1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmとされる。定着線速は40mm/sec〜600mm/secとされることが好ましい。
(10−1)記録媒体
記録媒体(メディア、記録材、記録紙、記録用紙等ともいう)は、一般に用いられているものでよく、例えば、画像形成装置等による公知の画像形成方法により形成したトナー画像を保持するものであれば特に限定されるものではない。使用可能な画像支持体として用いられるものには、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、あるいは、コート紙等の塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布、軟質透明フィルム、ユポ紙などの合成紙等が挙げられる。本発明の画像形成方法では、特に色紙や黒紙、アルミ蒸着紙や透明のフィルム等、特殊な記録媒体に出力する場合において、フルカラー画像の上層あるいは下層に特色トナー層を形成しても、カラートナーの視認性が向上し、カラー画像の2次色の再現性が良好で、かつ、色にじみ、画像はがれのない高画質で高品質な画像を形成することができ、画像としての付加価値を高めることが可能となる点で優れている。
(11)画像形成装置
本発明はさらに、上記第1実施形態で説明したトナーセットを複数の現像機によって、カラートナー画像を形成し得る画像形成装置をも提供する。
上述したように、本発明は、カラートナーの結着樹脂、および、カラートナーと特色トナーの結着樹脂のSP値を適正な数値範囲に制御にする(上記式(1)〜(3)の関係を満たす)ことに特徴があり、したがって、画像形成装置の構成自体は公知の画像形成装置に上記式(1)〜(3)の関係を満たすカラートナーと特色トナーからなるトナーセットを設置すればよい。カラートナーと特色トナーからなるトナーセットを搭載した画像形成装置としては、例えば、特開2006−220694号公報などに開示された装置等が挙げられる。
以下、複数の現像機によって、カラートナー画像を形成する画像形成装置に使用される、上記式(1)〜(3)の関係を満たすカラートナーと特色トナーからなるトナーセットを用いた画像形成方法につき、図面を用いて説明する。
図1は、本発明のトナーセットを用いた画像形成方法に係わるカラー画像形成装置の一例を示す断面概要図である。図1では、カラートナーとしてYMCKの4種類を用い、特色トナーとして白色トナー(W)を用いた例を示すが、かかる白色トナー以外にも、目的に応じて、メタリックトナー(ME)、透明トナー(CL)を単独もしくは組み合わせて用いることができる。
先ず、検知センサ、二次転写装置が装着されているカラー電子写真用の画像形成装置についてその概略を説明する。
画像形成装置GSは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、中間転写体36の移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン及び黒色の各カラートナー像および特色トナーの1種である白色トナー像を形成する画像形成ユニットを配置し、各画像形成ユニットの像担持体上に形成したカラートナー像及び白色トナー像を中間転写体上に多重転写して重ね合わせた後、画像支持体上に一括転写するものである。
図1において、画像形成装置GSの上部を占める位置に配設される画像読取装置SC上に載置された原稿画像が光学系により走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれ、ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書込手段としての露光光学系33に画像データ信号を送る。
中間転写体36としてはドラム式のものや無端ベルト式のものがあり、何れも同じような機能を有するものであるが、以下の説明においては中間転写体としては無端ベルト状の中間転写体36を指すことにする。
又、図1において、中間転写体36の周縁部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)及び白色(W)の各色毎の画像形成用として5組のプロセスユニット100が設けられている。プロセスユニット100はカラートナー像及び白色トナー像の形成手段として、図の矢印で示す鉛直方向の中間転写体36の回転方向に対して、中間転写体36に沿って垂直方向に縦列配置され、Y、M、C、K、Wの順に配置されている。
5組のプロセスユニット100は何れも共通した構造であり、それぞれ、感光体ドラム31と、帯電手段としての帯電器32と、画像書込手段としての露光光学系33と、現像装置(現像機)34と、像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置190とからなっている。
感光体ドラム31は、例えば外径が40〜100mm程度のアルミニウム等の金属性の部材によって形成される円筒状の基体の外周に、層厚(膜厚)20〜40μm程度の感光層を形成したものである。感光体ドラム31は、図示しない駆動源からの動力により、基体を接地された状態で矢印の方向に、例えば80〜280mm/s程度で、好ましくは220mm/sの線速度で回転される。
感光体ドラム31の周りには、帯電手段としての帯電器32、画像書込手段としての露光光学系33、現像装置(現像機)34を1組とした画像形成部が、図の矢印にて示す感光体ドラム31の回転方向に対して配置される。
帯電手段としての帯電器32は、感光体ドラム31の回転軸に平行な方向で感光体ドラム31と対峙し近接して取り付けられる。帯電器32は、感光体ドラム31の感光層に対し所定の電位を与えるコロナ放電電極としての放電ワイヤを備え、トナーと同極性のコロナ放電によって帯電作用(本実施形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム31に対し一様な電位を与える。
画像書込手段である露光光学系33は、不図示の半導体レーザ(LD)光源から発光されるレーザ光を、回転多面鏡(符号なし)により主走査方向に回転走査し、fθレンズ(符号なし)、反射ミラー(符号なし)等を経て感光体ドラム31上を画像信号に対応する電気信号による露光(画像書込)を行い、感光体ドラム31の感光層に原稿画像に対応する静電潜像を形成する。
現像手段としての現像装置34は、感光体ドラム31の帯電極性と同極性に帯電されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)及び白色(W)の各色の2成分現像剤を収容し、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレス或いはアルミニウム材で形成された現像剤担持体である現像ローラ34aを備えている。現像ローラ34aは、突き当てコロ(不図示)により感光体ドラム31と所定の間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保たれ、感光体ドラム31の回転方向と同方向に回転するようになっており、現像時、現像ローラ34aに対してトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流電圧を重畳する現像バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム31上の露光部に対して反転現像が行われる。
中間転写体36は、体積抵抗率が1.0×10〜1.0×10Ω・cm程度で、表面抵抗率が1.0×1010〜1.0×1012Ω/□程度の半導電性の無端状(シームレス)の樹脂ベルトが用いられる。樹脂ベルトとしては、変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した厚さ0.05〜0.5mmの半導電性の樹脂フィルムを用いることができる。中間転写体36としては、この他に、シリコーンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。中間転写体36はテンションローラ36a及び二次転写部材と対峙するバックアップローラ36Bを含む複数のローラ部材により巻回され、鉛直方向に回動可能に支持されている。
各色毎の第1の転写手段としての一次転写ローラ37は、例えばシリコーンやウレタン等の発泡ゴムを用いたローラ状の導電性部材からなり、中間転写体36を挟んで各色毎の感光体ドラム31に対向して設けられ、中間転写体36の背面を押圧して感光体ドラム31との間に転写域を形成する。一次転写ローラ37には定電流制御によりトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流定電流が印加され、転写域に形成される転写電界によって、感光体ドラム31上のトナー像が中間転写体36上に転写される。
中間転写体36上に転写されたトナー像は画像支持体Pに転写される。中間転写体36の周上には、パッチ像トナーの濃度を測定する検知センサ38が設置されている。
中間転写体36上の残留トナーをクリーニングするために、クリーニング装置190Aが設けられている。
更に、二次転写部材37A上のパッチ像トナーをクリーニングするために、二次転写装置70が設けられている。
次に、画像形成方法(画像形成工程乃至プロセス)について説明する。
画像記録のスタートにより不図示の感光体駆動モータの始動により、イエロー(Y)の感光体ドラム31が図の矢印で示す方向へ回転され、Yの帯電器32によってYの感光体ドラム31に電位が付与される。Yの感光体ドラム31は電位を付与された後、Yの露光光学系33によって第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Yの感光体ドラム31上にイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの現像装置34により反転現像され、Yの感光体ドラム31上にイエロー(Y)のトナーからなるトナー像が形成される。Yの感光体ドラム31上に形成されたYのトナー像は一次転写手段としての一次転写ローラ7により中間転写体36上に転写される。
次いで、マゼンタ(M)の帯電器32によってMの感光体ドラム31に電位が付与される。Mの感光体ドラム31は電位を付与された後、Mの露光光学系33によって第1の色信号すなわちMの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Mの感光体ドラム31上にマゼンタ(M)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はMの現像装置34により反転現像され、Mの感光体ドラム31上にマゼンタ(M)のトナーからなるトナー像が形成される。Mの感光体ドラム31上に形成されたMのトナー像は、一次転写手段としての一次転写ローラ37によりYのトナー像に重ね合わせて中間転写体36上に転写される。
同様のプロセスにより、シアン(C)の感光体ドラム31上に形成されたシアン(C)のトナーからなるトナー像と、黒色(K)の感光体ドラム31上に形成された黒色(K)のトナーからなるトナー像が順次中間転写体36上に重ね合わせて形成され、中間転写体36の周面上に、Y、M、C及びKのトナーからなる重ね合わせのカラートナー像が形成される。
次いで、白色(W)の感光体ドラム31が図の矢印で示す方向へ回転され、Wの帯電器32によってWの感光体ドラム31に電位が付与される。Wの感光体ドラム31は電位を付与された後、Wの露光光学系33によって第1の色信号すなわちWの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Wの感光体ドラム31上に白色(W)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はWの現像装置34により反転現像され、Wの感光体ドラム31上に白色(W)トナーからなるトナー像が形成される。Wの感光体ドラム31上に形成されたWのトナー像は一次転写手段としての一次転写ローラ7により中間転写体36上に転写される。これにより、中間転写体36の周面上に、Y、M、C及びKのトナーからなる重ね合わせのカラートナー像、該カラートナー像上に、Wのトナーからなる白色(特色)トナー像が形成される。なお、図1の例では、白色(W)トナーからなるトナー像は、フルカラートナーだけでは十分な発色をカラートナーの組み合わせで形成されるカラー画像の下層に形成されるものであり、白色トナー層上にカラートナーで画像形成することで、カラートナーの視認性が向上し、画像としての付加価値を高めることができるように、画像支持体P(記録媒体)の画像形成領域の全域に形成される。
転写後のそれぞれの感光体ドラム31の周面上に残ったトナーは感光体クリーニング装置190によりクリーニングされる。
一方、給紙カセット50A、50B、50C内に収容された記録紙としての画像支持体Pは、給紙カセット50A、50B、50Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ51及び給紙ローラ52Aにより給紙され、搬送路52上を搬送ローラ52B、52C、52Dによって搬送され、レジストローラ53を経て、トナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される二次転写手段としての二次転写部材37Aに搬送され、二次転写部材37Aの転写域において、中間転写体36上に形成された重ね合わせのカラートナー像(カラー画像)と、該カラートナー像(カラー画像)上の白色(特色)トナー像が画像支持体P上に一括して転写される。これにより、白色トナー層上にカラートナーで画像形成される。
白色トナー層(ベタ塗りの白色下地層)上にカラー画像が転写された画像支持体Pは、定着装置47の加熱ローラ47aと加圧ベルト47bとにより形成されるニップ部において加熱加圧されて定着され、排紙ローラ54に挟持されて機外の排紙トレイ55上に載置される。
二次転写手段としての二次転写部材37Aにより画像支持体P上に白色トナー層(ベタ塗りの白色下地層)およびカラー画像が転写された後、画像支持体Pを曲率分離した中間転写体36上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置190Aにより除去される。
更に、二次転写部材37A上のパッチ像トナーは、二次転写装置70のクリーニングブレード71によりクリーニングされる。
上記したように、本発明のカラートナー及び特色トナー(白色トナー)からなるトナーセットを収納した画像形成装置(現像機)を使用した画像形成方法では、カラートナーの結着樹脂、および、カラートナーと白色(特色)トナーの結着樹脂のSP値を適正な数値範囲に制御にすることで、高画質に必要な小径トナーを用いる場合でも、フルカラー画像の(上層あるいは)下層に白色トナー(特色トナー)層を形成しても、カラー画像の2次色の再現性が良好で、かつ、「色にじみ」と「画像はがれ」のない高画質で高品質な付加価値画像を形成することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の態様に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。無論、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではない。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
<測定・算出方法>
1.トナーの平均粒子径
コールターカウンターマルチサイザー3(ベックマン・コールター製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を100μmにし、測定範囲である2.0〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積中位径(体積基準メディアン径(体積D50%径))とする。
なお、トナーの平均粒子径は、小数点第3位を四捨五入して小数点第2位まで求めた値を採用する。
2.トナーの形状係数
トナーの形状係数は、フロー式粒子像分析装置(ホソカワミクロン株式会社製、フロー式粒子像分析装置 FPIA−2000)を用いて測定した値を用いる。外添処理前のトナーを純粋に分散させ、フロー式粒子像分析装置 FPIA−2000で形状係数を測定する。具体的には、市販されている専用シース液に界面活性剤を溶液させたものに試料をなじませ、超音波分散を1分行い分散した後、フロー式粒子像分析装置 FPIA−2000を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある同一測定値が得られる。下記式にて定義された形状係数を測定した。
また、形状係数は、各粒子の形状係数(円形度)を足し合わせ、全粒子数で割り算して算出した値である。
なお、トナーの形状係数は、小数点第4位を四捨五入して小数点第3位まで求めた値を採用する。
3.非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ASTM D3418に準拠して、示差走査熱量計(島津製作所製:DSC−60A)を用いて得た。この装置(DSC−60A)の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いた。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/分で昇温し、200℃で5分間ホールドし、200℃から0℃まで液体窒素を用いて−10℃/分で降温し、0℃で5分間ホールドし、再度0℃から200℃まで10℃/分で昇温を行った。2度目の昇温時の吸熱曲線から解析をおこない、オンセット温度を非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)とした。
4.結着樹脂等の樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤(粒子)等の体積平均粒子径
結着樹脂等の樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤(粒子)等の体積平均粒子径は、レーザー回析・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装社製))で測定した。
(結着樹脂1の合成)
テレフタル酸50.7質量部、トリメリット酸5.1質量部、ドデカン二酸33.8質量部、ドデセニルコハク酸無水物135.1質量部、ビスフェノールAプロピレンオキシド(BPA−PO)6mol付加物405.4質量部を攪拌機、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド0.1質量部を添加し、窒素ガス気流下において180℃で撹拌しながら8時間重合反応を行った。更にチタンテトラブトキサイド0.2質量部を添加し温度を220℃に上げて撹拌しながら6時間重合反応を行った後、反応容器内を10mmHgまで減圧し、減圧下で反応を行い、結着樹脂として、淡黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂(結着樹脂1とする)を得た。示差走査熱量測定装置(DSC)によるガラス転移温度(Tg)は49℃、ゲル浸透クロマトグラフ分析装置(GPC)による重量平均分子量(Mw)は28000であった。結着樹脂1のFedors法で算出したSP値は、9.91であった。SP値の単位は、(cal/cm1/2である。以下に示す表1等のSP値の単位も同様であるが、これらの単位は省略している。
(結着樹脂2〜7の合成)
以下、反応容器に入れるモノマー(単量体)及びその含有量を下記の表1に示すモノマー(単量体)及びその含有量に変え、ガラス転移温度(Tg)が50℃±1℃の範囲になるように反応時間で分子量を制御した以外は、結着樹脂1の合成と同様にして、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂(結着樹脂2〜7)をそれぞれ合成した。表1のBPA−PO(2mol付加物)は、ビスフェノールAプロピレンオキシド2mol付加物である。またBPA−PO(6mol付加物)は、ビスフェノールAプロピレンオキシド6mol付加物である。更に、BPA−EO(2mol付加物)は、ビスフェノールAエチレンオキシド2mol付加物である。(ここで、上記したBPAのPOおよびEOのモル数の数え方は、両端のPO/EOを足したモル数である。以下同様。)。
(樹脂分散液1の調製)
結着樹脂1 200質量部を酢酸エチル200質量部に溶解した後、イオン交換水800質量部にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを濃度が1質量%になるよう溶解させた水溶液と混合し、超音波ホモジナイザーを用い分散を行った。この溶液を減圧下、酢酸エチルを除去した後、樹脂分散液1を調製した。樹脂分散液1の固形分濃度(樹脂微粒子1の含有量)は20質量%に調整した。樹脂分散液1中の結着樹脂1(樹脂微粒子1とする)の平均粒子径は230nmであった。
(樹脂分散液2−7の調製)
用いる結着樹脂1を結着樹脂2〜7に変更すること以外は、樹脂分散液1の調製と同様にして、樹脂分散液2〜7(固形分濃度を20質量%に調整したもの)を調製した。得られた樹脂分散液1〜7中の結着樹脂1〜7(樹脂微粒子1〜7)の平均粒子径を下記表2に示す。
(シアン着色剤分散液の調製)
シアン着色剤(顔料)として、C.I.ピグメントブルー15;3 50質量部を、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1質量%をイオン交換水200質量部に溶解した界面活性剤水溶液に投入後、超音波ホモジナイザーを用い分散を行ってシアン着色剤分散液を調製した。シアン着色剤分散液中の固形分濃度(シアン着色剤の含有量)は20質量%に調整した。シアン着色剤分散液中のシアン着色剤の平均粒子径は150nmであった。
(マゼンタ着色剤分散液の調製)
マゼンタ着色剤(顔料)として、C.I.ピグメントレッド238 50質量部を、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1質量%をイオン交換水200質量部に溶解した界面活性剤水溶液に投入後、超音波ホモジナイザーを用い分散を行ってマゼンタ着色剤分散液を調製した。マゼンタ着色剤分散液中の固形分濃度(マゼンタ着色剤の含有量)は20質量%に調整した。マゼンタ着色剤分散液中のマゼンタ着色剤の平均粒子径は150nmであった。
(イエロー着色剤分散液の調製)
イエロー着色剤(顔料)として、C.I.ピグメントイエロー74 50質量部を、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1質量%をイオン交換水200質量部に溶解した界面活性剤水溶液に投入後、超音波ホモジナイザーを用い分散を行ってイエロー着色剤分散液を調製した。イエロー着色剤分散液中の固形分濃度(イエロー着色剤の含有量)は20質量%に調整した。イエロー着色剤分散液中のイエロー着色剤の平均粒子径は153nmであった。
(ブラック着色剤分散液の調製)
ブラック着色剤(顔料)として、カーボンブラック(Mogul−L)50質量部を、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1質量%をイオン交換水200質量部に溶解した界面活性剤水溶液に投入後、超音波ホモジナイザーを用い分散を行ってブラック着色剤分散液を調製した。ブラック着色剤分散液中の固形分濃度(ブラック着色剤の含有量)は20質量%に調整した。ブラック着色剤分散液中のブラック着色剤の平均粒子径は152nmであった。
(白色着色剤分散液の調製)
白色着色剤(顔料)として、ルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製)210質量部を、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1質量%をイオン交換水480質量部に溶解した界面活性剤水溶液に投入後、超音波ホモジナイザーを用い分散を行って白色着色剤分散液を調製した。白色着色剤分散液中の固形分濃度(白色着色剤の含有量)は30質量%に調整した。白色着色剤分散液中の白色着色剤の平均粒子径は200nmであった。
(メタリック着色剤分散液の調製)
メタリック着色剤(顔料)として、ペースト状のものから溶剤を除去したアルミ顔料(昭和アルミパウダー株式会社製、260EA、平均粒子径10μm)210質量部を、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1質量%をイオン交換水480質量部に溶解した界面活性剤水溶液に投入後、超音波ホモジナイザーを用い分散を行ってメタリック着色剤分散液を調製した。メタリック着色剤分散液中の固形分濃度(メタリック着色剤の含有量)は30質量%に調整した。メタリック着色剤分散液中のメタリック着色剤の平均粒子径は4μmであった。
(離型剤分散液の調製)
離型剤として、フッシャートロプシュワックス(FNP−0090、融点89℃、日本精鑞社製)200質量部を95℃に加温し溶融させた。更にアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム3質量%となるよう添加したイオン交換水800質量部に溶解した界面活性剤水溶液に投入後、超音波ホモジナイザーを用い分散を行って離型剤分散液を調製した。離型剤分散液中の固形分濃度(離型剤の含有量)は20質量%に調整した。離型剤分散液中の離型剤の平均粒子径は190nmであった。
(カラートナーの合成)
樹脂分散液1 875.2質量部、離型剤分散液85.0質量部、シアン着色剤分散液62質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム0.5質量部を攪拌機、冷却管、温度計を備えた反応容器に投入し、攪拌しながら0.1Nの塩酸を加えてpHを2.5に調整した。次いで、ポリ塩化アルミニウム水溶液(AlCl換算で10質量%水溶液)0.4質量部を10分間かけて滴下した後、撹拌しながら0.05℃/minの速度で昇温し「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて適宜凝集粒子の粒径を測定した。凝集粒子の体積基準のメジアン径が5.6μmに到達したところで、昇温を停止した。その後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にして粒径成長を停止した。さらに、内温を85℃まで昇温し「FPIA−2000」(Sysmex社製)を用いて平均円形度(形状係数)が0.960になった時点で10℃/minの速度で室温まで冷却し、この反応液を、濾過、洗浄を繰り返した後、乾燥することにより、カラートナーの1種であるシアントナーを得た。
上記したカラートナーの合成法により、シアントナーとして、平均粒子径5.60μm、形状係数0.965のC1トナーを得た。また着色剤分散液を変更した以外は、上記したカラートナーの合成法と同様にして、マゼンタトナーとして、M1トナー、イエロートナーとして、Y1トナー、ブラックトナーとしてK1トナーを作製した。これらの平均粒子径と形状係数は、下記表3のとおりである。さらに、樹脂分散液1を下記表3に示した樹脂分散液に変えると共に、着色剤分散液を適宜変更した以外は、上記したカラートナーの合成法と同様にして、各カラートナー(YMCK)を作製した。それらの平均粒子径と形状係数は、下記表3のとおりである。なお、表3のカラートナーでは、シアントナーは、C(樹脂分散液の番号)トナーとし、マゼンタトナーが、M(樹脂分散液の番号)トナーとし、イエロートナーは、Y(樹脂分散液の番号)トナーとし、ブラックトナーは、K(樹脂分散液の番号)トナーとした。
(特色トナーの合成)
・白色(W1)トナーの合成
樹脂分散液1 683.3質量部、離型剤分散液94.4質量部、白色(ホワイト)着色剤分散液222.2質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム0.5質量部を攪拌機、冷却管、温度計を備えた反応容器に投入し、撹拌しながら0.1Nの塩酸を加えてpHを2.5に調整した。次いで、ポリ塩化アルミニウム水溶液(AlCl換算で10質量%水溶液)0.4質量部を10分間かけて滴下した後、撹拌しながら0.05℃/minの速度で昇温し「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて適宜凝集粒子の粒径を測定した。凝集粒子の体積基準のメジアン径が5.6μmに到達したところで、昇温を停止した。その後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にして粒径成長を停止した。さらに、内温を85℃まで昇温し「FPIA−2000」(Sysmex社製)を用いて平均円形度(形状係数)が0.960になった時点で10℃/minの速度で室温まで冷却し、この反応液を、濾過、洗浄を繰り返した後、乾燥することにより、特色トナーの1種である白色トナーを得た。
上記した特色トナーの合成法により、白色トナーとして、平均粒子径5.60μm、形状係数0.965のW1トナーを得た。
・白色(W2〜W7)トナー及び透明(CL1、7)トナーの合成
樹脂分散液および着色剤分散液を変更した以外は、上記した特色トナーの合成法と同様にして、各特色トナー(白色(W2〜W7)トナー及び透明(CL1、7)トナー)を作製した。それらの平均粒子径と形状係数は、下記表4のとおりである。
・メタリック(ME1、7)トナーの合成
メタリックトナーの合成については、樹脂分散液および着色剤分散液を変更し、「凝集粒子の体積基準のメジアン径が7.50μmに到達したところで、昇温を停止した」こと、更に「内温を85℃まで昇温し「FPIA−2000」(Sysmex社製)を用いて平均円形度(形状係数)が0.950になった時点で10℃/minの速度で室温まで冷却し」たこと以外は、上記した特色トナーの合成法と同様にして、特色トナー(メタリック(ME1、7)トナー)を作製した。それらの平均粒子径と形状係数は、下記表4のとおりである。
なお、上記特色トナーの合成及び表4の特色トナーでは、白色トナーは、W(樹脂分散液の番号)トナーとし、メタリックトナーは、ME(樹脂分散液の番号)トナーとし、透明トナーは、CL(樹脂分散液の番号)トナーとした。
(トナーの外添処理)
得られた各トナー100質量部に対して、疎水化処理剤で疎水化された平均粒子径100nmのゾルゲルシリカ1.5質量部、疎水化処理剤で疎水化された平均粒子径20nmのヒュームドシリカ0.5質量部、疎水化処理剤で疎水化された平均粒子径30nmのチタニア0.5質量部をミキサーに入れ、25m/sの撹拌速度で45分混合し、評価するトナー(評価トナー)を作製した(外添処方1とする)。さらに、添加する外添剤の量を下記表5のとおり変更した以外は、上記したトナーの外添処理と同様にして、評価するトナー(評価トナー)を作製した(外添処方2とする)。
実施例1〜19、比較例1〜12
得られた評価トナーを下記「現像剤の作製」に従って作製した現像剤として用い、これら現像剤を下記表6に示すように組み合わせた評価トナーセットを形成した。詳しくは下記表6に記載のカラートナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックトナーの4種)及び特色トナー(白色、メタリック、透明トナー)の1種の組み合わせとした。下記表6に示すように組み合わせた評価トナーセットを用いて画像形成を行い、2次色再現性、色にじみ、及び画像はがれにつき、評価した。また、評価トナーにつき、Si/C量の測定を行い、評価した。評価結果を下記表6に示す。
(現像剤の作製)
各トナーに対して、アクリル系樹脂を被覆した体積平均粒子径35μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6質量%になるように混合し、現像剤を作製した。
(2次色再現性評価のための画像形成方法及び評価法)
上記にて作製したカラートナー(YMCKの4種)と特色トナー(W、ME、CL)の1種を下記表6に示すように組む合せた各現像剤(評価トナーセット)をそれぞれ投入した5機の現像機を、画像形成装置であるbizhubPro C6500の改造機(YMCKの4種のユニットをYMCK+特色トナーの5種のユニットに改造した。図1参照)に入れ、透明なOHPシートを用い5×5cm角の最下層の特色トナー層の中央に、レッド(M+Y)、ブルー(M+C)、グリーン(C+Y)の1cm角のソリッド画像を作製した。1枚目の形成画像及び10,000枚目の形成画像各々におけるソリッド画像部の色を「Macbeth Color−Eye7000」により測定し、CMC(2:1)色差式を用いて色差を算出した。CMC(2:1)色差式で求められた色差が5以下であれば、形成された画像の色味の変化が許容できる。なお、○と◎を合格とする。評価結果を下記表6に示す。
◎:R、G、Bともに色差2未満
○:R、G、Bのいずれかの色差が色差2以上3.5未満
△:R、G、Bのいずれかの色差が色差3.5以上5未満
×:R、G、Bのいずれかの色差が5以上。
(色にじみ評価のための画像形成方法及び評価法)
上記にて作製したカラートナー(YMCKの4種)と特色トナー(W、ME、CL)の1種を下記表6に示すように組む合せた各現像剤(評価トナーセット)をそれぞれ投入した5機の現像機を、画像形成装置であるbizhubPro C6500の改造機(YMCKの4種のユニットをYMCK+特色トナーの5種のユニットに改造した。図1参照)に入れ、透明なOHPシートを用い5×5cm角の最下層の特色トナー層の中央に、レッド(M+Y)、ブルー(M+C)、グリーン(C+Y)のアルファベット「A」(20pt)を描くような画像を作製した。1枚目の形成画像及び10,000枚目の形成画像各々における「A」画像の端部を目視および2000倍の光学顕微鏡(Keyence:VHX−2000)で下層にあるカラートナーの色が識別できるかを観察した。なお、○と◎を合格とする。評価結果を下記表6に示す。
◎:目視でも光学顕微鏡でも識別できない
○:目視では識別できないが、光学顕微鏡では、下層のトナー色が識別できる
△:目視でも少し識別できるが、光学顕微鏡ではっきり下層のトナー色が識別できる
×:目視ではっきり識別でき、光学顕微鏡でもドットの崩れが明らかである。
(画像はがれ評価のための画像形成方法及び評価法)
画像はがれは、以下に示す「定着率」として評価した。上記の「2次色再現性」で作製した10000枚目の画像についてマクベス反射濃度計「RD−918」により2次色パッチ部分の画像濃度を測定した。画像濃度は、測定器の白基準板を基準にした絶対反射濃度とし、この測定部を、平織りの晒し木綿を用いて、22g/cmの荷重にて15回擦る。擦り後に測定部の画像濃度を測定し、擦り前後の濃度比を定着率とした。
画像はがれ評価は、定着率が80%以上であれば実用上問題ない程度といえ、合格とした。評価結果を下記表6に示す。
表6の「画像はがれ」の評価基準は下記の通りである。
◎:定着率90%以上
○:定着率80%以上90%未満
△:定着率70%以上80%未満
×:定着率70%未満。
(評価トナーのSi/C量の測定及び測定結果の評価法)
外添剤として疎水性シリカを含むトナー表面のケイ素元素の含有率A(atom%)と炭素元素の含有率B(atom%)との比(A/B)(すなわちトナー表面のSi/C量)は、XPS(X線光電子分光分析装置)により測定した。具体的には、X線光電子分光分析装置「K−Alpha」(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、下記の分析条件によってケイ素元素と炭素元素の定量分析を行い、各々の原子ピーク面積から相対感度因子を用いて、表面元素濃度を算出し、ケイ素元素の表面元素濃度A(atom%)と炭素元素の表面元素濃度B(atom%)の比(A/B)の値を計算する。なお、測定は、粉体用測定プレートの穴(直径3mm、深さ1mm)の中に、外添処理したトナーを入れ、表面をすりきったものを測定サンプルとする。
(測定条件)
X線 :Alモノクロ線源
加速 :12kV、6mA
ビーム系 :400μm
パスエネルギー:50eV
ステップサイズ:0.1eV。
(評価法)
下記表6に示す各実施例及び比較例で用いたカラートナー(YMCKの4種)と特色トナー(W、ME、CL)の1種において、上記(A/B)の値(=Si/C量)が、カラートナーよりも特色トナーの方が大きいものの評価を「有」とし、上記(A/B)の値(=Si/C量)が、カラートナーよりも特色トナーの方が小さいか、同じであるものの評価を「無」とした。なお、実施例評価(2次色再現性、色にじみ、及び画像はがれ、Si/C量の評価)では、ブラックトナー(K)を利用した評価は行っていない(但し、例えば、暗めのRedの表現にKが使われることもあり、Kを利用して本実施例と同様に評価可能である)。
表6のSP1、SP2、SP3は、カラートナー(YMCKの4種)の結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2)が最大となるトナーを第1トナー、最小となるトナーを第2トナーおよび特色トナー(W、ME、CLのいずれか1種)を第3トナーとし、第1〜第3の各トナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2)をSP1、SP2、SP3としたものである。
「SP1−SP2」の欄では、カラートナー(YMCKの4種)の結着樹脂のSP値の最大値(SP1)と最小値(SP2)の差を表したものである。
「|SP1−SP3|」の欄では、カラートナー(YMCKの4種)の結着樹脂のSP値の最大値(SP1)と特色トナー(W、ME、CLのいずれか1種)の結着樹脂のSP値(SP3)の差の絶対値を表したものである。
「|SP2−SP3|」の欄では、カラートナー(YMCKの4種)の結着樹脂のSP値の最小値(SP2)と特色トナー(W、ME、CLのいずれか1種)の結着樹脂のSP値(SP3)の差の絶対値を表したものである。
表6の結果より、実施例1〜19のように、カラートナーの結着樹脂、および、カラートナーと特色トナーの結着樹脂のSP値を適正な数値範囲に制御することで、これらのカラートナー(YMCKの4種)と特色トナー(W、ME、CL)の1種からなるトナーセットを用いて形成された画像は、フルカラー画像の下層(又は上層)に特色トナー層を形成しても、カラー画像の2次色の再現性が良好で、かつ、色にじみ、画像はがれのない高画質な画像を形成できることがわかった。一方、比較例1〜12のように、カラートナーの結着樹脂、および、カラートナーと特色トナーの結着樹脂のSP値が適正な数値範囲から外れる場合には、これらのカラートナー(YMCKの4種)と特色トナー(W、ME、CL)の1種からなるトナーセットを用いて形成された画像は、カラー画像の2次色の再現性が不十分であったり、色にじみや画像はがれが生じるなど、高画質な画像の形成が困難であることが確認できた。
また、実施例6、7では、トナー表面のケイ素元素の含有率A(atom%)と炭素元素の含有率B(atom%)との比(A/B)の値が、カラートナーよりも特色トナーの方が大きい(すなわち、特色トナーに外添処方2を採用している)実施例7の方が、色にじみの評価が○から◎になっており、より一層、色にじみのない高画質な画像を形成できることがわかった。このことは、比較例7、8からも同様の改善効果が認められることからも確認できる。すなわち、上記(A/B)の値(=Si/C量)が、カラートナーよりも特色トナーの方が小さいか、同じであっても、特に本発明の効果を損なうものではなく、上記(A/B)の値が、カラートナーよりも特色トナーの方が大きければ、本発明の効果がより向上することが分かった。外添処方2を用いた実施例7は実施例6と比較して、他の性能を保持したまま、色にじみが向上し、また、比較例8は、比較例7と比較して×から△にではあるが色にじみが向上した。これは、上述したよう特色トナーとカラートナーのSP値(の差の絶対値)が、本発明の範囲である場合、カラートナーよりも特色トナーの表面に多くの「疎水性シリカ」が存在することで、より効果的に色にじみの発生を抑制することができるものといえる。
更に、実施例1〜19の中でも、|SP1−SP3|と|SP2−SP3|が共に0.4以上1.0未満である実施例2〜5、8〜11、15〜18では、カラー画像の2次色再現性、色にじみ、画像はがれの評価が全て◎であり、最も優れた高画質な画像を形成できることがわかった。一方、|SP1−SP3|と|SP2−SP3|の両方が0.15以上0.4未満である実施例1、6、7、12〜14(但し、実施例7は除く)では、2次色再現性、画像はがれの評価は◎であるが、色にじみの評価が○であり、色にじみを改善するには、|SP1−SP3|と|SP2−SP3|を共に0.4以上1.0未満に制御することが有用であることがわかった。さらに、上記したようにトナー表面のケイ素元素の含有率A(Atom%)と炭素元素の含有率B(Atom%)との比(A/B)の値が、カラートナーよりも特色トナーの方が大きくなるように改善することでも、色にじみの改善する上で有効な手段であることがわかった(上記実施例6、7の考察参照)。また、|SP1−SP3|が0.4以上1.0未満であり、|SP2−SP3|が0.15以上0.4未満である実施例19では、2次色再現性の評価は◎であるが、色にじみ、画像はがれの評価が○であり、色にじみ、画像はがれを改善するには、上記したように|SP1−SP3|と|SP2−SP3|を共に0.4以上1.0未満に制御することが有用であることがわかった。
また、比較例1〜12からは、SP1−SP2が0.15以上である比較例11、12では、2次色再現性の評価が×であった。これは、各カラートナーを重ね合わせた界面での混じり合いが定着時の熱では十分に行えなくなるため、重ね合わせたカラートナー同士が、熱溶融では相互に十分に融合(接着)できず、2次色(様々な色調の画像)の色再現性が悪くなり、高画質な画像の形成が困難となったものといえる。
また、|SP1−SP3|と|SP2−SP3|を共に0.15未満である比較例1、2、7〜10では、色にじみの評価が×(特色トナーに外添処方2を採用した比較例8でも評価は△)であった。これは、|SP1−SP3|と|SP2−SP3|が0.15より小さいと、カラートナーと特色トナーが融合してしまい、色にじみが発生することで、高画質な画像の形成が困難となったものといえる。逆に|SP1−SP3|と|SP2−SP3|を共に1.0以上である比較例3〜6画像はがれの評価が×であった。これは、|SP1−SP3|と|SP2−SP3|が1.0以上の場合、熱定着のみでは融合できず、画像はがれが発生することで、高画質な画像の形成が困難となったものといえる。
31 感光体ドラム、
32 帯電器、
33 画像書込手段としての露光光学系、
34 現像装置、
34a 現像ローラ、
36 中間転写体、
36a テンションローラ、
36B バックアップローラ、
37 一次転写ローラ、
37A 二次転写部材、
38 検知センサ、
47 定着装置、
47a 加熱ローラ、
47b 加圧ベルト、
50A、50B、50C 給紙カセット、
51 送り出しローラ、
52 搬送路、
52A 給紙ローラ、
52B、52C、52D 搬送ローラ、
53 レジストローラ、
54 排紙ローラ、
55 排紙トレイ、
70 二次転写装置、
100 イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)及び白色(W)のプロセスユニット、
190 像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置、
190A 中間転写体クリーニング装置、
GS 画像形成装置、
SC 画像読取装置、
CCD ラインイメージセンサ、
P 画像支持体。

Claims (5)

  1. 2次色を形成するトナーと2次色を形成しないトナーを含むトナーセットであって、
    2次色を形成するトナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2)が最大となるトナーを第1トナー、最小となるトナーを第2トナーおよび2次色を形成しないトナーを第3トナーとし、第1〜第3の各トナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2)をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、下記の式(1)〜(3);
    SP(1)−SP(2)<0.15 (1)
    0.15≦|SP(1)−SP(3)|<1.0 (2)
    0.15≦|SP(2)−SP(3)|<1.0 (3)
    を満たし
    記第3トナーが、白色着色剤を含み、結晶性樹脂を含まないことを特徴とするトナーセット。
  2. 第1〜第3の各トナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2)が、下記の式(1)、(4)、(5);
    SP(1)−SP(2)<0.15 (1)
    0.4≦|SP(1)−SP(3)|<1.0 (4)
    0.4≦|SP(2)−SP(3)|<1.0 (5)
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載のトナーセット。
  3. 2次色を形成するトナー及び第3トナーが、疎水性シリカを含み、2次色を形成するトナーおよび第3トナーのX線光電子分光(XPS)法で測定した表面のケイ素元素の含有率A(atom%)と炭素元素の含有率B(atom%)との比(A/B)が、2次色を形成するトナーよりも第3トナーの方が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のトナーセット。
  4. 前記第1トナーおよび前記第2トナーを含む前記2次色を形成するトナーが、少なくともポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーセット。
  5. 2次色を形成するトナーと2次色を形成しないトナーを含むトナーセットを用いた画像形成方法であって、
    2次色を形成するトナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2)が最大となるトナーを第1トナー、最小となるトナーを第2トナーおよび2次色を作らないトナーを第3トナーとし、第1〜第3の各トナーの結着樹脂の溶解度パラメーター値(SP値:(cal/cm1/2)をSP(1)、SP(2)、SP(3)としたとき、下記の式(1)〜(3);
    SP(1)−SP(2)<0.15 (1)
    0.15≦|SP(1)−SP(3)|<1.0 (2)
    0.15≦|SP(2)−SP(3)|<1.0 (3)
    を満たし
    記第3トナーが、白色着色剤を含み、結晶性樹脂を含まないことを特徴とする画像形成方法。
JP2014173251A 2014-08-27 2014-08-27 トナーセット、画像形成方法および2次色を形成しないトナー Active JP6417792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014173251A JP6417792B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 トナーセット、画像形成方法および2次色を形成しないトナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014173251A JP6417792B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 トナーセット、画像形成方法および2次色を形成しないトナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016048310A JP2016048310A (ja) 2016-04-07
JP6417792B2 true JP6417792B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=55649242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014173251A Active JP6417792B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 トナーセット、画像形成方法および2次色を形成しないトナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6417792B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017181643A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6872111B2 (ja) * 2016-11-21 2021-05-19 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP7180286B2 (ja) * 2018-10-31 2022-11-30 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法
JP7395985B2 (ja) * 2019-11-22 2023-12-12 株式会社リコー トナーセット、画像形成方法、及びスクラッチ画像形成物
JP7409048B2 (ja) 2019-11-29 2024-01-09 株式会社リコー トナーセット、収容ユニット、並びに、画像形成方法及び画像形成装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4017562B2 (ja) * 2003-06-02 2007-12-05 花王株式会社 フルカラートナー
JP4525506B2 (ja) * 2005-07-25 2010-08-18 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、及び画像形成方法
JP4867610B2 (ja) * 2006-11-22 2012-02-01 富士ゼロックス株式会社 静電潜像現像用透明トナー、その製造方法、静電潜像現像用現像剤、画像形成方法および画像形成装置。
JP2009217053A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2012208217A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Ricoh Co Ltd 電子写真画像形成方法およびプロセスカートリッジ
JP5729354B2 (ja) * 2012-06-20 2015-06-03 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016048310A (ja) 2016-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6094546B2 (ja) 画像形成方法、トナーセットおよび白色トナー
JP4697310B2 (ja) 静電潜像現像用透明トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4492687B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5545046B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP6331856B2 (ja) 画像形成方法、トナーセットおよび白色トナー
JP2010169842A (ja) 静電荷像現像用グリーントナー、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像用現像剤セットおよび画像形成装置
JP6417792B2 (ja) トナーセット、画像形成方法および2次色を形成しないトナー
JP2010211189A (ja) 静電潜像現像用透明トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置
US8389187B2 (en) Transparent toner for electrostatic latent image developing, electrostatic latent image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus and image forming method
KR101531547B1 (ko) 정전하상 현상 토너 및 그 제조 방법, 카트리지, 화상 형성 방법, 및, 화상 형성 장치
JP6446929B2 (ja) 画像形成方法、トナーセットおよび白色トナー
JP5691737B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、静電荷像現像用トナーの製造方法及び画像形成装置
KR101571764B1 (ko) 정전하상 현상 토너 및 그 제조 방법, 카트리지, 화상 형성 방법, 및, 화상 형성 장치
JP4458003B2 (ja) 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤及び画像形成方法
JP2010139643A (ja) 非磁性一成分現像用現像剤及びその製造方法、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに画像形成装置
JP2005215298A (ja) 静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像剤および画像形成方法
JP2009063974A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP5609198B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP2013068743A (ja) 画像形成方法
JP2011065092A (ja) 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用キャリアの製造方法、静電荷像現像用現像剤、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP5454046B2 (ja) 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5418017B2 (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2010091875A (ja) 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置
JP2010217405A (ja) 静電荷像現像用現像剤および画像形成装置
JP2010230990A (ja) 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180410

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6417792

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150