JP2010217405A - 静電荷像現像用現像剤および画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用現像剤および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】転写工程において特に厚紙など画像を転写したときの文字画像における中抜け現象を抑制する静電荷像現像用現像剤を提供する。
【解決手段】結晶性ポリエステル樹脂および非晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー母粒子と、外部添加剤として少なくとも体積平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子とを有するトナーと、樹脂中に磁性粉を分散させた芯材と、芯材の表面を被覆する樹脂被覆層とを有するキャリアと、を含む静電荷像現像用現像剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置に関する。
電子写真法など静電潜像(静電荷像)を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々の分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に形成される静電潜像が静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある)により現像されて、転写、定着工程を経て可視化される。現像に用いられる現像剤にはトナーと静電荷像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と呼ぶ場合がある)とを含む二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いられる一成分現像剤とがあるが、二成分現像剤は、キャリアが現像剤の撹拌、搬送、帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離されているため、制御性がよいなどの特徴があり、現在広く用いられている。
キャリアは、一般に、樹脂中に磁性粉を分散させた芯材(磁性粒子)表面に樹脂被覆層を有する樹脂被覆キャリアと、表面に被覆層を有しない非被覆キャリアとに大別されるが、樹脂被覆キャリアを用いる現像剤は、帯電制御性が優れ、環境依存性、経時安定性の改善が比較的容易である。
トナーは、画像定着におけるオイルレス定着のため、トナーに離型剤を含有させたものが主流となっており、特に近年、低融解温度の離型剤が主流になっている。また、トナーは、トナー表面の流動性、付着性などを制御するために無機粒子などの外部添加剤(以下、「外添剤」と呼ぶ場合がある)がトナー母粒子の表面に外部添加されているものが多い。
例えば、特許文献1には、2種類の平均粒径の異なるシリカを外部添加したトナーが記載されている。
また、特許文献2には、結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーと、アミノシランカップリング剤を含有するシリコーン樹脂被覆キャリアとの組合せが、特許文献3には、結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーと、アミノシランカップリング剤を含有するフッ素変性シリコーン樹脂被覆キャリアとの組合せが、特許文献4には、結晶性ポリエステル樹脂と無定形ビニル重合体とが化学的に結合した樹脂を含むトナーと、所定の見掛け比重を有する磁性体粒子を樹脂で被覆したキャリアとの組合せが記載されている。
特開2007−178623号公報 特開2006−106699号公報 特開2005−10455号公報 特開平5−45929号公報
本発明の課題は、転写工程において特に厚紙などに画像を転写したときの文字画像における中抜け現象を抑制する静電荷像現像用現像剤を提供することである。
本発明は、結晶性ポリエステル樹脂および非晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー母粒子と、外部添加剤として少なくとも体積平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子とを有するトナーと、樹脂中に磁性粉を分散させた芯材と、前記芯材の表面を被覆する樹脂被覆層とを有するキャリアと、を含む静電荷像現像用現像剤である。
また、本発明は、前記結着樹脂中の前記結晶性ポリエステル樹脂の割合が、1質量%以上30質量%以下の範囲である請求項1に記載の静電荷像現像用現像剤である。
また、本発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、前記現像剤は、請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用現像剤である画像形成装置である。
本発明の請求項1によれば、本構成を有さない場合に比較して、転写工程において特に厚紙などに画像を転写したときの文字画像における中抜け現象を抑制する静電荷像現像用現像剤を提供することができる。
本発明の請求項2によれば、本構成を有さない場合に比較して、転写工程において特に厚紙などに画像を転写したときの文字画像における中抜け現象をより抑制する静電荷像現像用現像剤を提供することができる。
本発明の請求項3によれば、本構成を有さない場合に比較して、転写工程において特に厚紙などに画像を転写したときの文字画像における中抜け現象を抑制する画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<静電荷像現像用現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤は、トナーおよびキャリアを含む二成分現像剤である。
トナーに離型剤、特に低融解温度の離型剤を含有させると、トナー中の離型剤の分散径が大きくなる傾向にある。初期あるいはトナーにあるストレスがかかった後に離型剤がトナー表面に露出した場合、トナー表面の流動性、付着性などを制御する外部添加剤(外添剤)が離型剤の露出部分に移行して、トナー表面の構造が変化するために、トナーの粉体物性が変化してしまうことがある。また、離型剤が露出しなくとも、経時による外添剤のトナー表面への埋没によってもトナーの粉体物性が変化してしまうことがある。トナーの粉体物性の変化によってトナー同士の凝集力が強まり、転写工程において特に厚紙や表面が平滑なコート紙などに画像を転写したときに、感光体または中間転写体と転写ロールとの間の圧力の影響で、凝集したトナーが被転写体に十分に転写されず、文字画像などにおける中抜け現象が発生することがある。
これに対し、トナーを球形化して、外添剤がなるべく均一にトナー表面を覆うようにすることが考えられるが、この場合、初期的には効果があるが、現像機内のストレスなどによりトナー表面の離型剤が露出した部分に外添剤が移行してしまう傾向にある。また、シリコーンオイルで表面処理した外添剤を外部添加することも考えられるが、この場合、初期的にはトナーと感光体または中間転写体との付着力が低減され、効果があるが、同様に現像機内のストレスなどによりトナー表面の離型剤が露出した部分に外添剤が移行してしまう傾向にある。
この中抜け現象を抑制するためには、未転写の現像像のトナー表面の構造を初期および経時後を含めて安定化させることが求められる。具体的にはトナー表面に添加した外添剤を初期および経時後を含めてなるべく均一にトナー表面に存在させることが求められる。本発明者らは、トナーの結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂とともに結晶性ポリエステル樹脂をトナー母粒子に含有させることで離型剤のドメインを小さくしてトナー母粒子の表面に離型剤のドメインをなるべく露出させないようにするとともに、トナー母粒子に含まれる結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とをなるべく相溶させ、トナー母粒子の表面を適度に柔らかくすることで外添剤がトナー母粒子の表面に埋め込まれやすくなり、トナー母粒子表面上の外添剤の移動が抑制されることを見出した。また、外添剤として体積平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子を用いることにより、トナーの表面への過度な埋没が抑制され、キャリアとして樹脂中に磁性粉を分散させた芯材と樹脂被覆層とを有する磁性粉分散型キャリアを用いることにより、キャリアからトナーへ与えられる機械的ストレスが小さく、かつほぼ均一になるため、初期および経時後を含めて外添剤の過度な埋め込みが抑制されることを見出した。
すなわち、トナー表面の外添剤の表面構造をなるべく均一化して、初期および経時後を含めてトナー表面上の外添剤の移行、過度な埋没を抑制し、外添剤が不均一化することによるトナー同士の凝集を防止することにより、特に厚紙や表面が平滑なコート紙などに画像を転写したときの文字画像における中抜け現象が抑制されるものと推察される。
本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤は、結晶性ポリエステル樹脂および非晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー母粒子と、外添剤として体積平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子とを有するトナーと、樹脂中に磁性粉を分散させた芯材と、芯材の表面を被覆する樹脂被覆層とを有するキャリアと、を含む。
本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤において、トナーの結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とを含む。結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との割合は、特に制限はないが、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とをなるべく相溶させるために、トナーの結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の割合が、1質量%以上30質量%以下の範囲が好ましく、3質量%以上20質量%以下の範囲がより好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の割合が、1質量%未満であると、トナー中の離型剤のドメイン径が大きくなり、またトナー表面が固くなり、外添剤が移動しやすくなる場合があり、30質量%を超えると、トナー表面が柔らかくなり、外添剤が埋没しやすくなる場合がある。
現像剤に含まれるトナー中の結晶性樹脂の含有量は、現像剤を、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液30mLを純水200mLで薄めた液中に分散させ、磁力によりトナーを分離する操作を10回繰り返した後、乾燥してトナーを取り出し、示差走査熱量測定(DSC)により結晶性樹脂の融解熱を求めることにより行う。具体的には、まず既知量の結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを配合してDSC測定を行うことで、吸熱量−結晶性樹脂の含有量(質量%)の検量線を作成する。次いで、50℃、24時間のアニール処理を行った、トナー試料について測定を行い、その結果と検量線とからトナー中における結晶性樹脂の含有量を求める。なお、DSCの測定は、20℃から150℃まで昇温速度10℃/分として行う。
トナーにおける結着樹脂中の離型剤のドメイン径は、0.1μm以上0.6μm以下の範囲であることが好ましい。ドメイン径が0.1μm未満であると、離型剤としての機能が低下し、定着部材にトナーが付着しやすくなる場合があり、0.6μmを超えると、離型剤がトナー表面に露出しやすくなり、外添剤が集まりやすくなる場合がある。
トナーにおける結着樹脂中の離型剤のドメイン径は、トナーの断面写真を画像解析する方法で求める。
外部添加剤である無機粒子の体積平均粒径は、トナーの表面への過度な埋没を抑制するために、50nm以上300nm以下の範囲であるが、80nm以上200nm以下の範囲がより好ましい。無機粒子の体積平均粒径が50nm未満であると、無機粒子がトナー中に埋没しやすくなる傾向があり、300nmを超えると、無機粒子がトナー表面を移動しやすくなる傾向がある。
外添剤の体積平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、ベックマンコールター(株)製)により、測定する。
キャリアは、キャリアからトナーへ与えられる機械的ストレスを小さくし、かつなるべく均一にするために、樹脂中に磁性粉を分散させた芯材と、芯材の表面を被覆する樹脂被覆層とを有するものであればよく、特に制限はない。キャリアからトナーへ与えられる機械的ストレスを小さくし、かつなるべく均一にするために、キャリアの円形度が、0.9以上であることが好ましく、0.92以上であることがより好ましい。キャリアの円形度が、0.9未満であると、局所的にトナー表面にストレスを与える場合がある。
キャリアの円形度は、FPIA3000(シスメックス社製)で測定する。
また、キャリアからトナーへ与えられる機械的ストレスを小さくするために、キャリアの比重は、2.0g/cm以上4.5g/cm以下の範囲であることが好ましく、2.8g/cm以上4.0g/cm以下の範囲であることがより好ましい。キャリアの比重が2.0g/cm未満であると、トナーとの撹拌が不十分になる場合があり、4.5g/cmを超えると、外添剤がトナーに埋没しやすくなる場合がある。
キャリアの比重は、ルシャテリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061の5−2−1に準拠して求める。
キャリアの体積平均粒径は、20μm以上60μm以下の範囲であることが好ましい。キャリアの体積平均粒径が60μmより大きい場合には、現像機内での衝突エネルギが大きくなるため、キャリアの割れや欠けを促進するだけではなく、トナーへ帯電付与するための表面積が小さくなり、トナーへの帯電付与機能が低下してしまい、それが結果として画像品位の低下が発生してしまう場合がある。また、キャリアの体積平均粒径が20μm未満の場合には、キャリア単位個数当たりの磁力が低下するため、磁気ブラシ上の連鎖の磁気的拘束力が現像電界より弱くなり、キャリアの感光体への移行が増加する場合がある。なお、キャリアの体積平均粒径は、25μm以上55μm以下の範囲であることがより好ましく、30μm以上50μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
キャリアの体積平均粒径は以下のようにして測定する。まず、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2mLを純水100mLで薄めた液中に測定試料を100mg加える。試料を懸濁した液について、超音波分散器で1分間分散処理を行い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、ベックマンコールター(株)製)により、水中にてポンプスピード90%で測定する。得られた粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対して小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとし、キャリアの粒径とする。
キャリアの芯材は、樹脂中に磁性粉(磁性粒子)を分散させた磁性粉分散型芯材である。
キャリアの芯材に用いられる樹脂としては、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられるが、フェノール系樹脂を含むことが好ましい。フェノール系樹脂を用いることにより、被覆樹脂との接着性が向上し、長期安定性がより向上する。
磁性粒子としては、従来公知のいずれのものも使用してもよいが、特に好ましくはフェライトやマグネタイトである。他の磁性粒子として、例えば鉄粉が知られている。鉄粉の場合は比重が大きいためトナーを劣化させやすいので、フェライトやマグネタイトの方が安定性に優れている。フェライトの例としては、一般的に下記式で表される。
(MO)(Fe
(式中、Mは、Cu、Zn、Fe、Mg、Mn、Ca、Li、Ti、Ni、Sn、Sr、Al、Ba、Co、Mo等から選ばれる少なくとも1種を含有する。またX、Yは重量mol比を示し、かつ条件X+Y=100を満たす)
上記Mは、Li、Mg、Ca、Mn、Sr、Snの1種もしくは数種の組み合わせで、それら以外の成分の含有量が1重量%以下であるフェライト粒子であることが好ましい。Cu、Zn、Ni元素は添加することにより低抵抗になり易く、電荷漏洩が起こり易い。また、樹脂被覆し難い傾向にあり、また環境依存性も悪くなる傾向にある。さらに、重金属であり、キャリアに与えられるストレスが強くなり、保存性に対して悪影響を与えることがある。また、安全性の観点から近年ではMn元素やMg元素を添加するものが一般に普及している。磁性粒子としては、マグネタイト、マグヘマイトなどの強磁性酸化鉄粒子粉末、鉄以外の金属(Mn、Ni、Zn、Mg、Cu等)を1種または2種以上含有するスピネルフェライト粒子粉末、バリウムフェライトなどのマグネットプランバイト型フェライト粒子粉末、表面に酸化被膜を有する鉄や鉄合金の粒子粉末を用いてもよい。
磁性粒子として、具体的には、例えばマグネタイト、γ−酸化鉄、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Li系フェライト、Cu−Zn系フェライトなどの鉄系酸化物が挙げられる。中でも安価なマグネタイトが、より好ましい。
樹脂中の磁性粒子の体積平均粒径を0.1μm以上1μm以下の範囲でなるべく均一にし、磁性粒子比率を多くし、適度に露出させることで所望の表面状態が得られやすい。
樹脂被覆層に用いる被覆樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルおよびポリビニルケトン;塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体;スチレン/アクリル系共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂またはその変性品;フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート、アミノ樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂;エポキシ樹脂;パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリレート共重合体;シクロアルキル基を有する樹脂等が挙げられる。これらは単独で併用してもよいし、複数の樹脂を混合して併用してもよい。
樹脂被覆層に負極性の帯電制御剤を含有してもよい。負極性の帯電制御剤としては、トリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基およびスルホニル基のうち少なくとも1つを含有する樹脂等が挙げられる。
負極性の帯電制御剤の含有量は、芯材の質量に対して0.001質量%以上1.0質量%以下の範囲であることが好ましく、0.01質量%以上0.8質量%以下の範囲であることがより好ましい。負極性の帯電制御剤の含有量が芯材の質量に対して0.001質量%未満であるとトナー帯電の立ち上がり性に対して効果がない場合があり、1.0質量%を超えるとキャリアの帯電能を阻害する場合がある。
キャリアの樹脂被覆層には、さらにキャリア抵抗調整のため、導電性の粉体(導電性粒子)を併用してもよい。導電性粒子としては金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの導電性粒子は、体積平均粒径1μm以下のものが好ましい。体積平均粒径が1μmよりも大きくなると、樹脂被覆層での粉体の分散制御が困難となり、電気抵抗の制御が困難になる場合がある。導電性粒子の添加量としては、樹脂被覆層の20体積%より少ない添加量が好ましい。20体積%以上添加をする場合、樹脂被覆層での粉体の分散制御が困難となり、電気抵抗の制御が困難になることがある。導電性粒子の分散方法としては、サンドミル、ダイノミル、ホモミキサ等がある。
樹脂被覆層の厚みは、0.1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましく、0.2μm以上3μm以下の範囲であることがより好ましい。樹脂被覆層の厚みが0.1μmより小さいと芯材表面になるべく均一で平坦な樹脂被覆層を形成することが困難となる場合がある。また、厚みが5μmより大きいとキャリア同士が凝集してなるべく均一なキャリアを得ることが困難となる場合がある。
トナーとしては、結晶性ポリエステル樹脂および非晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー母粒子と、外部添加剤として体積平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子とを有するものであれば特に限定されない。トナーは混練粉砕法のような乾式製法で製造されたものであってもよいし、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法等の湿式製法により製造されたものであってもよい。着色剤や離型剤の表面露出が少なく、画像の安定性が良好である等の点から乳化重合凝集法などの湿式製法により製造されたトナーが好ましい。
このようなトナーは、粒子の形状が比較的丸く、粒度分布が狭いこと、トナー表面が比較的均一で帯電性が高く、帯電分布も狭く良好である。このトナーは粒度分布が狭いため、カブリの発生が少ない。
本実施形態において、「結晶性樹脂」の「結晶性」とは、樹脂またはトナーの示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。具体的には、自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(装置名:DSC−60型)を用いた示差走査熱量測定(DSC)において、10℃/minの昇温速度で昇温したときのオンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃以内であるときに「明確な」吸熱ピークであるとする。また、シャープメルト製の観点から、前記オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度は、10℃以内であることが好ましく、6℃以内であることがより好ましい。DSC曲線におけるベースラインの平坦部の任意の点およびベースラインからの立ち下がり部の平坦部の任意の点を指定し、その両点間の平坦部の接線の交点が「オンセット点」として自動接線処理システムにより自動的に求められる。また、吸熱ピークは、トナーとしたときに、40℃以上50℃以下の幅を有するピークを示す場合がある。
また、結着樹脂として用いる「非晶性樹脂」とは、樹脂またはトナーの示差走査熱量測定(DSC)において、オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃を超えるとき、あるいは明確な吸熱ピークが認められない樹脂であることを指す。具体的には、自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(装置名:DSC−60型)を用いた示差走査熱量測定(DSC)において、10℃/minの昇温速度で昇温したときのオンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃を超えるとき、あるいは明確な吸熱ピークが認められないときに「非晶性」であるとする。また、前記オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度は、12℃を超えることが好ましく、明確な吸熱ピークが認められないことがより好ましい。DSC曲線における「オンセット点」の求め方は上記「結晶性樹脂」の場合と同様である。
結晶性樹脂としては、定着時の紙への接着性や帯電性、および好ましい範囲での融解温度調整の観点から結晶性ポリエステル樹脂が用いられる。また、適度な融解温度をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上50,000以下の範囲であることが好ましく、8,000以上30,000以下の範囲であることがより好ましい。結晶性ポリエステル樹脂のMwが5,000未満であると、トナーの流動性を悪化させる場合があり、50,000を超えると、非晶性樹脂との相溶性を悪化させる場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度Tmは、60℃以上90℃以下の範囲が好ましく、65℃以上85℃以下の範囲がより好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の融解温度Tmが60℃未満であると、トナーの流動性を悪化させる場合があり、90℃を超えると定着性能を悪化させる場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本実施形態において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。また、結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマの場合、他成分が50重量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
上記酸(ジカルボン酸)成分としては、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、特に直鎖型のジカルボン酸が好ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,10−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸(ジカルボン酸)成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分等の構成成分が含まれていてもよい。なお、前記二重結合を持つジカルボン酸成分には、二重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
二重結合を持つジカルボン酸は、その二重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを防ぐために好適に用いられる。このようなジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストなどの点で、フマル酸、マレイン酸等が好ましい。
これらの脂肪族ジカルボン酸成分以外の酸(ジカルボン酸)成分(二重結合を持つジカルボン酸成分など)の、酸(ジカルボン酸)成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%以下が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%以下がより好ましい。
前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、トナー中の顔料の分散性がよくない場合がある。また、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合に、分散液中の乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。
一方、20構成モル%を超えると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下して、トナーの保存性が悪くなる場合がある。また、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合に、分散液中の乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じない場合がある。なお、本明細書において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸(ジカルボン酸)成分、アルコール(ジオール)成分)を1単位(モル)したときの百分率を指す。
一方、前記アルコール(ジオール)成分としては脂肪族ジオールが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられるが、この限りではない。
アルコール(ジオール)成分は、脂肪族ジオール成分の含有量が80構成モル%以上であることが好ましく、必要に応じてその他の成分を含む。アルコール(ジオール)成分としては、脂肪族ジオール成分の含有量が90構成モル%以上であることがより好ましい。
前記含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下するため、耐トナーブロッキング性、トナー保存性および低温定着性が悪化してしまう場合がある。
一方、必要に応じて含まれるその他の成分としては、二重結合を持つジオール成分、スルホン酸基を持つジオール成分等の構成成分が挙げられる。
前記二重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。一方、前記スルホン酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が挙げられる。
これらの直鎖型脂肪族ジオール成分以外のアルコール(ジオール)成分を加える場合、(二重結合を持つジオール成分、および/または、スルホン酸基を持つジオール成分)の、アルコール(ジオール)成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%以下が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%以下がより好ましい。前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が不良となったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下して、トナーの保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じない場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては特に制限はなく、カルボン酸成分とアルコール成分を反応させる一般的なポリエステル重合法で製造すればよく、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマの種類によって使い分けて製造すればよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180℃以上230℃以下の間で行えばよく、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させてもよい。モノマが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤留去しながら行ってもよい。共重合反応において相溶性の悪いモノマが存在する場合はあらかじめ相溶性の悪いモノマと、そのモノマと重縮合予定のカルボン酸成分またはアルコール成分とを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
また、結晶性ポリエステル樹脂の融解温度、分子量等の調整の目的で上記の重合性単量体以外に、より短鎖のアルキル基、アルケニル基、芳香環等を有する化合物を使用してもよい。具体例としては、ジカルボン酸の場合、コハク酸、マロン酸、シュウ酸等のアルキルジカルボン酸類、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ホモフタル酸、4,4’−ジ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、ジピコリン酸、ジニコチン酸、キノリン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸等の含窒素芳香族ジカルボン酸類等が挙げられ、ジオール類の場合、コハク酸、マロン酸、アセトンジカルボン酸、ジグリコール酸等の短鎖アルキルのジオール類等が挙げられる。これらの重合性単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、結晶性ポリエステル樹脂末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体が結晶性ポリエステル樹脂に導入される場合がある。
単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ナフトエ酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエステル等のモノカルボン酸類;または脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環族アルコール等のモノアルコール;などが用いられる。
本実施形態に係るトナーに用いる非晶性ポリエステル樹脂としては、公知の非晶性ポリエステル樹脂を用いればよい。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、8,000以上50,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上40,000以下の範囲であることがより好ましい。非晶性ポリエステル樹脂のMwが8,000未満であると、トナーの流動性が悪化する場合があり、50,000を超えると、定着性を悪化させる場合がある。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgは、50℃以上70℃以下の範囲が好ましく、55℃以上65℃以下の範囲がより好ましい。非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgが50℃未満であると、トナーの保存性が悪化する場合があり、70℃を超えると定着性能を悪化させる場合がある。
非晶性ポリエステル樹脂の製造方法は、前述した結晶性ポリエステル樹脂の製造方法と同様に、特に制限はなく、一般的なポリエステル重合方法で製造すればよい。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に用いる酸(ジカルボン酸)成分としては、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々のジカルボン酸を同様に用いればよい。アルコール(ジオール)成分としても、非晶性ポリエステル樹脂の合成に用いる種々のジオールを用いればよいが、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた脂肪族ジオールに加えて、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等を用いてもよい。トナー製造性、耐熱性、透明性などの観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等のビスフェノールA誘導体を用いることが特に好ましい。また、酸(ジカルボン酸)成分、アルコール成分とも複数の成分を含んでもよい。
また、前述した結晶性ポリエステル樹脂と同様に、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度、分子量調整などの目的で、より短鎖のアルキル基、アルケニル基、芳香環等を有する化合物を使用してもよく、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々のジカルボン酸類、ジオール類を用いてもよい。
また、前述した結晶性ポリエステル樹脂と同様に、非晶性ポリエステル樹脂末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体を非晶性ポリエステル樹脂に導入してもよい。単官能単量体としては、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々の化合物を用いればよい。
本実施形態に係るトナーにおける、結着樹脂の含有量としては、トナー100質量部に対して、60質量部以上90質量部以下の範囲であることが好ましい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の種々の顔料、または、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料を単独でまたは2種以上組み合わせて使用すればよい。
本実施形態に係るトナーにおける、前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ればよい。
離型剤の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系ワックス;石油系ワックス;およびそれらの変性物等を使用すればよい。
離型剤の添加量は、トナーに対して50質量%以下の範囲で添加すればよい。これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
離型剤の融解温度は、60℃以上120℃以下の範囲であることが好ましく、65℃以上100℃以下の範囲であることがより好ましい。離型剤の融解温度が60℃より低いと、熱保管性が得られない場合があり、120℃を超えると、低温での離型性が十分でなく、低温定着性を損ねてしまう場合がある。
その他内添剤として、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、それらの合金、またはそれら金属を含む化合物などの磁性体を使用してもよい。帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体などの染料や、トリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用すればよいが、凝集や融合一体化時の安定性に影響するイオン強度の制御および廃水汚染の減少のために、水に溶解しにくい帯電制御剤が好適である。
湿式添加する無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常トナー表面の外添剤として使用される全てのものを、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して湿式添加等すればよい。
本実施形態において使用する外添剤は、体積平均粒径が50nm以上300nm以下の無機粒子を少なくとも1種類含有すればよく特に制限はない。また、トナー流動性付与のために、体積平均粒径が7nm以上50nm以下の小径の外添剤をさらに含んでもよい。外添剤としては、無機粒子や有機粒子等の公知の外部添加剤を用いればよい。例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウムおよびりん酸カルシウム等の無機粒子、ステアリン酸亜鉛のような金属石鹸、フッ素含有樹脂粒子、シリカ含有樹脂粒子および窒素含有樹脂粒子等の有機樹脂粒子などが挙げられる。また、目的に応じて外添剤表面に表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、疎水化処理を行うためのシラン化合物、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
本実施形態に係るトナーの体積平均粒径としては、3μm以上10m以下の範囲が好ましく、3.5μm以上9μm以下の範囲がより好ましい。トナーの体積平均粒径が3μm未満であると、微粉が多くなるためトナーかぶりやクリーニング不良を起こしやすくなる。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒度分布指標GSDvは、好ましくは1.27以下であり、より好ましくは1.25以下である。GSDvが1.27を超えると粒度分布がシャープとならず、解像性が低下し、トナー飛散やかぶり等の画像欠陥の原因となる場合がある。
なお、体積平均粒径D50vおよび体積平均粒度分布指標GSDvは、コールタ−マルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用いて、100μmのアパーチャ径で測定することにより得る。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトンII水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。測定したトナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、累積50%となる粒径を体積D50v、累積84%となる粒径を体積D84vと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求められる。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本実施形態に係るトナーは、乳化重合凝集法などの湿式製法で製造することが好ましい。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、例えば、非晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、結晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤分散液を混合し、非晶性ポリエステル樹脂粒子、結晶性ポリエステル樹脂粒子、着色剤粒子および離型剤粒子を含む凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集系内のpHを調整して凝集粒子の凝集の成長を停止させる停止工程と、凝集粒子を非晶性ポリエステル樹脂粒子の融解温度および結晶性ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して、融合させる融合工程とを含む。融合して得られたトナー粒子を少なくとも水を用いて洗浄する洗浄工程、トナー粒子を乾燥する乾燥工程などをさらに含んでもよい。また、必要に応じて、凝集工程の後に、同じまたは異なる樹脂粒子を添加し、凝集粒子の表面に付着させる付着工程を有してもよい。
以下、静電荷像現像用トナーの製造方法の一例における各工程について詳細に説明する。なお、本実施形態に係るトナーの製造方法はこれに限定されるものではない。
[凝集工程]
凝集工程においては、まず、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液、結晶性ポリエステル樹脂粒子などの樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液などを準備する。
樹脂粒子分散液は、公知の転相乳化方法を用いるか、あるいは樹脂のガラス転移温度以上に加熱して機械的せん断力によって乳化させる方法などを用いて調製すればよい。この際、界面活性剤などを添加してもよい。
着色剤粒子分散液は、例えば、界面活性剤などを用いて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等の所望の色の着色剤粒子を溶媒中に分散させることにより調製すればよい。
離型剤粒子分散液は、例えば、離型剤を、水中に高分子電解質(例えば、界面活性剤や高分子酸や高分子塩基など)とともに分散し、離型剤の融解温度以上に加熱するとともに、強い剪断をかけられるホモジナイザや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調製すればよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤等が挙げられ、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。
次に、樹脂粒子分散液と着色剤分散液と離型剤分散液とを混合し、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ、所望のトナー径にほぼ近い径を持つ凝集粒子を形成する。
ここで、凝集工程において用いられる、樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子の体積平均粒径は、トナー径および粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100nm以上300nm以下の範囲であることがより好ましい。
体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mLにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分間待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。
[停止工程]
停止工程においては、凝集系内のpHを調整することにより、凝集粒子の凝集成長を停止させる。具体的には凝集系内のpHを6以上9以下の範囲に調整することにより、凝集粒子の成長を停止させる。
[融合工程]
融合工程においては、まず、凝集工程を経て得られた凝集粒子を含有する溶液中にて、凝集粒子中に含まれる結晶性ポリエステル樹脂粒子の融解温度および非晶性ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して、融合・合一することによりトナー粒子を得る。
融合工程において、トナー母粒子に含まれる結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とをなるべく相溶させ、トナー母粒子の表面を適度に柔らかくするために、加熱温度を、結晶性ポリエステル樹脂の融解温度と非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度の高い温度の方から10℃以上40℃以下の範囲とすることが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の融解温度と非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度の高い温度の方から10℃未満であると、融合が進行しない場合があり、40℃を超えると、トナー形状を制御することができない場合がある。
また、融合工程において、離型剤のドメインを小さくしてトナー母粒子の表面に離型剤のドメインをなるべく露出させないようにするために、加熱後に結晶性ポリエステル樹脂の融解温度および非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以下まで降温するときの降温速度を、−10℃/min以上とすることが好ましい。降温速度が−10℃/min未満であると、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂が相分離する場合がある。
[洗浄工程]
洗浄工程においては、融合工程にて得られたトナー粒子の分散液にイオン交換水による置換洗浄を少なくとも施し、固液分離を行う。固液分離方法には特に制限はないが、生産性などの点から、吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。
[乾燥工程]
乾燥工程においては、固液分離されたウェットケーキを乾燥し、トナー母粒子を得る。乾燥方法には特に制限はないが、生産性などの点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
この後、得られたトナー母粒子に外添剤を添加し、トナーとすればよい。
トナーとキャリアとを混合して現像剤を作製する際のトナーの比率は、現像剤全体の1重量%以上15重量%以下、好ましくは3重量%以上12重量%以下の範囲が適当である。
トナーの比率が1重量%未満であると十分な画像濃度が得られにくくなることや、ベタ画像が均一になりにくくなる。また、15重量%を超えるとキャリア表面のトナー被覆率が100%を超えるため帯電量が下がり(平均帯電量の絶対値が15μC/g未満になると)非画像部位のトナー汚れが発生して(カブリ)高品位なカラー画像が得られなくなる場合がある。例えば、15重量%を超えるとキャリア表面のトナー被覆率が100%に近づいて来るために現像剤としての抵抗値が極端に上がり、1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下の範囲のなかに収まり難くなり画像エッジ部位のボケなど良好で高品位なカラー画像が得られにくくなる。
ただし、低湿環境下ではトナー比率が1重量%未満になると高帯電量(平均帯電量の絶対値が25μC/gを超える)になりやすくなり十分な画像濃度が得られにくくなる可能性がある。したがって、環境に応じて、帯電性の絶対値が15μC/g以上50μC/g以下の範囲にあるようにトナーの比率を選ぶことが好ましい。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、現像剤として、前記静電荷像現像用現像剤が用いられる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記した手段以外の手段、例えば、像保持体を帯電する帯電手段、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段、像保持体表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段等を含むものであってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。画像形成装置1は、帯電部10と、露光部12と、像保持体である電子写真感光体14と、現像部16と、転写部18と、クリーニング部20と、定着部22とを備える。
画像形成装置1において、電子写真感光体14の周囲には、電子写真感光体14の表面を帯電する帯電手段である帯電部10と、帯電された電子写真感光体14を露光し画像情報に応じて静電潜像を形成する潜像形成手段である露光部12と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段である現像部16と、電子写真感光体14の表面に形成されたトナー画像を被転写体24の表面に転写する転写手段である転写部18と、転写後の電子写真感光体14表面上に残存したトナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング部20とがこの順で配置されている。また、被転写体24に転写されたトナー画像を定着する定着手段である定着部22が転写部18の左側に配置されている。
本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。まず、帯電部10により電子写真感光体14の表面が均一に帯電される(帯電工程)。次に、露光部12により電子写真感光体14の表面に光が当てられ、光の当てられた部分の帯電電荷が除去され、画像情報に応じて静電荷像(静電潜像)が形成される(潜像形成工程)。その後、静電荷像が現像部16により現像され、電子写真感光体14の表面にトナー画像が形成される(現像工程)。例えば、電子写真感光体14として有機感光体を用い、露光部12としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機の場合、電子写真感光体14の表面は、帯電部10により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像部16でトナーを付与され可視像化される。この場合、現像部16にはマイナスのバイアスが印加されている。次に転写部18で、用紙等の被転写体24がこのトナー画像に重ねられ、被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷が被転写体24に与えられ、静電気力によりトナー画像が被転写体24に転写される(転写工程)。転写されたトナー画像は、定着部22において定着部材により熱および圧力が加えられ、被転写体24に融着されて定着される(定着工程)。一方、転写されずに電子写真感光体14の表面に残存したトナーはクリーニング部20で除去される(クリーニング工程)。この帯電からクリーニングに至る一連のプロセスで一回のサイクルが終了する。なお、図1において、転写部18で用紙等の被転写体24に直接トナー画像が転写されているが、中間転写体等の転写体を介して転写されてもよい。
以下、図1の画像形成装置1における帯電手段、像保持体、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段について説明する。
(帯電手段)
帯電手段である帯電部10としては、例えば、図1に示すようなコロトロンなどの帯電器が用いられるが、導電性または半導電性の帯電ロールを用いてもよい。導電性または半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体14に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電部10により、電子写真感光体14との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより電子写真感光体14表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1000V以下に帯電される。また前記の導電性または半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でもよい。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
(像保持体)
像保持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。像保持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体14は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層、および、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
(露光手段)
露光手段である露光部12としては、特に制限はなく、例えば、像保持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光する光学系機器等が挙げられる。
(現像手段)
現像手段である現像部16は、像保持体上に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよいが、例えば、静電荷像現像用トナーをブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体14に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。電子写真感光体14には、通常直流電圧が使用されるが、さらに交流電圧を重畳させて使用してもよい。
(転写手段)
転写手段である転写部18としては、例えば、図1に示すような被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を被転写体24に与え、静電気力によりトナー画像を被転写体24に転写するもの、あるいは被転写体24の表面に被転写体24を介して直接接触して転写する導電性または半導電性のロール等を用いた転写ロールおよび転写ロール押圧装置を用いればよい。転写ロールには、像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定すればよい。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、紙等の被転写体24に直接転写する方式でも、中間転写体を介して被転写体24に転写する方式でもよい。
中間転写体としては、公知の中間転写体を用いればよい。中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンテレフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフロロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等が挙げられるが、機械的強度の観点から熱硬化ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトが好ましい。
(クリーニング手段)
クリーニング手段であるクリーニング部20については、像保持体上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。ただし、転写効率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング部20を使用しない態様であってもよい。
(定着手段)
定着手段(画像定着装置)である定着部22としては、被転写体24に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであり、定着部材を具備する。
(被転写体)
トナー画像を転写する被転写体(用紙)24としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を使用してもよい。
ここで、本実施形態における厚紙とは、例えば、JIS−P−8124で測定される坪量が75g/cm以上のものをいう。また、コート紙としては、紙基材の少なくとも一方の面に塗被層を有し、かつ、平滑度が150秒以上1,000秒以下の範囲のものなどが挙げられる。本実施形態に係る現像剤および画像形成装置により、被転写体(用紙)24としてこのような厚紙やコート紙を用いても、転写工程において画像を転写したときの文字画像における中抜け現象が抑制される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<樹脂粒子分散液Aの調製>
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 100質量部
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 100質量部
イソフタル酸ジメチル 40質量部
テレフタル酸 70質量部
上記化合物および触媒としてジブチルスズオキシド0.12質量部を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて200℃まで除々に昇温を行い5時間撹拌し、粘調な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量が15,600になったところで、減圧蒸留を停止して空冷し、非晶性ポリエステル樹脂を得た。この樹脂のガラス転移温度Tgは64.0℃であった。
次いで、得られた非晶性ポリエステル樹脂を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記溶融状態の非晶性ポリエステル樹脂と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径が0.26μmの非晶性ポリエステル樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液Aを得た。さらに樹脂粒子濃度が20質量%となるよう水分量を調整した。
<樹脂粒子分散液Bの調製>
1,8−セバシン二酸 200質量部
1,6−ヘキサンジオール 120質量部
上記化合物および触媒としてTi(OBu)0.12質量部を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて200℃まで除々に昇温を行い3時間撹拌し、粘調な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量が16,000になったところで、減圧蒸留を停止して空冷し、結晶性ポリエステル樹脂を得た。この樹脂の融解温度Tmは72℃であった。
次いで、上記樹脂粒子分散液Aと同様にして体積平均粒径が0.21μmの結晶性ポリエステル樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液Bを得、樹脂粒子濃度が20質量%となるよう水分量を調整した。
<着色剤分散液Aの調製>
カーボンブラック(リーガル330、キャボット製) 50質量部
イオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC) 8質量部
イオン交換水 250質量部
以上の成分を混合溶融し、ホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10分間分散し、ついで超音波分散機で20分間照射し、体積平均粒径が210nmである着色剤(ブラック顔料)粒子が分散された着色剤分散液Aを調製した。
<離型剤分散液Aの調製>
パラフィンワックスFNP0090(融解温度90.2℃、日本精鑞社製)
50質量部
イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社製) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上の成分を混合した溶液を95℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製、ルトラタラックスT50)にて10分間分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径220nm、固形分量20質量%の離型剤分散液Aを得た。
<トナー母粒子Aの調製>
樹脂粒子分散液A 780質量部
樹脂粒子分散液B 220質量部
着色剤分散液A 80質量部
離型剤分散液A 100質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中において300質量部のイオン交換水とともに撹拌しながら20℃に調整、その後、ウルトラタラックスT50で十分に混合、分散した。次いでこれにポリ塩化アルミニウム0.1質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。その後、加熱用オイルバスで撹拌しながらフラスコを45℃まで加熱した。45℃で60分保持した後、エチレンジアミンテトラ酢酸4Na塩4水和物をスラリ中固形分の1質量%となる量添加し、その後、0.5mol/Lの硝酸を用いて系内のpHを7.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃(結晶性ポリエステル樹脂の融解温度の18℃以上)まで加熱、その後2時間保持し、反応させた。
反応終了後、多管式熱交換機を使用(熱媒は5℃の冷水)し、−25℃/minの降温速度となるように流量を調整し30℃まで急冷却した。その後、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これをさらに35℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで撹拌、洗浄した。これをさらに5回繰返し、ろ液のpHが7.5、電気伝導度12μS/cmとなったところで固液分離した固体の真空乾燥を12時間実施し、トナー母粒子Aを得た。トナー母粒子Aの粒度をコールターカウンタで測定したところ、体積平均粒径は6.4μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.22であった。
<トナーAの調製>
トナー母粒子A 100質量部に単分散球形シリカ(ゾルゲル法、体積平均粒径120nm)を1.5質量部、アナタース型酸化チタン(体積平均粒径20nm)を1質量部を加え、ヘンシェルミキサを用い、周速32m/sで10分間ブレンドを行った後、106μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーAを得た。トナーAにおける結着樹脂中の離型剤のドメイン径は、0.40μmであった。
<キャリア芯材Aの調製>
フェノール50質量部、20%ホルマリン140質量部、マグネタイト(体積平均粒径0.20μm、球形、2質量%KR43S処理品)400質量部、10%アンモニア水42質量部、イオン交換水60質量部を加え、混合撹拌しながら、85℃まで徐々に昇温させ、4時間反応、硬化させた後、冷却、ろ過、洗浄、乾燥し、粒径35.4μmのキャリア芯材Aを得た。
<キャリアAの調製>
キャリア芯材A 100質量部
トルエン 120質量部
ポリメチルメタクリレート(Mw:80,000) 2.5質量部
キャリア芯材Aを除く上記成分を60分間スターラにて撹拌、分散し、樹脂被覆層形成用溶液を調製した。さらに、この溶液とキャリア芯材Aとを真空脱気型ニーダ(井上製作所社製、商品名:KHO−5)に入れ、60℃で20分撹拌した後、さらに加温しながら、減圧して脱気、乾燥し、目開き106μmのメッシュを通すことによりキャリアAを作製した。このキャリアAの円形度は0.943、比重は3.6g/cmであった。
<現像剤Aの調製>
キャリアAを100質量部、トナーAを8質量部、Vブレンダで混合し、500μm網目で篩分して、現像剤Aを作製した。
<評価>
[文字画像中抜け評価]
ApeosPort−III C4400を用い、エリアカバレッジ(用紙面積に対する画像印刷部の面積率)1%の印刷テストを100,000枚まで実施した。初期、50,000枚、100,000枚のタイミングで、厚紙としてコート紙Ncolor209(坪量209.3g/cm)を手差しトレイにセットし、文字画像を印刷して、画質評価を以下の基準で実施した。初期:G0(○)、50,000枚後:G1(○)、100,000枚後:G1(○)であった。結果を表1に示す。
(文字画像中抜け)
G0:×50倍のルーペで観察しても文字の中抜け無し
G1:×50倍のルーペで観察して、わずかな文字の中抜けがあるが、ルーペ無しでの目視では観察できない
G2:ルーペ無しで観察して1個数%以下の確率で文字中抜けが観察される
G3:ルーペ無しで観察して1個数%以上5個数%以下の確率で文字中抜けが観察される
G4:ルーペ無しで観察して5個数%より大きい確率で文字中抜けが観察される
(判断基準)
○:G0,G1
△:G2
×:G3以上
(実施例2)
樹脂粒子分散液A 780質量部、樹脂粒子分散液B 220質量部を、樹脂粒子分散液A 710質量部、樹脂粒子分散液B 290質量部とした以外は実施例1と同様にして、トナー母粒子B、トナーB、現像剤Bを得た。トナー母粒子Bの体積平均粒径は6.1μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.20であった。トナーBにおける結着樹脂中の離型剤のドメイン径は、0.26μmであった。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G1(○)、50,000枚後:G1(○)、100,000枚後:G1(○)であった。結果を表1に示す。
(実施例3)
樹脂粒子分散液A 780質量部、樹脂粒子分散液B 220質量部を、樹脂粒子分散液A 985質量部、樹脂粒子分散液B 15質量部とした以外は実施例1と同様にして、トナー母粒子C、トナーC、現像剤Cを得た。トナー母粒子Cの体積平均粒径は6.8μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.25であった。トナーCにおける結着樹脂中の離型剤のドメイン径は、0.58μmであった。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G1(○)、50,000枚後:G1(○)、100,000枚後:G1(○)であった。結果を表1に示す。
(実施例4)
樹脂粒子分散液A 780質量部、樹脂粒子分散液B 220質量部を、樹脂粒子分散液A 680質量部、樹脂粒子分散液B 320質量部とした以外は実施例1と同様にして、トナー母粒子D、トナーD、現像剤Dを得た。トナー母粒子Dの体積平均粒径は6.1μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.21であった。トナーDにおける結着樹脂中の離型剤のドメイン径は、0.18μmであった。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G1(○)、50,000枚後:G2(△)、100,000枚後:G2(△)であった。結果を表1に示す。
(実施例5)
樹脂粒子分散液A 780質量部、樹脂粒子分散液B 220質量部を、樹脂粒子分散液A 992質量部、樹脂粒子分散液B 8質量部とした以外は実施例1と同様にして、トナー母粒子E、トナーE、現像剤Eを得た。トナー母粒子Eの体積平均粒径は6.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.24であった。トナーEにおける結着樹脂中の離型剤のドメイン径は、0.65μmであった。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G1(○)、50,000枚後:G2(△)、100,000枚後:G2(△)であった。結果を表1に示す。
(実施例6)
単分散球形シリカ(ゾルゲル法、体積平均粒径120nm)の代わりに、単分散球形シリカ(ゾルゲル法、体積平均粒径300nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、トナーF、現像剤Fを得た。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G0(○)、50,000枚後:G1(○)、100,000枚後:G1(○)であった。結果を表1に示す。
(実施例7)
単分散球形シリカ(ゾルゲル法、体積平均粒径120nm)の代わりに、シリカ(気相法、体積平均粒径50nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、トナーG、現像剤Gを得た。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G0(○)、50,000枚後:G2(△)、100,000枚後:G2(△)であった。結果を表1に示す。
(実施例8)
トナー母粒子Aの調製における融合工程の加熱温度を90℃から105℃に、降温速度を−25℃/minから−9℃/minに変更した以外は実施例1と同様にして、トナー母粒子H、トナーH、現像剤Hを得た。トナー母粒子Hの体積平均粒径は6.0μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.22であった。トナーHにおける結着樹脂中の離型剤のドメイン径は、0.62μmであった。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G0(○)、50,000枚後:G2(△)、100,000枚後:G2(△)であった。結果を表1に示す。
(比較例1)
樹脂粒子分散液Bを用いずに樹脂粒子分散液A 780質量部を1,000質量部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー母粒子I、トナーI、現像剤Iを得た。トナー母粒子Iの体積平均粒径は6.2μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.21であった。トナーIにおける結着樹脂中の離型剤のドメイン径は、0.86μmであった。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G2(△)、50,000枚後:G4(×)、100,000枚後:G4(×)であった。結果を表1に示す。
(比較例2)
単分散球形シリカ(ゾルゲル法、体積平均粒径120nm)を用いる代わりにシリカR972(気相法、体積平均粒径14nm)を用いる以外は実施例1と同様にしてトナーJ、現像剤Jを得た。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G1(○)、50,000枚後:G4(×)、100,000枚後:G4(×)であった。
(比較例3)
キャリア芯材Aの代わりにCu−Znフェライトコア(体積平均粒径36μm)を用いる以外は実施例1と同様にしてキャリアK、現像剤Kを得た。キャリアKの円形度は0.895、比重は4.8g/cmであった。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G1(○)、50,000枚後:G3(×)、100,000枚後:G4(×)であった。
(比較例4)
単分散球形シリカ(ゾルゲル法、体積平均粒径120nm)の代わりに、単分散球形シリカ(ゾルゲル法、体積平均粒径350nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、トナーL、現像剤Lを得た。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G3(×)、50,000枚後:G4(×)、100,000枚後:G4(×)であった。結果を表1に示す。
(比較例5)
単分散球形シリカ(ゾルゲル法、体積平均粒径120nm)の代わりに、シリカ(気相法、体積平均粒径40nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、トナーM、現像剤Mを得た。実施例1と同様にして評価を行った。文字画像中抜け評価は、初期:G1(○)、50,000枚後:G3(×)、100,000枚後:G3(×)であった。結果を表1に示す。
Figure 2010217405
このように実施例1〜8の現像剤を用いることにより、転写工程において厚紙に画像を転写したときの文字画像における中抜け現象が抑制された。一方、比較例1〜5の現像剤を用いると、厚紙に画像を転写したときの文字画像における中抜け現象が多く見られた。
1 画像形成装置、10 帯電部、12 露光部、14 電子写真感光体、16 現像部、18 転写部、20 クリーニング部、22 定着部、24 被転写体。

Claims (3)

  1. 結晶性ポリエステル樹脂および非晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有するトナー母粒子と、外部添加剤として少なくとも体積平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子とを有するトナーと、
    樹脂中に磁性粉を分散させた芯材と、前記芯材の表面を被覆する樹脂被覆層とを有するキャリアと、
    を含むことを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  2. 前記結着樹脂中の前記結晶性ポリエステル樹脂の割合が、1質量%以上30質量%以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用現像剤。
  3. 像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、
    前記現像剤は、請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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CN111722487A (zh) * 2019-03-22 2020-09-29 富士施乐株式会社 静电荷像显影剂及处理盒

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