JP6416004B2 - 粉体投与容器 - Google Patents
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Description
さらに、カートリッジの姿勢を倒立状態から正立状態に戻すという煩雑な作業が必要となるが、例えば作業中に指が滑ってカートリッジを掴み損ねると、カートリッジ内の粉体を撒き散らしてしまう虞が懸念される。
粉体を収容するカートリッジと、カートリッジにエアーを供給するエアポンプと、カートリッジとエアポンプとを連結する固定栓とを有する粉体投与容器であって、
カートリッジは、少なくとも先端に噴出口が形成された上ノズルと、上ノズルの下方に延設された下ノズルと、下ノズルの開口端を覆うと共に下ノズルに取り付けられた中栓とを有し、
下ノズルの外側面には下ノズル縦溝が形成され、中栓の内周面には中栓縦溝が形成されており、
カートリッジを固定栓の装着部に取り付けて両者を相対的に回転させて装着を完了させると、中栓縦溝と下ノズル縦溝とが径方向において対向して連通することにより、下ノズルと中栓との間に第1空気通路が形成されるようにしたことを特徴とする、と云うものである。
本発明の主たる構成においては、カートリッジをエアポンプ側に装着する際に、カートリッジとその外部とを連通する空気通路を確保することができる。このため、従来のように、使用時にカートリッジの底部を露出する必要がなく、使用前においては密封状態を維持することができるため、カートリッジ内に異物が混入することを確実に防止することができる。
しかも装着操作は、カートリッジと固定栓とを相対的に回転させるだけという簡単な作業により行うことができる。このため、粉末状の薬剤を確実に投与することができるようになる。
図1は本発明の第1実施例としての粉体投与容器の全体構成をカートリッジ正面側から示す縦断面図、図2Aは開封状態を示すカートリッジの拡大縦断面図、図2Bは密封状態を示すカートリッジの拡大縦断面図、図3Aは図2AのA−A線における拡大平断面図、図3Bは図2AのB−B線における拡大平断面図である。なお、図1は後述する図7と同様の装着完了後の状態に相当する。
したがって、収容部S1と圧空部S2との間は、下ノズル縦溝17aと中栓縦溝23とからなる第1空気通路Q1、挿入凹部18及びクリアランス19(第2空気通路Q2)を介して連通した状態にある。
なお、図2A,Bに示すようにシリンジ部12の最下端部に剥離可能なシール16を設けて封止することにより、カートリッジ2の気密性をさらに高めるようにしても良い。またカートリッジ2は一対の羽根部14を利用することにより容易に回転させることが可能となっている。
連結フランジ35より上部側の外周壁31と内ノズル34との間はカートリッジ2の突片15が連結される装着部36である。内ノズル34の内面には縦方向に延びる複数の内ノズル縦溝34aが周方向に沿って一定の間隔で形成され、外周壁31の内面には雌ネジ突条33が刻設されている。
また連結フランジ35より下部側の外周壁31と内周壁32との間には、ボトル41の口筒部41aが挿入される連結部37が形成されている。連結部37を構成する下部側の外周壁31の内壁には、ボトル41の口筒部41aの外周面に形成されている被係止部41bと係合するためのアンダーカット状の係止部31aが設けられている。
カートリッジ2を固定栓30に取り付ける作業は、ボトル41の口筒部41aに固定栓30を固定した状態で行ってもよいし、カートリッジ2を固定栓30に取り付けた後に、カートリッジ2を備えた固定栓30をボトル41の口筒部41aに取り付けるようにしてもよい。いずれの場合においても、カートリッジ2は第1空気通路Q1を遮断した密封状態において行われる。
ここで内ノズル34の内周面には複数の内ノズル縦溝34aが形成されており、カートリッジ2を固定栓30に対して相対的に回転させると、一対の中栓凸リブ22と複数の内ノズル縦溝34aのうち軸対称の位置にあるいずれかの一対の内ノズル縦溝34aとが適合し、一対の中栓凸リブ22を一対の内ノズル縦溝34a内に挿入させることができる。これにより、カートリッジ2の下方への移動が可能となり中栓20が内ノズル34内に挿入される。また突片15が装着部36の雌ネジ突条33の最上部に載置されることになる。
図4乃至図6に示すように、カートリッジ2側の突片15が、固定栓30側の装着部36の雌ネジ突条33の最上部に載置された状態では、下ノズル縦溝17aと中栓縦溝23とが周方向において対向する位置関係にないため、第1空気通路Q1は遮断された状態にある。よって、この状態においてカートリッジ2は密封状態にある。
カートリッジ2を開封状態に設定し、キャップ50を外して上ノズル11の先端の噴出口13を露出させた後、上ノズル11の先端を鼻腔内や口腔内などに挿入する。そして、図10に示すように、ボトル41の胴部41cを圧縮すると、ボトル41内のエアーeが固定栓30に向けて供給される。
さらにエアーeは、この挿入凹部18において図示下方に向かって反転させられ、第1空気通路Q1を構成する下ノズル17側の一対の下ノズル縦溝17a及び中栓20側の一対の中栓縦溝23を介して中栓20の底部21に達する。さらにエアーeは、円錐形状からなる底部21において再度上方に向かって反転させられ、下ノズル17の下端である開口端17bから収容部S1内に流入する。これにより収容部S1や中栓20内に収容されている粉体Pは、エアーeと共に噴出口13から外部に勢いよく噴出させられ、粉体Pを鼻腔内や口腔内などの患部に投与することが可能となる。
第2実施例に示すカートリッジ2が、上記第1実施例に示すカートリッジ2と異なる点は中栓20及びキャップ50の構成にあり、その他の構成及び効果は上記第1実施例と同様である。したがって、以下においては第1実施例と異なる点を中心に説明する。なお、同一部材については同一符号を付して説明する。
2 : カートリッジ
10 : ノズル本体
11 : 上ノズル
12 : シリンジ部
13 : 噴出口
14 : 羽根部
15 : 突片
16 : シール
17 : 下ノズル
17a: 下ノズル縦溝
17b: 開口端
18 : 挿入凹部
19 : クリアランス
19a: 縦溝
20 : 中栓
21 : 底部
22 : 中栓凸リブ
23 : 中栓縦溝
30 : 固定栓
31 : 外周壁
31a: 係止部
32 : 内周壁
33 : 雌ネジ突条
34 : 内ノズル
34a: 内ノズル縦溝
35 : 連結フランジ
36 : 装着部
37 : 連結部
40 : エアポンプ
41 : ボトル
41a: 口筒部
41b: 被係止部
41c: 胴部
50 : キャップ
51 : 外筒部
52 : 上蓋
60 : 切除可能カバー(モギリ)
61 : 摘み片
62 : 弱化部
e : エアー
P : 粉体(粉末状の薬剤)
Q1 : 1空気通路
Q2 : 第2空気通路
Q3 : 第3空気通路
S1 : 収容部
S2 : 圧空部
Claims (9)
- 粉体(P)を収容するカートリッジ(2)と、前記カートリッジ(2)にエアーを供給するエアポンプ(40)と、前記カートリッジ(2)と前記エアポンプ(40)とを連結する固定栓(30)とを有する粉体投与容器であって、
前記カートリッジ(2)は、少なくとも先端に噴出口(13)が形成された上ノズル(11)と、該上ノズル(11)の下方に延設された下ノズル(17)と、該下ノズル(17)の開口端(17b)を覆うと共に前記下ノズル(17)に取り付けられた中栓(20)とを有し、
前記下ノズル(17)の外側面には下ノズル縦溝(17a)が形成され、前記中栓(20)の内周面には中栓縦溝(23)が形成されており、
前記カートリッジ(2)を前記固定栓(30)に取り付けて両者を相対的に回転させて装着を完了させると、前記中栓縦溝(23)と前記下ノズル縦溝(17a)とが径方向において対向して連通することにより、前記下ノズル(17)と前記中栓(20)との間に第1空気通路(Q1)が形成されるようにしたことを特徴とする粉体投与容器。 - 中栓縦溝(23)と下ノズル縦溝(17a)とが周方向において対向しない位置関係にすることにより、第1空気通路(Q1)が遮断されるように構成した請求項1記載の粉体投与容器。
- 中栓縦溝(23)と下ノズル縦溝(17a)の一方の上端と他方の下端とが部分的に連通することにより第1空気通路(Q1)が開通するように構成した請求項1又は2記載の粉体投与容器。
- 固定栓(30)に、装着部(36)内に起立設されると共に内周面に一定の間隔で並ぶ複数の内ノズル縦溝(34a)が形成された内ノズル(34)を設けると共に、前記内ノズル(34)内に挿入される中栓(20)の外周面に、前記複数の内ノズル縦溝(34a)のいずれかに挿入されて前記中栓(20)の回転を規制する中栓凸リブ(22)を形成した請求項1乃至3のいずれか一項に記載の粉体投与容器。
- 下ノズル(17)を外装するシリンジ部(12)が上ノズル(11)に形成されており、中栓(20)の上部側が前記下ノズル(17)とシリンジ部(12)との間の挿入凹部(18)内に挿入され、中栓(20)の上部側の外壁とこれに対向する前記シリンジ部(12)の内壁との間に形成されるクリアランス(19)が第2空気通路(Q2)として機能する構成とした請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粉体投与容器。
- 内ノズル(34)の内周面に形成された複数の内ノズル縦溝(34a)を第3空気通路(Q3)として機能する構成とした請求項4又は5に記載の粉体投与容器。
- 前記カートリッジ(2)の周囲に羽根部(14)を設けた請求項1乃至6のいずれか一項に記載の粉体投与容器。
- 固定栓(30)をエアポンプ(40)に一体に設けた構成とした請求項1乃至7のいずれか一項に記載の粉体投与容器。
- 中栓(20)の底部(21)内面の形状を、円錐形状又は断面U字状とした請求項1乃至8のいずれか一項に記載の粉体投与容器。
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