JP6414663B2 - 転がり軸受装置 - Google Patents
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Description
グリース潤滑では、高温、高速回転、高荷重などの過酷な潤滑条件下でも潤滑性能を維持するため、軸受の外輪間座にグリース溜りを設け、グリース溜りに保持されているグリースに含まれる基油を、軸受内に供給する。この種の機構を有する転がり軸受装置として、たとえば、下記の特許文献1および2が知られている。
請求項4に記載の発明は、前記仕切り壁は、前記間座とは別部材に、かつ前記グリース溜りの奥部にまで延びるように設けられており、前記仕切り壁の奥側の端部(40A;240A)は、前記間座に嵌合固定されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受装置である。
請求項2に記載の構成によれば、仕切り壁が多孔質材料を用いて形成されているので、多孔質材料の毛細管現象により、仕切り壁には周囲のグリースに含まれる基油が浸透可能である。グリース溜りの収容室にグリースを充填した状態で放置することにより、仕切り壁の周囲のグリースに含まれる基油が仕切り壁に吸収されて、仕切り壁の周囲に溝が形成される。これにより、何らの治具を用いることなく、溝を簡単に形成できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る転がり軸受装置1の断面図である。図2は、図1のグリース貯留部材4の断面図であって、転がり軸受装置1を図1のII−II線で切断したときに現れる断面に対応する面を示している。
転がり軸受装置1は、たとえば工作機械の主軸(転がり軸受が支持される軸)2を支持する装置である。
図1に示すように、転がり軸受3は、主軸2に外嵌された内輪5と、工作機械のハウジング(図示しない)に内嵌された外輪6と、内輪5と外輪6との間に介在する転動体7と、複数の転動体7を周方向Yに一定間隔おきに保持する円筒状の保持器8と、内輪5と外輪6と間の環状空間の軸方向(主軸2の軸方向)Xの一方端(図1の右端であって、グリース貯留部材4とは反対側の端部)を密封するシール9とを含む。図1では、転がり軸受3としてアンギュラ型の玉軸受を採用しているが、これに代えて深溝玉軸受を採用してもよく、その他、円筒ころ軸受や円すいころ軸受等を用いてもよい。
外輪6の内周の軸方向Xの中央部には、転動体7を転走させるための外輪軌道面12が形成されている。外輪6の内周の軸方向Xの両端部には、第2シール溝13が形成されている。軸方向Xに関してグリース貯留部材4から遠い側(図1の右側)の第2シール溝13には、シール9の外周部(シールリップ)が嵌っている。
図1および図2に示すように、グリース貯留部材4は、主軸2に外嵌された内輪間座15と、内輪間座15との間に環状空間17が形成されるように内輪間座15を取り囲んで形成され、工作機械のハウジング(図示しない)に内嵌された外輪間座16と、内輪間座15と外輪間座16との間の環状空間17に配置された貯油環18とを含む。
貯油環18は、環状空間17の内周面を形成する内輪間座15に沿う円筒部21と、当該円筒部21の軸方向に関して、外輪間座16の底壁20側の周縁から径方向外側に延びる円環板状の奥側フランジ部22と、その反対側の周縁から径方向外側に延びる円環板状の供給側フランジ部23とを一体的に有している。外輪間座16の周壁19、貯油環18を構成する円筒部21、奥側フランジ部22および供給側フランジ部23によって、転がり軸受3に対向する開口24を有する環状一体なグリース溜り25が区画されている。
グリース溜り25および環状溝14に充填されたグリースGとしては、ウレア化合物、Baコンプレックス石鹸またはLiコンプレックス石鹸等を増ちょう剤とし、エステル、ポリアルファオレフィン等を基油としたものを用いることができる。転がり軸受3に対して基油を長期に亘って供給するためにはグリースGをグリース溜り25内に留めておく必要があるから、グリースGの流動を抑制すべく、グリースGにはある程度の粘性を持たせておくことが好ましい。
次に、グリース溜り25に充填されたグリースGの基油の流れを説明する。
図3に示すように、転がり軸受装置1では、転がり軸受3の環状溝14に初期潤滑用のグリースGが充填されていると共に、グリース溜り25に補給用のグリースGが充填されている。この環状溝14のグリースGとグリース溜り25のグリースGとは、互いに繋がっている。そのため、転がり軸受3の運転によって環状溝14内のグリースGの基油が消費されると、その消費に従って、グリース溜り25に溜められたグリースGの基油が、転がり軸受3側へと浸透移動する。
上記したグリースGの溝28,31は、たとえば、図4(a)〜図4(c)に示す工程によって形成できる。
具体的には、まず、内輪間座15、外輪間座16および貯油環18を互いに嵌め合うことによってグリース貯留部材4を組み立てた後、図4(a)に示すように、開口26(たとえば、第1開口26L)を介して、外輪間座16の裏面側(グリース溜り25の反対側)から、仕切り壁40を挟む、外輪間座16の周方向の両方の位置に、グリース溜り25内に第1および第2のスペーサ36,37を挿入する。第1のスペーサ36は、事前に設計された第1の溝28の形状と同一形状で形成されている。第2のスペーサ37は、事前に設計された第2の溝31の形状と同一形状で形成されている。
そして、図4(c)に示すように、挿入に用いた開口26を利用して、第1および第2のスペーサ36,37を外輪間座16の裏面側へ抜き取る。これにより、グリース溜り25において、第1のスペーサ36が配置されていた位置に第1の溝28が形成され、かつ第2のスペーサ37が配置されていた位置に第2の溝31が形成される。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る転がり軸受装置201の断面図である。図6は、グリースGに含まれる基油の流れを説明するための図である。図6(a)は拡大断面図であり、図6(b)は転がり軸受装置を図6(a)のVIb−VIb線で切断したときに現れる断面図である。
グリースGに含まれる基油が浸透している仕切り壁240の手前側の端部240Bが段部210に接触しているので、仕切り壁240を介して外輪6の段部210に基油が供給される。仕切り壁240に浸透している基油には、グリース割れが発生することはない。そのため、グリース溜まり25のグリースGにグリース割れが生じた場合であっても、グリースGに含まれる基油を外輪6に供給し続けることができる。これにより、グリースGに含まれる基油を、転がり軸受3により一層長期に亘って供給し続けることができる。
上記したグリースGの溝28,31は、たとえば、図7(a)および図7(b)に示す工程によって形成できる。
具体的には、まず、内輪間座15、外輪間座16および貯油環18を互いに嵌め合うことによってグリース貯留部材4を組み立てた後、図7(a)に示すように、開口24を介して、グリース溜り25の各収容室41にグリースGを充填する。この際、グリースGは、仕切り壁240を避けるように充填される。そして、そのまま静止状態で放置する。仕切り壁240が多孔質材料を用いて形成されているので、多孔質材料での毛細管現象により、仕切り壁240は基油を吸収可能である。したがって、時間の経過に伴って、仕切り壁240の周囲のグリースGに含まれる基油が仕切り壁240に吸収されて、図7(b)に示すように、仕切り壁240の、外輪間座16の周方向両側に第1および第2の溝28,31が形成される。このように、グリースGを各収容室41に充填するという、何らの治具を用いない極めて簡単な作業だけで、第1および第2の溝28,31を形成できる。
たとえば、前述の実施形態では、仕切り壁40,240の、外輪間座16の周方向の両方に溝28,31を形成する構成を例に挙げて説明したが、仕切り壁40,240の周方向の一方のみに溝28,31を形成するようにしてもよい。
また、各溝28,31は、外輪間座16の軸方向に関して、グリース溜り25の開口24から貯油環18の奥側フランジ部22に至るまでの全範囲に亘って形成され、かつ、外輪間座16の径方向に関して、貯油環18の円筒部21から外輪間座16の周壁19に至るまでの全範囲に亘って形成されている例を挙げて説明した。しかし、各溝28,31は、たとえば、外輪間座16の軸方向に関して上記全範囲に形成されている一方、外輪間座16の径方向に関しては、その一部分(たとえば、貯油環18の円筒部21と間隔を空けるように、外輪間座16の周壁19から貯油環18の円筒部21に至る過程の途中まで)のみに形成されていてもよい。また、各溝28,31は、外輪間座16の径方向に関して上記全範囲に形成されている一方、外輪間座16の軸方向に関しては、その一部分(たとえば、貯油環18の奥側フランジ部22と間隔を空けるように、グリース溜り25の開口24から貯油環18の奥側フランジ部22に至る過程の途中まで)のみに形成されていてもよい。
また、仕切り壁40,240が、貯油環18を含むグリース貯留部材4に嵌合固定される例を挙げて説明したが、仕切り壁40,240が溶接等他の固定方法によりグリース貯留部材に固定されていてもよい。
また、前述の実施形態では、内輪5および内輪間座15が、主軸2に伴って回転する回転側であり、外輪6および外輪間座16が、ハウジング(図示しない)に固定される静止状態にある固定側である場合を例に挙げて説明した。しかし、外輪6および外輪間座16を回転側とし、内輪5および内輪間座15を固定側とする場合にも、本願発明を適用できる。
…転動体、15…内輪間座、16…外輪間座、18…貯油環、22…奥側フランジ部、2
4…開口、25…グリース溜り、28…第1の溝、31…第2の溝、36…第1のスペーサ、37…第2のスペーサ、40…仕切り壁、40A…奥側の端部、41…収容室、G…グリース、201…転がり軸受装置、240…仕切り壁、240A…奥側の端部、240B…手前側の端部
Claims (4)
- 内輪、外輪、およびこれら内外輪間に配置された複数の転動体を有する転がり軸受と、
前記転がり軸受の軸方向一方側に隣接されており、周方向に沿う溝状に形成されて、グリースが貯留されたグリース溜り、前記グリース溜りを複数の収容室に周方向に仕切る複数の仕切り壁、および前記各収容室と前記転がり軸受内部とを連通させる流通路が形成された間座とを含み、
前記仕切り壁によって区画される周方向一方側および/または周方向他方側の前記収容室に収容されている前記グリースと当該仕切り壁との間には、前記流通路から前記間座の軸方向に沿って前記グリース溜りの奥側に向けて溝が形成されている、転がり軸受装置。 - 前記仕切り壁が、多孔質材料を用いて形成されている、請求項1に記載の転がり軸受装置。
- 前記仕切り壁の軸方向における前記転がり軸受側の端部が、前記転がり軸受に接触している、請求項2に記載の転がり軸受装置。
- 前記仕切り壁は、前記間座とは別部材を用いて設けられ、かつ前記グリース溜りの奥部にまで延びるように設けられており、
前記仕切り壁の奥側の端部は、前記間座に嵌合固定されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受装置。
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