JP6398893B2 - フレキシブル配線板用の電気銅めっき液及び該電気銅めっき液を用いた積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
反り量の平均値:10cm角に切り出した積層体を、温度21〜25℃、湿度を45〜55%のクリーンルーム内に240時間以上放置して銅皮膜のセルフアニールによる再結晶化後に、四辺の反り量を測定し平均した数値
本実施形態の電気銅めっき液は、硫酸銅と、硫酸と、塩素と、添加剤と、を含む電気銅めっき液であって、3−[(アミノイミノメチル)チオ]−1−プロパンスルホン酸を含む添加剤を含むフレキシブル配線板用の電気銅めっき液である。以下、本実施形態の電気銅めっき液に含まれる添加剤について説明する。
本実施形態における添加剤は、下記化学式(1)で示される3−[(アミノイミノメチル)チオ]−1−プロパンスルホン酸(以下、本明細書においてはUPSと表記することがある)を含む。電気銅めっき液にUPSが含まれることによって、形成される銅皮膜の結晶の微細化を抑制することで配向性が向上し、結晶配向の乱れが少なくなることから、電気銅めっき液によって形成される銅皮膜の反りを抑制することができると推察される。
本実施形態に関するブライトナーとは、銅析出を促進するために含有されるものである。ブライトナーとしては、例えば、3−メルカプトプロピルスルホン酸(又はそのナトリウム塩)、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド(又はその2ナトリウム塩、以下総称してSPSとする)、メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム(MPS)といった硫黄化合物が用いられる。
本実施形態に関するレベラーとは、分子中に窒素元素を含む添加剤をいう。レベラーを所定量包含することによって、電気銅めっき液によって形成される銅皮膜の凹凸の少なくし表面平滑性の高いものとすることができる。
ポリマー成分は、電気銅めっき液の濡れ性を向上させる潤滑剤として使用するものである。ポリマー成分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、プルロニック型界面活性剤、テトロニック型界面活性剤、ポリエチレングリコール・グリセリルエーテル及びポリエチレングリコール・ジアルキルエーテルなどを挙げることができる。又はこれらの共重合体からなるポリマーをポリマー成分として用いてもよい。中でも、他の成分との分散性等の観点からポリアルキレングリコールを用いることが好ましい。なお、ポリエチレングリコールをポリマー成分として用いる場合には、ポリエチレングリコールの分子量は1000以上20000以下とすることが好ましい。
本実施形態の電気銅めっき液は、添加剤の他に、硫酸銅と、硫酸と、塩素とを含む。それによって、本実施形態の電気銅めっき液は、銅イオンと、塩化物イオンとを含む。電気銅めっき液中の銅イオンの濃度は、10g/L以上60g/L以下が好ましい。電気銅めっき液中の塩化物イオンの濃度は、30g/L以上70g/L以下が好ましい。電気銅めっき液中の硫酸は、50g/L以上250g/L以下が好ましい。電気銅めっき液中の銅イオンと、塩化物イオンと、硫酸とをこのような範囲含ませることにより、電気めっきに際しての銅の均一析出性を維持し、表面平滑性の高い銅皮膜を形成することができる。
本発明の積層体の製造方法の具体的な実施形態について、詳細に説明する。本実施形態の積層体は、例えば、樹脂フィルムにスパッタリング法などによって銅皮膜をあらかじめ形成した後、本実施形態の電気銅めっき液により電気めっきを行うことにより銅皮膜を形成することにより製造することができる。
本実施形態の電気銅めっき液により形成される銅皮膜は反り量が少なく、反り特性に優れる。表面平滑性に優れる銅皮膜を形成することで、接合不良のない優れたフレキシブル配線板を製造することができる。
二軸延伸ポリイミドフィルム(厚さ:38μm 東レ・デュポン社製:カプトン150EN)を基材として、スパッタリング法により0.1μmの銅皮膜を形成し、電解脱脂・酸洗を施し、下記に示すめっき液組成に3−[(アミノイミノメチル)チオ]−1−プロパンスルホン酸を50mg/L加え、建浴した電気銅めっき液を準備して、電気めっきにより、DK8A/dm2で8μmの銅皮膜を形成し、実施例の積層体を得た。
実施例に係る上記電気銅めっき液に3−[(アミノイミノメチル)チオ]−1−プロパンスルホン酸を加えなかった電気銅めっき液を用いて実施例と同様に積層体を製造し、これを比較例の積層体とした。
実施例及び比較例に係る積層体を10cm×10cmのサイズに裁断し、温度21〜25℃、湿度を45〜55%のクリーンルーム内に240時間以上放置して銅皮膜のセルフアニールによる再結晶化後に、水平に設置された台の上に静置させ、四辺の反り高さ(mm)を測定し平均値(表1中、反り量と表記。)を求めた。結果を表1に示す。
Claims (4)
- 硫酸銅と、硫酸と、塩素と、添加剤と、を含むフレキシブル配線板用の電気銅めっき液であって、
前記添加剤は、3−[(アミノイミノメチル)チオ]−1−プロパンスルホン酸を含み、
前記電気銅めっき液中において、銅イオンの濃度は10g/L以上60g/L以下であり、塩化物イオンの濃度は30g/L以上70g/L以下であり、硫酸の濃度は50g/L以上250g/L以下であり、3−[(アミノイミノメチル)チオ]−1−プロパンスルホン酸の濃度は1mg/L以上100mg/L以下であり、
前記電気銅めっき液を用いて電流密度8A/dm2にて電気めっきを行い、スパッタリング法により0.1μmの銅皮膜が形成された厚さ38μmであってMD方向の弾性率が5.8GPaの二軸延伸ポリイミドフィルムの該銅皮膜が形成された側の表面に更に8μmの銅皮膜を形成して積層体を製造したときに、該積層体の下記のように定義される反り量の平均値が17mm以下である電気銅めっき液。
反り量の平均値:10cm角に切り出した積層体を、温度21〜25℃、湿度を45〜55%のクリーンルーム内に240時間以上放置して銅皮膜のセルフアニールによる再結晶化後に、四辺の反り量を測定し平均した数値 - 前記添加剤は、銅析出を促進可能なブライトナーと、分子中に窒素元素を含むレベラーと、電気銅めっき液の濡れ性を向上させるポリマー成分と、を含む請求項1に記載の電気銅めっき液。
- 樹脂フィルムに、請求項1又は2に記載の電気銅めっき液を用いて電気めっきを行い、前記樹脂フィルムの表面に銅皮膜を形成する工程を含む積層体の製造方法。
- 前記電気めっきにおける電流密度が1A/dm2以上20A/dm2以下である請求項3に記載の積層体の製造方法。
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