JP6395495B2 - ポリプロピレン組成物から得られるフィルムまたはシート - Google Patents
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Description
[1]成分(1)1.0〜5.0重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレンの共重合体70〜97重量%;
成分(2)エチレン重合体、およびエチレンと1種類以上のC3〜C10−α−オレフィンとの共重合体からなる群から選択されるエチレン(共)重合体3〜30重量%;および
成分(3)核剤を含み、メルトマスフローレイト(230℃、荷重21.18N)が1.0〜10g/10分、
XSIV(キシレン可溶分の固有粘度)が0.5〜2.0dl/gであるポリプロピレン組成物を、
温度Ts(℃)で二軸延伸する工程を含む方法により得たシートまたはフィルムであって、
前記ポリプロピレン組成物の示差走査熱量計(DSC)でのセカンドスキャンにおいて、成分(1)または(2)由来の最高温側の融点のピークトップ温度をTm(℃)とするとき、
0≦Ts−Tm≦10を満たす、
シートまたはフィルム。
[2]前記二軸延伸後の成形体の表面状態を維持したまま冷却する工程をさらに含む方法により得た、[1]記載のシートまたはフィルム
[3]前記成分(1)と(2)の合計100重量部に対して、前記核剤を0.05〜1.0重量部含む、[1]または[2]記載のシートまたはフィルム
[4]前記ポリプロピレン組成物が、成分(1)の原料であるプロピレンとエチレンまたはC4〜C10−α−オレフィン、および成分(2)の原料であるエチレン、またはエチレンとC3〜C10−α−オレフィンとを、2つ以上の反応器を用いて、
(A)マグネシウム、チタン、ハロゲン、および電子供与体化合物としてのジカルボン酸ジエステルを含有する固体触媒、
(B)有機アルミニウム化合物、ならびに
(C)外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて重合する工程を含む方法で製造された組成物である、[1]〜[3]のいずれかに記載のシートまたはフィルム。
[5]前記成分(2)が、エチレンと1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンとの共重合体である[1]〜[4]のいずれかに記載のシートまたはフィルム。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載のシートまたはフィルムからなる層を有する成形体。
[7]前記[1]〜[5]のいずれかに記載のシートまたはフィルムを成形してなる二次成形体。
[8]成分(1)1.0〜5.0重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレンの共重合体70〜97重量%;
成分(2)エチレン重合体、およびエチレンと1種類以上のC3〜C10−α−オレフィンとの共重合体からなる群から選択されるエチレン(共)重合体3〜30重量%;および
成分(3)核剤を含み、
メルトマスフローレイト(230℃、荷重21.18N)が1.0〜10g/10分、
XSIV(キシレン可溶分の固有粘度)が0.5〜2.0dl/gであるポリプロピレン組成物を準備する工程、
前記ポリプロピレン組成物を温度Ts(℃)で二軸延伸する工程
を含み、
前記ポリプロピレン組成物のDSCでのセカンドスキャンにおいて成分(1)または(2)由来の最高温側の融点のピークトップ温度をTm(℃)とするとき、
0≦Ts−Tm≦10を満たす、
シートまたはフィルムの製造方法。
[9]前記二軸延伸後の成形体の表面状態を維持したまま冷却する工程をさらに含む、[8]に記載のシートまたはフィルムの製造方法。
本発明で使用するポリプロピレン組成物は、(1)1.0〜5.0重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレンの共重合体70〜97重量%、(2)エチレン重合体、およびエチレンと1種類以上のC3〜C10−α−オレフィンとの共重合体から選択されるエチレン(共)重合体3〜30重量%、および(3)核剤を含む。1.0重量%のエチレンを含むプロピレンの共重合体とは、エチレン由来のユニットとプロピレン由来のユニットとの重量比が1.0:99.0である共重合体である。他の共重合体についても同様である。
プロピレンの共重合体は、ポリプロピレンと、エチレンまたはC4〜C10−α−オレフィン(以下「コモノマー」ともいう)を含む。コノモマーの含有量は1.0〜5.0重量%である。コモノマー含有量が下限値未満であると、得られるシート等の透明性が低下する。一方、コモノマー含有量が上限値を超えると、剛性と延伸加工性が低下する。これらの観点からコモノマー含有量は1.5〜3.5重量%がより好ましい。また、コモノマーとしては、入手容易性等からエチレンまたはC4〜C6−α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
エチレン(共)重合体におけるエチレンの含有量は限定されないが、50〜100重量%が好ましい。エチレンの含有量が100重量%であるとき、エチレン(共)重合体はエチレン単独重合体である。特に、エチレン共重合体である場合、エチレンの含有量は50〜99重量%がより好ましく、70〜90重量%がより好ましい。C3〜C10−α−オレフィンとしては、入手容易性等からC3−α−オレフィンまたはC4−α−オレフィンが好ましい。
本発明に用いる核剤とは、樹脂中の結晶成分のサイズを小さく制御して透明性を高めるために用いられる添加剤である。核剤は特に限定されず、当該分野で通常使用されるものを使用してよいが、ノニトール系核剤、ソルビトール系核剤、リン酸エステル系核剤、トリアミノベンゼン誘導体核剤、カルボン酸金属塩核剤、およびキシリトール系核剤から選択されることが好ましい。ノニトール系核剤として、例えば、1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトールが挙げられる。
成分(1)と(2)の配合比は、重量比で(1):(2)=70〜97:3〜30である。成分(2)の量が、この上限を超えると得られるシート等の剛性が低下し、下限未満であると得られるシート等の耐寒衝撃性が低下する。この観点から、成分(1)と(2)の配合比は、好ましくは、80〜96:4〜20である。
1)メルトマスフローレイト
ポリプロピレン組成物の230℃、荷重21.18Nにおけるメルトマスフローレイト(以下「MFR」ともいう)は1.0〜10g/10分である。メルトマスフローレイトの値が、この上限値を超えると加工時の耐ドローダウン性が低下し、下限値未満であると加工時のトルクが上昇する。この観点から、メルトマスフローレイトは好ましくは1.5〜7.0g/10分である。
XSIVはポリプロピレン組成物のキシレン可溶分の固有粘度であり、当該組成物における結晶性を持たない成分の分子量の指標でもある。XSIVは25℃のキシレンに可溶な成分を得て、当該成分の固有粘度を定法にて測定することで求められる。本発明においてXSIVは0.5〜2.0dl/gである。XSIVが2.0dl/gを超えると得られるシート等の透明性が低下する。XSIVが0.5dl/g未満であると製造が困難となる。
さらに本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑剤、外部滑剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物、油展および他の有機および無機顔料などのオレフィン重合体に通常用いられる慣用の添加剤を添加してもよい。
本発明の二軸延伸シートまたはフィルムは、上記ポリプロピレン組成物からなる層を少なくとも1層有する。二軸延伸シートまたはフィルムが、上記ポリプロピレン組成物以外の層を有する場合、その他の層は特に限定されないが、プロピレンの単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、または、これらのいずれかの重合体を主成分とし、ポリプロピレン以外の樹脂を含有する組成物などが挙げられる。
前記の温度範囲で二軸延伸して得られた成形体は、成分(1)と(2)がいずれも融解状態で延伸された結果、表面が平滑で高い透明性を有する。本工程ではこの平滑な表面状態を維持したまま冷却し、シート等の透明性を維持することが好ましい。サイズの大きな結晶は表面荒れの要因となるので、平滑性を維持するため、二軸延伸後の冷却時に生じる結晶が、成長しない温度に冷却することが好ましい。その具体的な値は限定されないが、冷却温度は80℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。冷却の方法は特に限定されず、例えば、二軸延伸して得られた成形体を水冷または空冷することができる。さらに二軸延伸して得られた成形体を80℃超かつTm以下の温度、例えば100〜140℃の温度で一旦保持してから冷却してもよい。しかし、作業効率や透明性等の観点からは、この様な工程は設けないことが好ましい。
ポリプロピレン組成物は任意の方法で製造してよいが、本発明においては(A)マグネシウム、チタン、ハロゲン、および電子供与体化合物としてのジカルボン酸ジエステルを含有する固体触媒、(B)有機アルミニウム化合物、ならびに(C)外部電子供与体化合物を含む触媒を用いて製造することが好ましい。
成分(A)は、公知の方法、例えばマグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体化合物を相互接触させることにより調製できる。
成分(B)の有機アルミニウム化合物としては以下が挙げられる。
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
トリイソプレニルアルミニウムのようなトリアルケニルアルミニウム:
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム。
成分(C)の電子供与体化合物は、一般に「外部電子供与体」と称される。このような電子供与体化合物としては有機ケイ素化合物が好ましい。好ましい有機ケイ素化合物として以下が挙げられる。
成分(1)の原料であるプロピレンとエチレンまたはC4〜C10−α−オレフィン、および成分(2)の原料であるエチレンとC3〜C10−α−オレフィンとを、2つ以上の反応器を用いて重合してポリプロピレン組成物を製造することが好ましい。
本発明のシートまたはフィルムは所望の形状に成形されて、種々の用途に使用できる。例えば、本発明のシート等は包装材料、容器用材料、特に食品容器として有用である。例えば、真空成形等によりシート等を容器へ成形できる。得られた容器は、透明性および耐寒衝撃性に優れるので、氷や氷菓用の容器、冷却飲料の容器として有用である。
1.重合体の調製
(1)固体触媒
重合に用いる固体触媒を、以下の方法により調製した。当該固体触媒は、MgCl2上にTiと内部ドナーとしてのジイソブチルフタレートを担持させたものである。
固体触媒A:欧州特許第728769号公報の実施例5に記載された方法により調製した。
固体触媒B:欧州特許第674991号公報の実施例1に記載された方法により調製した。
上記固体触媒Aと、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウム(TEAL)と、外部電子供与体化合物としてジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)を用い、固体触媒に対するTEALの重量比が20、TEAL/DCPMSの重量比が10となるような量で、12℃において24分間接触させた。得られた触媒系を、液体プロピレン中において懸濁状態で20℃において5分間保持することによって予備重合を行った。得られた予備重合物を、二段の重合反応器を直列に備える重合装置の一段目の重合反応器に導入してプロピレン−エチレン共重合体を製造し、二段目の重合反応器でエチレン−1−ブテン共重合体を製造した。これは、当該エチレン−1−ブテン共重合体と一段目からのプロピレン−エチレン共重合体とを混合(重合ブレンド)したことに相当する。重合中は、温度と圧力を調整し、水素を分子量調整剤として用いた。また、一段目と二段目の滞留時間分布を調整することにより、各段で得られる重合体の割合を制御した。
成分(1):3.2重量%のエチレンを含むプロピレン−エチレン共重合体 82重量%
成分(2):23重量%の1−ブテンを含むエチレン−1−ブテン共重合体 18重量%
上記固体触媒Bと、トリエチルアルミニウム(TEAL)およびジイソプロピルジメトキシシラン(DIPMS)を、固体触媒に対するTEALの重量比が11、TEAL/DIPMSの重量比が3.2となるような量で、−5℃で5分間接触させた。得られた触媒系を、液体プロピレン中において懸濁状態で20℃において5分間保持することによって予備重合を行った。
重合体B2は、重合体B1と同じ1.7重量%のエチレンを含むポリプロピレンの共重合体からなり、核剤を含まない組成物である。核剤を添加しなかった以外は、重合体B1と同様に、当該重合体のパウダーを用いて作製した。
日本ポリエチレン株式会社製カーネルKF370を用いた。カーネルKF370はメタロセン触媒を用い、高圧法で製造されたエチレンの単独重合体であり成分(2)に該当する。
外部電子供与体として、DIPMSの代わりにDCPMSを用いた以外は、重合体B1およびB2の重合で使用した予備重合物と同様の方法で調製した予備重合物を用いて、成分(1)ポリプロピレン単独重合体と成分(2)エチレン−プロピレン共重合体を多段重合し、重合ブレンドを製造した。一段目の反応器では重合温度、水素濃度を、それぞれ70℃、0.10モル%、二段目の反応器では重合温度、水素濃度、C2/(C2+C3)を、それぞれ85℃、1.13モル%、0.48モル比とすると共に、重合圧力を調整した。また、一段目と二段目の滞留時間分布を調整することにより、各段で得られる重合体の割合を制御した。当該重合ブレンドによって得た重合体Dは、以下の成分(1)と成分(2)からなるポリプロピレン組成物である。重合体Aと同様に、当該重合体のパウダーを用いて作製した。
成分(1):プロピレンの単独重合体 80重量%
成分(2):51.5重量%のプロピレンを含むエチレン−プロピレンの共重合体 20重量%
このようにして準備した重合体の組成を表1にまとめた。
ポリプロピレン組成物をプレス成形(230℃で5分間予熱、0〜60MPa間で加圧減圧を繰り返す脱気操作を30秒間実施後に60MPaの条件下で3分間保持した後、30℃の冷却プレスで3分間保持)して1.5mm厚の板を得た。この板を10.5cm×10.5cmの大きさに切削し、Bruckner社製フィルム延伸装置(KARO)を用いて、表2に示す温度で120秒加熱し、延伸速度350mm/秒の速度で同時に二方向へ延伸させて、2.3倍×2.3倍の二軸延伸を行った。延伸後、冷却してシートを得た。
(1)MFR
JIS K 7210に準じ、温度230℃、荷重21.18Nの条件下で測定した。
(2)XSIV
サンプル2.5gを、o−キシレン(溶媒)を250ml入れたフラスコに入れ、ホットプレートおよび還流装置を用いて、135℃で、窒素パージを行いながら、30分間、撹拌し、サンプルを完全溶解した。その後、溶液を25℃で1時間冷却した。濾紙を用いて得られた溶液を濾過し、濾液を100ml採取し、アルミカップ等に移し、窒素パージを行いながら、150℃で蒸発乾固を行い、室温で30分間静置してキシレン可溶分を得た。ウベローデ型粘度計を用いて、当該キシレン可溶分の135℃テトラヒドロナフタレン中で固有粘度を測定し、XSIV(dl/g)を得た。
延伸時に破断等の問題が生じない場合を良、問題が生じる場合を不良と評価した。
(4)透明性
ISO 14782に準拠して、株式会社村上色彩技術研究所製、HM−150を使用し、前述のとおりにして得たシートのヘーズ測定を行い、透明性を評価した。同時に成形および冷却条件に由来するシート表面の凹凸の影響を除外するため、シートの両面に流動パラフィン(関東化学株式会社製、Liquid Paraffin Cat. No.32033−00)を刷毛にて塗布し、同様にヘーズ測定を行った。前者を「全ヘーズ」、後者を「内部ヘーズ」と定義した。またシート表面の寄与を見るため、「外部ヘーズ」(「全ヘーズ」−「内部ヘーズ」)を定義した。
JIS K7152で規定するタイプD2小形角板を準備した。次いでこの板を打ち抜き加工してJIS K7216で規定するA形試験片を準備した。当該試験片を用いて、JIS K7216に準拠して脆化温度を測定し、耐寒衝撃性を評価した。脆化温度が低いほど耐寒衝撃性に優れる。
1,2,4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒に溶解した試料について、日本電子株式会社製JNM LA−400(13C共鳴周波数100MHz)を用い、13C−NMR法で測定した値から算出した。
(7)示差走査熱量測定(DSC)
パーキンエルマー社製ダイヤモンドDSCを用いて、前記のとおり定義したセカンドスキャンを行い測定した。
重合体Aを25重量%および重合体B1を75重量%の割合で混合し、サーモプラスチック工業株式会社製15mmφ単軸押出機を用いて混練し(混練温度200℃)、ポリプロピレン組成物のペレットを得た。得られたペレットをプレス成形して10.5cm×10.5cm×1.5mmt(厚み)の板を製造した。板の切片をパーキンエルマー社製ダイヤモンドDSCを用いて窒素雰囲気下、10℃/分で昇温して230℃にて5分保持した。次いで、10℃/分で30℃まで降温した。30℃で5分間保持した後、引き続き、10℃/分で昇温してセカンドスキャンを行い、成分(1)成分(2)に由来する最高温側の融点Tmを測定した。Tmは152℃であった。この値から、二軸延伸時の温度Tsを157℃とした。このTsは、0≦Ts−Tm≦10を満足する。前述のように157℃でポリプロピレン組成物の平板を二軸延伸した後、氷水に浸して急冷してシートを得た。このシートについて評価を行い、表2に示すとおり優れた透明性と耐寒衝撃性を有していることを確認した。
ポリプロピレン組成物として重合体Aを35重量%および重合体B1を65%の割合で混合し、以下、実施例1と同様のプロセスで二軸延伸してシートを得た。実施例1と同様に優れた透明性と耐寒衝撃性を有していることを確認した。
ポリプロピレン組成物として重合体Aを45重量%および重合体B1を55重量%の割合で混合し、以下、実施例1と同様のプロセスで二軸延伸してシートを得た。実施例1と同様に優れた透明性と耐寒衝撃性を有していることを確認した。
ポリプロピレン組成物として重合体Aを85重量%および重合体B1を15重量%の割合で混合し、以下、実施例1と同様のプロセスで二軸延伸してシートを得た。実施例1と同様に優れた透明性と耐寒衝撃性を有していることを確認した。
ポリプロピレン組成物として重合体Aを単独で使用し、プレス成形により10.5cm×10.5cm×1.5mmt(厚み)の板を作製した。以下、実施例1と同様のプロセスで二軸延伸してシートを得た。実施例1と同様に優れた透明性と耐寒衝撃性を有していることを確認した。
重合体B2と重合体Cのペレットを重量比88:12で混合し、さらに核剤としてMillad NX8000J(ノニトール系、ミリケンジャパン株式会社製)を重合体B2と重合体Cの100重量部に対して0.5重量部添加して混合し、ポリプロピレン組成物を調製した。実施例1と同様にしてシートを得て評価した。表2に示すとおり、優れた透明性と耐寒衝撃性を有していることを確認した。
二軸延伸した後、空冷により室温(23℃)まで冷却した以外は実施例1と同様にしてシートを製造し、評価した。平滑な表面状態が維持されており、表2に示すとおり、優れた透明性と耐寒衝撃性を有していることを確認した。
二軸延伸した後、130℃で2分間保持した後に室温まで空冷した以外は実施例1と同様にしてシートを製造し、評価した。表2に示すとおり、氷水に浸して急冷した実施例1に比較した場合、外部ヘーズが大きくなった結果、得られたシートの透明性は相対的に劣っていたが、許容範囲であった。本例で得たシートは耐寒衝撃性を有していることを確認した。
ポリプロピレン組成物を150℃で二軸延伸してシートを得た以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し、評価した。得られたシートは透明性が著しく劣っていた。
ポリプロピレン組成物を150℃で二軸延伸してシートを得た以外は、実施例6と同様にしてシートを製造し、評価した。得られたシートは透明性が著しく劣っていた。
成分(1)と核剤の混合物である重合体B1を157℃で二軸延伸してシートを製造し、評価した。得られたシートは耐寒衝撃性が劣っていた。
重合体Dを162℃(Ts−Tm=−4)で二軸延伸してシートを得た以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し、評価した。得られたシートは透明性が著しく劣っていた。
重合体Dを168℃(Ts−Tm=2)で二軸延伸してシートを得た以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し、評価した。得られたシートは透明性が著しく劣っていた。
実施例1と同じポリプロピレン組成物を164℃(Ts−Tm=12)で二軸延伸したが、延伸できなかった。
Claims (9)
- 成分(1)1.0〜5.0重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレンの共重合体70〜97重量%;
成分(2)エチレン重合体、およびエチレンと1種類以上のC3〜C10−α−オレフィンとの共重合体からなる群から選択されるエチレン(共)重合体3〜30重量%;および
成分(3)核剤を含み、
メルトマスフローレイト(230℃、荷重21.18N)が1.0〜10g/10分、
XSIV(キシレン可溶分の固有粘度)が0.5〜2.0dl/gであるポリプロピレン組成物を、
温度Ts(℃)で二軸延伸する工程を含む方法により得たシートまたはフィルムであって、
前記ポリプロピレン組成物の示差走査熱量計(DSC)でのセカンドスキャンにおいて、成分(1)または(2)由来の最高温側の融点のピークトップ温度をTm(℃)とするとき、
0≦Ts−Tm≦10を満たす、
シートまたはフィルム。 - 前記二軸延伸後の成形体の表面状態を維持したまま冷却する工程をさらに含む方法により得た、請求項1記載のシートまたはフィルム。
- 前記成分(1)と(2)の合計100重量部に対して、前記核剤を0.05〜1.0重量部含む、請求項1または2記載のシートまたはフィルム。
- 前記ポリプロピレン組成物が、成分(1)の原料であるプロピレンとエチレンまたはC4〜C10−α−オレフィン、および成分(2)の原料であるエチレン、またはエチレンとC3〜C10−α−オレフィンとを、2つ以上の反応器を用いて、
(A)マグネシウム、チタン、ハロゲン、および電子供与体化合物としてのジカルボン酸ジエステルを含有する固体触媒、
(B)有機アルミニウム化合物、ならびに
(C)外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて重合する工程を含む方法で製造された組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載のシートまたはフィルム。 - 前記成分(2)が、エチレンと1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンとの共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載のシートまたはフィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のシートまたはフィルムからなる層を有する成形体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のシートまたはフィルムを成形してなる二次成形体。
- 成分(1)1.0〜5.0重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレンの共重合体70〜97重量%;
成分(2)エチレン重合体、およびエチレンと1種類以上のC3〜C10−α−オレフィンとの共重合体からなる群から選択されるエチレン(共)重合体3〜30重量%;および
成分(3)核剤を含み、
メルトマスフローレイト(230℃、荷重21.18N)が1.0〜10g/10分、
XSIV(キシレン可溶分の固有粘度)が0.5〜2.0dl/gであるポリプロピレン組成物を準備する工程、
前記ポリプロピレン組成物を温度Ts(℃)で二軸延伸する工程
を含み、
前記ポリプロピレン組成物のDSCでのセカンドスキャンにおいて成分(1)または(2)由来の最高温側の融点のピークトップ温度をTm(℃)とするとき、
0≦Ts−Tm≦10を満たす、
シートまたはフィルムの製造方法。 - 前記二軸延伸後の成形体の表面状態を維持したまま冷却する工程をさらに含む、請求項8に記載のシートまたはフィルムの製造方法。
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