JP6391490B2 - 静油圧式無段変速装置 - Google Patents
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Description
さらに、調節バネと他のバネとが、互いに離れた箇所に位置することになるため、調節バネの周囲に広いスペースが確保され、調節バネに対する調節作業が行い易くなるとともに、調節バネと他のバネとの干渉が生じにくくなり、バネ同士が絡んだりする不都合を回避できる。
このように、本発明によると、簡素な構造で、斜板を中立位置に復帰させるための中立付勢機構の付勢力の変更を容易に行うことができる。
このため、検出部によるスイッチの押圧に際して、他のバネの付勢力を回動アームに効率良く伝達することが可能となる。この結果、他のバネの付勢力に基づいて、回動アームの検出部によるスイッチの押圧が確実に行われ、斜板の中立位置の検出を好適に行うことができる。
本実施形態では、静油圧式無段変速装置Sが、作業車の一例であるトラクタTに備えられている場合について説明する。
図1、図2に示されるように、トラクタTの走行機体の前部には、エンジン7等が備えられているとともに、エンジン7からの動力により駆動される左右一対の前輪8が操向可能に備えられている。トラクタTの走行機体の後部には、左右の前輪8に連係されたステアリングホイール9や運転座席10等を備えて搭乗運転部11が形成されている。搭乗運転部11の左右外方には、エンジン7からの動力で駆動される左右一対の後輪12が備えられている。そして、搭乗運転部11の下方に、内部に副変速装置として機能するギヤ式の変速装置(図示せず)等を備えたミッションケース13等とともに、主変速装置として機能する静油圧式無段変速装置Sが備えられている。
内部構造は図示していないが、静油圧式無段変速装置Sには、エンジン7で駆動される可変容量型に構成されるアキシャルプランジャ型の油圧ポンプと、この油圧ポンプから作動油が供給されることで油量に対応する速度で回転するアキシャルプランジャ型の油圧モータと、が備えられている。この油圧ポンプは、ミッションケース13に対して走行駆動力を伝えるように構成されている。
中立付勢機構25に備えられる複数のバネとして、付勢力が変更不能に構成されている第一バネ40(「他のバネ」に相当)、付勢力が変更可能に構成されている第二バネ41(「調節バネ」に相当)、付勢力が変更不能に構成されている第三バネ60(「他のバネ」に相当)の三つのバネが備えられている。つまり、中立付勢機構25には、「調節バネ」とは異なる「他のバネ」が、複数備えられている。
図3〜図5に示されるように、カム部材26の操作アーム26Bには、連係機構30を介して、変速ペダル31が連係されている。変速ペダル31は、搭乗運転部11の機体右側部に配置されている。つまり、変速ペダル31は、機体左右方向においてミッションケース13に対して中立付勢機構25と同じ側に配置されている。変速ペダル31には、前進変速用の前側踏込操作部31Aと、前側踏込操作部31Aと一体の後進変速用の後側踏込操作部31Bと、前側踏込操作部31Aと後側踏込操作部31Bとに一体の位置するペダルアーム31Cと、が備えられている。
特に図示はしないが、上記特許文献1(特開2011−152823号公報)のように、従来の中立付勢機構には、単一のバネのみにより斜板が中立位置に復帰する付勢力を付与するものがある。従来の中立付勢機構では、斜板が中立位置の付近にある状態においても、斜板を中立位置に復帰させる確実な付勢力を付与すべく、比較的大きなバネ定数の単一バネが用いられている。しかし、このような単一のバネのみを用いる場合、バネ定数が大きいため、斜板が中立位置にあるときの中立付勢機構の付勢力と、斜板が最大正転位置または最大逆転位置にあるときの中立付勢機構の付勢力との差異が大きくなり過ぎてしまう。つまり、変速ペダル31を最大前進角度または最大後進角度まで踏み込む際に必要な操作力が過大となってしまう。
以下、本発明の別実施形態について説明する。以下の各別実施形態では、説明している構成以外の構成は、上記実施形態と同様である。また、上記実施形態及び以下の各別実施形態は、矛盾が生じない限り、互いに組み合わせることができる。なお、本発明の範囲は、上記実施形態及び以下の各別実施形態に限定されるものではない。
23 :斜板
24 :トラニオン軸
25 :中立付勢機構
26 :カム部材
27 :回動アーム
28 :ローラ
29 :カム部
32 :揺動軸
34 :第二アーム(主アーム部)
35 :検出アーム(副アーム部)
35A :検出部
38 :スイッチ
40 :第一バネ(他のバネ)
41 :第二バネ(調節バネ)
60 :第三バネ(他のバネ)
N1 :中立位置
N2 :中立姿勢
S :静油圧式無段変速装置
Claims (5)
- トラニオン軸を回動操作することで斜板の角度を変更可能であり、かつ、前記斜板を中立位置に付勢する中立付勢機構が備えられた静油圧式無段変速装置であって、
前記中立付勢機構に、
前記トラニオン軸に一体的に取り付けられ、かつ、前記トラニオン軸側に向けて凹入するカム部が形成されたカム部材と、
前記トラニオン軸と平行な揺動軸周りに回動する回動アームと、
前記回動アームに回転自在に支持され、かつ、前記カム部に嵌まり込むことで、前記カム部材を、前記中立位置に対応する中立姿勢に回動させるローラと、
前記回動アームと機台とに亘って取り付けられ、前記ローラが前記カム部に嵌まり込むように前記回動アームを付勢する複数のバネと、が備えられ、
前記複数のバネとして、付勢力が変更可能に構成された調節バネと、前記調節バネとは異なる複数本の他のバネと、が備えられ、
前記調節バネと前記他のバネとは、前記回動アーム及び前記機台における取付箇所が互いに離間する状態で独立して設けられ、
前記調節バネと前記他のバネとの全てのバネが、互いに異なる向きに延びるように取り付けられている静油圧式無段変速装置。 - 前記調節バネによる前記回動アームに対する付勢力が、前記他のバネのそれぞれによる前記回動アームに対する付勢力よりも小さくなるように設定されている請求項1に記載の静油圧式無段変速装置。
- トラニオン軸を回動操作することで斜板の角度を変更可能であり、かつ、前記斜板を中立位置に付勢する中立付勢機構が備えられた静油圧式無段変速装置であって、
前記中立付勢機構に、
前記トラニオン軸に一体的に取り付けられ、かつ、前記トラニオン軸側に向けて凹入するカム部が形成されたカム部材と、
前記トラニオン軸と平行な揺動軸周りに回動する回動アームと、
前記回動アームに回転自在に支持され、かつ、前記カム部に嵌まり込むことで、前記カム部材を、前記中立位置に対応する中立姿勢に回動させるローラと、
前記回動アームと機台とに亘って取り付けられ、前記ローラが前記カム部に嵌まり込むように前記回動アームを付勢する複数のバネと、が備えられ、
前記回動アームは、複数のアーム部が備えられ、
前記複数のバネとして、付勢力が変更可能に構成された調節バネと、前記調節バネとは異なる他のバネと、が備えられ、
前記調節バネと前記他のバネとは、前記複数のアーム部のうちの主アーム部及び前記機台における取付箇所が互いに離間する状態で独立して設けられ、
前記調節バネと、前記他のバネとが、互いに異なる向きに延びるように取り付けられ、
前記調節バネによる前記回動アームに対する付勢力が、前記他のバネによる前記回動アームに対する付勢力よりも小さくなるように設定され、
前記調節バネは、前記主アーム部のうち、前記他のバネが取り付けられた箇所よりも前記揺動軸に近い箇所に取り付けられている静油圧式無段変速装置。 - 前記他のバネが、複数備えられている請求項3に記載の静油圧式無段変速装置。
- 前記機台に取り付けられ、前記中立位置を検出する押圧式のスイッチが備えられ、
前記回動アームに、前記スイッチと対向する状態で、前記スイッチの検出対象となる検出部が備えられ、
前記回動アームにおける前記検出部の近傍に、前記他のバネが取り付けられるとともに、前記他のバネの伸び方向が、前記スイッチの押圧方向に沿っている請求項1、2又は4のいずれか1項に記載の静油圧式無段変速装置。
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