JP4458445B2 - 変速操作機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌に備えられる無段変速装置の変速操作を行うべく、該無段変速装置の制御アームに作動的に連結される変速操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
トラクタ等の車輌には、駆動源からの動力を変速及び/又は正逆切換を行って駆動輪に伝えるべく、無段変速装置が備えられている。前記無段変速装置の変速操作機構として、従来から、車輌に備えられる左右のステップ機枠に前進用ペダル及び後進用ペダルを設け、該両ペダルを選択的に踏み込むことによって、前記無段変速装置の変速及び/又は正逆切換操作を行えるように構成された変速装置が提案されている。
【0003】
例えば、特開平11-91380号公報には、揺動支点を挟んで前方及び後方へそれぞれ延在する前進用アーム及び後進用アームを一体的に備えた連動部材を設け、前記前進用アーム及び後進用アームのそれぞれの自由端部に前進用ペダル及び後進用ペダルを支持させ、前記連動部材と無段変速装置の制御アームとを連動連結してなる変速操作機構が提案されている。
【0004】
しかしながら、該公報に記載のものにおいては、使用者は、前進用ペダルについてはつま先部分を介して一方側へ揺動させ、後進用ペダルについては踵部分を介して他方側へ揺動させなければならず、操作簡便性の点で不十分な点がある。
即ち、使用者がペダル操作を行う場合を考えると、自らの踵部を支点にして、つま先を下方へ揺動させるように動作するのが、最も自然である。これに対して、前記公報に記載のものにおいては、使用者は後進用ペダルを踵部分で操作しなければならず、使用者に対して不自然なペダル操作を要求することになる。
【0005】
さらに、前進用ペダルと後進用ペダルとの適切な相対位置関係は、各使用者によって異なる。即ち、足の小さな使用者の場合には、前進用ペダルと後進用ペダルとの距離が比較的短い方が好ましいし、他方、足の大きな使用者の場合には、前進用ペダルと後進用ペダルとの間の距離が比較的大きい方が好ましい。
しかしながら、前記公報に記載のものは、斯かる観点に関しても考慮がなされておらず、この点からも操作簡便性の点で不十分である。
【0006】
又、特開平9-207732号公報には、前進用ペダル及び後進用ペダル共に、つま先部分で操作し得るように構成された変速操作機構が開示されている。該公報に記載のものは、第1回動軸から前方へ延在した第1アームに前進用ペダルを支持させ、且つ、第2回動軸から前方へ延在した第2アームに後進用ペダルを支持させ、さらに、前記第1回動軸及び第2回動軸と無段変速装置の制御アームとの間に、第1回動軸の一方側への回転に応じて前記制御アームを一方側へ揺動させ且つ第2回動軸の一方側への回転に応じて前記制御アームを他方側へ揺動させるリンク機構を設けることによって、前進用及び後進用ペダル共に、つま先部分での一方側への揺動によって操作し得るように構成されている。
【0007】
しかしながら、該公報に記載のものも、前記特開平11-91380号公報に記載のものと同様に、前進用ペダルと後進用ペダルとの相対位置を調整することができず、操作簡便性の点で不十分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、車輌に備えられる無段変速装置の変速操作を行うべく、該無段変速装置の制御アームを揺動させる変速操作機構であって、操作性を向上させ得る構造簡単な変速操作機構を提供することを一の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、車輌の走行系伝動経路に介在された無段変速装置の制御アームに作動的に連結された変速操作機構であって、車輌幅方向に沿って軸線回り回転自在に配設され、且つ、前記制御アームに作動的に連結された横軸と、前記横軸に相対回転不能に支持され、自由端部が前記横軸から車輌長手方向前方且つ上方に延びる第1アームと、前記横軸に相対回転不能に支持され、自由端部が前記横軸から車輌長手方向後方且つ上方に延びる第2アームと、前記横軸と平行な軸線回りに揺動自在となるように、前記第2アームに揺動自在に連結された中間リンクと、前記中間リンクのうち,前記第2アームとの連結部より後方に位置する部分を、該中間リンクの揺動に伴って該中間リンクが長手方向へ滑動し得るように係止する係止部と、前記第1及び第2アームの自由端部にそれぞれ支持された第1及び第2ペダル部とを備え、前記係止部は、前記横軸に対する相対位置を変更して固定され得る変速操作機構を提供する。
【0010】
好ましくは、前記横軸は、車輌に備えられた左右のステップ機枠の一方に支持され、前記係止部は、前記一方のステップ機枠に取り付けられる当接部材に支持されるものとすることができる。
又、前記第1アーム及び第2アームは、略V字形状の単一部材を構成するものとし得る。
又、前記第1及び第2ペダル部は、車輌幅方向に互いにオフセットさせることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
まず、本発明に係る変速操作機構の好ましい第1の実施の形態が適用される車輌について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施の形態に係る変速操作機構1が適用された車輌100の側面図であり、図2は該車輌100の一部の縦断模式図、図3は該車輌100の一部の油圧回路図である。
【0012】
図1〜図3に示すように、前記車輌100は、前方に配設されたエンジン等の駆動源110からの駆動力を、無段変速装置120及びパワーシフト装置130を介して、リアアクスルを駆動するディファレンシャルギア装置140及びフロントアクスルに作動的に連結されるフロント駆動軸150に伝達するようになっている。
【0013】
前記無段変速装置120は、駆動源110に作動的に連結された油圧ポンプ121と、該油圧ポンプ121と共働する油圧モータ122とを備えており、該油圧ポンプ121及び油圧モータ126の少なくとも一方が可動斜板の操作によって吸入/吐出油量を変化させ得る容積可変型とされている。
本実施の形態においては、油圧ポンプ121を可変容積型とし、且つ、油圧モータ126を固定容積型としており、前記油圧ポンプ121の可動斜板122に作動的に連結された外部操作可能な制御アーム123を揺動させることによって、油圧モータ126から得られる出力を変化させ得るようになっている。
【0014】
前記パワーシフト装置130は、前記無段変速装置120の伝動経路後流側に配設されており、駆動軸131と従動軸132との間で多段の変速を行うようになっている。具体的には、該パワーシフト装置130は、駆動軸131及び従動軸132に支持された多段の変速列133(本実施の形態においては、3段の変速列133a,133b,133c)を有している。各変速列には、図2及び図3に示されるように、油圧の作用によって係合/非係合されるクラッチ装置134a,134b,134cが備えられており、選択的に何れか一のクラッチ装置が係合し、選択された一の変速列に応じた出力が従動軸132に得られるようになっている。そして、該従動軸132上の駆動力は、適宜の動力伝達機構を介して、ディファレンシャルギア装置140及び前方駆動軸150に伝達される。
なお、図2における符号145は、前記クラッチ装置134a,134b,134cの油圧回路中の電磁弁の故障時等において、クラッチ装置が正常に作動しない場合に、前記駆動軸131の駆動力を前記ディファレンシャルギア装置140に強制的に伝達する為の緊急クラッチである。
【0015】
さらに、前記車輌においては、図2に示すように、駆動源110から油圧ポンプ121へ伝達された駆動力の一部を、チャージポンプ155用の駆動力として利用すると共に、PTO軸160から取り出し得るように構成している。
前記チャージポンプ155は、前記油圧ポンプ121と油圧モータ122とを連結して閉回路を形成する一対の油圧ライン127aへの圧油の補給を行うと共に、前記パワーシフト装置の何れか一の変速列を係合させる為の圧油を油圧ライン127bへ供給するようになっている。
【0016】
さらに、本実施の形態においては、図3に示すように、油圧ポンプ121の可動斜板122と制御アーム123とを油圧サーボ機構124で連結し、油圧の作用を利用して、比較的小さい制御アーム123への操作力で、前記可動斜板122を移動させ得るように構成されている。斯かる油圧サーボ機構124は、大型車両等において大型の無段変速装置が搭載された場合に有効である。なお、前記油圧サーボ機構124への圧油は、前記チャージポンプ155から供給するように構成できる。
【0017】
次に、本実施の形態に係る変速操作機構1について詳細に説明する。
図4は前記変速操作機構1を斜め後方から視た斜視図であり、図5は該変速操作機構1の側面図である。又、図6は一部を断面で示した該変速操作機構1の正面図である。
【0018】
図1〜図6に示すように、該変速操作機構1は、車輌幅方向に沿って軸線回り回転自在に配設された横軸10と、前記横軸10に相対回転不能に支持され、自由端部が前記横軸10から車輌長手方向前方且つ上方に延びる第1アーム20aと、前記横軸10に相対回転不能に支持され、自由端部が前記横軸から車輌長手方向後方且つ上方に延びる第2アーム20bとを備えている。
【0019】
前記車輌1には、車輌幅方向両側にそれぞれステップ機枠30が配設されており、本実施の形態において、前記横軸10は、前記一対のステップ機枠30の一方に、車輌幅方向に沿って軸線回り相対回転自在に支持されている。
具体的には、前記ステップ機枠30は、ミッションケース200等を介して車輌に固定される内壁31と、該内壁31の上部から車輌幅方向外方へ延びる上壁32と、該上壁32の車輌幅方向外方端部から下方に延びる外壁33とを備えている。そして、前記横軸10は、前記ステップ機枠30の内壁31と外壁33とにより、車輌幅方向に沿って軸線回り相対回転自在に支持されている。
【0020】
さらに、前記横軸10は前記無段変速装置120の前記制御アーム123に作動的に連結されている。即ち、横軸10が軸線回り一方側へ回転すると、これに応じて、制御アーム123が制御軸を一方側へ回転させるように揺動し、逆に、横軸10が軸線回り他方側へ回転すると、これに応じて、制御アーム123が制御軸を他方側へ回転させるように揺動するようになっている。本実施の形態においては、図4〜図6に良く示されているように、前記横軸10から下方に延びる揺動アーム11を該横軸10に相対回転不能に支持させ、さらに、一端部が該揺動アーム11に相対回転自在に連結され且つ他端部が前記制御アーム123に相対回転自在に連結された連結ロッド12を備えることによって、前記横軸10と前記制御アーム123とを作動的に連結させている。
【0021】
なお、本実施の形態においては、図4及び図5に良く示されるように、前記第1及び第2アーム20a,20bは、基端部が前記横軸に相対回転不能に支持された,側面視略V字状の部材20として一体形成されているが、これに代えて、両アームを別体とすることも当然に可能である。
【0022】
前記変速操作機構1は、さらに、前記横軸10と平行な軸線回りに揺動自在となるように、前記第2アーム20bに揺動自在に連結された中間リンク40と、該中間リンク40のうち,前記第2アーム20bとの連結部より後方に位置する部分41と係止する当接部材50とを備えている。
前記第1アーム20a及び中間リンク40は、前記ステップ機枠30より車輌幅方向外方に位置しており、各自由端部には、それぞれ、車輌幅方向に沿った第1及び第2ペダル部21a,21bが備えられている。
【0023】
図6に良く示されるように、本実施の形態において、前記第1及び第2ペダル部21a,21bは、それぞれ、第1アーム20a及び中間リンク40から車輌幅方向内方へ延在しており、さらに、該第1及び第2ペダル部21a,21bは、互いに、車輌幅方向にオフセットされている(図6参照)。
【0024】
このように、第1及び第2ペダル部21a,21bを車輌幅方向にオフセットすることにより、該第1及び第2ペダル部21a,21bを車輌長手方向に近接させた場合であっても、運転者は容易に両ペダルを選択的に押動させることができる。
【0025】
前記当接部材50には、前記中間リンク40の揺動に応じて、該中間リンク40の後方部分41と摺接する係止部51が備えられている。即ち、前記中間リンク40が揺動する際、該中間リンク40は前記係止部51に対して長手方向に滑動し得るように、該係止部51に係止されている。
【0026】
さらに、前記係止部51は、前記横軸10の回転軸線に対する相対位置を変更し得るようになっている。
具体的には、前記当接部材50は、前記ステップ機枠30に対し螺着されるネジ部52と、該ネジ部52から上方に延びる,正面視略U字状の保持部53と、該保持部に、車輌幅方向に沿うように支持される前記係止部51とを備え、前記中間リンクの後方部分41の上面が前記係止部51に摺接するようになっている。従って、前記ネジ部52によるステップ機枠30への螺着位置を上下方向に変更することによって、係止部51の前記横軸10に対する相対位置を変更できる。
【0027】
なお、前記構成に代えて、当接部材50を車輌前後方向に移動させて固定したり、若しくは、前記保持部53に複数の係止部保持用孔を形成しておき、前記係止部51を該複数の孔の何れか一に保持させることによっても、係止部51の前記横軸10に対する相対位置を変更できる。
又、前記係止部51と中間リンクの後方部分41との係止関係についても、種々の変更が可能である。即ち、本実施の形態においては、中間リンクの後方部分41の上面が前記係止部51に対し滑動するように構成したが、これに代えて、中間リンクの後方部分41に該中間リンク40の長手方向に沿った長孔を形成し、該長孔に前記係止部51を係入させることも可能である。
【0028】
好ましくは、前記変速操作機構1には、前記横軸10が基準位置から軸線回り一方側へ回転した場合に、該横軸10を基準位置へ向けて付勢する付勢部材が備えられる。
本実施の形態においては、前記無段変速装置120が中立状態をとる際の横軸10の回転位置を基準位置としている。即ち、横軸10が基準位置に位置する場合には、前記無段変速装置120が中立状態をとるようになっている。
前記付勢部材は、種々の構成及び/配置が可能であるが、本実施の形態においては、前記制御アーム123の揺動方向両側に配設された一対のコイルスプリング15を備えている。
【0029】
さらに、好ましくは、前記変速操作機構1に、第1及び第2アーム20a,20bの揺動領域をそれぞれ制限する第1及び第2停止部材を備えることができる。即ち、第1及び第2アーム20a,20bの揺動角に応じて前記制御アーム123の揺動角が画される。従って、前記第1及び第2アーム20a,20bの揺動領域を制限しておくことによって、揺動可能領域を越える領域へ揺動させるような力が制御アーム123に加わることを防止でき、これにより、該制御アーム123や該制御アーム123に連結される油圧サーボ機構の電磁弁又は制御軸等の破損又は損傷を有効に防止することができる。
【0030】
本実施の形態においては、第1停止部材として前記ステップ機枠30の外壁33に取り付けられた第1外方延在部材22aを用いており、他方、第2停止部材としては、前記ステップ機枠30の上壁32を兼用させている。即ち、運転者が前記第2ペダル部21bを下方へ押動させると、該第2ペダル部21bがステップ機枠30の上壁31に当接し、それ以上、下方へ押動されなくなる。従って、結果的に、第2ペダル部21b及び中間リンク40を介して揺動される第2アーム20bの揺動領域が制限されるようになっている。
【0031】
以下に、このように構成された変速操作機構1の動作説明を行う。図5に示す基準位置から、運転者が第1ペダル部21aを前方(図5に示す側面視において時計回り方向)へ押動すると、図6に示すように、第1アーム20aが前方(側面視において時計回り方向)へ揺動し、横軸10が軸線回りに前方(側面視において時計回り方向)へ回転する。横軸10が前方に回転すると、該横軸10から下方に延在するように連結された揺動アーム11は、後方(側面視においては、前記各部材と同様に時計回り方向)へ揺動し、該揺動アーム11に連結ロッド12を介して作動的に連結された制御アーム123が後方(側面視において反時計回り方向)へ揺動する。これにより、前記無段変速装置120が、例えば、車輌を前進方向へ駆動させる方向の駆動力を出力する。
【0032】
他方、運転者が基準位置から第2ペダル部21bを前方(側面視において時計回り方向)へ押動すると、図7に示すように、前記中間リンク40が前記係止部51に対し長手方向に滑動しながら、前方(側面視において時計回り方向)へ揺動する。斯かる中間リンク40の動きによって、第2アーム20bは後方(側面視において反時計回り方向)へ揺動し、横軸10が、第1ペダル部20aを押動した際とは反対の後方(側面視において反時計回り方向)へ軸線回りに回転する。従って、前記制御アーム123が前方(側面視において時計回り方向)へ揺動し、これにより、前記無段変速装置120が、前記第1ステップ21aを押動させた場合とは反対の方向、例えば、車輌を後進方向駆動させる方向の駆動力を出力する。
【0033】
このように、本実施の形態に係る変速操作機構1においては、運転者は、前記第1及び第2ペダル部21a,21bを選択的に押動する際、双方のペダル部21a,21b共に前方へ押動させることによって、無段変速装置120からそれぞれ前進方向及び後進方向の駆動力を取り出すことができる。従って、前記第1及び第2ペダル部21a,21b共につま先で操作することができ、操作性を向上させることができる。
【0034】
さらに、前記変速操作機構1においては、前述のように、前記係止部51の横軸10に対する相対位置を適宜調整し得るようになっており、これにより、横軸10が基準位置に位置する際の第2ペダル部21bの位置を、適宜変更することが可能となっている。即ち、係止部51を、図5に示す位置から、例えば、前方又は下方へ移動させて、横軸10の回転軸線へ近接させた位置で固定すると、中間リンク40は図5に示す位置から側面視において反時計回り方向へ移動した姿勢で前記係止部51に係止される。逆に、前記係止部51を、図5に示す位置から、例えば、後方又は上方へ移動させて、横軸10の回転から離間させた位置で固定すると、中間リンク40は図5に示す位置から側面視において時計回り方向へ移動した姿勢で前記係止部51に係止される。
【0035】
このように、前記係止部51の横軸10に対する相対位置を変更することによって、横軸10が基準位置に位置する際の中間リンク40の姿勢を変えて、該中間リンク40に支持された第2ペダル部21bの位置を変更させることができる。従って、係止部51の横軸10に対する相対位置を変えるという簡単な作業で、種々の運転者の各人にとって、最も適切な位置に第2ペダル部21bを位置させることができ、結果として操作性を向上させることが可能となっている。
【0036】
さらに、前述のように係止部51の横軸10に対する相対位置を適宜変更し得ることは、無段変速装置120の一方側への出力(本実施の形態においては車輌を後進させる方向の出力)の上限値を容易に変更し得るという効果も奏する。
即ち、前述のように、中間リンク40及び第2アーム20bの揺動領域は、前記第2停止部材(本実施の形態においてはステップ機枠の上壁)によって制限されている。一方、中間リンク40の姿勢は、前記係止部51の横軸10に対する相対位置を変更することによって変化する。中間リンク40の姿勢が変化すると、横軸10が基準位置に位置する際における,第2ペダル部21bの位置と前記第2停止部材との間の距離が変動する。該距離は、中間リンク40の揺動領域、つまり、第2アーム20bの揺動領域を画するから、斯かる距離が変動するということは、該変速操作機構1によって操作される前記制御アーム123の揺動幅が変化するということになる。
【0037】
従って、例えば、係止部51を横軸10に近接させて固定すると、中間リンク40及び第2アーム20bの揺動領域が大きくなり、変速操作機構1によって操作される制御アーム123の揺動幅も大きくなる。それ故、変速操作機構1によって操作され得る無段変速装置120の斜板の揺動量が大きくなり、例えば、後進方向への駆動力を、該無段変速装置120が出力し得る最大値まで上昇させることができる。
【0038】
逆に、係止部51を横軸10から離間させて固定すると、中間リンク40及び第2アーム20bの揺動領域が小さくなり、変速操作機構1によって操作される制御アーム123の揺動幅も小さくなる。つまり、変速操作機構1によって操作され得る無段変速装置120の斜板の揺動量が小さくなり、中間リンク40及び第2アーム20bを揺動可能端まで揺動させても、無段変速装置120の斜板が最大傾斜位置に達せず、これにより、例えば、後進方向への駆動力が、該無段変速装置120が出力し得る最大値より低い値までしか上昇しなくなる。斯かる無段変速装置120の出力制限は、後進方向への車輌速度制限となる。
【0039】
このように、本実施の形態に係る変速操作機構1においては、第2ペダル部21bによって操作される方向の最大車輌速度を、係止部51の横軸10に対する相対位置を変えるという極めて簡単な作業だけで調整することができる。
【0040】
実施の形態2.
以下、本発明に係る変速操作機構の好ましい第2の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。図9は実施の形態2に係る変速操作機構1′を斜め後方から視た斜視図であり、図10は該変速操作機構1′の側面図である。なお、図9及び図10において、前記実施の形態1におけると同一又は相当部材には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
図9及び図10に示されるように、該変速操作機構1′は、前記実施の形態1の変速操作機構1において、第2ペダル部21b′を中間リンク40′から車輌幅方向外方へ延在するように該中間リンク40′に取り付けると共に、第2停止部材として前記ステップ機枠30の外壁33に取り付けられた第2外方延在部材22bを用いている。
【0042】
即ち、本実施の形態においては、第1及び第2ペダル部21a,21b′を、それぞれ、第1アーム20a及び中間リンク40′を挟んで、車輌幅方向反対方向に延在させており、これにより、前記実施の形態1における効果に加えて、前記ステップ機枠30の車輌幅方向長さを短縮させることが可能となっている。
なお、前記各実施の形態においては、第1及び第2ペダル部21a,21b(21b′)として平板状の部材を用いたが、これに代えて、棒状等種々の形状を採用し得る。
【0043】
【発明の効果】
本発明に係る変速操作機構によれば、無段変速装置の制御アームに作動的に連結された横軸を車輌幅方向に沿って軸線回り回転自在に配設し、該横軸から、それぞれ車輌長手方向前方及び後方に延びる第1及び第2アームを該横軸に相対回転不能に支持させ、該第2アームに、前記横軸と平行な軸線回りに揺動自在となるように、中間リンクを揺動自在に連結している。従って、第1アームに支持された第1ペダル部を前方(側面視において時計回り方向)へ押動させることによって、第1アームが前方へ揺動する。そして、中間リンクに支持された第2ペダル部を前方へ押動させることによって、該中間リンクが前方へ揺動すると共に第2アームが後方(側面視において反時計回り方向)へ揺動するようになっている。
【0044】
さらに、本発明に係る変速操作機構は、前記中間リンクのうち,前記第2アームとの連結部より後方に位置する部分を、該中間リンク(及び第2アーム)の揺動の際に該中間リンクが長手方向へ滑動するように係止する係止部を備えており、該係止部を前記横軸に対する相対位置を変動させて固定し得るように構成したので、該係止部の横軸に対する相対位置を変えるだけで、前記第1及び第2ペダル部の互いの相対位置を変動させることができる。従って、種々の使用者のそれぞれに対し適切な第1及び第2ペダル部の配置関係を簡単に設定することができる。
【0045】
又、前記係止部の横軸に対する相対位置を変化させることは、中間リンク及び第2アームの揺動領域を変動させることになるから、これにより、第2ペダル部によって操作される方向の無段変速装置の最大出力を、該無段変速装置自身の出力範囲内で適宜設定することが可能となる。従って、係止部の固定位置を変えるという簡単な作業によって、第2ペダル部によって操作される方向の車輌最大速度を適宜設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る変速操作機構の一実施の形態が適用された車輌の概略側面図である。
【図2】図2は、図1に示す車輌における動力伝達経路の一部縦断模式図である。
【図3】図3は、図1に示す車輌における油圧回路図である。
【図4】図4は、本発明に係る変速操作機構の一実施の形態の斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す変速操作機構の側面図である。
【図6】図6は、図3及び図4に示す変速操作機構の一部縦断正面図である。
【図7】図7は、前記一実施の形態に係る変速操作機構の側面図であり、第1ペダル部を押動させた状態を示している。
【図8】図8は、前記一実施の形態に係る変速走査機構の側面図であり、第2ペダル部を押動させた状態を示している。
【図9】図9は、本発明に係る変速操作機構の他の形態の斜視図である。
【図10】図10は、図9に示す変速操作機構の側面図である。
【符号の説明】
10 横軸
20a 第1アーム
20b 第2アーム
21a 第1ペダル部
21b 第2ペダル部
30 ステップ機枠
40 中間リンク
51 係止部
100 車輌
110 無段変速装置
123 制御アーム
Claims (4)
- 車輌の走行系伝動経路に介在された無段変速装置の制御アームに作動的に連結された変速操作機構であって、
車輌幅方向に沿って軸線回り回転自在に配設され、且つ、前記制御アームに作動的に連結された横軸と、
前記横軸に相対回転不能に支持され、自由端部が前記横軸から車輌長手方向前方且つ上方に延びる第1アームと、
前記横軸に相対回転不能に支持され、自由端部が前記横軸から車輌長手方向後方且つ上方に延びる第2アームと、
前記横軸と平行な軸線回りに揺動自在となるように、前記第2アームに揺動自在に連結された中間リンクと、
前記中間リンクのうち,前記第2アームとの連結部より後方に位置する部分を、該中間リンクの揺動に伴って該中間リンクが長手方向へ滑動し得るように係止する係止部と、
前記第1及び第2アームの自由端部にそれぞれ支持された第1及び第2ペダル部とを備え、
前記係止部は、前記横軸に対する相対位置を変更して固定され得ることを特徴とする変速操作機構。 - 前記横軸は、車輌に備えられた左右のステップ機枠の一方に支持され、
前記係止部は、前記一方のステップ機枠に取り付けられる当接部材に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の変速操作機構。 - 前記第1アーム及び第2アームは、略V字形状の単一部材を構成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の変速操作機構。
- 前記第1及び第2ペダル部は、車輌幅方向に互いにオフセットされていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の変速操作機構。
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