JP6390366B2 - 粘着剤組成物、その製造方法、粘着テープ - Google Patents

粘着剤組成物、その製造方法、粘着テープ Download PDF

Info

Publication number
JP6390366B2
JP6390366B2 JP2014230590A JP2014230590A JP6390366B2 JP 6390366 B2 JP6390366 B2 JP 6390366B2 JP 2014230590 A JP2014230590 A JP 2014230590A JP 2014230590 A JP2014230590 A JP 2014230590A JP 6390366 B2 JP6390366 B2 JP 6390366B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
diisocyanate
polymer
group
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014230590A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016094513A (ja
Inventor
一範 重森
一範 重森
純平 早川
純平 早川
奈津子 小久保
奈津子 小久保
佑介 八木
佑介 八木
朋恵 山上
朋恵 山上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2014230590A priority Critical patent/JP6390366B2/ja
Publication of JP2016094513A publication Critical patent/JP2016094513A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6390366B2 publication Critical patent/JP6390366B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、電子部品の製造などにおいて、部品を仮固定するために好適に用いられる粘着剤組成物、その製造方法、粘着テープに関する。特に半導体ウエハなどを素子の小片に切断分離(ダイシング)する際に、当該半導体ウエハなどの被切断体を固定するために用いる半導体ウエハダイシングテープなどに関する。
従来、半導体ウエハは、大径の状態で製造された後、素子小片に切断分離(ダイシング)され、更にマウント工程に移される。この際、半導体ウエハはダイシングテープに貼付され保持された状態でダイシング工程、洗浄工程、エキスパンド工程、ピックアップ工程、マウント工程の各工程が施される。前記ダイシングテープとしては、プラスチックフィルムからなる基材上にアクリル系粘着剤等の粘着剤層が塗布、形成されたものが用いられている。
前記ピックアップ工程は、ダイシングテープがある程度伸張した状態で行われる。半導体素子の薄型化が進んでおり、特に半導体ウエハの厚みが100μm以下になると、半導体チップをピックアップする際に半導体チップが変形しやすくなっている。そのため、ダイシングテープと半導体チップの剥離角度が小さくなっており、ピックアップが困難になる問題があった。(たとえば、特許文献1参照。)
特許文献2の特許5534690号公報では、容易に剥離するために紫外線硬化樹脂を配合した粘着剤を使用しており、剥離前に紫外線照射して粘着力を大幅に低下させることでピックアップの困難さを解消している。
しかし、紫外線硬化型の粘着剤は繰り返し使用できないという欠点がある。
特許文献3の特許4391623号公報では、側鎖結晶化可能ポリマーとしてステアリルアクリレート、アクリル酸共重合体を配合することで、35℃以上では23℃での接着強度の10%以下の接着強度になる粘着剤を提案している。
しかしながら、側鎖結晶化可能ポリマーが被着体へ転移することで被着体を汚染する可能性がある。
特開2005−19607号公報 特許5534690号公報 特許4391623号公報
本発明の課題は、温度を上げることで接着強度を低減させることができ、かつ被着体への汚染が少ない粘着剤組成物を提供することである。
前記課題は、ウレタン結合およびウレア結合を導入したポリマー(E)を用いることにより解決できる。すなわち本発明は、片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基とジイソシアネート(B)のイソシアネート基とを反応させてなるウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基と、モノアミン(D)とを反応させてなるポリマー(E)と、粘着剤(F)と、硬化剤(G)とを含むことを特徴とする粘着剤組成物に関する。
また、本発明は粘着剤(F)100重量部に対し、ポリマー(E)を1〜30重量部含むことを特徴とする上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明は片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)が、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合してなることを特徴とする上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明はエチレン性不飽和単量体(a2)が、炭素数12〜50の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明はエチレン性不飽和単量体(a2)の合計100重量%中、炭素数12〜50の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを30〜100重量%含むことを特徴とする上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明は片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)の重量平均分子量が、500〜30,000であることを特徴とする上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明はポリマー(E)の重量平均分子量が、1,000〜100,000であることを特徴とする上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明は上記粘着剤組成物を基材に塗工した粘着テープに関する。
また、本発明は分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)の存在下、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合して片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)を製造する第一の工程と、
前記片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基とジイソシアネート(B)のイソシアネート基とを反応させてウレタンプレポリマー(C)を製造する第二の工程と、
ウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基とモノアミン(D)とを反応させてポリマー(E)を製造する第三の工程と、
ポリマー(E)と、粘着剤(F)と、硬化剤(G)とを混合する第四の工程とを有する粘着剤組成物の製造方法に関する。
本発明の粘着剤組成物を使用することにより、60℃での粘着力が23℃のときの粘着力の3割以下で、被着体汚染の少ない粘着剤組成物を提供できた。
本発明の粘着剤組成物の各構成要素について説明する。
《片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)》
片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)(以下、ビニル重合体(A)と略記する場合がある。)は、例えば、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合することで得ることができる。ビニル重合体(A)のビニル重合体部位は、具体的には下記一般式(1)で表される。
一般式(1):

[一般式(1)中、
1は、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)からヒドロキシル基及びチオール基を除く3価の残基を示し、
好ましくは、酸素原子、窒素原子を有していてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、
2は、エチレン性不飽和単量体(a2)から二重結合部位を除く残基を示し、
好ましくは、芳香族基、又は−C(=O)−X6−R4(但し、X6は、−O−若しくは−N(R5)−であり、R4及びR5は、水素原子、又は置換基として芳香族基を有していてもよい炭素原子数1〜50の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基)であり、
3は水素原子又はメチル基であり、
nは、2以上の整数、好ましくは3〜200の整数である。
ここで、ビニル重合体(A)の片末端領域でいう、末端領域となる。]
〈分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)〉
分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)(以下、化合物(a1)と表記する場合がある。)としては、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物であり、ビニル重合において連鎖移動剤として機能するものであれば特に限定されないが、一般式(1)中のR1で示される3価の残基が、炭素数1〜20である炭化水素基であるものが好ましい。具体例としては1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセロール)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。中でもR1が炭素数2〜8である炭化水素基であるものが好ましく、より好ましくは3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセロール)である。
目的とする片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)の分子量にあわせて、化合物(a1)とエチレン性不飽和単量体(a2)と、任意に重合開始剤とを混合して加熱することでビニル重合体(A)を得ることができる。化合物(a1)は、エチレン性不飽和単量体(a2)100重量部に対して、0.5〜30重量部用いて、塊状重合又は溶液重合により得ることが好ましく、より好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは2〜15重量部、特に好ましくは2〜10重量部である。反応温度は、40〜150℃、好ましくは50〜110℃である。
〈エチレン性不飽和単量体(a2)〉
エチレン性不飽和単量体(a2)としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベヘニルアクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、及びフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、及びオキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及びエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;並びに、
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等があげられる。
又、上記アクリル系単量体と併用できる単量体として、
スチレン、及びα−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;並びに、
酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等があげられる。
又、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を併用することもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、及びクロトン酸等から1種又は2種以上を選択することができる。
エチレン性不飽和単量体(a2)としては、炭素数12〜50の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いることが好ましく、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記した中でも、結晶性を高めるためには、直鎖状アルキル基の炭素数が18〜22であることが好ましく、具体的には、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体(a2)の合計100重量%中、直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの含有率が、30〜100重量%であることがポリマー(E)の温度による結晶化にとって好ましい。より好ましくは、50〜100重量%、さらには70〜98重量%である。
エチレン性不飽和単量体(a2)は、アルキル(メタ)アクリレート、およびカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含むことが好ましい。
〈重合開始剤〉
重合の際、エチレン性不飽和単量体(a2)100重量部に対して、任意に0.001〜5重量部の重合開始剤を使用することができる。重合開始剤としては、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、及び2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、及びジアセチルパーオキシド等があげられる。これらの重合開始剤は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
〈重合溶剤〉
溶液重合の場合には、重合溶媒として、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、及びジエチレングリコールジエチルエーテル等が用いられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いても良いが、最終用途で使用する溶剤であることが好ましい。
〈重量平均分子量〉
片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)の、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)としては、500〜30,000であることが好ましく、1,000〜15,000であることがより好ましく、1,000〜8,000であることが特に好ましい。該重量平均分子量が500未満では、被着体への移行が増加してしまう。又30,000を超えると、ポリマー(E)にしたときに、ビニル重合体(A)の絶対量が増えてしまい、凝集力が不足して、被着体への移行が増加する場合がある。
ポリマー(E)の重量平均分子量としては、1,000〜100,000であることが好ましく、該重量平均分子量が1,000未満では、被着体への移行が増加してしまう。又100,000を超えると、ビニル重合体(A)の絶対量が増えてしまい、凝集力が不足して、被着体への移行が増加する場合がある。
《ジイソシアネート(B)》
本発明に用いられるジイソシアネート(B)としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、芳香族含有ジイソシアネート(b1)、脂肪族含有ジイソシアネート(b2)、芳香脂肪族含有ジイソシアネート(b3)、脂環族含有ジイソシアネート(b4)等が挙げられる。
芳香族含有ジイソシアネート(b1)としては、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、及び1,3−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン等が挙げられる。
脂肪族含有ジイソシアネート(b2)としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族含有ジイソシアネート(b3)としては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、及び1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族含有ジイソシアネート(b4)としては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、及びメチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート等を挙げることができる。
以上、列挙したジイソシアネート(B)は、必ずしもこれらに限定されるものではなく、2種類以上を併用して使用することもできる。
本発明に用いられるジイソシアネート(B)としては、脂環族含有ジイソシアネート(b4)が好ましく、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート、IPDI)が難黄変性であるためにより好ましい。
《ウレタンプレポリマー(C)》
片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基と、ジイソシアネート(B)のイソシアネート基とを反応することで、片末端領域に2つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C)を得ることができる。
〈合成触媒(H)〉
ウレタンプレポリマー(C)の合成時には、公知の触媒(H)を使用することができ、例えば三級アミン系化合物、及び有機金属系化合物等を挙げることができる。
三級アミン系化合物としては、例えば、
トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、及びジアザビシクロウンデセン(DBU)等を挙げることができる。
有機金属系化合物としては錫系化合物、及び非錫系化合物を挙げることができる。
錫系化合物としては、例えば、
ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、及び2−エチルヘキサン酸錫等を挙げることができる。
非錫系化合物としては、例えば、
ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系、オレイン酸鉛;
2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、及びナフテン酸鉛等の鉛系;
2−エチルヘキサン酸鉄、及び鉄アセチルアセトネート等の鉄系;
安息香酸コバルト、及び2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系;
ナフテン酸亜鉛、及び2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系;並びに、
ナフテン酸ジルコニウム等のジルコニウム系を挙げることができる。
上記触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、及び2−エチルヘキサン酸錫等が反応性や衛生性の点で好ましい。
上記3級アミン系化合物、及び有機金属系化合物等の触媒は、場合によっては単独でも使用できるが、併用することもでる。
有機金属化合物触媒は、後述のアミンとの更なる反応においても、該反応を著しく促進する。
〈合成溶剤〉
本発明においてウレタンプレポリマー(C)の合成時には公知の溶剤が好適に使用される。溶剤の使用は反応制御を容易にする役割を果たす。
かかる目的で使用される溶剤としては、例えば、
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、及びジエチレングリコールジエチルエーテル等が用いられるが特にこれらに限定されるものではない。
ウレタンプレポリマー(C)の溶解性、溶剤の沸点等、後に添加するアミンの溶解性の点から特に酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル又はこれらの混合溶剤が好ましい。
又、溶剤を使用した場合のウレタンプレポリマー反応系内の濃度は、ウレタンプレポリマーの固形分濃度に換算して、反応制御の観点から、好ましくは30〜95重量%であり、粘度制御の観点から、さらに好ましくは40〜90重量%である。30重量%未満では、反応が遅くなり、未反応物が残ることがある。95重量%を超えると、反応が部分的に急激に進む場合があり、分子量等のコントロールが難しくなることがある。
〈合成条件〉
ウレタンプレポリマー(C)をつくるウレタン化反応は、種々の方法が可能である。1)全量仕込みで反応する場合と、2)片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)及び必要に応じて、溶剤をフラスコに仕込み、ジイソシアネート(B)を滴下した後必要に応じて触媒を添加する方法に大別されるが、反応を精密に制御する場合は2)が好ましい。ウレタンプレポリマー(C)を得る反応の温度は120℃以下が好ましい。更に好ましくは50〜110℃である。110℃より高くなると反応速度の制御が困難になり、所定の分子量と構造を有するウレタンプレポリマーが得られなくなる。ウレタン化反応は、触媒の存在下、50〜110℃で1〜20時間行うのが好ましい。
片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)とジイソシアネート(B)の配合比は、片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のモル比率を整数αとした時、ジイソシアネート(B)のモル比率がα+1で、理論上、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C)が合成できる。αの最小が1なので、ビニル重合体(A)に対するジイソシアネート(B)の配合モル比率(α+1)/αは2以下となる。
片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)に対するジイソシアネート(B)の配合モル比は、ウレタンプレポリマーの生産性の観点から、1.01〜3.00が好ましく、最終合成物であるポリマー(E)のウレタン、ウレア結合の配合量の観点から、1.30〜2.30がより好ましく、1.50〜2.00が最も好ましい。前記配合モル比が小さすぎると、ポリマー(E)が高分子量になり、それを用いた粘着剤組成物の粘度が高くなり過ぎる場合がある。又、前述通り、前記配合モル比が2.00より大きいと、ビニル重合体(A)由来のビニル重合部を持たないジイソシアネート(B)及びそれ由来のウレタン部位が増え、最終製品である粘着剤組成物の性能に悪影響を及ぼす場合がある。
《ポリマー(E)》
ポリマー(E)は片末端領域に2つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基と、モノアミン(D)を反応させて得られる。
《モノアミン(D)》
モノアミン(D)としては、ヒドロキシル基と反応してポリマー(E)にウレア結合を導入することができる、分子内に一級アミノ基又は二級アミノ基を1個有するアミンであれば特に限定されず、他の極性官能基を有しても良い。このような極性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、シアノ基、ニトロキシル基等が挙げられる。
モノアミン(D)としては、従来公知のものが使用でき、具体的には、
アミノメタン、アミノエタン、1−アミノプロパン、2−アミノプロパン、1−アミノブタン、2−アミノブタン、1−アミノペンタン、2−アミノペンタン、3−アミノペンタン、イソアミルアミン、N−エチルイソアミルアミン、1−アミノヘキサン、1−アミノヘプタン、2−アミノヘプタン、2−オクチルアミン、1−アミノノナン、1−アミノデカン、1−アミノドデカン、1−アミノトリデカン、1−アミノヘキサデカン、ステアリルアミン、アミノシクロプロパン、アミノシクロブタン、アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノシクロドデカン、1−アミノ−2−エチルヘキサン、1−アミノ−2−メチルプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、3−アミノ−1−プロペン、3−アミノメチルヘプタン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−ラウリロキシプロピルアミン、3−ミリスチロキシプロピルアミン、2−アミノメチルテトラヒドロフラン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリニックアシッド、イソニペコチックアシッド、メチルイソニペコテート、エチルイソニペコテート、2−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンブチリックアシッド塩酸塩、4−ピペリジノール、ピロリジン、3−アミノピロリジン、3−ピロリジノール、インドリン、アニリン、N−ブチルアニリン、o−アミノトルエン、m−アミノトルエン、p−アミノトルエン、o−ベンジルアニリン、p−ベンジルアニリン、1−アニリノナフタレン、1−アミノアントラキノン、2−アミノアントラキノン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、5−アミノイソキノリン、o−アミノジフェニル、4−アミノジフェニルエーテル、β−アミノエチルベンゼン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、o−アミノアセトフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、3−ベンジルアミノプロピオニックアシッドエチルエーテル、4−ベンジルピペリジン、α−フェニルエチルアミン、フェネシルアミン、p−メトキシフェネシルアミン、フルフリルアミン、p−アミノアゾベンゼン、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、アリルアミン、及びジフェニルアミン等が挙げられる。
中でも、剛直性のない脂肪族アミンで第二級アミノ基のみを有するモノアミン化合物が好ましい。
第二級アミノ基のみを有する脂肪族モノアミン化合物としては、
ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、2−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンエタノール、4−ピペリジノール、ピロリジン、3−アミノピロリジン、及び3−ピロリジノール等が挙げられる。
又、三級アミノ基は、イソシアネート基と反応する活性水素を有していないため、一級又は二級アミノ基と、三級アミノ基とを有するジアミンは、モノアミン(D)として使用することができる。
一級又は二級アミノ基と、三級アミノ基とを有するジアミンとしては、
N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、及びN,N,2,2−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン等の一級アミノ基と三級アミノ基とを有するジアミン;並びに、
N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン等の二級アミノ基と三級アミノ基とを有するジアミンを挙げることができる。
本明細書において、二級アミノ基とは、−NHの水素原子の1つが、炭化水素基や他の有機残基等の炭素遊離基で置換された基を意味し、三級アミノ基とは、−NHの水素原子の2つが、同様な炭素遊離基で置換された基を意味する。
これらのモノアミン化合物は、一種類又は二種類以上混合して用いてもよい。なお、一級アミン基とイソシアネート基が反応した後のウレア結合の活性水素は、反応性が低く、本発明の重合条件では、それ以上イソシアネート基と反応し、分子量が大きくなることはない。
〈合成条件〉
ウレタンプレポリマー(C)とモノアミン(D)の反応は、特に限定されないが、1)ウレタンプレポリマー(C)溶液をフラスコに仕込み、モノアミン(D)を滴下する方法、2)モノアミン(D)、及び必要に応じて溶剤からなる溶液をフラスコに仕込み、ウレタンプレポリマー(C)溶液を滴下する方法に大別される。安定した反応になる方で合成を行うが、反応に問題がなければ、操作が容易な1)の方法が好ましい。反応の温度は、100℃以下が好ましい。更に好ましくは70℃以下である。70℃でも反応速度は大きく、制御できない場合は、50℃以下が更に好ましい。100℃より高くなると反応速度の制御が困難であり、所定の分子量と構造を有するウレタンウレア樹脂を得ることは難しい。
反応の終点は、滴定によるイソシアネート%測定、IR測定によるイソシアネートピークの消失により判断することができる。
本発明のポリマー(E)の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは1,500〜50,000、特に好ましくは1,500〜20,000である。重量平均分子量が1,000未満であれば、被着体への移行が発生する場合があり、100,000を超えると樹脂間の相互作用が強くなり、粘着剤組成物の増粘が起きる場合がある。
ポリマー(E)の配合量は特に限定されないが、粘着剤(F)100重量部に対し1〜30重量部であることが好ましい。
《粘着剤(F)》
粘着剤(F)は特に限定されないが、例えば、天然ゴム接着剤、スチレン/ブタジエンラテックスベース接着剤、ABAブロック共重合体型の熱可塑性ゴム(Aは熱可塑性ポリスチレン末端ブロックを示し、Bはポリイソプレン、ポリブタジエンまたはポリ(エチレン/ブチレン)のゴム中間ブロックを示す)、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリアクリレートおよび酢酸ビニル/アクリルエステル共重合体等のアクリル接着剤、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、およびポリビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテルの共重合体が挙げられる。
特に、アクリル系感圧性接着剤は結晶化剤であるポリマー(E)との相互作用をもつため、所定温度ではポリマー(E)が良好に分散して粘着性を発揮すると共に、所定温度以上の加熱によりポリマー(E)が剥離性を良好に発揮する。好ましいアクリル系感圧性接着剤としては、エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート等からなるものが挙げられる。
《硬化剤(G)》
硬化剤(G)は特に限定されないが、イソシアネート系硬化剤が好ましい。具体的には、分子内に2官能以上のイソシアネート基を含む化合物が好ましく、3官能以上のイソシアネート基を含む化合物がより好ましい。
前記イソシアネート基を含む化合物としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、及びこれらイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体やビュレット体、またイソシアヌレート体、更にはこれらイソシアネート化合物と公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられる。
本発明に使用されるイソシアネート系硬化剤としては、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましく、特にトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体がさらに好ましい。これらは2 種以上使用しても良い
本発明では、粘着剤(F)イソシアネート系硬化剤を0.1〜20重量部添加することで粘着層の凝集力を調整することができるが、イソシアネート系硬化剤の種類によっても凝集力を調整することが出来る。柔軟な骨格をもつヘキサメチレンジイソシアネートや、上記ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ビュレット体などは0.1 〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部添加することが出来る。
また、剛直な骨格をもつトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、および上記イソシアネートのイソシアヌレート体などは0.1〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部添加することが出来る。添加量が0.1重量部より少ないと、粘着剤の強度が不足し、加工性が低下する恐れがある。また、添加量が20重量部より多いと、粘着層の凝集力が過剰になり被着体への密着が低下し、浮きや剥がれなど発生する恐れがある。
本発明の粘着剤組成物は、上記成分の他に、必要に応じて充填剤、軟化剤、老化防止剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与性樹脂、繊維類、可使用時間延長剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、防黴剤、増粘剤、可塑剤、顔料等の着色剤、充填剤等の添加剤を含有することができる。
本発明の粘着剤組成物を基材上に塗工し、溶剤を除去することで粘着テープを得ることができる。基材としては、特に限定されず従来公知のものを使用することができる。
《製造方法》
本発明の粘着剤組成物の製造方法は特に限定されないが、好ましくは、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)の存在下、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合して片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)を製造する第一の工程と、
前記片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基とジイソシアネート(B)のイソシアネート基とを反応させてウレタンプレポリマー(C)を製造する第二の工程と、
ウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基とモノアミン(D)とを反応させてポリマー(E)を製造する第三の工程と、
ポリマー(E)と、粘着剤(F)と、硬化剤(G)とを混合する第四の工程とを有する製造方法により製造することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。また、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8320GPC)で、展開溶媒にDMFを用いたときのポリスチレン換算分子量である。
<ビニル重合体(A)の合成>
(合成例1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、ステアリルアクリレート 190部、アクリル酸 10部、チオグリセロール 10部、及びn-プロピルアセテート 90部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、AIBN[2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)] 0.24部を添加した後7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認後、室温まで冷却して、重量平均分子量6,400の、片末端領域に2つの遊離ヒドロキシル基を有するビニル重合体(A−1)の固形分70%溶液を得た。
(合成例2〜5)
表1に記載した原料と仕込み量を用いた以外は合成例1と同様にして合成を行い、片末
端領域に2つの遊離ヒドロキシル基を有するビニル重合体(A−2〜5)の固形分70%溶液を得た。
表1中の略称は以下に示す通りである。
・SA:ステアリルアクリレート
・VA:ベヘニルアクリレート
・LMA:ラウリルメタクリレート
・AA:アクリル酸
・MA:メタクリル酸
・AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
<ポリマー(E)の合成>
(製造例1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、ビニル重合体(A−1)の固形分70%溶液 300部と、イソホロンジイソシアネート 30.8部と、n−プロピルアセテート 13.1部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート 0.08gを仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、3時間反応した後、40℃まで冷却して無色透明溶液(C−1)を得た。ここにジブチルアミン10.2部とn―プロピルアセテート4.5部を加えて100℃で30分撹拌し、ポリマー(E−1)の無色透明溶液を得た。ポリマー(E−1)の重量平均分子量は14,300であった。
(製造例2〜5)
表2に記載した原料と仕込み量を用いた以外は製造例1と同様にして合成を行い、ポリマー(E−2〜5)の溶液を得た。
表2中の略称は、以下に示す通りである。
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
・DBTDL:ジブチル錫ジラウレート
・DBA:ジn−ブチルアミン
(比較製造例1)<ビニル重合体(E−6)の製造>
(合成例6)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、ステアリルアクリレート 190部、アクリル酸 10部、ドデシルメルカプタン 10部、及びn-プロピルアセテート 90部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、AIBN[2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)] 0.24部を添加した後7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認後、室温まで冷却して、重量平均分子量6,700の、ビニル重合体(E−6)の固形分70%溶液を得た。
(比較製造例2)<ビニル重合体(E−7)の製造>
(合成例7)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、ブチルアクリレート 190部、アクリル酸 10部、ドデシルメルカプタン 10部、及びn-プロピルアセテート 90部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、AIBN[2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)] 0.24部を添加した後7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認後、室温まで冷却して、重量平均分子量6,700の、ビニル重合体(E−7)の固形分70%溶液を得た。
<粘着剤(F)の製造>
(合成例8)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート91部、2−メトキシエチルアクリレート 5 部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 4部、酢酸エチル122部、AIBN0.01部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気化で、この反応溶液を還流温度で8時間重合反応させ、重量平均分子量が95万、不揮発分30%のアクリル系ポリマー溶液を得た。
(合成例9)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に2−エチルヘキシルアクリレート91部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 8部、酢酸エチル122部、AIBN0.01部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気化で、この反応江溶液を還流温度で8時間重合反応させ、重量平均分子量が95万、不揮発分30%のアクリル系ポリマー溶液を得た。
<粘着剤組成物の作製>
(実施例1)
合成例8で合成したアクリル樹脂溶液294.7gに、ポリマー(E−1)15.9g、および硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体75%酢酸エチル溶液0.67gを加えて均一に混合攪拌し、粘着剤組成物溶液を得た。
<塗工方法>
上記粘着剤組成物を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:38μm)[以下剥離フィルムという]の片面に塗布し、100℃で2分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着層を形成した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:25μm)の表面に上記粘着層を転写し、23℃−50%RH雰囲気下で7日間放置し、反応を進行させ(エージング)、粘着シートを作成した。
<粘着力>
上記粘着シートを厚さ0.4mmのステンレス板(SUS304)に23℃−65%RHにて貼着し、JISに準じてロール圧着し23℃と60℃で20分放置し、ショッパー型剥離試験器にて23℃と60℃での剥離強度(180度ピール、引っ張り速度300mm/分;単位g/25mm幅)を測定した。
<剥離後外観>
剥離試験後のステンレス板の汚染度合いを目視で観察した。
○ ・・・ステンレス板に汚れが観察されない。
△ ・ ・・・ステンレス板にごくわずかに着色がある。
× ・・・ステンレス板の全面に着色がある。
(実施例2〜5、比較例1,2)
材料と配合量を表3に示したものに変えた以外は実施例1と同様の操作を行い実施例2〜5、比較例1,2とした。

Claims (8)

  1. 片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基とジイソシアネート(B)のイソシアネート基とを反応させてなるウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基と、モノアミン(D)とを反応させてなるポリマー(E)と、粘着
    剤(F)と、硬化剤(G)とを含み、粘着剤(F)100重量部に対し、ポリマー(E)を1〜30重量部、および硬化剤(G)を0.1〜20重量部含むことを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)が、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合してなることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. エチレン性不飽和単量体(a2)が、炭素数12〜50の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする請求項記載の粘着剤組成物。
  4. エチレン性不飽和単量体(a2)の合計100重量%中、炭素数12〜50の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを30〜100重量%含むことを特徴とする請求項記載の粘着剤組成物。
  5. 片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)の重量平均分子量が、500〜30,000であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  6. ポリマー(E)の重量平均分子量が、1,000〜100,000であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  7. 請求項1〜いずれか1項に記載の粘着剤組成物を基材に塗工した粘着テープ。
  8. 分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)の存在下、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合して片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)を製造する第一の工程と、
    前記片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基とジイソシアネート(B)のイソシアネート基とを反応させてウレタンプレポリマー(C)を製造する第二の工程と、
    ウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基とモノアミン(D)とを反応させてポ
    リマー(E)を製造する第三の工程と、粘着剤(F)100重量部に対し、ポリマー(E)を1〜30重量部、および硬化剤(G)を0.1〜20重量部含を混合する第四の工程とを有する粘着剤組成物の製造方法。
JP2014230590A 2014-11-13 2014-11-13 粘着剤組成物、その製造方法、粘着テープ Active JP6390366B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014230590A JP6390366B2 (ja) 2014-11-13 2014-11-13 粘着剤組成物、その製造方法、粘着テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014230590A JP6390366B2 (ja) 2014-11-13 2014-11-13 粘着剤組成物、その製造方法、粘着テープ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016094513A JP2016094513A (ja) 2016-05-26
JP6390366B2 true JP6390366B2 (ja) 2018-09-19

Family

ID=56071384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014230590A Active JP6390366B2 (ja) 2014-11-13 2014-11-13 粘着剤組成物、その製造方法、粘着テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6390366B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7053194B2 (ja) * 2017-09-04 2022-04-12 ニッタ株式会社 感温性粘着剤、感温性粘着シートおよび感温性粘着テープ
JP6583519B1 (ja) * 2018-11-29 2019-10-02 東洋インキScホールディングス株式会社 (メタ)アクリレート重合体の製造方法、(メタ)アクリレート重合体、ブロック共重合体、およびグラフト共重合体
WO2022091989A1 (ja) * 2020-10-29 2022-05-05 ナミックス株式会社 塩基放出性組成物及びそれを用いる硬化性樹脂組成物

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06100653A (ja) * 1991-02-18 1994-04-12 Daicel Chem Ind Ltd アクリルグラフトポリウレタン化合物およびその製造方法
JP3254710B2 (ja) * 1992-01-20 2002-02-12 大日本インキ化学工業株式会社 粉末状ポリウレタン樹脂の製造方法
JP4213780B2 (ja) * 1998-03-31 2009-01-21 日東電工株式会社 感圧性接着剤組成物とその接着シ―ト類
JP2006199842A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Toyo Ink Mfg Co Ltd 粘着組成物および粘着シート
JP5286740B2 (ja) * 2007-10-19 2013-09-11 東洋インキScホールディングス株式会社 接着剤組成物、それを用いた接着剤シート、および補強材付きフレキシブルプリント配線板
JP5433293B2 (ja) * 2009-04-30 2014-03-05 ニッタ株式会社 粘着テープ
JP2011037944A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Nitta Corp 感温性粘着剤および感温性粘着テープ
JP5760570B2 (ja) * 2011-03-24 2015-08-12 Dic株式会社 ガラスパネル固定用着色粘着テープ
JP6346170B2 (ja) * 2013-04-05 2018-06-20 ニッタ株式会社 仮固定用両面粘着テープ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016094513A (ja) 2016-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109825200B (zh) 侧乙烯基型共聚丙烯酸酯uv减粘胶及其制备方法
KR102201622B1 (ko) 광 경화성 수지 및 광 경화성 수지 조성물
US11993712B2 (en) Curable compositions for use as adhesives having properties capable of being altered based on external stimuli and methods of making and using the same
JP2010185016A (ja) 溶剤型再剥離用粘着剤組成物および再剥離用粘着製品
JP6390366B2 (ja) 粘着剤組成物、その製造方法、粘着テープ
JP2013533894A (ja) フィルム形成性放射線架橋性接着剤
JP6888181B1 (ja) 粘着材、粘着シートおよび屈曲性積層部材
TW201741428A (zh) 雙重固化光學透明黏著劑組合物
US8124706B2 (en) Adhesive composition comprising end-reactive acrylic polymer and uses thereof
JP6996326B2 (ja) ポリ塩化ビニル用粘着剤および粘着シート
JP2006124528A (ja) 粘着積層体およびそれを用いた液晶セル用部材
CN116018265A (zh) 增强薄膜、带增强薄膜的装置及其制造方法
JP6673078B2 (ja) 粘着剤組成物、および粘着シート
JP6686274B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP2001146577A (ja) ウレタン樹脂組成物
KR20090056312A (ko) 액상 폴리이소프렌 고무를 포함하는 광경화형 점착 조성물및 이를 이용한 광경화형 점착 테이프
TW201404848A (zh) 透明黏接著薄片用組成物、其製造方法及透明黏接著薄片
JP2023005131A (ja) 粘着剤組成物および粘着シート
JP2021014571A (ja) 接着剤セット、構造体及び構造体の製造方法
TW201323568A (zh) 熱黏著性膜及黏著帶
CN114402051B (zh) 加饰膜用粘合剂组合物
JP6602933B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、及び画像表示装置の製造方法
JP2009203375A (ja) アクリル樹脂組成物
JP6296172B2 (ja) (メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体
TW202319498A (zh) 黏著片材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180806

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6390366

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250