JP6384296B2 - 車両の操舵制御装置及び車両の操舵制御方法 - Google Patents

車両の操舵制御装置及び車両の操舵制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、自車両の走行車線を検出し、検出した走行車線に沿って自車両を追従走行させる車両の操舵制御装置及びその方法に関する。
従来、自車両の走行車線等の道路環境をカメラ等で検知し、操舵アクチュエータによって自動的に前輪を操舵して自車両を走行車線に追従して走行させる車両の操舵制御システムが知られている。このような車両の操舵制御システムとして、従来では特許文献1が開示されている。特許文献1では、目標ヨーレートγ*を算出する際に、前方注視点横変位Δys、車速V、前方注視点距離Lsを用いて以下の式(1)で算出していた。
Figure 0006384296
特開2003−81123号公報
しかしながら、上述した従来の車両の操舵制御システムでは、目標軌跡の追従制御を行う際に車両がオーバーシュートすることを抑制するために減衰係数を1とする思想で設計されている。この場合、走行車線が直線であれば問題は生じないが、曲率のあるカーブ等でそのまま適用すると、目標とする走行車線へ追従制御する際の応答性が低下してしまうという問題点があった。一方で、追従制御の応答性を低下させないために前方注視点距離を小さくすると、オーバーシュート等が発生して車両制御を不安定にしてしまうという別の問題が生じる。したがって、追従制御の応答性と車両制御の安定性とを両立させることができなかった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、自車両の追従制御の応答性と車両制御の安定性とを両立させることのできる車両の操舵制御装置及びその方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る車両の操舵制御装置及びその方法は、自車両の走行車線情報と自車両の走行状態とを検出し、検出された走行車線情報と自車両の走行状態とに応じて前方注視点距離を設定する。そして、安定性パラメータを設定し、前方注視点距離と自車両の走行状態とに基づいて、自車両を走行車線に沿って追従走行させるための第1フィードバックゲインを算出する。また、第1フィードバックゲインと安定性パラメータとに基づいて、現在点における自車両の横変位を補正するための第2フィードバックゲインを算出する。さらに、走行車線情報に基づいて前方注視点横変位を算出し、走行車線情報から現在点横変位を検出する。そして、これらの結果から第1フィードバックゲインと第2フィードバックゲインと前方注視点横変位と現在点横変位とを用いて目標ヨーレートを算出し、算出された目標ヨーレートに応じて自車両の操舵角を算出する。
本発明の車両の操舵制御装置及びその方法によれば、自車両を走行車線に沿って追従走行させるための第1フィードバックゲインと、現在点における自車両の横変位を補正するための第2フィードバックゲインとを算出し、これらを用いて目標ヨーレートを算出する。これにより、自車両を走行車線へ追従制御する際の応答性と車両制御の安定性とを両立させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置を搭載した車両の構成を示す図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置による操舵制御処理の手順を示すフローチャートである。 図4は、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置による操舵制御を説明するための図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置によって操舵制御が実行された車両の挙動を説明するための図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置によって操舵制御が実行された車両の挙動を説明するための図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係る車両の操舵制御装置による安定性パラメータの修正処理の手順を示すフローチャートである。 図8は、本発明の第3実施形態に係る車両の操舵制御装置による前方注視点距離の設定処理を説明するための図である。 図9は、本発明の第4実施形態に係る車両の操舵制御装置による第2フィードバックゲインの補正処理を説明するための図である。 図10は、本発明の第4実施形態に係る車両の操舵制御装置による第2フィードバックゲインの補正処理を説明するための図である。 図11は、本発明の第5実施形態に係る車両の操舵制御装置による第2フィードバックゲインの算出処理の手順を示すフローチャートである。 図12は、本発明の第5実施形態に係る車両の操舵制御装置による第2フィードバックゲインの算出処理を説明するための図である。
以下、本発明を適用した第1〜第5実施形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
[操舵制御装置を搭載した車両の構成]
図1は、本実施形態に係る操舵制御装置を搭載した車両の構成を示すブロック図である。図1に示すように、車両100は、操舵制御装置1が実装されたコントロールユニット3と、車速センサ5と、カメラコントローラ7と、ヨーレートセンサ9と、フロントカメラ11と、舵角センサ13と、操舵トルクセンサ14とを備えている。また、車両100は、操舵機構として、前輪FL、FRと、後輪RL、RRと、ラック15と、ピニオン17と、ステアリングホイール19と、ステアリングシャフト21と、操舵アクチュエータ23とを備えている。
ここで、操舵制御装置1は、コントロールユニット3に実装されており、図2に示すように、走行車線情報検出部31と、走行状態検出部33と、前方注視点距離設定部35と、安定性パラメータ設定部37とを備えている。さらに、操舵制御装置1は、第1フィードバックゲイン算出部39と、第2フィードバックゲイン算出部41と、前方注視点横変位算出部43と、現在点横変位検出部45と、目標ヨーレート算出部47と、操舵角算出部49とを備えている。各部の動作の詳細は後述する。また、操舵制御装置1は、マイクロコンピュータ、マイクロプロセッサ、CPUを含む汎用の電子回路と周辺機器から構成されており、特定のプログラムを実行することにより、上述した各部として動作する。
コントロールユニット3は、図示しないマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成され、実装されている操舵制御装置1の機能を実現させる演算部として機能する。コントロールユニット3は、カメラコントローラ7から走行車線に対する自車両の相対横変位Y(x)が入力されると、操舵制御装置1を用いて、自車両がカーブを通過する際に最適な目標操舵角θrを算出する。そして、コントロールユニット3は、操舵角センサ13で検出された実操舵角θが目標操舵角θrに一致するように操舵アクチュエータ23で発生させるトルクを制御する。
車速センサ5は、図示しない自動変速機の出力側もしくは各車輪に取り付けられており、自車両の車速Vを検出してコントロールユニット3に出力する。
カメラコントローラ7は、例えば特開平11−102499号公報に開示されているように、フロントカメラ11の画像データに二値化等の処理を行うことによって自車両の近傍にある白線を検出する。そして、走行車線に対する自車両の相対横変位Y(x)を算出してコントロールユニット3に出力する。ここで、xは自車両の進行方向における前方注視点までの距離であり、例えばx=0[m]〜30[m]の範囲となる。前方注視点は、この範囲で複数点が設定され、カメラコントローラ7は、設定された前方注視点の数だけ相対横変位Y(x)を算出してコントロールユニット3へ出力する。また、この他にカメラコントローラ7は、走行車線の形状や車線幅等を検出してコントロールユニット3へ出力する。
ヨーレートセンサ9は、自車両に発生するヨー角速度γを検出し、コントロールユニット3に出力する。
フロントカメラ11は、図1に示すように車室内のインナーミラーステー等の固定部に設置されたカメラであり、自車両の前方状況を撮像した画像データをカメラコントローラ7に出力する。
舵角センサ13は、ステアリングシャフト21の回転角から操舵角θを検出してコントロールユニット3に出力する。
操舵トルクセンサ14は、ステアリングシャフト21に設置され、運転者がステアリングホイール19を回転させたときの操舵トルクを検出し、コントロールユニット3に出力する。
車両100の操舵機構としては、一般的なラックアンドピニオン式の操舵機構が備えられている。この操舵機構は、前輪FL、FRの操舵軸(タイロッド)に接続されるラック15と、これに噛合するピニオン17と、ステアリングホイール19に加えられた操舵トルクでピニオン17を回転させるステアリングシャフト21とを備えている。また、ステアリングシャフト21におけるピニオン17の上部位置には操舵アクチュエータ23が配設され、この操舵アクチュエータ23がコントロールユニット3の駆動トルクの制御によって前輪FL、FRを自動操舵する。
[操舵制御処理の手順]
次に、本実施形態に係る操舵制御装置1による操舵制御処理の手順を図3のフローチャートを参照して説明する。この処理は、例えば10msec毎にタイマー割込処理によって実行される。
図3に示すように、まずステップS10において、走行車線情報検出部31が自車両の走行車線情報を検出し、走行状態検出部33が自車両の走行状態を検出する。具体的に、走行車線情報検出部31は、カメラコントローラ7で検出された前方横変位Y(x)や走行車線の形状、車線幅等を走行車線情報として検出して読み込む。また、走行状態検出部33は、操舵角センサ13で検出された操舵角θ、ヨーレートセンサ9で検出されたヨー角速度γ、車速センサ5で検出された車速V、操舵トルクセンサ14で検出された操舵トルクTを自車両の走行状態として検出して読み込む。
ステップS20において、前方注視点距離設定部35は、走行車線情報と自車両の走行状態とに応じて、図4に示す前方注視点距離x1を設定する。
図4は、本実施形態の操舵制御処理を説明するための図であり、自車両51が曲率半径Rの走行車線を走行している状態を示している。図4に示すLは、走行車線の端部を示す白線であり、Sは目標走行ラインの接線である。また、qは前方注視点、φは現在点における自車両51の走行車線に対するヨー角、ρは走行車線の曲率である(R=1/ρ)。
図4に示すように、前方注視点距離x1は、自車両51の前方に設定された前方注視点qまでの距離である。この前方注視点距離x1は、自車両を操舵制御する際に自車両の前方においてどれだけ離れた距離の横変位をフィードバックするかを決定するための値である。また、前方注視点距離x1は、自車両のヨーレートがどの車速でも適切となるように車速Vに応じて決定することが好ましい。一般的には車速が高くなっても、ヨーレートの周波数特性が変化して車両挙動が不安定にならないように、車速Vに比例して前方注視点距離x1を設定する。すなわち、車速Vが高くなるのに応じて、前方注視点距離x1が長くなるように設定する。尚、前方注視点距離x1は、ヨーレートの周波数特性を表す時定数に反比例する値に設定することで、車速Vが高い場合にさらに車両挙動を安定させることができる。一方、前方注視点距離x1は、走行車線情報に含まれる走行車線の形状に応じて決定してもよい。例えば、自車両前方の走行車線の形状が急激に曲がるカーブである場合には前方注視点距離x1を短く設定し、直線である場合には前方注視点距離x1を長く設定する。
ステップS30において、安定性パラメータ設定部37は、自車両の操舵制御における車両挙動の安定性を調整するための安定性パラメータを設定する。この安定性パラメータは、自車両のヨーレートの減衰特性を調整するためのパラメータである。例えば、外乱によって自車両が位置ずれを起こした後における目標走行ラインへの復元時の振動特性や自車両が車線変更を行った場合のオーバーシュート特性を改善するための制御パラメータである。具体的に、本実施形態では、安定性パラメータとして減衰係数(減衰比)ζを用いており、少なくとも√2/2よりも大きい値に設定される。尚、安定性パラメータについては、毎回の処理毎に設定するのではなく予め設定された値を用いてもよく、その場合には本ステップを省略してもよい。
ステップS40において、第1フィードバックゲイン算出部39は、前方注視点距離x1と自車両の走行状態を示す車速Vとに基づいて、第1フィードバックゲインK1を算出する。第1フィードバックゲインK1は、自車両を走行車線に沿って追従走行させるためのフィードバックゲインである。具体的に、第1フィードバックゲインK1は、式(2)で表すことができる。
Figure 0006384296
すなわち、第1フィードバックゲインK1は、自車両の速度Vに比例し、前方注視点距離x1の二乗に反比例する。式(2)の求め方については後述する。
次に、ステップS50において、第2フィードバックゲイン算出部41は、第1フィードバックゲインK1と安定性パラメータである減衰係数ζとに基づいて、第2フィードバックゲインK2を算出する。第2フィードバックゲインK2は、現在点における自車両の横変位を補正するためのフィードバックゲインである。具体的に、第2フィードバックゲインK2は、式(3)で表すことができる。
Figure 0006384296
式(3)の求め方については後述する。
ステップS60において、前方注視点横変位算出部43は、走行車線情報に基づいて前方注視点横変位Y(x1)を算出する。前方注視点横変位Y(x1)は、図4に示すように、前方注視点距離x1における走行車線に対する自車両の横変位である。前方注視点横変位Y(x1)は、走行車線情報である前方横変位Y(x)のデータ列を補完することによって算出することができる。
ステップS70において、現在点横変位検出部45は、走行車線情報から現在点横変位Y(0)を検出する。現在点横変位Y(0)は、図4に示すように、自車両の現在点における走行車線に対する横変位である。現在点横変位Y(0)は、走行車線情報である前方横変位Y(x)のデータ列の最近傍点の値を検出すればよい。
ステップS80において、目標ヨーレート算出部47は、第1フィードバックゲインK1と第2フィードバックゲインK2と前方注視点横変位Y(x1)と現在点横変位Y(0)とを用いて目標ヨーレートγrを算出する。具体的に、目標ヨーレートγrは、式(4)で表すことができる。
Figure 0006384296
ただし、目標横変位yrについては設定されていなくてもよい。すなわち、目標ヨーレートγrは、前方注視点横変位Y(x1)と現在点横変位Y(0)との差に第1フィードバックゲインK1を乗算した値と、現在点横変位Y(0)に第2フィードバックゲインK2を乗算した値の和によって算出される。
ステップS90において、操舵角算出部49は、目標ヨーレートγrに応じて自車両の操舵角を算出する。具体的に、操舵角算出部49は、目標ヨーレートγrに車両ヨーレートγが追従するような目標操舵角θrを算出する。そして、舵角センサ13で検出された実操舵角θが目標操舵角θrに追従するように操舵アクチュエータ23の駆動トルクを制御する。これにより、自車両が走行車線に追従して走行するような操舵制御を実現することができ、本実施形態に係る操舵制御処理を終了する。
[第1、第2フィードバックゲインの算出方法]
次に、第1、第2フィードバックゲインK1、K2の算出方法について説明する。まず、走行車線の曲率をρ、現在点における走行車線に対する自車両の横変位をy、現在点における走行車線に対する自車両のヨー角をφ、車速をVとすると、車両モデルは次の式(5)によって記述される。
Figure 0006384296
また、車両前方x[m]の地点における走行車線に対する自車両の横変位Y(x)は車両の状態量を示すヨー角φと横変位yと道路形状を示す曲率ρを用いて式(6)によって記述される。
Figure 0006384296
ここで、ステップS80の処理で、目標ヨーレートγrを算出する式を示す。
Figure 0006384296
この式で得られる目標ヨーレートγrに車両を追従させる制御を行うと、式(5)の車両モデルは、次式となる。
Figure 0006384296
したがって、車両運動は次のような伝達関数で表すことができる。
Figure 0006384296
一方、前方注視点横変位から目標ヨーレートを求める従来の手法では、単一のフィードバック係数を用いているので、K1=K2となり、式(7)の目標ヨーレートγrは式(10)となる。
Figure 0006384296
このような車両制御を行う場合、制御系の運動は次の式(11)のようになる。
Figure 0006384296
ここで、カーブを旋回中であっても、車両の走行ラインは車線からオフセットして走ることはできないので、式(11)において、現在点における横変位yは走行車線の曲率ρに関する項が定常的にゼロである必要がある。そこで、従来の手法では、次の式(12)がフィードバック係数を決定するための必要条件となっていた。
Figure 0006384296
ここで、本実施形態に係る操舵制御においても、式(9)の伝達関数でカーブを旋回中に車両の走行ラインが車線からずれないための条件は、式(12)と同様になる。したがって、本実施形態の操舵制御における第1フィードバックゲインK1は式(12)となる。また、これにより、式(9)から車両運動は式(13)となる。
Figure 0006384296
この式(13)から得られる制御系の時定数τと、安定性の指標である減衰係数ζは式(14)のようになる。
Figure 0006384296
したがって、車線追従制御系の望ましい周波数特性とするために、車両挙動の安定性及びオーバーシュートの指標である減衰係数ζを設定し、式(12)の第1フィードバックゲインK1を用いて第2フィードバックゲインK2を以下のように算出することができる。
Figure 0006384296
[第1実施形態の効果]
次に、本実施形態に係る操舵制御装置1による効果を従来と比較して説明する。
目標ヨーレートを求める従来の手法では、単一のフィードバック係数を用いているので、K1=K2となり、第1フィードバックゲインK1は上述したように次式となる。
Figure 0006384296
このとき、式(11)に示す制御系の運動は、式(17)となる。
Figure 0006384296
ただし、ω1は次式で表される。
Figure 0006384296
ここで、制御系の時定数τと、安定性の指標である減衰係数ζは次の式(19)のように表すことができる。
Figure 0006384296
走行車線に追従走行させるときの応答性を上げるためには時定数τを小さい値に設定し、応答性を下げてゆっくりとした車両挙動にする場合には時定数τを大きい値に設定すればよい。そこで、前方注視点距離x1を、時定数τを用いて次の式(20)から求めることができる。
Figure 0006384296
あるいは、時定数τを一定値として、式(20)で車速に比例した前方注視点距離x1を求め、式(16)により第1フィードバックゲインK1を求めることもできる。
しかしながら、従来の手法では、前方注視点距離x1をどのように選んでも減衰係数ζは式(19)に示すように√2/2という一つの値しかとることができない。これにより、従来の手法では、図5(a)に示すように、車両は、漸近するべき目標軌道61に対して必ず一旦行き過ぎてから戻って収束していくという性質、すなわちオーバーシュートする性質を解消することは困難であった。図5(a)に示す軌道でも、領域63の部分でオーバーシュートしている。
このように、従来の手法では、運転者の介入等によって車両が走行車線から大きくずれた後に目標走行ラインに復帰する場合や、レーンチェンジや障害物を検出して回避するような場合には、応答性を良くすると、オーバーシュート量が大きくなっていた。または、応答性を良くすることにより、目標走行ラインとの交差角度が大きくなっていた。これは、目標走行ラインに交差する瞬間の車両の進行方向が走行車線から逸脱する方向になってしまうので、車両が逸脱するという不安を運転者に与えることになり、望ましい車両挙動とは言えなかった。
さらに、車両がカーブを走行する場合に、図6(a)に示すようなオーバーシュートを解消しようとして応答性を低下させると、図6(b)に示すように定常偏差が残ってしまう。すなわち、目標走行ライン71に対して車両の走行ラインがずれてしまうことになる。したがって、オーバーシュートの解消と定常偏差の解消はトレードオフの関係となっていた。
これに対して、本実施形態に係る操舵制御装置1では、第1フィードバックゲインK1は式(16)となり、第2フィードバックゲインK2は次式となる。
Figure 0006384296
また、制御系の時定数τと、安定性の指標である減衰係数ζは次のようになる。
Figure 0006384296
このとき、制御系の応答の速さを示す時定数τは、式(16)、(21)、(22)から式(23)となる。
Figure 0006384296
これにより、前方注視点距離x1を従来の手法と同じ値にすれば、時定数τは2ζ分だけ従来より長くなるが、図5(b)及び図6(c)に示すように曲率成分による車両の走行ラインの定常偏差をゼロにすることができる。また、時定数τを小さくして応答速度を高くしたいときには、前方注視点距離x1を小さい値に設定すれば、定常偏差や減衰係数とは独立して応答速度を高くすることが可能となる。
このように、走行車線への応答性を上げるためには前方注視点距離x1を小さい値に設定すればよく、応答性を下げてゆっくりとした車両挙動にする場合には前方注視点距離x1を大きい値に設定すればよい。そして、目標走行ライン付近でのオーバーシュートを小さくするためには減衰係数ζを少なくとも√2/2より大きい値として、以下のように設定する。
Figure 0006384296
すなわち、第1フィードバックゲインK1の値を第2フィードバックゲインK2の値より大きな値に設定する。これにより、図5(b)及び図6(c)に示すように、応答速度を低下させずにオーバーシュートを減らすことができるので、良好な応答性と目標走行ライン付近での安定性を満足させることができる。
さらに、減衰係数ζをζ>1、すなわち
Figure 0006384296
とした場合、目標位置に収束する際のオーバーシュートをゼロにする非常に安定性のよい走行制御系にすることができる。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る車両の操舵制御装置1では、自車両を走行車線に沿って追従走行させるための第1フィードバックゲインK1と、現在点における自車両の横変位を補正するための第2フィードバックゲインK2とを算出する。そして、これらを用いて目標ヨーレートγrを算出する。これにより、自車両を走行車線へ追従制御させる際の応答性と車両制御の安定性とをそれぞれ独立に制御できるので、さまざまな走行シーンや車両位置及び姿勢を乱す外乱に対しても応答性と安定性を両立させることができる。
また、本実施形態に係る車両の操舵制御装置1では、前方注視点横変位と現在点横変位との差に第1フィードバックゲインを乗じた値と、現在点横変位に第2フィードバックゲインを乗じた値との和から目標ヨーレートを算出する。これにより、自車両を走行車線へ追従制御させる際の応答性と車両制御の安定性とを具体的に両立させることができる。
さらに、本実施形態に係る車両の操舵制御装置1によれば、第1フィードバックゲインを第2フィードバックゲインより大きくするので、良好な応答性と安定性を両立させることができる。
また、本実施形態に係る車両の操舵制御装置1によれば、第1フィードバックゲインが自車両の速度に比例し、前方注視点距離の二乗に反比例するので、走行路がカーブであってもカーブの曲率の大小によらずに、自車両はオフセットせずに走行することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る車両の操舵制御装置について図面を参照して説明する。尚、本実施形態に係る操舵制御装置及び操舵制御装置を搭載した車両の構成は、第1実施形態と同一なので、詳細な説明は省略する。
[安定性パラメータの修正処理]
第1実施形態では図3のステップS30において安定性パラメータを設定していたが、本実施形態では、さらに設定された安定性パラメータを運転者による操舵介入の有無に応じて修正する。
図7は、図3に示した操舵制御処理のステップS30で実行される安定性パラメータの修正処理を説明するフローチャートである。この処理は、例えば、10msec毎のタイマー割込処理によって実行される。
ステップS301において、安定性パラメータ設定部37は、現在点横変位検出部45で検出された現在点横変位Y(0)と、操舵角センサ13で検出された操舵角θと、操舵トルクセンサ14で検出された操舵トルクTとを読み込む。
ステップS302において、安定性パラメータ設定部37は、操舵介入フラグの値を確認することで、現時点において運転者が操舵介入中であるか否かを判断する。具体的に、操舵介入フラグが0である場合には、運転者が操舵介入中ではないと判断してステップS307に進む。
この場合、ステップS307において、安定性パラメータ設定部37は、操舵トルクTの絶対値が所定値T2よりも大きいか否かを判定する。所定値T2は、運転者が操舵介入しているか否かを判定するための閾値であり、運転者が実際に操舵介入したときの操舵トルクを測定して最適な値に予め設定されている。そして、操舵トルクTの絶対値が所定値T2より大きい場合には運転者が操舵介入していると判定してステップS308に進み、操舵介入フラグを1に更新して安定性パラメータの修正処理を終了する。また、操舵トルクTの絶対値が所定値T2以下の場合には運転者が操舵介入していないと判定して、操舵介入フラグを更新せずに安定性パラメータの修正処理を終了する。これらの場合には、安定性パラメータの修正は行われずに、図3のステップS30の処理で設定された安定性パラメータの値を用いることになる。
一方、ステップS302において、操舵介入フラグが1である場合には、運転者が操舵介入中であると判定してステップS303に進む。
ステップS303において、安定性パラメータ設定部37は、安定性パラメータζを増大させる。すなわち、現在の安定性パラメータの値よりも大きな値に修正する。図7では、特に通常は√2/2近辺に設定されている安定性パラメータの値を1に増大させる場合について例示する。このように安定性パラメータを増大させることにより、運転者による操舵介入後の自車両を目標走行ラインに復帰させる際に、自車両のオーバーシュートを抑制することができ、滑らかに自車両を目標走行ラインに復帰させることができる。特に、安定性パラメータを1に修正した場合には、自車両のオーバーシュートをなくすことができる。
ステップS304において、安定性パラメータ設定部37は、操舵トルクTの絶対値が所定値T1より小さいか否かを判定する。所定値T1は、運転者が操舵介入を終了させたか否かを判定するための閾値であり、運転者による操舵介入の有無を判定した所定値T2よりも小さい値に設定されている。そして、操舵トルクTの絶対値が所定値T1以上である場合には、運転者がまだ操舵介入中であると判定して、修正した安定性パラメータを維持して操舵介入フラグを更新せずに安定性パラメータの修正処理を終了する。一方、操舵トルクTの絶対値が所定値T1より小さい場合には、ステップS305に進む。
ステップS305において、安定性パラメータ設定部37は、現在点横変位Y(0)の絶対値が所定値Y1より小さいか否かを判定する。所定値Y1は、現在の自車両の位置が目標走行ラインから大きくずれているか否かを判定するための閾値であり、通常の操舵制御で生じる自車両の位置のずれよりも大きい値に設定されている。そして、現在点横変位Y(0)の絶対値が所定値Y1以上である場合には、自車両が目標走行ラインから大きくずれていると判定して、修正した安定性パラメータを維持して操舵介入フラグを1のまま更新せずに安定性パラメータの修正処理を終了する。一方、現在点横変位Y(0)の絶対値が所定値Y1より小さい場合には、ステップS306に進む。
ステップS306において、安定性パラメータ設定部37は、運転者による操舵介入が終了し、自車両が目標走行ラインから大きくずれていないと判定して操舵介入フラグを0に更新して安定性パラメータの修正処理を終了する。
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る車両の操舵制御装置1では、操舵トルクが所定値より大きい場合には、運転者による操舵介入が行われたと判定して安定性パラメータを増大させる。これにより、運転者による操舵介入後の自車両を目標走行ラインに復帰させる際に、自車両のオーバーシュートを抑制することができ、滑らかに自車両を目標走行ラインに復帰させることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る車両の操舵制御装置について図面を参照して説明する。尚、本実施形態に係る操舵制御装置及び操舵制御装置を搭載した車両の構成は、第1実施形態と同一なので、詳細な説明は省略する。
[前方注視点距離の設定処理]
図8は、図3に示した操舵制御処理のステップS20における前方注視点距離の設定処理を説明するための図である。第1実施形態では、自車両の車速Vや走行車線の形状に応じて前方注視点距離x1を設定する場合について説明したが、本実施形態では自車両が走行する道路の道路幅または車線幅に応じて前方注視点距離x1を設定する。
図8に示すように、本実施形態に係る前方注視点距離設定部35は、自車両が走行中の道路の道路幅(または車線幅)Wに応じて前方注視点距離x1を設定する。具体的に、道路幅Wの値が大きくなるのに応じて前方注視点距離x1の値が大きくなるように、すなわち遠くになるように設定し、道路幅Wの値が小さくなるのに応じて前方注視点距離x1の値が小さくなるように、すなわち近くなるように設定する。そして、道路幅Wが所定値Wmaxより大きい場合には前方注視点距離x1をxmaxの一定値に設定し、道路幅Wが所定値Wminより小さい場合には前方注視点距離x1をxminの一定値に設定する。尚、所定値Wmaxについては一般的に広いと考えられる道路の道路幅に設定しておけばよく、所定値Wminについては通常の車両の車幅程度に設定しておけばよい。
このように、道路幅が狭くなるのに応じて前方注視点距離x1を小さくすることにより、道路幅の狭いシーンでは第1及び第2フィードバックゲインの値が大きくなり、自車両の横位置のずれ量が少ない応答性の高い操舵制御を実現することができる。また、このとき同時に安定性パラメータを任意に調整できるため、目標走行ライン付近で細かく行き来する振動成分を小さくして安定した乗り心地を実現することもできる。
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る車両の操舵制御装置では、自車両が走行する道路の道路幅または車線幅に応じて前方注視点距離x1を設定する。これにより、道路幅が狭くて車線をはみ出すリスクの高い道路では操舵制御の応答性を高めて車線への追従性を上げ、道路幅が広くて自車両の横位置の自由度が大きい道路では操舵制御の応答性を下げてゆったりとした滑らかな操舵制御を実現することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る車両の操舵制御装置について図面を参照して説明する。尚、本実施形態に係る操舵制御装置及び操舵制御装置を搭載した車両の構成は、第1実施形態と同一なので、詳細な説明は省略する。
図9は、第2フィードバックゲインを補正する処理を説明するための図である。第1実施形態では図3のステップS50において第2フィードバックゲインを算出していたが、本実施形態では、第2フィードバックゲインを自車両の現在点横変位Y(0)に応じて補正する。
図9(a)に示すように、本実施形態に係る安定性パラメータ設定部37は、現在点横変位Y(0)に応じて安定性パラメータを補正する。具体的に、現在点横変位Y(0)が0.8[m]未満の範囲では、自車両が目標走行ラインに近い位置を走行していると判断して安定性パラメータζを√2/2に設定する。そして、現在点横変位Y(0)が0.8[m]以上の範囲になると、自車両が目標走行ラインから外れたと判断して安定性パラメータζを1に補正する。
一方、大きくなった現在点横変位Y(0)が低下する場合には、現在点横変位Y(0)が0.4[m]以下の範囲になると、自車両が目標走行ラインに十分近い位置に戻ったと判断して安定性パラメータζを再び√2/2に補正する。このように、現在点横変位Y(0)が増大するときには0.8[m]で安定性パラメータζを切り替え、現在点横変位Y(0)が低下するときには0.4[m]で切り替えている。これにより、安定性パラメータζが頻繁に切り替えられて不安定になることを防止できる。尚、0.8[m]は、自車両が目標走行ラインから外れたか否かを判断するために設定された閾値であり、通常の車両の車幅の半分程度の値として設定されたものである。したがって、自車両が目標走行ラインから外れたか否かを判断できれば、その他の値であってもよい。また、0.4[m]は、自車両が目標走行ラインに十分近づいたか否かを判断するために設定された閾値であり、自車両が目標走行ライン近づいたことを判断できれば、その他の値であってもよい。
こうして現在点横変位Y(0)に応じて安定性パラメータζが補正されると、それに伴って第2フィードバックゲイン算出部41は、図9(b)に示すように第2フィードバックゲインK2を補正する。図9(a)、(b)に示すように、安定性パラメータζが1に補正された場合には、第2フィードバックゲインK2の値は第1フィードバックゲインK1の1/2の値に補正される。また、安定性パラメータζが√2/2に補正された場合には、第2フィードバックゲインK2の値は第1フィードバックゲインK1と等しい値に補正される。
したがって、本実施形態に係る第2フィードバックゲイン算出部41は、現在点横変位Y(0)が所定値以上となった場合には、自車両が目標走行ラインから外れたと判断して第2フィードバックゲインK2の値を低下させている。尚、本実施形態では安定性パラメータζを補正することによって第2フィードバックゲインK2を補正していたが、図9(b)に基づいて現在点横変位Y(0)の変化に応じて、直接第2フィードバックゲインK2を補正してもよい。
また、現在点横変位Y(0)が所定値以上となった場合に第2フィードバックゲインK2の値を低下させるために、別の方法を用いてもよい。
例えば、図10(a)に示すように、図3のステップS80で算出される目標ヨーレートγrの第2項であるK2Y(0)の値を、現在点横変位Y(0)が所定値Yx以上となる範囲で一定値になるようにしてもよい。
このとき、安定性パラメータζは、図10(b)に示すように現在点横変位Y(0)がYxより小さい範囲では√2/2のまま一定となり、現在点横変位Y(0)がYxより大きい範囲では徐々に大きい値となる。そして、現在点横変位Y(0)が2×Yxになると、安定性パラメータζは1になる。このとき、第2フィードバックゲインK2は、図10(b)に示すように現在点横変位Y(0)が所定値Yxより小さい範囲では第1フィードバックゲインK1と等しい値となり、現在点横変位Y(0)が所定値Yx以上の範囲では徐々に小さい値になる。そして、現在点横変位Y(0)が2×Yxになったところで、第2フィードバックゲインK2は第1フィードバックゲインK1の1/2の値になる。したがって、現在点横変位Y(0)が所定値以上となった場合に第2フィードバックゲインK2の値を低下させている。
[第4実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る車両の操舵制御装置では、現在点横変位Y(0)が所定値以上になった場合に第2フィードバックゲインK2を低下させる。これにより、例えば運転者の操舵介入によって自車両が目標走行ラインからずれてしまった場合でも、自車両を目標走行ラインへ復帰させる制御が過大となって急激な車両挙動が発生することを抑制できる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る車両の操舵制御装置について図面を参照して説明する。尚、本実施形態に係る操舵制御装置及び操舵制御装置を搭載した車両の構成は、第1実施形態と同一なので、詳細な説明は省略する。
[第2フィードバックゲインの算出処理]
第1実施形態では図3のステップS50において第2フィードバックゲインを算出していたが、本実施形態では、操舵制御を開始した直後では、算出した第2フィードバックゲインを補正するようにしている。
図11は、図3に示した操舵制御処理のステップS50で実行される第2フィードバックゲインの算出処理を説明するフローチャートである。この処理は、例えば、10msec毎のタイマー割込処理によって実行される。
ステップS501において、第2フィードバックゲイン算出部41は、操舵制御フラグと図3のステップS30で設定された安定性パラメータζを読み込む。操舵制御フラグは、操舵制御が開始されると1に設定され、操舵制御中は1に維持される。そして、操舵制御が終了すると0に設定される。
ステップS502において、第2フィードバックゲイン算出部41は、第1フィードバックゲインK1と安定性パラメータζから、第1実施形態と同様にして第2フィードバックゲインK2を算出する。
ステップS503において、第2フィードバックゲイン算出部41は、操舵制御フラグの値に応じて操舵制御中であるか否かを判定し、操舵制御フラグが1で操舵制御中である場合にはステップS504へ進む。一方、操舵制御フラグが0で操舵制御中でない場合には、ステップS505へ進む。
ステップS504において、第2フィードバックゲイン算出部41は、タイマーを積算して現在のタイマーの値を算出する。一方、ステップS505では、第2フィードバックゲイン算出部41は、タイマーをゼロにクリアする。
ステップS506において、第2フィードバックゲイン算出部41は、積算されたタイマーの値に応じて補正ゲインGを算出する。補正ゲインGは、例えば図12に示す補正ゲイン算出マップを用いて算出すればよい。
図12に示すように、補正ゲインGは、タイマーの値が0から所定値Tm0の間では1より小さい値のGminとなり、タイマーの値が所定値Tm0から所定値Tm1の間ではGminから徐々に大きな値となって所定値Tm1で1となる。そして、タイマーの値が所定値Tm1以降では、補正ゲインGは1となる。尚、補正ゲイン算出マップは、タイマーの値が増加するのに伴って単調に増加するように設定されていればよく、図12に示すように直線的に増加するように設定してもよいし、滑らかな曲線的に増加するように設定してもよい。
ステップS507において、第2フィードバックゲイン算出部41は、ステップS502で算出した第2フィードバックゲインK2の値に補正ゲインGを乗算して第2フィードバックゲインK2を補正する。これにより、操舵制御が開始された直後のタイマーの値が0から所定値Tm0の間では、1以下の値となる補正ゲインGminを乗算するので、第2フィードバックゲインK2の値は補正によって低下する。その後、タイマーの値が所定値Tm0から所定値Tm1の間では、補正ゲインGの値が徐々に大きくなるので、第2フィードバックゲインK2の値も徐々に大きくなる。そして、タイマーの値が所定値Tm1になると、補正ゲインGの値が1になるので、第2フィードバックゲインK2の値は補正されていない値となる。こうして、本実施形態に係る第2フィードバックゲインの算出処理は終了する。
[第5実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る操舵制御装置では、自車両の操舵制御を開始した後の所定時間内は第2フィードバックゲインを低下させる。これにより、操舵制御の開始直後または復帰直後において目標走行ラインからの偏差が十分に収束していない場合であっても、急に大きな目標ヨーレートが発生することを防止できる。したがって、目標走行ラインへ収束させる操舵制御を運転者の感覚に合った滑らかなものにすることができる。
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
1 操舵制御装置
3 コントロールユニット
5 車速センサ
7 カメラコントローラ
9 ヨーレートセンサ
11 フロントカメラ
13 舵角センサ
14 操舵トルクセンサ
15 ラック
17 ピニオン
19 ステアリングホイール
21 ステアリングシャフト
23 操舵アクチュエータ
31 走行車線情報検出部
33 走行状態検出部
35 前方注視点距離設定部
37 安定性パラメータ設定部
39 第1フィードバックゲイン算出部
41 第2フィードバックゲイン算出部
43 前方注視点横変位算出部
45 現在点横変位検出部
47 目標ヨーレート算出部
49 操舵角算出部
100 車両
FL、FR 前輪
RL、RR 後輪

Claims (9)

  1. 自車両の走行車線を検出し、検出した走行車線に沿って自車両を追従走行させる車両の操舵制御装置であって、
    自車両の走行車線情報を検出する走行車線情報検出部と、
    自車両の走行状態を検出する走行状態検出部と、
    前記走行車線情報検出部で検出された走行車線情報と前記走行状態検出部で検出された自車両の走行状態とに応じて、自車両から前方注視点までの前方注視点距離を設定する前方注視点距離設定部と、
    自車両の操舵制御における車両挙動の安定性を調整するための安定性パラメータを設定する安定性パラメータ設定部と、
    前記前方注視点距離設定部で設定された前方注視点距離と前記走行状態検出部で検出された自車両の走行状態とに基づいて、自車両を走行車線に沿って追従走行させるための第1フィードバックゲインを算出する第1フィードバックゲイン算出部と、
    前記第1フィードバックゲイン算出部で算出された第1フィードバックゲインと前記安定性パラメータとに基づいて、現在点における自車両の横変位を補正するための第2フィードバックゲインを算出する第2フィードバックゲイン算出部と、
    前記走行車線情報に基づいて、前記前方注視点における自車両の横変位である前方注視点横変位を算出する前方注視点横変位算出部と、
    前記走行車線情報から現在点における自車両の横変位である現在点横変位を検出する現在点横変位検出部と、
    前記第1フィードバックゲインと前記第2フィードバックゲインと前記前方注視点横変位と前記現在点横変位とを用いて目標ヨーレートを算出する目標ヨーレート算出部と、
    前記目標ヨーレート算出部で算出された目標ヨーレートに応じて自車両の操舵角を算出する操舵角算出部と
    を備えたことを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 前記目標ヨーレート算出部は、前記前方注視点横変位と前記現在点横変位との差に前記第1フィードバックゲインを乗じた値と、前記現在点横変位に前記第2フィードバックゲインを乗じた値との和から前記目標ヨーレートを算出することを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
  3. 前記第1フィードバックゲインは前記第2フィードバックゲインより大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の操舵制御装置。
  4. 前記第1フィードバックゲインは、前記走行状態検出部によって自車両の走行状態として検出された自車両の速度に比例し、前記前方注視点距離の二乗に反比例することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の操舵制御装置。
  5. 前記走行状態検出部は自車両の走行状態として自車両の操舵トルクを検出し、
    前記安定性パラメータ設定部は、前記走行状態検出部によって検出された自車両の操舵トルクが所定値より大きい場合には、運転者による操舵介入が行われたと判定して前記安定性パラメータを増大させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の操舵制御装置。
  6. 前記前方注視点距離設定部は、前記走行車線情報検出部によって検出された自車両が走行する道路の道路幅または車線幅に応じて前記前方注視点距離を設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の操舵制御装置。
  7. 前記第2フィードバックゲイン算出部は、前記現在点横変位検出部によって検出された現在点横変位が所定値以上の場合には、前記第2フィードバックゲインを低下させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の操舵制御装置。
  8. 前記第2フィードバックゲイン算出部は、自車両の操舵制御が開始された後の所定時間内では前記第2フィードバックゲインを低下させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両の操舵制御装置。
  9. 自車両の走行車線を検出し、検出した走行車線に沿って自車両を追従走行させる操舵制御装置による車両の操舵制御方法であって、
    前記操舵制御装置は、
    自車両の走行車線情報と自車両の走行状態とを検出し、
    検出された前記走行車線情報と前記自車両の走行状態とに応じて自車両から前方注視点までの前方注視点距離を設定し、
    自車両の操舵制御における車両挙動の安定性を調整するための安定性パラメータを設定し、
    設定された前記前方注視点距離と前記自車両の走行状態とに基づいて、自車両を走行車線に沿って追従走行させるための第1フィードバックゲインを算出し、
    算出された前記第1フィードバックゲインと前記安定性パラメータとに基づいて、現在点における自車両の横変位を補正するための第2フィードバックゲインを算出し、
    前記走行車線情報に基づいて前記前方注視点における自車両の横変位である前方注視点横変位を算出し、
    前記走行車線情報から現在点における自車両の横変位である現在点横変位を検出し、
    前記第1フィードバックゲインと前記第2フィードバックゲインと前記前方注視点横変位と前記現在点横変位とを用いて目標ヨーレートを算出し、
    算出された前記目標ヨーレートに応じて自車両の操舵角を算出する
    ことを特徴とする車両の操舵制御方法。
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