JP6383966B2 - 吸着フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能な、基材フィ
ルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムに関するもので、その用途
は、各種電子・電気機器の表示装置として使用されるフラットパネルディスプレイの保護
フィルム、ウインドウ用保護フィルム、その他産業上広い分野で使用されるシール材、ク
ッション材等である。
平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能な、基材フィルム上にシ
リコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムは、それ自体のみならず、前記吸着フ
ィルムに、耐スクラッチ性、紫外線遮断性、電磁波遮断性、導電性、消臭性、脱臭性、抗
菌性、親水性、防曇性、撥水性、熱伝導性、インク受容性等の機能を更に付与することに
より産業上広い分野で使用される。
情報産業やエレクトロニクス技術の進展に伴い、テレビやパソコンだけではなく、コピー
機、ファクシミリ、時計、電話等にも、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズ
マディスプレイ等の表示装置が広く使用されるようになった。
これらの表示装置における表示画面には、その表面を衝撃による破損や擦傷から保護する
為の保護フィルムや、反射防止、帯電防止、防汚、防眩等の機能を付与する為の機能性フ
ィルムを貼付することが行われる。このような各種のフィルムには、アクリル系粘着剤な
どの粘着剤からなる粘着剤層が形成されるが、通常に使用される粘着剤からなる粘着剤層
は、剥がした時に粘着剤層の表面に被着体の形状が残って平坦な状態に復元しないか又は
復元に時間を要するため、再度貼付した時に十分な保持力を発揮することが難しい。
これに対し、透明基材フィルムの表面にシリコーンゴム層を設けてなるシリコーンゴム粘
着シートは、シリコーンゴム層が優れたクッション性を有しているため、保護シートとし
て、単独で又は各種の機能フィルムと組み合わせて使用される。このシリコーンゴム粘着
シートのシリコーンゴム層は、通常、ポリシロキサン、触媒、架橋剤の他に、基材フィル
ムとの間の密着性を向上させるために、接着改良剤等の添加剤が配合されたシリコーンゴ
ムによって形成されている。(特許文献1)。
しかし、そのような添加剤を配合することで、密着性が上昇するため、実用的には、シリ
コーンゴム層に高価な弗素系の剥離処理をしたセパレータを使用する必要があった。また
貼り付け時に、遊離のシリコーン成分が被着体に移行し、被着体を汚染してしまう場合が
あった。
これに対し、皮膜背面へのシリコーン成分移行の少ない硬化皮膜を形成する溶剤型剥離性
硬化皮膜形成用シリコーン組成物からなる剥離フィルムもしくはシートが提案されている
。前記シリコーン組成物は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノ
ポリシロキサン、1分子中に少なくとも3個の分子鎖側鎖に結合したケイ素原子結合水素
原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端にケイ素結合水素原
子を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金系触媒および有機溶剤、
さらに光重合開始剤を含むものである。(特許文献2)。
従来技術においては、平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能な
、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなるシリコーンゴム層を設けたシリコーンゴム粘
着フィルムを、ガラス等の被着体に貼り付けた時に、前記被着体へのシリコーン成分移行
を少なくすることはある程度可能ではあった。しかしながら、被着体としてガラス板に長
時間貼り付けた場合には、経時的にシリコーンゴム内の未反応のシリコーン成分由来のSiH基がガラス表面のSiOH基と反応してシリコーンゴム層がガラス面に強固に固着し
て、シリコーンゴム層がガラス面に残ってしまうという、いわゆるシリコーン固着現象の
発生という問題が発生することが判明した。今までに上記のような課題を提起し、前記課
題に対して有効な解決策を提示するものはみられなかった。
特開2000−56694号公報 特開2009−114285号公報
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、貼着時には表示画面等
の被着体に対して十分な粘着性及び再剥離性を有していて、繰り返し貼付することができ
、且つ、被着体として表示装置のガラス基板に長時間貼り付けた場合であっても、吸着層
内の未反応のシリコーン成分がガラス表面に移行せず、かつ経時的に吸着層がガラス面に
固着することなく再剥離ができる吸着フィルムを提供することを目的としている。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の官能基を有する付
加型オルガノポリシロキサンを含むシリコーンとオルガノハイドロジェンシロキサン−ジ
オルガノシロキサンコポリマーからなるシリコーン組成物を基材フィルムに所定量塗布し
てなるシリコーン樹脂からなる吸着層を形成することにより、その目的を達成し得ること
を見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
第1発明は、基材フィルムの少なくとも一方の面に、シリコーン樹脂を主成分とする吸着層を積層してなる吸着フィルムにおいて、前記吸着層が、1分子中に少なくとも2個以上のヘキセニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーとを含有するシリコーン組成物を白金触媒の存在下で、付加反応により硬化してなるシリコーン樹脂で形成して得られるものであることを特徴とし、前記ヘキセニル基を有するジオルガノポリシロキサンのヘキセニル基のモル数(A)と、前記オルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーのSiH基のモル数(B)とのモル比率(A)/(B)が0.4〜1.0の範囲で、かつ前記吸着層の膜厚が5〜100μmである、表示装置のガラス基板に貼り付けて使用することを特徴とするガラス基板用吸着フィルムである。(ただし、前記吸着層は有機チタン化合物を含有しない。)
第2発明は、前記基材フィルムと前記吸着層との間に、アクリルポリオール樹脂を主成分としてなるアンカー層が設けられていることを特徴とする第1発明に記載のガラス基板用吸着フィルムである。
第3発明は、前記ヘキセニル基を有するジオルガノポリシロキサンのヘキセニル基のモル数(A)と、前記オルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーのSiH基のモル数(B)とのモル比率(A)/(B)が0.7〜1.0の範囲で、かつ前記吸着層の膜厚が5〜20μmであることを特徴とする第2発明に記載のガラス基板用吸着フィルムである。
本発明の吸着フィルムにおいては、前記吸着層が、1分子中に少なくとも2個以上のヘキ
セニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンシロキサン−ジ
オルガノシロキサンコポリマーとを含有するシリコーン組成物を付加反応により硬化して
なるシリコーン樹脂で形成しているため、前記吸着層内において、遊離のシリコーン成分
、未反応のオルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマー由来の
SiH基が殆んど残存せず、被着体として表示装置のガラス基板に長時間貼り付けた場合
であっても、前記吸着層内の未反応のシリコーン成分がガラス表面に移行せず、経時的に
前記吸着層がガラス面に固着することなく再剥離ができる吸着フィルムを得ることができ
る。
以下に本発明の吸着フィルムを、その構成要素に基づいて、さらに詳しく説明する。
(基材フィルム)
本発明で使用する基材フィルムは、各種のプラスチックからなるフィルムであれば、特に
限定されない。例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、
トリアセチルセルロース、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニト
リル等よりなるフィルムが例示されるが、これらに限定されるものではない。シリコーン
ゴムの熱架橋時の取り扱い性、コストの面からポリエステルフィルムやポリカーボネート
フィルムが好ましい。透明性の点では、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフ
タレートが好ましい。基材の厚みは、用途に応じて適宜選択すればよいが、通常5〜400μm、特に20〜250μmの範囲であるのが好ましい。
基材フィルムは、その表面をコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、火炎処理
したり、必要に応じてアンカー層等を設けてもよい。アンカー層等を積層する方法として
は、製膜時に積層するいわゆるインライン法、または製膜したフィルムに積層するいわゆ
るオフライン法のいずれでもよい。
(シリコーン樹脂)
本発明の吸着層に用いるシリコーン樹脂の性状としては、透明性が高く、ゴムのような柔
軟性を持っていて被着体の表面に対しても、吸着層の面が被着体表面に沿うことが求めら
れる。さらに剥離の際には、小さい剥離力で、容易に剥離できることが求められる。また
、少なくとも厚み5μm以上で、目付け加工の方法を用いることなく、塗布及び加熱処理
だけで架橋吸着層を設けるためには、シリコーン組成物の硬化反応に際して、150℃以
下の低温短時間で深部まで架橋する必要がある。そのためには、白金触媒等のもと、透明
で耐熱性、圧縮永久歪み特性に優れかつ低粘度で液状タイプである、ヘキセニル基を有す
るジオルガノポリシロキサンと、架橋剤としてSiH基を有するオルガノハイドロジェン
シロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーとのヒドロキシル反応により熱架橋する付
加型液状シリコーン樹脂の使用が好ましい。
このような性状のシリコーン組成物として、分子鎖両末端にのみヘキセニル基を有する直
鎖状ジオルガノポリシロキサンと、分子鎖両末端及び側鎖にヘキセニル基を有する直鎖状
ジオルガノポリシロキサンと、分子鎖末端にのみヘキセニル基を有する分岐状ジオルガノ
ポリシロキサンと、分子鎖末端及び側鎖にヘキセニル基を有する分岐状ジオルガノポリシ
ロキサンとから選ばれる少なくとも1種を架橋させてなるものを用いると良い。
これらのヘキセニル基を有するジオルガノポリシロキサンの1形態としては、分子鎖両末
端にのみヘキセニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンとは下記一般式(化1)で
表せられる化合物である。
Figure 0006383966

(式中Rは下記の有機基、nは整数を表す。)
分子鎖両末端および側鎖にヘキセニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなる
シリコーンは、上記一般式(化1)中のRの一部がヘキセニル基である化合物である。末
端にのみヘキセニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンは、下
記一般式(化2)で表せられる化合物である。分子鎖末端及び側鎖にヘキセニル基を有す
る分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンは、下記一般式(化2)中のRの一
部がヘキセニル基である化合物である。
Figure 0006383966
(式中Rは下記の有機基、mは整数を表す。)
このヘキセニル基以外のケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、
具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、又はこれらの基の炭
素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した同
種または、異種の非置換または置換の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で、好ましく
はその少なくとも50モル%がメチル基であるものなどが挙げられるが、このジオルガノ
ポリシロキサンは単独でも2種以上の混合物であってもよい。
ヘキセニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、オルガノハイドロジェンシロキサン−ジ
オルガノシロキサンコポリマー成分中のSiH基と付加反応をして、ポリマー網目構造を
形成する。ポリオルガノシロキサン中のヘキセニル基の量は、1分子中に少なくとも2個
であり、且つ、ジオルガノポリシロキサン100g中のモル数が、好ましくは、0.002〜0.05、より好ましくは0.002〜0.04である。ヘキセニル基の量が1分子
中に2つ未満であると、ポリシロキサンの網目構造が形成されない。また、ジオルガノポ
リシロキサン中でのヘキセニル基のモル数が0.002未満では、シリコーン固着を生じ
易くなり、0.05を超えると密着性が不充分となる。
ここで架橋反応に用いる架橋剤としては、オルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガ
ノシロキサンコポリマーが挙げられる。前記コポリマーは、1分子中にケイ素原子に結合
した水素原子を少なくとも3個有するものが好ましく用いられ、実用上からは分子中に2
個の≡SiH結合を有するものをその全量の50重量%までとし、残余を分子中に少なく
とも3個の≡SiH結合を含むものとすることがよい。
架橋剤の使用量としては、ヘキセニル基含有ジオルガノポリシロキサン成分中のヘキセニ
ル基モル数(A)とオルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマ
ー成分中のSiH基のモル数(B)との比、即ち、(A)/(B)が0.4〜1.5、よ
り好ましくは0.5〜1.0の範囲である。前記(A)/(B)が0.4未満の量では架
橋が不十分となり、これに伴い、粘着力の上昇、保持力の低下、又はシリコーン固着の増
加をきたす場合がある。一方、前記(A)/(B)が1.5を超えると架橋密度が高くな
り十分な粘着力及びタックが得られないことがある。また、前記上限値を超えると、組成
物の使用可能時間が短くなる場合がある。
架橋反応に用いる白金系触媒は公知のものでよく、これには塩化第一白金酸、塩化第二白
金酸などの塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物あるいは塩化
白金酸と各種オレフィンとの鎖塩などがあげられる。架橋反応した吸着層は、シリコーン
ゴムのような柔軟性を持ったものとなり、この柔軟性が被着体との密着を容易にさせるも
のである。
本発明に係るシリコーンの市販品の形状は、無溶剤型、溶剤型、エマルション型があるが
、いずれの型も使用できる。なかでも、無溶剤型は、溶剤を使用しないため、安全性、衛
生性、大気汚染の面で非常に利点がある。但し、無溶剤型であっても、所望の膜厚を得る
ために粘度調節として、必要に応じてトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチル
などのエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル系
溶剤、またはこれらの混合溶剤などが使用される。
前述のごとく、吸着層の性状としては、ゴムのような柔軟性を持っていて被着体への貼着
時に被着体の表面の凹凸に追従して密着力を確保することが求められる。
そして、例えば前記表示画面の保護フィルムやウインドウ用保護フィルムとして粘着フィ
ルムを使用する場合、吸着層の膜厚は、被着体に対する吸着層の密着面方向の剪断力を確
保するために少なくとも5μm以上、通常は5〜200μmが必要となる。より好ましく
は、5〜100μmであることが好ましい。またシール材やクッション材として使用する
場合には、場合により数100μmの膜厚が要求される場合がある。5μm以下であると
被着体に対する機能性フィルムの密着面方向の剪断力が確保できず、特に長期貼り付け時
には、吸着フィルムが被着体から剥がれ易い。
(アンカー層)
本発明においては、基材フィルムと吸着層との接着力の向上、および被着体への自己貼着
性フィルムの貼着後、前記フィルムを剥離する際に、経時により被着体面と吸着層面の密
着力が上昇せずスムーズに剥離できかつ被着体上にシリコーン残りが発生しないこと目的
として、前記基材フィルムと吸着層との間にアンカー層を設けてもよい。
アンカー層の材料としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等が
挙げられる。中でもアクリル系樹脂が好ましく、特にアクリルポリオール樹脂が、帯電防
止性や被膜特性の観点から好ましい。
また、アンカー層には、その他配合材料として帯電防止剤を添加し帯電防止機能を付与す
ることができる。ノニオン系としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンア
ルキルアミド、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸グリセリンエステル、アルキルポリ
エチレンイミン等を挙げることができる。またエチレンオキサイドを骨格に持つアクリレ
ート化合物なども使用することができる。導電性高分子としてポリアニリン、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン及びこれらの誘導体を使
用することができる。金属酸化物としてアンチモンドープ型酸化錫(ATO)、錫ドープ
型酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ型酸化亜鉛、アンチモン副酸化物など
を使用することができる。
アンカー層の厚みは0.1〜5.0μmの範囲、より好ましくは0.15〜3.0μmの
範囲である。アンカー層の厚みが、前記厚みが0.1μm未満であると熱架橋された吸着
層が基材フィルムより離脱し易くなる。さらに帯電防止性能が安定しない。一方前記厚み
が5.0μmを超えるとアンカー層の柔軟性が無くなり硬い層となり、基材フィルムへの
密着性が悪くなる。
アンカー層塗工液、吸着層塗工液の塗工方法としては、3本オフセットグラビアコーター
や5本ロールコーターに代表される多段ロールコーター、ダイレクトグラビアコーター、
バーコーター、エアナイフコーター等公知の方法が適宜使用される。
吸着層の表面の汚れや異物付着を防いだり、吸着フィルムのハンドリングを向上させるた
めに樹脂フィルム製のセパレータを吸着層面に張り合わせることができる。
被着体の材質は、一般的にガラス、樹脂、金属、金属酸化物等であり、被着体の表面はで
きるだけ平滑であることが必要である。表面の凹凸が大きいとシリコーンゴム層が凹凸に
追重することが難しくなり、密着することができなくなる。
本発明の吸着フィルムは、被着体としてガラス材料、特に表示装置のガラス基板に対して
使用する場合に有用である。本発明の吸着層においては、遊離のシリコーン成分、未反応
のオルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマー由来のSiH基
が殆んど残存しないので、ガラス表面のSiOH基と反応して吸着層がガラス面に強固に
固着することはない。従って、被着体として表示装置のガラス基板に長時間貼り付けた場
合であっても、吸着層内の未反応のシリコーン成分がガラス表面に移行せず、経時的に吸
着層がガラス面に固着することなく再剥離が可能となる。
以下、実施例と比較例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限
されるものではない。なお、各実施例中の「部」は特に断ることのない限り重量部を示し
たものである。
(実施例1〜6、参考例1〜2、比較例1〜
プラズマ処理された厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、下
記アンカー層塗工液をグラビアコーターで塗工、乾燥して、厚み0.2μmのアンカー層
を形成した。
(アンカー層塗工液)

アクリルポリオール樹脂20部
(東レファインケミカル製、コータックスLH455、固形分:50%)
ポリチオフェン27部
(信越ポリマー製、セプルジーダOC−SC100、固形分:3%)

MEK40部
トルエン13部
実施例1〜6、参考例1〜2、比較例1〜2の前記のアンカー層の上に、表1の成分を、表中の塗布厚みの吸着層を設けた後、オーブンにて150℃、100秒で架橋させて本発明の吸着フィルムを作製した。
Figure 0006383966

各実施例、参考例、比較例の評価結果を表1に、各評価方法を下記に示す。
Figure 0006383966
(シリコーン固着)
評価手順
1.ソーダ石灰ガラスに吸着フィルムを貼り合せ、50℃、湿度85%にて96時間静
置した。
2.上記の貼り合わせた積層体を常温にて2時間静置後、吸着フィルムを剥がし、表面
のガラス面へのシリコーン固着を目視にて確認した。
評価基準
◎:シリコーン固着全く無し
○:シリコーン固着殆ど無し
×:シリコーン固着有り
(貼り付け性/気泡の混入)
アクリル板に吸着フィルムを貼り合せ、気泡の混入を目視確認した。
評価基準
◎:気泡混入全く無し
○:気泡混入殆ど無し
×:気泡混入有り

Claims (3)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に、シリコーン樹脂を主成分とする吸着層を積層してなる吸着フィルムにおいて、前記吸着層が、1分子中に少なくとも2個以上のヘキセニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーとを含有するシリコーン組成物を白金触媒の存在下で、付加反応により硬化してなるシリコーン樹脂で形成して得られるものであることを特徴とし、前記ヘキセニル基を有するジオルガノポリシロキサンのヘキセニル基のモル数(A)と、前記オルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーのSiH基のモル数(B)とのモル比率(A)/(B)が0.4〜1.0の範囲で、かつ前記吸着層の膜厚が5〜100μmである、表示装置のガラス基板に貼り付けて使用することを特徴とするガラス基板用吸着フィルム。
    (ただし、前記吸着層は有機チタン化合物を含有しない。)
  2. 前記基材フィルムと前記吸着層との間に、アクリルポリオール樹脂を主成分としてなるアンカー層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板用吸着フィルム。
  3. 前記ヘキセニル基を有するジオルガノポリシロキサンのヘキセニル基のモル数(A)と、前記オルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーのSiH基のモル数(B)とのモル比率(A)/(B)が0.7〜1.0の範囲で、かつ前記吸着層の膜厚が5〜20μmであることを特徴とする請求項2に記載のガラス基板用吸着フィルム。
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