JP6383670B2 - アルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法及び絶縁基板の製造方法 - Google Patents

アルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法及び絶縁基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、アルミニウムと炭素粒子との複合材、その製造方法、絶縁基板及びその製造方法に関する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲では、「アルミニウム」の語は、特に明示する場合を除き、純アルミニウムとアルミニウム合金との双方を含む意味で用いられる。
また、本発明に係るアルミニウムと炭素粒子との複合材の上下方向は限定されるものではないが、複合材の構成を理解し易くするため、本明細書及び特許請求の範囲では、積層体の積層方向を上下方向と定義する。
また、本発明に係る絶縁基板の上下方向は限定されるものではないが、絶縁基板の構成を理解し易くするため、本明細書及び特許請求の範囲では、絶縁基板における発熱性素子が搭載される搭載面側を上側、その反対側を下側と定義する。
金属と炭素粒子との複合材として、例えば特許文献1(特許第5150905号公報)や特許文献2(特許第5145591号公報)に記載されているように、金属層と炭素粒子層としての炭素繊維層とが交互に複数積層されて接合一体化されたものが知られている。この種の複合材は、高い熱伝導特性が必要な部材用の材料としての利用が期待されている。
特許第5150905号公報 特許第5145591号公報
この種の複合材において、熱伝導率を高くするためには、炭素繊維層等の炭素粒子層をなるべく薄くするとともに炭素粒子の含有層をなるべく多くすることが望ましい。こうするためには、金属層と炭素粒子層をともに薄くして交互に複数積層させるのが良い。
ところが、金属層と炭素粒子層をこのように積層すると次のような問題が発生する。
すなわち、金属層と炭素粒子層を、各層の端部を揃えて交互に積層することが困難であり、また層の端部には層同士を接合するための接合荷重が加わりにくいので、各層の端部が接合不足になり、この部分から炭素粒子層中の炭素粒子が脱落し易いという問題があった。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、外周面の機械的強度が高く且つ外周面からの炭素粒子の脱落を抑制可能なアルミニウムと炭素粒子との複合材、その製造方法、複合材からなる配線層を備えた絶縁基板、及び、その製造方法を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] アルミニウム層と、アルミニウム系ろう材及び炭素粒子を含有するろう材−炭素粒子含有層とが交互に複数積層された状態の積層体を形成する積層工程と、
前記積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱することにより、前記複数のアルミニウム層と前記複数のろう材−炭素粒子含有層とをろう付け一体化するろう付け工程と、を備え、
前記ろう付け工程では、前記ろう材−炭素粒子含有層中の前記ろう材の溶融物の一部が前記積層体の外周面側にはみ出るように前記積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱する、アルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
[2] 前記ろう材−炭素粒子含有層は、前記ろう材を主に含有するろう材層と、前記炭素粒子を主に含有する炭素粒子層とに分かれており、
前記積層工程では、前記アルミニウム層を心材、前記ろう材層を皮材とするブレージングシート上に前記炭素粒子層を塗工することにより、塗工ブレージングシートを形成し、その後、前記塗工ブレージングシートを複数積層して前記積層材を形成する前項1記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
[3] 前記炭素粒子層に含まれる前記炭素粒子の塗工量が40g/m以下になるように前記炭素粒子層を塗工する前項2記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
[4] 複合材に対する前記炭素粒子の体積含有率が2体積%以上70体積%以下になるように前記炭素粒子層を塗工する前項2又は3記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
[5] 前記積層工程では、前記アルミニウム層を形成するアルミニウム箔上に、ろう材粒子及び炭素粒子を混合状態に含有するろう材粒子−炭素粒子混合層を前記ろう材−炭素粒子含有層として塗工することにより、塗工アルミニウム箔を形成し、その後、前記塗工アルミニウム箔を複数積層して前記積層体を形成する前項1記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
[6] 前記混合層に含まれる前記炭素粒子の塗工量が40g/m以下になるように前記混合層を塗工する前項5記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
[7] 複合材に対する前記炭素粒子の体積含有率が2体積%以上70体積%以下になるように前記混合層を塗工する前項5又は6記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
[8] 前記ろう材は、Mg、Bi及びSrからなる群より選択される少なくとも一つの元素が添加されたAl−Si系ろう材である前項1〜7のいずれかに記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
[9] 前項1〜8のいずれかに記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法により得られた、アルミニウムと炭素粒子との複合材。
[10] アルミニウム層と、アルミニウム系ろう材及び炭素粒子を含有するろう材−炭素粒子含有層とが交互に複数積層された状態の積層体からなり、
前記複数のアルミニウム層と前記複数のろう材−炭素粒子含有層とがろう付け一体化されるとともに、前記積層体の外周面側にはみ出た前記ろう材のはみ出し部が前記積層体の外周面に固着されている、アルミニウムと炭素粒子との複合材。
[11] アルミニウム層と、アルミニウム系ろう材及び炭素粒子を含有するろう材−炭素粒子含有層とが交互に複数積層された状態の配線層形成用第1積層体を形成するとともに、前記第1積層体と、絶縁層を少なくとも含む他の部材とを、前記第1積層体と前記絶縁層との間にろう材層を介在させて積層して第2積層体を形成する積層工程と、
前記第2積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱することにより、前記複数のアルミニウム層と前記複数のろう材−炭素粒子含有層と前記絶縁層とを一括してろう付け一体化し、これにより配線層を絶縁層に接合するろう付け工程と、を備え、
前記ろう付け工程では、前記ろう材−炭素粒子含有層中の前記ろう材の溶融物の一部が前記第1積層体の外周面側にはみ出るように前記第2積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱する、絶縁基板の製造方法。
[12] 前項11記載の絶縁基板の製造方法により得られた絶縁基板。
[13] 配線層を備えた絶縁基板であって、
前記配線層は、アルミニウム層と、アルミニウム系ろう材及び炭素粒子を含有するろう材−炭素粒子含有層とが交互に複数積層された状態の積層体からなり、
前記複数のアルミニウム層と前記複数のろう材−炭素粒子含有層とがろう付け一体化されるとともに、前記配線層の外周面側にはみ出た前記ろう材のはみ出し部が前記配線層の外周面に固着されている、絶縁基板。
本発明は以下の効果を奏する。
前項[1]によれば、積層工程では、積層体は、アルミニウム層とろう材−炭素粒子含有層とが交互に複数積層された状態で形成されているので、得られる複合材の熱伝導率を高めることができる。さらに、ろう付け工程では、ろう材−炭素粒子含有層中のろう材の溶融物の一部が積層体の外周面側にはみ出るように積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱するので、ろう付け工程後において、ろう材のはみ出し部が複合材の外周面に固着する。その結果、複合材の外周面の機械的強度が向上するし、ろう材−炭素粒子含有層中の炭素粒子が複合材の外周面から脱落するのを抑制することができる。
前項[2]では、積層体は、ブレージングシート上に炭素粒子層を塗工して形成された塗工ブレージングシートを複数積層して形成されるので、積層体を容易に形成することができる。
前項[3]では、炭素粒子の塗工量が40g/m以下になるように炭素粒子層を塗工することにより、複合材の層間剥離を確実に抑制することができる。
前項[4]では、炭素粒子の体積含有率が所定範囲であることにより、複合材の熱伝導率を確実に高めることができるし、積層体を構成する全ての層を確実にろう付け一体化することができる。
前項[5]では、積層体は、アルミニウム箔上にろう材粒子−炭素粒子混合層が塗工された塗工アルミニウム箔を複数積層して形成されるので、積層体を容易に形成することができる。
前項[6]では、前項[3]と同様の効果を奏する。
前項[7]では、前項[4]と同様の効果を奏する。
前記[8]では、ろう材がAl−Si系ろう材であることにより、ろう材の炭素粒子との濡れ性及びろう付け性を向上させることができる。さらに、Al−Si系ろう材に所定元素が添加されることにより、ろう材の流動性が高められる。これにより、ろう付け工程において、ろう材の溶融物の一部が積層体の外周面側にはみ出し易くなる。その結果、複合材の外周面の機械的強度が確実に向上するし、炭素粒子の脱落を確実に抑制することができる。
前項[9]では、前項[1]〜[8]のいずれかの効果を奏し得る、アルミニウムと炭素粒子との複合材を提供できる。
前項[10]では、積層体が、アルミニウム層とろう材−炭素粒子含有層とが交互に複数積層された状態であることにより、得られる複合材の熱伝導率を高めることができる。さらに、複数のアルミニウム層と複数のろう材−炭素粒子含有層とがろう付け一体化されるとともに、積層体の外周面側にはみ出たろう材のはみ出し部が積層体の外周面に固着されていることにより、複合材の外周面の機械的強度が向上するし、炭素粒子が複合材の外周面から脱落するのを抑制することができる。
前項[11]では、前項[1]と同様の理由により、絶縁基板における配線層の熱伝導率を高めることができるし、炭素粒子が配線層の外周面から脱落するのを抑制することができる。しかも、ろう付け工程において、複数のアルミニウム層と複数のろう材−炭素粒子含有層と絶縁層とが一括してろう付け一体化されることにより、配線層が絶縁層に接合されるので、複数のアルミニウム層と複数のろう材−炭素粒子含有層との接合と、配線層と絶縁層との接合とを同時に行うことができる。そのため、絶縁基板の製造に要する時間を短縮することができる。
前項[12]では、前項[11]の効果を奏し得る絶縁基板を提供できる。
前項[13]では、前項[10]と同様の理由により、配線層の熱伝導率を高めることができるし、配線層の外周面の機械的強度が向上するし、炭素粒子が配線層の外周面から脱落するのを抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るアルミニウムと炭素粒子との複合材からなる配線層を備えた絶縁基板を発熱性素子と一緒に示す概略断面図である。 図2は、同絶縁基板の製造方法の積層工程を説明する概略断面図である。 図3は、同絶縁基板の製造方法のろう付け工程を説明する概略断面図である。 図4は、ブレージングシート条材上に炭素粒子層を塗工する工程を説明する概略図である。 図5は、図4中のZ1部分の拡大概略断面図である。 図6は、図4中のZ2部分の拡大概略断面図である。 図7は、本発明の第2実施形態においてろう材粒子−炭素粒子混合層が塗工される前の状態のアルミニウム箔条材を示す、図5に対応する拡大概略断面図である。 図8は、ろう材粒子−炭素粒子混合層が塗工された後の状態のアルミニウム箔条材(即ち塗工アルミニウム箔条材)を示す、図6に対応する拡大概略断面図である。
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1〜6は、本発明の第1実施形態を説明する図である。
図1に示すように、本第1実施形態に係るアルミニウムと炭素粒子との複合材は、例えば、本第1実施形態に係る絶縁基板25における配線層11を形成する材料として用いられている。
絶縁基板25は、電子モジュール用基板(例:パワーモジュール用基板)等として用いられるものであり、積層状に一体化された複数の層から構成されており、具体的には、上から順に、配線層11、絶縁層12、金属緩衝層13、及び、冷却層としての金属製冷却部材14が積層状に配置されるとともに、これらが一体化されて形成されたものである。なお、本第1実施形態の絶縁基板25は冷却部材14を備えていることから、冷却基板とも呼ばれている。
配線層11は電子回路が形成される層であり、回路層とも呼ばれている。配線層11の上面11aは、絶縁基板25の搭載面を構成する。すなわち、電子素子(例:半導体素子)等の発熱性素子26は、配線層11の上面11a上にはんだ付け等により接合されて搭載される。なお、発熱性素子26が搭載される際には、はんだ付け性を向上させるため配線層11の上面11aにNi−Pめっき層等のNiめっき層(図示せず)が形成されることがある。配線層11は上述したように本第1実施形態の複合材から形成されている。
絶縁層12は、電気絶縁性を有しており、AlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化ケイ素)、Al(アルミナ)等のセラミック板で形成されている。
緩衝層13は、絶縁基板25に発生する熱応力等の応力を緩和するための層であり、厚さ方向に貫通した複数の貫通孔13aを有するパンチングメタルで形成されている。パンチングメタルの材質は例えばアルミニウムである。
冷却部材14は、発熱性素子26の動作に伴い発熱性素子26に発生した熱を放散することで発熱性素子26を冷却するものである。本第1実施形態では、冷却部材14として、複数の放熱フィン14aを有するアルミニウム製放熱部材(例:ヒートシンク)が用いられている。
絶縁基板25では、発熱性素子26に発生した熱は、発熱性素子26から配線層11、絶縁層12、緩衝層13及び冷却部材14に順次伝導して冷却部材14の放熱フィン14aから放散される。その結果、発熱性素子26の温度が低下し、即ち発熱性素子26が冷却される。
次に、本実施形態の絶縁基板25の製造方法について図2〜6を参照して以下に説明する。
絶縁基板25の製造方法は、積層工程、ろう付け工程等を備えている。
図2及び3に示すように、積層工程は、第1積層体10を形成する第1積層体形成工程と、第2積層体20を形成する第2積層体形成工程とを含んでいる。本実施形態は、第1積層体形成工程と第2積層体形成工程は同時に行われる。
ろう付け工程は、絶縁基板25を構成する全ての層(部材)を一括してろう付け一体化する工程である。
第1積層体10は、配線層11を形成するためのものであり、図3に示すようにアルミニウム層1とろう材−炭素粒子含有層2とが交互に複数積層された状態で形成されている。
ろう材−炭素粒子含有層2とは、アルミニウム系ろう材と炭素粒子とを含有する層である。本第1実施形態では、図2に示すように、ろう材−炭素粒子含有層2は、ろう材及び炭素粒子のうちろう材を主に含有するろう材層2aと炭素粒子を主に含有する炭素粒子層2b(ドットハッチングで示す)とに分かれている。詳述すると、ろう材層2aは、炭素粒子を含有しないでろう材で形成された層であり、炭素粒子層2bは、ろう材を含有しないで炭素粒子で形成された層である。
第2積層体20は、第1積層体10と、絶縁層12を少なくとも含む他の部材とを、第1積層体10と絶縁層12との間にろう材層を介在させて積層して形成されている。
絶縁層12を少なくとも含む他の部材とは、本第1実施形態では、絶縁層12、緩衝層13及び冷却部材14である。なお本発明では、絶縁層12を少なくとも含む他の部材は、絶縁層12、緩衝層13及び冷却部材14であることが絶縁基板25の製造に要する時間を大幅に短縮し得る点で特に望ましいが、これに限定されず、その他に例えば、絶縁層12だけであっても良いし、絶縁層12と緩衝層13であっても良い。
第2積層体20において、第1積層体10と絶縁層12の間には上述したようにろう材層が介在されており、更に、絶縁層12と緩衝層13の間、及び、緩衝層13と冷却部材14の間にもそれぞれろう材層(例:ろう材箔)15が介在されている。
第1積層体形成工程は、上述したように第1積層体10を形成する工程である。
図2に示したろう材−炭素粒子含有層2の炭素粒子層2bにおいて、炭素粒子は、限定されるものではないが、なるべく高い熱伝導率を有するもの、即ち高熱伝導性のものであることが望ましい。特に、炭素粒子は、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、天然黒鉛粒子及び人造黒鉛粒子からなる群より選択される少なくとも一種であることが望ましく、更には、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン及び天然黒鉛粒子からなる群より選択される少なくとも一種であることがより望ましい。その理由は、配線層11の熱伝導率を確実に向上させることができるし、ろう材層2aのアルミニウムと炭素粒子との複合化を確実に行えるからである。
炭素繊維は、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維等であることが特に望ましい。
カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維(Vapor-Grown Carbon Fiber,VGCF)等であることが特に望ましい。
グラフェンは、単層グラフェン、多層グラフェン等であることが特に望ましい。
天然黒鉛粒子には、鱗片状黒鉛粒子、塊状黒鉛粒子、土状黒鉛粒子等が含まれ、特に、天然黒鉛粒子は鱗片状黒鉛粒子であることが望ましい。
人造黒鉛粒子には、等方性黒鉛粒子、異方性黒鉛粒子(例:電極材用黒鉛粒子)、熱分解黒鉛粒子等が含まれる。
炭素粒子の大きさは限定されるものではない。しかるに、炭素粒子が炭素繊維である場合、その平均繊維長さは10μm以上2mm以下、及び、その平均繊維直径は1μm以上0.5mm以下であることが特に望ましい。炭素粒子がカーボンナノチューブである場合、その平均長さは1μm以上10μm以下、及び、その平均直径は50nm以上500nm以下であることが特に望ましい。炭素粒子が天然黒鉛粒子である場合、その平均粒子径は10μm以上3mm以下、及び扁平率が5以上500以下であることが特に望ましい。炭素粒子の大きさがこのような範囲であることにより、ろう材−炭素粒子含有層2における炭素粒子の含有量の均一化を確実に図ることができる。
ろう材−炭素粒子含有層2のろう材層2aにおいて、ろう材は、アルミニウム系ろう材であれば限定されるものではないが、Al−Si系ろう材であることが、ろう材の炭素粒子との濡れ性及びろう付け性を向上させ得る点で望ましい。さらに、ろう材は、Mg、Bi及びSrからなる群より選択される少なくとも一つの元素が添加されたAl−Si系ろう材であることが特に望ましい。その理由は、ろう付け工程において、ろう付けが真空ろう付けにより行われる場合にろう材の流動性を確実に高めることができ、その結果、ろう材の溶融物の一部が第1積層体10の外周面側にはみ出し易くなるからである。
Mgの特に望ましい添加量は、ろう材全体の質量に対して0.1質量%以上3質量%以下である。Biの特に望ましい添加量は、ろう材全体の質量に対して0.01質量%以上2質量%以下である。Srの特に望ましい添加量は、ろう材全体の質量に対して0.0001質量%以上0.3質量%以下である。
図2に示すように、アルミニウム層1は、ブレージングシート(詳述するとアルミニウムブレージングシート)3の心材で形成されている。ろう材層2aは、ブレージングシート3の皮材で形成されている。すなわち、ろう材層2aは、心材としてのアルミニウム層1の片面にその全面に亘ってクラッドされている。さらに、本第1実施形態では、アルミニウム層1の他方の片面にもろう材層2aがクラッドされている。すなわち、ブレージングシート3は、詳述すると、アルミニウム層(心材)1の両面にそれぞれろう材層2aがクラッドされた両面ブレージングシートである。両方のろう材層2aの厚さは略同じである。
アルミニウム層1の厚さは限定されるものではないが、特に30μm以上800μm以下であることが望ましい。アルミニウム層1の材質は限定されるものではなく、例えば、A1000系(純アルミニウム)、A3000系、A6000系のアルミニウムである。
ろう材層2aの厚さは、互いに隣接する層同士を接合可能な厚さであれば限定されるものではないが、特に5μm以上であることが望ましい。ろう材層2aの厚さが5μm以上であることにより、ろう材層2aのアルミニウムと炭素粒子とを確実に複合化することができるし、更に、ろう付け工程において、ろう材の溶融物が第1積層体10の外周面側にはみ出す量を確実に多くすることができる。ろう材層2aの厚さの望ましい上限値は100μmである。ろう材層2aの厚さが100μm以下であることにより、絶縁基板(複合材)25の製造コストを引き下げることができるし、ろう付け時にアルミニウム層(心材)1にエロージョンが発生するのを確実に抑制することができる。ろう材層2aの厚さの特に望ましい上限値は50μmである。
第1積層体形成工程における第1積層体10の具体的な形成方法は次のとおりである。
図4に示すように、炭素粒子5とバインダー41とバインダー41用溶剤42とを混合容器44内に入れ、これらを撹拌羽根付きミキサー45により撹拌混合する。これにより、炭素粒子5とバインダー41と溶剤42とを混合状態に含有する塗液6を得る。このとき、分散剤、表面調整剤、粘度調整剤なども必要に応じて混合容器44内に入れて撹拌混合しても良い。
バインダー41は、炭素粒子5にブレージングシート3への付着力を付与し、これにより、積層工程の時にブレージングシート3上から炭素粒子5が脱落するのを抑制するためのものである。バインダー41は、非酸化雰囲気中にて約300℃〜約600℃の温度で炭化せずに昇華又は分解などにより消失するものを用いることが望ましい。このようなバインダー41として、アクリル系樹脂、ポリエチレングリコール系樹脂、ブチルゴム樹脂、フェノール樹脂、セルロース系樹脂などの樹脂が好適に用いられる。
溶剤42は、バインダー41を溶解するものであればその種類に限定されず、溶剤42として、水、アルコール系溶剤(例:メタノール、イソプロピルアルコール)、炭化水素系溶剤などが好適に用いられる。
塗液6は、バインダー41の質量が炭素粒子5の質量に対して0.5%〜25%となるように炭素粒子5とバインダー41とを含有していることが特に望ましい。
次いで、塗工装置50によって塗液6をブレージングシート3の条材3Aの片面上にその略全面に亘って層状に塗工し、これにより、図5及び6に示すように条材3Aの片面上に炭素粒子層2bが形成(塗工)されてなる塗工ブレージングシート4の条材4A(詳述すると塗工両面ブレージングシート4の条材4A)を形成する。
なお、図5は条材3A上に炭素粒子層2bが形成される前の状態を示し、図6は炭素粒子層2bが形成された後の状態を示している。本第1実施形態では、炭素粒子層2bが塗工される条材3Aの面は上面である。
塗工装置50を用いた塗工工程について以下に詳細に説明する。
塗工装置50としては、塗液6をシート上に塗工するのに広く知られた装置を用いることができ、具体的にはロールコーター、ナイフコーター、ダイコーター、グラビアコーターなどを使用可能である。
図4に示した塗工装置50では、巻出しローラ51から巻き出されたブレージングシート3の条材3Aは、塗工ローラユニット52と乾燥装置としての乾燥炉55とを順次通過して巻取りローラ53に巻き取られる。
塗液6の条材3A上への塗工は塗工ローラユニット52で行われる。すなわち、巻出しローラ51から巻き出された条材3Aは、塗工ローラユニット52を通過する際にその片面(上面)上に塗液6が塗工ローラユニット52によりその略全面に亘って塗工されて、図6に示すように条材3A上にその略全面に亘って炭素粒子層2bが形成(塗工)される。これにより、塗工ブレージングシート条材4Aが得られる。この段階では、炭素粒子層2b中にはバインダー41及び溶剤42が含まれている。
塗工ローラユニット52は、塗工用パン52a、ピックアップローラ52b、アプリケーターローラ52c、バックアップローラ52dなどを備えている。
塗工ローラユニット52を通過した塗工ブレージングシート条材4Aは、乾燥炉55を通過する際に乾燥炉55により炭素粒子層2b中に含まれたバインダー41及び溶剤42の殆どが炭素粒子層2bから蒸発除去される。
炭素粒子層2bからバインダー41及び溶剤42を除去する理由は次のとおりである。すなわち、炭素粒子層2b中にバインダー41及び溶剤42が含まれている場合、ろう付け工程時に炭素粒子層2bが加熱されると、バインダー41及び溶剤42が有機物の残渣となる虞があり、得られる配線層11の熱伝導率が低下する要因となる。そこで、炭素粒子層2bからバインダー41及び溶剤42を除去することが望ましい。
炭素粒子層2bの塗工量は、ろう材層2aのアルミニウムと炭素粒子5との複合化が可能な塗工量であれば限定されるものではない。特に、炭素粒子層2bは、炭素粒子層2bに含まれる炭素粒子5の塗工量が40g/m(特に望ましくは30g/m)以下になるように塗工されることが望ましい。その理由は、配線層11(複合材)内の層間剥離を確実に抑制できるからである。また、炭素粒子層2bは、炭素粒子5の塗工量が1g/m以上になるように塗工されることが望ましい。その理由は、配線層11の熱伝導率を確実に高めることができるからである。
さらに、炭素粒子層2bは、配線層(複合材)11に対する炭素粒子5の体積含有率が2体積%以上70体積%以下になるように塗工されることが望ましい。炭素粒子5の体積含有率が2体積%以上であることにより、配線層11の熱伝導率を確実に高めることができる。炭素粒子5の体積含有率が70体積%以下であることにより、第1積層体10を構成する全ての層を確実にろう付け一体化することができる。炭素粒子5の体積含有率の特に望ましい下限値は3体積%であり、その特に望ましい上限値は50体積%である。
乾燥炉55を通過した塗工ブレージングシート条材4Aは、巻取りローラ53に巻き取られる。
巻取りローラ53に巻き取られた塗工ブレージングシート条材4Aは、巻取りローラ53から巻き出されながら又は巻き出された後で所定の形状(例:四角形状)に切断され、これにより、複数の塗工ブレージングシート4が得られる。
次いで、図2に示すように、第1積層体形成工程と第2積層体形成工程を行う。すなわち、第1積層体形成工程では、塗工ブレージングシート4を複数積層して第1積層体10を形成する。第2積層体形成工程では、第1積層体10と絶縁層12と緩衝層13と冷却部材14とを、第1積層体10と絶縁層12の間、絶縁層12と緩衝層13の間、及び、緩衝層13と冷却部材14の間にそれぞれろう材層を介在させて積層して第2積層体20を形成する。
本第1実施形態では、上述したように第1積層体形成工程と第2積層体形成工程は同時に行われる。こうすることにより、絶縁基板25の製造に要する時間を大幅に短縮することができ、ひいては絶縁基板25の製造コストを大幅に引き下げることができる。
第1積層体形成工程において、第1積層体10の最上位には塗工ブレージングシート4ではなくアルミニウム層1が上面カバー層として配置されている。本第1実施形態では、最上位のアルミニウム層1は片面ブレージングシートの心材で形成されている。すなわち、この片面ブレージングシートは、アルミニウム層1を心材とし、アルミニウム層(心材)の下面に皮材としてろう材層2aがクラッドされたものである。したがって、第1積層体10の上面には炭素粒子層2bが露出しないでアルミニウム層1が露出している。
また、複数の塗工ブレージングシート4を、その端部を揃えて積層することが困難であるため、図3に示すように第1積層体10では複数の塗工ブレージングシート4の端部は僅かに揃っていない。
第2積層体形成工程において、塗工ブレージングシート4のブレージングシート3は両面ブレージングシートであることから、第1積層体10と絶縁層12の間に介在されるろう材層は、第1積層体10の最下位に配置された塗工ブレージングシート4の下面のろう材層2aである。絶縁層12と緩衝層13の間に介在されるろう材層15、及び、緩衝層13と冷却部材14の間に介在されるろう材層15は、それぞれろう材箔である。
次いで、ろう付け工程を行う。すなわち、図3に示すように、ろう付け装置のろう付け炉(例:真空ろう付け炉)35内において、第2積層体20を載置台31上に載置するとともに、第1積層体10上に平板状の押さえ部材32を第1積層体10の上面全体を覆う状態に載置する。そして、押さえ部材32の上側から第2積層体20を下方向に押圧し、これにより、載置台31と押さえ部材32との間で第2積層体20をその積層方向(下方向)に加圧手段30により加圧する。これにより、第2積層体20が不慮に分解されないよう第2積層体20を拘束することで、第2積層体20(絶縁基板25)を仮組みする。
加圧手段30は限定されるものではなく、例えば、弾性バネ力により第2積層体20をろう付け時に常時加圧する方式のものであっても良いし、押さえ部材32の上側に載置された重しの重量により第2積層体20をろう付け時に常時加圧する方式のものであっても良い。
加圧手段30による第2積層体20への加圧力は、ろう付け工程の際に第1積層体10の塗工ブレージングシート4の各ろう材層2aのろう材の溶融物の一部が第1積層体10の外周面側にはみ出るように第2積層体20を加圧可能な加圧力であれば限定されるものではないが、特に0.03N/mm以上1N/mm以下であることが望ましい。その理由は、ろう材の溶融物の一部を確実にはみ出させることができるし、第1積層体10を構成する全ての層を確実にろう付け一体化できるからである。
次いで、ろう付け炉35内において、第2積層体20をその積層方向に加圧した状態のままで所定のろう付け雰囲気(例:不活性雰囲気、真空)中にて第2積層体20を加熱する。これにより、第1積層体10を構成する全ての層と絶縁層12と緩衝層13と冷却部材14とを一括してろう付け一体化する。
その結果、図1に示すように、第1積層体10を構成する全ての層が、第1積層体10の塗工ブレージングシート4の各ろう材層2aのろう材で接合一体化されて配線層11が形成される。さらに、配線層11が絶縁層12に両者11、12の間に介在されたろう材層2aのろう材で接合される。さらに、絶縁層12が緩衝層13に両者12、13の間に介在されたろう材層15のろう材で接合される。さらに、緩衝層13が冷却部材14に両者13、14の間に介在されたろう材層15のろう材で接合される。
ろう付けが終了したら、加圧手段30による第2積層体20への加圧を解除する。これにより、本第1実施形態の絶縁基板25が得られる。
上述したろう付け工程について第1積層体10で生じるろう付け現象を中心に詳述すると、次のとおりである。
すなわち、第2積層体20をろう付け温度まで加熱すると、第1積層体10において塗工ブレージングシート4の各ろう材層2aのろう材が溶融する。そして、第2積層体20がその積層方向に加圧されていることにより、各ろう材の溶融物が炭素粒子層2b内に浸入し更には炭素粒子層2bを通過するとともに各ろう材の溶融物の一部が第1積層体10の外周面側にはみ出て外周面に付着する。
そして、第2積層体20への加熱を停止して第2積層体20を冷却することにより、第1積層体10を構成する互いに隣接する層同士が両者の間に介在されたろう材層2aのろう材で接合されるとともに、更に、図1に示すように第1積層体10の外周面側にはみ出した溶融したろう材のはみ出し部2ax(クロスハッチングで示す)が凝固して第1積層体10の外周面にその略全体を覆う状態に固着する。このような状態で第1積層体10を構成する全ての層が接合一体化されて、配線層11が形成される。
ろう付け工程で適用されるろう付け手段は限定されるものではないが、特に真空ろう付けであることが望ましい。その理由は、ろう付け工程の際にろう付け炉35内において真空状態で第2積層体20を加熱することにより、炭素粒子層2bに存在するバインダー41及び溶剤42を容易に且つ確実に蒸発除去することができるし、加熱による炭素粒子5の酸化消耗の発生を確実に抑制することができるからである。
ろう付け工程で適用されるろう付け条件(ろう付け温度、その保持時間、冷却速度等)は限定されるものではないが、ろう材の溶融物の一部が第1積層体10の外周面側に確実に且つ十分にはみ出るようにするため、ろう付け温度はなるべく高い方が望ましく、更に、ろう付け温度の保持時間もなるべく長い方が望ましい。特に望ましいろう付け温度は590℃以上620℃以下である。ろう付け温度の特に望ましい保持時間は10min以上60min以下である。ろう付け温度からの冷却速度はなるべく速い方が望ましい。特に望ましい冷却速度は、ろう付け温度から300℃までの範囲内において30℃/min以上100℃/min以下である。
本第1実施形態の絶縁基板25の製造方法によれば、図3に示すように、積層工程では、第1積層体10は、アルミニウム層1とろう材−炭素粒子含有層2とが交互に複数積層された状態で形成されている。そのため、得られる配線層(複合材)11の熱伝導率を高めることができる。さらに、ろう付け工程では、ろう材−炭素粒子含有層2中のろう材の溶融物の一部が第1積層体10の外周面側にはみ出るように第2積層体20をその積層方向に加圧した状態で加熱するので、第1積層体10の外周面側にはみ出たろう材のはみ出し部2axが第1積層体10の外周面にその略全面を覆う状態に固着される。これにより、配線層11の外周面の機械的強度が向上するし、ろう材−炭素粒子含有層2中の炭素粒子5が配線層11の外周面から脱落するのを抑制することができる。したがって、絶縁基板25によれば、脱落した炭素粒子5による電気的短絡の発生を抑制することができる。
しかも、ろう付け工程において、第1積層体10を構成する全ての層と絶縁層12と緩衝層13と冷却部材14とが一括してろう付け一体化されるので、配線層11が絶縁層12に接合されるとともに絶縁層12が緩衝層13に接合され更に緩衝層13が冷却部材14に接合される。したがって、第1積層体10を構成する全ての層の接合と、配線層11と絶縁層12との接合と、絶縁層12と緩衝層13との接合と、緩衝層13と冷却部材14との接合とを同時に行うことができる。これにより、絶縁基板25製造に要する時間を大幅に短縮することができる。
さらに、本1実施形態では、ろう材−炭素粒子含有層2はろう材層2aと炭素粒子層2bとに分かれており、積層工程では、アルミニウム層1を心材、ろう材層2aを皮材とするブレージングシート3上に炭素粒子層2bを塗工し、その後、塗工ブレージングシート4を複数積層して第1積層体10を形成するので、第1積層体10を容易に形成することができる。
なお、本第1実施形態に示すように、ブレージングシート3及びその条材3Aは、両面ブレージングシート及びその条材であることが特に望ましいが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、アルミニウム層(心材)の片面(上面)だけに皮材としてのろう材層がクラッドされた片面ブレージングシート及びその条材であることを排除するものではない。
さらに、本第1実施形態に示すように、第1積層体10において、ろう材層2aはアルミニウム層(心材)1にクラッドされていることが積層工程(第1積層体形成工程)を容易に行うことができる点等で特に望ましいが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、ろう材層2aはアルミニウム層1にクラッドされていないろう材箔であることを排除するものではない。
また、本第1実施形態では、第1積層体10の上面に炭素粒子層2b等のろう材−炭素粒子含有層2が露出しないようにするため、更には、押さえ部材32が第1積層体10の上面に接合されないようにするため、第1積層体10の最上位にはアルミニウム層(心材)1の下面に皮材としてろう材層2aがクラッドされた片面ブレージングシートが配置されているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、本発明では、第1積層体10の最上位に、ろう材層が下面にクラッドされていないアルミニウム箔だけがアルミニウム層として配置されていても良いし、上から順にNi層とTi層とAl層とが積層され且つ一体にクラッドされてなるNi/Ti/Alクラッド板が第1積層体10の最上位に配置されていても良いし、押さえ部材32における第1積層体10との接触面側(即ち押さえ部材32の下面側)にろう材との接合を阻害する離型層が配置されていても良い。
図7及び8は、本発明の第2実施形態を説明する図である。
本第2実施形態では、図8に示すように、ろう材−炭素粒子含有層2は、上記第1実施形態のようにろう材層2aと炭素粒子層2bとに分かれているものではなく、アルミニウム系ろう材粒子及び炭素粒子を混合状態に含有したろう材粒子−炭素粒子混合層2cである。
さらに、混合層2cは、上記第1実施形態のようにブレージングシート3ではなく、図7に示すようにアルミニウム層を形成するアルミニウム箔1の片面(上面)上に塗工されている。
混合層2cの塗工は、例えば図4に示した塗工装置を用いた塗工方法に従って行われる。すなわち、ろう材粉末等のろう材粒子(図示せず)は、炭素粒子5とバインダー41とバインダー41用溶剤42と一緒に混合容器44内に入れられ、これらが撹拌羽根付きミキサー45により撹拌混合される。これにより、ろう材粒子と炭素粒子5とバインダー41と溶剤42とを混合状態に含有する塗液が得られる。
ろう材粒子の大きさは限定されるものではないが、特にその平均粒子径が5μm以上500μm以下であることが、アルミニウムと炭素粒子との複合化を確実に行える点等で望ましい。
塗工装置50の巻出しローラ51にはブレージングシート3の条材3Aではなくアルミニウム箔1の条材1Aが巻かれる。そして、塗工装置50を用いて混合層2cをアルミニウム箔条材1Aの片面(上面)上にその略全面に亘って層状に塗工する。これにより、アルミニウム箔条材1Aの片面(上面)上に混合層2cが形成(塗工)されてなる塗工アルミニウム箔8の条材8Aが得られるとともに、巻取りローラ53に巻き取られる。
この塗工工程において、混合層2cの塗工量は限定されるものではないが、特に、混合層2cは、混合層2cに含まれる炭素粒子5の塗工量が40g/m以下になるように塗工されることが望ましく、また混合層2cは、混合層2cに含まれる炭素粒子5の塗工量が1g/m以上になるように塗工されることが望ましい。それらの理由は、上記第1実施形態で説明した理由と同じである。
さらに、混合層2cは、配線層(複合材)11に対する炭素粒子5の体積含有率が2体積%以上70体積%以下になるように塗工されることが望ましい。その理由は、上記第1実施形態で説明した理由と同じである。
巻取りローラ53に巻き取られた塗工アルミニウム箔条材8Aは、巻取りローラ53から巻き出されながら又は巻き出された後で所定の形状(例:四角形状)に切断され、これにより、複数の塗工アルミニウム箔8が得られる。
次いで、塗工アルミニウム箔8を複数積層して第1積層体10を形成するとともに、第1積層体10と絶縁層12と緩衝層13と冷却部材14とを、第1積層体10と絶縁層12の間、絶縁層12と緩衝層13の間、及び、緩衝層13と冷却部材14の間にそれぞれろう材層を介在させて積層して第2積層体20を形成する。その後の工程は、上記実施形態と同様に行われる。
なお本発明では、塗工アルミニウム箔8を上下反転させて複数積層して第1積層体10を形成しても良い。
以上で本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能である。
また、上記実施形態では絶縁基板の配線層が本発明の複合材で形成されているが、本発明ではその他に例えば更に絶縁基板の緩衝層も本発明の複合材で形成されていても良い。さらに、本発明は緩衝層だけが本発明の複合材で形成されることを排除するものではない。
また、上記実施形態では冷却部材は放熱部材であるが、本発明ではその他に例えば冷却液(例:冷却水)が流通する流通路を有する冷却器であっても良い。
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例を以下に示す。なお本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図1〜6に示した上記第1実施形態の絶縁基板25をその製造方法に従って製造した。その製造方法及びその条件は次のとおりである。
厚さ70μmの両面ブレージングシート条材(クラッド率20%)3Aの片面上に炭素粒子層としてのピッチ系炭素繊維層2bを当該層2bに含まれるピッチ系炭素繊維の塗工量が21g/mになるように塗工しそして乾燥した。これにより、塗工ブレージングシート条材(詳述すると塗工両面ブレージングシート条材)4Aを得た。なお、ピッチ系炭素繊維の平均繊維長さは200μm、その平均繊維直径は15μmであった。
次いで、塗工ブレージングシート条材4Aを縦25mm×横25mmの正方形状に切断することで、塗工ブレージングシート4を複数得た。そして、これを10枚積層して第1積層体10を形成するとともに、第1積層体10と絶縁層12と緩衝層13と冷却部材14とを積層して第2積層体20を形成した。絶縁層12はAlN層であり、緩衝層13は純度4Nのアルミニウム層であり、冷却部材14はアルミニウム製ヒートシンクであった。第2積層体20を形成する際には、絶縁層12と緩衝層13の間、及び、緩衝層13と冷却部材14の間にそれぞれろう材層15としてのろう材箔を介在させた。そして、第2積層体20をその積層方向に0.15N/mmの加圧力で加圧して第2積層体20を仮組した。
次いで、真空ろう付け装置を用いて第2積層体20に対してろう付けを行い、絶縁基板25を製造した。その際に適用したろう付け条件は、真空度1×10-4Pa、ろう付け温度600℃、その保持時間20min、ろう付け温度から300℃までの範囲内における冷却速度50℃/minであった。
こうして得られた絶縁基板25では、配線層11の外周面にその略全面を覆う状態にろう材のはみ出し部2axが固着しており、そのため、配線層11の外周面の機械的強度が高く、また配線層11の外周面からの炭素繊維の脱落も見られなかった。さらに、絶縁基板25は高い熱伝導性を有していた。
<実施例2>
図1〜6に示した上記第1実施形態の絶縁基板25をその製造方法に従って製造した。その製造方法及びその条件は次のとおりである。
厚さ60μmの両面ブレージングシート条材(クラッド率20%)3Aの片面上に炭素粒子層としての高熱伝導性鱗片状黒鉛粒子層2bを当該層2bに含まれる鱗片状黒鉛粒子の塗工量が9g/mになるように塗工しそして乾燥した。これにより、塗工ブレージングシート条材(詳述すると塗工両面ブレージングシート条材)4Aを得た。なお、鱗片状黒鉛粒子の平均粒子径は200μm、その偏平率は10であった。
次いで、塗工ブレージングシート条材4Aを縦25mm×横25mmの正方形状に切断することで、塗工ブレージングシート4を複数得た。そして、これを20枚積層して第1積層体10を形成するとともに、第1積層体10と絶縁層12と緩衝層13と冷却部材14とを積層して第2積層体20を形成した。絶縁層12、緩衝層13及び冷却部材14は、上記実施例1と同じである。第2積層体20を形成する際には、絶縁層12と緩衝層13の間、及び、緩衝層13と冷却部材14の間にそれぞれろう材層15としてのろう材箔を介在させた。そして、第2積層体20をその積層方向に0.15N/mmの加圧力で加圧して第2積層体20を仮組した。
次いで、真空ろう付け装置を用いて第2積層体20に対して上記実施例1と同じろう付け条件でろう付けを行い、絶縁基板25を製造した。
こうして得られた絶縁基板25では、配線層11の外周面にその略全面を覆う状態にろう材のはみ出し部2axが固着しており、そのため、配線層11の外周面の機械的強度が高く、また配線層11の外周面からの鱗片状黒鉛粒子の脱落も見られなかった。さらに、絶縁基板25は高い熱伝導性を有していた。
<比較例>
厚さ60μmのアルミニウム箔条材の片面上に炭素粒子層としての高熱伝導性鱗片状黒鉛粒子層を当該層に含まれる鱗片状黒鉛粒子の塗工量が9g/mになるように塗工しそして乾燥した。これにより、塗工アルミニウム箔条材を得た。なお、鱗片状黒鉛粒子の平均粒子径は200μm、その偏平率は10であった。
次いで、塗工アルミニウム箔条材を縦25mm×横25mmの正方形状に切断することで、塗工アルミニウム箔を複数得た。そして、これを20枚積層して積層体を形成した。
次いで、ホットプレス装置を用いて積層体を、加熱温度600℃、その保持時間60min及び加圧力1MPaの条件で加熱及び加圧して焼結することで複合材を製造した。
こうして得られた複合材では、複合材の外周面の接合が不完全であり、そのため、複合材の外周面の機械的強度が弱く、また複合材の外周面から鱗片状黒鉛粒子の脱落が見られた。
本発明は、アルミニウムと炭素粒子との複合材、その製造方法、絶縁基板及びその製造方法に利用可能である。
1:アルミニウム層(アルミニウム箔)
1A:アルミニウム箔条材
2:ろう材−炭素粒子含有層
2a:ろう材層
2b:炭素粒子層
2c:ろう材粒子−炭素粒子混合層
3:ブレージングシート
3A:ブレージングシート条材
4:塗工ブレージングシート
4A:塗工ブレージングシート条材
5:炭素粒子
8:塗工アルミニウム箔
8A:塗工アルミニウム箔条材
10:第1積層体
11:配線層
12:絶縁層
20:第2積層体
25:絶縁基板
30:加圧手段

Claims (13)

  1. アルミニウム層と、アルミニウム系ろう材及び炭素粒子を含有するろう材−炭素粒子含有層とが交互に複数積層された状態の積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱することにより、前記複数のアルミニウム層と前記複数のろう材−炭素粒子含有層とをろう付け一体化するろう付け工程と、を備え、
    前記ろう付け工程では、前記ろう材−炭素粒子含有層中の前記ろう材の溶融物の一部が前記積層体の外周面側にはみ出るように前記積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱する、アルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
  2. 前記ろう材−炭素粒子含有層は、前記ろう材を主に含有するろう材層と、前記炭素粒子を主に含有する炭素粒子層とに分かれており、
    前記積層工程では、前記アルミニウム層を心材、前記ろう材層を皮材とするブレージングシート上に前記炭素粒子層を塗工することにより、塗工ブレージングシートを形成し、その後、前記塗工ブレージングシートを複数積層して前記積層材を形成する請求項1記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
  3. 前記炭素粒子層に含まれる前記炭素粒子の塗工量が40g/m以下になるように前記炭素粒子層を塗工する請求項2記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
  4. 複合材に対する前記炭素粒子の体積含有率が2体積%以上70体積%以下になるように前記炭素粒子層を塗工する請求項2又は3記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
  5. 前記積層工程では、前記アルミニウム層を形成するアルミニウム箔上に、ろう材粒子及び炭素粒子を混合状態に含有するろう材粒子−炭素粒子混合層を前記ろう材−炭素粒子含有層として塗工することにより、塗工アルミニウム箔を形成し、その後、前記塗工アルミニウム箔を複数積層して前記積層体を形成する請求項1記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
  6. 前記混合層に含まれる前記炭素粒子の塗工量が40g/m以下になるように前記混合層を塗工する請求項5記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
  7. 複合材に対する前記炭素粒子の体積含有率が2体積%以上70体積%以下になるように前記混合層を塗工する請求項5又は6記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
  8. 前記ろう材は、Mg、Bi及びSrからなる群より選択される少なくとも一つの元素が添加されたAl−Si系ろう材である請求項1〜7のいずれかに記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のアルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法により得られた、アルミニウムと炭素粒子との複合材。
  10. アルミニウム層と、アルミニウム系ろう材及び炭素粒子を含有するろう材−炭素粒子含有層とが交互に複数積層された状態の積層体からなり、
    前記複数のアルミニウム層と前記複数のろう材−炭素粒子含有層とがろう付け一体化されるとともに、前記積層体の外周面側にはみ出た前記ろう材のはみ出し部が前記積層体の外周面に固着されている、アルミニウムと炭素粒子との複合材。
  11. アルミニウム層と、アルミニウム系ろう材及び炭素粒子を含有するろう材−炭素粒子含有層とが交互に複数積層された状態の配線層形成用第1積層体を形成するとともに、前記第1積層体と、絶縁層を少なくとも含む他の部材とを、前記第1積層体と前記絶縁層との間にろう材層を介在させて積層して第2積層体を形成する積層工程と、
    前記第2積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱することにより、前記複数のアルミニウム層と前記複数のろう材−炭素粒子含有層と前記絶縁層とを一括してろう付け一体化し、これにより配線層を絶縁層に接合するろう付け工程と、を備え、
    前記ろう付け工程では、前記ろう材−炭素粒子含有層中の前記ろう材の溶融物の一部が前記第1積層体の外周面側にはみ出るように前記第2積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱する、絶縁基板の製造方法。
  12. 請求項11記載の絶縁基板の製造方法により得られた絶縁基板。
  13. 配線層を備えた絶縁基板であって、
    前記配線層は、アルミニウム層と、アルミニウム系ろう材及び炭素粒子を含有するろう材−炭素粒子含有層とが交互に複数積層された状態の積層体からなり、
    前記複数のアルミニウム層と前記複数のろう材−炭素粒子含有層とがろう付け一体化されるとともに、前記配線層の外周面側にはみ出た前記ろう材のはみ出し部が前記配線層の外周面に固着されている、絶縁基板。
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