JP6381975B2 - 短絡素子 - Google Patents

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Description

本発明は、開放状態の電源ラインや信号ラインを電気信号により物理的且つ電気的に短絡させる短絡素子に関する。
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
この種の保護素子には、バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行うものがある。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加されて瞬間的な大電流が流れた場合、あるいはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大な異常電圧を出力したり、バッテリセルの各々の電圧ばらつきが大きくなったりした場合であっても、バッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態においても、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有するヒューズ素子からなる保護素子が用いられている。
リチウムイオン二次電池等向けの保護回路の保護素子としては、特許文献1に記載されているように、電流経路上の第1の電極,発熱体引出電極,第2の電極間に亘って可溶導体を接続して電流経路の一部をなし、この電流経路上の可溶導体を、過電流による自己発熱、あるいは保護素子内部に設けた発熱体によって溶断するものがある。このような保護素子では、溶融した液体状の可溶導体を発熱体に繋がる導体層上に集めることにより第1、第2の電極間を分離し電流経路を遮断する。
特開2010−003665号公報 特開2004−185960号公報 特開2012−003878号公報
ところで、近年、バッテリとモーターを使用したHEV(Hybrid Electric Vehicle)やEV(Electric Vehicle)が急速に普及している。HEVやEVの動力源としては、エネルギー密度と出力特性からリチウムイオン二次電池が使用されるようになってきている。自動車用途では、高電圧、大電流が必要とされる。このため、高電圧、大電流に耐えられる専用セルが開発されているが、製造コスト上の問題から多くの場合、複数のバッテリセルを直列、並列に接続することで、汎用セルを用いて必要な電圧電流を確保している。
ここで、高速移動中の自動車等では、急激な駆動力の低下や急停止は却って危険な場合があり、非常時を想定したバッテリ管理が求められている。例えば、走行中にバッテリシステムの異常が起きた際にも、修理工場もしくは安全な場所まで移動するための駆動力、あるいはハザードランプやエアコン用の駆動力を供給できることが、危険回避上、好ましい。
しかし、特許文献1のような複数のバッテリセルが直列に接続されたバッテリパックにおいては、充放電経路上にのみ保護素子を設けたような場合、バッテリセルの一部に異常が発生し保護素子を作動させると、バッテリパック全体の充放電経路が遮断されてしまい、これ以上、電力を供給することができない。
そこで、複数セルで構成されたバッテリパック内の異常なバッテリセルのみを排除し、正常なバッテリセルを有効に活用するために、異常なバッテリセルのみをバイパスするバイパス経路を形成することができる短絡素子が提案されている。
図45に短絡素子の一構成例を示し、図46に短絡素子を適用したバッテリ回路の回路図を示す。この短絡素子100は、図45及び図46に示すように、充放電経路上においてバッテリセル101と並列に接続され、正常時には開放されている第1、第2の短絡電極102,103と、溶融することにより第1、第2の短絡電極102,103間を短絡させる2つの可溶導体104a,104bと、可溶導体104aと直列に接続され、可溶導体104a,104bを溶融させる発熱体105を有する。
短絡素子100は、セラミック基板等の絶縁基板110上に、発熱体105及び発熱体105の一端と接続された外部接続電極111が形成されている。また、短絡素子100は、発熱体105上に、ガラス等の絶縁層112を介して、発熱体105の他端と接続された発熱体電極113、第1、第2の短絡電極102,103、及び第1、第2の短絡電極102,103とともに可溶導体104a,104bを支持する第1、第2の支持電極114,115が形成されている。
第1の支持電極114は、絶縁層112上に露出されている発熱体電極113と接続され、また、第1の短絡電極102と隣接されている。第1の支持電極114は、第1の短絡電極102とともに一方の可溶導体104aの両側を支持している。同様に、第2の支持電極115は、第2の短絡電極103と隣接され、第2の短絡電極103とともに他方の可溶導体104bの両側を支持している。
短絡素子100は、外部接続電極111から、発熱体105、発熱体電極113、可溶導体104aを経て、第1の短絡電極102に至る、発熱体105への給電経路が構成される。
発熱体105は、この給電経路を介して電流が流れることにより自己発熱し、この熱(ジュール熱)によって可溶導体104a,104bを溶融させる。図46に示すように、発熱体105は、外部接続電極111を介してFET等の電流制御素子106と接続されている。電流制御素子106は、バッテリセル101の正常時には発熱体105への給電を規制し、異常時に充放電経路を介して発熱体105へ電流が流れるように制御する。
短絡素子100が用いられたバッテリ回路は、バッテリセル101に異常電圧等が検出されると、保護素子107によって当該バッテリセル101を充放電経路上から遮断するとともに、電流制御素子106を作動させ、発熱体105へ電流を流す。これにより、発熱体105の熱により可溶導体104a,104bが溶融する。可溶導体104a,104bは、相対的に広面積の第1、第2の短絡電極102,103側に偏倚した後溶融し、溶融導体が二つの短絡電極102,103間に亘って凝集、結合する。したがって、短絡電極102,103は可溶導体104a,104bの溶融導体によって短絡され、これにより、バッテリセル101をバイパスする電流経路を形成することができる。
また、短絡素子100は、可溶導体104aが第1の短絡電極102側に移動するとともに溶融することにより、第1の支持電極114と第1の短絡電極102間が開放され、これにより発熱体105への給電経路が遮断されるため、発熱体105の発熱が停止する。
ここで、この種の短絡素子100においては、可溶導体104a,104bの溶融によって短絡電極102,103間を確実に短絡させることが求められる。すなわち、短絡素子100は、可溶導体104a,104bの溶融導体が短絡電極102,103間に亘って凝集することによって短絡電極102,103を短絡させるものであり、より多くの溶融導体を短絡電極102,103上に凝集させることが求められる。
しかし、短絡電極102,103上に多くの溶融導体を凝集させるために、相対的に短絡電極102,103を第1、第2の支持電極114,115よりも広面積とすると、例えば短絡素子100のリフロー実装時等において、可溶導体104a,104bが第1、第2の支持電極114,115から離間し短絡電極102,103上に移動する恐れがある。このため、短絡素子100は、作動前に発熱体105への給電経路が遮断されるとともに、短絡電極102,103間が短絡される初期短絡のリスクがある。
また、初期短絡リスクを低減させるために短絡電極102,103の面積を狭くすると、可溶導体104a,104bの溶融導体が短絡電極102,103間にわたって凝集せず、短絡電極102,103間を短絡させることができないリスクもある。
そのため、バッテリ回路等の各種回路においては、可溶導体の溶融によって確実に短絡電極間を短絡させバイパス電流経路を形成することができる短絡素子が望まれている。
上述した課題を解決するために、本発明に係る短絡素子は、第1の電極と、上記第1の電極と隣接して設けられた第2の電極と、上記第1の電極に支持され、溶融することにより、上記第1、第2の電極間にわたって凝集し、上記第1、第2の電極を短絡させる第1の可溶導体と、上記第1の可溶導体を加熱する発熱体とを備え、上記第1の可溶導体は、上記第2の電極側に突出して支持され、上記第1の可溶導体は、上記第2の電極と離間するとともに重畳されているものである。
本発明によれば、第1の可溶導体は、発熱体が発熱されると発熱体の熱によって溶融し、第2の電極側に突出された溶融導体が第1の電極の周囲に凝集することにより、第1の電極に隣接して配置された第2の電極とも接触し、第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。
図1は、本発明が適用された短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図2は、本発明が適用された短絡素子が作動した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図3は、本発明が適用された短絡素子を示す回路構成図である。 図4は、本発明が適用された短絡素子が作動した状態を示す回路構成図である。 図5は、補助可溶導体を備えた短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図6は、補助可溶導体を備えた短絡素子が作動した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図7は、本発明が適用された他の短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図8は、本発明が適用された他の短絡素子が作動した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図9は、補助可溶導体を備えた他の短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図10は、支持電極を備えた短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図11は、支持電極を備えた他の短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図12(A)は表面実装型の短絡素子の平面図であり、図12(B)は、短絡素子の発熱体等を透過して示す平面図であり、図12(C)は、同図(A)のA−A’断面図である。 図13は、発熱体が発熱中の表面実装型の短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図14は、発熱体の発熱が停止された表面実装型の短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図15は、支持電極を備えた表面実装型の短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図16は、表面実装型の他の短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図17は、支持電極を備えた表面実装型の他の短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図18は、発熱体への給電経路が第1、第2の電極と電気的に独立している短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図19(A)(B)は、発熱体への給電経路が第1、第2の電極と電気的に独立している短絡素子の回路構成を示す図である。 図20は、発熱体への給電経路が第1、第2の電極と電気的に独立している短絡素子が適用された短絡回路の一例を示す図である。 図21は、補助可溶導体を備えた短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図22は、発熱体への給電経路上に第2の可溶導体を備えた短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図23は、第2の可溶導体を備えた短絡素子が作動した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図24は、第2の可溶導体及び補助可溶導体を備えた短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図25は、表面実装型の短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図26は、図25に示す短絡素子において、第1の可溶導体を除いて示す平面図である。 図27は、図25に示す短絡素子において、発熱体が発熱を開始した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図28は、図25に示す短絡素子において、発熱体の発熱が停止された状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図29は、第1、第2の電極間にも絶縁層を設けた短絡素子を示す平面図である。 図30は、カバー部材の天面部に第2の電極を設けた短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図31は、図30に示す短絡素子が作動した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 (A)は発熱体を絶縁基板の裏面側に設けた短絡素子を示す断面図であり、(B)は発熱体を絶縁基板の内部に設けた短絡素子を示す断面図である。 (A)は発熱体を絶縁基板の裏面側に設けた短絡素子を示す断面図であり、(B)は発熱体を絶縁基板の内部に設けた短絡素子を示す断面図である。 (A)は発熱体を絶縁基板の裏面側に設けた短絡素子を示す断面図であり、(B)は発熱体を絶縁基板の内部に設けた短絡素子を示す断面図である。 (A)は発熱体を絶縁基板の裏面側に設けた短絡素子を示す断面図であり、(B)は発熱体を絶縁基板の内部に設けた短絡素子を示す断面図である。 図36は、高融点金属層と低融点金属層を有し、被覆構造を備える可溶導体を示す斜視図であり、(A)は高融点金属層を内層とし低融点金属層で被覆した構造を示し、(B)は低融点金属層を内層とし高融点金属層で被覆した構造を示す。 図37は、高融点金属層と低融点金属層の積層構造を備える可溶導体を示す斜視図であり、(A)は上下2層構造、(B)は内層及び外層の3層構造を示す。 図38は、高融点金属層と低融点金属層の多層構造を備える可溶導体を示す断面図である。 図39は、高融点金属層の表面に線状の開口部が形成され低融点金属層が露出されている可溶導体を示す平面図であり、(A)は長手方向に沿って開口部が形成されたもの、(B)は幅方向に沿って開口部が形成されたものである。 図40は、高融点金属層の表面に円形の開口部が形成され低融点金属層が露出されている可溶導体を示す平面図である。 図41は、高融点金属層に円形の開口部が形成され、内部に低融点金属が充填された可溶導体を示す平面図である。 図42は、高融点金属によって囲まれた低融点金属が露出された可溶導体を示す斜視図である。 図43は、図42に示す可溶導体を用いた短絡素子の動作前の状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図44は、図42に示す可溶導体を用いた短絡素子の動作前の状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図45は、参考例に係る短絡素子を示す平面図である。 図46は、参考例に係る短絡素子を用いたバッテリ回路構成を示す図である。
以下、本発明が適用された短絡素子について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[短絡素子1]
本発明が適用された短絡素子1は、図1(A)(B)に示すように、第1の電極11と、第1の電極11と隣接して設けられた第2の電極12と、第1の電極11に支持され、溶融することにより、第1、第2の電極11,12間にわたって凝集し、第1、第2の電極11,12を短絡させる第1の可溶導体13と、第1の可溶導体13を加熱する発熱体14とを備える。
これら第1、第2の電極11,12や発熱体14は、例えばアルミナ等の絶縁基板上に高融点金属ペーストの印刷・焼成等により、同一平面上に形成される。また、第1、第2の電極11,12や発熱体14は、高融点金属からなる線材や板材等の機構部品を用い、所定の位置に支持すること等によって形成してもよい。
第1、第2の電極11,12は、近接配置されるとともに開放され、短絡素子1が作動することにより、図2(A)(B)に示すように、後述する第1の可溶導体13の溶融導体13aが凝集、結合し、この溶融導体13aを介して短絡されるスイッチ2を構成する。第1、第2の電極11,12は、それぞれ、一端に外部接続端子11a,12aが設けられている。第1、第2の電極11,12は、これら外部接続端子11a,12aを介して電源回路やデジタル信号回路等の外部回路と接続され、短絡素子1が動作することにより、当該外部回路のバイパス電流経路、あるいは機能回路への給電経路となる。
なお、機構部品で構成された第1、第2の電極11,12の一部が支持体によって支持されている場合、当該支持体は、熱伝導率が10W/m・K以下の絶縁材料とすることが好ましい。短絡素子1は、第1、第2の電極11,12の一部を支持する支持体が、例えば熱伝導率が25W/m・Kと高いアルミナセラミックケースに収められている場合、第1、第2の電極11,12の熱が当該支持体を介してアルミナセラミックケースに放熱され、加熱しにくい状況となる。
そこで、熱伝導率が10W/m・K以下の絶縁材料からなる支持体によって第1、第2の電極11,12を支持することにより、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12に伝わった発熱体14の熱が支持体を介して汎用的なアルミナセラミック等の外筐体に放熱されることを防止し、速やかに第1の可溶導体13を加熱、溶融させることができる。なお、支持体の熱伝導率は、外筐体よりも低くすることにより外筐体への放熱を抑制でき、熱伝導率が10W/m・K以下とすることで、汎用的なアルミナセラミックの外筐体への放熱を十分に抑制することができ、さらに支持体材料として最大熱伝導率が2W/m・K以下のプラスチックやガラスを用いることが放熱抑制上好ましい。
第1の可溶導体13は、発熱体14の発熱により速やかに溶融されるいずれの金属を用いることができ、例えば、Sn又はSnを主成分とするPbフリーハンダ等の低融点金属を好適に用いることができる。
また、第1の可溶導体13は、低融点金属と高融点金属とを含有してもよい。低融点金属としては、Sn又はSnを主成分とするPbフリーハンダなどのハンダを用いることが好ましく、高融点金属としては、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金などを用いることが好ましい。高融点金属と低融点金属とを含有することによって、短絡素子1をリフロー実装する場合に、リフロー温度が低融点金属の溶融温度を超えて、低融点金属が溶融しても、低融点金属の外部への流出を抑制し、第1の可溶導体13の形状を維持することができる。また、溶断時も、低融点金属が溶融することにより、高融点金属を溶食(ハンダ食われ)することで、高融点金属の融点以下の温度で速やかに溶断することができる。なお、第1の可溶導体13は、後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。
第1の可溶導体13は、略矩形板状に形成され、第1の電極11上に、接続用ハンダ等の接合材15等を介して接続されている。ここで、本発明に係る短絡素子1は、第1の可溶導体13が、第2の電極12側に突出して支持されている。第1の可溶導体13は、短絡素子1の作動前においては、第2の電極12と離間して支持されている。そして、第1の可溶導体13は、発熱体14が発熱されると発熱体14の熱によって溶融し、溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集することにより、第1の電極11に隣接して配置された第2の電極12とも接触し、第1、第2の電極11,12間を短絡させる。
第1の可溶導体13は、図1(B)に示すように、第2の電極12と離間するとともに重畳されていることが好ましい。これにより、第1の可溶導体13は、発熱体14の熱により溶融すると、張力あるいは重力によって第2の電極12へ接触し、確実に第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。
なお、第1の可溶導体13は、酸化防止、濡れ性の向上等のため、フラックス24(図12等参照)が塗布されている。
[発熱体]
第1の可溶導体13を加熱、溶融させる発熱体14は、通電すると発熱する導電性を有する部材であって、例えばニクロム、W、Mo、Ru等又はこれらを含む材料からなる。発熱体14を絶縁基板上に設ける場合、これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものをスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成する。
[絶縁層]
発熱体14は、絶縁層17を介して第1の可溶導体13を支持する第1の電極11と連続され、絶縁層17を介して第1の電極11を加熱することができる。絶縁層17は、発熱体14の保護及び絶縁を図るとともに、発熱体14の熱を効率よく第1の電極11へ伝えるために設けられ、例えばガラス層からなる。第1の電極11は、発熱体14によって加熱されることにより、第1の可溶導体13を溶融させるとともに、溶融導体13aを凝集しやすくすることができる。
また、発熱体14は、一端が発熱体引出電極18と接続され、他端が発熱体電極19と接続されている。発熱体引出電極18、及び発熱体電極19は、発熱体14を通電させる外部回路との接続電極であり、発熱体14は、外部回路によって発熱体引出電極18と発熱体電極19間にわたる通電が制御される。
短絡素子1は、発熱体引出電極18に第1の可溶導体13の一端を支持させてもよい。このとき、短絡素子1は、図1(A)(B)に示すように、発熱体引出電極18を、第2の電極12の第1の電極11と反対側に設け、第2の電極12上を跨いで第1の可溶導体13が配置される。第1の可溶導体13が第1の電極11と発熱体引出電極18とに支持されることにより、短絡素子1は、第1の電極11及び第1の可溶導体13が発熱体14への通電経路の一部を構成する。したがって、短絡素子1は、第1の可溶導体13が溶融し、第1、第2の電極11,12間が短絡すると、第1の電極11と発熱体引出電極18との間が溶断され、発熱体14への通電経路が遮断されるため、発熱を停止させることができる。なお、発熱体引出電極18は、より多くの溶融導体13aを第1の電極11に凝集させるために、第1の電極11よりも幅狭に形成されることが好ましい。
[回路構成]
短絡素子1は、図3に示す回路構成を有する。すなわち、短絡素子1は、動作前の状態において、第1の電極11と第2の電極12とが近接されるとともに離間されることにより絶縁され、第1の可溶導体13が溶融することにより短絡するスイッチ2を構成する。第1、第2の電極11,12は、短絡素子1が実装される回路基板の電流経路上に直列接続されることにより、電源回路等の各種外部回路28A,28B間に組み込まれる。
また、短絡素子1は、第1の電極11から第1の可溶導体13、発熱体引出電極18を介して発熱体14が連続し、さらに発熱体電極19へ至る給電経路3が形成される。
短絡素子1は、通常においては、発熱体電極19を介して接続されている電流制御素子32によって給電経路3への通電が制御されている。電流制御素子32は、給電経路3の通電を制御するスイッチ素子であり、例えばFETにより構成され、短絡素子1が組み込まれる外部回路の物理的な短絡の要否を検出する検出素子35と接続されている。検出素子35は、短絡素子1が組み込まれた各種外部回路28A,28B間を通電する必要が生じたかを検出する回路であり、例えばバッテリパックの異常電圧時におけるバイパス電流経路の構築、ネットワーク通信機器におけるハッキングやクラッキング対してデータサーバを迂回するバイパス信号経路の構築、あるいはデバイスやソフトウェアのアクティベーション等、第1、第2の電極11,12の短絡により物理的、不可逆的に外部回路28A,28B間の電流経路を短絡させる必要が生じた場合に電流制御素子32を動作させる。
これにより、短絡素子1は、電流制御素子32によって給電経路3が通電され、発熱体14が発熱される。給電経路3を介して発熱体14に電気が通電されると、図2(A)(B)に示すように、第1の可溶導体13が発熱体14によって加熱、溶融され溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集するとともに、隣接配置された第2の電極11とも接触する。これにより、短絡素子1は、絶縁されていた第1、第2の電極11,12が溶融導体13aを介して短絡され、外部回路28A,28Bが接続される。
このとき、短絡素子1は、第1の可溶導体13を、第2の電極12側に突出して支持され、あるいは好ましくは第2の電極12に重畳して支持しているため、第1の可溶導体13が発熱体14の熱により溶融すると、溶融導体13aが第1の電極の周囲に凝集する過程で張力あるいは重力によって第2の電極12へ接触し、確実に第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。
また、短絡素子1は、第1の可溶導体13を、第2の電極12側に突出して支持し、好ましくは第2の電極12に重畳して支持し、さらに好ましくは発熱体引出電極18とともに支持しているため、例えば短絡素子1を外部回路にリフロー実装する場合にも第1の可溶導体13が第2の電極12側に偏倚して短絡されてしまう初期短絡や、溶融導体13aが第1の電極11と第2の電極12間にわたって凝集せずに未短絡となる事態を防止することができる。
また、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間が短絡した後、第1の電極11と発熱体引出電極18との間を接続していた第1の可溶導体13が溶断する。これにより、短絡素子1は、第1の可溶導体13を介して接続されていた第1の電極11と発熱体引出電極18との間が開放され、発熱体14への給電経路3が遮断される。したがって、発熱体14への給電が止まり、発熱体14の発熱が停止される。短絡素子1の動作時の回路構成を図4に示す。
[溶断順序]
ここで、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間が短絡した後に、第1の電極11と発熱体引出電極18との間を接続していた第1の可溶導体13が溶断するように形成されている。第1の可溶導体13を介して接続された第1の電極11と発熱体引出電極18とは、発熱体14への給電経路3を構成するため、第1、第2の電極11,12の短絡より先に第1の電極11と発熱体引出電極18との間が溶断すると、発熱体14への給電が停止され、第1、第2の電極11,12間を短絡させることができない恐れがあるからである。
そこで、短絡素子1は、発熱体14が発熱すると、第1の電極11と発熱体引出電極18との間の遮断よりも先に、第1、第2の電極11,12間が短絡するように形成されている。具体的に、短絡素子1は、発熱体引出電極18が、第1、第2の電極11,12よりも発熱体14と離間した位置に配設されている。これにより、短絡素子1は、発熱体14が発熱すると、第1の電極11が発熱体引出電極18よりも早く熱が伝わる。したがって、第1の電極11によって第2の電極12側に突出して支持されている第1の可溶導体13を溶融させると、速やかに溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集するとともに、溶融導体13aが第1、第2の電極11,12間を短絡させ、その後、発熱体引出電極18を遮断することができる。
[補助可溶導体]
また、短絡素子1は、図5に示すように、第2の電極12に補助可溶導体21を接続させるとともに、発熱体14が絶縁層17を介して第1、第2の電極11,12と連続させてもよい。
第2の電極12にも補助可溶導体21を設けることにより、図6に示すように、短絡素子1は、第1の可溶導体13及び補助可溶導体21の各溶融導体13a,21aによって、第1、第2の電極11,12間にわたって凝集する溶融導体の量を増大させ、確実に短絡させることができる。補助可溶導体21は、第1の可溶導体13と同じ材料を用いて形成することができる。また、補助可溶導体21も、後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。また、補助可溶導体21は、第1の可溶導体13と同様に接合ハンダ等の接合材15によって第2の電極12に接合されている。
なお、補助可溶導体21は、第2の電極12から第1の電極11側に突出して設けられ、第1の電極11と離間しつつ重畳する位置まで突出することが好ましい。また、補助可溶導体21は、第1の可溶導体13とも重畳するように支持することにより、補助可溶導体21の溶融導体21aと第1の可溶導体13の溶融導体13aとが凝集しやすく、第1、第2の電極11,12間の短絡に寄与することができる。
補助可溶導体21が接合された第2の電極12は、第1の電極11と同様に、絶縁層17を介して発熱体14と連続されている。これにより、第2の電極12は、絶縁層17を介して発熱体14の熱が効率よく伝わり、補助可溶導体21を速やかに溶融させることができる。
更に、第2の電極12の中空構造による熱容量低下,材料の低比熱化,材料の高熱伝導率化などにより昇温速度を上げる事により、補助可溶導体21の溶融を早め、第1の電極11と第2の電極12との間の短絡を第1の可溶導体13の溶融よりも早くする事で、確実に第1の電極11と発熱体引出電極18との間の遮断よりも先に、第1、第2の電極11,12間を短絡させる事ができる。
[短絡素子40]
また、本発明が適用された短絡素子は、図7(A)(B)に示すように、発熱体引出電極18を第1の電極11の第2の電極12と反対側に設け、第1の可溶導体13を第2の電極12上に片持ち支持してもよい。なお、短絡素子40の説明において、上述した短絡素子1と同じ部材については、同じ符号を付してその詳細を省略する。
この短絡素子40は、第1の可溶導体13を第2の電極12側に突出して支持し、好ましくは第2の電極12と重畳するように支持することにより、図8(A)(B)に示すように、発熱体14の発熱により溶融すると、張力あるいは重力によって溶融導体13aが第2の電極12へ接触し、確実に第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。
また、短絡素子40においても、第1、第2の電極11,12間が短絡した後に、第1の電極11と発熱体引出電極18との間が遮断するように、発熱体引出電極18を第1、第2の電極11,12よりも発熱体14と離間した位置に配設することが好ましい。
また、短絡素子40においても、図9(A)(B)に示すように、第2の電極12に補助可溶導体21を接続させるとともに、発熱体14が絶縁層17を介して第1、第2の電極11,12と連続させてもよい。この場合も、短絡素子40は、補助可溶導体21を、第2の電極12から第1の電極11側に突出して設け、好ましくは第1の電極11と離間しつつ重畳する位置まで突出される。また、補助可溶導体21は、第1の可溶導体13とも重畳するように支持することにより、補助可溶導体21の溶融導体21aと第1の可溶導体13の溶融導体13aとが凝集しやすく、第1、第2の電極11,12間の短絡に寄与することができる。
なお、上述した短絡素子1,40は、図10、図11に示すように、第1、第2の電極11,12の発熱体引出電極18と反対側に、第1の可溶導体13の他端を支持する支持電極22を設けてもよい。短絡素子1,40は、第1の可溶導体13の両端を発熱体引出電極18及び支持電極22に支持されることにより、リフロー実装時等の高温度環境下においても、第1の可溶導体13を安定して支持することができる。
[表面実装タイプ]
また、本発明が適用された短絡素子は、外部回路基板に表面実装可能に形成することができる。表面実装用に形成された短絡素子1は、図12(A)〜(C)に示すように、絶縁基板10の表面10aに発熱体14と、発熱体引出電極18と、発熱体電極19とが形成され、絶縁層17を介して発熱体14上に第1、第2の電極11,12が積層されている。第1の可溶導体13は、第2の電極12と重畳すると共に、第1の電極11と発熱体引出電極18と接続されている。なお、図12(A)は表面実装型の短絡素子1の平面図であり、図12(B)は、短絡素子1の発熱体14等を透過して示す平面図であり、図12(C)は、同図(A)のA−A´断面図である。
絶縁基板10は、例えば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材を用いて略方形状に形成されている。絶縁基板10は、その他にも、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、第1の可溶導体13の溶断時の温度に留意する必要がある。
発熱体14は、例えばニクロム、W、Mo、Ru等の合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものをスクリーン印刷技術を用いて絶縁基板10の表面10a上にパターン形成して、焼成する等によって形成することができる。また、発熱体引出電極18及び発熱体電極19は、Ag等の高融点金属ペーストをスクリーン印刷技術を用いて絶縁基板10の表面10a上にパターン形成して、焼成する等によって形成することができる。
また、発熱体14は、一端が発熱体引出電極18と接続され、他端が発熱体電極19と接続されている。発熱体引出電極18は、絶縁基板10の表面10aに形成され発熱体14と接続される下層部18aと、下層部18a上に積層され第1の可溶導体13と接続される上層部18bとを有する。発熱体引出電極18の上層部18bは、下層部18aから絶縁層17上にかけて形成され、接合材15を介して第1の可溶導体13が接続されている。発熱体電極19は、絶縁基板10の裏面10bに形成された外部接続端子19aと接続されている。発熱体14は、この外部接続端子19aを介して外部回路と接続される。
発熱体14は、絶縁基板10の表面10a上において絶縁層17に被覆されている。絶縁層17は、発熱体14の保護及び絶縁を図るとともに、発熱体14の熱を効率よく第1、第2の電極11,12へ伝えるために設けられ、例えばガラス層からなる。絶縁層17上には、発熱体14と重畳するように第1、第2の電極11,12が隣接して形成され、発熱体14から離間して発熱体引出電極18が形成されている。第1、第2の電極11,12は、発熱体14によって加熱されることにより、第1の可溶導体13の溶融導体13aを凝集しやすくすることができる。
なお、絶縁層17は、絶縁基板10と発熱体14との間にも形成してもよい。すなわち、短絡素子1は、発熱体14を絶縁基板10の表面10aに形成された絶縁層17の内部に形成してもよい。
第1、第2の電極11,12は、絶縁基板10の表面10aから絶縁層17上にかけて形成される。また、第1、第2の電極11,12は、絶縁基板10の裏面10bに形成された外部接続端子11a,12aと接続されている。短絡素子1は、この外部接続端子11a,12aを介して電源回路等の各種外部回路に組み込まれる。
第1の電極11と発熱体引出電極18との間には、第2の電極12上を跨いで板状に形成された第1の可溶導体13が接続される。第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12に形成されたガラス等の絶縁層23によって、第1、第2の電極11,12と離間して支持されるとともに、第1の電極11及び発熱体引出電極18に設けられた接合ハンダ等の接合材15によって第1の電極11及び発熱体引出電極18に導通可能に支持されている。これにより、短絡素子1は、第1の電極11、第1の可溶導体13、発熱体引出電極18、発熱体14、発熱体電極19に至る発熱体14への給電経路3が形成される。
なお、絶縁層23は、隣接して設けられた第1、第2の電極11,12の対向する一部を除いて形成されている。また、発熱体引出電極18にも絶縁層23が形成され、接続用ハンダ等の接合材15や溶融導体13aの流出を防止している。さらに、第1の可溶導体13は、酸化防止、濡れ性の向上等のため、フラックス24が塗布されている。また、短絡素子1は、絶縁基板10の表面10a上がカバー部材25によって覆われている。
短絡素子1は、発熱体14が発熱すると、図13(A)(B)に示すように、絶縁層17及び第1、第2の電極11,12を介して第1の可溶導体13が加熱され、溶融導体13aが第1、第2の電極11,12間に凝集し、短絡させる。このとき、短絡素子1は、第1の可溶導体13を第2の電極12と重畳するように支持することにより、発熱体14の発熱により溶融すると、張力あるいは重力によって溶融導体13aが第2の電極12へ接触し、確実に第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。なお、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12上に設けた絶縁層23によって溶融導体13aを第1、第2の電極11,12間に留めることで、溶融導体13aが外部接続端子11a,12a側へ流出し、外部回路との接続状態に影響を与える事態を防止することができる。
次いで、図14(A)(B)に示すように、短絡素子1は、第1の可溶導体13が第1の電極11と発熱体引出電極18との間で溶断し、発熱体14への給電経路3が遮断され発熱が停止する。
ここで、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12が発熱体14と重畳し、発熱体引出電極18が発熱体14から離間した位置に設けられているため、発熱体14が発熱すると、第1の電極11と発熱体引出電極18との間の給電経路3の遮断よりも先に、第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。
なお、短絡素子1は、図12に示すように、第1の可溶導体13を第1の電極11の第2の電極12と反対側に延在させてもよい。これにより、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間に凝集する溶融導体13aの量を増大させ、確実に短絡させることができる。
また、短絡素子1は、図15(A)(B)に示すように、第1の電極11の第2の電極12と反対側に延在させた第1の可溶導体13の端部を支持する支持電極22を設けてもよい。短絡素子1は、第1の可溶導体13の両端を発熱体引出電極18及び支持電極22に支持されることにより、リフロー実装時等の高温度環境下においても、第1の可溶導体13を安定して支持することができる。
また、上述した短絡素子40も、同様に表面実装用に形成することができる。この短絡素子40は、図16(A)(B)に示すように、絶縁層17上に発熱体引出電極18が第1の電極11の第2の電極12と反対側に設けられ、第1の可溶導体13が第2の電極12上に延在されている。なお、図16に示す短絡素子40は、図12に示す短絡素子1と第1、第2の電極11,12の位置を除き同様の構成を有する。
また、短絡素子40においても、第1の可溶導体13を第2の電極12の第1の電極11と反対側に延在させてもよい。これにより、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間に凝集する溶融導体13aの量を増大させ、確実に短絡させることができる。また、短絡素子40においても、図17(A)(B)に示すように、第1の電極11の第2の電極12と反対側に延在させた第1の可溶導体13の端部を支持する支持電極22を設けてもよい。
[短絡素子50]
また、本発明が適用された短絡素子は、発熱体14への給電経路3と、第1の可溶導体13によって短絡される第1、第2の電極11,12とが電気的に独立していてもよい。この短絡素子50は、図18(A)(B)に示すように、発熱体14の一端に発熱体引出電極18が接続され、発熱体14の他端に発熱体電極19が形成され、発熱体14への給電経路3を形成するとともに、第1の可溶導体13が発熱体引出電極18と接続されることなく第1の電極11に支持されているものである。なお、短絡素子50の説明において、上述した短絡素子1と同じ部材については同じ符号を付してその詳細を省略する。
短絡素子50は、第1の可溶導体13を支持する第1の電極11が、絶縁層17を介して発熱体14と連続され、発熱体14の熱が効率よく伝わることで、第1の可溶導体13を溶融させることができる。すなわち、短絡素子50は、発熱体14と第1の電極11及び第1の可溶導体13とが電気的に独立し、熱的に接続されたものである。
また、短絡素子50は、給電経路3が発熱体引出電極18に設けられた外部接続端子18aを介して外部回路に形成された電源と接続される。
そして、短絡素子50は、第1の可溶導体13が第1の電極11によって第2の電極12側に突出して支持され、発熱体14からの加熱により第1の可溶導体13を溶融させると、溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集することにより第2の電極12に接触し、これにより第1、第2の電極11,12間を短絡させる。
短絡素子50は、外部回路に組み込まれる第1、第2の電極11,12間にわたる電流経路と、第1の可溶導体13を溶断させる発熱体14への給電経路3とが、電気的に独立しているため、外部回路の種類によらず、給電経路3の電源電圧を高く設定でき、低定格電流の発熱体14を用いても、第1の可溶導体13を溶融させるのに十分な発熱量を得る電力を供給することができる。したがって、短絡素子50によれば、第1、第2の電極11,12を介して短絡させる外部回路として、電源回路の他、微弱な電流を流すデジタル信号回路にも適用することができる。
また、短絡素子50によれば、外部回路に組み込まれる第1、第2の電極11,12間にわたる電流経路と電気的に独立して発熱体14への給電経路3を形成しているため、発熱体14への給電を制御する電流制御素子32を、外部回路の電流定格に関わらず、発熱体14の定格に応じて選択することができ、低定格電流の発熱体14(例えば1A)を制御する電流制御素子32を用いることで、より安価に製造することができる。
[回路構成]
次いで、短絡素子50の回路構成について説明する。図19(A)に短絡素子50の回路図を示す。図20に、短絡素子50が適用された短絡回路60の一例を示す。
短絡素子50は、第1の電極11及び第2の電極12が、初期状態において互いに開放されるとともに、第1の可溶導体13が溶融することにより短絡するスイッチ2を構成し、当該スイッチ2によって第1の電極11と第2の電極12とが接続される第1の回路51を有する。第1の回路51は、短絡素子50が組み込まれる電源回路やデジタル信号回路等の各種外部回路28A,28B間に直列接続される。
また、短絡素子50は、発熱体引出電極18、発熱体14、及び発熱体電極19が、初期状態において発熱体14への給電経路3を構成する。給電経路3は、第1の回路51と電気的に独立し、発熱体14の熱によって第1の可溶導体13を溶融させることから、第1の回路51と熱的に接続されている。発熱体14は、一端が発熱体引出電極18を介して、給電を制御する電流制御素子32に接続されている。また、発熱体14は、他端が、発熱体電極19を介して発熱体14に給電する外部電源53と接続されている。
電流制御素子32は、給電経路3への給電を制御するスイッチ素子であり、例えばFETにより構成され、第1の回路51の物理的な短絡の要否を検出する検出素子35と接続されている。検出素子35は、短絡素子50の第1の回路51が組み込まれた各種外部回路28A,28B間を通電する必要が生じたかを検出する回路であり、例えばバッテリパックの異常電圧時におけるバイパス電流経路の構築、ネットワーク通信機器におけるハッキングやクラッキングに対してデータサーバを迂回するバイパス信号経路の構築、あるいはデバイスやソフトウェアのアクティベーション等、第1の回路51の短絡により物理的、不可逆的に外部回路28A,28B間の電流経路を短絡させる必要が生じた場合に電流制御素子32を動作させる。
これにより、給電経路3に外部電源53の電力が供給され、発熱体14が発熱することにより、第1の可溶導体13が溶融され、溶融導体13aが第1、第2の電極11,12間にわたって凝集する。これにより、溶融導体13aを介して第1の電極11と第2の電極12とが短絡され、外部回路28A,28Bが接続される。
このとき、短絡素子50は、発熱体14への給電経路3が、第1の回路51と電気的に独立して形成されているため、第1、第2の電極11,12が短絡するまで発熱体14に給電させることができる。
[補助可溶導体]
また、短絡素子50は、図21に示すように、第2の電極12に補助可溶導体21を接続させるとともに、発熱体14が絶縁層17を介して第1、第2の電極11,12と連続させてもよい。これにより、短絡素子50は、第1の可溶導体13及び補助可溶導体21の各溶融導体13a,21aによって、第1、第2の電極11,12間にわたって凝集する溶融導体の量を増大させ、確実に短絡させることができる。
なお、短絡素子50においても、補助可溶導体21は、第2の電極12から第1の電極11側に突出して設けられ、第1の電極11と離間しつつ重畳する位置まで突出することが好ましい。また、補助可溶導体21は、第1の可溶導体13とも重畳するように支持することにより、補助可溶導体21の溶融導体21aと第1の可溶導体13の溶融導体13aとが凝集しやすく、第1、第2の電極11,12間の短絡に寄与することができる。
[短絡素子70]
また、本発明が適用された短絡素子は、図22に示すように、発熱体14への給電経路3上に第2の可溶導体72を介在させてもよい。この短絡素子70は、発熱体引出電極18と隣接して設けられた発熱体給電電極71と、発熱体引出電極18及び発熱体給電電極71間に亘って搭載された第2の可溶導体72とを有する。なお、短絡素子70において、上述した短絡素子1と同じ部材については同じ符号を付してその詳細を省略する。図19(B)に短絡素子70の回路図を示す。
発熱体給電電極71は、発熱体引出電極18と隣接して設けられるとともに、第2の可溶導体72を介して発熱体引出電極18と接続され、これにより発熱体14への給電経路3を構成する。また、発熱体給電電極71は、外部回路との接続端子となる外部接続端子71aと接続されている。発熱体給電電極71は、発熱体引出電極18と同じ材料を用いて発熱体引出電極18の形成時に同時に形成することができる。
第2の可溶導体72は、隣接して設けられている発熱体引出電極18と発熱体給電電極71との間にわたって搭載され、短絡素子70の作動前においては発熱体14への給電経路3の一部を構成する。第2の可溶導体72は、第1の可溶導体13と同じ材料を用いて形成することができる。また、第2の可溶導体72も、後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。
図23に示すように、短絡素子70は、給電経路3に第2の可溶導体72を設けることにより、発熱体14が発熱すると第2の可溶導体72が溶断し、溶融導体72aが発熱体引出電極18と発熱体給電電極71とに分かれて凝集することにより、給電経路3を遮断して発熱体14の発熱を自動的に停止することができる。このとき、短絡素子70は、第2の可溶導体72が第1の可溶導体13よりも先に溶断しないように形成されている。
[溶断順序]
すなわち、短絡素子70は、第2の可溶導体72を介して接続された発熱体給電電極71と発熱体引出電極18とが、発熱体14への給電経路3を構成するため、第1、第2の電極11,12の短絡より先に発熱体給電電極71と発熱体引出電極18との間が溶断すると、発熱体14への給電が停止され、第1、第2の電極11,12間を短絡させることができない恐れがあるからである。
そこで、短絡素子70は、発熱体14が発熱すると、発熱体給電電極71と発熱体引出電極18との間の遮断よりも先に、第1、第2の電極11,12間が短絡するように形成されている。具体的に、短絡素子70は、第1の可溶導体13が、第2の可溶導体72よりも発熱体14に近接した位置に配設されている。これにより、短絡素子70は、発熱体14が発熱すると、第2の可溶導体72よりも早く第1の可溶導体13に熱が伝わる。したがって、発熱体14が発熱されると、速やかに第1の可溶導体13が溶融し、溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集するとともに、溶融導体13aが第1、第2の電極11,12間を短絡させ、その後、第2の可溶導体72が溶融し発熱体14への給電経路3を遮断することができる。したがって、短絡素子70は、第1、第2の電極11,12間が短絡するまで、確実に発熱体14に給電し続けることができる。
また、短絡素子70は、発熱体給電電極71と第1の電極11を電気的に接続する事で、短絡素子1と同様の回路構成とするとともに、第1の可溶導体13を第1、第2の電極11,12間の短絡用に、第2の可溶導体72を発熱体14の遮断用にと機能を分離する事で、短絡素子1の回路に於いて更に短絡と遮断の序列を確実にする事ができる。
また、第1、第2の可溶導体13,72は、断面積が狭いほど早く溶断することから、第1の可溶導体13の断面積を第2の可溶導体72の断面積よりも狭く形成することにより、発熱体給電電極71と発熱体引出電極18との間の遮断よりも先に、第1、第2の電極11,12間が短絡するようにしてもよい。
また、第1、第2の可溶導体13,72の材料を変えることで、相対的に第2の可溶導体72の融点を第1の可溶導体13の融点よりも高くし、発熱体給電電極71と発熱体引出電極18との間の遮断よりも先に、第1、第2の電極11,12間が短絡するようにしてもよい。例えば、第1、第2の可溶導体13,72を低融点金属と高融点金属の積層構造としたときに、第1の可溶導体13では低融点金属の比率を高くして、第2の可溶導体では高融点金属の比率を高くする等により、融点差を設けることができる。
[補助可溶導体]
また、短絡素子70は、図24に示すように、第2の電極12に補助可溶導体21を接続させるとともに、発熱体14が絶縁層17を介して第1、第2の電極11,12と連続させてもよい。これにより、短絡素子70は、第1の可溶導体13及び補助可溶導体21の各溶融導体13a,21aによって、第1、第2の電極11,12間にわたって凝集する溶融導体の量を増大させ、確実に短絡させることができる。
なお、短絡素子70においても、補助可溶導体21は、第2の電極12から第1の電極11側に突出して設けられ、第1の電極11と離間しつつ重畳する位置まで突出することが好ましい。また、補助可溶導体21は、第1の可溶導体13とも重畳するように支持することにより、補助可溶導体21の溶融導体21aと第1の可溶導体13の溶融導体13aとが凝集しやすく、第1、第2の電極11,12間の短絡に寄与することができる。
また、上述した短絡素子50,70は、第1の電極11の第2の電極12と反対側に発熱体引出電極18を設けてもよく、第2の電極12の第1の電極11と反対側に発熱体引出電極18を設けてもよい。また、いずれの場合にも、第1の可溶導体13は、第1の電極11に片持ち支持され、第2の電極12側に突出し、好ましくは重畳される。さらに、いずれの場合にも、第1の可溶導体13は、第2の電極12上を超えて延在させてもよい。また、いずれの場合にも、第1の可溶導体13の端部を支持する支持電極を設けてもよい。
[短絡素子80]
また、本発明が適用された短絡素子は、表面実装用に形成するとともに、第1、第2の電極11,12による第1の可溶導体13の支持面積を広げ、第1の可溶導体13の変形を防止するとともに初期短絡を防止するようにしてもよい。
この短絡素子80は、図25、図26に示すように、発熱体14が設けられた絶縁基板10と、発熱体14を被覆するとともに、第1、第2の電極11,12が積層された第1の絶縁層81と、第1、第2の電極11,12上に、第1、第2の電極11,12の対向する各先端部を露出させて積層された第2の絶縁層82と、第1、第2の電極11,12と隣接し、発熱体14と電気的に接続された発熱体引出電極18とを備える。なお、図26は、短絡素子80の第1の可溶導体13を除いて示す平面図である。また、短絡素子80において、上述した短絡素子1と同じ部材については同じ符号を付してその詳細を省略する。
短絡素子80は、絶縁基板10の表面10aに発熱体14と、発熱体引出電極18と、発熱体電極19とが形成され、第1の絶縁層81を介して発熱体14上に第1、第2の電極11,12が積層されている。第1の絶縁層81は、発熱体14の保護及び絶縁を図るとともに、発熱体14の熱を効率よく第1、第2の電極11,12へ伝えるために設けられ、例えばガラス層からなる。第1の絶縁層81上には、発熱体14と重畳するように第1、第2の電極11,12が隣接して形成され、発熱体14から離間して発熱体引出電極18が形成されている。第1、第2の電極11,12は、発熱体14によって加熱されることにより、第1の可溶導体13の溶融導体13aを凝集しやすくすることができる。発熱体引出電極18は、絶縁基板10の表面10aに形成され発熱体14と接続される下層部18aと、下層部18aに接続されるとともに第1の絶縁層81上に積層され、第1の可溶導体13と接続される上層部18bとを有する。
短絡素子80における第1、第2の電極11,12は、矩形状に形成された絶縁基板10の長さ方向に亘って広範に形成されるとともに、絶縁基板10の幅方向の両側縁から中央部にかけて形成され、所定の間隔を隔てて対向されている。また、第1、第2の電極11,12は、対向する各先端部を除き第2の絶縁層82が積層されている。これにより、第1、第2の電極11,12は、対向する各先端部が露出されている。
短絡素子80は、第1、第2の電極11,12の短絡長が長く形成されることにより、短絡の確実性を上げるとともに、第1、第2の電極11,12の短絡後の短絡抵抗を下げて高定格電流に対応することができる。
第1の可溶導体13は、一端を接合用ハンダ等の接合材15を介して発熱体引出電極18に接続され、他端を接合用ハンダ等の接合材15を介して第1の絶縁層81上に形成された支持電極83に接続されている。また、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12に設けられた第2の絶縁層82上に支持されるとともに、接合用ハンダ等の接合材15によって第1の電極11に電気的に接続されている。すなわち、短絡素子80は、第1の絶縁層81上に広範に第1、第2の電極11,12が積層されるとともに、これら第1、第2の電極11,12の各先端部を除いて第2の絶縁層82が積層されていることから、第2の絶縁層82によって第1の可溶導体13の中央部から側縁部にかけて広範に支持することができる。
したがって、短絡素子80によれば、リフロー実装時等において第1の可溶導体13が湾曲することを防止し、第1の可溶導体13の変形によって第1、第2の電極11,12間が短絡される初期短絡を防止することができる。
短絡素子80は、発熱体14に通電され、発熱が開始されると、図27に示すように、第1の絶縁層81、第1、第2の電極11,12、及び第2の絶縁層82を介して発熱体14の熱が第1の可溶導体13へ伝わり、溶融を開始する。このとき、短絡素子80は、第1の絶縁層81上に広範に第1、第2の電極11,12が積層されることにより発熱体14と重畳されている。また、短絡素子80は、第1、第2の電極11,12上に第2の絶縁層82が広範に積層され、この第2の絶縁層82を介して第1の可溶導体13を支持していることから、発熱体14の熱を効率よく第1の可溶導体13に伝達することができ、発熱後、速やかに第1、第2の電極11,12上において第1の可溶導体13を溶融させ、第1、第2の電極11,12を短絡させることができる。
また、短絡素子80は、第1、第2の電極11,12を発熱体14と重畳させるとともに、発熱体引出電極18を発熱体14と離間した位置に配設することにより、第1、第2の電極11,12の短絡よりも先に発熱体引出電極18と第1の電極11とが溶断し発熱体14への給電が停止される事態を防止することができる。
短絡素子80は、第1、第2の電極11,12が短絡した後、図28に示すように、発熱体引出電極18と第1の電極11とが溶断し、発熱体14への給電経路3が遮断される。
[全周支持]
また、短絡素子80は、第2の絶縁層82を第1、第2の電極11,12上から第1、第2の電極11,12間にわたっても積層し、第1の可溶導体13の中央部の撓みを確実に防止するようにしてもよい。例えば図29に示すように、第2の絶縁層82は、第2の絶縁層82を第1、第2の電極11,12の各長手方向に積層するとともに、長手方向の両端部において幅方向に形成することにより第1、第2の電極11,12間にも積層し、これにより第1、第2の電極の相対向する各先端部を露出させる開口を有する。第1の可溶導体13は、第2の絶縁層82の開口を覆うように搭載される。したがって、第1の可溶導体13は、全周にわたって支持され長手方向及び幅方向の撓みを防止することができる。
したがって、図29に示す短絡素子80によれば、リフロー実装時等において第1の可溶導体13が湾曲することを確実に防止し、第1の可溶導体13の変形によって第1、第2の電極11,12間が短絡される初期短絡を防止することができる。
[短絡素子90]
また、本発明が適用された短絡素子は、表面実装用に形成するとともに、第2の電極12をカバー部材に設けてもよい。
この短絡素子90は、図30に示すように、絶縁基板10の表面上を覆うカバー部材25を備え、第2の電極12が、カバー部材25の天面部25bに第1の電極11と対向して形成されているものである。なお、短絡素子90において、上述した短絡素子1と同じ部材については同じ符号を付してその詳細を省略する。
カバー部材25は、絶縁基板10の表面10aの外縁部に接続される側壁部25aと、天面部25bとを有し、各種エンジニアリングプラスチックや絶縁基板10と同様の材料を用いて形成することができる。カバー部材25は、カバー部材25の一側縁部25aから天面部25bにかけて、第2の電極12が形成されている。
短絡素子90に係る第2の電極12は、カバー部材25が絶縁基板10に搭載されることにより、絶縁基板10の表面10aに形成された外部接続電極26と接続される。外部接続電極26は、絶縁基板10の裏面10bに形成された外部接続端子26aと接続されている。短絡素子90は、この外部接続端子26aを介して電源回路等の各種外部回路に組み込まれる。
また、第2の電極12は、絶縁層17上に積層された第1の電極11と対向されるとともに、第1の電極11との間に第1の可溶導体13が配設されている。
このような短絡素子90は、発熱体14が発熱すると、図31に示すように、絶縁層17及び第1の電極11を介して第1の可溶導体13に熱が伝わり、溶融する。溶融導体13aは、第1の電極11上に凝集するとともに、天面部25bに第1の電極11と対向配置された第2の電極12上にも凝集する。これにより、短絡素子90は、溶融導体13aを介して第1、第2の電極11,12を短絡させることができる。短絡素子90は、第1、第2の電極11,12が短絡した後、発熱体引出電極18と第1の電極11とが溶断し、発熱体14への給電経路3が遮断される。
[その他の構成]
なお、上述した各短絡素子1,40,50,70,80,90において、板状に形成された第1の可溶導体13は、第1の電極11との接続面積の2倍以上の面積を有することが好ましい。これにより、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12間を短絡させるのに十分な溶融導体の量を確保するとともに、端部を発熱体引出電極18や支持電極22に支持されている場合にも、速やかに溶断することができる。
また、上述した各短絡素子1,40,50,70,80,90において、第1の可溶導体13を線材によって形成してもよく、この場合、第1の可溶導体13は、第1の電極11との接続長さの2倍以上の長さを有することが好ましい。これにより、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12間を短絡させるのに十分な溶融導体の量を確保するとともに、端部を発熱体引出電極18や支持電極22に支持されている場合にも、速やかに溶断することができる。
さらに、上述した各短絡素子1,40,50,70,80,90において、第1、第2の電極11,12の間隔は、第1、第2の電極間隔の延長線上における第1の電極11の幅以下とすることが好ましい。例えば、図1に示すように、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12の間隔W1は、第1、第2の電極間隔の延長線上における第1の電極11の幅W2以下とすることが好ましい。これにより、第1、第2の電極11,12がより近接した位置に配置されることとなり、より確実に、第1の可溶導体13の溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集する際に第2の電極12にも接触し、第1、第2の電極11,12間にわたって溶融導体13aを凝集させることができる。
[コーティング処理]
また、上述した各短絡素子1,40,50,70,80,90の第1、第2の電極11,12、発熱体引出電極18、支持電極22及び発熱体給電電極71は、CuやAg等の一般的な電極材料を用いて形成することができ、表面上には、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の被膜が、メッキ処理等の公知の手法によりコーティングされていることが好ましい。これにより、各短絡素子1,40,50,70,80,90は、第1、第2の電極11,12、発熱体引出電極18、支持電極22及び発熱体給電電極71の酸化を防止し、第1、第2の可溶導体13,72を確実に保持させることができる。また、短絡素子1,40,50,70,80,90をリフロー実装する場合に、第1、第2の可溶導体13,72を接続する接続用ハンダ等の接合材15あるいは第1、第2の可溶導体13,72の外層を形成する低融点金属が溶融することにより第1、第2の電極11,12、発熱体引出電極18、支持電極22及び発熱体給電電極71が溶食(ハンダ食われ)されるのを防ぐことができる。
[発熱体の位置]
また、表面実装型の短絡素子1,40,80,90は、絶縁基板10の表面10aに発熱体14を形成する他、図32(A)、図33(A)、図34(A)、図35(A)に示すように、絶縁基板10の裏面10bに設けてもよい。この場合、発熱体14は、絶縁基板10の裏面10bにおいて絶縁層17に被覆されている。また、発熱体14への給電経路3を構成する発熱体電極19も同様に絶縁基板10の裏面10bに形成される。発熱体引出電極18は、発熱体14と接続される下層部18aが絶縁基板10裏面10bに形成され、第1の可溶導体13が搭載される上層部18bが絶縁基板10の表面10aに形成され、下層部18aと上層部18bとが、導電スルーホールを介して連続される。
また、発熱体14は、絶縁基板10の裏面10bにおいて、第1、第2の電極11,12と重畳する位置に形成されることが好ましい。また、発熱体引出電極18は、第1、第2の電極11,12よりも、発熱体14と離間した位置に設けられることが好ましい。
また、図32(B)、図33(B)、図34(B)、図35(B)に示すように、短絡素子1,40,80,90は、発熱体14を絶縁基板10の内部に形成してもよい。この場合、発熱体14を被覆する絶縁層17は設ける必要がない。また、発熱体14の一端が接続された発熱体電極19は、発熱体14と接続する一端部が絶縁基板10の内部まで形成され、導電スルーホールを介して絶縁基板10の裏面10bに設けられた外部接続端子19aと接続される。発熱体引出電極18は、発熱体14と接続される下層部18aが絶縁基板10の内部まで形成され、第1の可溶導体13が搭載される上層部18bと、導電スルーホールを介して連続される。
また、発熱体14は、絶縁基板10の内部において、第1、第2の電極11,12と重畳する位置に形成されることが好ましい。また、発熱体引出電極18は、第1、第2の電極11,12よりも、発熱体17と離間した位置に設けられることが好ましい。
短絡素子1,40,80,90は、発熱体14が絶縁基板10の裏面10bや絶縁基板10の内部に形成されることにより、絶縁基板10の表面10aが平坦化され、これにより、第1、第2の電極11,12及び発熱体引出電極18を表面10a上に形成することができる。したがって、短絡素子1,40,80,90は、第1、第2の電極11,12及び発熱体引出電極18の製造工程を簡略化することができるとともに、低背化を図ることができる。
また、短絡素子1,40,80,90は、発熱体14を絶縁基板10の裏面10bや絶縁基板10の内部に形成した場合にも、絶縁基板10の材料としてファインセラミック等の熱伝導性に優れた材料を用いることにより、発熱体14によって、絶縁基板10の表面10a上に積層した場合と同等に第1の可溶導体13を加熱、溶断することができる。
[可溶導体の構成]
上述したように、第1、第2の可溶導体13,72及び補助可溶導体21は、低融点金属と高融点金属とを含有してもよい。なお、以下の説明においては、特に区別する必要がある場合を除き、第1、第2の可溶導体13,72及び補助可溶導体21をまとめて「可溶導体13,72,21」という。低融点金属としては、Snを主成分とするPbフリーハンダなどのハンダを用いることが好ましく、高融点金属としては、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金などを用いることが好ましい。このとき、可溶導体13,72,21は、図36(A)に示すように、内層として高融点金属層91が設けられ、外層として低融点金属層92が設けられた可溶導体を用いてもよい。この場合、可溶導体13,72,21は、高融点金属層91の全面が低融点金属層92によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。高融点金属層91や低融点金属層92による被覆構造は、メッキ等の公知の成膜技術を用いて形成することができる。
また、図36(B)に示すように、可溶導体13,72,21は、内層として低融点金属層92が設けられ、外層として高融点金属層91が設けられた可溶導体を用いてもよい。この場合も、可溶導体13,72,21は、低融点金属層92の全面が高融点金属層91によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。
また、可溶導体13,72,21は、図37に示すように、高融点金属層91と低融点金属層92とが積層された積層構造としてもよい。
この場合、可溶導体13,72,21は、図37(A)に示すように、第1、第2の電極11,12や発熱体引出電極18、支持電極22等に接続される下層と、下層の上に積層される上層からなる2層構造として形成され、下層となる高融点金属層91の上面に上層となる低融点金属層92を積層してもよく、反対に下層となる低融点金属層92の上面に上層となる高融点金属層91を積層してもよい。あるいは、可溶導体13,72,21は、図37(B)に示すように、内層と内層の上下面に積層される外層とからなる3層構造として形成してもよく、内層となる高融点金属層91の上下面に外層となる低融点金属層92を積層してもよく、反対に内層となる低融点金属層92の上下面に外層となる高融点金属層91を積層してもよい。
また、可溶導体13,72,21は、図38に示すように、高融点金属層91と低融点金属層92とが交互に積層された4層以上の多層構造としてもよい。この場合、可溶導体13,72,21は、最外層を構成する金属層によって、全面又は相対向する一対の側面を除き被覆された構造としてもよい。
また、可溶導体13,72,21は、内層を構成する低融点金属層92の表面に高融点金属層91をストライプ状に部分的に積層させてもよい。図39は、可溶導体13,72,21の平面図である。
図39(A)に示す可溶導体13,72,21は、低融点金属層92の表面に、幅方向に所定間隔で、線状の高融点金属層91が長手方向に複数形成されることにより、長手方向に沿って線状の開口部93が形成され、この開口部93から低融点金属層92が露出されている。可溶導体13,72,21は、低融点金属層92が開口部93より露出することにより、溶融した低融点金属と高融点金属との接触面積が増え、高融点金属層91の浸食作用をより促進させて溶断性を向上させることができる。開口部93は、例えば、低融点金属層92に高融点金属層91を構成する金属の部分メッキを施すことにより形成することができる。
また、可溶導体13,72,21は、図39(B)に示すように、低融点金属層92の表面に、長手方向に所定間隔で、線状の高融点金属層91を幅方向に複数形成することにより、幅方向に沿って線状の開口部93を形成してもよい。
また、可溶導体13,72,21は、図40に示すように、低融点金属層92の表面に高融点金属層91を形成するとともに、高融点金属層91の全面に亘って円形の開口部94が形成され、この開口部94から低融点金属層92を露出させてもよい。開口部94は、例えば、低融点金属層92に高融点金属層91を構成する金属の部分メッキを施すことにより形成することができる。
可溶導体13,72,21は、低融点金属層92が開口部94より露出することにより、溶融した低融点金属と高融点金属との接触面積が増え、高融点金属の浸食作用をより促進させて溶断性を向上させることができる。
また、可溶導体13,72,21は、図41に示すように、内層となる高融点金属層91に多数の開口部95を形成し、この高融点金属層91に、メッキ技術等を用いて低融点金属層92を成膜し、開口部95内に充填してもよい。これにより、可溶導体13,72,21は、溶融する低融点金属が高融点金属に接する面積が増大するので、より短時間で低融点金属が高融点金属を溶食することができるようになる。
また、可溶導体13,72,21は、低融点金属層92の体積を、高融点金属層91の体積よりも多く形成することが好ましい。可溶導体13,72,21は、発熱体14の発熱によって加熱され、低融点金属が溶融することにより高融点金属を溶食し、これにより速やかに溶融、溶断することができる。したがって、可溶導体13,72,21は、低融点金属層92の体積を高融点金属層91の体積よりも多く形成することにより、この溶食作用を促進し、速やかに第1、第2の電極11,12間を短絡することができる。
また、可溶導体13,72,21は、図42に示すように、略矩形板状に形成され、外層を構成する高融点金属によって被覆され主面部13b,72b,21bよりも肉厚に形成された相対向する一対の第1の側縁部13c,72c,21cと、内層を構成する低融点金属が露出され第1の側縁部13c,72c,21cよりも薄い厚さに形成された相対向する一対の第2の側縁部13d,72d,21dとを有してもよい。
第1の側縁部13c,72c,21cは、側面が高融点金属層91によって被覆されるとともに、これにより可溶導体13,72,21の主面部13b,72b,21bよりも肉厚に形成されている。第2の側縁部13d,72d,21dは、側面に、外周を高融点金属層91によって囲繞された低融点金属層92が露出されている。第2の側縁部13d,72d,21dは、第1の側縁部13c,72c,21cと隣接する両端部を除き主面部13b,72b,21bと同じ厚さに形成されている。
以上のように構成された第1の可溶導体13は、図43に示すように、第1の側縁部13cが第1、23の電極11,12間わたって接続されるとともに発熱体引出電極18及び支持電極83上に沿って接続され、第2の側縁部13dが第1、第2の電極11,12上に形成された第2の絶縁層82と対向する向きで接続される。
これにより、短絡素子1は、リフロー実装時等において第1の可溶導体13が湾曲することを確実に防止し、第1の可溶導体13の変形によって第1、第2の電極11,12間が短絡される初期短絡を防止することができる。また、短絡素子1は、発熱体14の発熱後、第1の可溶導体13を速やかに溶融させ、第1、第2の電極11,12上に凝集、短絡させることができる。
すなわち、第1の側縁部13cは、高融点金属によって被覆され、低融点金属層92も露出されていないために溶食作用が働きにくく、溶融するまでに多くの熱エネルギーを要する。したがって、第1の可溶導体13は、リフロー実装時等の加熱によっても第1の電極11と第2の電極12間において撓みにくく、湾曲によって第1、第2の電極11,12に接触することによる第1、第2の電極11,12間の初期短絡を防止することができる。
また、第2の側縁部13dは、第1の側縁部13cよりも相対的に薄肉に形成されている。また、第2の側縁部13dの側面は、内層を構成する低融点金属層92が露出されている。これにより、第2の側縁部13dは、低融点金属層92による高融点金属層91の侵食作用が働き、かつ、侵食される高融点金属層91の厚さも第1の側縁部13cに比して薄く形成されていることにより、高融点金属層91によって肉厚に形成されている第1の側縁部13cに比して、少ない熱エネルギーで速やかに溶融させることができる。
したがって、短絡素子1は、発熱体14が発熱することにより、速やかに第2の側縁部13dが対向されている第1の電極11と第2の電極12との間が溶融し、第1、第2の電極11,12上に溶融導体が凝集、結合する。これにより、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12が短絡する。
また、以上のように構成された第2の可溶導体72は、図44に示すように、高融点金属によって被覆された第1の側縁部72cを発熱体引出電極18と発熱体給電電極71との間にわたって配設することにより、溶断に相当の時間を要することから、第1の可溶導体13が溶融して第1、第2の電極11,12間が短絡するまでの時間を確保し、短絡前に給電経路3が遮断される事態を防止することができる。
なお、補助可溶導体21を備えていない短絡素子1,40,50,70においても、発熱体14を第1、第2の電極11,12に接続してもよい。例えば、図44に示すように、短絡素子70は、発熱体14を第2の電極12にも接続して加熱することにより、効率よく第1の可溶導体13を濡らし、溶融導体を第1、第2の電極11,12間に凝集、短絡させることができる。
このような構成を有する可溶導体13,72,21は、低融点金属層92を構成するハンダ箔等の低融点金属箔を、高融点金属層91を構成するAg等の金属で被覆することにより製造される。低融点金属層箔を高融点金属被覆する工法としては、長尺状の低融点金属箔に連続して高融点金属メッキを施すことができる電解メッキ法が、作業効率上、製造コスト上、有利となる。
電解メッキによって高融点金属メッキを施すと、長尺状の低融点金属箔のエッジ部分、すなわち、側縁部において電流密度が相対的に強まり、高融点金属層91が厚くメッキされる(図42参照)。これにより、側縁部が高融点金属層によって肉厚に形成された長尺状の導体リボン96が形成される。次いで、この導体リボン96を長手方向と直交する幅方向(図42中C−C’方向)に、所定長さに切断することにより、可溶導体13,72,21が製造される。これにより、可溶導体13,72,21は、導体リボン96の側縁部が第1の側縁部13c,72c,21cとなり、導体リボン96の切断面が第2の側縁部13d,72d,21dとなる。また、第1の側縁部13c,72c,21cは、高融点金属によって被覆され、第2の側縁部13d,72d,21dは、端面(導体リボン96の切断面)に上下一対の高融点金属層91と高融点金属層91によって挟持された低融点金属層92が外方に露出されている。
1 短絡素子、2 スイッチ、3 給電経路、10 絶縁基板、10a 表面、10b 裏面、11 第1の電極、11a 外部接続端子、12 第2の電極、12a 外部接続端子、13 第1の可溶導体、13a 溶融導体、14 発熱体、15 接合材、17 絶縁層、18 発熱体引出電極、18a 下層部、18b 上層部、19 発熱体電極、21 補助可溶導体、22 支持電極、23 絶縁層、24 フラックス、25 カバー部材、26 外部接続電極、28 外部回路、32 電流制御素子、35 検出素子、40 短絡素子、50 短絡素子、51 第1の回路、52 外部回路、53 外部電源、60 短絡回路、70 短絡素子、71 発熱体給電電極、72 第2の可溶導体、80 短絡素子、81 第1の絶縁層、82 第2の絶縁層、83 支持電極、90 短絡素子、91 高融点金属層、92 低融点金属層、93 開口部、94 開口部、95 開口部、96 導体リボン

Claims (25)

  1. 第1の電極と、
    上記第1の電極と隣接して設けられた第2の電極と、
    上記第1の電極に支持され、溶融することにより、上記第1、第2の電極間にわたって凝集し、上記第1、第2の電極を短絡させる第1の可溶導体と、
    上記第1の可溶導体を加熱する発熱体とを備え、
    上記第1の可溶導体は、上記第2の電極側に突出して支持され
    上記第1の可溶導体は、上記第2の電極と離間するとともに重畳されている短絡素子。
  2. 上記第2の電極の上記第1の電極と反対側、又は上記第1の電極の上記第2の電極と反対側には、上記発熱体と電気的に接続された発熱体引出電極が設けられ、
    上記発熱体引出電極が上記第1の可溶導体の一端を支持することにより、上記第1の電極及び上記第1の可溶導体を介して、上記発熱体へ給電する給電経路が形成される請求項1に記載の短絡素子。
  3. 上記第1の可溶導体の溶融導体により上記第1、第2の電極間が短絡した後、上記第1の電極と上記第1の発熱体引出電極との間が遮断される請求項2記載の短絡素子。
  4. 上記発熱体引出電極は、上記第1、第2の電極よりも上記発熱体と離間した位置に配設されている請求項3に記載の短絡素子。
  5. 上記第2の電極の上記第1の電極と反対側、又は上記第1の電極の上記第2の電極と反対側には、上記発熱体と電気的に接続された発熱体引出電極が設けられ、
    上記発熱体引出電極は、上記第1、第2の電極及び上記第1の可溶導体と電気的に独立した上記発熱体への給電経路を構成する請求項1に記載の短絡素子。
  6. 上記発熱体引出電極と隣接して設けられた発熱体給電電極と、
    上記発熱体引出電極及び上記発熱体給電電極間に亘って搭載された第2の可溶導体とを有する請求項5記載の短絡素子。
  7. 上記第1の可溶導体が溶融し、該第1の可溶導体の溶融導体により上記第1、第2の電極間が短絡した後、上記第2の可溶導体が溶融し、上記発熱体引出電極及び上記発熱体給電電極間が遮断される請求項6記載の短絡素子。
  8. 上記第1の可溶導体は、上記第2の可溶導体よりも上記発熱体に近接する位置に配設されている請求項7記載の短絡素子。
  9. 上記第1の可溶導体は、上記第2の可溶導体よりも断面積が狭く形成されている請求項7又は8に記載の短絡素子。
  10. 上記第1の可溶導体は、上記第2の可溶導体よりも融点が低い請求項7〜9のいずれか1項に記載の短絡素子。
  11. 上記第1、第2の電極の上記発熱体引出電極と反対側に、上記第1の可溶導体の他端を支持する支持電極を備える請求項2〜10のいずれか1項に記載の短絡素子。
  12. 上記発熱体は絶縁層を介して上記第1の電極又は上記第1の電極及び上記第2の電極と連続されている請求項1〜11のいずれか1項に記載の短絡素子。
  13. 上記第2の電極に補助可溶導体が接続され、
    上記発熱体は上記絶縁層を介して上記第2の電極とも連続されている請求項12に記載の短絡素子。
  14. 上記第1及び/又は第2の電極の一部が、熱伝導率が10W/m・K以下の絶縁材料で構成された支持体に支持されている請求項1〜13のいずれか1項に記載の短絡素子。
  15. 上記発熱体が設けられた絶縁基板と、
    上記発熱体を被覆するとともに、上記第1、第2の電極が積層された第1の絶縁層と、
    上記第1、第2の電極上に、上記第1、第2の電極の対向する各先端部を露出させて積層された第2の絶縁層と、
    上記第1、第2の電極と隣接し、上記発熱体と電気的に接続された発熱体引出電極とを備え、
    上記第1の可溶導体は、上記第2の絶縁層に支持されるとともに、一端を上記発熱体引出電極に接続され、他端を上記第1の電極に接続されている請求項1に記載の短絡素子。
  16. 上記第2の絶縁層は上記第1、2の電極の対向する各先端部を露出させる開口を有し、上記第1の可溶導体が上記第2の絶縁層の上記開口を覆うように搭載されている請求項15記載の短絡素子。
  17. カバー部材を備え、
    上記第2の電極は、上記カバー部材の天面部に上記第1の電極と対向して形成されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の短絡素子。
  18. 上記第1の可溶導体は、Sn若しくはSnを主成分とする合金、又はPb若しくはPbを主成分とする合金である請求項1〜17のいずれか1項に記載の短絡素子。
  19. 上記第1の可溶導体は、低融点金属と高融点金属を積層した複合材料である請求項1〜17のいずれか1項に記載の短絡素子。
  20. 上記第2の可溶導体は、Sn若しくはSnを主成分とする合金、又はPb若しくはPbを主成分とする合金である請求項6〜10のいずれか1項に記載の短絡素子。
  21. 上記第2の可溶導体は、低融点金属と高融点金属を積層した複合材料である請求項6〜10のいずれか1項に記載の短絡素子。
  22. 上記低融点金属は、Sn又はSnを40%以上含む合金であり、上記高融点金属は、Ag、Cu、又はAg若しくはCuを主成分とする合金である請求項19又は21に記載の短絡素子。
  23. 上記第1の可溶導体は板状に形成され、上記第1の電極との接続面積の2倍以上の面積を有する請求項1〜22のいずれか1項に記載の短絡素子。
  24. 上記第1の可溶導体は線状であり、第1の電極との接続長さの2倍以上の長さを有する請求項1〜22のいずれか1項に記載の短絡素子。
  25. 上記第1、第2の電極の間隔は、上記第1、第2の電極間隔の延長線上における上記第1の電極の幅以下である請求項1〜24のいずれか1項に記載の短絡素子。
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