JP6223142B2 - 短絡素子 - Google Patents

短絡素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6223142B2
JP6223142B2 JP2013240265A JP2013240265A JP6223142B2 JP 6223142 B2 JP6223142 B2 JP 6223142B2 JP 2013240265 A JP2013240265 A JP 2013240265A JP 2013240265 A JP2013240265 A JP 2013240265A JP 6223142 B2 JP6223142 B2 JP 6223142B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
short
circuit element
electrodes
heating element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013240265A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015099756A (ja
Inventor
泰志 宇都宮
泰志 宇都宮
吉弘 米田
吉弘 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dexerials Corp
Original Assignee
Dexerials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dexerials Corp filed Critical Dexerials Corp
Priority to JP2013240265A priority Critical patent/JP6223142B2/ja
Priority to PCT/JP2014/005828 priority patent/WO2015075928A1/ja
Priority to CN201480063580.7A priority patent/CN105745733B/zh
Priority to KR1020167013486A priority patent/KR102370805B1/ko
Priority to TW103140231A priority patent/TWI615940B/zh
Publication of JP2015099756A publication Critical patent/JP2015099756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6223142B2 publication Critical patent/JP6223142B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H37/00Thermally-actuated switches
    • H01H37/74Switches in which only the opening movement or only the closing movement of a contact is effected by heating or cooling
    • H01H37/76Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02HEMERGENCY PROTECTIVE CIRCUIT ARRANGEMENTS
    • H02H9/00Emergency protective circuit arrangements for limiting excess current or voltage without disconnection
    • H02H9/04Emergency protective circuit arrangements for limiting excess current or voltage without disconnection responsive to excess voltage
    • H02H9/041Emergency protective circuit arrangements for limiting excess current or voltage without disconnection responsive to excess voltage using a short-circuiting device
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H61/00Electrothermal relays
    • H01H61/02Electrothermal relays wherein the thermally-sensitive member is heated indirectly, e.g. resistively, inductively

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Fuses (AREA)

Description

本発明は、開放状態の電源ラインや信号ラインを電気信号により物理的且つ電気的に短絡させる短絡素子に関する。
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
この種の保護素子には、バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行うものがある。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加されて瞬間的な大電流が流れた場合、あるいはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大な異常電圧を出力したり、直列接続バッテリセルの各々の電圧ばらつきが大きくなったりした場合であっても、バッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態においても、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有するヒューズ素子からなる保護素子が用いられている。
リチウムイオン二次電池等向けの保護回路の保護素子としては、特許文献1に記載されているように、電流経路上の第1の電極,発熱体引出電極,第2の電極間に亘って可溶導体を接続して電流経路の一部をなし、この電流経路上の可溶導体を、過電流による自己発熱、あるいは保護素子内部に設けた発熱体によって溶断するものがある。このような保護素子では、溶融した液体状の可溶導体を発熱体に繋がる導体層上に集めることにより第1、第2の電極間を分離し電流経路を遮断する。
特開2010−003665号公報 特開2004−185960号公報 特開2012−003878号公報
ところで、近年、バッテリとモーターを使用したHEV(Hybrid Electric Vehicle)やEV(Electric Vehicle)が急速に普及している。HEVやEVの動力源としては、エネルギー密度と出力特性からリチウムイオン二次電池が使用されるようになってきている。自動車用途では、高電圧、大電流が必要とされる。このため、高電圧、大電流に耐えられる専用セルが開発されているが、製造コスト上の問題から多くの場合、複数のバッテリセルを直列、並列に接続することで、汎用セルを用いて必要な電圧電流を確保している。
ここで、高速移動中の自動車等では、急激な駆動力の低下や急停止は却って危険な場合があり、非常時を想定したバッテリ管理が求められている。例えば、走行中にバッテリシステムの異常が起きた際にも、修理工場もしくは安全な場所まで移動するための駆動力、あるいはハザードランプやエアコン用の駆動力を供給できることが、危険回避上、好ましい。
しかし、特許文献1のような複数のバッテリセルが直列に接続されたバッテリパックにおいては、充放電経路上にのみ保護素子を設けたような場合、バッテリセルの一部に異常が発生し保護素子を作動させると、バッテリパック全体の充放電経路が遮断されてしまい、これ以上、電力を供給することができない。
そこで、複数セルで構成されたバッテリパック内の異常なバッテリセルのみを排除し、正常なバッテリセルを有効に活用するために、異常なバッテリセルのみをバイパスするバイパス経路を形成することができる短絡素子が提案されている。
図28に短絡素子の一構成例を示し、図29に短絡素子を適用したバッテリ回路の回路図を示す。この短絡素子50は、図29に示すように、充放電経路上においてバッテリセル51と並列に接続され、正常時には開放されている第1、第2の開放電極52,53と、溶融することにより第1、第2の開放電極52,53間を短絡させる2つの可溶導体54,54と、可溶導体54と直列に接続され、当該可溶導体54を溶融させる発熱体55を有する。
短絡素子50は、セラミック基板等の絶縁基板60上に、発熱体55及び発熱体55の一端と接続された外部接続電極61が形成されている。また、短絡素子50は、発熱体50上に、ガラス等の絶縁層62を介して、発熱体55の他端と接続された発熱体電極63、第1、第2の開放電極52,53、及び第1、第2の開放電極52,53とともに可溶導体54を支持する第1、第2の支持電極64,65が形成されている。
第1の支持電極64は、絶縁層62上に露出されている発熱体電極63と接続され、また、第1の開放電極52と隣接されている。第1の支持電極64は、第1の開放電極52とともに一方の可溶導体54の両側を支持している。同様に、第2の支持電極65は、第2の開放電極53と隣接され、第2の開放電極53とともに他方の可溶導体54の両側を支持している。
短絡素子50は、外部接続電極61から、発熱体55、発熱体電極63、可溶導体54を経て、第1の開放電極52に至る、発熱体55への給電経路が構成される。
発熱体55は、この給電経路を介して電流が流れることにより自己発熱し、この熱(ジュール熱)によって可溶導体54を溶融させる。図29に示すように、発熱体55は、外部接続電極61を介してFET等の電流制御素子56と接続されている。電流制御素子56は、バッテリセル51の正常時には発熱体55への給電を規制し、異常時に充放電経路を介して発熱体55へ電流が流れるように制御する。
短絡素子50が用いられたバッテリ回路は、バッテリセル51に異常電圧等が検出されると、保護素子57によって当該バッテリセル51を充放電経路上から遮断するとともに、電流制御素子56を作動させ、発熱体55へ電流を流す。これにより、発熱体55の熱により可溶導体54が溶融する。可溶導体54は、相対的に広面積の第1、第2の開放電極52,53側に偏倚した後溶融し、溶融導体が二つの開放電極52,53間に亘って凝集、結合する。したがって、開放電極52,53は可溶導体54の溶融導体によって短絡され、これにより、バッテリセル51をバイパスする電流経路を形成することができる。
また、短絡素子50は、可溶導体54が第1の開放電極52側に移動するとともに溶融することにより、第1の支持電極64と第1の開放電極52間が開放され、これにより発熱体55への給電経路が遮断されるため、発熱体55の発熱が停止する。
ここで、この種の短絡素子50においては、可溶導体54の溶融によって開放電極52,53間を確実に短絡させることが求められる。すなわち、短絡素子50は、可溶導体54の溶融導体が開放電極52,53間に亘って凝集することによって開放電極52,53を短絡させるものであり、また可溶導体54が溶融すると第1の支持電極64と第1の開放電極52間が開放され、これにより発熱体55への給電経路が遮断され、これ以上の可溶導体54の加熱ができなくなる。
したがって、短絡素子50は、可溶導体54の溶融導体が開放電極52,53間に亘って凝集する前に、可溶導体54の移動により第1の支持電極64と第1の開放電極52間が開放された場合には、第1、第2の開放電極52,53を短絡させることができないまま、発熱体55への通電も停止されることから、バイパス電流経路を形成することができない。そのため、バッテリ回路等の各種回路においては、可溶導体の溶融によって確実に開放電極間を短絡させバイパス電流経路を形成することができる短絡素子が望まれている。
また、電源回路以外にも、例えば各種デバイスのアクティベーションをソフトウェアで行うのではなく、短絡素子を用いて物理的、不可逆的に行う等の用途においても、可溶導体の溶融によって開放電極間を短絡させ、機能回路を導通させることにより、確実に当該デバイスのアクティベーションを行うことも提案されている。この種のアクティベーション回路においても、可溶導体の溶融によって、確実に開放電極間を短絡させ、機能回路を導通させることが必要となる。
そこで、本発明は、発熱体の給電回路が遮断される前に、確実に開放電極間を短絡させることができる短絡素子を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る短絡素子は、互いに近接配置されるとともに開放されている第1、第2の電極と、上記第1の電極に隣接された第1の支持電極と、上記第2の電極に隣接された第2の支持電極と、上記第1の電極及び第1の支持電極に支持された第1の可溶導体と、上記第2の電極及び第2の支持電極に支持された第1の可溶導体と、上記第1、第2の可溶導体を溶融させる発熱体と、上記第1の電極に近接配置されるとともに開放され、上記発熱体と接続されるとともに上記第1の可溶導体を介して上記第1の電極と接続されている第3の電極とを有し、上記発熱体、上記第3の電極、上記第1の可溶導体、及び上記第1の電極を経由する上記発熱体への給電経路が設けられ、上記発熱体の発熱により、上記第1、第2の可溶導体が溶融して上記第1、第2の電極側に偏倚することにより、該溶融導体を介して上記第1、第2の電極が短絡され、上記第1の可溶導体が上記第1の電極上に凝集することにより、上記第1、第3の電極が遮断されるものである。
また、本発明に係る短絡素子は、互いに近接配置されるとともに開放されている第1、第2の電極と、上記第1の電極に支持された第1の可溶導体と、上記第1の可溶導体を溶融させる発熱体と、上記第1の電極に近接配置されるとともに開放され、上記発熱体と接続されるとともに上記第1の可溶導体を介して上記第1の電極と接続されている第3の電極とを有し、上記発熱体、上記第3の電極、上記第1の可溶導体、及び上記第1の電極を経由する上記発熱体への給電経路が設けられ、上記発熱体の発熱により、上記第1の可溶導体が溶融して上記第1、第2の電極上に凝集することにより、該溶融導体を介して上記第1、第2の電極が短絡され、上記第1の可溶導体が上記第1の電極上に凝集することにより、上記第1、第3の電極が遮断されるものである。
本発明によれば、第1の可溶導体を支持する第1の支持電極とは別個に、発熱体への給電経路を構成する第3の電極を設けているため、発熱体によって加熱された第1の可溶導体が偏倚、溶融することにより第1の電極と第1の支持電極とが遮断された場合にも、溶融導体を介して第1、第2の電極が短絡するよりも先に発熱体への給電経路が遮断する事態を防止することができ、確実に第1、第2の電極を短絡させることができる。
図1は、本発明に係る短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図2は、本発明に係る短絡素子の電極配置を示す平面図である。 図3は、本発明に係る短絡素子の動作前の状態を示す回路図である。 図4は、発熱体によって加熱された第1、第2の可溶導体が偏倚している状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図5は、第1、第2の可溶導体の溶融導体が結合することによって第1、第2の電極が短絡するとともに、第3の電極との導通が遮断された状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図6は、本発明に係る短絡素子の動作後の状態を示す回路図である。 図7は、可溶導体を支持する支持電極と発熱体へ給電を行う電極とを兼用した短絡素子において、第1、第2の電極の短絡前に、給電電極が遮断された状態を示す平面図である。 図8は、第3の電極と重畳しない位置に発熱体を設けた短絡素子を示す平面図である。 図9は、第2の支持電極及び第2の可溶導体を設けない短絡素子の電極配置を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図10は、第2の支持電極及び第2の可溶導体を設けない短絡素子の動作前の状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図11は、第2の支持電極及び第2の可溶導体を設けない短絡素子において、発熱体によって加熱された第1の可溶導体が偏倚している状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図12は、第2の支持電極及び第2の可溶導体を設けない短絡素子において、第1の可溶導体の溶融導体によって第1、第2の電極が短絡するとともに、第3の電極との導通が遮断された状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図13は、本発明に係る短絡素子が適用されたバッテリ回路を示す回路図である。 図14は、絶縁基板の表面に発熱体を形成した短絡素子を示す断面図である。 図15は、絶縁基板の裏面に発熱体を形成した短絡素子を示す断面図である。 図16は、絶縁基板の内部に発熱体を形成した短絡素子を示す断面図である。 図17は、絶縁基板の表面に、第1〜第3の電極と並列して発熱体を形成した短絡素子を示す断面図である。 図18は、高融点金属層と低融点金属層を有し、被覆構造を備える可溶導体を示す斜視図であり、(A)は高融点金属層を内層とし低融点金属層で被覆した構造を示し、(B)は低融点金属層を内層とし高融点金属層で被覆した構造を示す。 図19は、高融点金属層と低融点金属層の積層構造を備える可溶導体を示す斜視図であり、(A)は上下2層構造、(B)は内層及び外層の3層構造を示す。 図20は、高融点金属層と低融点金属層の多層構造を備える可溶導体を示す断面図である。 図21は、高融点金属層の表面に線状の開口部が形成され低融点金属層が露出されている可溶導体を示す平面図であり、(A)は長手方向に沿って開口部が形成されたもの、(B)は幅方向に沿って開口部が形成されたものである。 図22は、高融点金属層の表面に円形の開口部が形成され低融点金属層が露出されている可溶導体を示す平面図である。 図23は、高融点金属層に円形の開口部が形成され、内部に低融点金属が充填された可溶導体を示す平面図である。 図24は、高融点金属によって囲まれた低融点金属が露出された可溶導体を示す斜視図である。 図25は、図24に示す可溶導体を用いた短絡素子の動作前の状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図26は、図24に示す可溶導体を用いた短絡素子において、発熱体によって加熱された第1、第2の可溶導体が偏倚している状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図27は、図24に示す可溶導体を用いた短絡素子において、第1、第2の可溶導体の溶融導体によって第1、第2の電極が短絡するとともに、第3の電極との導通が遮断された状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図28は、可溶導体を支持する支持電極と発熱体へ給電を行う電極とを兼用した短絡素子を示す平面図である。 図29は、図28に示す短絡素子を適用したバッテリ回路の回路図である。
以下、本発明が適用された短絡素子について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
本発明が適用された短絡素子1は、図1(A)(B)に示すように、絶縁基板10上に、互いに近接配置されるとともに開放されている第1、第2の電極11,12と、第1の電極11に支持された第1の可溶導体14と、第2の電極12に支持された第2の可溶導体15と、第1、第2の可溶導体14,15を溶融させる発熱体16と、第1の電極11に近接配置されるとともに開放され、発熱体16と接続されるとともに第1の可溶導体14を介して第1の電極11と接続されている第3の電極13とが設けられている。
[絶縁基板]
絶縁基板10は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材を用いて略方形状に形成されている。絶縁基板10は、その他にも、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、第1、第2の可溶導体14,15の溶断時の温度に留意する必要がある。
[発熱体]
発熱体16は、比較的抵抗値が高く通電すると発熱する導電性を有する部材であって、たとえばW、Mo、Ru等からなる。これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものをスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成する。
発熱体16は、絶縁基板10の表面10a上において絶縁層17に被覆されている。絶縁層17は、発熱体16の保護及び絶縁を図るとともに、発熱体16の熱を効率よく第1、第2の電極11,12へ伝えるために設けられ、例えばガラス層からなる。第1、第2の電極11,12は、発熱体16によって加熱されることにより、第1、第2の可溶導体14,15の溶融導体を凝集しやすくすることができる。絶縁層17上には、第1〜第3の電極11〜13、及び第1、第2の支持電極21,22が形成される。
また、発熱体16は、一端が発熱体電極18と接続され、他端が発熱体引出電極19を介して第3の電極13と接続され、ている。発熱体電極18は、絶縁基板10の側縁部に導出された外部接続端子18aが設けられている。発熱体16は、この外部接続端子18aを介して外部回路と接続される。
[第1〜第3の電極、第1、第2の支持電極]
第1、第2の電極11,12は、近接配置されるとともに開放され、短絡素子1が作動することにより、後述する第1,第2の可溶導体14,15の溶融導体が凝集、結合し、この溶融導体を介して短絡されるスイッチ2を構成する。第1、第2の電極11,12は、それぞれ、絶縁基板10の側縁部に外部接続端子11a,12aが設けられている。第1、第2の電極11,12は、これら外部接続端子11a,12aを介して電源回路やデジタル信号回路等の外部回路と接続され、短絡素子1が動作することにより、当該外部回路のバイパス電流経路、あるいは機能回路への給電経路となる。
第3の電極13は、絶縁層17上に形成され、発熱体引出電極19を介して発熱体16と接続されるとともに、第1の電極11に近接配置されている。また、第3の電極13は、第1の可溶導体14を介して第1の電極11と接続されている。これにより、短絡素子1は、発熱体電極18、発熱体16、発熱体引出電極19、第3の電極13、第1の可溶導体14、及び第1の電極11を経由する発熱体16への給電経路3が設けられる。
給電経路3は、発熱体電極18と接続された電流制御素子32によって通電が制御され、バッテリの異常電圧時やデバイスのアクティベーション等、必要に応じて通電され、発熱体16が発熱される。また、通電経路3は、発熱体16が発熱することにより第1の可溶導体14が溶融すると、第1の可溶導体14を介して接続されていた第1の電極11と第3の電極13との間が遮断されるため、給電が停止され、発熱体16の発熱が止まる。
第1の電極11の第2の電極12と反対側には第1の支持電極21が隣接して設けられている。第1の支持電極21は、第1の電極11とともに第1の可溶導体14を支持するものであり、絶縁層17上に第1の電極11と同じ材料によって形成されている。
また、第2の電極12の第1の電極11と反対側には第2の支持電極22が隣接して設けられている。第2の支持電極22は、第2の電極12とともに第2の可溶導体15を支持するものであり、絶縁層17上に第2の電極12と同じ材料によって形成されている。
[コーティング処理]
ここで、第1〜第3の電極11〜13や第1、第2の支持電極21,22は、CuやAg等の一般的な電極材料を用いて形成することができる。また、第1〜第3の電極11〜13や第1、第2の支持電極21,22の表面上には、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の被膜が、メッキ処理等の公知の手法によりコーティングされていることが好ましい。これにより、短絡素子1は、第1〜第3の電極11〜13や第1、第2の支持電極21,22の酸化を防止し、第1、第2の溶融導体14,15を確実に保持させることができる。また、短絡素子1をリフロー実装する場合に、第1、第2の溶融導体14,15を接続する接続用ハンダ23あるいは第1、第2の溶融導体14,15の外層を形成する低融点金属が溶融することにより第1〜第3の電極11〜13や第1、第2の支持電極21,22を溶食(ハンダ食われ)するのを防ぐことができる。なお、短絡素子1は、第1〜第3の電極11〜13にのみ、表面上にNi/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の被膜を形成してもよい。
[第1、第2の可溶導体]
第1、第2の可溶導体14,15は、発熱体16の発熱により速やかに溶融されるいずれの金属を用いることができ、例えば、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の低融点金属を好適に用いることができる。
また、第1、第2の可溶導体14,15は、低融点金属と高融点金属とを含有してもよい。低融点金属としては、Snを主成分とするPbフリーハンダなどのハンダを用いることが好ましく、高融点金属としては、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金などを用いることが好ましい。高融点金属と低融点金属とを含有することによって、短絡素子1をリフロー実装する場合に、リフロー温度が低融点金属の溶融温度を超えて、低融点金属が溶融しても、低融点金属の外部への流出を抑制し、第1、第2の可溶導体14,15の形状を維持することができる。また、溶断時も、低融点金属が溶融することにより、高融点金属を溶食(ハンダ食われ)することで、高融点金属の融点以下の温度で速やかに溶断することができる。なお、第1、第2の可溶導体14,15は、後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。
第1の可溶導体14は、略矩形板状に形成され、第1、第3の電極11,13及び第1の支持電極21上に、接続用ハンダ23等を介して接続されている。また、第1の可溶導体14は、発熱体16の発熱前においては第1の電極11と第3の電極13との間を接続し、発熱体16への通電経路3の一部を構成する。第2の可溶導体15は、略矩形板状に形成され、第2の電極12及び第2の支持電極22上に、接続用ハンダ23等を介して接続されている。
そして、第1、第2の可溶導体14,15は、発熱体16が発熱されると発熱体16の熱によって溶融し、溶融導体が第1、第2の電極11,12上に凝集することにより、第1、第2の電極11,12間を短絡させる。
なお、第1、第2の可溶導体14,15は、酸化防止、濡れ性の向上等のため、フラックス24が塗布されている。
[短絡素子の回路構成]
短絡素子1は、図3に示す回路構成を有する。すなわち、短絡素子1は、動作前の状態において、第1の電極11と第2の電極12とが近接されるとともに離間されることにより絶縁され、第1、第2の可溶導体14,15が溶融することにより短絡するスイッチ2を構成する。第1、第2の電極11,12は、短絡素子1が実装される回路基板の電流経路上に直列接続されることにより、電源回路等の各種外部回路28A,28B間に組み込まれる。
また、短絡素子1は、第1の電極11から第1の可溶導体14、第3の電極13及び発熱体引出電極19を介して発熱体16が連続し、さらに発熱体電極18へ至る給電経路3が形成される。
短絡素子1は、通常においては、発熱体電極18を介して接続されている電流制御素子32によって給電経路3への通電が制御されている。電流制御素子32は、給電経路3の通電を制御するスイッチ素子であり、例えばFETにより構成され、短絡素子1が組み込まれる外部回路の物理的な短絡の要否を検出する検出素子35と接続されている。検出素子35は、短絡素子1が組み込まれた各種外部回路28A,28B間を通電する必要が生じたかを検出する回路であり、例えばバッテリパックの異常電圧時におけるバイパス電流経路の構築、ネットワーク通信機器におけるハッキングやクラッキング対してデータサーバを迂回するバイパス信号経路の構築、あるいはデバイスやソフトウェアのアクティベーション等、第1、第2の電極11,12の短絡により物理的、不可逆的に外部回路28A,28B間の電流経路を短絡させる必要が生じた場合に電流制御素子32を動作させる。
これにより、短絡素子1は、電流制御素子32によって給電経路3が通電され、発熱体16が発熱される。給電経路3を介して発熱体16に電気が通電されると、接続用ハンダ23が溶融するとともに、図4(A)(B)に示すように、第1の可溶導体14が第1の電極11側へ偏倚、溶融し、この溶融導体によって絶縁されていた第1、第2の電極11,12が短絡され、外部回路28A,28Bが接続される。
また、短絡素子1は、図5(A)(B)に示すように、第1、第2の電極11,12間が短絡した後、第1、第3の電極11,13間を接続していた第1の可溶導体14が第1の電極11側へ偏倚する。これにより、短絡素子1は、第1の可溶導体14を介して接続されていた第1の電極11と第3の電極13との間が開放され、発熱体16への給電経路3が遮断される。これにより、発熱体16への給電が止まり、発熱体16の発熱が停止される。短絡素子1の動作時の回路構成を図6に示す。
このとき、短絡素子1は、第1の可溶導体14を支持する第1の支持電極21と、第1の可溶導体14と接続され発熱体16への給電経路3を構成する第3の電極13とを分離して形成している。この点、図7に示すように、第1の支持電極21と第3の電極13とを一体化した構成では、第1の支持電極21と第1の電極11との間において第1の可溶導体14が第1の電極11側へ偏倚することにより発熱体16への給電経路が遮断され、第1の可溶導体14が溶融して第1、第2の電極11,12間を短絡させる前に発熱体16の発熱が停止する可能性があった。また、第1の可溶導体14の偏倚による第1の電極11と第1の支持電極21との遮断を防止するために第1の支持電極21を幅広に形成すると、短絡素子全体の大型化に繋がり、小型化を図ることができなかった。
一方、短絡素子1では、第1の支持電極21と第1の電極11とが遮断した場合にも、給電経路3を構成する第3の電極13との接続は維持されていることから、第1、第2の電極11,12が短絡するまでの間、発熱体16への給電が停止されることはなく、確実に第1、第2の電極11,12を短絡させることができる。また、第1の支持電極21を第1の可溶導体14の支持に必要な幅以上に幅広に形成する必要もなく、短絡素子1の小型化、コンパクト化を図ることができる。
したがって、短絡素子1は、溶融導体によって第1、第2の電極11,12間が短絡された状態で、給電経路3が遮断されるため、第1、第2の電極11,12が短絡することなく給電経路3が遮断されることを防止することができる。
[面積]
ここで、第1の電極11は、第3の電極13よりも面積を広くすることが好ましい。例えば、図2に示すように、第1の電極11を第3の電極13よりも長く形成し、面積を広くすることにより、短絡素子1は、第1、第3の電極11,13間に亘って搭載されている第1の可溶導体14が加熱されると、第1の可溶導体14が広面積の第1の電極11側へ偏倚するとともに、溶融導体の大部分が第1の電極11上に引き寄せられる。したがって、短絡素子1は、第1の電極11上に凝集した溶融導体によって第1の電極11と第2の電極12とを短絡させることができ、また、第1の可溶導体14が第1の電極11と第3の電極13間において溶断することにより、給電経路3を遮断することができる。
また、第1の電極11は、第1の支持電極21よりも面積を広くすることが好ましい。例えば、図2に示すように、第1の電極11を第1の支持電極21よりも幅広に形成し、面積を広くすることにより、短絡素子1は、第1の電極11と第1の支持電極21との間に亘って搭載されている第1の可溶導体14が加熱されると、第1の可溶導体14が広面積の第1の電極11側へ偏倚するとともに、溶融導体の大部分は第1の電極11上に引き寄せられる。したがって、短絡素子1は、第1の電極11上に凝集した溶融導体によって第1の電極11と第2の電極12とを短絡させることができる。
同様に、第2の電極12は、第2の支持電極22よりも面積を広くすることが好ましい。これにより、短絡素子1は、第2の溶融導体15が加熱されると、第2の溶融導体15が、広面積の第1の電極11側へ偏倚するとともに、溶融導体の大部分は第2の電極12上に引き寄せられる。したがって、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12上に凝集した溶融導体によって第1の電極11と第2の電極12とを短絡させることができる。
[間隔]
また、図2に示すように、短絡素子1は、第1の電極11と第3の電極13との間隔G1が、第1の電極11と第2の電極12との間隔G2以上とする(G1≧G2)ことが好ましい。上述したように、第1、第2の電極11,12間の短絡は、第1、第2の可溶導体14,15の第1、第2の電極11,12側への偏倚、溶融によって起こる。同様に第1、第3の電極11,13間の遮断も第1の可溶導体14の第1の電極11側への偏倚、溶融によって起こる。
したがって、第1の電極11と第3の電極13との間隔G1が、第1の電極11と第2の電極12との間隔G2よりも広く形成する(G1>G2)ことにより、第1の可溶導体14の移動距離は、第1、第2の電極11,12間(G2)が第1、第3の電極11,13間(G1)よりも短くなる。したがって、短絡素子1は、第1、第3の電極11,13間の遮断より速く第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。
また、第1の電極11と第3の電極13との間隔G1が、第1の電極11と第2の電極12との間隔G2と等距離(G1=G2)の場合も、第1の電極11と第2の電極12との間では、第1、第2の可溶導体14,15が互いに近接する方向に移動するため、短絡までに要する移動距離は、第1の可溶導体14のみで第1の電極11側へ移動する距離よりも短くなる。したがって、短絡素子1は、第1、第3の電極11,13間の遮断より速く第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。すなわち、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間が短絡する前に第1、第3の電極11,13間が遮断され、発熱体16への給電が停止することによって第1、第2の電極11,12間が短絡不能となる事態を防止することができる。
また、短絡素子1は、第1の電極11と第1の支持電極21との間隔G3が、第1の電極11と第3の電極13との間隔G1よりも広く形成する(G3>G1)ことが好ましい。第1の可溶導体14は、第1の電極11及び第1の支持電極21に支持されているとともに、第1、第3の電極11,13間にも接続されている。そして、第1の可溶導体14は、発熱体16によって加熱されると、電極間の間隔が広いほど偏倚が起きやすい。すなわち、第1の可溶導体14は、第1の電極11と第1の支持電極21との間隔G3が、第1の電極11と第3の電極13との間隔G1よりも広いと、第3の電極13と第1の電極11との間における偏倚よりも先に、第3の電極13と第1の電極11との間の偏倚が生じる。
上述したように、短絡素子1は、第1の電極11が第1の支持電極21及び第3の電極13よりも広面積に形成されることにより、第1の可溶導体14は、第1の電極11側へ偏倚する。したがって、短絡素子1は、第1の電極11と第1の支持電極21との間隔G3を、第1の電極11と第3の電極13との間隔G1よりも広く形成することにより、発熱体16によって第1の可溶導体14が加熱されると、先に第1の支持電極21から第1の電極11側への偏倚が生じる。
これにより、短絡素子1は、第1の電極11上に偏倚した第1の可溶導体14が溶融し、溶融導体によって、第1、第2の電極11,12間を短絡させ、その後、第3の電極13から第1の電極11側へ第1の可溶導体14が偏倚し、あるいはその溶融導体が引き寄せられ、第1、第3の電極11,13間を遮断する。すなわち、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間が短絡する前に第1、第3の電極11,13間が遮断され、発熱体16への給電が停止することによって第1、第2の電極11,12間が短絡不能となる事態を防止することができる。
なお、短絡素子1は、第2の電極12と第2の支持電極22との間隔G4も、第1、第3の電極11,13間の間隔G1よりも広く形成することが好ましい。これにより、短絡素子1は、第1の可溶導体14とともに第2の可溶導体15も、第1、第3の電極11,13間の遮断よりも先に第1、第2の電極11,12上に凝集し、より確実に第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。
[第3の電極]
また、図4に示すように、短絡素子1は、第3の電極13を、第1の可溶導体14が第1の支持電極21から第1の電極11側へ偏倚する偏倚方向に形成することが好ましい。これにより、短絡素子1は、第1の可溶導体14が第1の支持電極21から第1の電極11側へ偏倚したとき、当該偏倚方向に第3の電極13が形成されているため、第1の可溶導体14が第3の電極13から外れ、第1の可溶導体14を介した第3の電極13と第1の電極11との導通が切れ、発熱体16への給電経路3が遮断される事態を防止することができる。
[発熱体]
また、短絡素子1は、発熱体16を、第1、第2の可溶導体14,15及び第1、第2の電極11,12の少なくとも一部と重畳する位置に形成することが好ましい。これにより、発熱体16の熱が効率よく第1、第2の可溶導体14,15及び第1、第2の電極11,12に伝わり、発熱後、速やかに第1、第2の可溶導体14,15を溶融させることができる。また、溶融導体は、高温の電極上に濡れ広がる傾向があることから、発熱体16によって熱せられた第1、第2の電極11,12上に速やかに凝集し、結合する。したがって、短絡素子1は、当該溶融導体によって、発熱体16の発熱後、速やかに第1、第2の電極11,12を短絡させることができる。
また、このとき、図8に示すように、短絡素子1は、発熱体16を、第3の電極13と重畳しない位置に形成してもよい。これにより、短絡素子1は、発熱体16の熱が、優先的に第1の可溶導体14及び第1、第2の電極11,12に伝わり、遅れて第3の電極13に伝わる。そして、短絡素子1は、第1の可溶導体14が加熱、溶融されると、先ず、第1の電極11及び第1の支持電極21間が溶融、遮断され、当該溶融導体を介して第1、第2の電極11,12間が短絡される。その後、第1の可溶導体14は、第1、第3の電極11,13間が溶融、遮断される。
したがって、短絡素子1は、発熱体16が発熱を開始すると、先ず、第1、第2の電極11,12間を短絡させ、その後、第1、第3の電極11,13間を遮断する。すなわち、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間が短絡する前に第1、第3の電極11,13間が遮断され、発熱体16への給電が停止することによって第1、第2の電極11,12間が短絡不能となる事態を防止することができる。
[発熱中心]
また、短絡素子1は、発熱体16の発熱中心から第1の支持電極21までの距離よりも、第3の電極13までの距離が短くなるように形成することが好ましい。
ここで、発熱体16の発熱中心とは、発熱体16が発熱することにより発現する熱分布のうち、発熱初期の段階で最も高温となる領域をいう。発熱体16より発せられる熱は絶縁基板10からの放熱量が最も多く、絶縁基板10を、耐熱衝撃性に優れるが熱伝導率も高いセラミックス材料により形成した場合などには、絶縁基板10に熱が拡散してしまう。そのため、発熱体10は通電が開始された発熱初期の段階では、絶縁基板10と接する外縁から最も遠い中心が最も熱く、絶縁基板10と接する外縁に向かうにつれて放熱されて温度が上がりにくくなる。
そこで、図2に示すように、短絡素子1は、第3の電極13を、第1の支持電極21よりも、発熱体16の発熱初期において最も高温となる発熱中心Cに近い位置に形成することにより、第1の支持電極21よりも高温となり、加熱された第1の可溶導体14が相対的に偏倚しやすくなり、また溶融導体が凝集する。第1の支持電極21は絶縁基板10からの放熱により第3の電極13より温度が上がり難いため、第1の可溶導体14は第1、第3の電極11,13側に偏倚する。これにより、短絡素子1は、第1の電極11上に偏倚した第1の可溶導14の溶融導体が凝集することにより、より確実に第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。
なお、短絡素子1は、第1第2の電極11,12が第3の電極13よりも発熱体16の発熱中心Cに近い位置に設けられ、一部が発熱中心Cの上に設けられている。したがって、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12が第3の電極13よりも高温となり、加熱された第1の可溶導体14が相対的に偏倚しやすくなり、また溶融導体が凝集する。したがって、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12の短絡が先に行われ、次いで、第1、第3の電極11,13間が遮断される。
[変形例]
また、本発明に係る短絡素子は、図9(A)(B)に示すように、第2の支持電極21及び第2の可溶導体15を省略して形成してもよい。この短絡素子40では、第1、第3の電極11,13及び第1の支持電極21間に亘って接続された第1の可溶導体14が溶融することにより第1の電極11上に凝集するとともに、当該溶融導体が隣接して形成されている第2の電極12まで濡れ拡がり、第1、第2の電極11,12を短絡させる。なお、短絡素子40は、第2の支持電極22及び第2の可溶導体15が省かれている他は、上述した短絡素子1の構成と同じであるため、同一の符号を付して詳細は省略する。
図10(A)(B)に示すように、短絡素子40は、作動前に状態においては、接続用ハンダ23によって第1の可溶導体14が第1の電極11及び第1の支持電極21に支持されるとともに、第1の可溶導体14を介して第1、第3の電極11,13が接続されている。また、短絡素子40は、第2の電極12上には可溶導体が搭載されていない。発熱体16は、第1、第2の電極11,12及び第1の可溶導体14の少なくとも一部と重畳されている。
図11(A)(B)に示すように、短絡素子40は、発熱体16が発熱すると、接続用ハンダ23が溶融するとともに第1の可溶導体14が相対的に広面積の第1の電極11側に偏倚し、第1の可溶導体14を介して第1、第2の電極11,12間が短絡する。なお、このとき、短絡素子40は、第1の可溶導体14を介した第1、第3の電極11,13間の接続は維持されている。そのため、第1、第2の電極11,12間が短絡するまでの間は発熱体16への給電が維持されている。
図12(A)(B)に示すように、短絡素子40は、第1、第2の電極11,12の短絡後もさらに発熱体16が発熱することにより、第1、第3の電極11,13間を接続していた第1の可溶導体14が第1の電極11側へ偏倚、凝集する。これにより、短絡素子40は、第1、第3の電極11,13間において給電経路3が遮断され、発熱体16の発熱が停止される。
この短絡素子40においても、上記短絡素子1と同様に、第1の電極11は、第3の電極13よりも面積を広くすることが好ましい。これにより、短絡素子40は、第1、第3の電極11,13間に亘って搭載されている第1の可溶導体14が加熱されると、第1の可溶導体14の溶融導体の大部分が広面積の第1の電極11上に引き寄せられる。したがって、短絡素子40は、第1の電極11上に凝集した溶融導体によって第1の電極11と第2の電極12とを短絡させることができ、また、第1の可溶導体14が第1の電極11と第3の電極13間において溶断することにより、給電経路3を遮断することができる。
また、短絡素子40においても、第1の電極11は、第1の支持電極21よりも面積を広くすることが好ましい。これにより、短絡素子40は、第1の電極11と第1の支持電極21との間に亘って搭載されている第1の可溶導体14が加熱されると、第1の可溶導体14が広面積の第1の電極11側へ偏倚するとともに、溶融導体の大部分が第1の電極11上に引き寄せられる。したがって、短絡素子40は、第1の電極11上に凝集した溶融導体によって第1の電極11と第2の電極12とを短絡させることができる。
さらに、短絡素子40においても、第1の電極11と第3の電極13との間隔G1が、第1の電極11と第2の電極12との間隔G2よりも広く形成する(G1>G3)ことが好ましい。これにより、短絡素子40は、発熱体16によって第1の可溶導体14が加熱されると、先に第1の支持電極21から第1の電極11側への偏倚が生じ、第1の電極11上に偏倚した第1の可溶導体14が溶融し、溶融導体によって、第1、第2の電極11,12間を短絡させ、その後、第3の電極13から第1の電極11側へ第1の可溶導体14が偏倚し、あるいはその溶融導体が引き寄せられ、第1、第3の電極11,13間を遮断する。すなわち、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間が短絡する前に第1、第3の電極11,13間が遮断され、発熱体16への給電が停止することによって第1、第2の電極11,12間が短絡不能となる事態を防止することができる。
その他、短絡素子40は、上記短絡素子1と同様に、第3の電極13を、第1の可溶導体14が第1の支持電極21から第1の電極11側へ偏倚する偏倚方向に形成することが好ましい。また、短絡素子40は、発熱体16を、少なくとも第1の可溶導体及び第1、第2の電極と重畳する位置に形成し、また、発熱体16を、第3の電極13と重畳しない位置に形成することが好ましい。さらに、短絡素子40は、発熱体16の発熱中心から第1の支持電極21までの距離よりも、第3の電極13までの距離が短くなるように形成することが好ましい。
[回路構成例]
図13に、短絡素子1が適用された短絡回路の一例として、バッテリ回路30を示す。バッテリ回路30において、短絡素子1は、複数のバッテリセル31のうち、過充電等の異常電圧を示したバッテリセルをバイパスするバイパス電流経路の構築に用いることができる。
図13において、バッテリ回路30は、短絡素子1と、短絡素子1の動作を制御する電流制御素子32と、バッテリセル31と、バッテリセル31を充放電経路上から遮断する保護素子33と、保護素子33の動作を制御する電流制御素子32とを有するバッテリユニット34を備え、複数のバッテリユニット34が直列に接続されている。
また、バッテリ回路30は、各バッテリユニット34のバッテリセル31の電圧を検出するととともに、保護素子33と電流制御素子32とに異常信号を出力する検出素子35を有する。
各バッテリユニット34は、保護素子33がバッテリセル31と直列に接続されている。また、バッテリユニット34は、短絡素子1の第1の電極11が保護素子33の開放端と接続され、第2の電極12がバッテリセル31の開放端と接続され、これにより、保護素子33及びバッテリセル31と、短絡素子1とが並列に接続されている。
また、バッテリユニット34は、電流制御素子32、及び保護素子33が、それぞれ検出素子35と接続されている。検出素子35は、各バッテリセル31と接続され、各バッテリセル31の電圧値を検出して、バッテリセル31が過充電電圧又は過放電電圧になったときに、当該バッテリセル31を有するバッテリユニット34の保護素子33を駆動させ、また短絡素子1に繋がる電流制御素子32へ動作信号を出力する。
電流制御素子32は、例えば電界効果トランジスタ(以下、FETという)により構成することができる。電流制御素子32は、発熱体電極18と接続され、短絡素子1の給電経路3への通電を制御することができる。また、電流制御素子32は、保護素子33の駆動端子と接続される。
保護素子33は、充放電経路上に接続された一対の電極と、当該電極間にわたって搭載され、当該電極間を短絡させる可溶導体と、可溶導体と直列に接続され、電圧異常の際に通電されて発熱し、可溶導体を溶融する発熱体を有する素子により構成することができる。
このバッテリ回路30は、検出素子35から出力される検出信号によって、バッテリセル31の電圧値が所定の過放電又は過充電状態を超える電圧になったとき、保護素子33及び短絡素子1を動作させて、当該バッテリユニット34を充放電電流経路から遮断するとともに、短絡素子1のスイッチ2を短絡させ、当該バッテリユニット34をバイパスするバイパス電流経路を形成するように制御する。
このようなバッテリ回路30は、正常時には、短絡素子1のスイッチ2が開放されているため、電流は保護素子33及びバッテリセル31側に流れる。バッテリセル31に電圧異常等が検知されると、バッテリ回路30は、検出素子35より保護素子33に異常信号が出力され、保護素子33によって異常なバッテリセル31を、充放電電流経路上から遮断する。
次いで、バッテリ回路30は、検出素子35により電流制御素子32にも異常信号が出力され、短絡素子1の発熱体16に電流が流れるよう制御される。短絡素子1は、発熱体16によって第1、第2の可溶導体14,15を加熱、溶融させることにより、第1、第2の電極11,12上に溶融導体が凝集、結合し、第1、第2の電極11,12を短絡させる。これにより、バッテリ回路30は、短絡素子1によってバッテリセル31をバイパスするバイパス電流経路を形成することができる。次いで、短絡素子1は、第1の可溶導体14が第1、第3電極間において溶断することにより、発熱体16への給電が停止される。
これにより、バッテリ回路30は、一つのバッテリセル31に異常が起きた場合にも、短絡素子1を介して当該バッテリセル31を迂回するバイパス電流経路を形成することができ、残りの正常なバッテリセル31によって充放電機能を維持することができる。
このとき、短絡素子1は、第1の可溶導体14を支持する第1の支持電極21と、発熱体16への給電経路3を構成する第3の電極13とを別個に設けているため、第1の可溶導体14が溶融し、第1の支持電極21と第1の電極11との間で溶断した場合にも、第1、第3の電極11,13間の接続は維持されている。したがって、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間が短絡するまでの間、発熱体16が発熱し続けるため、確実に第1、第2の電極11,12間を短絡させ、バイパス電流経路を形成することができる。
また、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12の短絡後も発熱体16が発熱し続けることにより、第1、第3の電極11,13間を接続している第1の可溶導体14が溶断し、給電経路3が遮断されるため、発熱体16の発熱が停止される。
なお、短絡素子1又はバッテリ回路30は、遮断されたバッテリセル31の内部抵抗とほぼ同じ抵抗値を有する保護抵抗を設けてもよい。バイパス電流経路上に保護抵抗を設けることにより、バッテリ回路30は、バイパス電流経路を構築した後においても、正常時と同じ抵抗値とすることができる。
[発熱***置]
なお、上述した短絡素子1においては、発熱体16を絶縁基板10の表面10a上において絶縁層17の内部に形成することによって被覆したが、図14に示すように、短絡素子1は、発熱体16を絶縁基板10の表面10a上に形成し、絶縁層17を積層することにより被覆してもよい。
この場合、発熱体16と接続される発熱体電極18及び発熱体引出電極19も、絶縁基板10の表面10aに形成されるとともに、絶縁層17によって被覆される。
また、短絡素子1は、図15に示すように、短絡素子1は、発熱体16を絶縁基板10の裏面10bに形成してもよい。この場合、発熱体16は、絶縁基板10の裏面10bにおいて絶縁層17に被覆されている。また、発熱体16の一端と接続される発熱体電極18及び発熱体引出電極19も同様に絶縁基板10の裏面10bに形成される。発熱体引出電極19と接続される第3の電極13は、絶縁基板10の表面10a側に形成され、絶縁基板10を貫通する導電スルーホールを介して発熱体引出電極19と接続される。
短絡素子1は、発熱体16が絶縁基板10の裏面10bに形成されることにより、絶縁基板10の表面10aが平坦化され、これにより、第1〜第3の電極11〜13や第1、第2の支持電極21,22を表面10a上に印刷等により一括して形成することができる。したがって、短絡素子1は、第1〜第3の電極11〜13や第1、第2の支持電極21,22の製造工程を簡略化することができるとともに、低背化を図ることができる。
また、短絡素子1は、発熱体16を絶縁基板10の裏面10bに形成した場合にも、絶縁基板10の材料としてファインセラミック等の熱伝導性に優れた材料を用いることにより、発熱体16によって、絶縁基板10の表面10a上に積層した場合と同等に第1、第2の可溶導体14,15を加熱、溶断することができる。
また、短絡素子1は、図16に示すように、発熱体16を絶縁基板10の内部に形成してもよい。この場合、発熱体16を被覆する絶縁層17は設ける必要がない。また、発熱体16と接続される発熱体電極18及び発熱体引出電極19は、それぞれ発熱体16と接続する下層部が絶縁基板10の内部まで形成され、導電スルーホールを介して絶縁基板10の表面10a側に上層部が設けられる。
また、短絡素子1は、図17に示すように、発熱体16を絶縁基板10の表面10a上において、第1〜第3の電極11〜13や第1、第2の支持電極21,22と並んで形成してもよい。この場合、発熱体16は、絶縁層17によって被覆されている。
[可溶導体構成]
上述したように、第1、第2の可溶導体14,15は、低融点金属と高融点金属とを含有してもよい。低融点金属としては、Snを主成分とするPbフリーハンダなどのハンダを用いることが好ましく、高融点金属としては、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金などを用いることが好ましい。このとき、第1、第2の可溶導体14,15は、図18(A)に示すように、内層として高融点金属層70が設けられ、外層として低融点金属層71が設けられた可溶導体を用いてもよい。この場合、第1、第2の可溶導体14,15は、高融点金属層70の全面が低融点金属層71によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。高融点金属層70や低融点金属層71による被覆構造は、メッキ等の公知の成膜技術を用いて形成することができる。
また、図18(B)に示すように、第1、第2の可溶導体14,15は、内層として低融点金属層71が設けられ、外層として高融点金属層70が設けられた可溶導体を用いてもよい。この場合も、第1、第2の可溶導体14,15は、低融点金属層71の全面が高融点金属層70によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。
また、第1、第2の可溶導体14,15は、図19に示すように、高融点金属層70と低融点金属層71とが積層された積層構造としてもよい。
この場合、第1、第2の可溶導体14,15は、図19(A)に示すように、第1〜第3の電極11〜13及び第1、第2の支持電極21,22に接続される下層と、下層の上に積層される上層からなる2層構造として形成され、下層となる高融点金属層70の上面に上層となる低融点金属層71を積層してもよく、反対に下層となる低融点金属層71の上面に上層となる高融点金属層70を積層してもよい。あるいは、第1、第2の可溶導体14,15は、図19(B)に示すように、内層と内層の上下面に積層される外層とからなる3層構造として形成してもよく、内層となる高融点金属層70の上下面に外層となる低融点金属層71を積層してもよく、反対に内層となる低融点金属層71の上下面に外層となる高融点金属層70を積層してもよい。
また、第1、第2の可溶導体14,15は、図20に示すように、高融点金属層70と低融点金属層71とが交互に積層された4層以上の多層構造としてもよい。この場合、第1、第2の可溶導体14,15は、最外層を構成する金属層によって、全面又は相対向する一対の側面を除き被覆された構造としてもよい。
また、第1、第2の可溶導体14,15は、内層を構成する低融点金属層71の表面に高融点金属層70をストライプ状に部分的に積層させてもよい。図21は、第1、第2の可溶導体14,15の平面図である。
図21(A)に示す第1、第2の可溶導体14,15は、低融点金属層71の表面に、幅方向に所定間隔で、線状の高融点金属層70が長手方向に複数形成されることにより、長手方向に沿って線状の開口部72が形成され、この開口部72から低融点金属層71が露出されている。第1、第2の可溶導体14,15は、低融点金属層71が開口部72より露出することにより、溶融した低融点金属と高融点金属との接触面積が増え、高融点金属層70の浸食作用をより促進させて溶断性を向上させることができる。開口部72は、例えば、低融点金属層71に高融点金属層70を構成する金属の部分メッキを施すことにより形成することができる。
また、第1、第2の可溶導体14,15は、図21(B)に示すように、低融点金属層71の表面に、長手方向に所定間隔で、線状の高融点金属層70を幅方向に複数形成することにより、幅方向に沿って線状の開口部72を形成してもよい。
また、第1、第2の可溶導体14,15は、図22に示すように、低融点金属層71の表面に高融点金属層70を形成するとともに、高融点金属層70の全面に亘って円形の開口部73が形成され、この開口部73から低融点金属層71を露出させてもよい。開口部73は、例えば、低融点金属層71に高融点金属層70を構成する金属の部分メッキを施すことにより形成することができる。
第1、第2の可溶導体14,15は、低融点金属層71が開口部73より露出することにより、溶融した低融点金属と高融点金属との接触面積が増え、高融点金属の浸食作用をより促進させて溶断性を向上させることができる。
また、第1、第2の可溶導体14,15は、図23に示すように、内層となる高融点金属層70に多数の開口部74を形成し、この高融点金属層70に、メッキ技術等を用いて低融点金属層71を成膜し、開口部74内に充填してもよい。これにより、第1、第2の可溶導体14,15は、溶融する低融点金属が高融点金属に接する面積が増大するので、より短時間で低融点金属が高融点金属を溶食することができるようになる。
また、第1、第2の可溶導体14,15は、低融点金属層71の体積を、高融点金属層70の体積よりも多く形成することが好ましい。第1、第2の可溶導体14,15は、発熱体16の発熱によって加熱され、低融点金属が溶融することにより高融点金属を溶食し、これにより速やかに溶融、溶断することができる。したがって、第1、第2の可溶導体14,15は、低融点金属層71の体積を高融点金属層70の体積よりも多く形成することにより、この溶食作用を促進し、速やかに第1、第2の電極11,12間を短絡することができる。
また、第1、第2の可溶導体14,15は、図24に示すように、略矩形板状に形成され、外層を構成する高融点金属によって被覆され主面部14a,15aよりも肉厚に形成された相対向する一対の第1の側縁部14b,15bと、内層を構成する低融点金属が露出され第1の側縁部14b,15bよりも薄い厚さに形成された相対向する一対の第2の側縁部14c,15cとを有してもよい。図25に示すように、第1の可溶導体14は、第1の側縁部14bが第1、第3の電極11,13間に跨って接続されるとともに第1の支持電極21上に沿って接続され、第2の側縁部14cが溶断方向の両側端となる向きで、第1の電極11及び第1の支持電極21間に跨って接続されている。また、第2の可溶導体15は、第1の側縁部15bが第2の電極上及び第2の支持電極22上に沿って接続され、第2の側縁部15cが溶断方向の両側端となる向きで、第2の電極12及び第2の支持電極22間に跨って接続されている。
第1の側縁部14b,15bは、側面が高融点金属層70によって被覆されるとともに、これにより第1、第2の可溶導体14,15の主面部14a,15aよりも肉厚に形成されている。第2の側縁部14c,15cは、側面に、外周を高融点金属層70によって囲繞された低融点金属層71が露出されている。第2の側縁部14c,15cは、第1の側縁部14b,15bと隣接する両端部を除き主面部14a,15aと同じ厚さに形成されている。
そして、図25に示すように、第1、第2の可溶導体14,15は、第2の側縁部14c,15cが第1、第2の支持電極21,22から第1、第2の電極11,12間にわたる第1、第2の可溶導体14,15の溶断方向に沿って配設されている。また、第1の可溶導体14は、第1の側縁部14bが第1の電極11から第3の電極13にわたって配設されている。これにより、短絡素子1は、第1、第2の可溶導体14,15を速やかに第1、第2の電極11,12上に凝集し、短絡させるとともに、第1、第3の電極11,13間の遮断を遅らせて発熱体16の発熱を維持し、確実に第1、第2の電極11,12を短絡させることができる。
すなわち、第2の側縁部14c,15cは、第1の側縁部14b,15bよりも相対的に薄肉に形成されている。また、第2の側縁部14c,15cの側面は、内層を構成する低融点金属層71が露出されている。これにより、第2の側縁部14c,15cは、低融点金属層71による高融点金属層70の侵食作用が働き、かつ、侵食される高融点金属層70の厚さも第1の側縁部14b,15bに比して薄く形成されていることにより、高融点金属層70によって肉厚に形成されている第1の側縁部14b,15bに比して、少ない熱エネルギーで速やかに溶融させることができる。これに対し、第1の側縁部14bは、高融点金属層70によって肉厚に被覆され、第2の側縁部14cに比して溶断するまでに多くの熱エネルギーを要する。
したがって、図26に示すように、短絡素子1は、発熱体16が発熱することにより、先ず、第2の側縁部14c,15cが渡されている第1の電極11と第1の支持電極21との間、及び第2の電極12と第2の支持電極22との間が溶断し、第1、第2の電極11,12上に溶融導体が凝集、結合する。これにより、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12が短絡する。次いで、図27に示すように、第1の側縁部14bが渡されている第1、第3の電極11,13間が溶断し、発熱体16への給電経路3が遮断され、発熱体16の発熱が停止される。すなわち、短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間が短絡する前に第1、第3の電極11,13間が遮断され、発熱体16への給電が停止することによって第1、第2の電極11,12間が短絡不能となる事態を防止することができる。
このような構成を有する第1、第2の可溶導体14,15は、低融点金属層71を構成するハンダ箔等の低融点金属箔を、高融点金属層70を構成するAg等の金属で被覆することにより製造される。低融点金属層箔を高融点金属被覆する工法としては、長尺状の低融点金属箔に連続して高融点金属メッキを施すことができる電解メッキ法が、作業効率上、製造コスト上、有利となる。
電解メッキによって高融点金属メッキを施すと、長尺状の低融点金属箔のエッジ部分、すなわち、側縁部において電界強度が相対的に強まり、高融点金属層70が厚くメッキされる(図24参照)。これにより、側縁部が高融点金属層によって肉厚に形成された長尺状の導体リボン40が形成される。次いで、この導体リボン40を長手方向と直交する幅方向(図24中C−C’方向)に、所定長さに切断することにより、第1、第2の可溶導体14,15が製造される。これにより、第1、第2の可溶導体14,15は、導体リボン40の側縁部が第1の側縁部14b,15bとなり、導体リボン40の切断面が第2の側縁部14c,15cとなる。また、第1の側縁部14b,15bは、高融点金属によって被覆され、第2の側縁部14c,15cは、端面(導体リボン40の切断面)に上下一対の高融点金属層70と高融点金属層70によって挟持された低融点金属層71が外方に露出されている。
1,40 短絡素子、2 スイッチ、3 給電経路、10 絶縁基板、10a 表面、10b 裏面、11 第1の電極、11a 外部接続端子、12 第2の電極、12a 外部接続端子、13 第3の電極、14 第1の可溶導体、14a 主面部、14b 第1の側縁部、14c 第2の側縁部、15 第2の可溶導体、15a 主面部、15b 第1の側縁部、15c 第2の側縁部、16 発熱体、17 絶縁層、18 発熱体電極、18a 外部接続端子、19 発熱体引出電極、21 第1の支持電極、22 第2の支持電極、23 接続用ハンダ、30 バッテリ回路、31 バッテリセル、32 電流制御素子32 保護素子、34 バッテリユニット、35 検出素子、70 高融点金属層、71 低融点金属層、72〜74 開口部

Claims (32)

  1. 互いに近接配置されるとともに開放されている第1、第2の電極と、
    上記第1の電極に隣接された第1の支持電極と、
    上記第2の電極に隣接された第2の支持電極と、
    上記第1の電極及び第1の支持電極に支持された第1の可溶導体と、
    上記第2の電極及び第2の支持電極に支持された第2の可溶導体と、
    上記第1、第2の可溶導体を溶融させる発熱体と、
    上記第1の電極に近接配置されるとともに開放され、上記発熱体と接続されるとともに上記第1の可溶導体を介して上記第1の電極と接続されている第3の電極とを有し、
    上記発熱体、上記第3の電極、上記第1の可溶導体、及び上記第1の電極を経由する上記発熱体への給電経路が設けられ、
    上記発熱体の発熱により、上記第1、第2の可溶導体が溶融して上記第1、第2の電極側に偏倚することにより、該溶融導体を介して上記第1、第2の電極が短絡され、
    上記第1の可溶導体が上記第1の電極上に凝集することにより、上記第1、第3の電極が遮断される短絡素子。
  2. 上記第1の電極は、上記第3の電極よりも面積が広く、
    上記第2の電極は、上記第2の支持電極よりも面積が広く、
    上記第1の電極は、上記第1の支持電極よりも面積が広い請求項1記載の短絡素子。
  3. 上記第1の電極及び上記第3の電極間の間隔G1と、上記第1の電極及び上記第2の電極間の間隔G2とが、以下の関係となる請求項1又は2記載の短絡素子。
    G1>G2
  4. 上記第3の電極は、上記第1の可溶導体の偏倚方向に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の短絡素子。
  5. 上記発熱体は、少なくとも上記第1、第2の可溶導体及び上記第1、第2の電極と重畳する位置に形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の短絡素子。
  6. 上記発熱体は、上記第3の電極と重畳しない位置に形成されている請求項5記載の短絡素子。
  7. 互いに近接配置されるとともに開放されている第1、第2の電極と、
    上記第1の電極に支持された第1の可溶導体と、
    上記第1の可溶導体を溶融させる発熱体と、
    上記第1の電極に近接配置されるとともに開放され、上記発熱体と接続されるとともに上記第1の可溶導体を介して上記第1の電極と接続されている第3の電極とを有し、
    上記発熱体、上記第3の電極、上記第1の可溶導体、及び上記第1の電極を経由する上記発熱体への給電経路が設けられ、
    上記発熱体の発熱により、上記第1の可溶導体が溶融して上記第1、第2の電極上に凝集することにより、該溶融導体を介して上記第1、第2の電極が短絡され、
    上記第1の可溶導体が上記第1の電極上に凝集することにより、上記第1、第3の電極が遮断される短絡素子。
  8. 上記第1の電極は、上記第3の電極よりも面積が広く、
    上記第1の電極は、上記第1の支持電極よりも面積が広い請求項7記載の短絡素子。
  9. 上記第1の電極及び上記第3の電極間の間隔G1と、上記第1の電極及び上記第2の電極間の間隔G2とが、以下の関係となる請求項8記載の短絡素子。
    G1>G2
  10. 上記第3の電極は、上記第1の可溶導体の偏倚方向に形成されている請求項7〜9のいずれか1項に記載の短絡素子。
  11. 上記発熱体は、少なくとも上記第1の可溶導体及び上記第1、第2の電極と重畳する位置に形成されている請求項7〜10のいずれか1項に記載の短絡素子。
  12. 上記発熱体は、上記第3の電極と重畳しない位置に形成されている請求項11記載の短絡素子。
  13. 上記発熱体の発熱中心から上記第1の支持電極までの距離よりも、上記発熱体の発熱中心から上記第3の電極までの距離が短い請求項1〜12のいずれか1項に記載の短絡素子。
  14. 上記発熱体は、絶縁基板上に積層された絶縁層の内部、又は上記絶縁層と上記絶縁基板との間に設けられている請求項1〜13のいずれか1項に記載の短絡素子。
  15. 上記発熱体は、絶縁基板の内部に形成されている請求項1〜13のいずれか1項に記載の短絡素子。
  16. 上記発熱体は、絶縁基板の上記第1〜第3の電極が形成された面側と反対側の面に形成されている請求項1〜13のいずれか1項に記載の短絡素子。
  17. 上記発熱体は、絶縁基板の上記第1〜第3の電極が形成された面と同一面に形成されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の短絡素子。
  18. 上記第1〜第3の電極は、表面にNi/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキのいずれかが被覆されている請求項1〜17のいずれか1項に記載の短絡素子。
  19. 上記第1の可溶導体は、ハンダである請求項1〜18のいずれか1項に記載の短絡素子。
  20. 上記第1の可溶導体は、低融点金属と高融点金属とを含有し、
    上記低融点金属が上記発熱体からの加熱により溶融し、上記高融点金属を溶食する請求項1〜18のいずれか1項に記載の短絡素子。
  21. 上記低融点金属はハンダであり、
    上記高融点金属は、Ag、Cu又はAg若しくはCuを主成分とする合金である請求項20記載の短絡素子。
  22. 上記第1の可溶導体は、内層が上記高融点金属であり、外層が上記低融点金属の被覆構造である請求項20又は21に記載の短絡素子。
  23. 上記第1の可溶導体は、内層が上記低融点金属であり、外層が上記高融点金属の被覆構造である請求項20又は21に記載の短絡素子。
  24. 上記第1の可溶導体は、上記低融点金属と、上記高融点金属とが積層された積層構造である請求項20又は21に記載の短絡素子。
  25. 上記第1の可溶導体は、上記低融点金属と、上記高融点金属とが交互に積層された4層以上の多層構造である請求項20又は21に記載の短絡素子。
  26. 上記第1の可溶導体は、内層を構成する低融点金属の表面に、高融点金属がストライプ状に積層されている請求項20又は21に記載の短絡素子。
  27. 上記第1の可溶導体は、多数の開口部を有する高融点金属層と、上記高融点金属層上に形成された低融点金属層とを有し、上記開口部に低融点金属が充填されている請求項20又は21に記載の短絡素子。
  28. 上記第1の可溶導体は、上記低融点金属の体積が、上記高融点金属の体積よりも多い請求項20〜27のいずれか1項に記載の短絡素子。
  29. 上記第1の可溶導体は、外層を構成する上記高融点金属によって被覆され主面部よりも肉厚に形成された相対向する一対の第1の側縁部と、内層を構成する上記低融点金属が露出され上記第1の側面部よりも薄い厚さに形成された相対向する一対の第2の側縁部とを有し、上記第1の側縁部が上記第1、第3の電極間に跨って接続され、上記第2の側縁部が上記第1の電極及び上記第1の支持電極間に跨って接続されている請求項20、21,23、28のいずれか1項に記載の短絡素子。
  30. 上記第2の可溶導体が、請求項19〜請求項29のいずれか1項に記載の上記第1の可溶導体と同じ構成とされている請求項1〜6のいずれか1項に記載の短絡素子。
  31. 上記第1及び第2の電極は、上記第3の電極よりも上記発熱体の発熱中心に近い位置に設けられている請求項1〜17のいずれか1項に記載の短絡素子。
  32. 上記第1及び第2の電極は、上記発熱体の発熱中心上に設けられている請求項31記載の短絡素子。
JP2013240265A 2013-11-20 2013-11-20 短絡素子 Active JP6223142B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013240265A JP6223142B2 (ja) 2013-11-20 2013-11-20 短絡素子
PCT/JP2014/005828 WO2015075928A1 (ja) 2013-11-20 2014-11-19 短絡素子
CN201480063580.7A CN105745733B (zh) 2013-11-20 2014-11-19 短路元件
KR1020167013486A KR102370805B1 (ko) 2013-11-20 2014-11-19 단락 소자
TW103140231A TWI615940B (zh) 2013-11-20 2014-11-20 短路元件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013240265A JP6223142B2 (ja) 2013-11-20 2013-11-20 短絡素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015099756A JP2015099756A (ja) 2015-05-28
JP6223142B2 true JP6223142B2 (ja) 2017-11-01

Family

ID=53179213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013240265A Active JP6223142B2 (ja) 2013-11-20 2013-11-20 短絡素子

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6223142B2 (ja)
KR (1) KR102370805B1 (ja)
CN (1) CN105745733B (ja)
TW (1) TWI615940B (ja)
WO (1) WO2015075928A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112366653B (zh) * 2020-10-30 2022-07-29 国网山东省电力公司青岛供电公司 一种使绝缘配电线路保护装置动作的短路装置及短路方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH073559Y2 (ja) * 1989-04-17 1995-01-30 内橋エステック株式会社 感温スイッチ
JP2004185960A (ja) 2002-12-03 2004-07-02 Kamaya Denki Kk 回路保護素子とその製造方法
JP5072796B2 (ja) 2008-05-23 2012-11-14 ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 保護素子及び二次電池装置
JP5301298B2 (ja) * 2009-01-21 2013-09-25 デクセリアルズ株式会社 保護素子
JP5130233B2 (ja) * 2009-01-21 2013-01-30 デクセリアルズ株式会社 保護素子
JP5656466B2 (ja) 2010-06-15 2015-01-21 デクセリアルズ株式会社 保護素子、及び、保護素子の製造方法
US9337671B2 (en) * 2011-12-19 2016-05-10 Dexerials Corporation Protective element, protective element fabrication method, and battery module in which protective element is embedded
JP2012059719A (ja) * 2011-12-26 2012-03-22 Sony Chemical & Information Device Corp 保護素子及びバッテリーパック
JP5844669B2 (ja) * 2012-03-26 2016-01-20 デクセリアルズ株式会社 保護素子
JP6249600B2 (ja) * 2012-03-29 2017-12-20 デクセリアルズ株式会社 保護素子
CN105027252B (zh) * 2013-02-05 2017-10-03 迪睿合株式会社 短路元件及利用该短路元件的电路
JP6364243B2 (ja) * 2013-08-07 2018-07-25 デクセリアルズ株式会社 保護素子及びバッテリパック
JP6173859B2 (ja) * 2013-09-26 2017-08-02 デクセリアルズ株式会社 短絡素子

Also Published As

Publication number Publication date
CN105745733B (zh) 2018-02-13
TWI615940B (zh) 2018-02-21
WO2015075928A1 (ja) 2015-05-28
TW201528471A (zh) 2015-07-16
JP2015099756A (ja) 2015-05-28
KR102370805B1 (ko) 2022-03-04
CN105745733A (zh) 2016-07-06
KR20160086849A (ko) 2016-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6249602B2 (ja) 保護素子
KR102523229B1 (ko) 보호 소자 및 실장체
WO2015020111A1 (ja) 保護素子及びバッテリパック
KR20150115936A (ko) 단락 소자, 및 이것을 사용한 회로
WO2014123139A1 (ja) 短絡素子、およびこれを用いた回路
JP6173859B2 (ja) 短絡素子
JP6161967B2 (ja) 短絡素子、およびこれを用いた回路
KR102386943B1 (ko) 단락 소자
KR102233539B1 (ko) 단락 소자 및 단락 회로
JP6246503B2 (ja) 短絡素子、およびこれを用いた回路
KR102378639B1 (ko) 스위치 소자 및 스위치 회로
KR102527559B1 (ko) 단락 소자
JP6223142B2 (ja) 短絡素子
JP6254777B2 (ja) 短絡素子、およびこれを用いた回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6223142

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250