JP6378979B2 - 拡張デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、生体内管腔における狭窄部等の目的部位にて拡張可能なバルーンを備える拡張デバイスに関する。
拡張デバイスとしてのバルーンカテーテルは、冠状動脈血管等の生体内管腔に生じた狭窄部を拡張するために使用される。バルーンカテーテルは、一般に、流体を流通させるルーメンを有する長尺のカテーテルと、該カテーテルの先端側に設けられ、前記流体によって拡張可能なバルーンとを備えている。そして、生体内管腔にバルーンカテーテルを挿入し、流体が供給されたバルーンが膨らむことによって、生体内管腔における狭窄部が拡張される。
例えば血管に生じた狭窄部をバルーンカテーテルで拡張する際、特に石灰化病変部等の硬くなった狭窄部では、バルーンによる或る程度大きな拡張力が必要となる。そのために、ローコンプライアントバルーン(高耐圧バルーン)が用いられるが、バルーンを目的拡張径まで加圧する間に、バルーンが病変部をスリップして外れてしまう現象が発生する場合がある。これは、バルーンを加圧する際にインデフレータを使用してゆっくりとバルーンを拡張するため、目的拡張径に達する前に、バルーンが病変部からずれて力が逃げてしまうからである。
また、狭窄部の拡張が難しい症例に対して、敢えてバルーンをバースト(破裂)させて瞬時に狭窄部の拡張を試みる例もある。しかし、この場合、破裂時におけるバルーンの径方向寸法が制御できず不確定であり、また、バルーン内の造影剤が血管内に噴き出すために血管損傷のおそれもある。
一方、特許文献1,2に、径方向内側のバルーンと径方向外側のバルーンとの2つのバルーンを備え、径方向内側のバルーンを破裂させて径方向外側のバルーンを膨らませるようにしたバルーンカテーテルが開示されている(特許文献1の特許請求の範囲第3項、特許文献2の請求項1参照)。
特開平2−224668号公報 特許第3767555号公報
特許文献1に記載の技術は、一旦病変部位にまで誘導したカテーテルを体外に引き出すことなく病変部位の内径に合わせたバルーンの拡張を実現することを目的としている。つまり、特許文献1に記載の技術は、内側のバルーンの拡張径では十分でない場合に、更に圧力を増して内側のバルーンを破裂させることによって、内側のバルーンよりも拡張径の大きい外側のバルーンを拡張させて狭窄部を拡大するものである。
また、特許文献2に記載の技術は、バルーンカテーテルの外側にステントが取り付けられたものであり、ステントの管腔内装入中に、ステントの端部がフレア式に広がってしまうことを課題としている。つまり、特許文献2に記載の技術は、まず内側のバルーンに圧力を加えてバルーンを膨らませてステントの中央部を拡張させ、圧力をさらに増大させて内側バルーンを破裂させることにより、外側バルーンを膨らませてステントの残りの部分を拡張させるものである。
しかしながら、特許文献1,2に記載の技術のいずれも、内側のバルーンの破裂時の挙動については特に考慮していない。したがって、内側のバルーンの破裂時に外側のバルーンの内面に加わる圧力が不規則となり、バルーンを均一に拡張させることができない。このため、狭窄部を瞬時に拡張させるバルーンの拡張力が十分に発揮されない。
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、バルーンをより均一に、かつ瞬時に拡張させることができる拡張デバイスを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る拡張デバイスは、流体を流通させるルーメンを有する長尺の本体と、前記本体の先端側に設けられ、前記流体によって拡張可能なバルーンと、を備え、前記バルーンは、前記本体の先端側の外周に設けられ、前記ルーメンと連通する第1バルーン部と、前記第1バルーン部の径方向外側を覆うように設けられ、閉止された空間を径方向内側に形成する第2バルーン部と、を有し、前記第1バルーン部は、拡張時の径方向寸法が前記第2バルーン部よりも小さく、前記第1バルーン部の周面に、該周面の他の領域よりも破裂強度の小さい領域が複数箇所に設けられており、破裂強度の小さい前記領域は、前記周面の一部が径方向外側に延出して部分的に肉厚が薄くなっている領域であることを特徴とする。
このような構成では、術者は、生体内管腔に拡張デバイスを先端側から挿入し、バルーンを狭窄部等の目的部位に位置決めする。そして、ルーメンを通じて流体を導入することによって、まず内側の第1バルーン部が拡張される。内側の第1バルーン部は、外側の第2バルーン部よりも、拡張時の径方向寸法(拡張径)が小さく設定されているため、内側の第1バルーン部が拡張したとしても破裂するまでは、術者が目的とする拡張径(目的拡張径)には達しない。したがって、内側の第1バルーン部の拡張時に、バルーンが目的部位からスリップすることはない。さらに流体の圧力を高めていくと、内側の第1バルーン部が、複数箇所に設けられた破裂強度の小さい領域にて破裂する。このとき、内側の第1バルーン部内で高まった圧力によって、流体が外側の第2バルーン部の内面に向けて複数箇所で、しかも一気に噴き出し、瞬時に外側の第2バルーン部が拡張して目的拡張径に達する。また、内側の第1バルーン部の破裂時に生まれる高圧の解放によって、拡張エネルギーが外側の第2バルーン部を介して狭窄部等の目的部位の内壁に到達するため、狭窄部等を瞬時に拡張させる拡張力を十分に発揮させることができる。
すなわち、このような構成によれば、バルーンをより均一に、かつ瞬時に拡張させることができる拡張デバイスを提供できる。
したがって、バルーンは、拡張時には均一かつ瞬時に拡張するため狭窄部等の目的部位から外れることなく、狭窄部等を目的の内径に確実に拡張させることができる。
また、本発明において、前記ルーメンは、該ルーメンの基端側において、前記流体を加圧可能な加圧器に接続される第1経路と、該第1経路とは異なる第2経路とに分岐しており、前記第2経路には、前記流体の圧力を調整する圧力調整部が接続されており、前記圧力調整部は、シリンダと、該シリンダ内に摺動可能に配置され一方の面が前記ルーメンに連通する加圧空間に露呈するピストンと、該ピストンの他方の面に前記加圧空間側へ押圧力を付与する押圧部材とを有し、前記第1バルーン部の拡張前に前記押圧部材から前記ピストンにかかる圧力は、前記第1バルーン部の破裂時の圧力よりも低くなるように、前記押圧部材によって設定されていることを特徴とする。
このような構成では、内側の第1バルーン部の拡張前には、ピストンは、押圧部材による押圧によって加圧空間側の位置にある。そして、流体の圧力を高めていくと、流体の圧力が押圧部材からピストンにかかる圧力を上回り、この流体の圧力によってピストンが後退移動させられて押圧部材側の位置にくる。この押圧部材側の位置は、ピストンの両面にかかる圧力が均衡する位置である。さらに流体の圧力を高めていき、内側の第1バルーン部が破裂すると、容積の急拡大によって圧力が降下しようとするが、これにともなってピストンが押圧部材によって加圧空間側に進出移動させられる。これにより、圧力調整部からの圧力が瞬間的に外側の第2バルーン部に伝わる。
すなわち、このような構成によれば、内側の第1バルーン部の破裂時における容積の急拡大による圧力降下分を、圧力調整部からの圧力の供給によって補完することができる。したがって、内側の第1バルーン部の破裂時に、より迅速に反応して外側の第2バルーン部を瞬時に拡張させることができる。
また、本発明において、前記第1バルーン部の破裂時に前記押圧部材から前記ピストンにかかる圧力は、前記第2バルーン部が予め規定された拡張時の径方向寸法に達するときの圧力よりも高くなるように、前記押圧部材によって設定されていることを特徴とする。
このような構成によれば、内側の第1バルーン部の破裂時に圧力調整部から供給される圧力が十分高くなるため、第2バルーン部を予め規定された径方向寸法に、より迅速かつ確実に拡張させることができる。
本発明によれば、バルーンをより均一に、かつ瞬時に拡張させることができる拡張デバイスを提供できる。
本発明の拡張デバイスの一実施形態に係るバルーンカテーテルの構成を示す概略図である。 図1に示されるバルーン周辺の拡大断面図である。 図2に示される第1バルーン部の概略斜視図である。 変形例に係る第1バルーン部の概略斜視図である。 他の変形例に係る第1バルーン部の概略斜視図である。 (a)は図1に示される圧力調整部の第1バルーン部の拡張前の状態を示す概略拡大断面図、(b)は図1に示される圧力調整部の第1バルーン部の破裂直前の状態を示す概略拡大断面図である。 (a)は第1バルーン部の破裂直前におけるバルーンの状態を模式的に示す断面図、(b)は第1バルーン部の破裂直後におけるバルーンの状態を模式的に示す断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材または相当する部材には同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。また、部材のサイズおよび形状は、説明の便宜のため、変形または誇張して模式的に表す場合がある。
図1は、本発明の拡張デバイスの一実施形態に係るバルーンカテーテル100の構成を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態に係るバルーンカテーテル100は、生体内管腔における狭窄部等の目的部位にて拡張可能なバルーン20を備える拡張デバイスである。ここでは、バルーンカテーテル100が、生体内管腔としての冠状動脈血管に生じた狭窄部を拡張し、血流を改善するために使用される場合について説明する。
バルーンカテーテル100は、流体を流通させる拡張ルーメン15(図2参照)を有する長尺の本体としてのカテーテル10と、カテーテル10の先端側に設けられ、流体によって拡張可能なバルーン20と、カテーテル10の基端側に取り付けられるハブ30と、を備えている。なお、本発明では、バルーンカテーテル100における「先端」は生体内管腔に挿入される側の端部、「基端」は「先端」の反対側の端部を指すものとする。
図2は、図1に示されるバルーン20周辺の拡大断面図である。
図2に示すように、カテーテル10は、チューブ形状を有する二重管からなり、内管11と、内部に内管11が挿通される外管12とを備えている。
内管11は、円筒体であり、ポリオレフィン、ポリアミドエラストマ等の可撓性を有する合成樹脂材料から形成されている。内管11の内径は、ガイドワイヤーW(図1参照)を挿通することができる大きさに形成され、内管11の内部空間が、ガイドワイヤールーメン13を構成している。
内管11は、バルーン20内に位置する領域の外周に、プラチナ等の金属などのX線不透過材料から形成されたリング状のマーカ14,14を有していることが好ましい。マーカ14,14を有することによって、X線透視下で、マーカ14,14の鮮明な造影像が得られるため、生体内管腔に挿入されたカテーテル10の先端側に設けられたバルーン20の位置を容易に視認(確認)することが可能となる。
外管12は、円筒体であり、ポリオレフィン、ポリアミドエラストマ等の可撓性を有する合成樹脂材料により形成されている。外管12の内径は、内管11の外径よりも大きく、外管12の内周面と内管11の外周面との間に形成される空間が、バルーン20を膨らませるための流体を流通させる拡張ルーメン(ルーメン)15を構成している。また、外管12の先端面は、内管11の先端面よりも基端側に位置している。すなわち、内管11は、外管12の先端開口から、先端側に突出している。
バルーン20は、カテーテル10の先端側の外周に設けられ、拡張ルーメン15と連通する第1バルーン部21と、第1バルーン部21の径方向外側を覆うように設けられ、閉止された空間23を径方向内側に形成する第2バルーン部22と、を有している。
具体的には、外管12の先端側に第1バルーン部21の基端側が液密に接合され、内管11の先端側に第1バルーン部21の先端側が液密に接合されている。また、外管12の先端側であって、かつ第1バルーン部21との接合箇所よりも基端側の位置に、第2バルーン部22の基端側が液密に接合され、内管11の先端側であって、かつ第1バルーン部21との接合箇所よりも先端側の位置に、第2バルーン部22の先端側が液密に接合されている。ただし、第2バルーン部22の軸方向端部の一部または全部が、第1バルーン部21の軸方向端部の外周面に密着して接合されていてもよい。バルーン20の接合方法としては、従来公知の熱融着等の接合方法が用いられる。
第1バルーン部21および第2バルーン部22は、内圧の変化によって拡張および収縮(折り畳み)が可能となっており、したがって、内部に流体が導入されることによって、カテーテル10を囲む筒状(円筒状)に拡張するように構成されている。図2では、理解を容易にするため、第1バルーン部21および第2バルーン部22がそれぞれ拡張した状態を示している。第1バルーン部21の拡張時の径方向寸法(拡張径)D1は、第2バルーン部22の拡張時の径方向寸法(拡張径)D2よりも小さく設定されている。
本実施形態では、内側の第1バルーン部21を破裂させて外側の第2バルーン部22を膨らませるように設計されている。したがって、外側の第2バルーン部22は、内側の第1バルーン部21よりも高耐圧性を有する設計となっている。
バルーン20は、拡張および収縮を可能にする可撓性が必要とされるとともに、石灰化病変部等の硬くなった狭窄部を拡張するための或る程度大きな拡張力を保証する耐圧性が必要となる。このため、バルーン20の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等の、ローコンプライアントまたはノンコンプライアントな性質を有する材料を使用することが好ましい。ただし、バルーン20の構成材料としては、前記したものに限定されるものではない。
図3は、図2に示される第1バルーン部21の概略斜視図である。
図2および図3に示すように、第1バルーン部21の周面24に、該周面24の他の領域よりも破裂強度の小さい領域25が複数箇所に設けられている。また、領域25は、周方向において均一に設けられていることが望ましい。ここで、「領域25が周方向において均一に設けられている」とは、領域25が周面24上において特定の周方向位置に偏って配置されることなく、領域25の存在割合が周方向において概ね一様であることをいう。本実施形態では、破裂強度の小さい領域25は、第1バルーン部21の周面24に、円形状を呈して一様に複数形成されている。
第1バルーン部21および第2バルーン部22の製造方法としては、例えば、筒状のパリソンをブロー成形することによってブロー成形用の金型の内面に膜を成形する方法(ブロー成形法)が使用される。この場合、例えば金型の内面に多数の略半球状の凹部を形成しておき、ブロー成形時に凹部においてパリソンが径方向外側に延ばされて肉厚が薄くなることによって、破裂強度の小さい領域25が形成され得る。ただし、破裂強度の小さい領域25は、前記のように部分的に肉厚を薄くすることによって形成される場合に限定されるものではなく、例えば、部分的に引張強度等の機械的強度が低い材料で構成することによって形成されてもよい。
図4は、変形例に係る第1バルーン部21aの概略斜視図である。図5は、他の変形例に係る第1バルーン部21bの概略斜視図である。
周面24の他の領域よりも破裂強度の小さい領域は、図3に示す形状に限定されるものではない。例えば、図4に示すように、破裂強度の小さい領域25aが、第1バルーン部21aの周面24に、軸方向に平行な直線の筋状を呈して周方向に均等間隔で複数形成されていてもよい。また、図5に示すように、破裂強度の小さい領域25bが、第1バルーン部21bの周面24に、スパイラル状を呈して形成されていてもよい。本発明において、領域25bは、破裂強度の小さい複数の領域が連続的につながって周回するように形成されたものであって、破裂強度の小さい領域が複数箇所に設けられている例の一つとする。
図1の説明に戻って、ハブ30は、ハブ本体31と、ハブ本体31から分岐した拡張ポート32とを有している。拡張ポート32は、拡張ルーメン15(図2参照)を介してバルーン20の第1バルーン部21(図2参照)と連通している。拡張ルーメン15は、バルーン20を拡張するための流体を導入および排出するために使用される。流体として、例えば造影剤等の液体を使用することができる。
本実施形態では、バルーンカテーテル100は、生体内管腔に先行して挿入されるガイドワイヤーWがバルーンカテーテル100の先端から基端まで挿通する構造のオーバーザワイヤタイプ(OTWタイプ)である。ただし、バルーンカテーテル100は、ガイドワイヤーWがカテーテル10の途中位置から露出した構造のラピッドエクスチャンジタイプ(RXタイプ)であってもよい。
拡張ポート32は、拡張ポート本体33と、拡張ポート本体33から分岐した圧力調整ポート34とを有している。拡張ポート本体33には、第1経路41を介して、インデフレータ等の流体を加圧可能な加圧器35が接続される。一方、圧力調整ポート34には、第2経路42を介して、流体の圧力を調整する圧力調整部50が接続される。すなわち、拡張ルーメン15(図2参照)は、該拡張ルーメン15の基端側において、第1経路41と、該第1経路41とは異なる第2経路42とに分岐している。
図6(a)は、図1に示される圧力調整部50の第1バルーン部21(図2参照)の拡張前の状態を示す概略拡大断面図、図6(b)は図1に示される圧力調整部50の第1バルーン部21の破裂直前の状態を示す概略拡大断面図である。
図6に示すように、圧力調整部50は、略円筒状を呈するシリンダ51と、該シリンダ51内に摺動可能に配置され一方の面が拡張ルーメン15(図2参照)に連通する加圧空間54に露呈するピストン52と、該ピストン52の他方の面に加圧空間54側へ押圧力を付与する押圧部材53とを有している。押圧部材53として、本実施形態では、圧縮コイルばね等のばね部材が使用されている。また、ピストン52の外周面に形成された環状の溝には、Oリング等のシール部材55が装着されている。
押圧部材53からピストン52にかかる圧力Psは、第1バルーン部21(図2参照)の拡張前においては、第1バルーン部21の破裂時の圧力P1(例えば25atm(約2532.5kPa))よりも低い圧力Psa(例えば20atm(約2026kPa))となるように、押圧部材53の特性が定められることによって設定されている。また、押圧部材53からピストン52にかかる圧力Psは、第1バルーン部21の破裂時においては、第2バルーン部22が拡張径D2(図2参照)に達するときの圧力P2(例えば20atm(約2026kPa))よりも高い圧力Psb(例えば25atm(約2532.5kPa))となるように、押圧部材53の特性が定められることによって設定されている。ここで、押圧部材53からピストン52にかかる圧力Psとは、押圧部材53による押圧力(付勢力)をピストン52の断面積で割った値をいう。
次に、図1〜図6に加えて、図7を参照して、前記のように構成されたバルーンカテーテル100の使用方法について、冠状動脈血管に生じた狭窄部を拡張する場合を例にとって、その作用とともに説明する。
図7(a)は、第1バルーン部21の破裂直前におけるバルーン20の状態を模式的に示す断面図、図7(b)は、第1バルーン部21の破裂直後におけるバルーン20の状態を模式的に示す断面図である。なお、図7では、内管11は断面ではなく側面を示す。
まず、術者は、外側の第2バルーン部22の拡張径D2を参考にして、複数種類のサイズが用意されているものの中から、目的の血管径に適合するバルーンカテーテル100を選定する。
続いて、術者は、X線照射下で、ガイドワイヤーW(図1参照)を目的部位となる冠状動脈血管の狭窄部に位置決めする。そして、術者は、位置決めされたガイドワイヤーWに沿って、バルーンカテーテル100を先端側から冠状動脈血管内に挿入する。
次に、術者は、X線照射下で、バルーン20の位置をマーカ14,14で確認しながら、バルーン20を目的部位である冠状動脈血管の狭窄部に位置決めする。
そして、加圧器35(図1参照)を用いて拡張ルーメン15を通じて流体を導入することによって、まず内側の第1バルーン部21が拡張される(図7(a)参照)。内側の第1バルーン部21の拡張径D1は、外側の第2バルーン部22の拡張径D2(図7(b)参照)よりも小さく設定されているため、内側の第1バルーン部21が拡張したとしても破裂するまでは、術者が目的とする拡張径(目的拡張径)には達しない。ここで、目的拡張径は、外側の第2バルーン部22の拡張径D2に等しい。したがって、内側の第1バルーン部21の拡張時に、バルーン20が目的部位からスリップすることはない。
加圧器35を用いてさらに流体の圧力を高めていくと、内側の第1バルーン部21が、複数箇所に設けられた破裂強度の小さい各領域25(図2および図3参照)にて破裂する(図7(b)参照)。このとき、内側の第1バルーン部21内で高まった圧力によって、流体が外側の第2バルーン部22の内面に向けて複数箇所で、しかも一気に噴き出し、瞬時に外側の第2バルーン部22が目的拡張径D2に達する。また、内側の第1バルーン部21の破裂時に生まれる高圧の解放によって、拡張エネルギーが外側の第2バルーン部22を介して目的部位である狭窄部の内壁に到達するため、狭窄部を瞬時に拡張させる拡張力を十分に発揮させることができる。
この結果、冠状動脈血管の狭窄部の内壁の内径は、瞬時に拡径して、目的の血管径が確保される。その後、冠状動脈血管内からバルーンカテーテル100およびガイドワイヤーWを抜き取って、手技を終了する。
このように、本実施形態のバルーンカテーテル100によれば、バルーン20をより均一に、かつ瞬時に拡張させることができる。
したがって、バルーン20は、拡張時には均一かつ瞬時に拡張するため狭窄部等の目的部位から外れることなく、狭窄部等を目的の内径に確実に拡張させることができる。
また、本実施形態では、拡張ルーメン15に、流体の圧力を調整する圧力調整部50が繋がっており、圧力調整部50は、シリンダ51、ピストン52、および押圧部材53を有している。そして、押圧部材53からピストン52にかかる圧力Psは、第1バルーン部21の拡張前においては、第1バルーン部21の破裂時の圧力P1(例えば25atm)よりも低い圧力Psa(例えば20atm)となるように、押圧部材53によって設定されている。
このような構成では、内側の第1バルーン部21の拡張前には、ピストン52は、押圧部材53による押圧によってストッパに当接させられて加圧空間54側の位置にある(図6(a)参照)。そして、流体の圧力Pを高めていくと、流体の圧力Pが押圧部材53からピストン52にかかる圧力Ps(=Psa)を上回り、この流体の圧力Pによってピストン52が後退移動させられて押圧部材53側の位置にくる(図6(b)参照)。この押圧部材53側の位置は、ピストン52の両面にかかる圧力が均衡する位置である。さらに流体の圧力Pを高めていき、内側の第1バルーン部21の破裂時には、ピストン52にかかる圧力Psも、第1バルーン部21の破裂時における流体の圧力P=P1(例えば25atm)と等しい圧力Psbまで上昇している。そして、内側の第1バルーン部21が破裂すると、容積の急拡大によって圧力Pが降下しようとするが、これにともなってピストン52が押圧部材53によって加圧空間54側に進出移動させられる。これにより、圧力調整部50からの圧力Psが瞬間的に外側の第2バルーン部22に伝わる。
すなわち、このような構成によれば、内側の第1バルーン部21の破裂時における容積の急拡大による圧力降下分を、圧力調整部50からの圧力Psの供給によって補完することができる。したがって、内側の第1バルーン部21の破裂時に、より迅速に反応して外側の第2バルーン部22を瞬時に拡張させることができる。
また、本実施形態では、押圧部材53からピストン52にかかる圧力Psは、第1バルーン部21の破裂時においては、第2バルーン部22が拡張径D2に達するときの圧力P2(例えば20atm(約2026kPa))よりも高い圧力Psb(例えば25atm(約2532.5kPa))となるように、押圧部材53によって設定されている。
このような構成によれば、内側の第1バルーン部21の破裂時に圧力調整部50から供給される圧力Psが十分高くなるため、第2バルーン部22を予め規定された径方向寸法である拡張径D2に、より迅速かつ確実に拡張させることができる。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、前記実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
例えば、前記した実施形態では、バルーンカテーテル100が、冠状動脈血管に生じた狭窄部を拡張するために使用される場合について説明したが、冠状動脈血管以外の生体内管腔に生じた狭窄部を拡張するためにも使用できることは勿論である。
また、前記した実施形態では、長尺の本体としてのカテーテル10は、チューブ形状を有する二重管から構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、内側の管(内管11)の代わりに、中実のシャフトが使用されてもよく、この場合、ガイドワイヤーは使用されない。さらには、長尺の本体が、一本のシャフトで構成され、該シャフトの内部に軸方向に沿って流体を流通させる拡張ルーメンが形成されてもよい。
また、前記した実施形態では、圧力調整部50の押圧部材53として、ばね部材が使用されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ばね部材の代わりに、拡張ルーメン15を流通する流体よりも圧縮性(収縮率)の高い流体(例えば空気)である充填材が、シリンダ51内のピストン52の他方の面(背面)側の空間に充填されていてもよい。
また、前記した実施形態では、圧力調整部50は、シリンダ51、ピストン52、および押圧部材53を有する機械的な構成とされているが、これに限定されるものではない。例えば、第1バルーン部21内の圧力(拡張ルーメン15内の圧力)を圧力センサ等によって検出し、第1バルーン部21の破裂時における容積の急拡大による圧力降下を検出した場合には、電動モータでピストンを移動させる等して電気的に圧力を発生させて圧力降下分を補完するような電気的制御が可能な構成を採用してもよい。さらには、加圧器35を、流体に対する加圧の電気的制御が可能となるように構成し、加圧器35が第1バルーン部21の破裂時における圧力降下分を補完する制御を行うようにしてもよく、この場合、圧力調整部50は省略される。
10 カテーテル(本体)
15 拡張ルーメン(ルーメン)
20 バルーン
21,21a,21b 第1バルーン部
22 第2バルーン部
23 空間
24 周面
25,25a,25b 破裂強度の小さい領域
35 加圧器
41 第1経路
42 第2経路
50 圧力調整部
51 シリンダ
52 ピストン
53 押圧部材
54 加圧空間
100 バルーンカテーテル
D1 第1バルーン部の拡張径(拡張時の径方向寸法)
D2 第2バルーン部の拡張径(拡張時の径方向寸法)

Claims (3)

  1. 流体を流通させるルーメンを有する長尺の本体と、
    前記本体の先端側に設けられ、前記流体によって拡張可能なバルーンと、を備え、
    前記バルーンは、前記本体の先端側の外周に設けられ、前記ルーメンと連通する第1バルーン部と、前記第1バルーン部の径方向外側を覆うように設けられ、閉止された空間を径方向内側に形成する第2バルーン部と、を有し、
    前記第1バルーン部は、拡張時の径方向寸法が前記第2バルーン部よりも小さく、
    前記第1バルーン部の周面に、該周面の他の領域よりも破裂強度の小さい領域が複数箇所に設けられており、
    破裂強度の小さい前記領域は、前記周面の一部が径方向外側に延出して部分的に肉厚が薄くなっている領域であることを特徴とする拡張デバイス。
  2. 前記ルーメンは、該ルーメンの基端側において、前記流体を加圧可能な加圧器に接続される第1経路と、該第1経路とは異なる第2経路とに分岐しており、
    前記第2経路には、前記流体の圧力を調整する圧力調整部が接続されており、
    前記圧力調整部は、シリンダと、該シリンダ内に摺動可能に配置され一方の面が前記ルーメンに連通する加圧空間に露呈するピストンと、該ピストンの他方の面に前記加圧空間側へ押圧力を付与する押圧部材とを有し、
    前記第1バルーン部の拡張前に前記押圧部材から前記ピストンにかかる圧力は、前記第1バルーン部の破裂時の圧力よりも低くなるように、前記押圧部材によって設定されていることを特徴とする請求項1に記載の拡張デバイス。
  3. 前記第1バルーン部の破裂時に前記押圧部材から前記ピストンにかかる圧力は、前記第2バルーン部が予め規定された拡張時の径方向寸法に達するときの圧力よりも高くなるように、前記押圧部材によって設定されていることを特徴とする請求項2に記載の拡張デバイス。
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