JP6369290B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用空調装置に関するものである。
従来、エバポレータに付着する結露水の蒸発に起因する臭いを防止するためにコンプレッサを作動させる技術が知られている。また、このような技術において、コンプレッサの運転時間を低減するため、エバポレータが臭気を感じにくいレベルまで乾燥していると判定されるとき、コンプレッサの作動を禁止して空調を開始する技術が、特許文献1に開示されている。
特開2011−63251号公報
しかし、特許文献1の技術では、エバポレータが十分に乾燥していると判断できない場合、コンプレッサの作動を禁止することができず、コンプレッサを停止できる頻度が低下してしまうという問題がある。
本発明は上記点に鑑み、エバポレータに付着する結露水の蒸発に起因する臭気を防止するためにコンプレッサを作動させる技術において、エバポレータが十分に乾燥していると判定できない場合でも、臭いの発生を抑えつつコンプレッサの作動を禁止できる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は車室内に送風される送風空気として車室内空気を導入するための内気導入口(21)および車室内に送風される送風空気として車室外空気を導入するための外気導入口(22)が形成された内外気切替箱(20)と、冷媒を吸入し圧縮して吐出するコンプレッサ(31)と、前記コンプレッサによって圧縮された後、凝縮させられて膨張されられた冷媒を、前記内気導入口および前記外気導入口の一方または両方から導入された送風空気と熱交換させることにより、送風空気を冷却するエバポレータ(13)と、空調制御装置(50)と、エンジンルーム内の温度が上昇すると検出温度(TW)が上昇するセンサ(53)とを備え、車室外空気を前記外気導入口に導入する外気ダクト(90)が、前記エンジンルーム内または前記エンジンルームの近傍に配置されており、前記空調制御装置は、車室内に送風される送風空気として前記外気導入口から車室外空気が導入されており且つ前記センサの検出温度が基準温度より低いことに基づいて、前記コンプレッサの作動を禁止し、車室内に送風される送風空気として前記外気導入口から車室外空気が導入されており且つ前記センサの検出温度が基準温度より低くないこと基づいて、前記コンプレッサを作動させ、車室内に送風される送風空気として前記外気導入口から車室外空気が導入されていないことに基づいて、前記コンプレッサを作動させることを特徴とする車両用空調装置である。
発明者の検討によれば、外気導入口から車室外空気が導入されている場合は、車室内空気のみが導入されている場合に比べ、エバポレータに当たる送風空気の温度(エバポレータ前温度)を低くできる場合が多い。したがって、上記のように、外気導入口から車室外空気が導入されていることに基づいてコンプレッサの作動を禁止すれば、エバポレータが十分乾いておらず結露水が残っていたとしても、エバポレータの乾きを遅くできる。したがって、エバポレータが十分に乾燥していると判定できない場合でも、臭いの発生を抑えつつコンプレッサの作動を禁止できる。
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
本発明の実施形態に係る車両用空調装置1の全体構成を示す図である。 車両用空調装置1の電気制御部の構成を示す図である。 外気ダクト30の配置を示す図である。 空調制御装置が実行する制御処理のフローチャートである。 ブロワ電圧決定処理のフローチャートである。 吸込口モード決定処理のフローチャートである。 コンプレッサ設定モード決定処理を示す状態遷移図である。 電動ウォータポンプ作動決定処理のフローチャートである。 目標エバポレータ温度TEOを決めるためのマップである。 コンプレッサ回転数決定処理のフローチャートである。 コンプレッサ回転数決定処理のフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。本実施形態に係る車両用空調装置1は、内燃機関(エンジン)EGおよび走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両に適用している。
本実施形態のハイブリッド車両は、車両停止時に外部電源(商用電源)から供給された電力を図1のバッテリ81に充電することのできる、いわゆるプラグインハイブリッド車両として構成されている。このプラグインハイブリッド車両は、車両走行開始前の車両停止時に外部電源からバッテリ81に充電しておくことによって、走行開始時のようにバッテリ81の蓄電残量が予め定められた走行用基準残量以上になっているときには、主に走行用電動モータの駆動力によって走行する(以下、この走行モードをEV走行モードという)。
一方、車両走行中にバッテリ81の蓄電残量が走行用基準残量よりも低くなっているときには、主にエンジンEGの駆動力によって走行する(以下、この走行モードをHV走行モードという)。このように、EV走行モードとHV走行モードとを切り替えることによって、車両走行用の駆動力をエンジンEGのみから得る通常の車両に対してエンジンEGの燃料消費量を抑制して、車両燃費を向上させている。
また、エンジンEGから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、図1の発電機80を作動させるためにも用いられる。そして、発電機80にて発電された電力および外部電源から供給された電力は、バッテリ81に蓄えることができ、バッテリ81に蓄えられた電力は、走行用電動モータのみならず、車両用空調装置1を構成する電動式構成機器をはじめとする各種車載機器に供給できる。
次に、本実施形態の車両用空調装置1の詳細構成を説明する。車両用空調装置1は、図1に示す室内空調ユニット10と、図2に示す空調制御装置50とを備えている。
室内空調ユニット10は、エバポレータ13等を通って温度調節された送風空気である空調風を車室内へ吹き出す。これにより、車室内の空調が行われる。室内空調ユニット10は、図1に示すように、ケーシング11、送風機12、エバポレータ13、ヒータコア14等を備えている。そして、室内空調ユニット10は、その外殻を形成するケーシング11内に送風機12、エバポレータ13、ヒータコア14等が収容されたものである。室内空調ユニット10は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。
ケーシング11は、その内部に車室内に送風される送風空気の空気通路を形成している。本実施形態のケーシング11の内部には、その内部に形成された空気通路を上方側の第1空気通路112と下方側の第2空気通路113の2つの空気通路に仕切る仕切板111が配置されている。
送風機(ブロワ)12は、車室内へ向けて送風空気を送風するもので、遠心多翼ファン(シロッコファン)からなる第1、第2送風ファン121、122を、共通するブロワモータ(図示せず)にて駆動する電動送風機であって、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
より具体的には、第1、第2送風ファン121、122は、それぞれ第1、第2空気通路112、113に配置された図示しない第1、第2スクロールケーシング内に回転可能に収容されている。
これにより、第1送風ファン131によって送風された第1送風空気が、第1空気通路112を流通し、第2送風ファン132によって送風された第2送風空気が、第2空気通路113を流通する。
さらに、本実施形態では、送風機12の空気流れ上流側であって、ケーシング11の空気流れ最上流側に、内外気切替箱20が配置されている。内外気切替箱20は、第1、第2送風ファン121、122の吸い込み側へ導入する空気を車室外空気(外気)と車室内空気(内気)とで切り替える。
内外気切替箱20には、各空気通路112、113内に外気を導入させる外気導入口22(乗員上半身へ導通する吸込口の一例に相当する)および内気を導入させる内気導入口21が形成されている。さらに、内外気切替箱20の内部には、外気導入口22および内気導入口21の開口面積を連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる内外気切替ドア23が配置されている。
図3に示すように、車両前部窓ガラスの前方かつエンジンEGの後方には、外気ダクト90が形成されており、この外気ダクト90を通じて、矢印91に示す経路で、外気が外気導入口22に導入される。このように、外気ダクト90が、エンジンルーム92の近傍(具体的にはエンジンルーム92に隣接して)、あるいは、エンジンルーム92内に、配置されていることで、外気導入口22に導入される外気がエンジンEGによって熱せられ、外気センサ52が検出した外気温Tamよりも遙かに高温になる可能性がある。
内外気切替ドア23は、内外気切替ドア23用の電動アクチュエータ62によって駆動され、この電動アクチュエータ62は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
また、吸込口モードとしては、内気モード、外気モード、内外気モードがある。内気モードは、内気導入口21を全開とするとともに外気導入口22を全閉としてケーシング11内へ内気を導入するモードであり、外気導入率が0%となるモードである。
外気モードは、内気導入口21を全閉とするとともに外気導入口22を全開としてケーシング11内へ外気を導入するモード、であり外気導入率が100%となるモードである。
内外気モードは、内気モードと外気モードとの間で、内気導入口21および外気導入口22の開口面積を連続的に調整することにより、内気および外気を共に導入しつつ内気と外気との導入比率を連続的に変化させるモードである。内外気モードでは、内気導入口21の開口面積をSx、外気導入口22の開口面積をSyとすると、外気導入率は、Sy/(Sx+Sy)となり、0%より大きく100%より小さい。
送風機12の空気流れ下流側には、蒸発器13が配置されている。エバポレータ13は、コンプレッサ(圧縮機)31、凝縮器32、気液分離器33、および膨張弁34等とともに、冷凍サイクル30を構成している。車両用空調装置1は、コンプレッサ31、凝縮器32、気液分離器33、および膨張弁34等も備えている。エバポレータ13は、冷凍サイクル30においてコンプレッサ31での圧縮後に膨張弁34によって膨張させられた冷媒を蒸発させ、その冷媒と送風空気とを熱交換させることにより、各送風ファン131、132からの送風空気を冷却する。
このエバポレータ13は、ケーシング11内に配置された仕切板111に設けられた貫通穴を貫通するように配置されて、その上方側熱交換部が第1空気通路112内に位置付けられ、下方側熱交換部が第2空気通路113内に位置付けられている。従って、エバポレータ13の上方側熱交換部では第1送風空気が冷却され、エバポレータ13の下方側熱交換部では第2送風空気が冷却される。
さらに、エバポレータ13の空気流れ下流側には、ヒータコア14が配置されている。ヒータコア14は、車両走行用駆動力を出力するエンジンEGの冷却水とエバポレータ13通過後の空気とを熱交換させて、エバポレータ13通過後の空気を加熱する加熱用熱交換器である。
具体的には、ヒータコア14とエンジンEGとの間に冷却水流路41が設けられており、ヒータコア14とエンジンEGとの間を冷却水が循環する冷却水回路40が構成されている。そして、この冷却水回路40には、冷却水を循環させるための電動ウォータポンプ42が設置されている。電動ウォータポンプ42は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(冷却水循環量)が制御される電動式の水ポンプである。
ヒータコア14は、ケーシング11内に配置された仕切板111に設けられた貫通穴を貫通するように配置されて、その上方側熱交換部が第1空気通路112内に位置付けられ、下方側熱交換部が第2空気通路113内に位置付けられている。従ってヒータコア14の上方側熱交換部では第1送風空気が加熱され、ヒータコア14の下方側熱交換部では第2送風空気が加熱される。
ここで、第1空気通路112のヒータコア14の上方側には、エバポレータ13の上方側熱交換部を通過した第1送風空気をヒータコア14の上方側熱交換部を迂回して流すための第1バイパス通路161が形成されている。なお、第1空気通路112におけるヒータコア14の空気流れ下流側の空間において、第1バイパス通路161を通過した第1送風空気が、ヒータコア14にて加熱された第1送風空気と合流するようになっている。
また、第2空気通路113のヒータコア14の下方側には、エバポレータ13の下方側熱交換部を通過した第2送風空気をヒータコア14の下方側熱交換部を迂回して流すための第2バイパス通路162が形成されている。なお、第2空気通路113におけるヒータコア14の空気流れ下流側の空間において、第2バイパス通路162を通過した第2送風空気が、ヒータコア14にて加熱された第2送風空気と合流するようになっている。
また、第1、第2空気通路112、113におけるエバポレータ13とヒータコア14との間には、第1、第2エアミックスドア17、18が配置されている。第1エアミックスドア17は、エバポレータ13通過後の空気のうち、ヒータコア14の上方側熱交換部を通過する送風空気量と第1バイパス通路161を通過する送風空気量との流量割合を調整するための部材である。第2エアミックスドア18は、エバポレータ13通過後の空気のうち、ヒータコア14の下方側熱交換部を通過する送風空気量と第2バイパス通路162を通過する送風空気量との流量割合を調整するための部材である。
本実施形態では、各エアミックスドア17、18それぞれを単独で制御できるように、各エアミックスドア17、18それぞれに対応して電動アクチュエータが設けられている。なお、各エアミックスドア17、18を駆動する電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によってその作動が制御される。
また、本実施形態では、仕切板111におけるヒータコア14の空気流れ下流側の部位に表裏を貫通する連通穴が形成されると共に、この連通穴を開閉する開閉ドア111aが配置されている。
この開閉ドア111aは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。本実施形態の開閉ドア111aは、吹出口モードがフットモードやバイレベルモード等のように車室内の上下に空気を吹き出すモード時に連通穴を閉鎖し、その他の吹出口モード時に連通穴を開放するように制御される。
ケーシング11の空気流れ最下流部には、車室内へ吹き出される送風空気をケーシング11から流出させるデフロスタ開口部11a、フェイス開口部11b、フット開口部11cが形成されている。
デフロスタ開口部11aは、ケーシング11内を流れる送風空気を車両前部窓ガラス(ウインドシールド)Wへ導くための開口穴である。このデフロスタ開口部11aは、吹出ダクトを介して車室内に配置されたデフロスタ吹出口19aに接続され、このデフロスタ吹出口19aから車両前部窓ガラスWの内面へ向けて温度調整された空気が吹き出される。
フェイス開口部11bは、ケーシング11内を流れる送風空気を乗員の上半身へ導くための開口穴である。このフェイス開口部11bは、吹出ダクトを介して車室内に配置されたフェイス吹出口19bに接続されており、このフェイス吹出口19bから乗員の上半身へ向けて温度調整された空気が吹き出される。
フット開口部11cは、ケーシング11内を流れる送風空気を乗員の下半身(足下)へ導くための開口穴である。このフット開口部11cは、吹出ダクトを介して、フット吹出口19cに接続されており、このフット吹出口19cから、乗員の下半身(足下)へ向けて温度調整された空気が吹き出される。
なお、本実施形態では、デフロスタ開口部11aおよびフェイス開口部11bが、車室内の上方側へ向けて第1送風空気を吹き出す上方側開口部を構成し、フット開口部11cが、車室内の下方側へ向けて第2送風空気を吹き出す下方側開口部を構成している。
これらの各開口部11a〜11cの上流部には、それぞれデフロスタドア20a、フェイスドア20b、およびフットドア20cが回転自在に配置されている。これらの各ドア20a〜20cは、車室内へ吹き出される空調風の吹出口モードを切り替える吹出口モード切替手段を構成しており、それぞれ電動アクチュエータ(サーボモータ)によって駆動される回転軸と、その板面の略中央部に回転軸が連結された板状のドア本体部を有する、いわゆるバタフライドアで構成されている。
さらに、各ドア20a〜20cの回転軸は、図示しないリンク機構を介して連結されており、各ドア20a〜20cは、共通の電動アクチュエータによって開閉操作される。なお、吹出口モード切替手段用の電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
また、吹出口モード切替手段を構成する各ドア20a〜20cによって切り替えられる吹出口モードとしては、フェイス開口部11bを全開してフェイス吹出口19bから乗員の上半身へ向けて空気を吹き出すフェイスモード、フェイス開口部11bとフット開口部11cの両方を開口して車室内乗員の上半身と下半身へ向けて空気を吹き出すバイレベルモード、フット開口部11cを全開するとともにデフロスタ開口部11aを小開度だけ開口して、フット吹出口19cから主に空気を吹き出すフットデフロスタモードがある。
なお、乗員が操作パネルのスイッチをマニュアル操作することによって、デフロスタ開口部11aを全開してデフロスタ吹出口19aから車両フロント窓ガラスW内面に空調風を吹き出すデフロスタモードとすることもできる。
ここで、吸込口モードが内外気モードに設定され、吹出口モードがフットデフロスタモード、または、バイレベルモードに設定されている場合に、第1空気通路112へ導入された外気がデフロスタ開口部11aまたはフェイス開口部11bを介して車室内の上方側へ吹き出され、第2空気通路113へ導入された内気がフット開口部11cを介して車室内の下方側へ吹き出される。つまり、吸込口モードが内外気モードに設定され、吹出口モードがフットデフロスタモードおよびバイレベルモードの何れかに設定されている状態が、内外気2層流モードとなる。
コンプレッサ31は、エンジンルーム内に配置され、冷凍サイクル30において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものであり、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機構31aを電動モータ31bにて駆動する電動コンプレッサとして構成されている。電動モータ31bは、インバータ61(図2参照)から出力される交流電圧によって、その作動(回転数)が制御される交流モータである。
また、空調制御装置50は、図2に示すように、コンプレッサ31の目標回転数Nctを示す制御信号をインバータ61へ出力し、インバータ61は、その制御信号に応じた周波数の交流電圧を出力する。そして、この回転数制御によって、コンプレッサ31の冷媒吐出能力が変更される。
凝縮器32は、エンジンルーム内に配置されて、内部を流通する冷媒と、室外送風機としての送風ファン35から送風された車室外空気(外気)とを熱交換させることにより、圧縮された冷媒を凝縮液化させるものである。送風ファン35は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって稼働率、すなわち、回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
気液分離器33は、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流すものである。膨張弁34は、液冷媒を減圧膨張させる減圧手段である。エバポレータ13は、冷媒と送風空気との熱交換により、減圧膨張された冷媒を蒸発気化させるものである。
次に、本実施形態の電気制御部について図2を参照して説明する。空調制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
空調制御装置50の出力側には、送風機12、コンプレッサ31の電動モータ31b用のインバータ61、室外ファンとしての送風ファン35、内外気切替ドア(内外気切替ドアダンパ)23用の電動アクチュエータ62、吹出口モードドア(吹出口ダンパ)20a、20b、20c用の電動アクチュエータ64、および電動ウォータポンプ42、開閉ドア111aの電動アクチュエータ(図示せず)等が接続されている。
また、空調制御装置50の入力側には、車室内温度Trを検出する内気センサ51、外気温Tamを検出する外気センサ52(外気温検出手段)、水温センサ53、および、コンプレッサ31の吐出冷媒圧力Pcを検出する冷媒圧力センサである吐出圧力センサ55(吐出圧力検出手段)等のセンサ群が接続されている。
外気センサ52は、例えば車両前面のラジエータの前、車両前部のバンパの下部等、車両のエンジンルームの外に配置される。したがって、外気センサ52によって検出される外気温Tamは、エンジンE/Gによって熱せられていない外気の温度である。
水温センサ53は、エンジンEGから流出したエンジン冷却水の冷却水温度TWすなわちエンジン冷却水温TWを検出する。なお、この水温センサ53の検出温度TWは、エンジンEGおよびエンジンルームの温度が上昇するほど上昇する。
また、空調制御装置50の入力側には、車両前部窓ガラス(ウインドシールド)の内面付近の空気の代表的な温度および湿度を検出できる窓付近温度センサおよび窓付近湿度センサ(いずれも不図示)が接続されている。また、空調制御装置50の入力側には、車両前部窓ガラスの表面温度を湿度を検出できる窓表面温度センサ(不図示)が接続されている。空調制御装置50は、窓付近温度センサ、窓付近湿度センサ、窓表面温度センサの出力値に基づいて、車両前部窓ガラス表面の相対湿度RHWを周知の方法で算出することができる。
また、空調制御装置50の入力側には、これらの図2に示すセンサ群の他に、コンプレッサ31の吐出冷媒温度Tcを検出する吐出温度センサ、エバポレータ13からの吹出空気温度TE(エバポレータ後温度TE)を検出するエバポレータ後温度センサ、コンプレッサ31に吸入される冷媒の温度Tsiを検出する吸入温度センサ、および等の不図示のセンサ群も接続されている。
なお、上記エバポレータ後温度センサは、具体的にエバポレータ13の熱交換フィン温度を検出している。もちろん、そのエバポレータ後温度センサは、エバポレータ13のその他の部位の温度を検出してもよいし、エバポレータ13を流通する冷媒自体の温度を直接検出してもよい。
さらに、空調制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネル60には、各種空調操作スイッチとして、具体的に、コンプレッサ31の作動、非作動を切り替えるACスイッチ60a、オートスイッチ60b、吸込口モードを切り替える吸込口モードスイッチ60c、吹出口モードを切り替える吹出口モードスイッチ60d、送風機12の風量設定スイッチ60e、乗員の操作によって車室内の目標温度Tsetを設定する車室内温度設定スイッチ60f等が設けられている。オートスイッチ60bは、乗員の操作によって車両用空調装置1の自動制御を設定あるいは解除する自動制御設定手段である。
また、空調制御装置50は、エンジンEGの作動を制御するエンジン制御装置90に電気的に接続されており、空調制御装置50およびエンジン制御装置90は互いに電気的に通信可能に構成されている。これにより、一方の制御装置に入力された検出信号あるいは操作信号に基づいて、他方の制御装置が出力側に接続された各種機器の作動を制御することもできる。例えば、空調制御装置50がエンジン制御装置90へエンジンEGの作動要求信号を出力することによって、エンジンEGを作動させることができる。また、空調のためにエンジンEGが作動している場合には、空調制御装置50がエンジンEGの作動要求信号を出力しないことによって、エンジンEGを停止させることができる。
なお、空調制御装置50およびエンジン制御装置90は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御手段を構成している。
次に、空調制御装置50による制御を、図4〜図11を参照して説明する。イグニッションスイッチがオンされて、空調制御装置50に直流電源が供給されると、予めメモリに記憶されている制御プログラムが実行される。そして、室内空調ユニット10による空調が開始されると、空調制御装置50は、図4の制御処理を繰り返し実行する。なお、イグニッションスイッチがオンされた時は、ユーザの操作によって車両が駐車状態から走行可能な状態になった時である。
ステップS1では、空調制御装置50内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理用メモリの記憶内容等を初期化(イニシャライズ)し、ステップS2に進む。初期化においては、例えば、後述する乾燥タイマの値をゼロに設定する。
ステップS2では、操作パネル60の操作信号等を読み込む。具体的な操作信号としては、車室内温度設定スイッチによって設定される車室内目標温度Tsetの設定信号、オートスイッチ60bの操作信号等がある。図4のステップS2の次はステップS3へ進む。
ステップS3では、各種センサからのセンサ信号を読込み、ステップS4に進む。なお、ステップS2、S3では、各種データがデータ処理用メモリに読み込みこまれる。センサ信号としては、例えば、内気センサ51が検知する内気温度(車室内温度)Tr、外気センサ52が検知する外気温度Tam、日射センサ53が検知する日射量Ts、エバポレータ後温度センサ(図示せず)が検知するエバポレータ後温度Te、および冷却水温センサが検知するエンジン冷却水温TWがある。
ステップS4では、予め記憶している下記の数式F1に入力データを代入して目標吹出温度TAOを演算し、ステップS5に進む。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C …(F1

ここで、Tsetは、温度設定スイッチにて設定された設定温度、Trは内気温度、Tamは外気温度、Tsは日射量である。また、Kset、Kr、KamおよびKsは各ゲインであり、Cは全体にかかる補正用の定数である。そして、この目標吹出温度TAOおよび上記各種センサからの信号により、エアミックスドア17、18のアクチュエータの制御値および電動ウォータポンプ42の回転数の制御値等を算出する。
ステップS5では、ブロワ電圧を決定する処理を実施する。ブロワ電圧は、ブロワモータに印加される電圧であり、ブロワ電圧に応じて空調風の吹出風量が変更される。ブロワ電圧決定処理の詳細については後述する。次に、ステップS6では、吸込口モード決定処理を実行し、目標吹出温度TAOに基づき、室内空調ユニット10の内外気切替箱20内に空気を取り込む吸込口を決定し、ステップS7に進む。吸込口モード決定処理の詳細については後述する。
ステップS7では、操作パネル60に対するユーザのマニュアル操作または目標吹出温度TAOに基づき、吹出口モードを決定する。具体的には、オートスイッチ60bが操作された場合は目標吹出温度TAOに基づき自動で吹出口モードを決定する。また、吹出口モードスイッチ60dが操作された場合は、吹出口モードスイッチ60dの操作内容に従って(すなわちマニュアルで)、目標吹出温度TAOに関わらず、吹出口モードを決定する。
目標吹出温度TAOに基づき吹出口モードを決定する場合は、例えば、目標吹出温度TAOが低温域(例えば28℃未満)の場合はフェイスモードに設定し、低温域よりも高い中温域(例えば28℃以上39℃未満)の場合はバイレベルモードに設定し、中温域よりも高い高温域(例えば39℃以上)の場合はフットモードに設定する。なお、目標吹出温度TAOに基づく吹出口モードの切り替えは、温度ヒステリシスを設けてもよい。なお、車両前部窓ガラス表面の相対湿度RHWに基づいて車両前部窓ガラスの窓曇りの可能性があると判断した場合には、目標吹出温度TAOに関わらず、フットデフロスタモードに設定する。
ステップS7に続いてステップS8では、空調制御装置50からエンジン制御装置70へ出力されるエンジン要求信号を決定する。この要求信号としては、エンジンEGの作動を要求するエンジンオン要求信号、エンジンEGの停止を要求するエンジンオフ要求信号がある。
本実施形態のプラグインハイブリッド車両では、車両走行用の駆動力を走行用電動モータからも得ることができることから、エンジンEGの作動を停止させることがあり、車両用空調装置1にて車室内の暖房を行う際に、冷却水の温度が暖房用の熱源として充分な温度にまで上昇していない場合がある。
そこで、本実施形態の車両用空調装置1は、走行用の駆動力を出力させるためにエンジンEGを作動させる必要がない走行条件であっても、所定条件を満たした場合には、エンジンEGの駆動力を制御する駆動力制御装置70に対してエンジンEGの作動を要求する要求信号(作動要求信号)を出力して、冷却水温度を暖房用の熱源として充分な温度となるまで上昇させるようにしている。
具体的には、ステップS8では、目標吹出温度TAOおよびエバポレータ後温度TEに基づいてエンジンオフ水温およびエンジンオン水温を決める。例えば、TWO={TAO−(TE×0.2)}/0.8と70℃のうち小さい方をエンジンオフ水温とし、エンジンオフ水温より5℃低い温度をエンジンオン水温とする。
そして、前回のステップS8で決定したエンジン要求信号がエンジンオン要求である場合は、現在のエンジン冷却水温TWがエンジンオフ水温より低ければ、エンジン要求信号としてエンジンオン要求を出力することに決定し、エンジンオフ水温以上であればエンジン要求信号としてエンジンオフ要求を出力することに決定する。また、前回のステップS8で決定したエンジン要求信号がエンジンオフ要求である場合は、現在のエンジン冷却水温TWがエンジンオン水温より低ければエンジン要求信号としてエンジンオフ要求を出力することに決定し、エンジンオン水温以上であればエンジン要求信号としてエンジンオン要求を出力することに決定する。
ステップS8では、後述するコンプレッサ回転数決定処理を実施し、ステップS9に進む。ステップS9では、後述するコンプレッサ設定モード決定処理を実施し、コンプレッサ設定モードがオートか、マニュアルオフか、マニュアルオンか、窓晴らしオンかを決定する。
次に、ステップS10では、電動ウォータポンプ作動決定処理を実施し、ステップS12に進む。電動ウォータポンプ作動決定処理は、エンジン冷却水温TW等に基づいて、電動ウォータポンプ42(図1参照)のオン、オフを決定する処理である。電動ウォータポンプ作動決定処理の詳細については後述する。
次に、ステップS11では目標エバポレータ温度TEOを決定する。この目標エバポレータ温度TEOはエバポレータ後温度TEの目標温度である。目標エバポレータ温度TEOの決定処理の詳細については後述する。ステップS12では、後述するコンプレッサ回転数決定処理を実施し、ステップS13に進む。
ステップS13では、上記各ステップS4〜S12で算出または決定された各制御状態が得られるように、各種アクチュエータおよびエンジン制御装置90等に対して制御信号を出力する。
ステップS14では、ステップS2の処理を最後に実施した時点からの制御周期Tに相当する時間が経過するまで待機し、制御周期Tの経過を判定するとステップS2に戻る。したがって、ステップS2〜S14のループ処理は、制御周期T毎に繰り返し実行される。なお、本実施形態では制御周期Tは1秒であるとする。
次に、空調制御装置50の各ステップの詳細に関して更に詳しく説明する。まず、ブロワ電圧決定処理(ステップS5)について説明する。ブロワ電圧決定処理は、具体的には、図5に従って実行される。ブロワ電圧は、電池の電力により駆動されるブロワモータに印加される電圧である。図5に示すように、本制御がスタートすると、ステップS500にて風量設定がオート(自動)であるか否かを判定し、オートでない場合は、ステップS501へ進み、オートの場合にはステップS502へ進む。この風量設定がオートであるか否かは、操作パネル60のスイッチ操作に基づいて判定される。具体的には、オートスイッチ60bが操作されると風量設定がオートになり、風量設定スイッチ60eが操作されると風量設定がマニュアルになる。
オートでない場合、すなわち、マニュアルの場合、ステップS501で、風量設定スイッチ60eに対するマニュアル操作の内容(Hiか、M3か、M2か、M1か、Loか)に基づいて、4ボルトから12ボルトの範囲内でマップからブロワ電圧を指定し、その指定したブロワ電圧をブロワモータに印加する。ステップS502の後は、ブロワ電圧決定処理を終了し、図4のステップS6に進む。
オートの場合、ステップS502にて、目標吹出温度TAOに基づき、ベースとなる第1仮ブロワレベルf1A(TAO)をステップS502中に記載のマップから演算する。より詳細には、本実施形態では、TAOの極低温域(−30℃以下の最大冷房域)で第1仮ブロワレベルf(TAO)を他の温度域(−30℃よりも高い温度域)よりも高い一定値(具体的には30レベル)にする。また、TAOの極低温域(80℃以上の最大暖房域)で第1仮ブロワレベルf(TAO)を他の温度域(10℃以上80℃未満の温度域)よりも高い一定値(具体的には25レベル)にする。
また、TAOが極低温域から中間温度域に向かって上昇すると、TAOの上昇に応じて第1仮ブロワレベルf(TAO)を低下させる。また、TAOが極高温域から中間温度域に向かって低下すると、TAOの低下に応じて第1仮ブロワレベルf(TAO)を低下させる。また、TAOが所定の中間温度域内(10℃以上40℃以下)に入ると、第1仮ブロワレベルf(TAO)を最小値にする。
続いてステップS503では、吹出口がフェイスモードであるか否かを判定する。そして、フェイスモードであると判定した場合はステップS504に進み、フェイスモード以外(バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモードのうちいずれか)であると判定した場合はステップS505に進む。
ステップS504では、ブロワレベルとして上記第1仮ブロワレベルf1A(TAO)を選択し、ステップS509に進む。ステップS509では、選択された第1仮ブロワレベルf1A(TAO)を、図5に示すマップにてブロワ電圧に変換する。ステップS509の後は、ブロワ電圧決定処理を終了し、図4のステップS6に進む。
ステップS505では、コンプレッサ作動モードがオフモードであるか通常モードであるかを判定し、通常モードであればステップS506に進み、オフモードであればステップS507に進む。
なお、コンプレッサ作動モードは、コンプレッサ設定モードがオートの場合において更に細分化されるモードであり、コンプレッサ31が基本的に作動する通常モードと作動が禁止されるオフモードの2つがある。このコンプレッサ作動モードは、前回のステップS2〜S14のループにおいて、後述するステップS12のコンプレッサ回転数決定処理によって決められている。なお、コンプレッサ作動モードの初期値は通常モードである。
ステップS506では、ステップS506中に記載のマップの通り、ヒータコア14のエンジン冷却水温度TWに応じて第2仮ブロワレベルf2A(TW)を算出する。
具体的には、エンジン冷却水温度TWが上昇過程にある場合には、エンジン冷却水温度TWが第1基準温度を下回っているとき、第2仮ブロワレベルf2A(TW)を0に設定する。第2仮ブロワレベルf2A(TW)が0であるということは、送風機12の停止を意味する。
これによれば、ヒータコア14を流れる冷却水の温度が第1基準温度より低く、ヒータコア14により送風空気を加熱することができない場合に、送風機12の作動を停止することができるので、充分加熱されていない送風空気が乗員に吹き出されて乗員の空調フィーリングが悪化することを抑制できる。
また、エンジン冷却水温度TWが上昇過程にある場合でエンジン冷却水温度TWが第1基準温度以上かつ第2基準温度(70℃)未満のとき、エンジン冷却水温度TWの上昇に伴い徐々に第2仮ブロワレベルf2A(TW)を上昇させる。そして、エンジン冷却水温度TWが第2基準温度(70℃)以上になると、第2仮ブロワレベルf2A(TW)を一定の最大値(30レベル)に設定する。
一方、エンジン冷却水温度TWが下降過程にある場合には、エンジン冷却水温度TWが第3基準温度(65℃)以下かつ第4基準温度(36℃)以上の場合、エンジン冷却水温度TWの低下に伴い徐々に第2仮ブロワレベルf2A(TW)を低下させる。そして、エンジン冷却水温度TWが第4基準温度(36℃)より低く、第5基準温度(29℃)以上の範囲では、第2仮ブロワレベルf2A(TW)を極小値(例えば1レベル)に設定する。
そして、エンジン冷却水温度TWが下降過程にある場合でエンジン冷却水温度TWが第5基準温度(29℃)を下回っているとき、第2仮ブロワレベルf2A(TW)を0レベル(送風機12の停止を意味するレベル)に設定する。各基準温度の温度差は、制御ハンチング防止のためのヒステリシス幅として設定されている。
ステップS507では、ステップS507中に記載のマップの通り、ヒータコア14のエンジン冷却水温度TWに応じて第2仮ブロワレベルf2A(TW)を算出する。
具体的には、エンジン冷却水温度TWが上昇過程にある場合には、エンジン冷却水温度TWが第1基準温度(40℃)を下回っているとき、第2仮ブロワレベルf2A(TW)を0に設定する。
また、エンジン冷却水温度TWが上昇過程にある場合でエンジン冷却水温度TWが第1基準温度以上かつ第6基準温度(43℃)未満のとき、第2仮ブロワレベルf2A(TW)を一定の0.3レベルに設定する。
また、エンジン冷却水温度TWが上昇過程にある場合でエンジン冷却水温度TWが第6基準温度(43℃)以上かつかつ第7基準温度(55℃)未満のとき、エンジン冷却水温度TWの上昇に伴い0.3レベルから15レベルまで第2仮ブロワレベルf2A(TW)を上昇させる。
また、エンジン冷却水温度TWが上昇過程にある場合でエンジン冷却水温度TWが第7基準温度(55℃)以上かつかつ第2基準温度(70℃)未満のとき、エンジン冷却水温度TWの上昇に伴い15レベルから30レベルまで第2仮ブロワレベルf2A(TW)を上昇させる。そして、エンジン冷却水温度TWが第2基準温度(70℃)以上になると、第2仮ブロワレベルf2A(TW)を一定の最大値(30レベル)に設定する。
したがって、ステップS507では、エンジン冷却水温度TWが上昇過程にある場合は第1基準温度(40℃)から第7基準温度(55℃)までの範囲で、ステップS506よりも低い第2仮ブロワレベルf2A(TW)を設定し、それ以外の範囲ではステップS506と同じ第2仮ブロワレベルf2A(TW)を設定する。
一方、エンジン冷却水温度TWが下降過程にある場合には、エンジン冷却水温度TWが第3基準温度(65℃)以下かつ第4基準温度(36℃)以上の場合、エンジン冷却水温度TWの低下に伴い30レベルから1レベルまで第2仮ブロワレベルf2A(TW)を低下させる。
そして、エンジン冷却水温度TWが下降過程にある場合でエンジン冷却水温度TWが第4基準温度(36℃)を下回っているとき、第2仮ブロワレベルf2A(TW)を0レベルに設定する。
したがって、ステップS507では、エンジン冷却水温度TWが下降過程にある場合は第5基準温度(29℃)以上かつ第4基準温度(36℃)未満の範囲で、ステップS506よりも低い第2仮ブロワレベルf2A(TW)を設定し、それ以外の範囲ではステップS506と同じ第2仮ブロワレベルf2A(TW)を設定する。各基準温度の温度差は、制御ハンチング防止のためのヒステリシス幅として設定されている。
このように、コンプレッサ作動モードがオフモードの場合(S507)は、通常モードの場合(S507)に比べて、第2仮ブロワレベルf2A(TW)が低くなる場合がある。このようになっていることで、コンプレッサ作動モードがオフモードの場合に、空調風量を更に低く抑えられるため、より乗員が臭いを感じにくくなる。
ステップS506またはS507に続いては、ステップS508で、上記第1仮ブロワレベルf1A(TAO)の値と第2仮ブロワレベルf2A(TW)の値のうち小さい方をブロワレベルとして選択する。
続くステップS509では、ステップS508で選択されたブロワレベルを、図5に示すマップにてブロワ電圧に変換する。ステップS509の後は、ブロワ電圧決定処理を終了し、図4のステップS6に進む。
続いて、ステップS6の吸込口モード決定処理について説明する。吸込口モード決定処理は、図6に従って実行される。具体的には、まずステップS601で、外気温Tamに基づいて乾燥閾値を算出する。乾燥閾値は、後述するように、乾燥タイマの値と比較するための量である。乾燥閾値は、具体的には、ステップS601内に記載のテーブルに示すように、外気温Tamに基づいて0℃、10℃、20℃のうちどれに最も近いかを判定する。そして、最も近い温度が0℃の場合乾燥閾値を30秒とし、最も近い温度が20℃または30℃である場合乾燥閾値を120秒とする。なお、最も近い温度が2つある場合は、それらのうち低い方の温度を採用する。
続いてステップS603では、現在の吸込口制御がオートか否かを判定する。この吸込口制御がオートであるか否かは、操作パネル60に対する操作に基づいて判定される。具体的には、オートスイッチ60bが操作されれば吸込口制御がオートになり、吸込口モードスイッチ60cが操作されれば吸込口制御がオートでなくなる。
オートでない場合、すなわち、吸込口モードスイッチに対するユーザのマニュアル操作に基づいて吸込口モードが外気モードまたは内気モードに決められている場合、ステップS605に進む。一方、オートの場合、すなわち、自動的に吸込口モードが決められる場合、ステップS611に進む。
ステップS605では、吸込口モードスイッチ60cに対するマニュアル操作で決められている現在の吸込口モードが外気モードであるか否かを判定する。外気モードであると判定した場合、ステップS607に進み、外気導入率を100%とし、その後、吸込口モード決定処理を終了してステップS7に進む。
ステップS605で外気モードでないと判定した場合、すなわち、内気モードである場合、ステップS609に進み、外気導入率を0%とし、その後、吸込口モード決定処理を終了してステップS7に進む。
ステップS611では、目標吹出温度TAOが冷房基準温度(具体的には25℃)を超えているか否か、すなわち、暖房が必要か冷房が必要かを判定する。目標吹出温度TAOが冷房基準温度を超えていない場合、すなわち、冷房が必要な場合、ステップS613に進み、目標吹出温度TAOが冷房基準温度を超えている場合、すなわち、暖房が必要な場合、ステップS615に進む。
ステップS613では、図6のステップS613中に記載のマップに従って、目標吹出温度TAOが高くなるほど外気導入率が高くなるよう、外気導入率を決定する。その後、吸込口モード決定処理を終了してステップS7に進む。
ステップS615では、コンプレッサ31が停止しているか否か判定し、停止していない場合(すなわち作動している場合)ステップS617に進み、停止している場合ステップS621に進む。
ステップS617では、外気導入率を100%にする。続いてステップS619では、乾燥タイマの値をゼロにリセットし、その後、吸込口モード決定処理を終了してステップS7に進む。このようにするのは、コンプレッサ31が作動していれば、エバポレータ13にて送風空気が冷やされ、エバポレータ13が湿った状態になると考えられるからである。
ステップS621では、送風機12が作動しているか否か判定し、作動していればステップS623に進み、作動していなければステップS625に進む。
ステップS623では、乾燥タイマの値を1秒分カウントアップしてステップS627に進む。このようにするのは、コンプレッサ31が作動していない状態で送風機12が作動していれば、エバポレータ13に送風空気が供給され続けるので、エバポレータ13の結露水が蒸発し続けると考えられるからである。
ステップS625では、乾燥タイマの値を現状のままに維持したままステップS627に進む。このようにするのは、コンプレッサ31が作動していない状態で送風機12が作動していなければ、エバポレータ13に送風空気が供給されないので、エバポレータ13の結露水の蒸発量が非常に小さくなって乾燥が非常に遅れると考えられるからである。
ステップS627では、乾燥タイマの値が乾燥閾値以上であるか否かを判定し、乾燥閾値以上であればステップS631に進み、乾燥閾値未満であればステップS629に進む。
乾燥タイマの値が乾燥閾値以上であれば、エバポレータ13が臭気を発生する可能性がない(臭気が発生する可能性がないほど十分に乾いている)と考えられる。他方、乾燥タイマの値が乾燥閾値未満であれば、エバポレータ13が臭気を発生する可能性があると考えられる。
ステップS629では、外気導入率を50%に設定する。このとき、吹出口モードがフットデフロスタモードおよびバイレベルモードの何れかに設定されていれば内外気2層流モードが実現する。ステップS629の後、吸込口モード決定処理を終了してステップS7に進む。
ステップS631では、図6のステップS631中に記載のマップに従って、車両前部窓ガラスの車室側の表面の相対湿度RHWが高くなるほど外気導入率が高くなるよう、外気導入率を決定し、その後、吸込口モード決定処理を終了してステップS7に進む。このように、ステップS6では、エバポレータ13の乾燥度合いに応じて、外気導入率を変化させる。
次に、ステップS9のコンプレッサ設定モード決定処理を実施する。具体的には、図7の状態遷移図に示すように、コンプレッサ設定モード決定処理では、状態S90、状態S91、状態S92、状態S93の4つの状態間で状態遷移が行われる。
具体的には、空調制御装置50へのバッテリ投入初回時に、空調制御装置50が状態S91に遷移する。空調制御装置50は、状態S91において、コンプレッサ設定モードをマニュアルオフモードに設定し、A/Cインジケータを消灯させる。
また、空調制御装置50は、状態S91においてACスイッチ60aが操作されたことを検知すると、状態S92に遷移する。空調制御装置50は、状態S92において、コンプレッサ設定モードをマニュアルオフモードに設定し、A/Cインジケータを点灯させる。また、空調制御装置50は、状態S92においてACスイッチ60aが操作されたことを検知すると、状態S91に遷移する。
また、空調制御装置50は、状態S92においてイグニッションスイッチがオフからオンになったことを検知すると、状態S90に遷移する。また空調制御装置50は、どの状態においても、オートスイッチ60bが押下されたことを検知すると、状態S90に遷移する。空調制御装置50は、状態S90において、コンプレッサ設定モードをオートモードに設定し、A/Cインジケータを点灯させる。
また、空調制御装置50は、状態S90、S91、S92において吹出口モードスイッチ60dがユーザに操作されることで、デフロスタモードまたはフットデフロスタモードが選択されると、状態S93に遷移する。状態S93においては、コンプレッサ設定モードを窓晴らしオンモードに設定し、A/Cインジケータを点灯させる。
また、状態S93において、オートスイッチ60bが操作されたり、吹出口モードスイッチ60dがユーザに操作されたりすることで、デフロスタモードまたはフットデフロスタモードの状態が解除されると、状態S93から、状態S93の直前の状態に遷移する。
次に、ステップS10の電動ウォータポンプ作動決定処理について説明する。電動ウォータポンプ作動決定処理は、図8に従って実行される。具体的には、まずステップS111にて、冷却水温センサによって検出されるエンジン冷却水温(水温)TWがエバポレータ後温度TEより高いか否かを判定する。エンジン冷却水温Twが、エバポレータ後温度TE以下であると判定されると、ステップS113で電動ウォータポンプ42をオフする要求すなわち電動ウォータポンプオフ要求を決定し、本制御を終了する。
ステップS111にて、冷却水温センサによって検出される冷却水温Twが比較的低く、エンジン冷却水温Twがエバポレータ後温度TE以下であると判定されると、エンジン冷却水をヒータコア14に流した時、却って吹出温度を低くしてしまうため、ステップS113で電動ウォータポンプ42をオフするのである。
ステップS115でエンジン冷却水温Twが、エバポレータ後温度TEよりも高いと判定すると、ステップS115にて、送風機(ブロワ)12が作動中であるか否かを判定する。送風機12が作動中でなければ、ステップS113に進み、電動ウォータポンプオフ要求を決定し、本制御を終了する。送風機12が作動中であれば、ステップS117に進み、電動ウォータポンプ42をオンする要求すなわち電動ウォータポンプオン要求を決定し、本制御を終了する。
つまり、エンジン冷却水温Twが比較的高い時に送風機12が停止している時は、省燃費のため、電動ウォータポンプ42をオフする。一方、ブロワ作動中の場合は、電動ウォータポンプオン要求を行う。これにより、エンジンオフの時でも、エンジン冷却水が持っている熱量を空調に利用することができる。従って、吹出温度が上がり、吹出温度を目標吹出温度TAOに近づけることができるので、エンジンオフの状態でも室温が下がるのを緩和できる。
次に、ステップS11の目標エバポレータ温度TEOの決定処理について説明する。目標エバポレータ温度TEOの決定処理は、具体的には、図9に示すマップを参照して、目標吹出温度TAOに基づいて、目標エバポレータ温度TEO=f(TAO)の値を決定する。
具体的には、図9のマップに示すように、目標吹出温度TAOの極低温域(具体的には4℃未満)では、目標エバポレータ温度TEOを低温(具体的には2℃)に固定する。目標吹出温度TAOの極高温域(具体的には9℃以上)では、目標エバポレータ温度TEOを高温(具体的には7℃)に固定する。目標吹出温度TAOの中間温度域(具体的には4℃以上9℃未満)では、目標吹出温度TAOの上昇に応じて目標エバポレータ温度TEOを上昇させる。なお、図9のマップは、目標エバポレータ温度TEOが、エバポレータ13に流入する空気の露点温度以下の温度となるように設定されている。
次に、ステップS12のコンプレッサ回転数決定処理について説明する。コンプレッサ回転数決定処理は、具体的には、図10、図11に従って実行される。具体的には、ステップS121では、まず冷房モード時(コンプレッサ31が作動しているクーラ時)におけるコンプレッサ31の回転数変化量Δf_cを求める。
図10のステップS121には、ルールとして用いるファジールール表を記載している。このルール表では、偏差Eから偏差Eを減算した偏差変化率EDOT(=E−En−1)と偏差Eの組み合わせから、エバポレータ13の着霜を防止するための回転数変化量Δf_cを得ることができる。
ステップS121では、まず、直前のステップS11で決定した目標エバポレータ温度TEOと直前のステップS3で取得したエバポレータ後温度TEとの偏差E=TEO−TEを算出する。そして、この偏差Eから前回のステップS11で同様に算出された偏差En−1を減算した偏差変化率EDOT(=E−En−1)を算出し、この偏差変化率EDOTおよび偏差Eを上記ルール表に適用することで、エバポレータ13の着霜を防止するための回転数変化量Δf_cを決定する。
続いてステップS122では、今回のイグニッションオン以降でコンプレッサが一度でも作動したか否かを判定する。今回のイグニッションオン以降一度でも作動していれば、結露がエバポレータ13に発生したと考えられるので、それが蒸発してエバポレータ13が乾く時に臭いが発生する可能性がある。今回のイグニッションオン以降一度でも作動していれば、ステップS123に進んでエバポレータ13は湿っていると判定する。今回のイグニッションオン以降一度も作動していなければ、ステップS124に進んでエバポレータ13の乾き度合いが不明であると判定する。
ステップS123、124に続いては、ステップS125で、直前のステップS9で決定したコンプレッサ設定モードがマニュアルオフか否かを判定する。マニュアルオフであると判定した場合は、ステップS126に進んでコンプレッサ回転数を0rpm(コンプレッサ31が停止する回転数)に決定し、その後、コンプレッサ回転数決定処理を終了してステップS13に進む。
ステップS125でマニュアルオフ以外(すなわち、マニュアルオンまたはオートまたは窓晴らしオン)であると判定した場合は、ステップS127に進む。ステップS127〜S134の処理は、オートコンプレッサオフ制御処理に相当する。
ステップS127では、直前のステップS123またはステップS124の判定結果に基づいて、エバポレータ13の乾き度合いが不明であるか否かを判定する。不明でない、すなわち、エバポレータ13が湿っていると判定した場合、ステップS135に進み、通常のコンプレッサ作動を行うためのコンプレッサ回転数を決定する。
具体的には、今回のコンプレッサ回転数を以下の数式により算出する。
今回の圧縮機回転数=MIN{(前回の圧縮機回転数+Δf)、MAX回転数}
ここで、Δfは、ステップS121で算出したΔf_cと同じ値でも良い。あるいは、Δfは、所定の空調使用許可電力からコンプレッサ31の消費電力を減算した電力が大きいほど大きい回転数f(空調使用許可電力−圧縮機消費電力)と上記Δf_cのうち小さい方を採用してもよい。また、MAX回転数は、例えば10000rpmに固定されていてもよい。このようにすることで、コンプレッサ31が0より大きい回転数で作動する。
また、ステップS135では、上記のように通常のコンプレッサ作動を行うと共に、コンプレッサ作動モードを通常モードに設定する。ステップS135の後は、コンプレッサ回転数決定処理を終了してステップS13に進む。
このように、コンプレッサ設定モードがオートまたはマニュアルオンの状態でエバポレータ13が湿っていると判定した場合は、コンプレッサ31を通常通り作動させることで、エバポレータ13が乾かない。したがって、エバポレータ13が乾く時に発生する臭いを防ぐことができる。
ステップS127でエバポレータ13の乾き度合いが不明であると判定した場合、ステップS128に進むことで、コンプレッサ31の停止を許可する方向に進む。ステップS128では、外気温Tamが基準外気温(具体的には15℃)未満であるか否か判定し、基準外気温未満であればステップS129に進むことで、コンプレッサ31の停止を許可する方向に進む。
一方、外気温Tamが基準外気温以上であれば、ステップS135に進み、既に説明した通り、通常のコンプレッサ作動を行うと共に、コンプレッサ作動モードを通常モードに設定する。
このように、コンプレッサ設定モードがオートまたはマニュアルオンの状態でエバポレータ13の乾き度合いが不明であるとき、外気温Tamが高い場合にコンプレッサ31を通常通り作動させる。このようにすれば、エバポレータ13に前トリップ(前回のイグニッションオンからオフまでの間)で発生した結露水が残っていた場合でも、外気温Tamが高い場合はコンプレッサ13を停止させない。したがって、高温の外気が導入された場合でも結露水が急速に蒸発してエバポレータが急速に乾くことがないため、臭いの発生が抑えられる。
ステップS129では、現在の吸込口モードがマニュアル操作により内気モードに決められているか否かを判定する。より具体的には、直前のステップS6の吸込口モード決定処理においてステップS609(図6参照)が実行されたか否かを判定する。
現在の吸込口モードがマニュアル操作により内気モードに決められていると判定した場合、ステップS135に進み、既に説明した通り、通常のコンプレッサ作動を行うと共に、コンプレッサ作動モードを通常モードに設定する。
このように、コンプレッサ設定モードがオートまたはマニュアルオンの状態でエバポレータ13の乾き度合いが不明であるとき、現在の吸込口モードがマニュアル操作により内気モードに固定されている場合にコンプレッサ31を通常通り作動させる。このようにすれば、エバポレータ13に前トリップで発生した結露水が残っており、かつ、温度の高い内気導入されて、コンプレッサ13を停止させないので、結露水が急速に蒸発してエバポレータが急速に乾くことがないため、臭いの発生が抑えられる。なお、イグニッションオン直後であれば多くの場合外気よりも内気の方が温度が高く、また、外気温が15℃未満の場合は、殆どの場合外気よりも内気の方が温度が高い。
また、ステップS129では、現在の吸込口モードがマニュアル操作により外気モードに決められているか、あるいは、現在の吸込口制御がオートになっている場合、現在の吸込口モードがマニュアル操作により内気モードに決められていないと判定し、ステップS130に進むことで、コンプレッサ31の停止を許可する方向に進む。現在の吸込口モードがマニュアル操作により外気モードに決められている場合は、直前のステップS6の吸込口モード決定処理においてステップS607(図6参照)で外気率が100%となるので、常に外気が導入される。また、現在の吸込口制御がオートになっている場合、直前のステップS6の吸込口モード決定処理においてステップS613(図6参照)に進んで且つ外気温が0℃未満の場合という場合以外は、常に外気が導入される。
このように、コンプレッサ設定モードがオートまたはマニュアルオンの状態でエバポレータ13の乾き度合いが不明であるとき、外気が導入されることに基づいてコンプレッサ13の停止を許可する。このようにすることで、コンプレッサ13が実際に停止されたとしても、温度の低い外気が導入されるので、エバポレータ13に当たる送風空気の温度(エバポレータ前温度)を低くできる。したがって、エバポレータ13に付着した結露水が急速に蒸発してエバポレータが急速に乾くことがないため、臭いの発生が抑えられる。つまり、エバポレータの乾きを遅くできるので、乾き臭の発生を低減することができる。
ステップS130では、車両前部窓ガラスの車室側の表面の相対湿度RHW(ガラス近傍相対湿度)が基準湿度(具体的には100%)未満であるか否かを判定する。すなわち、窓曇りの低減が不要か必要かを判定する。そして、基準湿度未満であれば窓曇りの低減が不要であるとしてステップS131に進むことで、コンプレッサ31の停止を許可する方向に進む。また、基準湿度以上であれば窓曇りの低減が必要であるとしてステップS135に進み、既に説明した通り、通常のコンプレッサ作動を行うと共に、コンプレッサ作動モードを通常モードに設定する。これにより、窓が曇りそうな時はコンプレッサ31が通常作動し除湿風を車室内に吹き出すため、曇りを除去できる。
ステップS131では、車室内の冷房が不要か必要かを、目標吹出温度TAOが冷房基準温度(具体的には25℃)を超えているか否かで判定する。超えていれば車室内の冷房が不要であるとしてステップS132に進むことで、コンプレッサ31の停止を許可する方向に進む。一方、超えていなければ車室内の冷房が必要であるとしてステップS135に進み、既に説明した通り、通常のコンプレッサ作動を行うと共に、コンプレッサ作動モードを通常モードに設定する。これにより、乗員が冷風を望む時にはコンプレッサを作動させ、エバポレータを冷却できる。
ステップS132では、コンプレッサ設定モードが窓晴らしオンモードであるか否かを判定する。つまり、窓曇りの低減が必要か否かを判定する。窓晴らしオンモードになっていればステップS135に進み、既に説明した通り、通常のコンプレッサ作動を行うと共に、コンプレッサ作動モードを通常モードに設定する。これにより、明らかに窓を晴らしたいという乗員の意思があった場合、コンプレッサ31が通常作動し除湿風を車室内に吹き出すため、曇りを除去できる。窓晴らしオンモードになっていない場合は、ステップS133に進むことで、コンプレッサ31の停止を許可する方向に進む。
ステップS133では、初期水温(すなわち、イグニッションオン後に最初に検出された)エンジン冷却水の冷却水温度TWが基準温度(具体的には40℃)未満であるか否かを判定する。そして、基準温度以上の場合は、ステップS135に進み、既に説明した通り、通常のコンプレッサ作動を行うと共に、コンプレッサ作動モードを通常モードに設定する。一方、基準温度未満の場合は、ステップS134に進むことで、コンプレッサ31の停止を許可する。
エンジン冷却水の冷却水温度TWが基準温度未満であるか否かの判定は、エンジンルーム内の温度が、導入外気温度の加熱が軽微な所定温度未満と推定されるか否かの間接的な判定に該当する。これは、水温センサ53が、エンジンルーム内の温度が上昇すると検出温度が上昇するセンサだからである。
初期水温が高いということは、前トリップにおいて発熱したエンジンEGがまだ十分に冷えていない状態で今回のイグニッションオンがあったということである。このような場合は、車両停止中にエンジンEGによってエンジンルームおよびその周囲の空気が熱せられている可能性が高い。外気導入口22から内外気切替箱20に流入する外気は、図3に示した外気の流入経路の関係上、上記のようにエンジンEGによって熱せられた空気が主である。したがって、冷却水温度TWが基準温度以上である場合は、外気を導入してもエバポレータの結露水が急速に蒸発してエバポレータが急速に乾く可能性が高い。このような理由により、初期水温が高い場合は、ステップS135に進む。
逆に初期水温が低い場合、エンジン温度が低い可能性が高いので、ステップS134に進んでコンプレッサ31の停止を許可する、導入外気が温度上昇無くエバポレータに導かれるので、エバポレータ乾き臭による臭いクレームが低減できる。また、初期水温TWが低い時は、空調風量も低く抑えられる場合があるため(ステップS507参照)、より乗員が臭いを感じにくくなる。
ステップS134では、今回のコンプレッサ回転数を、コンプレッサ31が作動しない値(具体的には0rpm)に決定する。すなわち、コンプレッサ31の作動を禁止する。更に、オート時コンプレッサモードをオフに設定し、その後、コンプレッサ回転数決定処理を終了してステップS13に進む。
以上の通り、ステップS127〜S133のすべてにおいてコンプレッサ31の停止が許可された場合に限り、ステップS134でコンプレッサ31が停止に設定される。例えば、イグニッションオン後、前トリップで発生した結露水が残っていた場合でも、外気導入口22から導入される外気の温度が低く(ステップS128、S133)、外気が導入される(ステップS129)場合は、冷房(ステップS131)または窓曇り防止(ステップS130,S132)のためにエバポレータ13を冷やす必要が発生するまでは、コンプレッサ31を停止する。このように、コンプレッサ設定モードがオートまたはマニュアルオンの状態でも、臭いの発生が抑えられる場合は、コンプレッサ31の消費電力を0に低減できる。
また、図5のステップS507では、エンジン冷却水温度TWが上昇過程にある場合には水温TWが40℃以下で第2仮ブロワレベルf2A(TW)が0レベルになる。したがって、少なくともイグニッションオン後1回目のステップS2〜S14の実行機会において、送風ファン35の消費電力を0に低減できる。また、送風空気の量を低減することができるので、乗員が臭いを感じる可能性が更に低下する。
また、イグニッションオン後2回目以降のステップS2〜S14の実行機会においても、送風ファン35の消費電力をオート時コンプレッサモードが通常の場合に比べ、水温TWによっては、送風ファン35の消費電力を低減できる。また、送風空気の量を低減することができるので、乗員が臭いを感じる可能性が更に低下する。
また、ヒータコア14前の送風空気の温度を上げることができるので、水温TWの低下が遅くなり、エンジンEGのオン頻度が低下するため(ステップS8の説明参照)、車両の実用燃費が向上する。
また、図6のステップS629を実行した際に内外気2層流モードになれば、乗員上半身への風は温度の低い外気が導入されるため、エバポレータ13の上部の温度は低いままとなり、エバポレータ13の乾燥も遅くできるので、乾き臭の発生は抑制される。また、エバポレータ13下部は内気導入されるため、温度の高い内気がヒータコア14に導かれるため、水温TWの低下が遅くなり、エンジンオン頻度が低減でき、実用燃費が向上する。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記実施形態に対する以下のような変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記実施形態では、本実施形態の車両用空調装置1の適用対象としてハイブリッド車両が挙げあれているが、車両用空調装置1の適用対象は、車両を走行させる動力源として電気モータのみを有する電気自動車であってもよいし、車両を走行させる動力源として内燃機関のみを有する自動車であってもよい。車両を走行させる動力源として内燃機関のみを有する自動車は、アイドリングストップ機能を有していてもよい。
(変形例2)
上記実施形態では、ステップS127〜S133のすべてにおいてコンプレッサ31の停止が許可された場合に限り、ステップS134でコンプレッサ31が停止に設定されるようになっている。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば、ステップS129、S131でコンプレッサ31の停止が許可されるだけで、ステップS134でコンプレッサ31が停止に設定されるようになっていてもよい。また例えば、ステップS129、S130でコンプレッサ31の停止が許可されるだけで、ステップS134でコンプレッサ31が停止に設定されるようになっていてもよい。また例えば、ステップS129、S132でコンプレッサ31の停止が許可されるだけで、ステップS134でコンプレッサ31が停止に設定されるようになっていてもよい。
(変形例3)
上記実施形態の図6の処理では、エバポレータ13が乾いているか否かを乾燥タイマに基づいて判定している。しかし、これに代えて、エバポレータ13が乾いているか否かを、エバポレータ13の前後の温度差または湿度差が基準値よりも小さくなったか否かで判定すれば、乾燥したか否かをより精度良く判定できる。
(変形例4)
上記実施形態では、コンプレッサ31は電動コンプレッサであったが、代わりに、エンジンEGの駆動動力がベルトを介して伝達されることで作動する通常のベルト駆動式コンプレッサを用いても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例5)
上記実施形態の車両用空調装置1は内外気2層流モードを実現できる構成になっているが、内外気2層流モードが実現できない(例えば、仕切板111が存在しない)空調装置に置き換えてもよい。その場合は、図6ステップS629で外気導入率を75%にしてもよい。
(変形例6)
上記実施形態では、エンジンルーム内の温度が上昇すると検出温度が上昇するセンサとして、水温センサ53が例示されている。しかし、このような種類のセンサとして、水温センサ53以外のものを用いてもよい。例えば、エンジンルーム内の温度を直接検出するエンジンルーム内温度センサを用いてもよい。
1 車両用空調装置
13 エバポレータ
20 内外気切替箱
21 内気導入口
22 外気導入口
31 コンプレッサ
50 空調制御装置
53 水温センサ
90 外気ダクト

Claims (4)

  1. 車室内に送風される送風空気として車室内空気を導入するための内気導入口(21)および車室内に送風される送風空気として車室外空気を導入するための外気導入口(22)が形成された内外気切替箱(20)と、
    冷媒を吸入し圧縮して吐出するコンプレッサ(31)と、
    前記コンプレッサによって圧縮された後、凝縮させられて膨張されられた冷媒を、前記内気導入口および前記外気導入口の一方または両方から導入された送風空気と熱交換させることにより、送風空気を冷却するエバポレータ(13)と、
    空調制御装置(50)と、
    エンジンルーム内の温度が上昇すると検出温度(TW)が上昇するセンサ(53)とを備え、
    車室外空気を前記外気導入口に導入する外気ダクト(90)が、前記エンジンルーム内または前記エンジンルームの近傍に配置されており、
    前記空調制御装置は、車室内に送風される送風空気として前記外気導入口から車室外空気が導入されており且つ前記センサの検出温度が基準温度より低いことに基づいて、前記コンプレッサの作動を禁止し、車室内に送風される送風空気として前記外気導入口から車室外空気が導入されており且つ前記センサの検出温度が基準温度より低くないこと基づいて、前記コンプレッサを作動させ、車室内に送風される送風空気として前記外気導入口から車室外空気が導入されていないことに基づいて、前記コンプレッサを作動させることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記空調制御装置は、車室内に送風される送風空気として前記外気導入口から車室外空気が導入されていることに基づいて前記コンプレッサの作動を禁止している場合、前記コンプレッサを作動させている場合に比べ、前記エバポレータを通って車室内に吹き出される空調風の風量を低減させることを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
  3. 前記空調制御装置は、車室内に送風される送風空気として前記外気導入口から車室外空気が導入されている場合でも、冷房が必要であると判定した場合、前記コンプレッサを作動させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記空調制御装置は、車室内に送風される送風空気として前記外気導入口から車室外空気が導入されている場合でも、窓曇りを低減する必要があると判定した場合、前記コンプレッサを作動させることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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