JP6365522B2 - 変速機の変速操作機構 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される変速機の変速操作機構に関し、車両用動力伝達技術の分野に属する。
一般に、フロントエンジン・リヤドライブ方式の自動車(FR車)に搭載される手動変速機の変速機構は、エンジンの出力軸と同じ軸線上に配置されたメインシャフトと、該メインシャフトに平行に配置されたカウンタシャフトとを有する。メインシャフトは、クラッチを介してエンジンの出力軸に連絡された入力軸と、該入力軸と同じ軸線上に配置され、プロペラシャフトを介して駆動輪側に連絡された出力軸とで構成される。
メインシャフトとカウンタシャフトとの間には、複数の前進用ギヤ列、通常は1つのリバース用ギヤ列、及び1つの減速用ギヤ列が設けられる。減速用ギヤ列及び前進用ギヤ列は、一般に常時噛合い式とされており、リバース用ギヤ列としては、常時噛み合い式又は選択摺動式のいずれか一方が採用される。
減速用ギヤ列は、メインシャフトとカウンタシャフトとの間で回転を減速させて伝達する一対の固定ギヤからなり、変速段に関係なく常に動力伝達状態とされる。減速用ギヤ列は、入力軸とカウンタシャフトとの間、又は、出力軸とカウンタシャフトとの間のいずれか一方に設けられ、前者の変速機構はインプットリダクションタイプ、後者の変速機構はアウトプットリダクションタイプと呼ばれる。
インプットリダクションタイプの変速機構において、エンジン側から入力軸に入力された回転は、先ず減速用ギヤ列において減速されてカウンタシャフトに伝達され、カウンタシャフトから所望の変速段に対応するギヤ列を介して出力軸に伝達される。アウトプットリダクションタイプの変速機構では、入力軸に入力された回転は、先ず所望の変速段に対応するギヤ列を介してカウンタシャフトに伝達されて、カウンタシャフトの回転が減速用ギヤ列において減速されて出力軸に伝達される。
前進用の各変速段のギヤ列は、メインシャフト又はカウンタシャフトの一方に固定された固定ギヤと、他方のシャフトに遊嵌されて固定ギヤに常時噛み合う遊嵌ギヤとを備えており、同期装置によって遊嵌ギヤとシャフトの回転が同期されることで、このギヤ列での動力伝達状態が円滑に実現される。なお、入力軸と出力軸を直結させる直結変速段にはギヤ列が設けられず、直結変速段の実現は、同期装置によって入力軸と出力軸の回転が同期されることでなされる。
常時噛み合い式のリバース用ギヤ列では、メインシャフト又はカウンタシャフトの一方に固定された固定ギヤと、他方のシャフトに遊嵌された遊嵌ギヤとが、メインシャフト及びカウンタシャフトに平行なリバースシャフトに設けられた中間ギヤを介して常に噛み合っており、一般的には、リバース用の同期装置の作動によって、遊嵌ギヤがシャフトに固定されることで、リバース用ギヤ列が動力伝達状態となる。常時噛み合い式のリバース用ギヤ列では、ヘリカルギヤを用いることができるため、これによって、ギヤノイズの低減を図れる利点がある。
また、常時噛み合い式のリバース用ギヤ列を採用する場合において、リバース用の同期装置として、コーン面での摩擦係合を利用した同期機能を有する一般的な同期装置に代えて、そのような摩擦係合による同期機能を備えない断接装置(以下、「ドグクラッチ」ともいう)が用いられることがある。このドグクラッチは、例えば、遊嵌ギヤ又はシャフトの一方側に設けられた外歯ギヤと、他方側に設けられた内歯ギヤとを備え、これらのギヤ同士を噛み合わせることで遊嵌ギヤをシャフトに固定するように構成される。このようなドグクラッチでは、遊嵌ギヤとシャフトの回転が停止した停車状態でリバースシフト操作が行われることで、外歯ギヤと内歯ギヤを噛み合わせることができる。
一方、選択摺動式のリバース用ギヤ列は、メインシャフトに固定されたリバースメインギヤと、カウンタシャフトに固定されたリバースカウンタギヤと、リバースシャフト上に軸方向に摺動可能に支持されたリバースアイドルギヤとで構成される。リバースアイドルギヤにはリバースレバーの一端部が係合されており、該リバースレバーによって軸方向に移動されたリバースアイドルギヤがリバースメインギヤとリバースカウンタギヤとに噛み合うことで、リバース用ギヤ列が動力伝達状態となる。
選択摺動式のリバース用ギヤ列が採用される場合や、常時噛み合い式のリバース用ギヤ列にドグクラッチが用いられる場合には、摩擦係合による同期機能を有するリバース用同期装置が省略されることから、前進走行時における該同期装置のコーン面での引きずり抵抗が生じない。そのため、回転抵抗が軽減されることによって、燃費性能の向上を図ることができる利点がある。
ところが、クラッチ操作によって変速機構の入力軸がエンジンから切り離された状態で停車し、その直後に後退段への変速操作が行われるとき、変速機構の入力軸は、慣性により回転し続けていることがある。この場合、リバースシフト操作時において、選択摺動式のリバース用ギヤ列では、入力軸と共に慣性で回転しているリバースメインギヤの歯にリバースアイドルギヤの歯が干渉しやすくなる。また、常時噛み合い式のリバースギヤ列に用いられるドグクラッチでは、これを構成する外歯ギヤ又は内歯ギヤの一方が入力軸と共に慣性で回転していることにより、これらのギヤの歯同士が干渉しやすくなる。したがって、これらの場合、円滑なシフトインが困難となったり、シフトインの際にギヤ鳴りが発生しやすくなったりする。
このような問題に対処するために、手動変速機の変速操作機構には、所謂プレボーク機構が採用されることがある。プレボーク機構は、リバースシフト操作の前期に前進段用の同期装置を利用して入力軸の慣性による回転を停止させることで、ギヤ同士を回転停止状態で噛み合わせて、スムーズなリバースシフトインを実現するものである。
特許文献1には、プレボーク機構を有する変速操作機構の一例が開示されている。この変速操作機構では、セレクト操作に連動してコントロールロッドが回動すると、複数のシフトロッドのうち所望の変速段に対応するロッドにコントロールロッドが選択的に係合され、シフト操作に連動して、コントロールロッドとこれに係合されたシフトロッドが軸方向に移動すると、該シフトロッドに対応するシフトイン機構が作動して、所望の変速段が形成されるように構成されている。リバース用ギヤ列は上述の選択摺動式であり、後退段用のシフトイン機構は、リバースシャフト上を摺動可能なリバースアイドルギヤ、リバース用シフトロッドに固定されたリバースアーム、所定の支軸周りに揺動可能とされ、リバースアームとリバースアイドルギヤとに係合されたリバースレバーで構成されている。
このように構成された特許文献1の変速操作機構において、リバースセレクト操作が行われると、コントロールロッドがリバース用シフトロッドに係合される。このとき、コントロールロッドと共に回動するコントロールロッド上のセレクトプレートによって、5−6速用シフトロッドに遊嵌されたプレボークレバーが周方向に押し込まれ、これによって回動するプレボークレバーに、リバースレバーに取り付けられたプレボークピンが係合される。
この状態でリバースシフト操作が行われると、コントロールロッドに係合されたリバース用シフトロッドと、該シフトロッドに固定されたリバースアームとがコントロールロッドと共に軸方向に移動し、これに連動して、リバースアームの一端に係合されたリバースレバーが揺動することで、リバースレバーの一端に係合されたリバースアイドルギヤがリバースシャフト上を摺動する。
そして、このリバースシフト操作の前期には、リバースレバーと共に揺動するプレボークピンによって上記のプレボークレバーが軸方向に押し込まれる。プレボークレバーは、5−6速用シフトロッドに対する軸方向への相対移動が規制されていることから、プレボークピンによってプレボークレバーが軸方向に押し込まれると、5−6速用シフトロッドがプレボークレバーと共に軸方向に移動し、5−6速用シフトロッドに固定された5−6速用シフトフォークによって、5−6速用同期装置のスリーブが入力軸上を軸方向に移動される。これにより、入力軸に設けられた5速用ギヤ列の遊嵌ギヤと入力軸との同期が行われる。
5速用ギヤ列の遊嵌ギヤは、これに噛み合う固定ギヤが設けられたカウンタシャフトを介して常に駆動輪側に連結されていることから、停車状態において回転が停止されている。このように回転停止状態とされた遊嵌ギヤに入力軸の回転が同期されることで、入力軸に制動力が作用する。
その後、リバースシフト操作の後期には、5−6速用同期装置による制動作用によって入力軸の回転が停止したタイミングで、プレボークピンとプレボークレバーの係合が解除される。これによって、5−6速用シフトロッドとプレボークレバーは、リターンスプリングの付勢力の作用によって元のニュートラル位置まで軸方向に移動し、5−6速用同期装置の作動が解除される。これにより5速用ギヤ列の動力伝達状態が解除された後、リバースシャフト上を摺動するリバースアイドルギヤが、リバースメインギヤ及びリバースカウンタギヤとの噛み合い位置に到達する。
このとき、入力軸上のリバースメインギヤ、及びカウンタシャフト上のリバースカウンタギヤの回転はいずれも停止されているため、回転停止状態の両ギヤにリバースアイドルギヤを円滑に噛み合わせることができ、これにより、スムーズなリバースシフトインを実現できる。
特開2014−137091号公報
ところで、特許文献1に開示されたものも含め、従来のプレボーク機構は、上記のように、リバースシフト操作時の前期において入力軸に制動力を作用させ、後期において、入力軸の回転が確実に停止したタイミングで、前進段用同期装置の作動解除と、リバースシフトインを順に行うように構成されるが、このような一連の動作は、多数の部材の動作を複雑に連動させることで実現されるものである。
例えば、特許文献1では、コントロールロッドの軸方向移動、リバース用シフトロッドの軸方向移動、リバースレバー及びプレボークピンの揺動、リバースアイドルギヤの摺動、5−6速用シフトロッドの5速シフト方向への軸方向移動、5−6速用同期装置の作動、プレボークピンとプレボークレバーの係合解除、及び、5−6速用シフトロッドの中立位置へ戻る軸方向移動といった各動作が相互に連動して、順次或いは並行して行われる。
しかしながら、従来のプレボーク機構では、上記のように複雑に連動する一連の動作に関わる部材が、変速操作機構における様々な場所に分散して配置されている。例えば、上述した特許文献1のプレボーク機構は、主として、セレクトプレート、プレボークレバー、リバースアーム及びプレボークピン等で構成されており、これらの構成部材は、コントロールロッド、5−6速用シフトロッド、リバース用シフトロッド、リバースレバー用の支軸等に分散して配置されている。
このように分散して配置された多数の部材を複雑に連動させながら動作させようとすると、各動作のタイミングにばらつきが生じやすい。また、このようなタイミングのばらつきを抑制するためには、各部品の配置や組付け、形状、寸法等に関して高度な設計技術や高い精度が要求される。したがって、従来の変速操作機構では、プレボーク機構の構成及び動作の簡素化に関して、改善の余地がある。
そこで、本発明は、変速機の変速操作機構において、プレボーク機構の構成及び動作の簡素化を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る変速機の変速操作機構は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
セレクト操作時に回動し且つシフト操作時に軸方向に移動するようにチェンジレバーに連絡されたコントロールロッドと、リバースシフト操作中に前進段用の同期装置を一時的に作動させるプレボーク機構とを備えた変速機の変速操作機構であって、
前記コントロールロッドは、前記チェンジレバーに連絡された第1コントロールロッドと、該第1コントロールロッドに平行に配置され、前記同期装置を作動させるシフトフォークが遊嵌された第2コントロールロッドとを含み、
前記第1及び第2コントロールロッドは、前記第1コントロールロッドに嵌合され、軸方向の移動が規制されたスリーブ部材を有する連絡機構を介して相互に連絡されており、
前記プレボーク機構は、前記シフトフォークに設けられたプレボーク***作部と、前記スリーブ部材に取り付けられた支軸に支持され、前記第1コントロールロッドの軸方向移動に連動して前記支軸の軸心周りに揺動し、且つリバースシフト操作中に前記プレボーク***作部に一時的に係合するプレボークレバーとを備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明に係る変速機の変速操作機構は、前記請求項1に記載の発明において、
前記第2コントロールロッドに、リバース用シフトイン機構を作動可能なシフトフィンガが固定されていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明に係る変速機の変速操作機構は、前記請求項2に記載の発明において、
前記リバース用シフトイン機構は、所定のシャフトに遊嵌されたリバース用ギヤ列の遊嵌ギヤを前記シャフトに固定させるドグクラッチであることを特徴とする。
なお、本明細書でいう「ドグクラッチ」とは、一般的な同期装置のような摩擦係合による同期機能を備えず、単に一対のギヤを噛み合わせることで回転体同士を固定する断接装置を意味する。
また、請求項4に記載の発明に係る変速機の変速操作機構は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記プレボーク機構は、
前記支軸に平行な支持ピンを介して前記プレボークレバーに取り付けられ、リバースシフト操作中において前記支持ピンの軸心を中心とした周方向の一方側において前記プレボーク***作部に一時的に係合するプレボークピンと、
前記周方向の他方側に前記プレボークピンを付勢する付勢手段と、
前記周方向の他方側への前記プレボークピンの回動を規制する位置決め部とを更に備えていることを特徴とする。
さらに、請求項5に記載の発明に係る変速機の変速操作機構は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、
前記連絡機構は、
記支軸に平行な軸心周りに揺動可能に前記スリーブ部材に支持され、一端側において前記第1コントロールロッドに係合され、他端側において前記第2コントロールロッドに係合された反転レバーを更に備えていることを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、リバースシフト操作が行われたとき、第1コントロールロッドの軸方向移動に連動して揺動するプレボークレバーを、第2コントロールロッド上のシフトフォークに設けられたプレボーク***作部に一時的に係合させることができる。そのため、揺動中のプレボークレバーとプレボーク***作部とが係合されている期間において、第2コントロールロッド上で前記シフトフォークを摺動させて、所定前進段用の同期装置を一時的に作動させることができ、この同期装置の作動によって、変速機構の入力軸に制動力を作用させることができる。したがって、変速機構の入力軸が慣性により回転し続けている状態でリバースシフト操作が開始された場合にも、リバースシフト操作の終期において、入力軸の回転が停止した状態でのスムーズなリバースシフトインを実現できる。
そして、本発明では、プレボーク機構を構成するプレボークレバーが、支軸とスリーブ部材を介して第1コントロールロッドに支持されていると共に、プレボーク***作部が、シフトフォークを介して第2コントロールロッドに支持されていることにより、第1及び第2コントロールロッド間にプレボーク機構の構成部材が集約されている。そのため、プレボーク機構の作動のために、第1及び第2コントロールロッド以外のロッドを作動させる必要がなく、相互に連動させる部材の点数を削減できる。また、このように集約配置されたプレボークレバーとプレボーク***作部は、所定の位置関係になるようにレイアウトしやすい。したがって、プレボーク機構の作動時において、一連の動作を精度よく連動させて、各動作を正確なタイミングで行うことができるため、上記のようなリバースシフトインの円滑化を精度よく実現できる。
また、第1及び第2コントロールロッド間に集約された部材によって、プレボーク機構を全体的に簡素に構成することができる。さらに、プレボークレバーを支持する支軸は、連絡機構のスリーブ部材を利用して取り付けられているため、支軸を支持するための専用部材が設けられる場合に比べて、部品点数の低減を図ることができると共に、支軸を変速機ケースに支持させる場合に比べて、変速機の構成を簡素化できる。
請求項2に記載の発明によれば、第1及び第2コントロールロッド間を連絡する連絡機構を構成するスリーブ部材に、プレボークレバーと支軸がサブアセンブリされることで、リバースシフト操作時において、第1コントロールロッドから第2コントロールロッドに並進運動を伝達するための連絡機構の動作タイミングと、プレボークレバーの揺動のタイミングとのばらつきを抑制することができる。そのため、第2コントロールロッドの軸方向移動に連動したリバース用シフトイン機構の動作と、プレボークレバーの揺動に連動した前進段用同期装置の一時的な作動及び解除を、それぞれ正確なタイミングで行うことができ、これにより、プレボーク機構の一連の動作を精度よく行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、リバース用シフトイン機構としてドグクラッチが用いられることで、摩擦係合による同期機能を有する一般的な同期装置が用いられる場合とは異なり、前進走行時におけるリバース用同期装置のコーン面での引きずり抵抗が生じない。そのため、回転抵抗が軽減されることによって、燃費性能の向上を図ることができる。また、リバース用シフトイン機構としてドグクラッチが採用されることにより、リバース用ギヤ列を常時噛み合い式とすることができるため、リバース用ギヤ列をヘリカルギヤで構成することができる。そのため、平歯車でリバース用ギヤ列を構成せざるを得ない選択摺動式が採用される場合に比べて、ギヤノイズを低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、支持ピンを介してプレボークレバーに取り付けられたプレボークピンは、付勢手段による付勢力が作用する方向への支持ピン周りの回動が位置決め部によって規制されているため、リバースシフト操作に連動してプレボークレバーが支軸の軸心周りに揺動して、プレボークピンがプレボーク***作部に係合したとき、プレボークレバーに対するプレボークピンの相対回動が規制されていることにより、プレボークレバーの揺動が進むのに従って、プレボーク***作部においてプレボークピンに係合されたシフトフォークを軸方向に押し進めることができる。
また、リバースシフト位置から中立位置へ戻すシフト操作に連動して、プレボークレバーが中立状態の角度位置に向かってリバースシフト操作時とは反対方向へ揺動するとき、リバースシフト操作の途中で中立位置に戻されたプレボーク***作部に対して、プレボークピンは、支持ピン周りの周方向においてリバースシフト操作時とは反対側で係合することになる。このとき、プレボークピンは、付勢手段による付勢力が作用する方向とは反対方向へ、プレボークレバーに対する相対回動を行うことができるため、これにより、プレボークレバーの揺動がプレボーク***作部との干渉によって阻止されることを回避でき、プレボークレバーが中立状態の角度位置に戻ることができる。
さらに、このプレボークレバーの揺動が進むことで、プレボークピンとプレボーク***作部との係合が解除されると、プレボークレバーに対するプレボークピンの相対回動の方向は、付勢手段による付勢力によって反転されて、プレボークピンが元の回動位置に戻ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、第1コントロールロッドと第2コントロールロッドとの間に設けられた反転レバーによって、シフト操作時における第2コントロールロッドの移動方向と、第2コントロールロッドと共に軸方向移動し得るシフトフォークの移動方向とを、第1コントロールロッドの移動方向に対して反転させることができる。また、複数のシフトフォークが第2コントロールロッドに選択的に係合されるように構成されることで、これらのシフトフォークの移動方向の反転を1つの反転レバーによって実現できるため、シフトフォーク毎に反転レバーを設ける場合に比べて、部品点数の削減、変速操作機構のコンパクト及び軽量化を図ることができる。
さらに、このような反転レバーによる反転機能を有する連絡機構を利用して、上述のプレボーク機構が構成されるため、変速操作機構全体を簡素でコンパクトに構成することができる。
本発明の実施形態に係る変速操作機構を有する変速機の変速機構を示す骨子図である。 図1に示す変速機構のリバース用シフトイン機構の構成の一例を示す断面図である。 変速操作機構のシフトパターンを示す図である。 シフト操作方向と各ロッドの移動方向との関係を模式的に示す側面図である。 変速機ケース内における変速操作機構の構成を示す展開図である。 第1コントロールロッドに設けられた第1レバーエンドを示す斜視図である。 第1コントロールロッドに設けられたスリーブ部材を示す斜視図である。 ニュートラル状態における反転機構を示す図5のA−A線断面図である。 同反転機構を示す図8のB−B線断面図である。 第2コントロールロッドに設けられたシフトフィンガセットを示す斜視図である。 シフトフィンガ及びインターロック規制部材を示す分解斜視図である。 ニュートラル状態における第1及び第2シフトフィンガセット及びその周辺部を示す図5のC−C線断面図及びD−D線断面図である。 リバースセレクト状態における反転機構を示す図8と同様の断面図である。 同状態における第1及び第2シフトフィンガセット及びその周辺部を示す図12と同様の断面図である。 リバースシフト状態の変速操作機構を示す図5と同様の展開図である。 プレボーク機構を示す図5の部分拡大図である。 ニュートラル状態におけるプレボーク機構を示す図5のE−E線断面図である。 リバースセレクト状態における同プレボーク機構を示す図17と同様の断面図である。 リバースシフト操作中の同プレボーク機構を示す図16と同様の図である。 リバースシフト位置から中立位置へ戻すシフト操作中における同プレボーク機構を示す図16と同様の図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る変速機の変速操作機構について説明する。
本実施形態に係る変速操作機構40は、例えばFR車に搭載される縦置き式の手動変速機に設けられたものである。該手動変速機は、例えば前進6段、後退1段の変速段を有し、図1に示す変速機構4を備えている。
[変速機構]
図1に示すように、変速機構4は、車体前後方向に延びるメインシャフト5と、該メインシャフト5に平行に配置されたカウンタシャフト8とを備えている。カウンタシャフト8は、メインシャフト5よりも下側に配置されている。
メインシャフト5は、クラッチ199を介してエンジン出力軸198に連絡された入力軸6と、該入力軸6の車体後方側において入力軸6と同一軸線上に配置されて、駆動輪側に連絡された出力軸7とを備えている。出力軸7の前端部には、入力軸6の後端部に回転自在に嵌合された嵌合部7aが設けられている。
メインシャフト5とカウンタシャフト8との間には、常時噛み合い式の複数のギヤ列G0,G1,G2,G3,G4,G5,GRが設けられている。具体的に、メインシャフト5の入力軸6とカウンタシャフト8との間に、リバース用ギヤ列GR、1速用ギヤ列G1、2速用ギヤ列G2、3速用ギヤ列G3、4速用ギヤ列G4、5速用ギヤ列G5が車体前方側からこの順で設けられ、メインシャフト5の出力軸7とカウンタシャフト8との間に減速用ギヤ列G0が設けられている。
なお、変速機構4は6速直結タイプとされており、直結変速段では入力軸6と出力軸7が直結されることから、6速用ギヤ列は設けられていない。
上記のように減速用ギヤ列G0は出力軸7側に設けられており、これにより、所謂アウトプットリダクションタイプの変速機構4が構成されている。減速用ギヤ列G0は、カウンタシャフト8に固定されたドライブギヤ26と、出力軸7に固定されたドリブンギヤ16とを備えている。減速用ギヤ列G0のドリブンギヤ16は、ドライブギヤ26よりも大径である。
直結変速段(6速)以外の変速段が形成されたときは、入力軸6から、動力伝達状態となったギヤ列G1,G2,G3,G4,G5,GRを介してカウンタシャフト8に動力が伝達されると共に、カウンタシャフト8から、減速用ギヤ列G0を介して出力軸7に動力が伝達される。このとき、カウンタシャフト8の回転は、減速用ギヤ列G0を介して減速されて出力軸7に伝達される。6速が形成されたときは、入力軸6からカウンタシャフト8を経由することなく直接出力軸7に動力が伝達される。
1速用及び2速用のギヤ列G1,G2は、入力軸6に固定されたドライブギヤ11,12と、カウンタシャフト8に遊嵌されたドリブンギヤ21,22とを備えている。3速用、4速用及び5速用のギヤ列G3,G4,G5は、入力軸6に遊嵌されたドライブギヤ13,14,15と、カウンタシャフト8に固定されたドリブンギヤ23,24,25とを備えている。
リバース用ギヤ列GRは、入力軸6に固定されたドライブギヤ10と、カウンタシャフト8に遊嵌されたドリブンギヤ20と、入力軸6及びカウンタシャフト8に平行に配置されたリバースシャフト9に遊嵌された中間ギヤ30とを備えている。リバース用ギヤ列GRでは、ドライブギヤ10とドリブンギヤ20との間に中間ギヤ30が介在することにより、前進走行時とは反対方向の回転がカウンタシャフト8及び出力軸7に伝達される。
また、カウンタシャフト8には、1速用、2速用及びリバース用のギヤ列G1,G2,GRのドリブンギヤ20,21,22をカウンタシャフト8に固定するシフトイン機構31,32が設けられ、入力軸6には、3速用、4速用及び5速用のギヤ列G3,G4,G5のドライブギヤ13,14,15又は出力軸7を、入力軸6に固定するシフトイン機構33,34が設けられている。
具体的には、カウンタシャフト8上において、後退変速段の形成に用いられるリバース用シフトイン機構31が、リバース用ギヤ列GRのドリブンギヤ20の例えば車体前方側に隣接して設けられ、1速と2速の形成に兼用される1−2速用シフトイン機構32が、1速用ギヤ列G1及び2速用ギヤ列G2のドリブンギヤ21,22間に設けられている。また、入力軸6上には、3速と4速の形成に兼用される3−4速用シフトイン機構33が、3速用ギヤ列G3及び4速用ギヤ列G4のドライブギヤ13,14間に設けられ、5速と6速の形成に兼用される5−6速用シフトイン機構34が、5速用ギヤ列G5のドライブギヤ15と出力軸7の嵌合部7aとの間に設けられている。
前進段用の各シフトイン機構32,33,34は、シンクロスリーブ32a,33a,34aの軸方向移動によってシンクロナイザリング(図示せず)をコーン面(図示せず)に押し付けることで、遊嵌ギヤ13,14,15,21,22又は出力軸7の回転を入力軸6又はカウンタシャフト8の回転に同期させながら、シフトインを行う一般的な同期装置である。
1−2速用シフトイン機構32の作動によって、シンクロスリーブ32aが車体前方側にスライドされると1速が形成され、車体後方側にスライドされると2速が形成される。同様に、3−4速用シフトイン機構33のシンクロスリーブ33aが車体前方側へスライドされると3速が形成され、車体後方側へスライドされると4速が形成される。また、5−6速用シフトイン機構34のシンクロスリーブ34aが車体前方側へスライドされると5速が形成され、車体後方側へスライドされると、入力軸6と出力軸7が直結されて、直結変速段である6速が形成される。
これに対して、リバース用シフトイン機構31は、一般的な構成の同期装置からシンクロナイザリングを廃止してなるドグクラッチである。
図2に示すように、シフトイン機構31は、内歯を有するスリーブ31aと、スリーブ31aの内側にスプライン嵌合され、圧入等によってドリブンギヤ20に固定されたハブ31bと、スリーブ31aの内歯に噛み合い可能な外歯を有し、カウンタシャフト8にスプライン嵌合された外歯ギヤ31cとを備えている。外歯ギヤ31cは、ハブ31bの車体前方側に隣接して配置されている。外歯ギヤ31cは、一般的な同期装置と同様、ハブ31b側に向かって径方向内側に傾斜したコーン面31dを有するが、該コーン面31dの外側にシンクロナイザリングが嵌合されていない点で、一般的な同期装置と異なっている。
リバース用シフトイン機構31の作動時には、スリーブ31aが後述のシフトフォーク134によって車体前方側へ軸方向にスライドされ、スリーブ31aの内歯が外歯ギヤ31cの外歯に噛み合う。これにより、スリーブ31aが、ハブ31bと外歯ギヤ31cに跨がってスプライン嵌合されると、これらシフトイン機構31の構成部品31a,31b,31cを介してドリブンギヤ20がカウンタシャフト8に固定されて、後退変速段が形成される。
一般的な同期装置であれば、スリーブ31aがスライドするとき、スリーブ31aと共にスライドするシンクロナイザキーによってシンクロナイザリングがコーン面31dに押し付けられることによって、カウンタシャフト8の回転とドリブンギヤ20の回転の同期が行われるが、上記のドグクラッチ31は、そのような同期機能を有していない。その代わり、シクロナイザリングの廃止によって部品点数を低減できると共に、前進走行時において、コーン面31dでの引き摺り抵抗が生じないことから回転抵抗の低減を図ることができ、これにより、燃費性能の向上を図ることができる。
[シフトパターン]
図3の平面図に示すように、チェンジレバー200のセレクト操作及びシフト操作は、所定のシフトパターン202に従って行われる。
図3に示されるシフトパターン202は、車体幅方向に延びるセレクトレーンLS、該セレクトレーンLSから車体前方側へ車体前後方向に延びるリバースシフトレーンLR、セレクトレーンLSから車体前方側及び車体後方側へ車体前後方向に延びる1−2速シフトレーンL12、3−4速シフトレーンL34、5−6速シフトレーンL56を備えている。このシフトパターン202におけるニュートラル位置は、セレクトレーンLSと3−4速シフトレーンL34とが交差する位置とされている。
このシフトパターン202によれば、チェンジレバー200のセレクト操作は、セレクトレーンLSに沿って車体幅方向右側又は左側に向かう方向へ行われ、シフト操作は、対応するシフトレーンLR,L12,L34,L56に沿って車体前方側又は車体後方側に向かう方向へ行われる。具体的に、リバース、1速、3速及び5速へのシフト操作方向は、車体前方側に向かう方向であり、2速、4速及び6速へのシフト操作方向は、車体後方側に向かう方向である。
[変速操作機構]
以下、変速操作機構40について説明する。
図4に示すように、変速操作機構40のチェンジレバー200は、回転可能に車体に支持された大球部200aと、大球部200aから上側へ延びる上側レバー部200bとを備え、上側レバー部200bの上端部に、運転者に掴まれるノブ200cが設けられている。
また、チェンジレバー200は、大球部200aから下側に延びる下側レバー部200dを備えている。チェンジレバー200は、セレクト操作又はシフト操作によって大球部200aの中心を支点として揺動し、チェンジレバー200が揺動するとき、下側レバー部200dの下端部200eは、常にノブ200cとは反対側へ移動する。
変速操作機構40は、変速機構4(図1参照)と共に変速機ケース1内に収容された第1及び第2コントロールロッド41,42を備えている。第1及び第2コントロールロッド41,42は、車体前後方向に延びるように相互に平行に配設されているとともに、後述する反転機構50を介して相互に連絡されている。
第1及び第2コントロールロッド41,42は、チェンジレバー200のセレクト操作に連動してそれぞれの軸心周りに回動し且つシフト操作に連動してそれぞれの軸方向に移動するようにチェンジレバー200に連絡されている。具体的には、第1コントロールロッド41の後端部が、チェンジロッド190を介してチェンジレバー200に連絡されている。
チェンジロッド190は、車体前後方向に延びるように配設されており、その後端部において、チェンジレバー200の下端部200eに係合されている。これにより、チェンジレバー200のノブ200cが車体幅方向の右側又は左側に倒されるようにセレクト操作が行われると、チェンジレバー200の下端部200eと共にチェンジロッド190の後端部が左側又は右側へ揺動されることで、チェンジロッド190がその軸心周りに回動され、チェンジレバー200のノブ200cが車体前方側又は後方側に倒されるようにシフト操作が行われると、チェンジロッド190は、チェンジレバー200の下端部200eと共に車体前方側又は後方側へ移動される。
図5は、主として変速機ケース1内における変速操作機構40の構成を示す展開図である。なお、図5は、リバースセレクト状態における変速操作機構40を示している。
図5に示すように、第1コントロールロッド41は、変速機ケース1から車体後方側へ突出するように配設されており、第1コントロールロッド41の後端部41aは、継手192を介してチェンジロッド190の前端部190aに連結されている。
継手192は、例えば、互いに直角な方向に延びる一対の支軸195,196を有する十字継手である。一対の支軸195,196は例えば筒状のホルダ194に支持されている。一方の支軸195は、チェンジロッド190に直角な方向に沿って配置され、チェンジロッド190の前端部190aを貫通している。他方の支軸196は、第1コントロールロッド41に直角な方向に沿って配置され、第1コントロールロッド41の後端部41aを貫通している。
チェンジロッド190の前端部190aは、一方の支軸195の軸心周りに回転可能とされ、第1コントロールロッド41の後端部41aは、他方の支軸196の軸心周りに回転可能とされている。このような継手192を介した連結により、第1コントロールロッド41の軸方向D1に対するチェンジロッド190の傾きを許容しつつ、チェンジロッド190から第1コントロールロッド41への回転運動及び並進運動の伝達が可能となっている。
これにより、第1コントロールロッド41は、セレクト操作時においてチェンジロッド190の回動に連動して同じ方向に回動し、シフト操作時においてチェンジロッド190の車体前後方向の移動に連動して同じ方向に軸方向移動を行う。そして、このようなセレクト操作時及びシフト操作時の第1コントロールロッド41の運動は、後述する反転機構50を介して第2コントロールロッド42に伝達される。
第1コントロールロッド41の大部分と第2コントロールロッド42の全体を収容する変速機ケース1は、例えばボルトによって相互に結合された第1ケース部材2と第2ケース部材3を備えている。第1ケース部材2は、変速機構4(図1参照)を収容するトランスミッションケースであり、第2ケース部材3は、クラッチ199(図1参照)を収容するクラッチハウジングである。第1ケース部材2は、車体前方側に開口している。第2ケース部材3は、第1ケース部材2の車体前方側に隣接して配置されており、第1ケース部材2の前端開口を塞いでいる。
第1コントロールロッド41は、変速機ケース1の第1ケース部材2を貫通して車体後方側へ突出するように配設されている。第1コントロールロッド41は、後端側において例えば金属製のブッシュ43を介して第1ケース部材2に回転自在かつ摺動自在に支持されており、前端側において例えば金属製のブッシュ44を介して第2ケース部材3に回転自在かつ摺動自在に支持されている。なお、第1ケース部材2において第1コントロールロッド41が貫通する部分は、シール部材49によってシールされている。
第2コントロールロッド42は、第1コントロールロッド41よりも長尺とされており、第1コントロールロッド41の後端よりも車体後方側に突出して配置されている。第2コントロールロッド42は、後端側において例えば金属製のブッシュ45を介して第1ケース部材2に回転自在かつ摺動自在に支持されており、前端側において例えば金属製のブッシュ46を介して第2ケース部材3に回転自在かつ摺動自在に支持されている。
第1及び第2コントロールロッド41,42は、セレクト操作時及びシフト操作時の運動を伝達する連絡機構としての反転機構50を介して相互に連絡されている。反転機構50は、シフト操作時に第2コントロールロッド42を第1コントロールロッド41の移動方向とは反対側へ軸方向D3に移動させるように構成されている。
[反転機構]
図5〜図9を参照しながら、反転機構50の構成について説明する。
反転機構50は、第1コントロールロッド41に嵌合されたスリーブ部材70と、スリーブ部材70に取り付けられた支持軸58と、支持軸58に支持された反転レバー51とを備えている。反転レバー51は、一端側において、第1コントロールロッド41に設けられた第1レバーエンド60に係合され、他端側において、第2コントロールロッド42に設けられた第2レバーエンド80に係合されている。
図6及び図9に示すように、第1レバーエンド60は、第1コントロールロッド41に嵌合される筒状部材であり、例えばスプリングピン69によって第1コントロールロッド41に固定されている。これにより、第1レバーエンド60は、常に第1コントロールロッド41と共に回動及び軸方向移動を行う。
第1レバーエンド60は、径方向外側に突出する一対の突条61,62を備えている。これらの突条61,62は、軸方向D1に延びるように形成されている。第1レバーエンド60には、上記のスプリングピン69が装着される貫通穴66が、一対の突条61,62を通って径方向に貫通するように設けられている。
また、第1レバーエンド60の外周面には、軸方向D1に直角な接線方向に延びる一対の係合溝63,66が設けられている。これらの係合溝63は、軸方向D1に間隔を空けて配置されており、それぞれ一方の突条61を横切るように形成されている。これにより、一方の突条61は、一対の係合溝63,66間に挟まれた第1突条部61a、一方の係合溝63を挟んで第1突条部61aの車体前方側に配置された第2突条部61b、及び、他方の係合溝66を挟んで第1突条部61aの車体後方側に配置された第3突条部61cに分断されている。
第1及び第2突条部61a,61bは、一方の係合溝63の側壁を構成する側面部64,65を備えている。これらの側面部64,65は、軸方向D1に直角な面で構成されており、相互に対向している。同様に、第2及び第3突条部61a,61cは、他方の係合溝66の側壁を構成する側面部67,68を備えている。これらの側面部67,68も、軸方向D1に直角な面で構成されており、相互に対向している。
ただし、一対の係合溝63,66は、必ずしも同じ突条61を横切るように形成されなくてもよく、一対の係合溝63,66のうち、一方の係合溝が一方の突条61を横切るように形成され、他方の係合溝が他方の突条62を横切るように形成されてもよい。
一対の係合溝63,66のうち車体前方側に配置された係合溝63は、反転レバー51の一端側が係合される第1係合部とされている。この係合溝63は、一対の側面部64,65によって軸方向D1の両側から反転レバー51の一端部を挟み込むようにして、該反転レバー51に係合される。他方の係合溝66には、後述のプレボークレバー171が係合される。
図7及び図8に示すように、スリーブ部材70は、第1レバーエンド60を介して第1コントロールロッド41を径方向外側から囲む周壁部72を備えている。周壁部72は、第1レバーエンド60の外周面の形状に合わせた筒状の内周面を有する。
周壁部72の内周面には、第1レバーエンド60の突条61,62が係合される溝部73,74が軸方向D1に延びるように設けられている。溝部73,74は、軸方向D1における周壁部72の一端から他端にかけて形成されており、軸方向D1の両側に開放されている。これにより、溝部73,74に係合された第1レバーエンド60の突条61,62は、溝部73,74に沿って軸方向D1に移動可能となっている。
周壁部72は、各溝部73,74に第1レバーエンド60の突条61,62が係合されるように、第1レバーエンド60の外側に嵌合される。これにより、スリーブ部材70は、第1コントロールロッド41及び第1レバーエンド60に対して、相対回転は規制されるが、軸方向D1には相対移動可能となっている。
なお、図5に示すように、周壁部72は、軸方向D1において第1レバーエンド60よりも短く、第1レバーエンド60の車体前方側部分のみに嵌合されているが、第1レバーエンド60全体に嵌合されてもよい。
図7及び図8に示すように、周壁部72には、周方向の1箇所において切欠部75が形成されている。切欠部75は、軸方向D1に延びるように形成されている。切欠部75は、軸方向D1において周壁部72の一端から他端にかけて形成されており、軸方向D1の両側に開放されている。ただし、切欠部75は、軸方向D1の一端側が閉塞されたスリット状に形成されたり、軸方向D1の両側が閉塞されたスロット状に形成されたりしてもよい。
また、スリーブ部材70は、互いに対向する一対のプレート部76,77を備えている。プレート部76,77は、周壁部72から下方へ延びるように該周壁部72と一体に設けられている。一対のプレート部76,77は互いに平行に配置されており、一方のプレート部76は、周壁部72の切欠部75の近傍に配置されている。
一対のプレート部76,77は、周壁部72の後端よりも車体後方側へ延びるように設けられている。各プレート部76,77には、軸方向D1に間隔を空けて一対の貫通穴78,79が設けられている。一対の貫通穴78,79のうち、車体前方側の貫通穴78には、反転機構50の支持軸58が挿通され、車体後方側の貫通穴79には、後述するプレボーク機構170の支軸178が挿通される。
図9に示すように、スリーブ部材70の周壁部72は、軸方向D1の車体後方側において、第1ケース部材2の内周面に設けられた段部2aに係合され、軸方向D1の車体前方側において、第2ケース部材3における第1ケース部材2との合わせ面3aに押し当てられている。このような周壁部72と変速機ケース1との係合により、スリーブ部材70は、軸方向D1の一方側への移動が第1ケース部材2により規制され、軸方向D1の他方側への移動が第2ケース部材3により規制されている。
したがって、スリーブ部材70は、セレクト操作時には第1コントロールロッド41の回動に連動して回動するが、シフト操作時には、規制手段としての変速機ケース1によって軸方向移動が規制されていることにより、第1コントロールロッド41の軸方向移動に対して非連動とされている。
なお、第2ケース部材3の合わせ面3aには、第1レバーエンド60に対向する部分に凹部3bが設けられている。したがって、第1コントロールロッド41及び第1レバーエンド60が車体前方側(図9の右側)へ軸方向D1に移動するとき、第1レバーエンド60は、凹部3bに収容されることで、第2ケース部材3との干渉が回避される。
図8及び図9に示すように、支持軸58は、一対のプレート部76,77を貫通した状態でスリーブ部材70に取り付けられている。支持軸58は、スリーブ部材70に相対移動不能に取り付けられている。支持軸58は、第1コントロールロッド41に直角な方向に沿って配置されており、この位置関係は、スリーブ部材70の回動位置に関係なく常に一定に維持される。支持軸58の抜け止めは、例えば、その一端側に設けられた頭部58aと他端側に装着されたスナップリング59によって果たされている。
反転レバー51は、支持軸58に嵌合された筒状部52と、筒状部52から第1レバーエンド60に向かって延びる第1レバー部53と、筒状部52から第2レバーエンド80に向かって延びる第2レバー部55とを備えている。
筒状部52は、支持軸58に回動自在に支持されており、これにより、反転レバー51が支持軸58の軸心周りに揺動可能となっている。ただし、筒状部52は、支持軸58に固定されて該支持軸58と共に回動するように設けられてもよい。筒状部52は、スリーブ部材70の一対のプレート部76,77に挟み込まれており、これにより、支持軸58の軸方向における反転レバー51の移動が規制されている。
第1レバー部53は、プレート部76,77に平行に配置されている。筒状部52の軸方向において、第1レバー部53は、第1コントロールロッド41からずれた位置に設けられている。第1レバー部53は、一方のプレート部76に近接して対向配置されている。
第1レバー部53は、スリーブ部材70の周壁部72の切欠部75を通って該周壁部72を貫通している。第1レバー部53の先端部は、周壁部72の内側において第1レバーエンド60の係合溝63に係合される係合部54とされている。係合部54は、例えば円板状に形成されている。係合部54は、反転レバー51の揺動角度に関わらず常に、係合溝63の側面部64,65に直角に配置される。
第2レバー部55は、筒状部52の軸方向中央部から径方向外側へ第1レバー部53とは反対側に延びるように設けられている。図9に示すように、第1レバー部53と第2レバー部55は、筒状部52の軸方向から見て同じ直線上に配置されている。第2レバー部55の先端部には、第2レバーエンド80に係合される球状部56が設けられている。
第2レバーエンド80は、第2コントロールロッド42に嵌合されており、例えばスプリングピン81によって第2コントロールロッド42に固定されている。
第2レバーエンド80は、第2コントロールロッド42の径方向外側に延びるレバー部82を備えている。レバー部82は、例えば断面矩形とされている。レバー部82の先端の端面には、反転レバー51に係合される第2係合部としての穴83が設けられている。穴83は、例えば円筒状の有底穴である。穴83には、反転レバー51の球状部56が嵌合され、これにより、第2レバーエンド80と反転レバー51の第2レバー部55とが係合される。
[シフトフィンガセット]
図5に示すように、第2コントロールロッド42には、第1シフトフィンガセット(以下、「第1セット」という)91と、第2シフトフィンガセット(以下、「第2セット」という)92とが軸方向D3に間隔を空けて設けられている。第1セット91と第2セット92は、車体後方側からこの順で配置されており、いずれも、第2レバーエンド80よりも車体後方側に配置されている。
図10及び図11を参照しながら、第1セット91及び第2セット92の構成について説明する。
第1セット91と第2セット92は、同じ構造を有する。第1セット91及び第2セット92のそれぞれは、1つのシフトフィンガ93と、これに係合される1つのインターロック規制部材100とで構成されている。
シフトフィンガ93は、第2コントロールロッド42に嵌合される筒状部材である。シフトフィンガ93には貫通穴97が設けられており、該貫通穴97に差し込まれたスプリングピン98(図12参照)が第2コントロールロッド42を貫通することで、スプリングピン98を介してシフトフィンガ93が第2コントロールロッド42に固定される。これにより、シフトフィンガ93は、セレクト操作時には第2コントロールロッド42と共に回動し、シフト操作時には第2コントロールロッド42と共に軸方向D3に移動する。
シフトフィンガ93は、径方向外側に延びるレバー部94と、レバー部94とは異なる周方向位置において径方向外側に突出した一対の突出部95,96とを備えている。一対の突出部95,96は、互いに反対側に向かって突出している。各突出部95,96は、軸方向D3におけるシフトフィンガ93の全長に亘って設けられている。軸方向D3において、レバー部94の長さはシフトフィンガ93の全長よりも短く、レバー部94は、シフトフィンガ93の軸方向D3の中央部に設けられている。
インターロック規制部材100は、周方向の1箇所に切欠き105が設けられることで、軸方向D3から見てC字状の全体形状を有する。インターロック規制部材100は、シフトフィンガ93を包囲するように該シフトフィンガ93の径方向外側に装着される。
インターロック規制部材100は、シフトフィンガ93と略同じ軸方向D3長さを有する半筒状の本体部101と、該本体部101よりも軸方向D3に短い第1及び第2規制部103,104とを備えている。第1規制部103は、周方向D4(図5及び図12参照)において本体部101の一端部から延びるように設けられ、第2規制部104は、周方向D4において本体部101の他端部から延びるように設けられている。周方向D4における第1規制部103の先端と第2規制部104の先端とは、切欠き105を挟んで対向配置されている。
本体部101には、変速機ケース1の第1ケース部材2に固定された位置決めピン87,88(図5及び図12参照)に係合される係合穴102が設けられている。該係合穴102に係合される位置決めピン87,88によって、インターロック規制部材100の軸方向D3の移動が規制される。係合穴102は、本体部101を厚み方向に貫通して設けられている。また、係合穴102は、周方向D4に延びる長穴とされており、これにより、位置決めピン87,88に対するインターロック規制部材100の周方向移動が所定範囲内で許容されている。
第1規制部103及び第2規制部104の内周面は、本体部101の内周面と同じ円筒面上に配置されている。シフトフィンガ93の外側にインターロック規制部材100が嵌合された状態において、本体部101、第1規制部103及び第2規制部104の内周面は、シフトフィンガ93の外周面に沿って配置され、これにより、シフトフィンガ93に対するインターロック規制部材100の径方向へのがたつきが抑制される。この嵌合状態において、シフトフィンガ93のレバー部94は、第1及び第2規制部103,104間の切欠き105に配置されることで、インターロック規制部材100との干渉が回避される。
インターロック規制部材100は、第1規制部103から軸方向D3両側に延びる一対の第1ガイド部106,107と、第2規制部104から軸方向D3両側に延びる一対の第2ガイド部108,109とを更に備えている。第1ガイド部106,107及び第2ガイド部108,109は、軸方向D3から見て扇状に形成されており、第1規制部103及び第2規制部104と比べて内径が等しく、外径が小さく形成されている。第1ガイド部106,107及び第2ガイド部108,109の内周面は、本体部101、第1規制部103及び第2規制部104の内周面と同じ円筒面上に配置されており、シフトフィンガ93の外周面に沿って配置され得る。
インターロック規制部材100の内周面には、本体部101と第1規制部103とに跨がる第1係合凹部110と、本体部101と第2規制部104とに跨がる第2係合凹部111とが設けられている。第1係合凹部110及び第2係合凹部111は、それぞれ軸方向D3に延びる溝状に形成されている。
シフトフィンガ93の外側にインターロック規制部材100が嵌合された状態において、インターロック規制部材100の第1及び第2係合凹部110,111にはシフトフィンガ93の突出部95,96が係合される。これにより、シフトフィンガ93に対するインターロック規制部材100の周方向移動が規制されるため、セレクト操作に連動してシフトフィンガ93が回動するとき、インターロック規制部材100も常に一体的に回動する。
このとき、インターロック規制部材100の係合穴102に係合された位置決めピン87,88は、周方向D4に長く形成された係合穴102内で周方向の移動が許容されるため、位置決めピン87,88によってインターロック規制部材100の回動が規制されることはない。
また、シフトフィンガ93とインターロック規制部材100の嵌合状態において、シフトフィンガ93の各突出部95,96は、インターロック規制部材100の第1及び第2係合凹部110,111に沿って軸方向D3に移動自在とされている。さらに、この嵌合状態において、シフトフィンガ93のレバー部94は、第1及び第2規制部103,104間の切欠き105に沿って軸方向D3に移動自在となっている。そのため、位置決めピン87,88によって軸方向D3の移動が規制されたインターロック規制部材100によって、シフトフィンガ93の軸方向D3の移動が規制されることはない。
[シフトイン部材]
図5に示すように、変速操作機構40は、上述のシフトイン機構31,32,33,34を作動させるシフトイン部材として、複数のシフトフォーク134,144,154,164を備えている。より具体的に、変速操作機構40は、リバース用シフトイン機構31を作動させるリバース用シフトフォーク134、1−2速用シフトイン機構32を作動させる1−2速用シフトフォーク144、3−4速用シフトイン機構33を作動させる3−4速用シフトフォーク154、5−6速用シフトイン機構34を作動させる5−6速用シフトフォーク164を備えている。これらのシフトフォーク134,144,154,164は、セレクト操作によってシフトフィンガ93に選択的に係合され且つシフト操作によって軸方向D3に移動されることで対応するシフトイン機構31,32,33,34を作動させる。
リバース用シフトフォーク134、1−2速用シフトフォーク144、3−4速用シフトフォーク154、5−6速用シフトフォーク164は、車体前方側からこの順で配置されている。
リバース用シフトフォーク134及び1−2速用シフトフォーク144は、変速機ケース1内において第1及び第2コントロールロッド41,42に平行に配置されたシフトロッド90に支持されている。
シフトロッド90の一端部は、例えば金属製のブッシュ47を介して変速機ケース1の第1ケース部材2に、シフトロッド90の他端部は、例えば金属製のブッシュ48を介して変速機ケース1の第2ケース部材3にそれぞれ摺動自在に支持されている。シフトロッド90は、第2コントロールロッド42よりも短い。シフトロッド90の後端は、車体前後方向において第1セット91と第2セット92の間に配置されている。
リバース用シフトフォーク134は、カウンタシャフト8に設けられたリバース用シフトイン機構31のスリーブ31a(図1及び図2参照)に係合され、該スリーブ31aを軸方向に移動させることで、リバース用シフトイン機構31を作動させる。
リバース用シフトフォーク134は、例えばスプリングピン131によってシフトロッド90に固定された筒状のシフトエンド130に一体に設けられている。シフトエンド130は、シフトロッド90の車体前方側の端部近傍に配置されている。リバース用シフトフォーク134は、シフトエンド130を介してシフトロッド90に固定されていることにより、該シフトロッド90と共に軸方向D6に移動可能とされている。
リバース用シフトフォーク134に対応するフォークゲート133(図12(b)参照)は、第2コントロールロッド42上の第2セット92の周囲に配設されている。該フォークゲート133を一端部に有するゲートアーム132の他端部は、シフトエンド130に一体に連なっている。
1−2速用シフトフォーク144は、カウンタシャフト8に設けられた1−2速用シフトイン機構32のシンクロスリーブ32a(図1参照)に係合され、該シンクロスリーブ32aを軸方向に移動させることで、1−2速用シフトイン機構32を作動させる。
1−2速用シフトフォーク144は、シフトロッド90に遊嵌された筒状のシフトエンド140に一体に設けられている。シフトエンド140は、リバース用シフトエンド130よりも車体後方側においてシフトロッド90上を摺動可能とされている。1−2速用シフトフォーク144は、シフトエンド140を介してシフトロッド90に遊嵌支持されていることにより、シフトロッド90上をシフトエンド140と一体に軸方向D6に移動可能とされている。
1−2速用シフトフォーク144に対応するフォークゲート143は、第2コントロールロッド42上の第2セット92の周囲に配設されている。該フォークゲート143を一端部に有するゲートアーム142の他端部は、シフトエンド140に一体に連なっている。
3−4速用シフトフォーク154と5−6速用シフトフォーク164は、第2コントロールロッド42に遊嵌支持されている。
3−4速用シフトフォーク154は、メインシャフト5に設けられた3−4速用シフトイン機構33のシンクロスリーブ33a(図1参照)に係合され、該シンクロスリーブ33aを軸方向に移動させることで、3−4速用シフトイン機構33を作動させる。
3−4速用シフトフォーク154は、第2コントロールロッド42に遊嵌された筒状のシフトエンド150に一体に設けられている。シフトエンド150は、第1セット91のシフトフィンガ93と第2セット92のシフトフィンガ93との間の軸方向範囲において第2コントロールロッド42上を摺動可能とされている。3−4速用シフトフォーク154は、シフトエンド150を介して第2コントロールロッド42に遊嵌支持されていることにより、第2コントロールロッド42に対して相対的に軸方向D3に移動可能となっている。
3−4速用シフトフォーク154に対応するフォークゲート153(図12(a)参照)は、第2コントロールロッド42上の第1セット91の周囲に配設されている。該フォークゲート153を一端部に有するゲートアーム152の他端部は、シフトエンド150に一体に連なっている。
5−6速用シフトフォーク164は、メインシャフト5に設けられた5−6速用シフトイン機構34のシンクロスリーブ34a(図1参照)に係合され、該シンクロスリーブ34aを軸方向に移動させることで、5−6速用シフトイン機構34を作動させる。
5−6速用シフトフォーク164は、第2コントロールロッド42に遊嵌された筒状のシフトエンド160に一体に設けられている。シフトエンド160は、第1セット91のシフトフィンガ93よりも車体後方側において第2コントロールロッド42上を摺動可能とされている。5−6速用シフトフォーク164は、シフトエンド160を介して第2コントロールロッド42に遊嵌支持されていることにより、第2コントロールロッド42に対して相対的に軸方向D3に移動可能となっている。
5−6速用シフトフォーク164に対応するフォークゲート163は、第2コントロールロッド42上の第1セット91の周囲に配設されている。該フォークゲート163を一端部に有するゲートアーム162の他端部は、シフトエンド160に一体に連なっている。
上述したフォークゲート133,143,153,163のシフトフィンガ93及びインターロック規制部材100に対する係合は、第1セット91と第2セット92に分担されている。具体的には、図12(a)に示すように、3−4速用及び5−6速用のフォークゲート153,163が第1セット91に分担され、図12(b)に示すように、リバース用及び1−2速用のフォークゲート133,143が第2セット92に分担されている。
図12(a)及び図12(b)に示すニュートラル状態において、シフトフィンガ93のレバー部94の周方向D4位置は、第1セット91と第2セット92のいずれにおいても同じであり、フォークゲート133,143,153,163は、全て異なる周方向D4位置に配置されている。具体的には、軸方向D3の車体後方側から見て、リバース用、1−2速用、3−4速用、5−6速用フォークゲート133,143,153,163が、反時計回り方向にこの順で並ぶように配置されている。
ニュートラル状態において、3−4速用フォークゲート153は、第1セット91のシフトフィンガ93のレバー部94に係合されており(図12(a)参照)、3−4速用フォークゲート153よりも周方向D4の一方側に配置されたリバース用及び1−2速用のフォークゲート133,143は、第2セット92のインターロック規制部材100の第2規制部104に係合され(図12(b)参照)、3−4速用フォークゲート153よりも周方向D4の他方側に配置された5−6速用フォークゲート163は、第1セット91のインターロック規制部材100の第1規制部103に係合されている(図12(a)参照)。
[変速操作機構の動作]
以上のように構成された変速操作機構40は、チェンジレバー200(図3及び図4参照)のセレクト操作及びシフト操作に連動して、以下のような動作を行う。
先ず、図8及び図13等を参照しながら、セレクト操作時における変速操作機構40の反転機構50の動作について説明する。
上述したように、第1レバーエンド60は第1コントロールロッド41に固定されており、スリーブ部材70は、第1レバーエンド60に対して相対回動が規制されている。また、スリーブ部材70に対する支持軸58及び反転レバー51の筒状部52の相対位置は一定である。
そのため、セレクト操作に連動して第1コントロールロッド41が回動されると、第1レバーエンド60、スリーブ部材70、支持軸58及び反転レバー51は、第1コントロールロッド41の軸心周りの周方向D2に該ロッド41と一体的に回動する。例えば、図13に示すように、リバースセレクト操作が行われると、第1コントロールロッド41、第1レバーエンド60、スリーブ部材70、支持軸58及び反転レバー51は、第1コントロールロッド41の軸心周りに、車体後方側から見て反時計回り方向に一体的に回動する。
このようにして第1コントロールロッド41の軸心周りに反転レバー51が回動すると、反転レバー51の第2レバー部55と第2レバーエンド80との係合部では、第2レバー部55の球状部56によって第2レバーエンド80の穴83の内周面が第2コントロールロッド42の周方向D4に押し込まれ、これにより、第2レバーエンド80及びこれが固定された第2コントロールロッド42は、該ロッド42の軸心周りの周方向D4に、第1コントロールロッド41とは反対方向に回動する。例えば、図13に示すリバースセレクト操作時に、第2コントロールロッド42は車体後方側から見て時計回り方向に回動する。
以上のようにして、セレクト操作時における第1コントロールロッド41の回転運動は、反転機構50を介して第2コントロールロッド42に伝達される。これにより、セレクト操作時において、第2コントロールロッド42は、第1コントロールロッド41の回動に連動して、該ロッド41の回動方向とは反対方向に回動する。
次に、セレクト操作時における第2コントロールロッド42上の第1及び第2セット91,92の動作について説明する。
上記のようにセレクト操作に連動して第2コントロールロッド42が回動すると、第1及び第2セット91,92のシフトフィンガ93及びインターロック規制部材100も第2コントロールロッド42と共に回動し、上記のように配置されたフォークゲート133,143,153,163のうち、セレクト操作により選択されたセレクト位置に対応するフォークゲートに、第1又は第2セット91,92のいずれかのシフトフィンガ93のレバー部94が係合される。このとき、シフトフィンガ93に係合されたもの以外のフォークゲートには、インターロック規制部材100の第1又は第2規制部103,104が係合される。
例えば、図12に示すニュートラル状態では、第1セット91のシフトフィンガ93のレバー部94が3−4速用フォークゲート153に係合されるが、図14に示すリバースセレクト状態では、第2セット92のシフトフィンガ93のレバー部94がリバース用フォークゲート133に係合される。
続いて、図5、図9及び図15等を参照しながら、シフト操作時における変速操作機構40の動作について説明する。
上記のように第1コントロールロッド41上の第1レバーエンド60に反転レバー51の第1レバー部53が係合されていることにより、シフト操作に連動して第1コントロールロッド41及びこれに固定された第1レバーエンド60が軸方向D1に移動すると、第1レバーエンド60の係合溝63の一対の側面部64,65のうちいずれか一方によって、第1レバー部53の係合部54が軸方向D1に押し込まれる。これにより、反転レバー51は、支持軸58の軸心周りの周方向D5に揺動される。
このように反転レバー51が揺動されると、該反転レバー51の第2レバー部55に係合された第2レバーエンド80は、第2レバー部55の球状部56によって穴83の内周面が第2コントロールロッド42の軸方向D3に押し込まれることで、第2レバーエンド80及びこれが固定された第2コントロールロッド42は、軸方向D3に移動される。
反転レバー51が揺動するとき、第2レバー部55の球状部56は、軸方向D3に関して、第1レバー部53の係合部54とは反対方向に移動する。したがって、シフト操作時において、第2コントロールロッド42は、第1コントロールロッド41とは反対方向に移動する。例えば、図15に示すリバースシフト操作時には、第1コントロールロッド41は、軸方向D1の車体後方側へ移動し、第2コントロールロッド42は、軸方向D3の車体前方側へ移動する。
以上のようにして、シフト操作時における第1コントロールロッド41の並進運動は、反転機構50を介して第2コントロールロッド42に伝達される。これにより、シフト操作時において、第2コントロールロッド42は、第1コントロールロッド41の軸方向D1への移動に連動して、該ロッド41の移動方向とは反対側に向かって軸方向D3に移動する。
このようにしてシフト操作に連動して第2コントロールロッド42が軸方向D3に移動すると、第2コントロールロッド42に固定された第1及び第2セット91,92のシフトフィンガ93、及び、一方のシフトフィンガ93に係合されたフォークゲート133も軸方向D3に移動する。例えば、図15に示すリバースシフト操作時には、第1セット91のシフトフィンガ93に係合されたリバース用フォークゲート133が車体後方側へ軸方向D3に移動し、これと一体に3−4速用シフトフォーク134も同方向へ移動することで、リバース用シフトイン機構31(図1及び図2参照)が作動されて、リバース用ギヤ列GRが動力伝達状態となる。
このとき、シフトフィンガ93に係合されていない他のフォークゲート143,153,163(図14参照)は、インターロック規制部材100との係合によって軸方向D3への移動が規制されるため、同時に複数のシフトイン機構が作動することが防止され、これにより、変速機構4のインターロックが回避される。
以上のように構成された変速操作機構40では、第1コントロールロッド41と第2コントロールロッド42との間に設けられた反転機構50によって、シフト操作時における第2コントロールロッド42の移動方向が第1コントロールロッド41の移動方向に対して反転される。
これにより、図3に示すシフトパターン202に従って車体前方側へのシフト操作が行われる1速、3速、5速、リバースへの変速操作時には、対応するシフトフォーク134,144,154,164及びスリーブ31a,32a,33a,34a(図1参照)も車体前方側へ移動することで、所望の変速段のギヤ列G1,G3,G5,GR(図1参照)を動力伝達状態とすることができる。
一方、車体後方側へのシフト操作が行われる2速、4速、6速への変速操作時には、対応するシフトフォーク144,154,164及びシンクロスリーブ32a,33a,34a(図1参照)が車体後方側へ移動することで、所望の変速段のギヤ列G2,G4,G6(図1参照)を動力伝達状態とすることができる。
したがって、上記のように反転機構50が設けられた変速操作機構40によって、図1に示すような並び順でギヤ列G0,G1,G2,G3,G4,G5,GR及びシフトイン機構31,32,33,34が配置された変速機構4の変速を適正に実行できる。そして、このように変速機構4が構成されることで、最も大きなトルクがかかる1速用ギヤ列G1を2速用ギヤ列G2に比べて軸受17,27に近づけて配置できたり、直結変速段である6速のときに入力軸6に直結される出力軸7の嵌合部7aを他の全ての変速段のギヤ列G1,G2,G3,G4,G5,GRよりも車体後方側に配置できたり、これにより、使用頻度の高い6速を直結変速段としたアウトプットリダクションタイプの変速機構4を構築できたりするなどといった利点が得られる。
そして、上記の反転機構50によれば、全てのシフトフォーク134,144,154,164の移動方向を1つの反転レバー51によって反転させることができるため、仮に複数のシフトフォークの移動方向を反転させるためにシフトフォーク毎に反転レバーを設ける場合に比べて、反転レバー及びこれに付随する部品の点数を削減できると共に、変速操作機構40の軽量化を図ることができる。
また、反転レバー51を支持する支持軸58は、第1コントロールロッド41に嵌合されたスリーブ部材70に取り付けられているため、仮に変速機ケース1に支持軸58が取り付けられる場合に比べて、変速機ケース1に、支持軸58の端部を支持させるための取付穴やボス部を設ける必要がなく、簡素な構成で反転レバー51を支持することができる。
さらに、上記の反転機構50は、第1及び第2コントロールロッド41,42間でシフト操作時の移動方向を反転させる機能に加えて、第1及び第2コントロールロッド41,42間でセレクト運動の伝達を行う機能を兼ね備えているため、セレクト専用の伝達機構が省略されることで、部品点数の削減、並びに変速操作機構40の構成の簡素化、コンパクト化及び軽量化を図ることができる。
[プレボーク機構]
以下、プレボーク機構170の構成について説明する。
プレボーク機構170は、リバースシフト操作開始時に慣性により変速機構4の入力軸6及びリバース用ギヤ列GRのギヤ10,20,30と共に回転しているドグクラッチ31のスリーブ31a(図2参照)を、カウンタシャフト8にスプライン嵌合されたドグクラッチ31の外歯ギヤ31c(図2参照)に対して円滑に噛み合わせるために、リバースシフト操作の前半に、第1コントロールロッド41の軸方向移動に連動させて、3速用ギヤ列G3を動力伝達状態とする方向に3−4速用同期装置(3−4速用シフトイン機構)33を作動させることで、入力軸6の慣性による回転を制動するものである。
図16及び図17に示すように、プレボーク機構170は、3−4速用シフトフォーク154に設けられたプレボーク***作部156と、リバースシフト操作中にプレボーク***作部156に一時的に係合するプレボークレバー171とを備えている。
プレボーク***作部156は、3−4速用シフトエンド150の外周面から軸方向D3の車体前方側に延びる延長アーム部155の先端に一体に設けられている。プレボーク***作部156は、延長アーム部155の先端部から第1コントロールロッド41に向かって突出している。プレボーク***作部156は、延長アーム部155及びシフトエンド150を介してシフトフォーク154に一体に連なっていることにより、該シフトフォーク154と一体に第2コントロールロッド42上を軸方向D3に移動する。
プレボーク***作部156は、車体後方側を指向する第1係合面156aと、第1コントロールロッド41を指向する第2係合面156bとを備えている。第1係合面156aは、車体前方側に向かって次第に第1コントロールロッド41に近づくように傾斜した傾斜面とされている。第2係合面156bは、第1コントロールロッド41の軸心に平行に配置されている。
延長アーム部155における変速機ケース1の第1ケース部材2との対向部には、凹状のカム面157が形成されている。カム面157には、弾性部材159を介して第1ケース部材2に取り付けられたディテントボール158が係合されている。ディテントボール158は、弾性部材159の付勢力によって延長アーム部155に押し付けられている。
カム面157は、その最深部から車体前方側に向かうに従って浅くなるような傾斜面と、最深部から車体後方側に向かうに従って浅くなるような傾斜面とで構成されている。3−4速用シフトフォーク154がシフト方向の中立位置に位置するとき、ディテントボール158は、カム面157の両傾斜面に当接している。この状態では、カム面157に対してディテントボール158が軸方向D3に押し込む力は作用しないが、シフトフォーク154が中立位置から軸方向D3に移動すると、カム面157の一方の傾斜面にディテントボール158が押し付けられることで、シフトフォーク154を中立位置に戻そうとする軸方向D3の力が作用する。このように、カム面157とディテントボール158は、シフトフォーク154を中立位置へ戻すシフトリターン機能を有する。
プレボークレバー171は、上述の反転機構50のスリーブ部材70に取り付けられた支軸178に、該支軸178の軸心周りに揺動可能に支持されている。
支軸178は、スリーブ部材70の一対のプレート部76,77を貫通した状態でスリーブ部材70に取り付けられている。支軸178は、スリーブ部材70に相対移動不能に取り付けられている。支軸178は、第1コントロールロッド41に直角な方向に沿って配置されており、この位置関係は、第1コントロールロッド41の周方向D2におけるスリーブ部材70の回動位置に関係なく常に一定に維持される。支軸178の抜け止めは、例えば、その一端側に設けられた頭部178aと他端側に装着されたスナップリング179によって果たされている。
プレボークレバー171は、支軸178に嵌合された筒状部172と、筒状部172から第1コントロールロッド41上の第1レバーエンド60に向かって延びる第1レバー部173と、筒状部172から延長アーム部155に向かって延びる第2レバー部175とを備えている。
筒状部172は、支軸178に回動自在に支持されており、これにより、プレボークレバー171が支軸178の軸心周りに揺動可能となっている。ただし、筒状部172は、支軸178に固定されて該支軸178と共に回動するように設けられてもよい。筒状部172は、スリーブ部材70の一対のプレート部76,77に挟み込まれており、これにより、支軸178の軸方向におけるプレボークレバー171の移動が規制されている。
第1レバー部173は、プレート部76,77に平行に配置されている。筒状部172の軸方向において、第1レバー部173は、第1コントロールロッド41からずれた位置に設けられている。第1レバー部173は、一方のプレート部76に近接して対向配置されている。
第1レバー部173の先端部は、第1レバーエンド60の係合溝66に係合される第1係合部174とされている。第1係合部174は、例えば円板状に形成されている。第1係合部174は、プレボークレバー171の揺動角度に関わらず常に、係合溝66の側面部67,68に直角に配置される。
第2レバー部175は、筒状部172から径方向外側へ第1レバー部173とは反対側に延びるように設けられている。第1レバー部173と第2レバー部175は、筒状部172の軸方向から見て同じ直線上に配置されている(図16参照)。
第2レバー部175には、支軸178に平行な支持ピン184を介して、プレボークピン180が取り付けられている。プレボークレバー171は、プレボークピン180においてプレボーク***作部156に係合可能とされている。
第2レバー部175とプレボークピン180は、支持ピン184の軸方向に間隔を空けて配置されており、支持ピン184は、第2レバー部175とプレボークピン180を貫通した状態でこれらに取り付けられている。支持ピン184の抜け止めは、例えば、その一端側に設けられた頭部184aと他端側に装着されたスナップリング185によって果たされている。
プレボークピン180は、支持ピン184よりも支軸178側に配置された第1端部181と、支持ピン184よりも延長アーム部155側に配置された第2端部182とを備えている。第2端部182は、第2レバー部175の先端よりも延長アーム部155側に配置されている。また、シフト方向のニュートラル状態において、第2端部182は、プレボーク***作部156の第1係合面156aよりも車体後方側に配置されている。
プレボークピン180は、支持ピン184の軸心周りに回動可能なように支持ピン184に支持されている。プレボークピン180の第1端部181の車体前方側には、第2レバー部175から突出した位置決め部176が配置されている。
プレボークピン180は、支持ピン184の軸心を中心とした周方向の一方側(図16の反時計回り方向)へは、第2レバー部175に対して相対的に回動可能となっているが、上記の位置決め部176と第1端部181との係合により、周方向他方側(図16の時計回り方向)への相対回動は規制されている。
また、プレボーク機構170は、前記周方向他方側(図16の時計回り方向)にプレボークピン180を付勢する付勢手段として、弦巻ばね188を備えている。弦巻ばね188は、第2レバー部175とプレボークピン180との間に介装されており、支持ピン184の周りに巻回されている。弦巻ばね188の一端部188aは、プレボークピン180を貫通することで、プレボークピン180の所定位置に位置決めされている。弦巻ばね188の他端部188bは、第2レバー部175の側面に引っ掛けられることで、第2レバー部175の所定位置に位置決めされている。
このように取り付けられた弦巻ばね188は、第2レバー部175に対してプレボークピン180を前記周方向他方側(図16の時計回り方向)に相対回動させるように、プレボークピン180に付勢している。一方で、かかる方向の相対回動は、プレボークピン180の第1端部181と位置決め部176との係合によって規制されている。そのため、プレボークピン180に外力が加えられていない状態において、プレボークピン180は、プレボークレバー171に対して相対回動することはない。
以上のように構成されたプレボーク機構170は、リバースシフト操作時に、次のような動作を行う。
[プレボーク機構の動作]
先ず、図17に示すように、セレクト位置が中立状態であるとき、第1コントロールロッド41の周方向D2において、プレボークピン180は、プレボーク***作部156からずれた角度位置に配置されている。したがって、このセレクト位置で第1コントロールロッド41が軸方向D1に移動しても、プレボークピン180がプレボーク***作部156に係合されることはない。
この中立状態からチェンジレバー200がリバースセレクト操作されると、第1コントロールロッド41と一体的に、第1レバーエンド60、スリーブ部材70、支軸178、プレボークレバー171及びプレボークピン180は、周方向D2に図17の反時計回りに回動する。図18に示すように、第1コントロールロッド41がリバースセレクト位置まで回動すると、プレボークピン180は、周方向D2においてプレボーク***作部156と同じ角度位置に配置される。これにより、図16に示すように、プレボークピン180の第2端部182は、プレボーク***作部156の第1係合面156aの車体後方側に僅かに間隔を空けて隣接配置される。
続いて、このリバースセレクト状態でチェンジレバー200がリバースシフト操作されて、第1コントロールロッド41が車体後方側へ軸方向D1に移動すると、図19(a)に示すように、第1係合部174において第1レバーエンド60を介して第1コントロールロッド41に係合されたプレボークレバー171は、支軸178の軸心周りの周方向D7に図19の反時計回り方向に揺動する。
これにより、プレボーク***作部156の第1係合面156aに、プレボークレバー171と一体に周方向D7に揺動するプレボークピン180の第2端部182が押し当てられる。このとき、プレボークピン180には、プレボーク***作部156との当接部において、支持ピン184周りに図19の時計回り方向に回動させる方向の外力が加えられるが、同方向の回動は位置決め部176によって規制されているため、リバースシフト操作に連動したプレボークレバー171の揺動中において、プレボークレバー171に対してプレボークピン180が相対回動することはない。
そのため、リバースシフト操作中において、プレボークピン180がプレボーク***作部156の第1係合面156aに係合されている期間中は、プレボークピン180によってプレボーク***作部156が軸方向D3の車体前方側へ押し込まれ、プレボークレバー171の揺動が進むのに従って、プレボーク***作部156と3−4速用シフトフォーク154が一体に軸方向D3の車体前方側に移動する。これにより、3−4速用同期装置33が作動されて、駆動輪側との連結により回転停止状態となっている3速用ギヤ列G3のドライブギヤ13の回転に、入力軸6の回転が同期することで、慣性により回転している入力軸6に制動力が作用する。
なお、リバースセレクト状態におけるプレボークピン180の第2端部182とプレボーク***作部156の第1係合面156aとの隙間は微小であるため、チェンジレバー200のリバースシフト操作に連動してプレボークレバー171と一体にプレボークピン180が揺動し始めると、直ちに、該プレボークピン180によってプレボーク***作部156が軸方向D3に押し込まれる。すなわち、プレボークレバー171の揺動開始と略同時に、シフトフォーク154の軸方向移動が開始される。
続いて、図19(b)に示すように、リバースシフト操作中において、プレボークレバー171の揺動が更に進むと、支軸178の周方向D7に沿って円弧運動するプレボークピン180の第2端部182は、第2コントロールロッド42の軸方向D3に移動するプレボーク***作部156の第1係合面156aから離脱する。
このようにしてプレボークピン180とプレボーク***作部156との係合が解除されると、3−4速用シフトフォーク154は、上述のディテントボール158によるシフトリターン機能によって、車体後方側へ軸方向D3に移動して、中立位置に戻される。これにより、3−4速用同期装置33のシンクロスリーブ33aも中立位置に戻されることで、該同期装置33の作動が解除される。
この同期装置33の作動解除により3速での動力伝達状態が確実に解除された後、ドグクラッチ31のスリーブ31aの摺動位置は外歯ギヤ31cとの噛合位置に到達して、リバースシフトインが完了する。このとき、スリーブ31aと外歯ギヤ31cはいずれも回転が停止しているため、スリーブ31aの内歯と外歯ギヤ31cの外歯の噛み合いが円滑に行われ、ギヤ鳴りの発生が確実に防止される。
図20(a)に示すように、チェンジレバー200をリバースシフト位置から中立位置へ戻すシフト操作(以下、「戻しシフト操作」ともいう)が行われると、プレボークレバー171は、支軸178の周方向D7において図20の時計回り方向に揺動する。この揺動の途中で、プレボークピン180の第2端部182は、既に中立位置に戻されているプレボーク***作部156の第2係合面156bに当接する。
第2係合面156bに当接したプレボークピン180は、プレボークレバー171と一体的な周方向D7への揺動ができなくなるが、支持ピン184周りの周方向D8において、図20の反時計回り方向へプレボークピン180に対して相対回動できる。これにより、支軸178の周方向D7における図20の時計回り方向へのプレボークレバー171の揺動がプレボーク***作部156との干渉によって阻止されることを回避でき、かかるプレボークレバー171の揺動を継続することができる。
このように支軸178の周方向D7へのプレボークレバー171の揺動が継続されながら、プレボークレバー171に対するプレボークピン180の相対回動が行われている間、プレボークピン180の第2端部182は、プレボーク***作部156の第2係合面156b上を車体後方側へスライド移動する。
戻しシフト操作が更に進んで、上記のように車体後方側へスライド移動するプレボークピン180の第2端部182が第2係合面156bから離脱した後、第1コントロールロッド41が軸方向D1の中立位置に到達し、プレボークレバー171が周方向D7の中立位置に到達して、第1コントロールロッド41の軸方向移動及びプレボークレバー171の揺動が終了する。
上記のようにプレボークピン180と第2係合面156bとの係合が解除されると、弦巻ばね188の付勢力によって、プレボークレバー171に対するプレボークピン180の相対回動の方向が図20の時計回り方向に反転されて、第1端部181が位置決め部176に係合される元の回動位置まで戻される。これにより、プレボーク機構170の全ての構成部材は、図16に示すリバースセレクト状態に戻される。
以上の通り、本実施形態のプレボーク機構170によれば、リバースシフト操作が行われたとき、第1コントロールロッド41の軸方向移動に連動して揺動するプレボークレバー171を、第2コントロールロッド42上のシフトフォーク154に設けられたプレボーク***作部156に一時的に係合させることができる。そのため、揺動中のプレボークレバー171とプレボーク***作部156とが係合されている期間において、第2コントロールロッド42上でシフトフォーク154を摺動させて、3−4速用同期装置33を一時的に作動させることができ、この同期装置33の作動によって、変速機構4の入力軸6に制動力を作用させることができる。したがって、変速機構4の入力軸6が慣性で回転し続けている状態でリバースシフト操作が開始された場合にも、リバースシフト操作の終期において、入力軸6の回転が停止した状態でのスムーズなリバースシフトインを実現できる。
そして、本実施形態では、プレボーク機構170を構成するプレボークレバー171、プレボークピン180及び弦巻ばね188は、支軸178とスリーブ部材70を介して第1コントロールロッド41に支持されていると共に、プレボーク***作部156を有する延長アーム部155は、シフトエンド130を介して第2コントロールロッド42に支持されていることにより、第1及び第2コントロールロッド41,42間にプレボーク機構170の構成部材が集約されている。
そのため、プレボーク機構170の作動のためには、第1及び第2コントロールロッド41,42以外のロッドを作動させる必要がなく、相互に連動させる部材の点数を削減できる。また、このように集約配置されたプレボーク機構170の各構成部品は、所定の位置関係になるようにレイアウトしやすい。したがって、プレボーク機構170の作動時において、一連の動作を精度よく連動させて、各動作を正確なタイミングで行うことができるため、上記のようなリバースシフトインの円滑化を精度よく実現できる。
また、第1及び第2コントロールロッド41,42間に集約された上記部材171,180,188,155によって、プレボーク機構170を全体的に簡素に構成することができる。さらに、プレボークレバー171を支持する支軸178は、第1及び第2コントロールロッド41,42間を連絡する反転機構50のスリーブ部材70を利用して取り付けられているため、仮に支軸178を支持するための専用部材が設けられる場合に比べて、部品点数の低減を図ることができると共に、仮に支軸178を変速機ケース1に支持させる場合に比べて、手動変速機の構成を簡素化できる。
ところで、リバースシフト操作中において、3−4速用同期装置33の作動を開始及び解除するタイミングは、プレボークレバー171とプレボーク***作部156との係合が開始及び解除されるタイミングによって決まり、このタイミングは、プレボークレバー171の揺動のタイミングによって決まる。
本実施形態において、プレボークレバー171は、第1コントロールロッド41に対して他のロッドを介することなく直接的に係合されているため、リバースシフト操作の開始時において、第1コントロールロッド41の軸方向D1移動が開始されるタイミングと、プレボークレバー171の揺動開始のタイミングを合わせやすい。
また、反転機構50のスリーブ部材70に、プレボークレバー171,プレボークピン180、弦巻ばね188及び支軸178がサブアセンブリされることで、リバースシフト操作時において、第1コントロールロッド41から第2コントロールロッド42に並進運動を伝達するための反転機構50の動作タイミングと、プレボークレバー171の揺動及びプレボークピン180の回動のタイミングとのばらつきを抑制することができる。
そのため、第2コントロールロッド42の軸方向D3移動に連動したリバース用シフトイン機構31の動作、プレボークレバー171の揺動に連動した3−4速用同期装置33の一時的な作動及び解除、戻しシフト操作時の動作をスムーズにするためのプレボークピン180の回動を、それぞれ正確なタイミングで行うことができ、これにより、プレボーク機構170の一連の動作を精度よく行うことができる。
また、本実施形態のプレボーク機構170では、第2コントロールロッド42に遊嵌支持された3−4速用シフトフォーク154が利用されている。そのため、当該シフトフォーク154を支持するための専用のシフトロッドを廃止でき、これにより、変速操作機構40の部品点数の低減、コンパクト化及び軽量化を図ることができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、スリーブ部材70の軸方向移動が変速機ケース1によって規制される例を説明したが、本発明において、スリーブ部材70の軸方向移動を規制する規制手段の構成は特に限定されるものでなく、例えば、変速機ケースに固定された位置決めピンとの係合によってスリーブ部材70の軸方向移動が規制されてもよい。
また、上述の実施形態では、常時噛み合い式のリバース用ギヤ列を動力伝達状態とするためのリバース用シフトイン機構としてドグクラッチが用いられる例を説明したが、本発明において、リバースシフトイン機構の構成はこれに限定されるものでない。例えば、リバース用ギヤ列GRが選択摺動式である場合において、リバース用シフトイン機構は、リバースアイドルギヤを摺動させる摺動機構であってもよい。
さらに、上述の実施形態では、第1及び第2コントロールロッド41,42間を連絡する連絡機構として、シフト操作時の移動方向及びセレクト操作時の回動方向を反転させる反転機構50が設けられる例を説明したが、本発明において、連絡機構の構成は、セレクト操作時及びシフト操作時の運動をコントロールロッド間で伝達可能なものであれば、特に限定されるものでない。
また、本発明において、連絡機構は、セレクト操作時の連絡とシフト操作時の連絡を兼ねるものに限られるものでなく、セレクト操作時の連絡用と、シフト操作時の連絡用のものが個別に設けられてもよく、この場合、これらの連絡機構のいずれか一方のスリーブ部材に、プレボークレバーを支持する支軸が取り付けられればよい。
さらに、上述の実施形態では、シフトフィンガセット91,92を2組設けて、それぞれのシフトフィンガセットに2本のシフトフォークが選択的に係合される例を説明したが、各シフトフィンガセットが分担するシフトフォークの本数や、シフトフィンガセットの組数は特に限定されるものでない。
また、本発明において、各シフトフォークを支持するための構成は上記の構成に限定されるものでなく、種々の変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、第2コントロールロッド42に2本のシフトフォークが遊嵌支持され、シフトロッド90に2本のシフトフォークが支持される例を説明したが、各シフトフォークはいずれのロッドに支持されてもよいし、シフトロッドの本数も限定されるものでなく、例えばシフトロッドを廃止して、全てのシフトフォークを第2コントロールロッド42に遊嵌支持させてもよい。
さらに、上述の実施形態では、チェンジレバー200がチェンジロッド190を介して第1コントロールロッド41に連絡される例を説明したが、本発明は、チェンジレバーと第1コントロールロッドが、チェンジロッドを介することなく直接的に連結される場合、或いは、セレクトケーブル及びシフトケーブルを介して連絡される場合にも適用可能である。
以上のように、本発明によれば、手動変速機の変速操作機構において、プレボーク機構の構成及び動作の簡素化を図ることが可能となるから、プレボーク機構を有する手動変速機の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 変速機ケース
2 第1ケース部材
3 第2ケース部材
4 変速機構
5 メインシャフト
6 入力軸
7 出力軸
8 カウンタシャフト
31 リバース用シフトイン機構(ドグクラッチ)
32 1−2速用シフトイン機構(1−2速用同期装置)
33 3−4速用シフトイン機構(3−4速用同期装置)
34 5−6速用シフトイン機構(5−6速同期装置)
40 変速操作機構
41 第1コントロールロッド
42 第2コントロールロッド
50 反転機構
51 反転レバー
58 支持軸
60 第1レバーエンド
63 係合溝
70 スリーブ部材
72 周壁部
76,77 プレート部
80 第2レバーエンド
82 レバー部
83 穴
90 シフトロッド
91 第1シフトフィンガセット(第1セット)
92 第2シフトフィンガセット(第2セット)
93 シフトフィンガ
100 インターロック規制部材
133 リバース用フォークゲート
134 リバース用シフトフォーク
143 1−2速用フォークゲート
144 1−2速用シフトフォーク
153 3−4速用フォークゲート
154 3−4速用シフトフォーク
155 延長アーム部
156 プレボーク***作部
156a 第1係合面
156b 第2係合面
157 カム面
158 ディテントボール
163 5−6速用フォークゲート
164 5−6速用シフトフォーク
170 プレボーク機構
171 プレボークレバー
176 位置決め部
178 支軸
180 プレボークピン
181 第1端部
182 第2端部
184 支持ピン
188 弦巻ばね(付勢手段)
190 チェンジロッド
200 チェンジレバー

Claims (5)

  1. セレクト操作時に回動し且つシフト操作時に軸方向に移動するようにチェンジレバーに連絡されたコントロールロッドと、リバースシフト操作中に前進段用の同期装置を一時的に作動させるプレボーク機構とを備えた変速機の変速操作機構であって、
    前記コントロールロッドは、前記チェンジレバーに連絡された第1コントロールロッドと、該第1コントロールロッドに平行に配置され、前記同期装置を作動させるシフトフォークが遊嵌された第2コントロールロッドとを含み、
    前記第1及び第2コントロールロッドは、前記第1コントロールロッドに嵌合され、軸方向の移動が規制されたスリーブ部材を有する連絡機構を介して相互に連絡されており、
    前記プレボーク機構は、前記シフトフォークに設けられたプレボーク***作部と、前記スリーブ部材に取り付けられた支軸に支持され、前記第1コントロールロッドの軸方向移動に連動して前記支軸の軸心周りに揺動し、且つリバースシフト操作中に前記プレボーク***作部に一時的に係合するプレボークレバーとを備えていることを特徴とする変速機の変速操作機構。
  2. 前記第2コントロールロッドに、リバース用シフトイン機構を作動可能なシフトフィンガが固定されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機の変速操作機構。
  3. 前記リバース用シフトイン機構は、所定のシャフトに遊嵌されたリバース用ギヤ列の遊嵌ギヤを前記シャフトに固定させるドグクラッチであることを特徴とする請求項2に記載の変速機の変速操作機構。
  4. 前記プレボーク機構は、
    前記支軸に平行な支持ピンを介して前記プレボークレバーに取り付けられ、リバースシフト操作中において前記支持ピンの軸心を中心とした周方向の一方側において前記プレボーク***作部に一時的に係合するプレボークピンと、
    前記周方向の他方側に前記プレボークピンを付勢する付勢手段と、
    前記周方向の他方側への前記プレボークピンの回動を規制する位置決め部とを更に備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変速機の変速操作機構。
  5. 前記連絡機構は、
    記支軸に平行な軸心周りに揺動可能に前記スリーブ部材に支持され、一端側において前記第1コントロールロッドに係合され、他端側において前記第2コントロールロッドに係合された反転レバーを更に備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の変速機の変速操作機構。
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