JP6304322B2 - 変速機の変速操作機構 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車に搭載される変速機の変速操作機構に関し、自動車用変速機の技術分野に属する。
フロントエンジン・リヤドライブ方式の自動車(FR車)に搭載される手動変速機等の変速機の変速機構は、クラッチを介してエンジンなどの駆動源の出力軸に連絡された入力軸と、該入力軸に平行に配置されたカウンタシャフトと、入力軸と同じ軸線上に配置され、プロペラシャフトを介して駆動輪側に連絡された出力軸とを有する。入力軸と出力軸は、相対回転可能に相互に嵌合されることでメインシャフトを構成している。
メインシャフトとカウンタシャフトとの間には、複数の前進変速用ギヤ列及び1つの後退速用ギヤ列からなる変速段用ギヤ列と1つの減速用ギヤ列とが設けられる。減速用ギヤ列及び前進変速用ギヤ列は、一般に常時噛合い式とされ、後退速用ギヤ列は常時噛み合い式又は選択摺動式とされる。
減速用ギヤ列は、メインシャフトとカウンタシャフトとの間で回転を減速させて伝達する一対の固定ギヤからなり、変速段に関係なく常に動力伝達状態とされる。
前進変速用ギヤ列は、メインシャフト又はカウンタシャフトの一方に固定された固定ギヤと、他方のシャフトに遊嵌されて固定ギヤに常時噛み合う遊嵌ギヤとを備えており、同期装置によって遊嵌ギヤとシャフトの回転が同期されることで、このギヤ列での動力伝達状態が円滑に実現される。入力軸と出力軸を直結させる直結変速段にはギヤ列が設けられず、直結変速段の実現は、同期装置によって入力軸と出力軸の回転が同期されることでなされる。
後退速用ギヤ列は、常時噛み合い式とされる場合、メインシャフト又はカウンタシャフトの一方に固定された固定ギヤと、他方のシャフトに遊嵌された遊嵌ギヤと、これらのギヤ間に介在することで回転方向を反転させる反転ギヤとを備え、同期装置によって遊嵌ギヤとシャフトの回転が同期されることで動力伝達状態とされる。
前記ギヤ列は軸方向(車体前後方向)に並べて配置されるが、減速用ギヤ列は、通例、最も駆動源側(車体前方側)又は最も駆動輪側(車体後方側)に配置される。減速用ギヤ列が最も前方側に配置された変速機構はインプットリダクションタイプと呼ばれ、このタイプでは、駆動源側から入力軸に入力された回転は、先ず減速用ギヤ列において減速されてカウンタシャフトに伝達され、カウンタシャフトから所望の変速段に対応するギヤ列を介して出力軸に伝達される。一方、減速用ギヤ列が最も後方側に配置された変速機構はアウトプットリダクションタイプと呼ばれ、このタイプでは、入力軸に入力された回転は、先ず所望の変速段に対応するギヤ列を介してカウンタシャフトに伝達され、カウンタシャフトの回転が減速用ギヤ列において減速されて出力軸に伝達される。また、いずれのタイプにおいても、直結変速段では、入力軸と出力軸が直結されることから、いずれのギヤ列も経由することなく入力軸の回転が出力軸へ直接伝達される。
この種の変速機構に設けられる同期装置は、通常、メインシャフト上又はカウンタシャフト上に配置されたシンクロスリーブを備え、該シンクロスリーブが軸方向の一方側にスライド移動されることで同期装置が作動すると、この一方側に隣接したギヤ列の遊嵌ギヤがシャフトに固定されて、該ギヤ列が動力伝達状態とされる。
同期装置は、シャフト上において両側に隣接する2つのギヤ列に兼用されることがあり、例えば、前進6段の手動変速機の場合、1速と2速に兼用される1−2速用、3速と4速に兼用される3−4速用、5速と6速に兼用される5−6速用の各同期装置が設けられることがある。
手動変速機には、前記のような同期装置の作動によって変速を行うための変速操作機構が設けられる。変速操作機構には、通例、チェンジレバーのセレクト操作及びシフト操作に連動して回動方向及び軸方向の移動を行うコントロールロッドが設けられる。
FR車に搭載される手動変速機の変速操作機構では、通例、コントロールロッドが変速機構のメインシャフト及びカウンタシャフトに平行に配設される。この場合、コントロールロッド及びこれに固定されたシフトフィンガは、チェンジレバーのセレクト操作に連動して回動し、シフトフィンガのレバー部は、セレクト操作により選択された変速段に対応するシフトフォークに係合する。この状態でチェンジレバーがシフト操作されると、これに連動して、コントロールロッドがシフトフィンガと共に軸方向に移動し、シフトフィンガのレバー部に係合されたシフトフォークが軸方向に移動する。これにより、該シフトフォークに係合された同期装置のシンクロスリーブがシフトフォークと共に軸方向に移動することで、該同期装置が作動して、所望の変速段のギヤ列が動力伝達状態とされる。
チェンジレバーとコントロールロッドを連絡させる方式としては、これらの間にセレクトケーブル及びシフトケーブルを介在させる所謂ケーブル方式と、ケーブルを介在させずにチェンジレバーの下端側を直接的にコントロールロッドに係合させたり、ユニバーサルジョイント等を介してコントロールロッドの後端側に連結されたチェンジロッドにチェンジレバーの下端側を係合させたりする所謂ロッド方式とがある。
チェンジレバーは、通例、大球部から上側に向かってノブまで延びる上側レバー部と、大球部から下側に向かってコントロールロッド側との係合部まで延びる下側レバー部とを備え、大球部の中心を支点として揺動可能に設けられている。セレクト操作又はシフト操作によってチェンジレバーが揺動するとき、下側レバー部の下端は、上側レバー部上端のノブとは常に反対側に移動する。
そのため、ロッド方式の変速操作機構において、チェンジレバーの下端側に直接的又は間接的に係合されたコントロールロッドは、シフト操作によってチェンジレバー上端のノブが車体前方側又は車体後方側に移動するとき、該ノブとは反対方向に軸方向移動することになる。そして、コントロールロッド上のシフトフィンガに係合されたシフトフォークと、これに係合された同期装置のシンクロスリーブとは、通常、コントロールロッドと同じ方向(シフト操作方向とは反対方向)に移動する。
一方、シフト操作方向は、シフトパターンに従って変速段毎に決まっている。例えば、前進変速段においては、通常、奇数段への変速は車体前方側へのシフト操作によって行われ、偶数段への変速は車体後方側へのシフト操作によって行われる。
変速機構における各変速段用ギヤ列とこれに対応する同期装置の並び順は、シフト操作方向を考慮して決められる。例えば、ロッド方式の変速操作機構が採用された場合において、前記のような1−2速用、3−4速用、5−6速用の同期装置を備えた変速機構では、シフト操作方向のみを考慮すれば、各同期装置に対して、奇数段のギヤ列を車体後方側に配置し、偶数段のギヤ列を車体前方側に配置するようなレイアウトが採用されることになる。
一方で、各変速段用ギヤ列及び同期装置のレイアウト設計においては、シフト操作方向の他にも、前述したインプットリダクションタイプ又はアウトプットリダクションタイプの選択に対応させること、変速操作機構のケーブル方式又はロッド方式の選択に対応させること、大きなトルクがかかる低変速段用ギヤ列を軸受の近くに配置すること、潤滑のために変速機ケースの底部に溜まったオイルの掻き上げが行われる場所に大径のギヤを配置することなど、種々の条件が考慮される。
例えば、アウトプットリダクションタイプの変速機構では、大きなトルクがかかる1速用ギヤ列が、変速機の最前部の軸受に近づけるために最前列に配置されたり、直結変速段が6速である場合に、入力軸と出力軸の連結部が他の全ての変速段用ギヤ列よりも車体後方側に配置されたりすることがある。この場合、1速用ギヤ列は1−2速用同期装置の車体前方側に位置し、入力軸と出力軸の連結部は5−6速用同期装置の車体後方側に位置することになる。そうすると、ロッド方式を採用した場合には、コントロールロッドが1速や5速のシフト操作時に車体後方側へ軸方向移動し、2速や6速のシフト操作時に車体前方側へ軸方向移動するのに対して、これらのシフト操作時における1−2速用同期装置や5−6速用同期装置のシンクロスリーブの移動方向が、コントロールロッドの移動方向とは反対方向になる。
このようにシフト操作方向に対応しない配置のギヤ列が変速機構に含まれる場合には、例えば特許文献1に開示された変速操作機構のように、所定の変速段のシフト方向を反転させてシンクロスリーブ側へ伝達させるシフト反転機構が設けられることがあり、これにより、シフト操作方向とシンクロスリーブの移動方向との関係を他の変速段に合わせることが可能になる。
前記特許文献1に開示された変速操作機構では、シフトロッドに平行にガイドロッドを配設し、一端側をシフトロッドに接続させると共に他端側をガイドロッドに軸方向に移動可能に支持されたシフトフォークに接続させた反転レバーを、変速機ケースに設けられた反転レバー支持軸に回動可能に支持させたシフト反転機構を用い、所定の変速段のシフト方向を反転させてシンクロスリーブ側へ伝達させるようになっている。
特開2006−329404号公報
前記特許文献1に記載された変速操作機構では、所定の変速段のみのシフト方向を反転させてシンクロスリーブ側に伝達させるシフト反転機構が用いられているが、変速機構の各変速段用ギヤ列及び同期装置の並び順によっては、複数の同期装置に関して、これらに対応する複数のシフトフォークの移動方向を反転させる必要がある場合がある。
これに対し、チェンジレバーのシフト操作時に軸方向に移動される第1操作ロッドに平行に複数のシフトフォークに選択的に係合される第2操作ロッドを配設すると共に、シフト操作時に第1操作ロッドの移動に連動させて第2操作ロッドを第1操作ロッドの移動方向と反対方向に反転して移動させるシフト反転機構を用い、複数のシフトフォークの移動方向を反転させ、第1操作ロッドから第2操作ロッドにシフト操作を伝達することが考えられる。
かかる場合、シフト反転機構として、前記特許文献1に記載のシフト反転機構のように、一端側を第1操作ロッドに接続させると共に他端側を第2操作ロッドに接続させた反転レバーを変速機ケースに設けられた反転レバー支持軸に回動可能に支持させたシフト反転機構を用いることが考えられる。
しかしながら、前記特許文献1に記載のシフト反転機構のように、反転レバーを支持する反転レバー支持軸が変速機ケースに片持ち状態で支持される場合、反転レバーの支持剛性が低く、またシフト操作時に反転レバーが揺動するときに反転レバー支持軸が変位して操作性を悪化させるおそれがある。
そこで、本発明は、シフト操作時に第1操作ロッドから第2操作ロッドにシフト操作を伝達する場合に、シフト反転機構の反転レバー支持軸の支持剛性を向上させると共に操作性を向上させることができる変速機の変速操作機構を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、変速機ケース内に配設されてチェンジレバーのシフト操作時に軸方向に移動される第1操作ロッドと、前記変速機ケース内に前記第1操作ロッドに平行に配設される第2操作ロッドと、シフト操作時に前記第1操作ロッドの軸方向の移動に連動して前記第2操作ロッドを前記第1操作ロッドの軸方向の移動方向と反対方向に反転して前記第2操作ロッドの軸方向に移動させるシフト反転機構とを備えた変速機の変速操作機構であって、前記シフト反転機構は、一端側が前記第1操作ロッドに係合されると共に他端側が前記第2操作ロッドに係合される反転レバーと、該反転レバーの中央側を回動可能に支持する反転レバー支持軸とを備え、シフト操作時に前記第1操作ロッドの軸方向の移動に連動して前記反転レバーが前記反転レバー支持軸の軸心周りに揺動して前記第2操作ロッドを前記第1操作ロッドの軸方向の移動方向と反対方向に反転して前記第2操作ロッドの軸方向に移動させるように構成され、前記反転レバー支持軸は、前記変速機ケースの外壁部に設けられた貫通穴に前記変速機ケースの外側から挿通され、前記反転レバーを支持した状態で、一端側が前記変速機ケースの隔壁部に形成された前記変速機ケースの軸方向に延びるボス部に設けられた支持部に支持され、他端側が前記変速機ケースの外壁部に支持されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記反転レバー支持軸は、一端側に設けられた先端部と、他端側に設けられた基部とを備え、前記先端部の基部側に前記反転レバーが支持されると共に前記先端部と前記基部との間に段差部が設けられ、前記段差部は、前記反転レバー支持軸の基部が前記変速機ケースに取り付けられたときに前記変速機ケース内に位置し、前記反転レバーが前記反転レバーと前記第1操作ロッド及び前記第2操作ロッドとの係合位置から前記第1操作ロッド及び前記第2操作ロッドから離れる方向に移動することを規制するストッパ部として機能することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記変速機ケースに、反転レバーが前記反転レバーと前記第1操作ロッド及び前記第2操作ロッドとの係合位置から前記第1操作ロッド及び前記第2操作ロッドの軸方向と直交する方向に前記第1操作ロッド及び前記第2操作ロッドから離れる方向に移動された非係合位置において、前記反転レバーの一端側を保持して前記反転レバーの回動方向一方側への移動を規制する第1規制部及び前記反転レバーの他端側を保持して前記反転レバーの回動方向他方側への移動を規制する第2規制部が設けられ、前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記反転レバーが前記係合位置にあるときに前記反転レバーと干渉しないように設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記第1操作ロッドは、シフト操作時に軸方向に移動される第1コントロールロッドであり、前記第2操作ロッドは、前記第1コントロールロッドに平行に配設される第2コントロールロッドであり、前記シフト反転機構は、シフト操作時に前記第1コントロールロッドの軸方向の移動に連動して前記第2コントロールロッドを前記第1コントロールロッドの軸方向の移動方向と反対方向に反転して前記第2コントロールロッドの軸方向に移動させるように構成され、チェンジレバーのセレクト操作時に前記第1コントロールロッドの回動方向の移動に連動して前記第2コントロールロッドを回動方向に移動させるセレクト連動機構が備えられ、前記シフト反転機構と前記セレクト連動機構とは、前記第1コントロールロッド及び前記第2コントロールロッドの軸方向に並んで配置され、前記シフト反転機構は、前記セレクト連動機構より前記変速機ケースの隔壁部側に配置されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4の何れか1項に記載の発明において、同一軸線上に配置された入力軸及び出力軸からなるメインシャフトと、該メインシャフトに平行に配設されたカウンタシャフトと、前記メインシャフトに設けられた第1ギヤと前記カウンタシャフトに設けられて前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤとを有する変速段用ギヤ列とを備え、前記シフト反転機構は、前記メインシャフトの軸方向において前記第1ギヤが該第1ギヤに噛み合う前記第2ギヤよりギヤ径が小さい前記第1ギヤに沿って配置されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、前記変速段用ギヤ列は、1速用ギヤ列及び後退速用ギヤ列を有し、前記第1ギヤは、前記入力軸に設けられた1速用ギヤ及び後退速用ギヤの少なくとも一方のギヤであることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の発明において、前記変速機は、前記入力軸の回転を前記入力軸と前記カウンタシャフトとの間に設けられた変速段用ギヤ列により前記カウンタシャフトに伝達し、前記カウンタシャフトに伝達された回転を減速用ギヤ列により一定の減速比で減速して前記出力軸に伝達するアウトプットリダクションタイプの変速機であり、前記後退速用ギヤ列は、前記1速用ギヤ列より前記入力軸の駆動源側に配置されていることを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、変速機の変速操作機構は、チェンジレバーのシフト操作時に軸方向に移動される第1操作ロッドと、第1操作ロッドに平行に配設される第2操作ロッドと、シフト操作時に第1操作ロッドの軸方向の移動に連動して第2操作ロッドを第1操作ロッドの軸方向の移動方向と反対方向に反転して移動させるシフト反転機構とを備えている。
前記シフト反転機構は、一端側が第1操作ロッドに係合されると共に他端側が第2操作ロッドに係合される反転レバーと、反転レバーを支持する反転レバー支持軸とを備え、反転レバー支持軸は、一端側が変速機ケースの隔壁部に形成されたボス部に設けられた支持部に支持され、他端側が変速機ケースの外壁部に支持されている。
これにより、シフト反転機構の反転レバー支持軸は、変速機ケースの隔壁部に設けられた支持部と変速機ケースの外壁部とによって両持ち状態で支持されるので、シフト操作時に第1操作ロッドから第2操作ロッドにシフト操作を伝達する場合に、反転レバー支持軸を片持ち状態で支持させる場合に比して、反転レバー支持軸の支持剛性を向上させると共に操作性を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、反転レバー支持軸は、先端部の基部側に反転レバーが支持されると共に先端部と基部との間に段差部が設けられ、段差部は、反転レバーが反転レバーと第1及び第2操作ロッドとの係合位置から第1及び第2操作ロッドから離れる方向に移動することを規制するストッパ部として機能する。これにより、シフト操作時に第1操作ロッドから第2操作ロッドにシフト操作を確実に伝達することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、変速機ケースに、反転レバーが第1及び第2操作ロッドとの係合位置から第1及び第2操作ロッドから離れる方向に移動された非係合位置における反転レバーの一端側及び他端側をそれぞれ保持する第1及び第2規制部が設けられ、第1及び第2規制部は、反転レバーが係合位置にあるときに反転レバーと干渉しないように設けられる。
これにより、変速機ケースに、第1及び第2操作ロッドとシフト反転機構とを組み付ける際に、反転レバー支持軸に支持させた反転レバーを第1規制部及び第2規制部に保持させた状態で、変速機ケースに第1及び第2操作ロッドを組み付けた後に、反転レバーを第1及び第2操作ロッドに近づく方向に移動させて第1及び第2操作ロッドに係合させることができ、変速機ケースに第1及び第2操作ロッドとシフト反転機構とを容易に組み付けることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、シフト操作時に第1操作ロッドとしての第1コントロールロッドの軸方向の移動に連動して第2操作ロッドとしての第2コントロールロッドを第1コントロールロッドの軸方向の移動方向と反対方向に反転して移動させるシフト反転機構と、セレクト操作時に第1コントロールロッドの回動方向の移動に連動して第2コントロールロッドを回動方向に移動させるセレクト連動機構が備えられる。
前記シフト反転機構及びセレクト連動機構は、第1及び第2コントロールロッドの軸方向に並んで配置されることにより、シフト反転機構とセレクト連動機構とが一体的に形成される場合に比して、動作を複雑化させることなく簡単な構成によって形成することができる。また、シフト反転機構は、セレクト連動機構より変速機ケースの隔壁部側に配置されることにより、反転レバー支持軸の一端側を変速機ケースの隔壁部に形成されたボス部を利用して支持させることができ、前記効果を有効に得ることができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、シフト反転機構は、メインシャフトの軸方向においてメインシャフト上の第1ギヤがカウンタシャフト上の第2ギヤよりギヤ径が小さい第1ギヤに沿って配置されることにより、シフト反転機構をメインシャフト上の比較的ギヤ径の小さい第1ギヤに沿って隣接して配置することで、シフト反転機構を変速機ケースにコンパクトに配置することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、第1ギヤは、入力軸に設けられた1速用ギヤ及び後退速用ギヤの少なくとも一方のギヤであることにより、シフト反転機構を比較的ギヤ径が小さい1速用ギヤ及び後退速用ギヤの少なくとも一方のギヤに沿って隣接して配置することで、シフト反転機構を変速機ケースにコンパクトに配置することができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、変速機は、アウトプットリダクションタイプの変速機であり、後退速用ギヤ列は、1速用ギヤ列より入力軸の駆動源側に配置されることにより、第1ギヤ及び第2ギヤに加えて回転方向を反転させる反転ギヤを備えて変速機の径方向寸法が大きくなる後退速用ギヤ列を1速用ギヤ列より入力軸の駆動源側に配置した変速機において、前記効果を有効に得ることができる。
本発明の実施形態に係る変速操作機構を有する変速機を模式的に示す図である。 変速操作機構のシフトパターンを示す図である。 シフト操作方向と各ロッドの移動方向との関係を模式的に示す側面図である。 変速操作機構を示す展開図である。 シフトセレクト連動機構を示す斜視図である。 シフトセレクト連動機構と第1及び第2コントロールロッドとの位置関係を示す図である。 セレクト連動機構を示す分解斜視図である。 シフト連動機構の第1レバーエンドを示す斜視図である。 シフト連動機構が変速機ケースに配設された状態を示す断面図である。 保持用リブ及び取付プレートを示す図である。 変速機ケース内に配置された反転レバーを示す斜視図である。 シフト連動機構の組付方法を説明するための説明図である。 第2コントロールロッドに設けられたシフトフィンガセットを示す斜視図である。 シフトフィンガ及びインターロック規制部材を示す分解斜視図である。 第1シフトフィンガセット及びその周辺部を示す図4のY15−Y15に沿った断面図である。 第2シフトフィンガセット及びその周辺部を示す図4のY16−Y16線に沿った断面図である。 5−6速セレクト状態におけるセレクト連動機構を示す図6と同様の断面図である。 5−6速セレクト状態における第1シフトフィンガセット及びその周辺部を示す図15と同様の断面図である。 5−6速セレクト状態における第2シフトフィンガセット及びその周辺部を示す図16と同様の断面図である。 4速シフト状態の変速操作機構を示す図4と同様の展開図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る変速操作機構を有する変速機を模式的に示す図である。本発明の実施形態に係る変速操作機構を有する変速機1は、FR車に搭載される縦置き式の手動変速機であり、前進6速、後退1速を達成可能に構成されている。図1に示すように、手動変速機1は、変速機ケース2内に、変速機構10を備えると共に、変速機構10を操作する変速操作機構60(図4参照)を備えている。
変速機構10は、車体前後方向に延びるメインシャフト11と、メインシャフト11に平行に配設されたカウンタシャフト14とを備えている。カウンタシャフト14は、軸方向から見てメインシャフト11の下方に配置されている。
メインシャフト11は、クラッチ3を介してエンジンなどの駆動源の出力軸4に連絡された入力軸12と、入力軸12の車体後方側において入力軸12と同一軸線上に配置されて駆動輪側に連絡された出力軸13とを備えている。出力軸13の前端部には、入力軸12の後端部に回転自在に嵌合された嵌合部13aが設けられている。
変速機ケース2は、車体前方側に配置されるクラッチハウジング51と車体後方側に配置されるミッションケース52とを備え、変速機ケース2に、メインシャフト11とカウンタシャフト14とが軸受5を介して回転自在に支持されている。
入力軸12は、駆動源側がクラッチハウジング51に軸受5aを介して回転自在に支持され、出力軸13は、駆動源側がミッションケース52に軸受5bを介して回転自在に支持されると共に反駆動源側がミッションケース52に軸受5cを介して回転自在に支持され、カウンタシャフト14は、駆動源側がクラッチハウジング51に軸受5dを介して回転自在に支持されると共に反駆動源側がミッションケース52に軸受5e、5fを介して回転自在に支持されている。
メインシャフト11とカウンタシャフト14との間には、常時噛み合い式の減速用ギヤ列G0及び複数の変速段用ギヤ列G1,G2,G3,G4,G5,GRが設けられている。具体的に、メインシャフト11の入力軸12とカウンタシャフト14との間に、後退速用ギヤ列GR、1速用ギヤ列G1、2速用ギヤ列G2、3速用ギヤ列G3、4速用ギヤ列G4、5速用ギヤ列G5が車体前方側からこの順で設けられ、メインシャフト11の出力軸13とカウンタシャフト14との間に減速用ギヤ列G0が設けられている。
なお、変速機構10は6速直結タイプとされており、直結変速段では入力軸12と出力軸13が直結されることから、6速用ギヤ列は設けられていない。
前記のように減速用ギヤ列G0は出力軸13側に設けられ、所謂アウトプットリダクションタイプの変速機構10が構成されている。減速用ギヤ列G0は、出力軸13に固定された第1ギヤとしてのドリブンギヤ21と、カウンタシャフト14に固定された第2ギヤとしてのドライブギヤ31とを備えている。ドリブンギヤ21はドライブギヤ31よりもギヤ径が大きく形成され、これにより、直結変速段以外の変速段において、カウンタシャフト14に伝達された回転は、減速用ギヤ列G0により一定の減速比で減速されて出力軸13に伝達される。
1速用及び2速用のギヤ列G1,G2は、入力軸12に固定された第1ギヤとしてのドライブギヤ22,23と、カウンタシャフト14に遊嵌されて第1ギヤに噛み合う第2ギヤとしてのドリブンギヤ32,33とを備えている。3速用、4速用及び5速用のギヤ列G3,G4,G5は、入力軸12に遊嵌された第1ギヤとしてのドライブギヤ24,25,26と、カウンタシャフト14に固定されて第1ギヤに噛み合う第2ギヤとしてのドリブンギヤ34,35,36とを備えている。
後退速用ギヤ列GRは、入力軸12に固定された第1ギヤとしてのドライブギヤ27と、カウンタシャフト14に遊嵌されて第1ギヤに噛み合う第2ギヤとしてのドリブンギヤ37と、入力軸12及びカウンタシャフト14に平行に配置されたリバースシャフト15(図6参照)に遊嵌されてドライブギヤ27及びドリブンギヤ37に噛み合い回転方向を反転させる反転ギヤとしての中間ギヤ28(図6参照)とを備えている。後退速用ギヤ列GRでは、ドライブギヤ27とドリブンギヤ37との間に中間ギヤ28が介在することにより、前進時とは反対方向の回転がカウンタシャフト14及び出力軸13に伝達される。
また、カウンタシャフト14には、後退速用のギヤ列GRのドリブンギヤ37とカウンタシャフト14の回転の同期を行う同期装置41と、1速用及び2速用のギヤ列G1,G2のドリブンギヤ32,33とカウンタシャフト14の回転の同期を行う同期装置42とが設けられ、入力軸12には、3速用及び4速用のギヤ列G3,G4のドライブギヤ24,25と入力軸12の回転の同期を行う同期装置43と、5速用のギヤ列G5のドライブギヤ26及び出力軸13と入力軸12の回転の同期を行う同期装置44が設けられている。
具体的には、カウンタシャフト14上において、後退速段の形成に用いられる後退速用同期装置41が、後退速用ギヤ列GRのドリブンギヤ37の車体前方側に隣接して設けられ、1速と2速の形成に兼用される1−2速用同期装置42が、1速用ギヤ列G1及び2速用ギヤ列G2のドリブンギヤ32,33間に設けられている。また、入力軸12上には、3速と4速の形成に兼用される3−4速用同期装置43が、3速用ギヤ列G3及び4速用ギヤ列G4のドライブギヤ24,25間に設けられ、5速と6速の形成に兼用される5−6速用同期装置44が、5速用ギヤ列G5のドライブギヤ26と出力軸13の嵌合部13aとの間に設けられている。
後退速用同期装置41の作動によってシンクロスリーブ41aが車体前方側へスライドされると、ドリブンギヤ37とカウンタシャフト14の回転が同期されて、後退速段が形成される。また、1−2速用同期装置42の作動によって、シンクロスリーブ42aが車体前方側にスライドされると1速が形成され、車体後方側にスライドされると2速が形成される。
同様に、3−4速用同期装置43のシンクロスリーブ43aが車体前方側へスライドされると3速が形成され、車体後方側へスライドされると4速が形成される。また、5−6速用同期装置44のシンクロスリーブ44aが車体前方側へスライドされると5速が形成され、車体後方側へスライドされると、入力軸12と出力軸13の回転が同期されて、直結変速段である6速が形成される。
6速以外の変速段が形成されたときは、入力軸12から、動力伝達状態となった変速段用ギヤ列G1,G2,G3,G4,G5,GRによりカウンタシャフト14に動力が伝達されると共に、カウンタシャフト14から、減速用ギヤ列G0により一定の減速比で減速されて出力軸13に動力が伝達される。6速が形成されたときは、入力軸12からカウンタシャフト14を経由することなく直接出力軸13に動力が伝達される。
図2は、変速操作機構のシフトパターンを示す図である。図2に示すように、チェンジレバー300のセレクト操作及びシフト操作は、所定のシフトパターン301に従って行われる。
シフトパターン301は、車体幅方向に延びるセレクトレーンL1、セレクトレーンL1から車体前方側へ車体前後方向に延びる後退速シフトレーンL2、セレクトレーンL1から車体前方側及び車体後方側へ車体前後方向に延びる1−2速シフトレーンL3、3−4速シフトレーンL4、5−6速シフトレーンL5を備えている。このシフトパターン301におけるニュートラル位置は、セレクトレーンL1と3−4速シフトレーンL4とが交差する位置とされている。
このシフトパターン301によれば、チェンジレバー300のセレクト操作は、セレクトレーンL1に沿って車体幅方向右側又は左側に向かう方向へ行われ、シフト操作は、対応するシフトレーンL2,L3,L4,L5に沿って車体前方側又は車体後方側に向かう方向へ行われる。具体的に、後退速段、1速、3速及び5速へのシフト操作方向は、車体前方側に向かう方向であり、2速、4速及び6速へのシフト操作方向は、車体後方側に向かう方向である。なお、図2では、ニュートラル位置から5速へのチェンジレバー300のセレクト操作及びシフト操作を二点鎖線で示している。
以下、本発明の実施形態に係る変速操作機構60について説明する。
図3は、シフト操作方向と各ロッドの移動方向との関係を模式的に示す側面図である。図3に示すように、変速操作機構60のチェンジレバー300は、回転可能に車体に支持された大球部300aと、大球部300aから上側へ延びる上側レバー部300bとを備え、上側レバー部300bの上端部に、運転者に握られるノブ300cが設けられている。
また、チェンジレバー300は、大球部300aから下側に延びる下側レバー部300dを備えている。チェンジレバー300は、セレクト操作又はシフト操作によって大球部300aの中心を支点として揺動し、チェンジレバー300が揺動するとき、下側レバー部300dの下端部300eは、常にノブ300cとは反対側へ移動する。
変速操作機構60は、変速機構10(図1参照)と共に変速機ケース2内に収容された第1及び第2操作ロッドとしての第1及び第2コントロールロッド61,62を備えている。第1及び第2コントロールロッド61,62は、メインシャフト11及びカウンタシャフト14に平行に車体前後方向に延びるように配設されている。第1及び第2コントロールロッド61,62は、相互に平行に配設され、反転機構としてのシフトセレクト連動機構70を介して相互に連絡されている。
第1及び第2コントロールロッド61,62は、チェンジレバー300のセレクト操作に連動してそれぞれの軸心周りの回動方向に移動し且つシフト操作に連動してそれぞれの軸方向に移動するようにチェンジレバー300に連絡されている。具体的には、第1コントロールロッド61の後端部が、チェンジロッド302を介してチェンジレバー300に連絡されている。
チェンジロッド302は、車体前後方向に延びるように配設され、その後端部は、チェンジレバー300の下端部300eに係合されている。これにより、チェンジレバー300のノブ300cが車体幅方向の右側又は左側に倒されるようにセレクト操作が行われると、チェンジレバー300の下端部300eと共にチェンジロッド302の後端部が左側又は右側へ揺動されることで、チェンジロッド302がその軸心周りの回動方向に移動され、チェンジレバー300のノブ300cが車体前方側又は後方側に倒されるようにシフト操作が行われると、チェンジロッド302は、チェンジレバー300の下端部300eと共に車体前方側又は後方側へ軸方向に移動される。
チェンジロッド302を介してチェンジレバー300に連絡される第1コントロールロッド61は、変速機ケース2から車体後方側へ突出するように配設され、第1コントロールロッド61の後端部は、ジョイント部としての継手303を介してチェンジロッド302の前端部に連結されている。
図4は、変速操作機構を示す展開図であり、図4では、ニュートラル状態の変速操作機構60を示している。図4に示すように、継手303は、例えば、互いに直角な方向に延びる一対の支軸304,305を有する十字継手である。一対の支軸304,305はホルダ306に支持されている。一方の支軸304は、チェンジロッド302に直角な方向に沿って配置され、チェンジロッド302の前端部302aを貫通している。他方の支軸305は、第1コントロールロッド61に直角な方向に沿って配置され、第1コントロールロッド61の後端部61aを貫通している。
チェンジロッド302の前端部302aは、一方の支軸304の軸心周りに回動可能とされ、第1コントロールロッド61の後端部61aは、他方の支軸305の軸心周りに回動可能とされている。このような継手303を介した連結により、第1コントロールロッド61の軸方向D1に対するチェンジロッド302の傾きを許容しつつ、チェンジロッド302から第1コントロールロッド61への回転運動及び並進運動の伝達が可能となっている。
これにより、第1コントロールロッド61は、セレクト操作時にチェンジロッド302の回動方向の移動に連動して同じ回動方向に移動し、シフト操作時にチェンジロッド302の車体前後方向の軸方向の移動に連動して同じ方向に軸方向に移動する。そして、このようなシフト操作時及びセレクト操作時における第1コントロールロッド61の軸方向及び回動方向の運動は、シフトセレクト連動機構70を介して第2コントロールロッド62に伝達される。
第1コントロールロッド61の大部分と第2コントロールロッド62の全体を収容する変速機ケース2は、前述したように、クラッチ3を収容すると共に変速機構10の一部を収容するクラッチハウジング51と、変速機構10の大部分を収容するミッションケース52とを備えている。ミッションケース52は、車体前方側に開口している。クラッチハウジング51は、ミッションケース52の車体前方側に隣接して配置され、ミッションケース52の前端開口を塞いでいる。クラッチハウジング51とミッションケース52とは、例えば締結ボルトによって相互に結合されている。
第1コントロールロッド61は、変速機ケース2のミッションケース52を貫通して車体後方側へ突出するように配設されている。第1コントロールロッド61は、後端側において例えば金属製のブッシュ63を介してミッションケース52に回転自在かつ摺動自在に支持され、前端側において例えば金属製のブッシュ64を介してクラッチハウジング51に回転自在かつ摺動自在に支持されている。ミッションケース52において第1コントロールロッド61が貫通する部分は、シール部材65によってシールされている。
第2コントロールロッド62は、第1コントロールロッド61よりも長尺とされている。第2コントロールロッド62は、後端側において例えば金属製のブッシュ66を介してミッションケース52に回転自在かつ摺動自在に支持され、前端側において例えば金属製のブッシュ67を介してクラッチハウジング51に回転自在かつ摺動自在に支持されている。
第1及び第2コントロールロッド61,62は、チェンジレバー300のシフト操作時及びセレクト操作時にそれぞれ第1コントロールロッド61の軸方向D1及び回動方向D2の移動に連動して第2コントロールロッド62を反転して軸方向D3及び回動方向D4に移動させる反転機構としてのシフトセレクト連動機構70を介して相互に連絡されている。
シフトセレクト連動機構70は、シフト操作時に第1コントロールロッド61の軸方向D1の移動に連動して第2コントロールロッド62を軸方向D3に移動させるシフト反転機構としてのシフト連動機構80と、セレクト操作時に第1コントロールロッド61の回動方向D2の移動に連動して第2コントロールロッド62を回動方向D4に移動させるセレクト連動機構100とを備えている。
図5は、シフトセレクト連動機構を示す斜視図である。図5に示すように、シフトセレクト連動機構70は、シフト連動機構80とセレクト連動機構100とを備え、シフト連動機構80とセレクト連動機構100とは、第1及び第2コントロールロッド61,62の軸方向に並んで配置され、メインシャフト11及びカウンタシャフト14の軸方向に並んで配置されている。
図4に示すように、シフト連動機構80は、第2コントロールロッド62の軸方向の一方側である車体前方側に配置され、セレクト連動機構100は、第2コントロールロッド62の軸方向の中央側に配置されている。これにより、後述するように、シフトフォークに係合されるシフトフィンガが第2コントロールロッド62の軸方向D3の他方側に固定されるとき、シフト連動機構80及びセレクト連動機構100がそれぞれ第2コントロールロッド62の軸方向D3の中央側及び一方側に設けられる場合に比して、セレクト操作時における第2コントロールロッド62の捩れを抑制して操作性が悪化することを抑制することができる。
図6は、シフトセレクト連動機構と第1及び第2コントロールロッドとの位置関係を示す図である。図6では、図4におけるY6−Y6線に沿った変速機ケース及びシフトセレクト連動機構の構成要素を断面で示し、変速機構10を二点鎖線で示している。図6に示すように、第1コントロールロッド61は、メインシャフト11及びカウンタシャフト14の上方に配置され、第2コントロールロッド62は、メインシャフト11及びカウンタシャフト14の近傍においてメインシャフト11及びカウンタシャフト14の車体幅方向一方側に配置されている。
シフトセレクト連動機構70、具体的にはシフト連動機構80及びセレクト連動機構100は、第1及び第2コントロールロッド61,62間に亘って設けられると共に、図1に示すように、メインシャフト11の軸方向においてメインシャフト11に設けられた第1ギヤとしてのドライブギヤ22〜27がカウンタシャフト14に設けられてドライブギヤ22〜27に噛み合う第2ギヤとしてのドリブンギヤ32〜37よりギヤ径が小さい第1ギヤに沿って配置される。
メインシャフト11に設けられた1速用ギヤ列G1から5速用ギヤ列G5のドライブギヤ22〜26は、変速段が大きくなるにつれてギヤ径が大きく形成され、カウンタシャフト14に設けられた1速用ギヤ列G1から5速用ギヤ列G5のドリブンギヤ32〜36は、変速段が大きくなるにつれてギヤ径が小さく形成され、1速用ギヤ列G1から3速用ギヤ列G3は、ドライブギヤ22〜24がドリブンギヤ32〜34よりギヤ径が小さく形成されている。
また、後退速用ギヤ列GRのドライブギヤ27は、1速用ギヤ列G1のドライブギヤ22とギヤ径が等しく形成され、後退速用ギヤ列GRのドリブンギヤ37は、1速用ギヤ列G1のドリブンギヤ32よりギヤ径が小さく2速用ギヤ列G2のドリブンギヤ33よりギヤ径が大きく形成されている。後退速用ギヤ列GRについても、ドライブギヤ27がドリブンギヤ37よりギヤ径が小さく形成されている。
本実施形態では、シフトセレクト連動機構70は、メインシャフト11の軸方向においてドライブギヤがドリブンギヤよりギヤ径が小さいドライブギヤである1速用ギヤ列G1及び後退速用GRのドライブギヤ22,27に沿って配置されている。なお、シフトセレクト連動機構70を、メインシャフト11の軸方向において1速用ギヤ列G1のドライブギヤ22に沿ってのみ、あるいは後退速用GRのドライブギヤ27に沿ってのみ配置することも可能である。
このように、シフトセレクト連動機構70は、メインシャフト11の軸方向においてメインシャフト11上の第1ギヤがカウンタシャフト14上の第2ギヤよりギヤ径が小さい第1ギヤに沿って配置されることにより、変速機の径方向寸法が増大して大型化することを抑制することができ、シフトセレクト連動機構70を変速機ケース2にコンパクトに配置することができる。
図7は、セレクト連動機構を示す分解斜視図である。図5及び図7に示すように、セレクト連動機構100は、第1コントロールロッド61と共に第1コントロールロッド61の回動方向D2に移動される第1アーム101と、第2コントロールロッド62と共に第2コントロールロッド62の回動方向D4に移動される第2アーム111とを備えている。
第1アーム101は、第1コントロールロッド61に嵌合される本体部103と、第1コントロールロッド61に嵌合されると共に本体部103の両側に配置される平板状の第1及び第2プレート部104,105と、第1及び第2プレート部104,105を連結する第1及び第2連結ピン106,107とを備えている。
本体部103は、第1コントロールロッド61が挿通される第1ロッド挿通孔103aを備えた第1筒状部分103bと、第1ロッド挿通孔103aと平行に設けられて第1連結ピン106が挿通される第1ピン挿通孔103cを備えた第2筒状部分103dと、第1及び第2筒状部分103b,103dを連結する連結部分103eとを有している。
第1筒状部分103bには、軸方向両側に筒状に突出すると共に第1筒状部分103bより外径が小さく形成された突出部103fが設けられ、両側の突出部103fは、内面に第1コントロールロッド61が嵌合されると共に外面に第1及び第2プレート部104,105が嵌合されるようになっている。第1筒状部分103bにはまた、スプリングピン102を装着するための貫通穴103gが設けられている。
第1プレート部104は、略直線状に形成され、第1コントロールロッド61が挿通されると共に本体部103の突出部103fの外面に嵌合される第1ロッド挿通孔104aと、第1連結ピン106が挿通される第1ピン挿通孔104bと、第2連結ピン107が挿通される第2ピン挿通孔104cとを有している。
第1ロッド挿通孔104aと第2ピン挿通孔104cとは、第1プレート部104の両端側に設けられ、第1ピン挿通孔104bは、第1プレート部104の中央側に設けられ、第1ロッド挿通孔104aと第1ピン挿通孔104bと第2ピン挿通孔104cとは、それらの中心が略一直線状になるように配置されている。
第2プレート部105は、第1プレート部104と同様に形成され、第1コントロールロッド61が挿通されると共に本体部103の突出部103fの外面に嵌合される第1ロッド挿通孔105aと、第1連結ピン106が挿通される第1ピン挿通孔105bと、第2連結ピン107が挿通される第2ピン挿通孔105cとを有している。
第1連結ピン106は、円柱状に形成された軸部106aと、円盤状に形成されて軸部106aより外径が大きく形成された頭部106bと備えている。第2連結ピン107についても、第1連結ピン106と同様に形成され、軸部107aと頭部107bと備えている。
第1アーム101では、本体部103の第1筒状部分103bに設けられた一方の突出部103fに第1プレート部104の第1ロッド挿通孔104aを嵌合させると共に他方の突出部103fに第2プレート部105の第1ロッド挿通孔105aを嵌合させて本体部103の両側に第1及び第2プレート部104,105を配置した後に、図7に示すように、第2プレート部105、本体部103及び第1プレート部104の第1ピン挿通孔105b,103c,104bに第2プレート部105の反第1プレート部側から第1連結ピン106の軸部106aを挿通させ、図5に示すように、第1連結ピン106の軸部106aの反頭部側の端部をカシメ加工して第1プレート部104の第1ピン挿通孔104bより大きく潰したカシメ部106cを形成し、本体部103と第1及び第2プレート部104,105とを連結する。
第2連結ピン107についても、第2プレート部105及び第1プレート部104の第2ピン挿通孔105c,104cに第2プレート部105の反第1プレート部側から第2連結ピン107の軸部107aを挿通させ、図5に示すように、第2連結ピン107の軸部107aの反頭部側の端部をカシメ加工して第1プレート部104の第1ピン挿通孔104bより大きく潰したカシメ部107cを形成し、本体部103と第1及び第2プレート部104,105とをさらに連結する。
そして、第1及び第2連結ピン106,107によって連結された本体部103の第1ロッド挿通孔103aと第1及び第2プレート部104,105の第1ロッド挿通孔104a,105aとに第1コントロールロッド61を挿通させ、スプリングピン102を本体部103の貫通穴103g及び第1コントロールロッド61に設けられた貫通穴(不図示)に貫通させて第1アーム101を第1コントロールロッド61に固定する。
これにより、第1アーム101は、セレクト操作時に第1コントロールロッド61が回動方向D2に移動されるとき、第1コントロールロッド61と共に回動方向D2に移動される。具体的には、第1コントロールロッド61が回動方向D2に移動されるとき、第1コントロールロッド61と共に本体部103が回動方向D2方向に移動され、第1連結ピン106を介して第1及び第2プレート部104,105が回動方向D2に移動され、第1及び第2プレート部104,105を介して第2連結ピン107が回動方向D2に移動される。
また、第1アーム101は、シフト操作時に第1コントロールロッド61が軸方向D1に移動されるとき、第1コントロールロッド61と共に軸方向D1に移動される。
一方、第2アーム111は、第2コントロールロッド62に嵌合される本体部112と、本体部112から外方に延びるフォーク部113と、本体部112からフォーク部113とは反対方向に外方に延びるガイドピン114とを備えている。
本体部112は、第2コントロールロッド62が挿通される第2ロッド挿通孔112aを備えて筒状に形成され、本体部112には、スプリングピン116を装着するための貫通穴112bが設けられている。本体部112はまた、フォーク部113が延びる側の側面部112cが第1アーム101と干渉しないように第1アーム101と離間するように設けられている。本体部112の側面部112cは、図6の破線で示すように、第1アーム101の第1及び第2プレート部104,105の先端形状に応じて湾曲して形成されている。
フォーク部113は、互いに対向する第1爪部113a及び第2爪部113bを備え、外方に向けて開放されてU字状に形成されている。フォーク部113は、第1アーム101の第2連結ピン107を受け入れて第2連結ピン107と係合するようになっている。
ガイドピン114は、図6に示すように、変速機ケース2に取り付けられたガイドプレート115に形成されたガイド穴115aに挿通される。ガイド穴115aは、ガイドピン114の可動範囲を規制するためにシフトパターン301に対応して形成され、ガイドピン114は、セレクト操作時及びシフト操作時にガイド穴115aに沿って案内されて移動される。
第2アーム111は、本体部112の第2ロッド挿通孔112aに第2コントロールロッド62を挿通させた後に、スプリングピン116を本体部112の貫通穴112b及び第2コントロールロッド62に設けられた貫通穴(不図示)に貫通させて第2コントロールロッド62に固定される。そして、第2アーム111は、第1アーム101の第2連結ピン107をフォーク部113に受け入れて係合するように配置される。
これにより、第2アーム111は、セレクト操作時に第1コントロールロッド61が回動方向D2に移動されるとき、第1アーム101の第2連結ピン107とフォーク部113との係合によって、第2コントロールロッド62と共に回動方向D4に第1コントロールロッド61の回動方向D2の移動方向とは反対方向に移動される。
また、第2アーム111は、シフト操作時に第1コントロールロッド61が軸方向D1に移動されるとき、シフト連動機構80によって第2コントロールロッド62と共に軸方向D3に第1コントロールロッド61の軸方向D1の移動方向とは反対方向に移動されるようになっている。
シフト操作時に、第2コントロールロッド62は第1コントロールロッド61の軸方向D1の移動方向とは反対方向に移動され、第1コントロールロッド61と第2コントロールロッド62とは相対移動されるが、セレクト連動機構100は、図5に示すように、第1及び第2コントロールロッド61,62の相対移動を許容するシフト移動許容部108を備えている。
シフト移動許容部108は、シフト操作時に第1及び第2コントロールロッド61,62が相対移動するときに第1アーム101の第2連結ピン107と第2アーム111のフォーク部113とが相対移動してもフォーク部113が第1及び第2プレート部104,105に当接しないように設けられることによって形成されている。
これにより、シフト連動機構80とセレクト連動機構100とが第1及び第2コントロールロッド61,62の軸方向に並んで配置される場合においても、セレクト連動機構100は、シフト移動許容部108によってシフト操作時に第1コントロールロッド61から第2コントロールロッド62にシフト操作を伝達することを阻害することがない。
このように、セレクト連動機構100は、セレクト操作時に第1コントロールロッド61の回動方向D2の移動に連動して第2コントロールロッド62を第1コントロールロッド61の回動方向D2の移動方向と反対方向に反転して第2コントロールロッド62の回動方向D4に移動させるように構成されている。
セレクト連動機構100はまた、セレクト操作時に第1コントロールロッド61が回動方向D2に移動されるとき、第1コントロールロッド61と第2連結ピン107との離間距離が第2コントロールロッド62と第2連結ピン107との離間距離よりも大きくなるように設けられ、第2コントロールロッド62の回動方向D4の移動角度を第1コントロールロッド61の回動方向D2の移動角度より大きく移動されるように構成されている。
これにより、第2コントロールロッド62の回動方向D4の移動角度を第1コントロールロッド61の回動方向D2の移動角度と等しく移動させる場合に比して、第2コントロールロッド61に固定されたシフトフィンガにセレクト操作により選択的に係合されるシフトフォークに連結された部材などの配設スペースを確保することができる。
図8は、シフト連動機構の第1レバーエンドを示す斜視図であり、図9は、シフト連動機構が変速機ケースに配設された状態を示す断面図、図10は、保持用リブ及び取付プレートを示す図である。図9は、図4におけるY9−Y9線に沿った変速機ケース及びシフト連動機構の構成要素を断面で示し、図10(a)は、図9におけるY10A−Y10A線に沿った断面を示し、図10(b)は、図9におけるY10B方向から見た取付プレートを示している。
シフト連動機構80は、図5に示すように、第1コントロールロッド61の一端側である車体前方側の端部近傍に固定される第1レバーエンド81と、第2コントロールロッド62の一端側である車体前方側の端部近傍に固定される第2レバーエンド86と、一端側において第1レバーエンド81に係合されると共に他端側において第2レバーエンド86に係合される反転レバー90と、反転レバー90の中央側を回動可能に支持する反転レバー支持軸95とを備えている。第1及び第2レバーエンド81,86、反転レバー90及び反転レバー支持軸95はそれぞれ例えば金属製の部材によって形成されている。
第1レバーエンド81は、図8に示すように、第1コントロールロッド61に嵌合される筒状部材であり、スプリングピン82を装着するための貫通穴81aを備えている。第1レバーエンド81は、第1コントロールロッド61に嵌合され、スプリングピン82を貫通穴81a及び第1コントロールロッド61に設けられた貫通穴(不図示)に貫通させて第1コントロールロッド61に固定される。
これにより、第1レバーエンド81は、シフト操作時に第1コントロールロッド61が軸方向D1に移動されるとき、第1コントロールロッド61と共に軸方向D1に移動され、セレクト操作時に第1コントロールロッド61が回動方向D2に移動されるとき、第1コントロールロッド61と共に回動方向D2に移動される。
第1レバーエンド81にはまた、該第1レバーエンド81の軸方向の一部がほぼ半円状に切り欠かれて第1コントロールロッド61の軸方向D1に直角する接線方向に延びる係合溝83が設けられている。係合溝83は、第1レバーエンド81の軸方向に延びる底面部83aと、底面部83aから第1レバーエンド81の軸方向に直交する方向に延びる両側の側面部83bとを備え、一対の側面部83bによって反転レバー90の一端側を挟み込むようにして反転レバー90に係合される。
第2レバーエンド86は、第1レバーエンド81と同様に形成され、第2コントロールロッド62に嵌合される筒状部材であり、スプリングピン87を装着するための貫通穴を備えている。第2レバーエンド86は、第2コントロールロッド62に嵌合され、スプリングピン87によって第2コントロールロッド62に固定される。
これにより、第2レバーエンド86は、シフト操作時に第1コントロールロッド61が軸方向D1に移動されるとき、第2コントロールロッド62と共に軸方向D3に移動され、セレクト操作時に第1コントロールロッド61が回動方向D2に移動されるとき、第2コントロールロッド62と共に回動方向D4に移動される。
第2レバーエンド86にはまた、該第2レバーエンド86の軸方向の一部がほぼ半円状に切り欠かれて第2コントロールロッド62の軸方向D3に直角する接線方向に延びる係合溝88が設けられ、係合溝88は、図9に示すように、第2レバーエンド86の軸方向に延びる底面部88aと、底面部88aから第2レバーエンド86の軸方向に直交する方向に延びる両側の側面部88bとを備えている。係合溝88は、一対の側面部88bによって反転レバー90の他端側を挟み込むようにして反転レバー90に係合される。
反転レバー90は、略直線状の板状部材によって形成され、反転レバー支持軸95に支持される筒状部91と、筒状部91から第1コントロールロッド61側に向かって延びる第1レバー部92と、筒状部91から第1レバー部92とは反対側の第2コントロールロッド62側に向かって延びる第2レバー部93とを備えている。
第1レバー部92の先端側には第1レバー部92の一方側の表面から円柱状に突出する第1係合ピン92aが固定され、第2レバー部93の先端側には第2レバー部93の一方側の表面から円柱状に突出する第2係合ピン93aが固定されている。
反転レバー90は、一体的に成形した第1及び第2レバー部92,93に筒状部91、第1及び第2係合ピン92a,93aをそれぞれ溶接等によって結合し、図9に示すように、筒状部91内にニードルベアリングなどの軸受94を取り付けて形成されている。
反転レバー90は、一端側に設けられた第1係合ピン92aが第1コントロールロッド61に固定された第1レバーエンド81の係合溝83に係合すると共に他端側に設けられた第2係合ピン93aが第2コントロールロッド62に固定された第2レバーエンド86の係合溝88に係合するように配置される。
反転レバー支持軸95は、図9に示すように、一端側に設けられた円柱状の先端部95aと、他端側に設けられた円柱状の基部95bとを備えている。先端部95aは、基部95bよりも外径が小さく形成され、先端部95aと基部95bとの間に段差部95cが設けられている。反転レバー90は、反転レバー支持軸95の先端部95aの基部95b側に筒状部91内に取り付けられた軸受94を介して回動可能に支持される。
反転レバー支持軸95の基部95bの反先端部側には、反転レバー支持軸95の軸方向と直交する方向に延びる取付プレート96が溶接等によって結合されている。取付プレート96は、図10(b)に示すように、変速機ケース2、具体的にはクラッチハウジング51の外壁部51aに、座金97を介して締結ボルト98を締め付けることにより取り付けられる。
反転レバー支持軸95を支持するため、クラッチハウジング51の外壁部51aには、該外壁部51aを貫通する第1貫通穴55が形成され、クラッチハウジング51の軸方向と直交する方向に延びる隔壁部51bに形成されたクラッチハウジング51の軸方向に延びるボス部56には、該ボス部56を貫通する第2貫通穴57が形成されている。
ボス部56は、メインシャフト11を支持するための軸受5aが内面に取り付けられるように形成されている。ボス部56には、該ボス部56から外方に第2貫通穴57の軸方向に突出する円筒状の突出部58が形成され、第2貫通穴57は、ボス部56及び突出部58に亘って形成されている。
第1貫通穴55は、反転レバー支持軸95の基部95bの外径と略等しい内径を有するように形成され、第2貫通穴57は、反転レバー支持軸95の先端部95aの外径と略等しい内径を有するように形成され、第1貫通穴55と第2貫通穴57とは同一軸線状に配置されている。
図9に示すように、反転レバー支持軸95は、クラッチハウジング51の外壁部51aに設けられた第1貫通穴55にクラッチハウジング51の外側から挿通され、先端部95aの基部側に反転レバー90が支持されると共に反転レバー90の先端部95aの反基部側にエンドプレート89が支持され、先端部95aの反基部側が第2貫通穴57に挿入されてボス部56に設けられた支持部59に支持されると共に、基部95bが第1貫通穴55に挿通されてクラッチハウジング51の外壁部51aに支持される。なお、反転レバー支持軸95の先端部95aの反基部側を支持する支持部59は、ボス部56及び突出部58によって形成されている。
そして、反転レバー支持軸95は、基部95bの反先端部側が取付プレート96を介してクラッチハウジング51の外壁部51aに取り付けられる。反転レバー支持軸95がクラッチハウジング51の外壁部51aに取り付けられるとき、反転レバー支持軸95の周囲はシール部材99によってシールされている。
また、反転レバー支持軸95がクラッチハウジング51の外壁部51aに取り付けられるとき、反転レバー90は、第1係合ピン92aが第1レバーエンド81の係合溝83に係合すると共に第2係合ピン93aが第2レバーエンド86の係合溝88に係合するように配置される。
これにより、反転レバー90は、シフト操作時に第1コントロールロッド61が軸方向D1に移動されるとき、図4に示すように、第1係合ピン92aと第1レバーエンド81の係合溝83との係合によって反転レバー支持軸95の軸心周りの回動方向D5に揺動し、第2係合ピン93aと第2レバーエンド86の係合溝88との係合によって第2コントロールロッド62を第1コントロールロッド62の軸方向D1の移動方向と反対方向に反転して第2コントロールロッド62の軸方向D3に移動させる。
また、反転レバー支持軸95がクラッチハウジング51の外壁部51aに取り付けられるとき、段差部95cは、変速機ケース2内に位置し、反転レバー90が反転レバー90と第1及び第2コントロールロッド61,62との係合位置から第1及び第2コントロールロッド61,62から離れる方向に移動することを規制するストッパ部として機能する。これにより、シフト操作時に第1コントロールロッド61から第2コントロールロッド62にシフト操作を確実に伝達することができる。
このように、シフト連動機構80は、シフト操作時に第1コントロールロッド61の軸方向D1の移動に連動して第2コントロールロッド62を第1コントロールロッド61の軸方向D1の移動方向と反対方向に反転して第2コントロールロッド62の軸方向D3に移動させるように構成されている。
セレクト操作時には、第1及び第2コントロールロッド61,62はそれぞれ回動方向D2,D4に移動されるが、シフト連動機構80は、第1及び第2レバーエンド81,86の係合溝83,88がほぼ半円状に切り欠かれて形成されているので、係合溝83,88と第1及び第2係合ピン92a、93aとの係合状態を維持しつつ第1及び第2コントロールロッド61,62が回動方向D2,D4に移動できるようになっている。
変速機ケース2にはまた、図9に示すように、反転レバー90が反転レバー90と第1及び第2コントロールロッド61,62との係合位置から第1及び第2コントロールロッド61,62の軸方向と直交する方向に第1及び第2コントロールロッド61,62から離れる方向に移動された非係合位置において、反転レバー90を保持して反転レバー90の回動方向D5への移動を規制する保持用リブ53、54が設けられている。具体的には、反転レバー90の一端側を保持して反転レバー90の回動方向D5の一方側への移動を規制する第1規制部としての第1保持用リブ53と、反転レバー90の他端側を保持して反転レバー90の回動方向D5の他方側への移動を規制する第2規制部としての第2保持用リブ54とが設けられている。
第1保持用リブ53は、変速機ケース2内に配設される第1コントロールロッド61近傍に設けられ、図10(a)に示すように、クラッチハウジング51の外壁部51aからクラッチハウジング51の内方に第1貫通穴55の軸方向に延びている。第1保持用リブ53は、反転レバー90が第1及び第2コントロールロッド61,62との係合位置(実線で示す位置)から第1及び第2コントロールロッド61,62の軸方向と直交する方向に第1及び第2コントロールロッド61,62から離れる方向に移動された非係合位置(二点鎖線で示す位置)において反転レバー90の第1レバー部92を保持するように設けられている。
第2保持用リブ54は、変速機ケース2内に配設される第2コントロールロッド62近傍に設けられ、クラッチハウジング51の外壁部51aからクラッチハウジング51の内方に第1貫通穴55の軸方向に延び、反転レバー90が第1及び第2コントロールロッド61,62との係合位置から第1及び第2コントロールロッド61,62の軸方向と直交する方向に第1及び第2コントロールロッド61,62から離れる方向に移動された非係合位置において反転レバー90の第2レバー部93を保持するように設けられている。
なお、手動変速機1では、第1及び第2保持用リブ53,54は、クラッチハウジング51の外壁部51aが内側外壁部と外側外壁部とによって構成される部分において内側外壁部からクラッチハウジング51の内方に延びるように設けられている。
反転レバー90は、反転レバー支持軸95に回動可能に支持された状態で、第1保持用リブ53に第1レバー部92が保持されると反転レバー90の回動方向D5の一方側への移動が規制され、第2保持用リブ54に第2レバー部93が保持されると反転レバー90の回動方向D5の他方側への移動が規制される。
第1保持用リブ53の先端側は、図10(a)に示すように、反転レバー90が第1及び第2コントロールロッド61,62との係合位置にあるとき反転レバー90と干渉しないように設けられている。第2保持用リブ54の先端側についても、反転レバー90が第1及び第2コントロールロッド61,62との係合位置にあるときに反転レバー90と干渉しないように設けられている。
また、第1保持用リブ53の上端側は、図10(a)に示すように、第1及び第2コントロールロッド61,62の一端側がクラッチハウジング51の隔壁部51bに設けられた凹部51c、51dに挿入されてクラッチハウジング51に支持されるとき(図4参照)、第1保持用リブ53に保持した反転レバー90を第1コントロールロッド61側に平行移動させて第1レバーエンド81の係合溝83に第1係合ピン92aを係合させるように設けられている。
第2保持用リブ54の上端側についても、第1及び第2コントロールロッド61,62の一端側がクラッチハウジング51の隔壁部51bに設けられた凹部51c、51dに挿入されてクラッチハウジング51に支持されるときに、第2保持用リブ54に保持した反転レバー90を第1コントロールロッド61側に平行移動させて第2レバーエンド86の係合溝88に第2係合ピン93aを係合させるように設けられている。
図11は、変速機ケース内に配置された反転レバーを示す斜視図であり、図12は、シフト連動機構の組付方法を説明するための説明図である。シフト連動機構80を組み付ける際には先ず、反転レバー支持軸95を、クラッチハウジング51の外壁部51aに設けられた第1貫通穴55にクラッチハウジング51の外側から挿通させ、先端部95aの基部側に反転レバー90を支持させると共に反転レバー90の先端部95aの反基部側にエンドプレート89を支持させる。
そして、反転レバー支持軸95の先端部95aの反基部側を第2貫通穴57に挿入させてボス部56及び突出部58に支持させ、図11及び図12(a)に示すように、反転レバー90を、第1及び第2コントロールロッド61,62との非係合位置において第1及び第2保持用リブ53,54に保持させる。
次に、図12(b)に示すように、第1及び第2コントロールロッド61,62に固定された第1及び第2レバーエンド81,86の係合溝83,88が反転レバー90の第1及び第2係合ピン92a,93aに対向するようにクラッチハウジング51の隔壁部51bに設けられた凹部51c、51dに第1及び第2コントロールロッド61,62を挿入して所定位置に保持させる。
第1及び第2コントロールロッド61,62をクラッチハウジング51の隔壁部51bに設けられた凹部51c、51dに挿入して所定位置に保持させる際、第1及び第2コントロールロッド61,62並びに後述するシフトロッド150に変速操作機構60の各構成部品を取り付けた状態で一体として第1及び第2コントロールロッド61,62を前記凹部51c、51dに挿入させて所定位置に保持させることが可能である。
また、第1及び第2コントロールロッド61,62並びに後述するシフトロッド150に変速操作機構60の各構成部品を取り付けると共に、さらに変速機構10を取り付けた状態で一体として第1及び第2コントロールロッド61,62を前記凹部51c、51dに挿入させて所定位置に保持させることも可能である。
その後に、図12(c)に示すように、反転レバー支持軸95を、クラッチハウジング51の外側から押圧し、取付プレート96をクラッチハウジング51の外壁部51aに当接させ、座金97及び締結ボルト98を用いて取付プレート96をクラッチハウジング51の外壁部51aに取り付ける。これにより、反転レバー支持軸95がクラッチハウジング51に取り付けられ、シフト連動機構80がクラッチハウジング51に組み付けられる。
反転レバー支持軸95をクラッチハウジング51の外側から押圧することで、反転レバー支持軸95の段差部95cによって反転レバー90の筒状部91が押され、反転レバー90は、第1係合ピン92aが第1レバーエンド81の係合溝83に係合するように移動され、第2係合ピン93aが第2レバーエンド86の係合溝88に係合するように移動される。
このように構成されるシフト連動機構80では、反転レバー支持軸95は、一端側がクラッチハウジング51の隔壁部51bに形成されたボス部56に設けられた支持部59に支持され、他端側がクラッチハウジング51の外壁部51aに支持されて両持ち状態で支持されるので、シフト操作時に第1コントロールロッド61から第2コントロールロッド62にシフト操作を伝達する場合に、反転レバー支持軸を片持ち状態で支持させる場合に比して、反転レバー支持軸95の支持剛性を向上させることができると共にシフト操作時に反転レバー支持軸95が変位することを抑制して操作性を向上させることができる。
また、変速機ケース2に、反転レバー90が第1及び第2コントロールロッド61,62との係合位置から第1及び第2コントロールロッド61,62から離れる方向に移動された非係合位置における反転レバー90の一端側及び他端側をそれぞれ保持する第1及び第2保持用リブ53,54が設けられ、第1及び第2保持用リブ53,54は、反転レバー90が係合位置にあるときに反転レバー90と干渉しないように設けられる。
これにより、変速機ケース2に、第1及び第2コントロールロッド61,62とシフト連動機構80とを組み付ける際に、反転レバー支持軸95に支持させた反転レバー90を第1及び第2保持用リブ53,54に保持させた状態で、変速機ケース2に第1及び第2コントロールロッド61,62を組み付けた後に、反転レバー90を第1及び第2コントロールロッド61,62に近づく方向に移動させて第1及び第2コントロールロッド61,62に係合させることができ、変速機ケース2に第1及び第2コントロールロッド61,62とシフト連動機構80とを容易に組み付けることができる。
なお、シフトセレクト連動機構70において、セレクト連動機構100の第1アーム101における本体部103の第1筒状部分103bの外周面に、セレクト中立位置からセレクト方向一方側に移動された第1コントロールロッド61をセレクト中立位置に戻すセレクトリターン機構や、セレクト方向と交差するシフト中立位置と該中立位置からシフト方向に移動されたシフト完了位置とに第1コントロールロッド61を位置決めするシフトディテント機構などを設けるようにすることも可能である。
このように、シフト連動機構80とセレクト連動機構100とからなるシフトセレクト連動機構70は、第1及び第2コントロールロッド61,62は、チェンジレバー300のシフト操作時及びセレクト操作時にそれぞれ第1コントロールロッド61の軸方向D1及び回動方向D2の移動に連動して第2コントロールロッド62を反転して軸方向D3及び回動方向D4に移動させるように構成されている。
図4に示すように、第2コントロールロッド62にはまた、第1シフトフィンガセット(以下、「第1セット」という)121と、第2シフトフィンガセット(以下、「第2セット」という)122とが第2コントロールロッド62の軸方向D3に間隔を空けて設けられている。第1セット121と第2セット122は、車体後方側からこの順で配置され、いずれも、シフトセレクト連動機構70よりも車体後方側に配置されている。
第1セット121及び第2セット122の構成について、図13から図16を参照しながら説明する。なお、第1セット121と第2セット122は、第2コントロールロッド62上に設けられる軸方向位置が異なる点を除いて、全く同じ構成を有する。
図13は、第2コントロールロッドに設けられたシフトフィンガセットを示す斜視図であり、図14は、シフトフィンガ及びインターロック規制部材を示す分解斜視図である。図15は、第1シフトフィンガセット及びその周辺部を示す図4のY15−Y15に沿った断面図であり、図16は、第2シフトフィンガセット及びその周辺部を示す図4のY16−Y16線に沿った断面図である。図13から図16に示すように、第1セット121及び第2セット122のそれぞれは、1つのシフトフィンガ123と、これに係合される1つのインターロック規制部材130とで構成されている。
シフトフィンガ123は、第2コントロールロッド62に嵌合される筒状部材である。シフトフィンガ123には貫通穴124が設けられており、図15及び図16に示すように、貫通穴124に差し込まれたスプリングピン128が第2コントロールロッド62を貫通することで、スプリングピン128を介してシフトフィンガ123が第2コントロールロッド62に固定される。これにより、シフトフィンガ123は、セレクト操作時には第2コントロールロッド62と共に回動し、シフト操作時には第2コントロールロッド62と共に軸方向D3に移動する。
シフトフィンガ123は、径方向外側に延びるレバー部125と、レバー部125とは異なる周方向位置において径方向外側に互いに反対側に突出した一対の突出部126,127とを備え、各突出部126,127は、シフトフィンガ123の全長に亘って設けられている。レバー部125は、シフトフィンガ123の全長よりも短く、第2コントロールロッド62の軸方向D3においてシフトフィンガ123の中央部に設けられている。
インターロック規制部材130は、周方向の1箇所に切欠き131が設けられることで、第2コントロールロッド62の軸方向D3から見てC字状の全体形状を有する。インターロック規制部材130は、シフトフィンガ123を包囲するように該シフトフィンガ123の径方向外側に装着される。
インターロック規制部材130は、第2コントロールロッド62の軸方向D3においてシフトフィンガ123と略同じ長さを有する半筒状の本体部132と、第2コントロールロッド62の軸方向D3において本体部132よりも短い第1及び第2規制部133,134とを備えている。第1規制部133は、第2コントロールロッド62の回動方向D4において本体部132の一端部から延びるように設けられ、第2規制部134は、第2コントロールロッド62の回動方向D4において本体部132の他端部から延びるように設けられている。第2コントロールロッド62の回動方向D4における第1規制部133の先端と第2規制部134の先端とは、切欠き131を挟んで対向配置されている。
本体部132には、図15及び図16に示すように、変速機ケース2に固定された位置決めピン6,7に係合される係合穴135が設けられている。係合穴135に係合される位置決めピン6,7によって、第2コントロールロッド62の軸方向D3におけるインターロック規制部材130の移動が規制される。係合穴135は、本体部132を厚み方向に貫通して設けられている。また、係合穴135は、第2コントロールロッド62の回動方向D4に延びる長穴とされ、位置決めピン6,7に対する第2コントロールロッド62の回動方向D4におけるインターロック規制部材130の移動が所定範囲内で許容されている。
第1規制部133及び第2規制部134の内周面は、本体部132の内周面と同じ円筒面上に配置されている。シフトフィンガ123の外側にインターロック規制部材130が嵌合された状態において、本体部132、第1規制部133及び第2規制部134の内周面は、シフトフィンガ123の外周面に沿って配置され、シフトフィンガ123に対するインターロック規制部材130の径方向へのがたつきが抑制されている。この嵌合状態において、シフトフィンガ123のレバー部125は、第1及び第2規制部133,134間の切欠き131に配置され、インターロック規制部材130との干渉が回避されている。
インターロック規制部材130は、第1規制部133から第2コントロールロッド62の軸方向D3両側に延びる一対の第1ガイド部136,137と、第2規制部134から第2コントロールロッド62の軸方向D3両側に延びる一対の第2ガイド部138,139とを更に備えている。第1ガイド部136,137及び第2ガイド部138,139は、第2コントロールロッド62の軸方向D3から見て扇状に形成されており、第1規制部133及び第2規制部134と比べて内径が等しく、外径が小さく形成されている。第1ガイド部136,137及び第2ガイド部138,139の内周面は、本体部132、第1規制部133及び第2規制部134の内周面と同じ円筒面上に配置され、シフトフィンガ123の外周面に沿って配置され得る。
インターロック規制部材130の内周面には、本体部132と第1規制部133とに跨がる第1係合凹部140と、本体部132と第2規制部134とに跨がる第2係合凹部141とが設けられている。第1係合凹部140及び第2係合凹部141は、それぞれ第2コントロールロッド62の軸方向D3に延びる溝状に形成されている。
シフトフィンガ123の外側にインターロック規制部材130が嵌合された状態において、インターロック規制部材130の第1及び第2係合凹部140,141にはシフトフィンガ123の突出部126,127が係合される。これにより、シフトフィンガ123に対する第2コントロールロッド62の回動方向D4におけるインターロック規制部材130の移動が規制されるため、セレクト操作に連動してシフトフィンガ123が回動するとき、インターロック規制部材130も常に一体的に回動する。
このとき、インターロック規制部材130の係合穴135に係合された位置決めピン6,7は、第2コントロールロッド62の回動方向D4に長く形成された係合穴135内で第2コントロールロッド62の回動方向D4の移動が許容されるため、位置決めピン6,7によってインターロック規制部材130の回動が規制されることはない。
また、シフトフィンガ123とインターロック規制部材130の嵌合状態において、シフトフィンガ123の各突出部126,127は、インターロック規制部材130の第1及び第2係合凹部140,141に沿って第2コントロールロッド62の軸方向D3に移動自在とされている。さらに、この嵌合状態において、シフトフィンガ123のレバー部125は、第1及び第2規制部133,134間の切欠き131に沿って第2コントロールロッド62の軸方向D3に移動自在となっている。そのため、位置決めピン6,7によって第2コントロールロッド62の軸方向D3の移動が規制されたインターロック規制部材130によって、第2コントロールロッド62の軸方向D3にシフトフィンガ123の移動が規制されることはない。
図4に示すように、変速操作機構60は、変速機ケース2内において第2コントロールロッド62に平行に配置されたシフトロッド150を更に備えている。シフトロッド150は、第2コントロールロッド62の斜め下方に配置されている(図16参照)。シフトロッド150の一端部は、例えば金属製のブッシュ68を介してクラッチハウジング51に、シフトロッド150の他端部は、例えば金属製のブッシュ69を介してミッションケース52にそれぞれ摺動自在に支持されている。
また、変速操作機構60は、セレクト操作によってシフトフィンガ123に選択的に係合され且つシフト操作によって第2コントロールロッド62の軸方向D3に移動されることで対応する同期装置41,42,43,44を作動させる複数のシフトフォーク160,170,180,190を備えている。具体的には、後退速用同期装置41を作動させる後退速用シフトフォーク160、1−2速用同期装置42を作動させる1−2速用シフトフォーク170、3−4速用同期装置43を作動させる3−4速用シフトフォーク180、5−6速用同期装置44を作動させる5−6速用シフトフォーク190が設けられている。
後退速用シフトフォーク160は、カウンタシャフト14に設けられた後退速用同期装置41のシンクロスリーブ41aに係合されるものであり、1−2速用シフトフォーク170は、同じくカウンタシャフト14に設けられた1−2速用同期装置42のシンクロスリーブ42aに係合されるものである。
一方、3−4速用シフトフォーク180は、メインシャフト11に設けられた3−4速用同期装置43のシンクロスリーブ43aに係合されるものであり、5−6速用シフトフォーク190は、同じくメインシャフト11に設けられた5−6速用同期装置44のシンクロスリーブ44aに係合されるものである。
いずれのシフトフォーク160,170,180,190も、係合されたシンクロスリーブ41a,42a,43a,44aを第2コントロールロッド62の軸方向D3及びシフトロッド150の軸方向D6に移動させることで、対応する同期装置41,42,43,44を作動させる。
後退速用シフトフォーク160、1−2速用シフトフォーク170、3−4速用シフトフォーク180、5−6速用シフトフォーク190は、第2コントロールロッド62の軸方向D3及びシフトロッド150の軸方向D6において車体前方側からこの順で並ぶように配置されている。
後退速用シフトフォーク160と1−2速用シフトフォーク170は、シフトロッド150に支持され、3−4速用シフトフォーク180と5−6速用シフトフォーク190は、第2コントロールロッド62に支持されている。
後退速用シフトフォーク160は、例えばスプリングピン161によってシフトロッド150に固定された筒状のシフトエンド162に一体に設けられている。シフトエンド162は、シフトロッド150の車体前方側の端部近傍に配置されている。後退速用シフトフォーク160は、シフトエンド162を介してシフトロッド150に固定されていることにより、シフトロッド150と共にシフトロッド150の軸方向D6に移動するようになっている。
図16に示すように、後退速用シフトフォーク160に対応するフォークゲート200は、第2コントロールロッド62上の第2セット122の周囲に配設されている。フォークゲート200を一端部に有するゲートアーム201の他端部は、例えばスプリングピン202によってシフトロッド150に固定された筒状部203に一体に連なっている。これにより、ゲートアーム201は、シフトロッド150を介して間接的にシフトフォーク160に連絡されている。
1−2速用シフトフォーク170は、シフトロッド150に遊嵌された筒状のシフトエンド171に一体に設けられている。シフトエンド171は、後退速用の筒状部203とシフトエンド162との間の軸方向範囲においてシフトロッド150上を摺動可能とされている。1−2速用シフトフォーク170は、シフトエンド171を介してシフトロッド150に遊嵌支持されていることにより、シフトロッド150上をシフトエンド171と一体にシフトロッド150の軸方向D6に移動するようになっている。
図16に示すように、1−2速用シフトフォーク170に対応するフォークゲート172は、第2コントロールロッド62上の第2セット122の周囲に配設されている。フォークゲート172を一端部に有するゲートアーム173の他端部は、シフトエンド171に一体に連なっている。これにより、ゲートアーム173は、シフトロッド150を介することなくシフトフォーク170に直接的に連絡されている。
3−4速用シフトフォーク180は、第2コントロールロッド62に遊嵌された筒状のシフトエンド181に一体に設けられている。シフトエンド181は、第1セット121のシフトフィンガ123と第2セット122のシフトフィンガ123との間の軸方向範囲において第2コントロールロッド62上を摺動可能とされている。3−4速用シフトフォーク180は、シフトエンド181を介して第2コントロールロッド62に遊嵌支持されていることにより、第2コントロールロッド62に対して相対的に第2コントロールロッド62の軸方向D3に移動可能となっている。
図15に示すように、3−4速用シフトフォーク180に対応するフォークゲート182は、第2コントロールロッド62上の第1セット121の周囲に配設されている。フォークゲート182を一端部に有するゲートアーム183の他端部は、シフトエンド181に一体に連なっている。これにより、ゲートアーム183は、シフトフォーク180に直接的に連絡されている。
5−6速用シフトフォーク190は、第2コントロールロッド62に遊嵌された筒状のシフトエンド191に一体に設けられている。シフトエンド191は、第1セット121のシフトフィンガ123よりも車体後方側において第2コントロールロッド62上を摺動可能とされている。5−6速用シフトフォーク190は、シフトエンド191を介して第2コントロールロッド62に遊嵌支持されていることにより、第2コントロールロッド62に対して相対的に第2コントロールロッド62の軸方向D3に移動可能となっている。
図15に示すように、5−6速用シフトフォーク190に対応するフォークゲート192は、第2コントロールロッド62上の第1セット121の周囲に配設されている。フォークゲート192を一端部に有するゲートアーム193の他端部は、シフトエンド191に一体に連なっている。これにより、ゲートアーム193は、シフトフォーク190に直接的に連絡されている。
前述したフォークゲート200,172,182,192のシフトフィンガ123及びインターロック規制部材130に対する係合は、第1セット121と第2セット122に分担されている。3−4速用及び5−6速用のフォークゲート182,192が第1セット121に分担され、後退速用及び1−2速用のフォークゲート200,172が第2セット122に分担されている。
図15及び図16に示すニュートラル状態において、第2コントロールロッド62の回動方向D4におけるシフトフィンガ123のレバー部125の位置は、第1セット121と第2セット122のいずれにおいても同じであり、フォークゲート200,172,182,192は、全て異なる回動方向D4位置に配置されている。第2コントロールロッド62の軸方向D3の車体後方側から見て、後退速用、1−2速用、3−4速用、5−6速用のフォークゲート200,172,182,192が、反時計回り方向にこの順で並ぶように配置されている。
ニュートラル状態では、3−4速用フォークゲート182は、第1セット121のシフトフィンガ123のレバー部125に係合され、3−4速用フォークゲート182よりも第2コントロールロッド61の回動方向D4の一方側に配置された後退速用及び1−2速用のフォークゲート200,172は、第2セット122のインターロック規制部材130の第2規制部134に係合され、3−4速用フォークゲート182よりも第2コントロールロッド62の回動方向D4の他方側に配置された5−6速用フォークゲート192は、第1セット121のインターロック規制部材130の第1規制部133に係合される。
以上のように構成された変速操作機構60は、チェンジレバー300のセレクト操作及びシフト操作に連動して、以下のような動作を行う。
図17は、5−6速セレクト状態におけるセレクト連動機構を示す図6と同様の断面図、図18は、5−6速セレクト状態における第1シフトフィンガセット及びその周辺部を示す図15と同様の断面図、図19は、5−6速セレクト状態における第2シフトフィンガセット及びその周辺部を示す図16と同様の断面図、図20は、4速シフト状態の変速操作機構を示す図4と同様の展開図である。
先ず、ニュートラル状態を示す図6と、5−6速セレクト状態を示す図17とを比較して参照しながら、セレクト操作時における変速操作機構60のシフトセレクト連動機構70の動作について説明する。
前述したように、第1コントロールロッド61に第1アーム101が固定され、第2コントロールロッド62に第2アーム111が固定され、第1アーム101の第2連結ピン107と第2アーム111のフォーク部113とが係合される。
そのため、セレクト操作に連動して第1コントロールロッド61が回動方向D2に移動されると、第1アーム101が第1コントロールロッド61と共に第1コントロールロッド61の軸心周りの回動方向D2に移動する。例えば、図17に示すように、5−6速セレクト操作が行われると、第1コントロールロッド61及び第1アーム101は、第1コントロールロッド61の軸心周りの回動方向D2に、車体後方側から見て時計回り方向に移動する。
このようにして第1アーム101が第1コントロールロッド61の回動方向D2に移動されると、第1アーム101の第2連結ピン107と第2アーム111のフォーク部113との係合によって、第2アーム111及び該第2アーム111が固定された第2コントロールロッド62は、第2コントロールロッド62の軸心周りの回動方向D4に、第1コントロールロッド61とは反転方向に移動される。例えば、図17に示す5−6速セレクト操作時に、第2コントロールロッド62は、第2コントロールロッド62の回動方向D4において車体後方側から見て反時計回り方向に移動する。
以上のようにして、セレクト操作時における第1コントロールロッド61の回動方向D2の運動は、シフトセレクト連動機構70、具体的にはセレクト連動機構100を介して第2コントロールロッド62に伝達される。これにより、セレクト操作時において、第2コントロールロッド62は、第1コントロールロッド61の回動方向D2の移動に連動して、第1コントロールロッド61の回動方向D2の移動方向とは反対方向に移動する。
次に、ニュートラル状態を示す図15及び図16と、5−6速セレクト状態を示す図18及び図19とを比較して参照しながら、セレクト操作時における第2コントロールロッド62上の第1及び第2セット121,122の動作について説明する。
前記のようにセレクト操作に連動して第2コントロールロッド62が回動方向D4に移動すると、第1及び第2セット121,122のシフトフィンガ123及びインターロック規制部材130も第2コントロールロッド62と共に第2コントロールロッド62の回動方向D4に移動し、前記のように配置されたフォークゲート200,172,182,192のうち、セレクト操作により選択されたセレクト位置に対応するフォークゲートに、第1又は第2セット121,122のいずれかのシフトフィンガ123のレバー部125が係合される。このとき、シフトフィンガ123に係合されたもの以外のフォークゲートには、インターロック規制部材130の第1又は第2規制部133,134が係合される。
例えば、図15に示すニュートラル状態において、シフトフィンガ123のレバー部125は3−4速用フォークゲート182に係合されるが、図18に示す5−6速セレクト状態では、レバー部125が5−6速用フォークゲート192に係合される。なお、5−6セレクト状態では、図18に示すように、3−4速用フォークゲート182は、第1セット121のインターロック規制部材130の第2規制部134に係合され、図19に示すように、後退速用及び1−2速用フォークゲート200,172は、第2セット122のインターロック規制部材130の第2規制部134に係合される。
続いて、ニュートラル状態を示す図4と、4速シフト状態を示す図20とを比較して参照しながら、シフト操作時における変速操作機構60の動作について説明する。
前述したように、第1コントロールロッド61に固定された第1レバーエンド81の係合溝83に反転レバー90の第1レバー部92、具体的には第1係合ピン92aが係合され、第2コントロールロッド62に固定された第2レバーエンド86の係合溝88に反転レバー90の第2レバー部93、具体的には第2係合ピン93aが係合される。
そのため、シフト操作に連動して第1コントロールロッド61が軸方向D1に移動されると、第1レバーエンド81と第1レバー部92との係合によって反転レバー90が反転レバー支持軸95の軸心周りの回動方向D5に揺動する。例えば、図20に示すように、4速シフト操作が行われると、第1コントロールロッド61及び第1レバーエンド81は、第1コントロールロッド61の軸方向D1に車体前方側に移動し、反転レバー90は、反転レバー支持軸95の回動方向D5に、反転レバー支持軸95の基部側から見て時計回り方向に移動する。
このようにして反転レバー90が反転レバー支持軸95の軸心周りの回動方向D5に揺動されると、第2レバーエンド86と第2レバー部93との係合によって第2コントロールロッド62が、第1コントロールロッド61の軸方向D1の移動方向と反対方向に反転して第2コントロールロッド62の軸方向D3に移動される。例えば、図20に示す4速シフト操作時に、第1コントロールロッド61は該第1コントロールロッド61の軸方向D1に車体前方側に移動し、第2コントロールロッド62は、該第2コントロールロッド62の軸方向D3において車体後方側に移動する。
以上のようにして、シフト操作時における第1コントロールロッド61の軸方向D1の運動は、シフトセレクト連動機構70、具体的にはシフト連動機構80を介して第2コントロールロッド62に伝達される。これにより、シフト操作時において、第2コントロールロッド62は、第1コントロールロッド61の軸方向D1の移動に連動して、第1コントロールロッド61の軸方向D1の移動方向とは反対方向に移動する。
シフト操作に連動して第2コントロールロッド62が軸方向D3に移動すると、図20に示すように、第2コントロールロッド62に固定された第1及び第2セット121,122のシフトフィンガ123、及び、一方のシフトフィンガ123に係合されたフォークゲート182も軸方向D3に移動する。例えば、4速シフト操作時には、第1セット121のシフトフィンガ123に係合された3−4速用フォークゲート182が軸方向D3に車体後方側に移動し、これと一体に3−4速用シフトフォーク180も同方向へ移動することで、3−4速用同期装置43が作動されて、4速用ギヤ列G4が動力伝達状態となる。
このとき、シフトフィンガ123に係合されていない他のフォークゲート200,172,192は、インターロック規制部材130との係合によって第2コントロールロッド62の軸方向D3への移動が規制されるため、同時に複数の同期装置が作動することが防止され、変速機構10のインターロックが回避される。
このようにして構成される変速操作機構60では、第1コントロールロッド61と第2コントロールロッド62との間に設けられたシフトセレクト連動機構70、具体的にはシフト連動機構80によって、シフト操作時における第2コントロールロッド62の軸方向D3の移動方向が第1コントロールロッド61の軸方向D1の移動方向に対して反転される。
これにより、図2に示すシフトパターン301に従って車体前方側へのシフト操作が行われる1速、3速、5速、後退速への変速操作時には、対応するシフトフォーク170,180,190,160及びシンクロスリーブ42a,43a,44a,41aも車体前方側へ移動することで、所望の変速段のギヤ列G1,G3,G5,GRを動力伝達状態とすることができる。
一方、車体後方側へのシフト操作が行われる2速、4速、6速への変速操作時には、対応するシフトフォーク170,180,190及びシンクロスリーブ42a,43a,44aが車体後方側へ移動することで、所望の変速段のギヤ列G2,G4,G6を動力伝達状態とすることができる。
このように、本実施形態に係る変速機の変速操作機構60は、チェンジレバー300のシフト操作時に軸方向D1に移動される第1操作ロッド61と、第1操作ロッド61に平行に配設される第2操作ロッド62と、シフト操作時に第1操作ロッド61の軸方向D1の移動に連動して第2操作ロッド62を第1操作ロッド61の軸方向D1の移動方向と反対方向に反転して移動させるシフト反転機構80とを備えている。
前記シフト反転機構80は、一端側が第1操作ロッド61に係合されると共に他端側が第2操作ロッド62に係合される反転レバー90と、反転レバー90を支持する反転レバー支持軸95とを備え、反転レバー支持軸95は、一端側が変速機ケースの隔壁部51bに形成されたボス部56に設けられた支持部59に支持され、他端側が変速機ケースの外壁部51aに支持されている。
これにより、シフト反転機構80の反転レバー支持軸95は、変速機ケースの隔壁部51bに設けられた支持部59と変速機ケースの外壁部51aとによって両持ち状態で支持されるので、シフト操作時に第1操作ロッド61から第2操作ロッド62にシフト操作を伝達する場合に、反転レバー支持軸95を片持ち状態で支持させる場合に比して、反転レバー支持軸95の支持剛性を向上させると共に操作性を向上させることができる。
また、シフト操作時に第1操作ロッドとしての第1コントロールロッド61の軸方向の移動に連動して第2操作ロッドとしての第2コントロールロッド62を第1コントロールロッド61の軸方向D1の移動方向と反対方向に反転して移動させるシフト反転機構80と、セレクト操作時に第1コントロールロッド61の回動方向D2の移動に連動して第2コントロールロッド62を回動方向D4に移動させるセレクト連動機構100が備えられる。
前記シフト反転機構80及びセレクト連動機構100は、第1及び第2コントロールロッド61,62の軸方向に並んで配置されることにより、シフト反転機構80とセレクト連動機構100とが一体的に形成される場合に比して、動作を複雑化させることなく簡単な構成によって形成することができる。また、シフト反転機構80は、セレクト連動機構100より変速機ケースの隔壁部51b側に配置されることにより、反転レバー支持軸95の一端側を変速機ケースの隔壁部51bに形成されたボス部56を利用して支持させることができる。
本実施形態では、入力軸及び出力軸が同一軸線上に配置されたフロントエンジン・リヤドライブの自動車に搭載される縦置き式の手動変速機の変速操作機構について説明しているが、チェンジレバーのシフト操作時及びセレクト操作時にそれぞれ軸方向及び回動方向に移動する第1及び第2コントロールロッドを備えた他の手動変速機の変速操作機構についても同様に適用可能である。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
以上のように、本発明によれば、シフト操作時に第1操作ロッドから第2操作ロッドにシフト操作を伝達するシフト連動機構の反転レバー支持軸の支持剛性を向上させると共に操作性を向上させることが可能となるから、縦置き式の手動変速機などの変速機ないしこれを搭載する車両の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
1 変速機
2 変速機ケース
10 変速機構
11 メインシャフト
12 入力軸
13 出力軸
14 カウンタシャフト
22,23,24,25,26,27 第1ギヤ
32,33,34,35,36,37 第2ギヤ
51 クラッチハウジング
51a クラッチハウジングの外壁部
51b クラッチハウジングの隔壁部
53 第1保持用リブ
54 第2保持用リブ
55 第1貫通穴
56 ボス部
57 第2貫通穴
59 支持部
60 変速操作機構
61 第1コントロールロッド(第1操作ロッド)
62 第2コントロールロッド(第2操作ロッド)
70 シフトセレクト連動機構
80 シフト反転機構
90 反転レバー
95 反転レバー支持軸
95a 反転レバー支持軸の先端部
95b 反転レバー支持軸の基部
95c 反転レバー支持軸の段差部
100 セレクト連動機構
300 チェンジレバー
G1,G2,G3,G4,G5,GR 変速段用ギヤ列

Claims (7)

  1. 変速機ケース内に配設されてチェンジレバーのシフト操作時に軸方向に移動される第1操作ロッドと、前記変速機ケース内に前記第1操作ロッドに平行に配設される第2操作ロッドと、シフト操作時に前記第1操作ロッドの軸方向の移動に連動して前記第2操作ロッドを前記第1操作ロッドの軸方向の移動方向と反対方向に反転して前記第2操作ロッドの軸方向に移動させるシフト反転機構とを備えた変速機の変速操作機構であって、
    前記シフト反転機構は、一端側が前記第1操作ロッドに係合されると共に他端側が前記第2操作ロッドに係合される反転レバーと、該反転レバーの中央側を回動可能に支持する反転レバー支持軸とを備え、シフト操作時に前記第1操作ロッドの軸方向の移動に連動して前記反転レバーが前記反転レバー支持軸の軸心周りに揺動して前記第2操作ロッドを前記第1操作ロッドの軸方向の移動方向と反対方向に反転して前記第2操作ロッドの軸方向に移動させるように構成され、
    前記反転レバー支持軸は、前記変速機ケースの外壁部に設けられた貫通穴に前記変速機ケースの外側から挿通され、前記反転レバーを支持した状態で、一端側が前記変速機ケースの隔壁部に形成された前記変速機ケースの軸方向に延びるボス部に設けられた支持部に支持され、他端側が前記変速機ケースの外壁部に支持されている、
    ことを特徴とする変速機の変速操作機構。
  2. 前記反転レバー支持軸は、一端側に設けられた先端部と、他端側に設けられた基部とを備え、前記先端部の基部側に前記反転レバーが支持されると共に前記先端部と前記基部との間に段差部が設けられ、
    前記段差部は、前記反転レバー支持軸の基部が前記変速機ケースに取り付けられたときに前記変速機ケース内に位置し、前記反転レバーが前記反転レバーと前記第1操作ロッド及び前記第2操作ロッドとの係合位置から前記第1操作ロッド及び前記第2操作ロッドから離れる方向に移動することを規制するストッパ部として機能する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の変速操作機構。
  3. 前記変速機ケースに、反転レバーが前記反転レバーと前記第1操作ロッド及び前記第2操作ロッドとの係合位置から前記第1操作ロッド及び前記第2操作ロッドの軸方向と直交する方向に前記第1操作ロッド及び前記第2操作ロッドから離れる方向に移動された非係合位置において、前記反転レバーの一端側を保持して前記反転レバーの回動方向一方側への移動を規制する第1規制部及び前記反転レバーの他端側を保持して前記反転レバーの回動方向他方側への移動を規制する第2規制部が設けられ、
    前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記反転レバーが前記係合位置にあるときに前記反転レバーと干渉しないように設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機の変速操作機構。
  4. 前記第1操作ロッドは、シフト操作時に軸方向に移動される第1コントロールロッドであり、
    前記第2操作ロッドは、前記第1コントロールロッドに平行に配設される第2コントロールロッドであり、
    前記シフト反転機構は、シフト操作時に前記第1コントロールロッドの軸方向の移動に連動して前記第2コントロールロッドを前記第1コントロールロッドの軸方向の移動方向と反対方向に反転して前記第2コントロールロッドの軸方向に移動させるように構成され、
    チェンジレバーのセレクト操作時に前記第1コントロールロッドの回動方向の移動に連動して前記第2コントロールロッドを回動方向に移動させるセレクト連動機構が備えられ、
    前記シフト反転機構と前記セレクト連動機構とは、前記第1コントロールロッド及び前記第2コントロールロッドの軸方向に並んで配置され、
    前記シフト反転機構は、前記セレクト連動機構より前記変速機ケースの隔壁部側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の変速機の変速操作機構。
  5. 同一軸線上に配置された入力軸及び出力軸からなるメインシャフトと、
    該メインシャフトに平行に配設されたカウンタシャフトと、
    前記メインシャフトに設けられた第1ギヤと前記カウンタシャフトに設けられて前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤとを有する変速段用ギヤ列とを備え、
    前記シフト反転機構は、前記メインシャフトの軸方向において前記第1ギヤが該第1ギヤに噛み合う前記第2ギヤよりギヤ径が小さい前記第1ギヤに沿って配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の変速機の変速操作機構。
  6. 前記変速段用ギヤ列は、1速用ギヤ列及び後退速用ギヤ列を有し、
    前記第1ギヤは、前記入力軸に設けられた1速用ギヤ及び後退速用ギヤの少なくとも一方のギヤである、
    ことを特徴とする請求項5に記載の変速機の変速操作機構。
  7. 前記変速機は、前記入力軸の回転を前記入力軸と前記カウンタシャフトとの間に設けられた変速段用ギヤ列により前記カウンタシャフトに伝達し、前記カウンタシャフトに伝達された回転を減速用ギヤ列により一定の減速比で減速して前記出力軸に伝達するアウトプットリダクションタイプの変速機であり、
    前記後退速用ギヤ列は、前記1速用ギヤ列より前記入力軸の駆動源側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の変速機の変速操作機構。
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