JP6361913B2 - ハードコートフィルム、加飾フィルム、保護フィルム及び画像表示装置 - Google Patents

ハードコートフィルム、加飾フィルム、保護フィルム及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えばスマートフォンやタブレット端末などの各種タッチパネルディスプレイの保護フィルムなどに好適に用いられるハードコートフィルムに関する。
スマートフォンやタブレット端末などの携帯電子機器に設けられている画像表示部、及び、テレビやパソコン等に設けられている画像表示部としては、タッチパネル機能が搭載されたものが広く普及しつつある。前記タッチパネルは、通常、指やタッチペンで操作することから、その表面に貼付されるハードコートフィルムには優れた防汚性(耐指紋性)、耐久性が求められている。
前記防汚性や耐久性に優れたハードコートフィルムとしては、例えばフッ素系添加剤を活性エネルギー線硬化性組成物に予め添加し、フィルム基材に塗布後、紫外線照射により硬化させて得られる防汚性と表面硬度に優れたハードコートフィルムが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
しかし、近年、画像表示装置の高精細化及びタッチパネルの応答速度が向上し、その応答速度に対応した操作性の向上が課題とされるなかで、前記ハードコートフィルムは、前記操作性の向上に寄与する表面の滑り性の点で、十分でない場合があった。また、タッチパネル等に使用するハードコートフィルムに求められる防汚性や耐久性も、十分でない場合があった。
特開2010−168419号公報
本発明が解決しようとする課題は、防汚性、滑り性、耐久性に優れたハードコートフィルムを提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ハードコートフィルムの少なくとも片面に特定の防汚層が積層したハードコートフィルムが、優れた防汚性と表面滑り性と耐久性とを両立できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ハードコートフィルム(I)の少なくとも片面に防汚層(II)が積層したハードコートフィルムであって、前記防汚層(II)が、重合性不飽和二重結合を有するフッ素原子含有化合物(II−1)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなり、前記フッ素原子含有化合物(II−1)が前記活性エネルギー線硬化性組成物の固形分の全量に対して10質量%以上含まれることを特徴とするハードコートフィルムに関するものである。
本発明のハードコートフィルムは、防汚性と表面滑り性と耐久性とに優れることから、例えばスマートフォンやタブレット端末などの携帯電子機器に設けられている画像表示部、及び、テレビやパソコン等に設けられている画像表示部の表面に設けられる保護フィルム及び加飾フィルムなどに好適に使用することができる。
本発明のハードコートフィルムは、ハードコートフィルム(I)の少なくとも片面に防汚層(II)が積層されたもののうち、前記防汚層(II)が重合性不飽和二重結合を有するフッ素原子含有化合物(II−1)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなり、前記フッ素原子含有化合物(II−1)が前記活性エネルギー線硬化性組成物の固形分の全量に対して10質量%以上含まれるものであることを特徴とする。上記構成からなる本発明のハードコートフィルムは、単に透明フィルム基材にハードコート層を設けた従来のハードコートフィルムに比べ、防汚性、滑り性及び耐久性の点で優れる。
本発明のハードコートフィルムは、その表面の一部または全部が前記防汚層(II)によって構成されていることが好ましく、その片面の表層の一部または全部が前記防汚層(II)によって構成されていることがより好ましい。
また、本発明のハードコートフィルムは、その片面または両面の一部または全部に、加飾層や粘着剤層を有していてもよい。前記加飾層が一部または全部に設けられた本発明のハードコートフィルムは、加飾フィルムとして使用することができる。また、前記粘着剤層が一部または全部に設けられた本発明のハードコートフィルムは、保護フィルムとして使用することができる。
前記加飾層としては、例えば文字、図形、記号をはじめ、隠ぺい用の額縁状の縁取りなどによって構成されるものが挙げられる。
本発明のハードコートフィルムとしては、300μm以下の厚さのものを使用することが好ましく、10μm〜200μmの厚さのものを使用することがより好ましく、50μm〜150μmの厚さのものを使用することがさらに好ましく、80μm〜140μmの厚さのものを使用することがさらに好ましく、100μm〜135μmの厚さのものを使用することが特に好ましい。前記範囲の厚さを備えたハードコートフィルムは、例えば各種画像表示装置のディスプレイ用に使用する場合であれば、その画像表示装置の薄型化に貢献できる。また、本発明のハードコートフィルムは、前記範囲の薄型の厚さであっても、優れた防汚性と滑り性と耐久性とを実現することができる。
本発明のハードコートフィルムとしては、それを構成する前記ハードコートフィルム(I)の厚さが180μm以下で、かつ前記防汚層(II)の厚さが50nm以下であるものを使用することが好ましい。
本発明のハードコートフィルムとしては、透明性の高いものを使用することが、画像表示装置のディスプレイに適用した際に、良好な視認性を確保できるため好ましい。本発明のハードコートフィルムの全光線透過率は85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、その表面層(防汚層(II))の初期の水接触角が95°以上であることが好ましく、100°以上であることがさらに好ましい。水接触角が高いことで、好適な防汚性を得やすくなる。
本発明のハードコートフィルムの鉛筆硬度は、例えば指やタッチペン等が接触した場合であっても、その表面の傷付きを防止するうえで、2H以上であることが好ましく、3H以上であることがさらに好ましい。
[ハードコートフィルム(I)]
本発明のハードコートフィルムを構成するハードコートフィルム(I)としては、従来知られるものを使用することができ、例えばプラスチック基材(I−1)とハードコート層(I−2)とが積層したものなどを使用することができる。
前記ハードコートフィルム(I)としては、180μm以下の厚さのものを使用することが好ましく、75μm〜150μmの範囲の厚さのものを使用することがより好ましい。
前記ハードコートフィルム(I)としては、それを構成するハードコート層(I−2)の表面硬度が2H以上であるものを使用することが好ましく、3H以上であるものを使用することがより好ましく、4H以上であるものを使用することが、最終的に得られる本発明のハードコートフィルムの表面硬度を高くでき、その結果、耐傷付き性をより一層向上できるため好ましい。
また、前記ハードコートフィルム(I)としては、それを構成する前記ハードコート層(I−2)の表面に稜間角136°のビッカース圧子を荷重15mNで押し込んで測定されるマルテンス硬さが280N/mm〜500N/mmの硬度を有するものを使用することが好ましく、300N/mm〜400N/mmの範囲のものを使用することが、最終的に得られる本発明のハードコートフィルムの表面硬度を高くでき、その結果、耐傷付き性をより一層向上できるため好ましい。
[プラスチック基材(I−1)]
前記ハードコートフィルム(I)を構成するプラスチック基材(I−1)としては、例えばポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アクリル樹脂フィルム、脂環式構造含有熱可塑性樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等を使用することができる。
前記プラスチック基材(I−1)は、前記で挙げた樹脂フィルムのみからなる基材であってもよいが、前記プラスチック基材(I−1)と前記ハードコート層(I−2)との密着性を向上させることを目的として、前記樹脂フィルムの表面にプライマー層が積層した基材であってもよい。また、前記プラスチック基材(I−1)の表面は、前記ハードコート層(I−2)との密着性をより一層向上させることを目的として、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等による凹凸化処理、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理、酸化処理等による処理が施されていてもよい。
前記プラスチック基材(I−1)としては、透明性に優れた本発明のハードコートフィルムを得るうえで、88%以上の全光線透過率を有するものを使用することが好ましく、90%以上の全光線透過率を有するものを使用することが好ましい。
前記プラスチック基材(I−1)としては、50μm〜150μmの範囲の厚さを有するものを使用することが好ましく、80μm〜150μmの範囲の厚さを有するものを使用することが好ましく、90μm〜130μmの範囲の厚さを有するものを使用することが、プラスチック基材(I−1)の片面にハードコート層(I−2)を設けた場合であっても、ハードコートフィルム(I)及びそれを用いて得られる本発明のハードコートフィルムのカールを抑制することができるため好ましい。
[ハードコート層(I−2)]
前記プラスチック基材(I−1)に積層されるハードコート層(I−2)は、従来知られるハードコート層である。
前記ハードコート層(I−2)としては、適用する用途に応じて適宜選択すればよいが、5μm〜25μmの厚さであることが好ましく、10μm〜15μmの厚さであることが、耐擦傷性及び滑り性に優れ、かつ、例えば薄型化の要請の高い画像表示装置に使用可能なハードコートフィルムを得るうえでより好ましい。
前記ハードコート層(I−2)としては、その表面の水接触角が80°以下であるものを使用することが好ましく、75°以下であるものを使用することがより好ましい。前記範囲の水接触角を備えたハードコート層を使用することによって、前記ハードコート層(I−2)と前記防汚層(II)との密着性をより一層向上でき、耐久性に優れた本発明のハードコートフィルムを得ることができる。
前記ハードコート層(I−2)としては、従来知られるハードコート剤を用いて形成された層が挙げられる。具体的には、前記ハードコート層(I−2)としては、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなるハードコート層が挙げられる。
前記ハードコート層(I−2)の形成に使用可能な活性エネルギー線硬化性組成物としては、従来知られるものを用いることができる。なかでも、入手や取扱いが容易であり、得られるハードコート層の特性を制御しやすいことから、(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性組成物を使用することが好ましく、好適な表面硬度や耐久性を得やすいことから、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性組成物を使用することがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、従来からハードコート層の形成に使用可能なものとして知られる各種ウレタン(メタ)アクリレートを使用することができ、なかでも、分子中に4個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(B)を含有するものを使用することが好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)としては、例えば脂肪族ポリイソシアネート(a1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)とを反応させて得られた分子中に4個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものを使用することが好ましい。
前記脂肪族ポリイソシアネート(a1)は、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート(a1−1);ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ジイソシアナトシクロヘキサン等の脂環式ポリイソシアネート(a1−2)などを使用することができる。また、前記脂肪族ポリイソシアネート(a1)としては、前記脂肪族ポリイソシアネート(a1−1)又は脂環式ポリイソシアネート(a1−2)を3量化した3量化物を使用することもできる。前記脂肪族ポリイソシアネート(a1)としては、直鎖脂肪族炭化水素のジイソシアネートであるヘキサメチレンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートであるノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートを使用することが、耐擦傷性に優れた本発明のハードコートフィルムを得るうえで好ましい。
前記(メタ)アクリレート(a2)としては、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)に4個以上の(メタ)アクリロイル基を付与すべく、(メタ)アクリロイル基を2個以上有するものを使用することが好ましい。
前記(メタ)アクリレート(a2)としては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を使用することができる。前記(メタ)アクリレート(a2)としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを使用することが、耐擦傷性に優れた本発明のハードコートフィルムを得るうえで好ましい。
前記(メタ)アクリレート(a2)は、前記脂肪族ポリイソシアネート(a1)の1種に対して、1種を用いることも2種以上併用することもできる。
前記脂肪族ポリイソシアネート(a1)と前記(メタ)アクリレート(a2)との反応は、常法のウレタン化反応により行うことができる。前記ウレタン化反応は、ウレタン化触媒の存在下で行うことが好ましい。
前記ウレタン化触媒としては、例えば、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等のアミン化合物;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン等のリン化合物;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛等の有機亜鉛化合物などが挙げられる。
前記ウレタン化反応によって得られる前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)として2種以上を用いる場合、前記脂肪族ポリイソシアネート(a1)としてノルボルナンジイソシアネートを用いて得られたウレタンアクリレートと、前記脂肪族ポリイソシアネート(a1)としてイソホロンジイソシアネートを用いて得られたウレタンアクリレートとを組み合わせ使用することが、耐擦傷性に優れた本発明のハードコートフィルムを得るうえで好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)と組み合わせ使用可能な分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(B)としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を使用することができる。前記多官能(メタ)アクリレート(B)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記多官能(メタ)アクリレート(B)としては、前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなるハードコート層(I−2)の耐擦傷性をより一層向上させるうえで、その(メタ)アクリロイル基当量が50g/eq.〜200g/eq.の範囲のものが好ましく、70g/eq.〜150g/eq.の範囲のものがより好ましく、80g/eq.〜120g/eq.の範囲のものがさらに好ましい。(メタ)アクリロイル基当量が80g/eq.〜200g/eq.の範囲である多官能(メタ)アクリレート(B)の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(アクロイル基当量:88g/eq.)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(アクロイル基当量:118g/eq.)等が挙げられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)と前記多官能(メタ)アクリレート(B)との質量比[(A)/(B)]は、ハードコート層(I−2)の耐擦傷性をより一層向上するうえで、90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、80/20〜20/80の範囲であることがより好ましく、75/25〜25/75の範囲であることがさらに好ましい。
前記ハードコート層(I−2)の形成に使用可能な活性エネルギー線硬化性組成物としては、前記したもののほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノ(メタ)アクリレート、分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有するジ(メタ)アクリレート等のその他の(メタ)アクリレートを含有するものを使用することができる。
前記その他の(メタ)アクリレートを使用する場合、その使用量は、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)及び前記多官能(メタ)アクリレート(B)の合計100質量部に対して、40質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましい。
前記活性エネルギー線硬化性組成物としては、活性エネルギー線を照射することによって硬化反応を開始しうる光重合開始剤を含有するものを使用することができる。
前記光重合開始剤としては、分子内開裂型光重合開始剤及び水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられる。分子内開裂型光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
一方、水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ−ケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルサルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルサルフォニル)プロパン−1−オン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、前記光増感剤としては、例えば、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリブチルアミン等の3級アミン化合物、o−トリルチオ尿素等の尿素化合物、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが挙げられる。
前記光重合開始剤及び光増感剤の使用量は、前記活性エネルギー線硬化性組成物中の不揮発成分100質量部に対し、各々0.05質量部〜20質量部であることが好ましく、0.5質量部〜10質量部であることがより好ましい。なお、前記活性エネルギー線として電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を使用する必要はない。
また、前記活性エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤、シリカビーズ、有機ビーズ等の添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモン等の無機系充填剤などを配合することができる。これらその他の配合物は単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記プラスチック基材(I−1)及びハードコート層(I−2)が積層したハードコートフィルム(I)を製造する方法としては、例えば前記プラスチック基材(I−1)の片面または両面に、前記活性エネルギー線硬化性組成物からなるハードコート剤を塗布し、乾燥し、次に、前記塗布面に活性エネルギー線を照射しその硬化層からなるハードコート層(I−2)を形成する方法が挙げられる。
前記プラスチック基材(I−1)に前記活性エネルギー線硬化性組成物を塗布する方法としては、例えばダイコート、マイクログラビアコート、グラビアコート、ロールコート、コンマコート、エアナイフコート、キスコート、スプレーコート、かけ渡しコート、ディップコート、スピンナーコート、ホイーラーコート、刷毛塗り、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコートなどの方法が挙げられる。
前記ハードコート剤の塗布面に照射する活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線が挙げられる。前記活性エネルギー線を照射する装置としては、例えば紫外線であれば、その発生源として低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ(フュージョンランプ)、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、太陽光、LED等が挙げられる。
[防汚層(II)]
本発明のハードコートフィルムを構成する防汚層(II)は、前記ハードコートフィルム(I)の少なくとも片面に積層したものである。前記防汚層(II)は、本発明のハードコートフィルムに優れた防汚性、滑り性を付与する。
前記防汚層(II)は、50nm以下の厚さであることが、視認性を低下させることなく、干渉縞などの発生を抑制するうえで好ましい。前記防汚層(II)は、1nm〜30nmの範囲の厚さであることが、本発明のハードコートフィルムの耐久性をより一層向上するうえで好ましい。
本発明のハードコートフィルムを構成する防汚層(II)は、重合性不飽和二重結合を有するフッ素原子含有化合物(II−1)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなり、前記フッ素原子含有化合物(II−1)が前記活性エネルギー線硬化性組成物の固形分の全量に対して10質量%以上含まれることを特徴とする。
前記防汚層(II)は、前記ハードコートフィルム(I)の少なくとも片面の一部または全部に、重合性不飽和二重結合を有するフッ素原子含有化合物(II−1)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し硬化させることによって形成することができる。
前記防汚層(II)の形成に使用可能な活性エネルギー線硬化性組成物としては、例えば重合性不飽和二重結合を有するフッ素原子含有化合物(II−1)を、前記活性エネルギー線硬化性組成物の固形分に対して10質量%以上含有するものを使用することができる。
前記フッ素原子含有化合物(II−1)は、前記防汚層(II)の形成に使用する活性エネルギー線硬化性組成物の固形分の全量に対して、10質量%〜95質量%の範囲で含まれることが好ましく、70質量%〜95質量%の範囲で含まれることが本発明のハードコートフィルムに優れた防汚性を付与するうえでより好ましい。
前記フッ素原子含有化合物(II−1)としては、例えばポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を有するフッ素原子含有化合物を使用することができる。前記フッ素原子含有化合物(II−1)が有する重合性不飽和二重結合の数は2〜6であることが好ましく、より好ましくは4〜6である。前記範囲の重合性不飽和二重結合を有するフッ素原子含有化合物を使用することによって、耐久性と防汚性に優れた防汚層(II)を形成することができる。
前記ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖としては、例えば炭素原子数1〜3の2価フッ化炭素基と酸素原子が交互に連結した構造を有するものが挙げられる。炭素原子数1〜3の2価フッ化炭素基は、1種類であっても2種類以上の組み合わせであってもよく、具体的には、下記構造式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006361913
前記一般式(1)中、Xは下記式(1−1)〜(1−5)である。また、Xは下記式(1−1)〜(1−5)のいずれか1種類のものであってもよいし、下記式(1−1)〜(1−5)のうち2種以上を有するのものであってもよい。例えば、前記Xとして下記式(1−1)〜(1−5)のうち2種以上を有する構造としては、−(CFCF−O)n−(CF−O)n−で示されるような構造が挙げられる。前記Xとして式(1−1)〜(1−5)で示される構造を2種類以上含む場合には、−(X−O)−の構造単位からなるランダム構造またはブロック構造を有していてもよい。また、nは繰り返し単位を表す2〜200の整数である。
Figure 0006361913
前記ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖の中でも、本発明のハードコートフィルムの防汚性をより一層向上するうえで、前記式(1−1)で表されるパーフルオロメチレン基と、前記式(1−2)で表されるパーフルオロエチレン基とを有するポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖であることが好ましい。
ここで、前記式(1−1)で表されるパーフルオロメチレン基と、前記式(1−2)で表されるパーフルオロエチレン基とのモル比率[(1−1)/(1−2)]は、1/10〜10/1の範囲であることが好ましい。また、前記一般式(1)中のnの値は、2〜200の範囲が好ましく、10〜100の範囲がより好ましく、20〜80の範囲がさらに好ましい。
前記フッ素原子含有化合物(II−1)としては、特にシクロポリシロキサン構造を有するものを使用することが好ましい。
前記フッ素原子含有化合物(II−1)としては、例えば、下記一般式(2)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 0006361913
(前記一般式(2)中、Rはメチル基であり、Rはポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖と結合する2価の有機基であり、Rは(メタ)アクリロイル基を有する1価の有機基である。また、mは2〜5の整数である。)
前記フッ素原子含有化合物(II−1)としては、前記シクロポリシロキサン構造の中でも、前記一般式(2)中のmが3であるシクロテトラシロキサン構造のものを使用することが好ましい。
前記ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とシクロポリシロキサン構造とを結合する2価の連結基(R)としては、2価の有機基であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006361913
(前記一般式(3)中、Yは炭素原子数1〜6のアルキレン基である。)
また、前記シクロポリシロキサン構造と(メタ)アクリロイル基とを結合する2価の連結基としては、2価の有機基であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式(4)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006361913
(前記一般式(4)中、Z、Z及びZは、それぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキレン基である。)
前記フッ素原子含有化合物(II−1)としては、具体的には、下記式(5)に示されるものを使用することが好ましい。
Figure 0006361913
(式中、m/nは0.9であり、m及びnの合計は平均で45である。)
前記フッ素原子含有化合物(II−1)は、例えばポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖の両末端にアリル基を有する化合物とヒドロシリル基を有するシクロポリシロキサン化合物とを白金系触媒存在下で反応させ、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖の両末端にシクロポリシロキサン構造を有する化合物を得る工程(工程〔1〕)、
前記工程〔1〕で得られた化合物とアリルオキシアルカノールとを反応させる工程(工程〔2〕)、前記工程〔2〕で得た反応物と、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとを反応させる工程(工程〔3〕)等を経ることによって製造することができる。
また、前記フッ素原子含有化合物(II−1)としては、上記シクロポリシロキサン構造を有するものの他に、例えば下記式6で示されるようなイソシアヌレート骨格を有するものを使用することもできる。
Figure 0006361913
(式(6)のnはいずれも1以上の整数を表す。)
前記防汚層(II)を形成する活性エネルギー線硬化性組成物としては、前記フッ素原子含有化合物(II−1)の他に、重合性不飽和二重結合を有するケイ素原子含有化合物(II−2)を含有するものを使用することが、防汚性及び滑り性に優れたハードコートフィルムを得るうえで好ましい。
前記ケイ素原子含有化合物(II−2)としては、従来知られるものを使用することができるが、特に滑り性に優れるものを使用することが好ましく、例えばジメチルシロキサン鎖を有するケイ素原子含有化合物を使用することが好ましい。
前記ケイ素原子含有化合物(II−2)が有する重合性不飽和二重結合の数は1〜6であることが好ましい。前記範囲の重合性不飽和二重結合を有するケイ素原子含有化合物を使用することによって、耐久性と滑り性に優れた防汚層(II)を形成することができる。
前記ケイ素原子含有化合物(II−2)としては、具体的には、下記に示すような化合物を使用することができる。
Figure 0006361913
(式(7)のnはいずれも1以上の整数を表す。)
前記ケイ素原子含有化合物(II−2)としては、数平均分子量100〜50,000のジメチルシロキサン鎖を有するケイ素原子含有化合物を使用することが、滑り性に優れたハードコートフィルムを得るうえでより好ましい。
前記ジメチルシロキサン鎖を有するケイ素原子含有化合物としては、例えば、共栄社化学株式会社ポリフローシリーズ(シリコーン系表面調整剤)、ビックケミ−・ジャパン社製BYKシリーズ(シリコーン系表面調整剤)、楠本化成株式会社製DISPARLONシリーズ(シリコーン系スリップ剤)、信越化学工業株式会社のシリコーン塗料添加剤などを使用することができる。
前記ケイ素原子含有化合物(II−2)は、前記フッ素原子含有化合物(II−1)100質量部に対して、10質量部〜1000質量部の範囲で含まれることが好ましく、100質量部〜500質量部の範囲で含まれることが、ハードコートフィルムを構成する防汚層(II)の滑り性をより一層向上し、かつ、防汚層(II)を形成する際のハジキ等に起因した外観不良を防止するうえでより好ましい。
前記防汚層(II)を形成する活性エネルギー線硬化性組成物としては、前記したもののほかに、必要に応じて2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(II−3)を含有するものを使用することが、耐久性をより一層向上するうえで好ましい。
前記(メタ)アクリレート(II−3)としては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を使用することができる。
前記(メタ)アクリレート(II−3)は、前記フッ素原子含有化合物(II−1)及び前記ケイ素原子含有化合物(II−2)の合計質量100質量部に対して0.1質量部〜50質量部の範囲で含まれることが好ましい。
前記防汚層(II)の形成に使用する活性エネルギー線硬化性組成物としては、活性エネルギー線を照射することによって硬化反応を開始しうる光重合開始剤や、光増感剤等を含有するものを使用することができる。
前記光重合開始剤としては、分子内開裂型光重合開始剤及び水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられる。分子内開裂型光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。中でも本発明の防汚層のような薄膜に対しては硬化性の観点から、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンが好ましい。
一方、水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ−ケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルサルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルサルフォニル)プロパン−1−オン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、前記光増感剤としては、例えば、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリブチルアミン等の3級アミン化合物、o−トリルチオ尿素等の尿素化合物、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが挙げられる。
前記光重合開始剤及び光増感剤の使用量は、前記活性エネルギー線硬化性組成物中の不揮発成分100質量部に対し、各々0.05質量部〜20質量部であることが好ましく、0.5質量部〜10質量部であることがより好ましい。なお、前記活性エネルギー線として電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を使用する必要はない。
また、前記活性エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤、シリカビーズ、有機ビーズ等の添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモン等の無機系充填剤などを配合することができる。これらその他の配合物は単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記防汚層(II)を形成する方法としては、例えば前記ハードコートフィルム(I)のハードコート層(I−2)の一部または全部に、前記活性ネルギー線硬化性組成物からなるハードコート剤を塗布し、乾燥し、次に、前記塗布面に活性エネルギー線を照射しその硬化層からなる防汚層(II)を形成する方法が挙げられる。
前記ハードコートフィルム(I)のハードコート層(I−2)に、前記活性ネルギー線硬化性組成物からなるハードコート剤を塗布する方法としては、例えば、マイクログラビアコート、グラビアコート、ロールコート、キスコート、スプレーコート、かけ渡しコート、ディップコート、スピンナーコート、刷毛塗り、ワイヤーバーコート、フローコート等が挙げられる。
前記活性ネルギー線硬化性組成物の塗布面に照射する活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線が挙げられる。前記活性エネルギー線を照射する装置としては、例えば紫外線であれば、その発生源として低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ(フュージョンランプ)、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、太陽光、LED等が挙げられる。
[加飾層]
本発明のハードコートフィルムは、その片面または両面の一部に加飾層を設けることで加飾フィルムとして使用することができる。
前記加飾層は、その表面に一般的な印刷法により印刷することによって設けることができる。前記印刷法としては、例えば、シルク印刷、スクリーン印刷、熱転写印刷、グラビア印刷等が挙げられる。
加飾層は、ハードコートフィルムに各種の意匠性を付与するものであれば特に制限されず、例えば、画像表示パネルとして使用する際の画像表示部の周囲に視認される文字や図形、あるいは、画像表示部に額縁状に設けられる黒色の縁取り状の加飾層などが挙げられる。
加飾層の厚さとしては、30μm以下が好ましく、1μm〜15μmがより好ましく、2μm〜10μmが特に好ましい。当該厚さの加飾層とすることで好適な色抜けや印刷不良が生じにくく、好適な意匠性を得やすくなる。
加飾層はハードコートフィルムの片面又は両面の任意の箇所に設けることができるが、防汚層(II)の表面に設ける場合には、防汚層(II)の一部が表面に露出するように設けられる。また、画像表示装置のディスプレイ用に使用する場合には、通常は画像表示部以外の箇所に設けられる。
[粘着剤層]
本発明のハードコートフィルムは、その片面または両面の一部に粘着剤層を設けることで保護フィルムとして使用することができる。
前記粘着剤層は、ハードコートフィルムを構成する防汚層(II)とは反対面に直接、粘着剤を塗布する方法、または、前記反対面に粘着テープを貼り合わせる方法等によって、ハードコートフィルムに粘着剤層を設けることができる。
本発明の保護フィルムを構成する粘着剤層の厚さは、5μm〜50μmの範囲が好ましく、8μm〜30μmの範囲がより好ましく、10μm〜25μmの範囲がさらに好ましい。本発明において、粘着剤層の厚さを当該範囲とすることで、接着信頼性に優れ、またハードコートフィルムの表面硬さを著しく損なわず維持することができる。
本発明に用いる粘着剤層に使用される粘着剤としては、公知のアクリル系、ゴム系、シリコーン系等の粘着樹脂を使用することができる。そのなかでも、反復単位として炭素原子数2〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレート単量体を主成分として重合させたアクリル系共重合体が、フィルム基材との密着性、透明性、耐候性の点から好ましい。
前記炭素原子数2〜14の(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等が挙げられる。
前記の(メタ)アクリレート単量体のなかでも、炭素原子数が4〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、さらに炭素原子数が4〜9のアルキル基を有するアルキルアクリレートがより好ましい。アルキルアクリレートのなかでもn−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、エチルアクリレートが特に好ましい。当該範囲の炭素原子数のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用することで、好適な粘着力を確保しやすくなる。
本発明の粘着剤層に使用するアクリル系共重合体を構成する単量体中の炭素原子数2〜14の(メタ)アクリレートの含有量は、90質量%〜99質量%とすることが好ましく、90質量%〜96質量%にすることがより好ましい。当該範囲の前記(メタ)アクリレートの含有量にすることで、好適な粘着力を確保しやすくなる。
アクリル系共重合体には、さらに単量体成分として、水酸基、カルボキシル基、アミド基等の極性基を有する(メタ)アクリレート単量体やその他の極性基を有するビニル系単量体を用いることが好ましい。
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのなかでも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
前記カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、アクリル酸又はメタクリル酸の2量体、エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレート等が挙げられる。これらのなかでも、アクリル酸を使用することが好ましい。
前記アミド基を有する(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−(パーヒドロフタルイミド−N−イル)エチルアクリレート等が挙げられる。これらのなかでも、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリンを使用することが好ましい。
前記その他の極性基を有するビニル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
極性基を有する単量体の含有量は、アクリル系共重合体を構成する単量体成分の0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、1質量%〜13質量%であることがより好ましく、1.5質量%〜8重量%であることがさらに好ましい。当該範囲で極性基を有する単量体を含有することにより、粘着剤の凝集力、保持力、接着性を好適な範囲に調整しやすい。
粘着剤層に使用するアクリル系共重合体の重量平均分子量Mwは40万〜140万であることが好ましく、60万〜120万であることがより好ましい。当該アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwが当該範囲内であると、接着力を特定範囲に調整しやすい。
なお、前記重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。より具体的には、GPC測定装置として、東ソー株式会社製「SC8020」を用いて、ポリスチレン換算値により、次のGPC測定条件で測定して求めることができる。
(GPCの測定条件)
・サンプル濃度:0.5重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:100μL
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0mL/min
・カラム温度(測定温度):40℃
・カラム:東ソー株式会社製「TSKgel GMHHR−H」
・検出器:示差屈折
さらに粘着剤層の凝集力をあげるために、粘着剤中に架橋剤を添加するのが好ましい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤等が挙げられる。架橋剤の添加量としては、粘着剤層のゲル分率25質量%〜80質量%になるよう調整するのが好ましく、40質量%〜75質量%になるように調整するのがより好ましく、50質量%〜70質量%になるように調整するのが最も好ましい。ゲル分率を当該範囲に調整することで、本発明の保護フィルムを例えば画像表示装置のディスプレイに貼付したときの表面鉛筆硬度の低下を抑制することができ、接着性も十分なものとすることができる。なお、本発明におけるゲル分率は、養生後の粘着剤層をトルエン中に浸漬し、24時間放置後に残った不溶分の乾燥後の質量を測定し、元の質量に対して百分率で表したものである。
さらに粘着剤層の粘着力を向上させるため、粘着付与樹脂を添加しても良い。粘着付与樹脂の添加量としては、粘着剤樹脂がアクリル系共重合体である場合は、アクリル系共重合体100質量部に対して、10質量部〜60質量部の範囲で添加するのが好ましい。さらに接着性を重視する場合は、20質量部〜50質量部の範囲で添加するのが好ましい。
また、粘着剤には、前記以外に公知慣用の添加剤を添加することができる。例えば、ガラス基材への接着性を向上するために、粘着剤100質量部に対して、0.001質量部〜0.005質量部の範囲でシランカップリング剤を添加することが好ましい。さらに、必要に応じて、その他の添加剤として、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、難燃剤等を添加することもできる。
[実施態様]
本発明のハードコートフィルム、加飾フィルム及び保護フィルムは、防汚性、滑り性及び耐久性に優れることから、例えば液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等の画像表示装置の画像表示部に好適に適用できる。特に、薄型であっても好適な耐擦傷性や滑り性を実現できることから、電子手帳、携帯電話、スマートフォン、携帯オーディオプレイヤー、モバイルパソコン、タブレット端末等の小型化や薄型化の要請の高い携帯電子端末の画像表示装置の画像表示部の保護フィルムとして好適である。このような画像表示装置においては、例えば、LCDモジュールや有機ELモジュール等の画像表示モジュールをその構成中に有し、当該画像表示モジュール上部に当該画像表示モジュールを保護する透明パネルが設けられた構成の画像表示装置においては、当該透明パネルの表面に貼り付けて使用することで、傷つき防止や透明パネルが破損した際の飛散防止に有効である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
(合成例1:フッ素原子含有化合物(II−1−1)の合成)
攪拌機及び冷却管を備えたフラスコに、乾燥窒素雰囲気下で、下記式(11)で表される両末端にアリル基を有するパーフルオロポリエーテル500質量部、m−キシレンヘキサフロライド700質量部及びテトラメチルシクロテトラシロキサン361質量部を仕込み、攪拌しながら90℃まで昇温した。ここに塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液0.442質量部(白金単体として1.1×10−6モル含有。)を仕込み、内温を90℃以上に維持したまま4時間攪拌した。H−NMRスペクトルで原料のアリル基が消失したのを確認した後、溶剤や過剰のテトラメチルシクロテトラシロキサンを減圧留去し、活性炭処理を行うことで、下記式(12)で表される無色透明の液体であるパーフルオロポリエーテル化合物を得た。
Figure 0006361913
(式中、m/nは0.9であり、m及びnの合計は平均で45である。)
Figure 0006361913
(式中、m/nは0.9であり、m及びnの合計は平均で45である。)
乾燥空気雰囲気下で、前記式(12)で表されるパーフルオロポリエーテル化合物50質量部、2−アリルオキシエタノール7.05質量部、m−キシレンヘキサフロライド50質量部及び塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液0.0442質量部(白金単体として1.1×10−7モル含有。)を混合し、100℃で4時間攪拌した。H−NMRスペクトル及び赤外線吸収スペクトルでSi−H基が消失したのを確認した後、溶剤と過剰の2−アリルオキシエタノールを減圧留去し、活性炭処理を行うことで、下記式(13)で表される淡黄色透明の液体であるパーフルオロポリエーテル化合物を得た。
Figure 0006361913
(式中、m/nは0.9であり、m及びnの合計は平均で45である。)
乾燥空気雰囲気下で、前記式(13)で表されるパーフルオロポリエーテル化合物50質量部、テトラヒドロフラン50質量部及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート9質量部を混合し、50℃に加熱した。
次いで、ジオクチル錫ラウレート0.05質量部を加え、50℃で24時間攪拌した。加熱終了後、80℃、0.27kPaで減圧留去することで、下記式(14)で表される淡黄色のペースト状であるフッ素原子含有化合物(II−1−1)を得た。このフッ素原子含有化合物(II−1−1)に、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンの混合溶剤(メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=1/3(質量比))を加え、不揮発分20質量%のフッ素原子含有化合物(II−1−1)溶液を調製した。
Figure 0006361913
(式中、m/nは0.9であり、m及びnの合計は平均で45である。)
(フッ素原子含有化合物(II−1−2))
ダイキン工業株式会社製オプツールDAC−HP(不揮発分20質量%)をフッ素原子含有化合物(II−1−2)溶液とした。
(合成例2:ウレタンアクリレート(a1−1)の合成)
攪拌機、ガス導入管、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、酢酸ブチル250質量部、ノルボルナンジイソシアネート206質量部、p−メトキシフェノール0.5質量部及びジブチル錫ジアセテート0.5質量部を仕込み、空気を吹き込みながら、70℃に昇温した後、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PE3A)及びペンタエリスリトールテトラアクリレート(PE4A)の混合物(PE3A/PE4A=75/25(質量比))795質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で3時間反応させ、さらにイソシアネート基を示す2250cm−1の赤外線吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、分子中に6個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート(a1−1)を含む不揮発分80質量%の酢酸ブチル溶液を得た。なお、この溶液には、不揮発分中にウレタンアクリレート(a1−1)の他にPE4Aが19.9質量%含まれた。
(合成例3:ウレタンアクリレート(a1−2)の合成)
攪拌機、ガス導入管、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、酢酸ブチル254質量部、イソホロンジイソシアネート222質量部、p−メトキシフェノール0.5質量部及びジブチル錫ジアセテート0.5質量部を仕込み、空気を吹き込みながら、70℃に昇温した後、PE3A及びPE4Aの混合物(PE3A/PE4A=75/25(質量比))795質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で3時間反応させ、さらにイソシアネート基を示す2250cm−1の赤外線吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、分子中に6個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート(a1−2)を含む不揮発分80質量%溶液を得た。なお、この溶液には、不揮発分中にウレタンアクリレート(a1−2)の他にPE4Aが19.5質量%含まれた。
(合成例4:ウレタンアクリレート(a1−3)の合成)
攪拌機、ガス導入管、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、酢酸ブチル254質量部、イソホロンジイソシアネート222質量部、p−メトキシフェノール0.5質量部及びジブチル錫ジアセテート0.5質量部を仕込み、空気を吹き込みながら、70℃に昇温した後、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート369質量部とPE3A及びPE4Aの混合物(PE3A/PE4A=75/25(質量比))398質量部とを1時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で3時間反応させ、さらにイソシアネート基を示す2250cm−1の赤外線吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、分子中に4〜6個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート(a1−3)を含む不揮発分80質量%溶液を得た。なお、この溶液には、不揮発分中にウレタンアクリレート(a1−3)の他にPE4Aが10.1質量%含まれた。
(調製例1:ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の調製)
重合性不飽和二重結合を有するケイ素原子含有化合物(II−2−1)として数平均分子量1000の下記式(15)で表わされるポリジメチルシロキサン骨格を有する化合物20質量部と希釈溶剤として酢酸エチル80質量部とを混合し、10分間撹拌することによって、不揮発分20質量%のケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液を得た。
Figure 0006361913
(式中、nは6〜12である。)
(調製例2:ケイ素原子含有化合物(II−2−2)溶液の調製)
重合性不飽和二重結合を有するケイ素原子含有化合物(II−2−2)として数平均分子量5000の下記式(16)で表わされるポリジメチルシロキサン骨格を有する化合物20質量部と希釈溶剤として酢酸エチル80質量部を混合し、10分間撹拌することによって、不揮発分20質量%のケイ素原子含有化合物(II−2−2)溶液を得た。
Figure 0006361913
(式中、nは60〜80である。)
(調製例3:ケイ素原子含有化合物(II−2−3)溶液の調製)
重合性不飽和二重結合を有するケイ素原子含有化合物(II−2−3)として数平均分子量1000の下記式(17)で表わされるポリジメチルシロキサン骨格を有する化合物20質量部と希釈溶剤として酢酸エチル80質量部を混合し、10分間撹拌することによって、不揮発分20質量%のケイ素原子含有化合物(II−2−3)溶液を得た。
Figure 0006361913
(式中、nは6〜12である。)
(調製例4:ケイ素原子含有化合物(II−2−4)溶液の調製)
重合性不飽和二重結合を有するケイ素原子含有化合物(II−2−4)として数平均分子量5000の下記式(18)で表わされるポリジメチルシロキサン骨格を有する化合物20質量部と希釈溶剤として酢酸エチル80質量部を混合し、10分間撹拌することによって、不揮発分20質量%のケイ素原子含有化合物(II−2−4)溶液を得た。
Figure 0006361913
(式中、nは60〜80である。)
(調製例5:ケイ素原子含有化合物(II−2−5)溶液の調製)
重合性不飽和二重結合を有するケイ素原子含有化合物(II−2−5)として数平均分子量14000の下記式(19)で表わされるポリジメチルシロキサン骨格を有する化合物20質量部と希釈溶剤として酢酸エチル80質量部を混合し、10分間撹拌することによって、不揮発分20質量%のケイ素原子含有化合物(II−2−5)溶液を得た。
Figure 0006361913
(式中、nは170〜200である。)
前記で得られたウレタンアクリレート(a1−1)〜(a1−3)及びフッ素原子含有化合物溶液(II−1−1)、(II−1−2)、ケイ素原子含有化合物溶液(II−2−1)〜(II−2−5)を用いて、下記のとおり、活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。
(実施例1)
合成例2で得られたウレタンアクリレート(a1−1)を含む溶液31.3質量部(ウレタンアクリレート(a1−1)20質量部、PE4A 5質量部を含む。)、合成例3で得られたウレタンアクリレート(a1−2)を含む溶液31.3質量部(ウレタンアクリレート(a1−2)20.1質量部、PE4A 4.9質量部を含む。)、合成例4で得られたウレタンアクリレート(a1−3)を含む溶液25質量部(ウレタンアクリレート(a1−3)18質量部、PE4A 2質量部を含む。)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)及びジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)の混合物(DPHA/DPPA=60/40(質量比))30質量部、及び光重合開始剤(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア184」、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)4.5質量部を均一に攪拌した後、酢酸エチルで希釈して、不揮発分40質量%のハードコート層形成用活性エネルギー線硬化性組成物(1)を調製した。
前記ハードコート層形成用活性エネルギー線硬化性組成物(1)を、ポリエステルフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4300、厚さ100μm)上にワイヤーバー(#40)を用いて塗布して、60℃で1分間乾燥後、空気雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製「MIDN−042−C1」、ランプ:120W/cm、高圧水銀灯)を用いて、照射光量0.1J/cmで紫外線を照射して、厚さ10μmのハードコート層を有するハードコートフィルム(I−a)を得た。
前記ハードコートフィルム(I−a)を、ハードコート層が上面になるよう厚さ1mmのガラス板の上に置き、(株)フィッシャーインストルメンツ社製フィッシャースコープH100CXYを用い、稜間角136°のビッカース圧子で最大押し込み深さ1μm、最大荷重15mN、荷重時間15秒にてマルテンス硬さを測定した。その結果、ハードコートフィルム(I−a)のマルテンス硬さは310N/mmであった。
次に合成例1で得られたフッ素原子含有化合物(II−1−1)溶液を固形分で100質量部、ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液を固形分で10質量部、DPHA及びDPPAの混合物(DPHA/DPPA=60/40(質量比))3質量部、及び光重合開始剤(BASFジャパン株式会社製「イルガキュアI907」、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)2.5質量部を均一に攪拌した後、酢酸エチルで希釈して、不揮発分0.1質量%の防汚層形成用活性エネルギー線硬化性組成物(2)を調製した。
前記防汚層形成用活性エネルギー線硬化性組成物(2)を、ハードコートフィルム(I−a)を構成するハードコート層の上に、形成する防汚層の厚さが10nmとなるようワイヤーバーを用いて塗布し、60℃で1分間乾燥後、酸素濃度1000ppm以下の雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製「MIDN−042−C1」、ランプ:120W/cm、高圧水銀灯)を用いて、照射光量0.3J/cmで紫外線を照射することによって、防汚層を有する防汚性ハードコートフィルムを得た。
以下、表1の配合量に従って実施例2〜20、及び比較例1、2の防汚性ハードコートフィルムを作成した。
(実施例2)
防汚層に含まれるDPHA及びDPPAを含有する混合物の使用量(固形分)を3質量部から10質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例3)
防汚層に含まれるDPHA及びDPPAを含有する混合物の使用量(固形分)を3質量部から15質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例4)
防汚層に含まれるDPHA及びDPPAを含有する混合物の使用量(固形分)を3質量部から30質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例5)
防汚層に含まれるDPHA及びDPPAを含有する混合物の使用量(固形分)を3質量部から50質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例6)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の使用量を固形分で10質量部から100質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例7)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の使用量を固形分で10質量部から100質量部に変更し、かつ、防汚層に含まれるDPHA及びDPPAを含有する混合物の使用量(固形分)を3質量部から10質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例8)
フッ素原子含有化合物(II−1−1)溶液の使用量を固形分で100質量部から80質量部に変更し、ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の使用量を固形分で10質量部から30質量部に変更し、かつ、防汚層に含まれるDPHA及びDPPAを含有する混合物の使用量(固形分)を3質量部から10質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例9)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の代わりにケイ素原子含有化合物(II−2−2)溶液を固形分で100質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例10)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の代わりにケイ素原子含有化合物(II−2−2)溶液を固形分で500質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例11)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の代わりにケイ素原子含有化合物(II−2−3)溶液を固形分で100質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例12)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の代わりにケイ素原子含有化合物(II−2−4)溶液を固形分で100質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例13)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の代わりにケイ素原子含有化合物(II−2−4)溶液を固形分で500質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例14)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の代わりにケイ素原子含有化合物(II−2−5)溶液を固形分で100質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例15)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の代わりにケイ素原子含有化合物(II−2−5)溶液を固形分で500質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例16)
フッ素原子含有化合物(II−1−1)溶液の代わりにフッ素原子含有化合物(II−1−2)溶液を固形分で100質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例17)
フッ素原子含有化合物(II−1−1)溶液の代わりにフッ素原子含有化合物(II−1−2)溶液を固形分で100質量部使用し、かつ、防汚層に含まれるDPHA及びDPPAを含有する混合物の使用量(固形分)を3質量部から10質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例18)
フッ素原子含有化合物(II−1−1)溶液の代わりにフッ素原子含有化合物(II−1−2)溶液を固形分で100質量部使用し、かつ、ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の使用量を固形分で10質量部から100質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例19)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液を使用しないこと以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(実施例20)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液を使用せず、かつ、防汚層に含まれるDPHA及びDPPAを含有する混合物の使用量(固形分)を3質量部から10質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(比較例1)
ケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液の使用量を固形分で10質量部から1400質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(比較例2)
フッ素原子含有化合物(II−1−1)溶液を使用せず、かつ、防汚層に含まれるDPHA及びDPPAを含有する混合物の使用量(固形分)を3質量部から10質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で防汚性ハードコートフィルムを作製した。
(比較例3)
合成例2で得られたウレタンアクリレート(a1−1)を含む溶液31.3質量部(ウレタンアクリレート(a1−1)20質量部、PE4A 5質量部を含む。)、合成例3で得られたウレタンアクリレート(a1−2)を含む溶液31.3質量部(ウレタンアクリレート(a1−2)20.1質量部、PE4A 4.9質量部を含む。)、合成例4で得られたウレタンアクリレート(a1−3)を含む溶液25質量部(ウレタンアクリレート(a1−3)18質量部、PE4A 2質量部を含む。)、DPHA及びDPPAの混合物(DPHA/DPPA=60/40(質量比))30質量部、フッ素原子含有化合物溶液(II−1−1)の20質量%溶液1.5質量部(フッ素原子含有化合物(II−1−1)として0.3質量部)、及び光重合開始剤(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア184」、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)4.5質量部を均一に攪拌した後、酢酸エチルで希釈して、不揮発分40質量%のハードコート層形成用活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。
前記ハードコート層形成用活性エネルギー線硬化性組成物を、ポリエステルフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4300、厚さ100μm)上にワイヤーバー(#40)を用いて塗布して、60℃で1分間乾燥後、酸素濃度1000ppm以下の雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製「MIDN−042−C1」、ランプ:120W/cm、高圧水銀灯)を用いて、照射光量0.5J/cmで紫外線を照射して、厚さ10μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
(比較例4)
前記比較例3で用いたフッ素原子含有化合物(II−1−1)溶液の代わりにフッ素原子含有化合物(II−1−2)溶液を用いた以外は比較例3と同様の方法でハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
(比較例5)
前記比較例3で用いたフッ素原子含有化合物(II−1−2)溶液の代わりにケイ素原子含有化合物(II−2−1)溶液を用いた以外は比較例3と同様の方法でハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
[ハードコートフィルムの表面のハジキの評価]
実施例および比較例で得られたハードコートフィルムを構成する最表層(防汚層)の表面を、3波長蛍光灯下で観察し、ハジキの有無を確認した。なお、防汚層を設けていない比較例3〜5で得たハードコートフィルムについては、その最表面のハジキの有無を評価した。また、前記ハジキが確認されたハードコートフィルムは、滑り性、防汚性及び耐久性ともに不十分であることは明らかであったため、下記評価は行わなかった。なお、ハジキとは、防汚層を塗布した際に防汚層形成用活性エネルギー線硬化性組成物溶液がハードコート層上で局所的に密集し、不均一な塗膜になることを示す。
[滑り性の評価方法1(動摩擦係数による評価)]
実施例および比較例で得られたハードコートフィルムを構成する最表層(防汚層)の表面を、直径10mmのステンレス製の丸棒(重さ約82g)の先端に綿帆布#11を両面粘着テープで固定した摩擦子で速度1000mm/分の速さで摩擦した際の荷重を測定し、動摩擦係数を算出した。なお、防汚層を設けていない比較例3〜5で得たハードコートフィルムについては、その最表面の滑り性を評価した。
[滑り性の評価方法2]
実施例および比較例で得られたハードコートフィルムを構成する最表層(防汚層)の表面をベンコット(旭化成せんい株式会社製)で擦った際の滑りやすさから、下記の基準にしたがい滑り性を評価した。なお、防汚層を設けていない比較例3〜5で得たハードコートフィルムについては、その最表面の滑り性を評価した。
◎:とてもよく滑る。
○:よく滑る。
△:滑り難い。
×:あまり滑らない。
[防汚性の評価方法(耐指紋性)]
実施例および比較例で得られたハードコートフィルムの最表面(防汚層)の表面に人差し指を荷重500gで10秒間押しあて、ベンコット(旭化成せんい株式会社製)でふき取った際のふき取り回数から、下記の基準にしたがい耐指紋性を評価した。なお、防汚層を設けていない比較例3〜5で得たハードコートフィルムについては、その最表面の防汚性を評価した。
◎:5回以下で指紋をふき取ることができる。
○:6〜10回で指紋をふき取ることができる。
△:11〜20回未満で指紋をふき取ることができる。
×:指紋をふき取るのに21回以上を要する。
[耐久性の評価方法(耐摩耗性)]
実施例および比較例で得られたハードコートフィルムの最表面(防汚層)を、平面摩擦試験機(株式会社井元製作所)に治具で固定し、スチールウール#0000を用いて荷重500g/cm、ストローク100mm、速度30回/分、往復3000回実施後の試験片の傷付き状態を目視観察し、下記の基準にしたがい耐擦傷性を評価した。なお、防汚層を設けていない比較例3〜5で得たハードコートフィルムについては、その最表面の耐久性を評価した。
◎:傷が付かない。
○:10本未満の傷が付く。
×:10本以上の傷が付く。
Figure 0006361913
Figure 0006361913
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Claims (10)

  1. ハードコートフィルム(I)の少なくとも片面に防汚層(II)が積層したハードコートフィルムであって、前記防汚層(II)が、重合性不飽和二重結合を有するフッ素原子含有化合物(II−1)、重合性不飽和二重結合を有するケイ素原子含有化合物(II−2)、及び、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(II−3)を含有し、前記(メタ)アクリレート(II−3)が前記フッ素原子含有化合物(II−1)及び前記ケイ素原子含有化合物(II−2)の合計質量100質量部に対して0.1質量部〜50質量部の範囲で含有する活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなり、前記フッ素原子含有化合物(II−1)が前記活性エネルギー線硬化性組成物の固形分の全量に対して10質量%以上含まれることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記ハードコートフィルム(I)の厚さが180μm以下であり、かつ、前記防汚層(II)の厚さが50nm以下である請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記ハードコートフィルム(I)は、プラスチック基材(I−1)の表面にハードコート層(I−2)が積層したものである請求項1または2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記ハードコートフィルム(I)を構成する前記ハードコート層(I−2)の表面に稜間角136°のビッカース圧子を荷重15mNで押し込んで測定されるマルテンス硬さが280N/mm〜500N/mmの範囲である請求項3に記載のハードコートフィルム。
  5. 前記プラスチック基材(I−1)の厚さが50μm〜150μmであり、前記ハードコート層(I−2)の厚さが5μm〜25μmの範囲である請求項3または4に記載のハードコートフィルム。
  6. 前記防汚層(II)が、重合性不飽和二重結合を有するフッ素原子含有化合物(II−1)及び重合性不飽和二重結合を有するケイ素原子含有化合物(II−2)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなるものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  7. 前記ケイ素原子含有化合物(II−2)が、前記フッ素原子含有化合物(II−1)100質量部に対して10質量部〜1000質量部の範囲で含まれる請求項6に記載のハードコートフィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のハードコートフィルムの片面または両面の一部または全部に加飾層を有することを特徴とする加飾フィルム。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のハードコートフィルムまたは請求項に記載の加飾フィルムの片面または両面の一部または全部に粘着剤層を有することを特徴とする保護フィルム。
  10. 請求項8記載の加飾フィルムまたは請求項9記載の保護フィルムと、画像表示モジュールとが積層された画像表示装置。
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