JP6361632B2 - 変速機の潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される変速機の潤滑構造に関し、車両用変速機の技術分野に属する。
車両に搭載される変速機として、エンジンなどの駆動源にクラッチを介して接続された入力軸と、入力軸と同一軸線上に配置されて駆動輪に連結された出力軸と、入力軸及び出力軸と平行に配置されたカウンタ軸とを備え、入力軸又は出力軸とカウンタ軸との間にギヤ比の異なる複数のギヤ列を設けて選択的に動力伝達状態とすることにより、複数の前進用変速段と1つの後進用変速段とを達成するフロントエンジン・リアドライブ車用の縦置き式の手動変速機が知られている。
例えば特許文献1には、フロントエンジン・リアドライブ車用の縦置き式の手動変速機が開示されており、この手動変速機は、入力軸の回転を入力軸とカウンタ軸との間に設けられた変速段用ギヤ列により減速してカウンタ軸に伝達し、カウンタ軸に伝達された回転を減速用ギヤ列により一定の減速比で減速して出力軸に伝達するように構成されている。
このような手動変速機では、ギヤ噛合部の潤滑や軸受部の焼付き防止などのために、変速機ケースの底部に貯留したオイルを、入力軸及び出力軸よりも一般に低位置に配置されるカウンタ軸に設けられたギヤの回転によって掻き揚げ、この掻き揚げられたオイルを入力軸又は出力軸に設けられたギヤに付着させてから該ギヤの回転によって飛散させ、この飛散したオイルの一部を変速機ケースの上部に配設された給油部材で受け止めて給油部材からギヤ噛合部や軸受部などの変速機ケース内の要潤滑部に供給することが一般に行われている。
特開2014−190431号公報
ところで、近年におけるエンジンの燃費性能向上の要請に応える一環として、縦置き式の手動変速機において、変速機ケースの底部に貯留するオイル量を低減し、オイル重量の軽減やカウンタ軸に設けられたギヤによるオイル掻き揚げ時の抵抗の低減を図ることが考えられている。
しかしながら、変速機ケース内に貯留するオイルを低減すると、オイル液面が低くなってカウンタ軸に設けられた比較的大径のギヤのみによってオイルが掻き揚げられることとなるので、該ギヤに噛み合う入力軸又は出力軸に設けられたギヤの回転に伴ってオイルを飛散させても給油部材に導入されるオイルが少なくなって変速機ケース内の要潤滑部に供給するオイル供給量が少なくなるおそれがある。特に低車速時には、ギヤの回転が低回転になることから、このような問題がより顕著になり得る。
そこで、本発明は、縦置き式の手動変速機において、変速機ケース内の要潤滑部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させることができる変速機の潤滑構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る変速機の潤滑構造は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、同一軸線上に配置された入力軸及び出力軸と、前記入力軸及び出力軸より低位置で前記入力軸及び出力軸と平行に配置されたカウンタ軸と、前記入力軸又は前記出力軸に設けられた第1ギヤと前記カウンタ軸に設けられて前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤとでなるギヤ列と、前記第2ギヤによって掻き揚げられたオイルを変速機ケース内の要潤滑部に供給する給油部材とを備えた変速機の潤滑構造であって、前記第1ギヤ及び前記第2ギヤはそれぞれ、軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部を備え、前記第1ギヤは、前記変速機ケースの底部に設けられたオイル貯留部に貯留されたオイルの液面より上方に配置され、前記第1ギヤの軸方向における前記歯部の回転方向後側に位置する側に隣接して、前記歯部を超える外径を有する壁面を備えてオイルを前記給油部材に案内するガイド部材が設けられ、前記変速機は、前記入力軸の回転を前記入力軸と前記カウンタ軸との間に設けられた変速段用ギヤ列により減速して前記カウンタ軸に伝達し、前記カウンタ軸に伝達された回転を減速用ギヤ列により一定の減速比で減速して前記出力軸に伝達するアウトプットリダクションタイプの変速機であり、前記第1ギヤは、前記入力軸に固設された1速段用駆動ギヤ又は2速段用駆動ギヤであり、前記第2ギヤは、前記カウンタ軸に遊嵌合されて前記第1ギヤに噛み合う1速段用被動ギヤ又は2速段用被動ギヤであり、前記第1ギヤと前記第2ギヤとでなる前記ギヤ列は、1速段用ギヤ列又は2速段用ギヤ列であることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、前記請求項1に記載の変速機の潤滑構造において、前記給油部材は、前記変速機ケース内の上部に配設され、該給油部材に導入されたオイルを前記変速機ケース内の要潤滑部に供給するように構成されていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の変速機の潤滑構造において、前記ガイド部材の前記壁面に、前記第1ギヤの軸方向に窪むと共に径方向に延びるガイド溝部が形成されていることを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、入力軸又は出力軸に設けられた第1ギヤと低位置に配置されたカウンタ軸に設けられて第1ギヤに噛み合う第2ギヤとでなるギヤ列と、第2ギヤによって掻き揚げられたオイルを変速機ケース内の要潤滑部に供給する給油部材とが備えられている。
そして、第1ギヤ及び第2ギヤはそれぞれ、軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部を備え、第1ギヤは、変速機ケースの底部に設けられたオイル貯留部に貯留されたオイルの液面より上方に配置され、第1ギヤの軸方向における歯部の回転方向後側に位置する側に隣接して、第1ギヤの歯部を超える外径を有する壁面を備えたガイド部材が設けられている。
これにより、第2ギヤの歯部がオイル液面下に位置するように変速機ケース内にオイルを貯留することで、第2ギヤの回転によって掻き揚げられたオイルを、第2ギヤと第1ギヤとのギヤ噛合部を介して第1ギヤに付着させ、第1ギヤの歯部の捩れ角によって第1ギヤの回転に伴ってガイド部材に付着させ、ガイド部材の回転に伴ってガイド部材から飛散させて給油部材に導入させることができる。
ガイド部材は第1ギヤを超える外径を有していることから、第2ギヤの回転によって掻き揚げられたオイルを第1ギヤから飛散させる場合に比して、オイルに作用する遠心力を増大させることができるので、給油部材に導入されるオイル量を増大させて変速機ケース内の要潤滑部に供給するオイル供給量を増大させることができる。したがって、変速機ケース内の要潤滑部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させることができる。特に低車速時において、給油部材に導入されるオイル量を増大させることができ、前記効果を有効に得ることができる。
また、変速機は、アウトプットリダクションタイプの変速機であり、ギヤ列は、1速段用ギヤ列又は2速段用ギヤ列であることにより、第2ギヤの外径が比較的大きく形成された1速段用ギヤ列又は2速段用ギヤ列の第1ギヤに隣接してガイド部材を設けることで、オイルの貯留レベルを低減させることができ、前記効果を有効に得ることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、給油部材は、変速機ケース内の上部に配設され、該給油部材に導入されたオイルを変速機ケース内の要潤滑部に供給するように構成されることにより、変速機ケース内の上部からオイルを要潤滑部に供給することができる。
また、請求項に記載の発明によれば、ガイド部材の壁面に、第1ギヤの軸方向に窪むと共に径方向に延びるガイド溝部が形成されることにより、ガイド部材に付着させるオイル量を増大させることができ、前記効果をより有効に奏することができる。
本発明の第1実施形態に係る潤滑構造を備えた変速機を模式的に示す図である。 図1におけるY2−Y2線に沿った変速機の断面図である。 前記変速機の1速段用ギヤ列の斜視図である。 前記変速機の1速段用ギヤ列の別の斜視図である。 前記変速機のガイド部材の変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る潤滑構造を備えた変速機を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る潤滑構造を備えた変速機を模式的に示す図である。図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る変速機1は、フロントエンジン・リアドライブ車用の縦置き式の手動変速機であり、前進6速、後退1速を達成可能に構成されている。変速機1は、車両前方側から順に配置されるクラッチハウジング2、ミッションケース3及びエクステンションハウジング4によって構成される変速機ケース5を有している。
変速機ケース5内には、図示しないエンジンなどの駆動源の出力軸6にクラッチ7を介して接続される入力軸10と、入力軸10と同一軸線上に配設されると共に駆動輪としての後輪に連結される出力軸20とが備えられ、入力軸10の反駆動源側の端部が出力軸20の駆動源側の端部に回転可能に嵌合されている。
入力軸10は、駆動源側がクラッチハウジング2に設けられた縦壁部2aに軸受41を介して回転自在に支持され、出力軸20は、駆動源側がミッションケース3に設けられた縦壁部3a及びエクステンションハウジング4に設けられた縦壁部4aにそれぞれ軸受42及び軸受43を介して回転自在に支持されている。
また、変速機ケース5内には、入力軸10及び出力軸20より低位置に、入力軸10及び出力軸20と平行に配置されたカウンタ軸30が備えられている。カウンタ軸30は、駆動源側がクラッチハウジング2の縦壁部2aに軸受44を介して回転自在に支持され、反駆動源側がミッションケース3の縦壁部3aに及びエクステンションハウジング4の縦壁部4aにそれぞれ軸受45及び軸受46を介して回転自在に支持されている。
入力軸10には、図1において駆動源側から順に、後退速段用駆動ギヤ11、1速段用駆動ギヤ12、2速段用駆動ギヤ13、3速段用駆動ギヤ14、4速段用駆動ギヤ15及び5速段用駆動ギヤ16が設けられている。後退速段用駆動ギヤ11、1速段用駆動ギヤ12、2速段用駆動ギヤ13、3速段用駆動ギヤ14及び4速段用駆動ギヤ15は、入力軸10に固設されており、5速段用駆動ギヤ16は、入力軸10に遊嵌合されている。後退速段用駆動ギヤ11と1速段用駆動ギヤ12とは一体的に形成されている。また、出力軸20には、出力用被動ギヤ17が固設して設けられている。
カウンタ軸30には、図1において駆動源側から順に、後退速段用被動ギヤ21、1速段用被動ギヤ22、2速段用被動ギヤ23、3速段用被動ギヤ24、4速段用被動ギヤ25、5速段用被動ギヤ26及び出力用駆動ギヤ27が設けられている。後退速段用被動ギヤ21、1速段用被動ギヤ22、2速段用被動ギヤ23、3速段用被動ギヤ24及び4速段用被動ギヤ25は、カウンタ軸30に遊嵌合され、5速段用被動ギヤ26及び出力用駆動ギヤ27は、カウンタ軸30に固設されている。
そして、入力軸10に設けられた1速段用駆動ギヤ12、2速段用駆動ギヤ13、3速段用駆動ギヤ14、4速段用駆動ギヤ15、5速段用駆動ギヤ16と、カウンタ軸30に設けられて1速段用駆動ギヤ12、2速段用駆動ギヤ13、3速段用駆動ギヤ14、4速段用駆動ギヤ15、5速段用駆動ギヤ16にそれぞれ常時噛み合う1速段用被動ギヤ22、2速段用被動ギヤ23、3速段用被動ギヤ24、4速段用被動ギヤ25、5速段用被動ギヤ26とで、1速段用ギヤ列G1、2速段用ギヤ列G2、3速段用ギヤ列G3、4速段用ギヤ列G4、5速段用ギヤ列G5がそれぞれ構成されている。
入力軸10に設けられた1速段用ギヤ列G1から5速段用ギヤ列G5の前進変速段用ギヤ列の駆動ギヤは、変速段が小さくなるにつれて外径が小さく形成され、カウンタ軸30に設けられた1速段用ギヤ列G1から5速段用ギヤ列の被動ギヤは、変速段が小さくなるにつれて外径が大きく形成されている。
入力軸10に設けられた後退速段用駆動ギヤ11とカウンタ軸10に設けられた後退速段用被動ギヤ21とは互いに噛み合うことなく、後退速段用駆動ギヤ11と後退速段用被動ギヤ21とはそれぞれ、変速機ケース5内に入力軸10、出力軸20及びカウンタ軸30に平行に配設されたリバース軸(不図示)に遊嵌合された後退速段用アイドルギヤ(不図示)に常時噛み合い、後退速段用駆動ギヤ11と後退速段用被動ギヤ21と後退速段用アイドルギヤとで、後退速段用ギヤ列GRが構成されている。
また、出力軸20に設けられた出力用被動ギヤ17とカウンタ軸30に設けられて出力用被動ギヤ17に常時噛み合う出力用駆動ギヤ27とで、カウンタ軸30の回転を一定の減速比で減速して出力軸20に伝達する減速用ギヤ列GNが構成され、減速用ギヤ列GNは、5速段用ギヤ列G5よりも駆動源側に設けられている。なお、減速用ギヤ列GNの減速比として1を設定することも可能である。
さらに、後退速段用被動ギヤ21の駆動源側に後退速段用同期装置51が設けられ、1速段用被動ギヤ22と2速段用被動ギヤ23との間に1−2速段用同期装置52が設けられ、3速段用被動ギヤ24と4速段用被動ギヤ25との間に3−4速段用同期装置53が設けられ、5速段用駆動ギヤ16の反駆動源側に5−6速段用同期装置54が設けられている。
後退速段用同期装置51は、チェンジレバー(不図示)が後退速に操作されたときに、後退速段用被動ギヤ21をカウンタ軸30に固定して後退速段用ギヤ列GRを動力伝達状態とするようになっている。
チェンジレバーが後退速に操作されたときは、後退速段用同期装置51によって後退速段用被動ギヤ21とカウンタ軸30とが連結されて、入力軸10の回転が、後退速段用ギヤ列GRによりカウンタ軸30に伝達され、カウンタ軸30に伝達された回転が、減速用ギヤ列GNにより一定の減速比で減速されて出力軸20に伝達されるようになっている。
1−2速段用同期装置52は、チェンジレバーが1速又は2速に操作されたときに、1速段用被動ギヤ22又は2速段用被動ギヤ23をカウンタ軸30に固定して1速段用ギヤ列G1又は2速段用ギヤ列G2を動力伝達状態とするようになっている。
チェンジレバーが1速又は2速に操作されたときは、1−2速段用同期装置52によって1速段用被動ギヤ22又は2速段用被動ギヤ23とカウンタ軸30とが連結されて、入力軸10の回転が、1速段用ギヤ列G1又は2速段用ギヤ列G2によりカウンタ軸30に伝達され、カウンタ軸30に伝達された回転が、減速用ギヤ列GNにより一定の減速比で減速されて出力軸20に伝達されるようになっている。
3−4速段用同期装置53は、チェンジレバーが3速又は4速に操作されたときに、3速段用被動ギヤ24又は4速段用被動ギヤ25をカウンタ軸30に固定して3速段用ギヤ列G3又は4速段用ギヤ列G4を動力伝達状態とするようになっている。
チェンジレバーが3速又は4速に操作されたときは、3−4速段用同期装置53によって3速段用被動ギヤ24又は4速段用被動ギヤ25とカウンタ軸30とが連結されて、入力軸10の回転が、3速段用ギヤ列G3又は4速段用ギヤ列G4によりカウンタ軸30に伝達され、カウンタ軸30に伝達された回転が、減速用ギヤ列GNにより一定の減速比で減速されて出力軸20に伝達されるようになっている。
5−6速段用同期装置54は、チェンジレバーが5速に操作されたときに、5速段用駆動ギヤ16を入力軸10に固定して5速段用ギヤ列G5を動力伝達状態とし、チェンジレバーが6速に操作されたときに、入力軸10と出力軸20とを直接連結するようになっている。
チェンジレバーが5速に操作されたときは、5−6速段用同期装置54によって5速段用駆動ギヤ16と入力軸10とが連結されて、入力軸10の回転が、5速段用ギヤ列G5によりカウンタ軸30に伝達され、カウンタ軸30に伝達された回転が、減速用ギヤ列GNにより一定の減速比で減速されて出力軸20に伝達されるようになっている。一方、チェンジレバーが6速に操作されたときは、5−6速段用同期装置54によって入力軸10と出力軸20とが連結されて、入力軸10の回転が、カウンタ軸30を経由することなく直接出力軸20に伝達されるようになっている。
このように、本実施形態に係る変速機1は、入力軸10の回転を入力軸10とカウンタ軸30との間に設けられた変速段用ギヤ列GR、G1、G2、G3、G4、G5により減速してカウンタ軸30に伝達し、カウンタ軸30に伝達された回転を減速用ギヤ列GNにより一定の減速比で減速して出力軸20に伝達するアウトプットリダクションタイプの手動変速機となっている。
変速機1ではまた、変速機ケース5内の底部にオイルを貯留するオイル貯留部5aが設けられ、変速機ケース5内の上部にオイル貯留部5aから掻き揚げられたオイルを変速機ケース5内の要潤滑部に供給するための給油部材65が配設されている。
図2は、図1におけるY2−Y2線に沿った変速機の断面図であり、図3は、前記変速機の1速段用ギヤ列の斜視図、図4は、前記変速機の1速段用ギヤ列の別の斜視図である。図1及び図2に示すように、給油部材65は、底面部65aと両側の側面部65bとを備えて桶状に形成され、該給油部材65に導入されたオイルを変速機ケース5内の要潤滑部、例えば軸受41〜46、入力軸10と駆動ギヤ16との嵌合面、カウンタ軸30と被動ギヤ21〜25との嵌合面、駆動ギヤ11〜16と被動ギヤ21〜26とのギヤ噛合部などに供給するように構成されている。
図2に示すように、車両の前進時には、入力軸10はR1方向に回転し、カウンタ軸30はR2方向に回転し、給油部材65は、変速機ケース5内の上部において入力軸10の軸心よりも上方側で入力軸10の回転方向前側に配置されている。変速機ケース5にはまた、変速機ケース5、具体的にはミッションケース3の天井面に付着したオイルを給油部材65に案内するリブ3bが給油部材65の上方において下方に延びるように設けられている。
変速機1では、各ギヤ列GR、G1〜G5、GNを構成する入力軸10又は出力軸20に設けられたギヤ11〜17及びカウンタ軸30に設けられたギヤ21〜27はそれぞれ、ヘリカルギヤとされ、該ギヤの軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部を備えている。
図3及び図4に示すように、2速段用ギヤ列G2では、入力軸10に設けられた2速段用駆動ギヤ13は、該ギヤ13の軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部13aを備え、歯部13aは、入力軸10がR1方向に回転されるときに歯部13aの駆動源側が回転方向前側に位置して歯部13aの反駆動源側が回転方向後側に位置するように形成されている。
カウンタ軸30に設けられて2速段用駆動ギヤ13に噛み合う2速段用被動ギヤ23もまた、該ギヤ23の軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部23aを備えている。入力軸10がR1方向に回転されるときに2速段用被動ギヤ23はR2方向に回転され、歯部23aは、歯部23aの駆動源側が回転方向前側に位置して歯部23aの反駆動源側が回転方向後側に位置するように形成されている。
後退速段用ギヤ列GR、1速段用ギヤ列G1、3速段用ギヤ列G3、4速段用ギヤ列G4、5速段用ギヤ列G5及び減速用ギヤ列GNについても同様に、該ギヤ列を構成するギヤは、ギヤの軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部を備え、歯部は、歯部の駆動源側が回転方向前側に位置して歯部の反駆動源側が回転方向後側に位置するように形成されている。なお、前記歯部は、歯部の反駆動源側が回転方向前側に位置して歯部の駆動源側が回転方向後側に位置するように形成してもよい。
図1から図4に示すように、変速機1はまた、2速段用ギヤ列G2を構成する2速段用駆動ギヤ13に隣接して、オイル貯留部5aから掻き揚げられたオイルを給油部材65に案内するガイド部材60が結合されている。ガイド部材60は、2速段用駆動ギヤ13の軸方向における歯部13aの回転方向後側に位置する側である反駆動源側に隣接して設けられている。
ガイド部材60は、2速段用駆動ギヤ13の軸方向に所定厚さを有する中空円筒状に形成され、2速段用駆動ギヤ13に対向する側に2速段用駆動ギヤ13の歯部13aを超える外径を有する壁面60aを備えている。ガイド部材60の壁面60aは、2速段用駆動ギヤ13の軸方向と略直交する方向に平面状に形成されている。
ガイド部材60はまた、壁面60aの内周側に2速段用駆動ギヤ13側に延びると共に2速段用駆動ギヤ13の歯部13aより小さい外径を有する連結部60bを備え、連結部60bを介して2速段用駆動ギヤ13に結合されている。ガイド部材60は、2速段用駆動ギヤ13と一体的に形成されてもよく、また2速段用駆動ギヤ13と別体で形成して圧入等を用いて2速段用駆動ギヤ13と結合するようにしてもよい。
変速機1では、オイル貯留部5aに貯留されるオイルの貯留レベルOLは、1速段用被動ギヤ22の下部に位置する歯部及び2速段用被動ギヤ23の下部に位置する歯部23aがそれぞれオイル液面下に位置し、3速段用被動ギヤ24の下部に位置する歯部がオイル液面上に位置するように設定されている。
これにより、2速段用ギヤ列G2において、入力軸10がR1方向に回転される際、カウンタ軸30に設けられた被動ギヤ23のR2方向への回転によってオイル貯留部5aからオイルが掻き揚げられ、掻き揚げられたオイルは、図3の一点鎖線A1で示す領域のように、被動ギヤ23の歯部23aに付着され、歯部23aの捩れ角によって歯部23aの反駆動源側に移動しつつ上方へ移動される。
被動ギヤ23の歯部23aに付着されたオイルは、被動ギヤ23と駆動ギヤ13とのギヤ噛合部63を介して駆動ギヤ13の下部に位置する歯部13aに付着され、付着されたオイルは、図4の一点鎖線A2で示す領域のように、歯部13aの捩れ角によって歯部13aの反駆動源側に移動しつつ上方へ移動される。
駆動ギヤ13の歯部13aの反駆動源側に移動しつつ上方へ移動されるオイルはまた、駆動ギヤ13の反駆動源側に設けられたガイド部材60の壁面60aに付着され、ガイド部材60の壁面60aに付着したオイルは、図2に示すように、駆動ギヤ13と共にR1方向に回転されるガイド部材60の回転によってガイド部材60の周縁部60cから飛散されて給油部材65に導入される。そして、給油部材65に導入されたオイルは、変速機ケース5内の要潤滑部に供給される。
本実施形態では、ガイド部材60は、2速段用ギヤ列G2の駆動ギヤ13に隣接して設けられているが、2速段用ギヤ列G2の駆動ギヤ13に代えて1速段用ギヤ列G1の駆動ギヤ12に隣接して設けるようにしてもよく、また2速段用ギヤ列G2の駆動ギヤ13に加えて1速段用ギヤ列G1の駆動ギヤ12に隣接して設けるようにしてもよい。
1速段用ギヤ列G1の駆動ギヤ12に隣接してガイド部材が設けられる場合においても、ガイド部材は、駆動ギヤ12の軸方向における歯部の回転方向後側に位置する側に隣接して設けられ、駆動ギヤ12の歯部を超える外径を有する壁面を備えてオイルを給油部材65に案内するように形成される。
このように、本実施形態に係る変速機1の潤滑構造では、入力軸10に設けられた第1ギヤ12、13と低位置に配置されたカウンタ軸30に設けられて第1ギヤ12、13に噛み合う第2ギヤ22、23とでなるギヤ列G1、G2と、第2ギヤ22、23によって掻き揚げられたオイルを変速機ケース5内の要潤滑部に供給する給油部材65とが備えられている。
そして、第1ギヤ12、13及び第2ギヤ22、23はそれぞれ、軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部13a、23aを備え、第1ギヤ12、13の軸方向における歯部13aの回転方向後側に位置する側に隣接して、第1ギヤ12、13の歯部13aを超える外径を有する壁面60aを備えたガイド部材60が設けられている。
これにより、第2ギヤ22、23の歯部がオイル液面下に位置するように変速機ケース5内にオイルを貯留することで、第2ギヤ22、23の回転によって掻き揚げられたオイルを、第2ギヤ22、23と第1ギヤ12、13とのギヤ噛合部63を介して第1ギヤ12、13に付着させ、第1ギヤ12、13の歯部13aの捩れ角によって第1ギヤ12、13の回転に伴ってガイド部材60に付着させ、ガイド部材60の回転に伴ってガイド部材60から飛散させて給油部材65に導入させることができる。
ガイド部材60は第1ギヤ12、13を超える外径を有していることから、第2ギヤ22、23の回転によって掻き揚げられたオイルを第1ギヤ12、13から飛散させる場合に比して、オイルに作用する遠心力を増大させることができるので、給油部材65に導入されるオイル量を増大させて変速機ケース5内の要潤滑部に供給するオイル供給量を増大させることができる。したがって、変速機ケース5内の要潤滑部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させることができる。特に低車速時において、給油部材65に導入されるオイル量を増大させることができ、前記効果を有効に得ることができる。
また、変速機1は、アウトプットリダクションタイプの変速機であり、前記ギヤ列G1、G2は、1速段用ギヤ列G1又は2速段用ギヤ列G2であることにより、第2ギヤ22、23の外径が比較的大きく形成された1速段用ギヤ列G1又は2速段用ギヤ列G2の第1ギヤ12、13に隣接してガイド部材60を設けることで、オイルの貯留レベルを低減させることができる。
また、給油部材65は、変速機ケース5内の上部に配設され、該給油部材65に導入されたオイルを変速機ケース5内の要潤滑部に供給するように構成されることにより、変速機ケース5内の上部からオイルを要潤滑部に供給することができる。
前述した実施形態では、ガイド部材60は、駆動ギヤ13の軸方向と略直交する方向に平面状に形成された壁面60aを備えているが、ガイド部材60の壁面60aに駆動ギヤ13の軸方向に窪むガイド溝部を設けることも可能である。
図5は、前記変速機のガイド部材の変形例を示す図である。図5に示すように、2速段用駆動ギヤ13に隣接して設けられるガイド部材60の壁面60aに、駆動ギヤ13の軸方向に窪むと共に径方向に延びるガイド溝部60dを設けることも可能である。
ガイド溝部60dは、ガイド部材60の周方向に等間隔に複数設けられ、隣接するガイド溝部60dの間にはそれぞれ駆動ギヤ13側に突出する突出部60eが形成されている。突出部60eは、図5に示すように、壁面60aの内周側から外周側に周縁部60cまで径方向に延び、好ましくは、ガイド部材60がR1方向に回転されるときに該突出部60eの径方向外方側が該突出部60eの径方向内方側に比して回転方向後側に位置するように形成される。
このように、ガイド部材60の壁面62aに、駆動ギヤ13の軸方向に窪むと共に径方向に延びるガイド溝部60dが形成されることにより、ガイド部材60に付着させるオイル量を増大させることができ、給油部材65に導入されるオイル量をさらに増大させることができる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る潤滑構造を備えた変速機を模式的に示す図である。図6に示すように、第2実施形態に係る変速機101についても、フロントエンジン・リアドライブ車用の縦置き式の手動変速機であり、前進6速、後退1速を達成可能に構成されている。第2実施形態に係る変速機101について、第1実施形態に係る変速機1と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
変速機101についても、変速機ケース5内には、駆動源の出力軸6にクラッチ7を介して接続される入力軸110と、入力軸110と同一軸線上に配設されると共に駆動輪としての後輪に連結される出力軸120とが備えられ、出力軸120の駆動源側の端部は、入力軸110の反駆動源側の端部に回転可能に嵌合されている。
入力軸110は、変速機ケース5に軸受141を介して回転自在に支持され、出力軸120は、変速機ケース5に軸受142及び軸受143を介して回転自在に支持されている。
変速機ケース5内にはまた、入力軸110及び出力軸120より低位置に、入力軸110及び出力軸120と平行に配置されたカウンタ軸130が備えられ、カウンタ軸130は、変速機ケース5に軸受144、145を介して回転自在に支持されている。
入力軸110には、入力用駆動ギヤ111が固設して設けられている。また、出力軸120には、図6において駆動源側から順に、5速段用被動ギヤ112、2速段用被動ギヤ113、1速段用被動ギヤ114、4速段用被動ギヤ115、3速段用被動ギヤ116、後退速段用被動ギヤ117が遊嵌合して設けられている。
カウンタ軸130には、図6において駆動源側から順に、入力用被動ギヤ121、5速段用駆動ギヤ122、2速段用駆動ギヤ123、1速段用駆動ギヤ124、4速段用駆動ギヤ125、3速段用駆動ギヤ126、後退速段用駆動ギヤ127が固設して設けられている。
そして、入力軸110に設けられた入力用駆動ギヤ111とカウンタ軸130に設けられて入力用駆動ギヤ111に常時噛み合う入力用被動ギヤ121とで、入力軸110の回転を一定の減速比で減速してカウンタ軸130に伝達する減速用ギヤ列GNが構成されている。
また、出力軸120に設けられた1速段用被動ギヤ114、2速段用被動ギヤ113、3速段用被動ギヤ116、4速段用被動ギヤ115、5速段用被動ギヤ112と、カウンタ軸130に設けられて1速段用被動ギヤ114、2速段用被動ギヤ113、3速段用被動ギヤ116、4速段用被動ギヤ115、5速段用被動ギヤ112にそれぞれ常時噛み合う1速段用駆動ギヤ124、2速段用駆動ギヤ123、3速段用駆動ギヤ126、4速段用駆動ギヤ125、5速段用駆動ギヤ122とで、1速段用ギヤ列G1、2速段用ギヤ列G2、3速段用ギヤ列G3、4速段用ギヤ列G4、5速段用ギヤ列G5がそれぞれ構成されている。
出力軸120に設けられた1速段用ギヤ列G1から5速段用ギヤ列G5の前進変速段用ギヤ列の被動ギヤは、変速段が大きくなるにつれて外径が小さく形成され、カウンタ軸130に設けられた1速段用ギヤ列G1から5速段用ギヤ列G5の駆動ギヤは、変速段が大きくなるにつれて外径が大きく形成されている。
出力軸120に設けられた後退速段用被動ギヤ117とカウンタ軸130に設けられた後退速段用駆動ギヤ127とは互いに噛み合うことなく、後退速段用被動ギヤ117と後退速段用駆動ギヤ127とはそれぞれ、変速機ケース5内に入力軸110、出力軸120及びカウンタ軸130に平行に配設されたリバース軸(不図示)に遊嵌合された後退速段用アイドルギヤ(不図示)に常時噛み合い、後退速段用被動ギヤ117と後退速段用駆動ギヤ127と後退速段用アイドルギヤとで、後退速段用ギヤ列GRが構成されている。
さらに、5速段用被動ギヤ112の駆動源側に5−6速段用同期装置151が設けられ、1速段用被動ギヤ114と2速段用被動ギヤ113との間に1−2速段用同期装置152が設けられ、3速段用被動ギヤ116と4速段用被動ギヤ115との間に3−4速段用同期装置153が設けられ、後退速段用被動ギヤ117の反駆動源側に後退速段用同期装置154が設けられている。
5−6速段用同期装置151は、チェンジレバーが5速に操作されたときに、5速段用被動ギヤ112を出力軸120に固定して5速段用ギヤ列G5を動力伝達状態とし、チェンジレバーが6速に操作されたときに、入力軸110と出力軸120とを直接連結するようになっている。
チェンジレバーが5速に操作されたときは、5−6速段用同期装置151によって5速段用被動ギヤ112と出力軸120とが連結されて、入力軸110の回転が、減速用ギヤ列GNにより一定の減速比で減速されてカウンタ軸130に伝達され、カウンタ軸130に伝達された回転が、5速段用ギヤ列G5により出力軸120に伝達されるようになっている。一方、チェンジレバーが6速に操作されたときは、5−6速段用同期装置151によって入力軸110と出力軸120とが連結されて、入力軸110の回転が、カウンタ軸130を経由することなく直接出力軸120に伝達されるようになっている。
1−2速段用同期装置152は、チェンジレバーが1速又は2速に操作されたときに、1速段用被動ギヤ114又は2速段用被動113を出力軸120に固定して1速段用ギヤ列G1又は2速段用ギヤ列G2を動力伝達状態とするようになっている。
チェンジレバーが1速又は2速に操作されたときは、1−2速段用同期装置152によって1速段用被動ギヤ114又は2速段用被動113と出力軸120とが連結されて、入力軸110の回転が、減速用ギヤ列GNにより一定の減速比で減速されてカウンタ軸130に伝達され、カウンタ軸130に伝達された回転が、1速段用ギヤ列G1又は2速段用ギヤ列G2により出力軸120に伝達されるようになっている。
3−4速段用同期装置153は、チェンジレバーが3速又は4速に操作されたときに、3速段用被動ギヤ116又は4速段用被動ギヤ115を出力軸120に固定して3速段用ギヤ列G3又は4速段用ギヤ列G4を動力伝達状態とするようになっている。
チェンジレバーが3速又は4速に操作されたときは、3−4速段用同期装置153によって3速段用被動ギヤ116又は4速段用被動115と出力軸120とが連結されて、入力軸110の回転が、減速用ギヤ列GNにより一定の減速比で減速されてカウンタ軸130に伝達され、カウンタ軸130に伝達された回転が、3速段用ギヤ列G3又は4速段用ギヤ列G4により出力軸120に伝達されるようになっている。
後退速段用同期装置154は、チェンジレバーが後退速に操作されたときに、後退速段用被動ギヤ117を出力軸120に固定して後退速段用ギヤ列GRを動力伝達状態とするようになっている。
チェンジレバーが後退速に操作されたときは、後退速段用同期装置154によって後退速段用被動ギヤ117と出力軸120とが連結されて、入力軸110の回転が、減速用ギヤ列GNにより一定の減速比で減速されてカウンタ軸130に伝達され、カウンタ軸130に伝達された回転が、後退速段用ギヤ列GRにより出力軸120に伝達されるようになっている。
このように、本実施形態に係る変速機101は、入力軸110の回転を減速用ギヤ列GNにより一定の減速比で減速してカウンタ軸に伝達し、カウンタ軸に伝達された回転を出力軸とカウンタ軸との間に設けられた変速段用ギヤ列により出力軸に伝達するインプットリダクションタイプの手動変速機となっている。
変速機101についても、変速機1と同様に、変速機ケース5にオイル貯留部5aが設けられ、変速機ケース5内の上部に給油部材65が配設され、給油部材65は、該給油部材65に導入されたオイルを変速機ケース5内の要潤滑部に供給するように構成されている。
また、各ギヤ列GR、G1〜G5、GNを構成する入力軸110又は出力軸120に設けられたギヤ111〜117及びカウンタ軸130に設けられたギヤ121〜127はそれぞれ、ヘリカルギヤとされ、該ギヤの軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部を備えている。
変速機101はまた、5速段用ギヤ列G5を構成する5速段用被動ギヤ112に隣接して、オイル貯留部5aから掻き揚げられたオイルを給油部材65に案内するガイド部材160が結合されている。ガイド部材160は、ガイド部材60と同様に形成され、5速段用被動ギヤ112の軸方向における歯部の回転方向後側に位置する側に隣接して設けられている。
ガイド部材160についても、5速段用被動ギヤ112に対向する側に5速段用被動ギヤ112の歯部を超える外径を有する壁面を備え、該壁面は、5速段用駆動ギヤ112の軸方向と略直交する方向に平面状に形成されている。なお、ガイド部材160の前記壁面に、図5に示すように、5速段用被動ギヤ112の軸方向に窪むガイド溝部を設けることも可能である。
変速機101では、オイル貯留部5aに貯留されるオイルの貯留レベルOLは、入力用被動ギヤ121、5速段用駆動ギヤ122、4速段用駆動ギヤ125の下部に位置する歯部がそれぞれオイル液面下に位置し、3速段用駆動ギヤ126の下部に位置する歯部がオイル液面上に位置するように設定されている。
これにより、5速段用ギヤ列G5において、入力軸110が回転される際、カウンタ軸130に設けられた駆動ギヤ122も回転され、駆動ギヤ122の回転によってオイル貯留部5aからオイルが掻き揚げられ、掻き揚げられたオイルは、駆動ギヤ122の歯部に付着され、歯部の捩れ角によって歯部の回転方向後側に位置する側に移動しつつ上方へ移動される。
駆動ギヤ122の歯部に付着されたオイルは、駆動ギヤ122と被動ギヤ112とのギヤ噛合部163を介して被動ギヤ112の下部に位置する歯部に付着され、付着されたオイルは、歯部の捩れ角によって歯部の回転方向後側に位置する側に移動しつつ上方へ移動される。
被動ギヤ112の歯部の回転方向後側に移動しつつ上方へ移動されるオイルはまた、被動ギヤ112に隣接してガイド部材160の壁面に付着され、ガイド部材160の壁面に付着したオイルは、ガイド部材160の回転によってガイド部材160の周縁部から飛散されて給油部材65に導入される。そして、給油部材65に導入されたオイルは、変速機ケース5内の要潤滑部に供給される。
本実施形態では、ガイド部材160は、5速段用ギヤ列G5の被動ギヤ112に隣接して設けられているが、5速段用ギヤ列G5の被動ギヤ112に代えて4速段用ギヤ列G4の被動ギヤ115に隣接して設けるようにしてもよく、また5速段用ギヤ列G5の被動ギヤ112に加えて4速段用ギヤ列G4の被動ギヤ115に隣接して設けるようにしてもよい。
4速段用ギヤ列G4の被動ギヤ115に隣接してガイド部材が設けられる場合においても、ガイド部材は、被動ギヤ115の軸方向における歯部の回転方向後側に位置する側に隣接して設けられ、被動ギヤ115の歯部を超える外径を有する壁面を備えてオイルを給油部材65に案内するように形成される。
このように、本実施形態に係る変速機101の潤滑構造においても、入力軸110に設けられた第1ギヤ112、115と低位置に配置されたカウンタ軸130に設けられて第1ギヤ112、115に噛み合う第2ギヤ122、125とでなるギヤ列G5、G4と、第2ギヤ122、125によって掻き揚げられたオイルを変速機ケース5内の要潤滑部に供給する給油部材65とが備えられている。
そして、第1ギヤ112、115及び第2ギヤ122、125はそれぞれ、軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部を備え、第1ギヤ112、115の軸方向における歯部の回転方向後側に位置する側に隣接して、第1ギヤ112、115の歯部を超える外径を有する壁面を備えたガイド部材160が設けられている。
これにより、第2ギヤ122、125の歯部がオイル液面下に位置するように変速機ケース5内にオイルを貯留することで、第2ギヤ122、125の回転によって掻き揚げられたオイルを、第2ギヤ122、125と第1ギヤ112、115とのギヤ噛合部163を介して第1ギヤ112、115に付着させ、第1ギヤ112、115の歯部の捩れ角によって第1ギヤ112、115の回転に伴ってガイド部材160に付着させ、ガイド部材160の回転に伴ってガイド部材160から飛散させて給油部材65に導入させることができる。
ガイド部材160は第1ギヤ112、115を超える外径を有していることから、第2ギヤ122、125の回転によって掻き揚げられたオイルを第1ギヤ112、115から飛散させる場合に比して、オイルに作用する遠心力を増大させることができるので、給油部材65に導入されるオイル量を増大させて変速機ケース5内の要潤滑部に供給するオイル供給量を増大させることができる。したがって、変速機ケース5内の要潤滑部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させることができる。
また、変速機101は、インプットリダクションタイプの変速機であり、ギヤ列G5、G4は、5速段用ギヤ列G5又は4速段用ギヤ列G4であることにより、第2ギヤ122、125の外径が比較的大きく形成された5速段用ギヤ列G5又は4速段用ギヤ列G4の第1ギヤ112、115に隣接してガイド部材160を設けることで、オイルの貯留レベルを低減させることができる。
前述した実施形態では、変速機101において、ガイド部材160は、5速段用ギヤ列G5、4速段用ギヤ列G4の被動ギヤ112、115に隣接して設けられるが、ガイド部材を、減速用ギヤ列GNの入力用駆動ギヤ111に隣接して設けることも可能である。
変速機101では、カウンタ軸130に設けられた入力用被動ギヤ121は、該入力用被動ギヤ121の下部に位置する歯部がオイル液面下に位置するように設けられ、減速用ギヤ列GNを構成する入力軸110に設けられた入力用駆動ギヤ111に隣接して、オイル貯留部5aから掻き揚げられたオイルを給油部材65に案内するガイド部材を設けることも可能である。
前記ガイド部材についても、ガイド部材60と同様に、前記ガイド部材は、入力用駆動ギヤ111の軸方向における入力用駆動ギヤ111の歯部の回転方向後側に位置する側に隣接して設けられ、入力用駆動ギヤ111の歯部を超える外径を有する壁面が備えられる。
このように、インプットリダクションタイプの変速機101において、減速用ギヤ列GNの入力用駆動ギヤ111に隣接して、該入力用駆動ギヤ111の歯部を超える外径を有する壁面を備えてオイルを給油部材65に案内するガイド部材を設けることも可能である。
入力用被動ギヤ121の外径が比較的大きく形成された減速用ギヤ列GNの入力用駆動ギヤ111に隣接してガイド部材を設けることで、変速機ケース5内の要潤滑部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させることができる。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
以上のように、本発明によれば、変速機ケース内の要潤滑部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させることが可能であるから、縦置き式の手動変速機などの変速機ないしこれを搭載する車両の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
1、101 変速機
5 変速機ケース
10、110 入力軸
11、21、117、127 後退速段用ギヤ
12、22、114、124 1速段用ギヤ
13、23、113、123 2速段用ギヤ
13a、23a 歯部
14、24、116、126 3速段用ギヤ
15、25、115、125 4速段用ギヤ
16、26、112、122 5速段用ギヤ
17、27 出力用ギヤ
20、120 出力軸
30、130 カウンタ軸
60、160 ガイド部材
65 給油部材
111、121 入力用ギヤ
G1 1速段用ギヤ列
G2 2速段用ギヤ列
G3 3速段用ギヤ列
G4 4速段用ギヤ列
G5 5速段用ギヤ列
GN 減速用ギヤ列
GR 後退速段用ギヤ列

Claims (3)

  1. 同一軸線上に配置された入力軸及び出力軸と、前記入力軸及び出力軸より低位置で前記入力軸及び出力軸と平行に配置されたカウンタ軸と、前記入力軸又は前記出力軸に設けられた第1ギヤと前記カウンタ軸に設けられて前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤとでなるギヤ列と、前記第2ギヤによって掻き揚げられたオイルを変速機ケース内の要潤滑部に供給する給油部材とを備えた変速機の潤滑構造であって、
    前記第1ギヤ及び前記第2ギヤはそれぞれ、軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部を備え、
    前記第1ギヤは、前記変速機ケースの底部に設けられたオイル貯留部に貯留されたオイルの液面より上方に配置され、
    前記第1ギヤの軸方向における前記歯部の回転方向後側に位置する側に隣接して、前記歯部を超える外径を有する壁面を備えてオイルを前記給油部材に案内するガイド部材が設けられ、
    前記変速機は、前記入力軸の回転を前記入力軸と前記カウンタ軸との間に設けられた変速段用ギヤ列により減速して前記カウンタ軸に伝達し、前記カウンタ軸に伝達された回転を減速用ギヤ列により一定の減速比で減速して前記出力軸に伝達するアウトプットリダクションタイプの変速機であり、
    前記第1ギヤは、前記入力軸に固設された1速段用駆動ギヤ又は2速段用駆動ギヤであり、
    前記第2ギヤは、前記カウンタ軸に遊嵌合されて前記第1ギヤに噛み合う1速段用被動ギヤ又は2速段用被動ギヤであり、
    前記第1ギヤと前記第2ギヤとでなる前記ギヤ列は、1速段用ギヤ列又は2速段用ギヤ列である、
    ことを特徴とする変速機の潤滑構造。
  2. 前記給油部材は、前記変速機ケース内の上部に配設され、該給油部材に導入されたオイルを前記変速機ケース内の要潤滑部に供給するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の潤滑構造。
  3. 前記ガイド部材の前記壁面に、前記第1ギヤの軸方向に窪むと共に径方向に延びるガイド溝部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機の潤滑構造。
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