JP6357042B2 - ガス軟窒化方法およびガス軟窒化装置 - Google Patents

ガス軟窒化方法およびガス軟窒化装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガスにより鋼の表面層に窒素を侵入させて表面を硬化させるガス軟窒化方法およびガス軟窒化装置に関する。
従来、ガスにより鋼の表面層に窒素(N)を侵入させて表面を硬化させる手法として、ガス窒化およびガス軟窒化が知られている。このうち、ガス窒化は、窒化鋼や合金鋼等の比較的高級な鋼材を対象としたものであり、窒素を侵入させることによって鋼中に含まれるアルミニウム(Al)、クロム(Cr)およびモリブデン(Mo)等の窒化物を主に生成し、これらの窒化物を含んだ拡散層を形成することで表面を硬化させる手法である。一方、ガス軟窒化は、炭素鋼等の比較的低級な鋼材を対象としたものであり、窒素を侵入させることによってFe2−3NやFeN等の窒化鉄を生成し、これらの窒化鉄を含んだ化合物層を形成することで表面を硬化させる手法である。
窒化に使用される雰囲気ガスとしては、ガス窒化では一般にアンモニアガス(NH)が使用されており、次の(a)式の反応によって鋼中に窒素が供給される。
2NH → 2N+3H ・・・(a)
一方、ガス軟窒化においては、ガス窒化よりも鋼中への窒素の侵入を促進する必要があることから、鋼の表面にアンモニアの分解の触媒となる炭化物や酸化物を生成すべく、アンモニアガスにRXガス(吸熱変性ガス)や炭酸ガス(CO)を加えたものが使用される。一般的には、アンモニアガスとRXガスを略1:1で混合したガス、アンモニアガスと窒素ガスを略1:1で混合したベースガスに炭酸ガスを3〜5%程度添加したガス、およびアンモニアガスに炭酸ガスを3〜5%程度添加したガス等が、ガス軟窒化における雰囲気ガスとして使用されている(例えば、特許文献1参照)。
RXガス中には一酸化炭素(CO)が含まれており、この一酸化炭素は次の(b)式に示されるブードア反応によって炭素を供給し、触媒となる炭化物の生成に寄与する。
2CO → CO+C ・・・(b)
また、ブードア反応によって生じた二酸化炭素または雰囲気ガス中に添加された二酸化炭素は、RXガス中に含まれる水素(H)または上記(a)式によって生じた水素と次の(c)式のように反応し、水蒸気(HO)および一酸化炭素(CO)が生成される。
+CO → HO+CO ・・・(c)
そして、上記(c)式の反応により生成された水蒸気は触媒となる酸化物の生成に寄与し、一酸化炭素は上記(b)式のブードア反応により、触媒となる炭化物の生成に寄与することとなる。
特開2002−302756号公報
しかしながら、従来のガス軟窒化における雰囲気ガスでは、二酸化炭素の存在によって上記(c)式に示されるように水蒸気が生成されるため、この水蒸気によって鋼表面に過剰に酸化物が生成され、鋼中への窒素の侵入が逆に阻害される場合があった。すなわち、鋼の表面に形成された酸化物の皮膜によって鋼中への窒素の侵入が阻害され、化合物層の生成に長時間を要するだけでなく、必要な厚みの化合物層を生成できない場合があった。
また、例えば高合金鋼や高クロム鋼等のガス窒化においては、雰囲気ガスの露点を低く維持して酸化物の生成を抑制する必要があるところ、従来のガス軟窒化における水蒸気の生成によって一旦雰囲気ガスの露点が上昇した場合、同じ熱処理炉を使用して高合金鋼等のガス窒化を行うためには、長時間かけて炉内の雰囲気ガスを置換して露点を下げる必要があり、生産性が悪化するという問題があった。同様に、浸炭や浸炭窒化においても雰囲気ガスの露点がカーボンポテンシャルに顕著に影響することから、雰囲気ガスの露点を低く維持する必要がある。このため、ガス軟窒化用の熱処理炉を浸炭等の他の熱処理用として兼用することは難しく、設備費が高騰する要因となっていた。
さらに、従来のガス軟窒化における雰囲気ガスでは、アンモニアと二酸化炭酸が反応して炭酸アンモニウム((NHCO)が生成され、この炭酸アンモニウムが熱処理炉の排気管や搬出入口等で冷却されることにより固化、堆積するという問題があった。このため、従来のガス軟窒化おいては、定期的に熱処理炉を停止して堆積物の除去作業を行う必要があり、生産性が低いものとなっていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、効率的にガス軟窒化を行うことが可能なガス軟窒化方法およびガス軟窒化装置を提供しようとするものである。
(1)本発明は、処理炉内に収容した炭素鋼または低合金鋼のワークを加熱すると共に、アンモニアを含むベースガス、および鎖式不飽和炭化水素を含む添加ガスを前記熱処理炉内に供給するガス軟窒化方法であって、前記ワークを収容した前記熱処理炉内を所定の軟窒化温度に保持した状態で前記ベースガスおよび前記添加ガスを前記熱処理炉内に供給する第1の期間と、前記第1の期間後に前記熱処理炉内を前記軟窒化温度に保持した状態で前記ベースガスのみを前記熱処理炉内に供給する第2の期間と、が設定され、前記第1の期間の長さは、前記第2の期間の長さ以上に設定されることを特徴とする、ガス軟窒化方法である。
(2)本発明はまた、前記第1の期間の長さは、前記第2の期間の長さの1倍以上3倍以下の範囲内に設定されることを特徴とする、上記(1)に記載のガス軟窒化方法である。
(3)本発明はまた、前記第1の期間および前記第2の期間の合計の長さは、1.5時間以上5時間以下の範囲内に設定されることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のガス軟窒化方法である。
(4)本発明はまた、前記軟窒化温度は、540℃以上620℃以下の範囲内に設定されることを特徴とする、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のガス軟窒化方法である。
(5)本発明はまた、前記添加ガスとしてアセチレンを含むガスを使用することを特徴とする、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のガス軟窒化方法である。
(6)本発明はまた、前記熱処理炉内に供給される前記アセチレンの標準状態における体積流量は、前記熱処理炉内に供給される前記アンモニアの標準状態における体積流量の0.4%以上0.8%以下の範囲内であることを特徴とする、上記(5)に記載のガス軟窒化方法である。
(7)本発明はまた、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のガス軟窒化方法を実行することを特徴とする、ガス軟窒化装置である。
本発明に係るガス軟窒化方法およびガス軟窒化装置によれば、効率的にガス軟窒化を行うことが可能という優れた効果を奏し得る。
本発明の実施の形態に係るガス軟窒化装置の構成の一例を示した概略図である。 ガス軟窒化方法のタイムチャートの一例を示した図である。 本発明の実施例における硬さ測定の結果を示した表である。 ガス軟窒化後のSS400の断面の顕微鏡写真である。 ガス軟窒化後のSK5Mの断面の顕微鏡写真である。 ガス軟窒化後のS45Cの断面の顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
本実施形態に係るガス軟窒化方法およびガス軟窒化装置は、アンモニア(NH)を含むベースガスに添加する添加ガスとしてアセチレン(C)を使用するものであり、炭素鋼および低合金鋼(合金元素の含有量の合計が5重量%以下のもの)を対象としている。図1は、本実施形態に係るガス軟窒化装置1の構成の一例を示した概略図である。同図に示されるように、ガス軟窒化装置1は、熱処理炉10と、熱処理炉10に各種ガスを供給するガス供給装置20と、熱処理炉10内の雰囲気ガスを排出する排気装置30と、ガス軟窒化装置1の各部を制御する制御装置40とを備えている。
熱処理炉10は、被処理材であるワーク100を収容して加熱すると共に、炉内の雰囲気ガスによってガス軟窒化を行うものである。熱処理炉10は、ワーク100を収容する炉内が外部から気密状態に保たれると共に、適宜の断熱材によって保温されるように構成されている。また、熱処理炉10は、炉内を加熱する加熱装置(例えば電熱線ヒータ)12と、炉内の温度を測定する温度計(例えば熱電対)14と、炉内の圧力を測定する圧力計16と、炉内の雰囲気ガスを攪拌する攪拌装置(例えばファン)18とを備えている。また、熱処理炉10内は、適宜の治具110等に載置された状態で複数のワークを収容可能に構成されている。
ガス供給装置20は、炉内をパージするための不活性ガスと、アンモニア(NH)を含むベースガスと、鎖式不飽和炭化水素を含む添加ガスとを熱処理炉10内に供給するものである。従って、ガス供給装置20は、不活性ガスを供給する不活性ガス供給系統22と、ベースガスを供給するベースガス供給系統24と、添加ガスを供給する添加ガス供給系統26とを備えている。
不活性ガス供給系統22は、不活性ガスを収容したガスボンベ等からなる不活性ガス供給源22aと、不活性ガス供給源22aと熱処理炉10内を繋ぐ供給配管22bとを備えている。そして、供給配管22bの途中には、不活性ガスの流量を調整するための流調弁22cと、制御装置40に制御されて開閉する電磁弁22dと、不活性ガスの流量を測定する流量計22eとが設けられている。
同様に、ベースガス供給系統24は、ベースガスを収容したベースガス供給源24aと、ベースガス供給源24aと熱処理炉10内を繋ぐ供給配管24bと、ベースガスの流量を調整するための流調弁24cと、制御装置40に制御されて開閉する電磁弁24dと、ベースガスの流量を測定する流量計24eとを備えている。また、添加ガス供給系統26は、添加ガスを収容した添加ガス供給源26aと、添加ガス供給源26aと熱処理炉10内を繋ぐ供給配管26bと、添加ガスの流量を調整するための流調弁26cと、制御装置40に制御されて開閉する電磁弁26dと、添加ガスの流量を測定する流量計26eとを備えている。
不活性ガスは、熱処理炉10内に供給することで炉内の雰囲気ガスを排出して置換するためのガスである。本実施形態では、不活性ガスとして窒素ガス(N)を使用しているが、例えばアルゴン等のその他の不活性ガスを使用するようにしてもよい。ベースガスは、ワーク100中に侵入させる窒素(N)を供給するものである。本実施形態では、ベースガスとしてアンモニアガスを単体で使用しているが、アンモニアガスと不活性ガス(例えば窒素やアルゴン等)の混合ガスをベースガスとするようにしてもよい。
添加ガスは、ベースガスに添加されるガスであり、ワーク100の表面にアンモニアの分解を促進する触媒を生成するためのガスである。従来のガス軟窒化では、添加ガスとしてRXガスや炭酸ガス(CO)が使用されてきたが、本実施形態では、三重結合を有する鎖式不飽和炭化水素であるアセチレン(CH≡CH)を添加ガスとして使用している。アセチレンは浸炭性ガスであり、ワーク100の表面に吸着して次の(d)式の反応により炭素(C)と水素(H2)に分解し、ワーク100表面にアンモニアガスの分解の触媒となる炭化物(例えば、FeC等)を生成する。
→ 2C+H ・・・(d)
これにより、ワーク100中への窒素の侵入が促進されることとなる。また、アセチレンは三重結合を有することから、メタン(CH)やプロパン(C)等の鎖式飽和炭化水素と比較してワーク100表面に吸着しやすく、効率的にワーク100中への窒素の侵入を促進することができる。また、アセチレンは、従来のガス軟窒化において炭化物の生成を担っていた一酸化炭素(CO)よりもワーク100表面へ吸着しやすいだけでなく、分子中に酸素原子を含まないことから、雰囲気ガス中に水蒸気(HO)を発生させないという利点も有している。
すなわち、本実施形態では、添加ガスとしてアセチレンを使用することにより、ワーク100中への窒素の侵入を効率的に促進しながらも、高温下で酸化性を示す水蒸気が発生しないようになっている。従って、本実施形態では、ワーク100表面において酸化物が過剰に生成されるようなことがなく、酸化物によってワーク100中への窒素の侵入が阻害されにくいようになっている。これにより、本実施形態では、従来のガス軟窒化よりも効率的且つ安定的にワーク100中に窒素を侵入させることが可能であり、結果として短時間で十分な厚みの化合物層をワーク100の表面近傍に生成することが可能となっている。
また、本実施形態では、熱処理炉10内において水蒸気が発生しないことから、炉内の雰囲気ガスの露点管理が容易であり、雰囲気ガスの露点を下げる必要のあるガス窒化や、浸炭または浸炭窒化等の処理を同じ熱処理炉10を使用して連続的に行うことが可能となっている。すなわち、本実施形態によれば、ガス軟窒化後の熱処理炉10内の露点を下げるのに時間を要することがないため、ガス供給装置20および排気装置30を適宜に構成することで、ガス軟窒化装置1を他の熱処理用の装置として兼用することが可能となっている。
なお、アセチレン以外にも、例えばプロピン(CHC≡CH)や1−ブチン(CHCHC≡CH)等の三重結合を有するその他の鎖式不飽和炭化水素を添加ガスとして使用するようにしてもよいし、例えばエチレン(HC=CH)やブタジエン(CH=CH−CH=CH)等の二重結合を有するその他の鎖式不飽和炭化水素を添加ガスとして使用するようにしてもよい。また、複数種類の鎖式不飽和炭化水素を混合したガスや、鎖式不飽和炭化水素と不活性ガスの混合ガスを添加ガスとして使用するようにしてもよい。
二重結合または三重結合を有する鎖式不飽和炭化水素であれば、ワーク100表面への吸着性に富み、且つ酸素原子を含んでいないため、従来のガス軟窒化よりも効率的且つ安定的にワーク100中に窒素を侵入させると共に、炉内の雰囲気ガスの露点が上昇しないようにすることが可能となる。但し、分子量が増すと安定性が減少して煤が発生しやすくなる点、三重結合を有する方が吸着性に富む点、および入手の容易さ等を考慮すると、添加ガスとしてアセチレン単体を使用する、または添加ガスにアセチレンを含ませることが好ましい。
排気装置30は、熱処理炉10内の雰囲気ガスを適度に排出することで炉内を大気圧以上に保ち、これにより炉内への外気の流入を防止するものである。排気装置30は、熱処理炉10内に繋がる排気管32と、排気管32に設けられる電磁弁34と、排気管32に接続される分解炉36と、分解炉36の下流側に接続される燃焼塔38とを備えている。このうち、電磁弁34は制御装置40に制御されて熱処理炉10内からの雰囲気ガスの排出流量を調整するためのものである。また、分解炉36は、熱処理炉10内から排出された雰囲気ガス中に残留するアンモニアを分解するものであり、燃焼塔38は、分解炉36から排出された排出ガス中に含まれる可燃性ガスを燃焼させるものである。
制御装置40は、適宜のマイコンから構成され、ガス軟窒化装置1全体を制御するものである。制御装置40は、温度計14の信号出力に基づいて加熱装置12を制御し、熱処理炉10内を予め設定された軟窒化温度Tに昇温し、保持する。制御装置40はまた、ガス供給装置20の各電磁弁22d、24d、26dを制御し、不活性ガス、ベースガスおよび添加ガスの熱処理炉10への供給を所定のタイミングで開始または停止する。また、制御装置40は、圧力計16の信号出力に基づいて電磁弁34を制御し、熱処理炉10内からの雰囲気ガスの排出流量を調整することで、熱処理炉10内を予め設定された圧力に保持する。
次に、本実施形態のガス軟窒化方法の具体的な手順について説明する。
図2は、本実施形態のガス軟窒化方法のタイムチャートの一例を示した図である。本実施形態では、ガス軟窒化処置を開始する前に、予め流調弁22c、24c、26cの開度を調整して不活性ガス、ベースガスおよび添加ガスの供給流量を設定しておく。各ガスの供給流量は、特に限定されるものではなく、熱処理炉10内の容積やワーク100の表面積、必要な化合物層の厚み等に応じて適宜に設定すればよい。
各ガスの供給流量が適切に設定されているならば、ガス軟窒化処理を開始する。まず、制御装置40が電磁弁22dを開いて熱処理炉10内に不活性ガスを供給し、炉内の雰囲気ガスを不活性ガスに置換する。熱処理炉10内の雰囲気ガスが不活性ガスに置き換わったならば、熱処理炉10内にワーク100を配置する。
熱処理炉10内にワーク100が配置されたならば、制御装置40は加熱装置12を制御し、予め設定された昇温期間tをかけて予め設定された軟窒化温度Tまで熱処理炉10内を昇温する。制御装置40はまた、昇温の開始と略同時に電磁弁24d、26dを開いて、熱処理炉10内にベースガスおよび添加ガスの供給を開始する。昇温期間tが経過し、熱処理炉10内が軟窒化温度Tとなったならば、制御装置40は熱処理炉10内を軟窒化温度Tに保持するように加熱装置12を制御する。制御装置40はまた、熱処理炉10内が軟窒化温度Tとなったのと略同じタイミングで電磁弁22dを閉じ、不活性ガスの供給を停止する。
次に制御装置40は、熱処理炉10内が軟窒化温度Tとなった後、予め設定された第1の期間tが経過したタイミングで電磁弁26dを閉じ、添加ガスの供給を停止する。そして、第1の期間tの経過後、予め設定された第2の期間tが経過したタイミングで制御装置40は電磁弁24dを閉じ、ベースガスの供給を停止する。制御装置40はまた、第2の期間tが経過したタイミングで電磁弁22dを開いて熱処理炉10内に不活性ガスを供給し、雰囲気ガスを置換する。このとき、不活性ガスの供給流量を昇温期間t時の供給流量から変更する場合には、予め流調弁22cの開度を変更しておく。さらに制御装置40は、第2の期間tが経過したタイミングで加熱装置12による加熱を停止し、所定の降温期間tをかけて熱処理炉10内を所定の温度まで降温させる。以上の手順により、ワーク100に対するガス軟窒化が完了する。
本実施形態では、熱処理炉10内を軟窒化温度Tに保持した状態で、第1の期間tにわたってアンモニアを含むベースガスおよびアセチレンを含む添加ガスを供給し、その後第2の期間tにわたってアンモニアを含むベースガスのみを供給するようにしている。上述のように、アセチレンはアンモニアの分解を促進する触媒をワーク表面に生成するために供給される。従って、本実施形態では、第1の期間tは主にワーク100中へ窒素を積極的に侵入させる期間として設定され、第2の期間tは主にワーク100中に侵入した窒素を拡散させる期間として設定されている。
合金成分を殆ど含まない炭素鋼や合金成分の含有量の少ない低合金鋼のワーク100に対しては、十分な量の窒素をワーク100中に侵入させて化合物層を形成する必要がある。しかし、アセチレンはワーク100以外の熱処理炉10内の各部に吸着して容易に分解するため、ワーク100の表面に必要な量のアセチレンを到達させるためには、熱処理炉10内を軟窒化温度Tに保持した状態において十分な期間にわたって供給されることが好ましく、本願発明者の知見によれば、第1の期間tの長さは少なくとも第2の期間tの長さ以上に設定されることが好ましい。
このため、本実施形態では、第1の期間tの長さを第2の期間tの長さ以上に設定することで、アセチレンを十分な期間にわたって継続的に供給し、十分な量の窒素をワーク100中に侵入させることを可能としている。すなわち、本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、被処理材が炭素鋼および低合金鋼の場合には、ワーク100中への窒素の侵入および拡散を行う期間(すなわち、第1の期間tおよび第2の期間tの合計の期間)の半分以上の期間にわたってアセチレンを供給した方が、より効率的に化合物層を形成可能であることを見出したのである。
なお、第1の期間tの長さおよび第2の期間tの長さは特に限定されるものではなく、ワーク100の表面積や熱処理炉10内の容積、必要な化合物層の厚み等に応じて適宜に設定すればよい。但し、ワーク100中に侵入させた窒素を十分に拡散させ、十分な硬度および厚みの化合物層を安定的に生成するためには、第2の期間tの長さをある程度確保することが好ましい。また、第1の期間tがあまり長すぎると、過剰に供給されたアセチレンの分解により煤が発生するスーティング(Sooting)を生じる場合がある。
従って、ワーク100中への窒素の侵入および拡散のバランスを考慮すると、第1の期間tの長さは第2の期間tの長さの1倍以上3倍以下の範囲内であることが好ましく、1.5倍以上2.5倍以下の範囲内であればより好ましい。また、十分な硬度および厚みの化合物層の安定的な生成とスーティングの発生防止のバランスを考慮すると、第1の期間tおよび第2の期間tの合計の長さは、1.5時間以上5時間以下の範囲内であることが好ましく、2時間以上4時間以下であればより好ましい。換言すれば、本実施形態では、第1の期間tの長さを第2の期間tの長さ以上に設定することで、従来よりも短い処理時間で十分な硬度および厚みの化合物層を生成することが可能となっている。
また、軟窒化温度Tは、特に限定されるものではなく、ワーク100の材質や必要な化合物層の硬度および厚み等に応じて、適宜に設定すればよい。但し、軟窒化温度Tが低すぎると、ワーク100表面におけるアンモニアおよびアセチレンの分解の反応速度が下がり、アセチレンの供給による触媒の効果が十分に発揮されない場合がある。また、軟窒化温度Tが高すぎると、アンモニアの分解以上にアセチレンの分解が促進されることとなるため、スーティングの発生する可能性が高まる場合がある。従って、ガス軟窒化をより効率的に行うためには、軟窒化温度Tは、540℃以上620℃以下の範囲内の温度に設定されることが好ましく、560℃以上600℃以下の範囲内の温度に設定されればより好ましい。また、軟窒化温度Tをこのような範囲内に設定することで、第1の期間tの長さおよび第2の期間tの長さを短縮することが可能となる。
また、アンモニアの供給流量に対するアセチレンの供給流量の割合は、特に限定されるものではないが、アセチレンの供給による触媒の効果とスーティングの発生防止のバランスを考慮すると、アセチレンの供給流量は、標準状態における体積流量でアンモニアの供給流量の0.4%以上0.8%以下の範囲内であることが好ましく、0.5%以上0/7%以下の範囲内であればより好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るガス軟窒化方法は、熱処理炉10内に収容した炭素鋼または低合金鋼のワーク100を加熱すると共に、アンモニアを含むベースガス、および鎖式不飽和炭化水素を含む添加ガスを熱処理炉10内に供給するガス軟窒化方法であって、ワーク100を収容した熱処理炉10内を所定の軟窒化温度Tに保持した状態でベースガスおよび添加ガスを熱処理炉10内に供給する第1の期間tと、第1の期間t後に熱処理炉10内を軟窒化温度Tに保持した状態でベースガスのみを熱処理炉10内に供給する第2の期間tと、が設定され、第1の期間tの長さは、第2の期間tの長さ以上に設定されている。
このような構成とすることで、効率的にガス軟窒化を行うことができる。すなわち、鎖式不飽和炭化水素を含む添加ガスを使用することで、雰囲気ガス中に水蒸気が発生しないようにすることが可能となるため、ワーク100表面における酸化物の生成を抑制して効率的且つ安定的にワーク100中に窒素を侵入させることができる。また、熱処理炉10内での炭酸アンモニウムの生成を防止すると共に、炉内の雰囲気ガスの露点管理を容易にすることができる。さらに、第1の期間tの長さを第2の期間tの長さ以上に設定することで、ワーク100の表面に適切な量の鎖式不飽和炭化水素を供給し、アンモニアの分解を促進する触媒となる炭化物を適切に生成することが可能となるため、短時間で効率的にガス軟窒化を行うことができる。
また、第1の期間tの長さは、第2の期間tの長さの1倍以上3倍以下の範囲内に設定されることが好ましい。このようにすることで、ワーク100中への窒素の侵入および拡散を適宜にバランスさせることが可能となるため、十分な硬度および厚みの化合物層を安定的に生成することができる。
また、第1の期間tおよび第2の期間tの合計の長さは、1.5時間以上5時間以下の範囲内に設定されることが好ましい。このようにすることで、処理時間を短縮するだけでなく、十分な硬度および厚みの化合物層の安定的な生成と、鎖式不飽和炭化水素に起因するスーティングの防止を高いレベルで両立させることができる。
また、軟窒化温度Tは、540℃以上620℃以下の範囲内に設定されることが好ましい。このようにすることで、アセチレンの供給による触媒の効果を十分に発揮させながらも、スーティングの発生を防止すると共に処理時間を短縮することができる。
また、添加ガスとしてアセチレンを含むガスを使用することが好ましい。三重結合を有し、分子量の少ないアセチレンを使用することで、十分な量の添加ガスを供給してワーク100表面に効率的に触媒を生成しながらも、スーティングを発生しにくくすることができる。また、入手が比較的容易であるため、効率的なガス軟窒化を簡便に実現することができる。
また、熱処理炉10内に供給されるアセチレンの標準状態における体積流量は、熱処理炉10内に供給されるアンモニアの標準状態における体積流量の0.4%以上0.8%以下の範囲内であることが好ましい。このようにすることで、ワーク100表面に効率的に触媒を生成しながらも、スーティングを発生しにくくすることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のガス軟窒化方法およびガス軟窒化装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、密閉型の熱処理炉10を備えるガス軟窒化装置1の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガス軟窒化装置1は、開放型の熱処理炉10を備えるものであってもよい。この場合、例えばベースガスをアンモニアと窒素等の不活性ガスの混合ガスとして供給流量を増やすことで、外部から炉内への大気の流入を適宜に防止することができる。
また、ガス供給装置20は、共通の配管を介して各ガスを熱処理炉10内に供給するものであってもよいし、ガスごとに複数の供給系統を備えるものであってもよい。また、流調弁22c、24c、26cは、制御装置40の制御によって各ガスの供給流量を調整するものであってもよい。
また、上記実施形態では、熱処理炉10内の昇温の開始と略同時に添加ガスの供給を開始する場合の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば熱処理炉10内の温度が100℃〜200℃程度に上昇したタイミングで添加ガスの供給を開始する等、添加ガスの供給開始タイミングをずらすようにしてもよい。また、不活性ガスの供給を、第1の期間tおよび第2の期間tにおいても係属して行うようにしてもよく、これにより外部から炉内への大気の流入を防止するようにしてもよい。
また、上記実施形態において示した作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したものに過ぎず、本発明による作用および効果は、これらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、本実施例に何ら限定されるものではない。
本実施例では、上記実施形態のガス軟窒化装置1を使用し、図2に示すタイムチャートに沿ってガス軟窒化を行った。テストピースには、SS400、SK5MおよびS45Cの三種類の材質を使用した。不活性ガスには窒素ガスを使用し、ベースガスにはアンモニアガスを単体で使用し、添加ガスにはアセチレンガスを単体で使用した。不活性ガスの供給流量は、昇温期間tにおいては0.7Nl/minに設定し、降温期間tにおいては1.5Nm/hrに設定した。ベースガスの供給流量は1.8Nm/hrに設定し、添加ガスの供給流量は0.2Nl/minに設定した。軟窒化温度Tは580℃に設定し、昇温期間tは1時間40分に設定し、第1の期間tは2時間に設定し、第2の期間tは1時間に設定した。
上記条件で三種類の材質のテストピースについてガス軟窒化を行った後、マイクロビッカース硬度計による表面の硬さ測定を各テストピースについて5回ずつ行った。図3は、硬さ測定の結果を示した表である。同図に示されるように、SS400ではHV730以上の表面硬度、SK5MではHV780以上の表面硬度、S45CではHV810以上の表面硬度を達成することができた。
硬さ測定後には、各テストピースを切断して光学顕微鏡による断面の組織観察を行った。図4はSS400の断面の顕微鏡写真であり、図5はSK5Mの断面の顕微鏡写真であり、図6はS45Cの断面の顕微鏡写真である。これらの図に示されるように、いずれの材質においても、表面近傍に白い化合物層が良好に形成されていることが確認された。また、化合物層の厚みを測定したところ、SS400では約10.0〜13.0μm、SK5Mでは約13.0〜14.0μm、S45Cでは約5.0〜6.0μmであり、十分な厚みの化合物層が形成されていることが確認された。
すなわち、本発明のガス軟窒化方法およびガス軟窒化装置によれば、良好な品質のガス軟窒化を短時間で効率的に行うことが可能であることが確認された。
本発明に係るガス軟窒化方法およびガス軟窒化装置は、鋼の表面硬化の分野において利用することができる。
1 ガス軟窒化装置
10 熱処理炉
100 ワーク
T 軟窒化温度
第1の期間
第2の期間

Claims (2)

  1. 熱処理炉内に収容した炭素鋼または低合金鋼のワークを加熱すると共に、アンモニアを含むベースガス、およびアセチレンを含む添加ガスを前記熱処理炉内に供給するガス軟窒化方法であって、
    前記ワークを収容した前記熱処理炉内を所定の軟窒化温度に保持した状態で前記ベースガスおよび前記添加ガスを前記熱処理炉内に供給する第1の期間と、
    前記第1の期間後に前記熱処理炉内を前記軟窒化温度に保持した状態で前記ベースガスのみを前記熱処理炉内に供給する第2の期間と、が設定され、
    前記第1の期間の長さは、前記第2の期間の長さの1倍以上3倍以下の範囲内に設定され、
    前記第1の期間および前記第2の期間の合計の長さは、1.5時間以上4時間以下の範囲内に設定され、
    前記軟窒化温度は、540℃以上620℃以下の範囲内に設定され、
    前記熱処理炉内に供給される前記アセチレンの標準状態における体積流量は、前記熱処理炉内に供給される前記アンモニアの標準状態における体積流量の0.4%以上0.8%以下の範囲内であることを特徴とする、
    ガス軟窒化方法。
  2. 請求項1に記載のガス軟窒化方法を実行することを特徴とする、
    ガス軟窒化装置。
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